西アフリカ主要国の石油と天然ガス動向jpec レポート 1 平成27年5月28日 j...

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JPEC レポート 1 平成 27 年 5 月 28 日 西アフリカ主要国の石油と天然ガス動向 本レポートでは、米国エネルギー省 DOE)エネルギー情報局(EIA)レポー トを主なベースとして、最近の西アフリカ 地域の石油と天然ガス動向について紹介 する。 1. 西アフリカ地域の石油産業の概要 西アフリカ地域に属する国々は、18 国(英国の海外領土を 1 つ含む)である (図 1 参照)。 同地域に属する諸国について石油 関連情報の概要を国土面積順に示す (表 1 参照)。 石油確認埋蔵量は、①ナイジェリア ②ガーナ ③ニジェールの順になって いる。次に石油生産量は、①ナイジェ リア ②ガーナ ③コートジボワールの 順となる。最後に原油精製能力は、① ナイジェリア ②コートジボワール ガーナの順となる。 1. 西アフリカ地域に属する国々 上記3 項目において、ナイジェリアが他国を圧倒的にリードしており、同国は西アフリカ地域の 石油大国と言える。なお、ニジェールは石油確認埋蔵量で 3 位だが、その量はごく僅かである。 次項以降で西アフリカ地域の石油産業の主要国として、ナイジェリア、コートジボワール、 ガー ナの 3 ヶ国を選定し、より詳しく紹介する。 2 2 2 0 0 0 1 1 1 5 5 5 1. 西アフリカ地域の石油産業の概要 1 1.1 ナイジェリアの石油産業 2 1.2 コートジボワールの石油産業 9 1.3 ガーナの石油産業 9 2. 西アフリカ地域の天然ガス産業の概要 10 2.1 ナイジェリアの天然ガス産業 11 2.2 ガーナの天然ガス産業 14 2.3 国際天然ガスパイプライン 15 3. まとめ 16

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JPECレポート

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平成 27年 5月 28日

西アフリカ主要国の石油と天然ガス動向

本レポートでは、米国エネルギー省

(DOE)エネルギー情報局(EIA)レポー

トを主なベースとして、最近の西アフリカ

地域の石油と天然ガス動向について紹介

する。

1. 西アフリカ地域の石油産業の概要

西アフリカ地域に属する国々は、18ヶ

国(英国の海外領土を 1つ含む)である

(図 1参照)。

同地域に属する諸国について石油

関連情報の概要を国土面積順に示す

(表 1参照)。

石油確認埋蔵量は、①ナイジェリア

②ガーナ ③ニジェールの順になって

いる。次に石油生産量は、①ナイジェ

リア ②ガーナ ③コートジボワールの

順となる。最後に原油精製能力は、①

ナイジェリア ②コートジボワール ③

ガーナの順となる。 図 1. 西アフリカ地域に属する国々

上記3項目において、ナイジェリアが他国を圧倒的にリードしており、同国は西アフリカ地域の

石油大国と言える。なお、ニジェールは石油確認埋蔵量で 3位だが、その量はごく僅かである。

次項以降で西アフリカ地域の石油産業の主要国として、ナイジェリア、コートジボワール、 ガー

ナの 3ヶ国を選定し、より詳しく紹介する。

JJJPPPEEECCC レレレポポポーーートトト 222000111555 年年年度度度 第第第555回回回

1. 西アフリカ地域の石油産業の概要 1

1.1 ナイジェリアの石油産業 2

1.2 コートジボワールの石油産業 9

1.3 ガーナの石油産業 9

2. 西アフリカ地域の天然ガス産業の概要 10

2.1 ナイジェリアの天然ガス産業 11

2.2 ガーナの天然ガス産業 14

2.3 国際天然ガスパイプライン 15

3. まとめ 16

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表1.西アフリカ諸国の石油関連情報一覧(2013年)

国名

(国土面積順)

国土面積

(千km2)

石油確認

埋蔵量

(億バレル)

石油生産量

(BPD)

石油消費量

(BPD)

石油輸出量

(BPD)

原油精製

能力

(BPD)

1 ニジェール 1,267 1.5 20,000 5,770 14,230 0

2 マリ 1,240 0.0 0 5,440 ▲5,440 0

3 モーリタニア 1,030 0.2 6,750 17,870 ▲11,120 0

4 ナイジェリア 924 370.7 2,371,510 302,000 2,069,510 445,000

5 コートジボワール 322 1.0 37,650 22,760 14,890 60,000

6 ブルキナファソ 274 0.0 0 10,250 ▲10,250 0

7 ギニア 246 0.0 0 8,810 ▲8,810 0

8 ガーナ 239 6.6 97,910 66,570 32,620 45,000

9 セネガル 197 0.0 0 42,000 ▲42,000 25,000

10 ベナン 113 0.1 0 34,410 ▲34,410 0

11 リベリア 111 0.0 0 3,780 ▲3,780 1,500

12 シェラレオネ 72 0.1 30 4,500 ▲4,470 10,000

13 トーゴ 57 0.0 0 12,260 ▲12,260 0

14 ギニアビサウ 36 0.0 0 3,020 ▲3,020 0

15 ガンビア 11 0.0 0 3,350 ▲3,350 0

16 カーボベルデ 4 0.0 0 2,780 ▲2,780 0

17 サントメ プリンシペ 1 0.0 0 900 ▲900 0

18 セントヘレナ 0.1 0.0 0 60 ▲60 0

計 合計 6,144 380 2,533,850 546,530 1,988,600 586,500

(注意:▲は輸入量を表す)

1.1. ナイジェリアの石油産業

1.1.1 概要

ナイジェリアは、アフリカ最大の石油生産

国であり、石油輸出国機構(OPEC)の加盟

国でもある。また、2013 年 同国は、南アフ

リカ共和国を抜いてアフリカ最大の経済大国

にもなっている。

しかしながら同国経済は、石油と天然ガス

資源に大きく依存している。上記両資源産業

が政府歳入の 75%、輸出収入の 95%を占めて

いる。この偏った依存度のため、同国経済は

油価格の下落に対して脆弱体質である。 図 2. ナイジェリアの詳細図

ニジェールデルタ

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ナイジェリアの油田とガス田は、紛争の源となっている南部ニジェールデルタに位置

している(図2参照)。富の共有を求める地元の過激派がしばしば石油インフラを襲撃し、

その影響を受けて国際石油企業(IOCs)は、石油出荷に対する不可抗力(force majeure)

を宣言することを余儀なくされている。その結果、石油を大量に生産しているにも拘ら

ず、同国の石油生産は不安定である。また、石油窃盗団が原油パイプラインを損傷させ、

生産量のロスが発生し、時には油田の生産停止にまで追い込まれることもある。さらに、

石油流出による土壌汚染や水質汚染、油田からの随伴ガスのフレア焼却処理は、温室効

果ガス排出と大気汚染の原因となり環境問題深刻化している。

2012 年 同国の一次エネルギー消

費量の内訳は、バイオマスと廃棄物(木

材、木炭、動物の排泄物、農作物残渣)

が 80%と圧倒的に多くなっている。なお、

在来型化石燃料である石油が 13%、天

然ガスは 6%と少ない構成になっている

(図 3参照)。

図 3. ナイジェリアの費目別

一次エネルギーの割合(2012年)

1.1.2 石油の埋蔵量と探査

Oil & Gas Journalによれば、2015年 1

月時点のナイジェリアの石油確認埋蔵量は、

370億bblでアフリカではリビアに次いで第2

位である。石油埋蔵量の多くは、ニジェール

デルタとギニア湾内のベニン湾曲部およびボ

ニー湾曲部の沖合に集中している(図 4参

照)。 図 4. ギニア湾内の詳細図

現在、石油探査活動のほとんどは、深海域(水深1,500ft以上、約460m)または超深海域(水

深 4,500ft以上、約 1,370m)に焦点を合わせている。しかしながら、2008年に提出された石油

産業法案(PIB〈Petroleum Industry Bill〉)の成立が利害関係で長く遅延しており、この影響

からプロジェクトへの投資の遅れとなっており、探査開始時期が繰返し延期されている。

ベニン湾曲部

ボニー湾曲部

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一方、ナイジェリア国営石油(NNPC〈Nigerian National Petroleum Co.〉)は、同国北東部

のチャド盆地で内陸石油探査活動に取り組んでいたが、新規油田の発見不足と武装グループ

(Boko Haram)の活動により、現在 探査活動を休止している。

1.1.3 石油の生産

ナイジェリアでは、石油収入の不透明性、石油利権分配上の利害対立、石油流出による深刻

な環境破壊および地元民族間や宗教上の対立などが、石油を豊富に産するニジェールデルタ

地域内に不安定な状況を創出していた。同国政府は過激派武装勢力対策として、同勢力と現金

授受および就業研修等の機会提供と交換に武器を放棄することで合意に達し、2009年後半に

恩赦を宣言した。その後、実施された恩赦プログラムにより石油施設への襲撃が減少する効果

があった。その効果を受けて国際石油企業(IOCs)は、いくつかの損傷を被った石油インフラを

修理し、原油生産量は部分的に回復している。

原油増産傾向のもう 1つの要因は、新しい深海油田からの原油増産があげられる。同国政府

は、原油生産能力を上げると共に海上油田を増やすため、深海エリアにおける開発投資の促進

策を講じた。同国政府は具体策として、巨額な投資が伴う深海域への石油開発を促進するため、

水深が増すにつれ収入のシェアが大きくなる生産物分与契約 (PSC〈Production Sharing

Contact〉)を IOCs側に提供したのである。

2014年 同国は、石油と他の液体燃料を合わせて 240万BPD生産した(図5参照)。内訳は

原油 200万BPD、残り 40万BPDはコンデンセートと天然ガスプラントからの液体燃料および

製油所処理ゲイン(Refinery processing gain)であった。ちなみに、製油所処理ゲインとは、製

油所の「In(入り)体積」に対し「Out(出)体積」が増えることをいう。同ゲインは、流動接触分解装

置(FCC)などで大きくて重い分子が、小さくて軽い分子に分解され体積が増加することで発生

する。

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図 5 ナイジェリアの石油生産量と消費量(百万BPD)

2012年 2月 Usan深海油田(12.5万BPD)が生産開始して以降、大型油田の新規生産開

始はない。2014年 小型だがBonga North West油田(4万BPD)が生産開始し、産油量減少

を幾分か補った。また同国では、今後複数の深海プロジェクトが計画されている(表 2参照)。

表 2 ナイジェリアにおける液体燃料プロジェクト計画

プロジェクト名 運営者 Type

液体燃料

生産見込量

(万BPD)

最終投資判断 工事開始年

Dibi Long-Term Project Chevron 海上油田 7.0 投資決定済 2016年

Sonam Field Development Chevron 天然ガス 3.0 投資決定済 2016年

Gbaran-Ubie

Phase Two Project Shell 天然ガス 2.0 投資決定済 2017年

Erha North Phase 2 ExxonMobil 深海油田 6.0 投資決定済 2018年以降

Egina Total 深海油田 20.0 投資決定済 2019年以降

Bonga Southwest and Aparo Shell 深海油田 22.5 未決定 2020年以降

Bonga North Shell 深海油田 10.0 未決定 2020年以降

Zabazaba-Etan Eni 深海油田 12.0 未決定 2020年以降

Bosi ExxonMobil 深海油田 14.0 未決定 2020年以降

Satellite Field Development

Phase 2 ExxonMobil 深海油田 8.0 未決定 2020年以降

Uge ExxonMobil 深海油田 11.0 未決定 2020年以降

Nsiko Chevron 深海油田 10.0 未決定 2020年以降

Source: U.S. Energy Information Administration based on reports from Chevron Corporation, ExxonMobil, Royal

Dutch Shell, Total, and Oil & Gas Journal

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1.1.4 石油精製

ナイジェリア国営石油(NNPC)は、下記 4製油所を保有し、原油精製能力合計は 44.5万

BPDである(表3、図6参照)。しかしながら、全製油所の原油精製能力合計は、国内需要を超

える公称能力を持っているにもかかわらず、稼動率が低いため石油製品の輸入を余儀なくさ

れている。各製油所は、運転上の不具合、火災、原油パイプラインの破壊行為などにより、慢

性的に公称能力以下で運転されている。2013年 全製油所の実質平均稼動率は、約 22%(約

10万BPD)に過ぎず、同国の消費量を賄うため同年 16.4万BPDの石油製品を輸入した。

表 3. ナイジェリアの製油所概要一覧

製油所名 所在地 運営会社名 精製能力

(万BPD) 稼動年

2次処理装置

(BPD)

Port Harcourt

第1製油所 Port Harcout Port Harcout Refinery Co. 6.0 1965年 ・接触改質(6,000)

Port Harcourt

第2製油所 Port Harcout Port Harcout Refinery Co. 15.0 1989年

・減圧蒸留(54,000)

・接触分解(40,000)

・接触改質(33,000)

・接触水素化処理(33,000)

・アルキレーション(7,020)

・異性化(3,610)

Warri製油所 Warri Warri Refinery

& Petrochemical Co. 12.5 1978年

・減圧蒸留(34,200)

・接触分解(24,700)

・接触改質(15,770)

・接触水素化処理(15,770)

・アルキレーション(2,850)

・異性化(3,610)

Kaduna製油所 Kaduna Kaduna Refinery

& Petrochemical Co 11.0 1980年

・減圧蒸留(36,290)

・接触分解(18,000)

・接触改質(15,300)

合計 44.5

上記対策のため同国政府は、ここ数年間に渡り複数の製油所

の新設を計画してきた。その計画の中でDangote Oil Refining

Company(同国複合企業Dangote Group)は、110億米ドル投

じてラゴス(同国最大の都市)近郊Lekkiに 50万BPDの製油

所を建設することを計画している。同製油所は 2018年中頃まで

に稼動開始する予定で、完成すればアフリカ最大規模の製油所

となる。また、この石油精製コンビナートには、石油化学プラント

と肥料プラントも併設することが計画されている。 図 6. 製油所の位置

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1.1.5 原油とコンデンセートの輸出

軽質で低硫黄分のナイジェリア原油(API度29.0〜47.0、硫黄含有量0.05〜0.30wt%、代表

油種名 Bonny Light)は広く世界市場に輸出されている。2014年 同国は、石油(原油とコン

デンセート)を 205万BPD輸出した。同年インドは、前記輸出量の 18%に当たる約37万BPD

を購入し、ナイジェリア原油の最大輸入国となっている。

2011年まで米国は、ナイジェリアから米国の輸入石油合計の 9〜10%を輸入し、同国石油の

最大の輸入国であった。しかしながら、2014年 そのシェアは米国の輸入石油合計の 1%未満

まで落ち込み、輸入国では 10番目に後退した。その主な理由は、米国ノースダコタ州Bakken

油田とテキサス州Eagle Ford油田からの軽質で低硫黄分のシェールオイルの生産量の伸びに

より、類似の品質をもつ同国産原油輸入量の大幅な減少を招いたためである。

一方、逆に欧州の輸入量は年々増え、2011年に 40%以上、2012年には 30%増加した。

2014年 欧州は、ナイジェリアから石油(原油とコンデンセート)を 90万BPD以上輸入した。こ

の輸入量は同国の石油輸出量合計の約 45%に当たり、地域別では欧州が最大の輸出先となっ

ている。これは、核開発疑惑のあるイラン産原油の輸入禁止措置とリビアからの散発的な供給停

止により、欧州が同国からの石油輸入量を増やしたことが要因である。

1.1.6 石油産業の規制

現在、ナイジェリアの石油・天然ガスの大型プロジェクトのほとんどは、IOCsとナイジェリア国

営石油(NNPC)の合弁による資金で運営され、NNPCがその過半数の権益を保有している。

また上記以外のプロジェクトは、生産物分与契約(PSC)を通し IOCsによって管理されている。

深海域プロジェクトにおける PSC条項は、同プロジェクトの開発を動機付けるのに好ましい効

果がある。NNPC は、Shell、ExxonMobil、Chevron、TotalおよびEniと PSC条項を備えた

合弁事業を保有している。前記をふまえてIOCsの大規模投資は、深海域の石油・天然ガスプロ

ジェクトに焦点を合わせている。

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1.1.7 石油窃盗団

近年 ナイジェリアでは、雇用創出の欠如と経済開発に進展がないことから、石油窃盗団が増

加している。石油窃盗団は様々な階層の人々が絡み、石油生産プロセスのあらゆる段階(井戸

元、マニフォールド〈各生産井戸から配管を通じて一本に集約し海上施設に送る構造物〉、パイ

プライン、輸出基地の貯蔵タンク等)から原油が盗まれている。

石油窃盗団の最も多い手法は、パイプラインに穴を開けてホースで原油を吸い上げ、艀(はし

け)または小型タンカーに送り込むものである。盗まれた原油の多くは、国内の輸出基地から直

接 国際石油市場に売られたり、一部は小型タンカーから沖合で待っている大型タンカーに移し

販売されている。IOCsは、盗難原油総量を集計報告していないので、その全体量の把握につ

いて信頼できる情報源はない。しかしながら、この石油設備損壊による生産停止および出荷の

遅延は、石油収入に大きく依存した同国経済にとって深刻な損害を与えている。

1.1.8 西アフリカ沖での海賊行為

過去数年間 西アフリカ沖での海賊行為が増加し、地域の石油産業と海上交通に悪影響を与

えている。海洋安全保障の専門家は、西アフリカ沖の海賊事案数が東アフリカ沖(特にソマリア

沖)を凌ぎ、世界で最も危険な海域になっていると述べている。国連が運用している衛星運用プ

ログラム(UNOSAT)によれば、西アフリカ沖(特にギニア湾)での海賊による襲撃数は減る傾向

はなく、さらに暴力的になっている。海賊出没を追跡している国際海事局(IMB)は、タンカーの

保険料アップを恐れ、西アフリカ沖における海賊の出没件数が過少報告されていると見ている。

東アフリカ沖では、日本を含む外国の武装警備隊により海賊行為の抑制に成功している。一

方、西アフリカ沖での海賊出没を減らすのに最も障害となっているものの1つは、ナイジェリア政

府が同海域での外国の武装警備隊の活動を許可していないことがあげられる。身代金目的の誘

拐が多い東アフリカ沖の海賊に比べ、西アフリカ沖の海賊は原油および石油製品を盗むことを

主な目的としていることが多いことに特徴がある。

1.1.9 環境破壊

老朽化したパイプラインに対する貧弱な維持補修体制、石油窃盗団により損傷を受けたパイ

プラインおよび非合法製油所からの石油流出などにより環境が破壊されている。漏えいした石油

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により土壌や水系を汚染し、近隣の村々に深刻な悪影響を与えている。また、随伴ガスのフレ

ア焼却処理が大気汚染の原因になっている。地元の環境団体は、飲料水汚染、耕作可能地

減少や魚類減少に繋がる公害だと IOCs に抗議し、両者間関係を悪化させている。

1.2 コートジボワールの石油産業

コートジボワールは、ギニア湾に面した同国最大の

都市 Abidjan(アビジャン)に唯一の製油所を保有して

いる。Societe Ivoirienne de Raffinage (SIR)が運営

するAbidjan製油所は、6万BPDの常圧蒸留装置を

中核とし、2次処理装置として水素化分解、接触改質 2

基、ガソリン水素化処理2基、灯油脱硫2基、水素製造

装置を持つ高度化された製油所である。(参照図 7)

同国は、自国産原油で不足する消費量分をナイジェ

リアからの輸入原油を処理して補っている。なお同国は、 図 7. コートジボワールの詳細図

Gulf Oil(現Chevron)とナイジェリア産原油を 1.0〜1.6

万BPD処理する契約を結んでいる。

1.3 ガーナの石油産業

2007 年にギニア湾の沖合 約 60km で Jubilee 油田

(水深約 1,600m)が発見されて以来、ガーナの石油分野

は大きく拡大した。同油田は 2010 年から生産開始し、同

国の石油生産量は2009年の7,000BPDから2013年に

は 9,000BPDに増加した。

Tullow Oil(イギリス)は、さらにギニア湾の海洋石油を

開発する「TEN (Tweneboa,Enyenra and Ntomm)」

プロジェクト(Jubilee 油田から西に 20km)を進めている。

同プロジェクトの石油生産開始は 2016 年中頃の予定で

あり、ピーク生産量は原油 8万BPDおよび天然ガスを 図 8. ガーナの詳細図

142万m3/D と見込んでいる。

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ガーナは、製油所を唯一 1ヶ所保有している。Tema Oil Refinery Co. Ltd(TOR)が操業し

ている Tema 製油所(首都アクラの東部 Tema 地区)である(図 8 参照)。原油精製能力は 4.5

万BPDであり、2次処理装置として、接触分解装置と接触改質装置を各 1基もつシンプルな製

油所である。同製油所は、装置の老朽化と原油購入資金不足のため、過去数年間 繰り返し停

止している。同国は、Petro Saudi International Ltd と共同事業化して同製油所の運転を再

開する意思を表明しているが、実現するかは不明確である。

2. 西アフリカ地域の天然ガス産業の概要

西アフリカ地域に属する18ヶ国について、天然ガス関連情報の概要を表4に示す。

天然ガス確認埋蔵量および生産量とも石油と同様ナイジェリアが1位となっている。また、ナイジ

ェリアがLNGを生産し輸出している唯一の国でもある。他の諸国の確認埋蔵量および生産量は

わずかである。

表4.西アフリカ諸国の天然ガス関連情報概要(2013年)

国名 国土面積

(千km2)

天然ガス

確認埋蔵量

(億㎥)

天然ガス

生産量

(億㎥)

天然ガス

消費量

(億㎥/年)

天然ガス

輸出量

(億㎥)

LNG生産

設備有無

1 ニジェール 1,267 0 0 0 0 ---

2 マリ 1,240 0 0 0 0 ---

3 モーリタニア 1,030 283 0 0 0 ---

4 ナイジェリア 924 51,079 337 69 268 有り

5 コートジボワール 322 283 16.2 16.2 0 ---

6 ブルキナファソ 274 0 0 0 0 ---

7 ギニア 246 0 0 0 0 ---

8 ガーナ 239 226 0 6.1 ▲6.1 ---

9 セネガル 197 0 0.6 0.6 0 ---

10 ベナン 113 11 0 0 0 ---

11 リベリア 111 0 0 0 0 ---

12 シェラレオネ 72 0 0 0 0 ---

13 トーゴ 57 0 0 0 0 ---

14 ギニアビサウ 36 0 0 0 0 ---

15 ガンビア 11 0 0 0 0 ---

16 カーボベルデ 4 0 0 0 0 ---

17 サントメ プリンシペ 1 0 0 0 0 ---

18 セントヘレナ 0.1 0 0 0 0 ---

計 6,144 51,882 354 92 262

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次項以降で、ナイジェリアの天然ガスについてより詳しく記すとともに、ガーナの天然ガス開

発計画や国際天然ガスパイプラインについても言及する。

2.1 ナイジェリアの天然ガス産業

2.1.1 天然ガスの埋蔵量

Oil & Gas Journal によれば、2015年 1月時点のナイジェリアの天然ガス確認埋蔵量は、

5兆 940億m3でアフリカ最大であり、かつ世界第 9位である。同国の埋蔵量のほとんどは、前

記 石油産出地域でもあるニジェールデルタ地域に存在している。

2.1.2 天然ガスの生産と消費

2008年 11月 地元の窃盗団が「Sokuガス収集&コンデンセートプラント」に接続されている

パイプラインに穴を開けコンデンセートを抜き取ったため、Shellは force majeureを宣言し、補

修のため同プラントを一時停止した。2009年以降は天然ガス生産量が徐々に増加し、2012年

に 425億m3の最高レベルに達した。翌 2013年 天然ガス生産の一時中断と LNG出荷設備

の一時的な停止により、生産量は 10%落ちて 382億m3であった。なお、同年のナイジェリア国

内消費量は、天然ガス生産量の約 36%に当たる 139億m3となっている(図 9参照)。

図 9 ナイジェリアの天然ガス生産量と消費量(兆 ft3)

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2.1.3 天然ガスのフレア焼却処理

ナイジェリアでフレア焼却処理された天然ガス量は、2010年 153億m3から 2013年 121億

m3へと若干減少しつつある。なお、同国はロシアに次ぐ世界第2位のフレア排出国である。ここ

数年間 同国政府は、フレア焼却量削減のためインフラ建設の促進に取り組んでいる。しかしなが

ら、ニジェールデルタ地域の安全保障上の障害により、IOCsが天然ガスを収益化するためのイ

ンフラを構築することを困難にしており、前記政策の進捗状況は未だ限定的である。

現在同国では、フレア焼却されているガスの収益化に焦点を当てた数多くのプロジェクトがあ

るが、計画どおり進むかは未知数である(表 5参照)。

表 5 ナイジェリアの天然ガス収益化プロジェクト

プロジェクト名 運営者

天然ガス

生産量

(MMcf/d)

最終投資判断 工事開始年

Sonam Field Development Chevron 215 投資決定済 2016年

Forcados Yokri Integrated Project2 Shell 65 投資決定済 2017年

Southern Swamp Associated Gas2 Shell 45 投資決定済 2017年

Gbaran-Ubie Phase Two Project Shell 800 投資決定済 2017年

Bonga Southwest and Aparo Shell 15 未決定 2020年以降

Bonga North Shell 60 未決定 2020年以降

Bosi ExxonMobil 260 未決定 2020年以降

Uge ExxonMobil 20 未決定 2020年以降

1MMcf/d is million cubic feet per day.2Units are in barrels of oil equivalent per day (boe/d) for the Forcados

and Southern Swamp projects.Source: U.S. Energy Information Administration based on reports from

Chevron Corporation, ExxonMobil, and Royal Dutch Shell

2.1.4 Escravos GTL プロジェクト

Chevronが主導している「Escravos GTL(Gas to Liquids) プロジェクト」は、予定より約 10

年遅れて建設中である。100億米ドルかけた同プロジェクトの権益は、Chevronが 75%、ナイジ

ェリア国営石油(NNPC) が 25%の出資割合で、Sasol Chevron(Sasolと Chevronの合同企

業体)がGTLプラントの設計と開発の技術的な専門知識を提供している。

2014年中頃に小規模な生産量でスタートした同プロジェクトは、2015年中頃にフル生産に入

る予定である。これにより日量920万m3の天然ガスから、33,200BPDの液体燃料(主に乗用車

やトラック用の合成ディーゼル油)に変換する。

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2.1.5 LNG のタンカー輸出と天然ガスのパイプライン輸出

「Sokuガス収集&コンデンセートプラント」からナイジェリア唯一のBonny LNGプラントに大

量の原料ガスを供給している。2013年 同国は、ガス換算で約226億m3のLNGを輸出した。

この量は世界のLNG交易量の約7%に相当し、カタール、マレーシア、オーストラリア、インドネ

シアに次いで、世界の LNG輸出国のトップ 5にランクされている。

ナイジェリアの LNG交易の

パターンは、ここ数年間で大き

く変化している。最も顕著なの

は、欧州向けの LNG輸出量

が大幅に減ったことである。

2010年 欧州は同国から

LNG輸出量合計の約 67%を

輸入していたが、2013年には

31%までに落ち込んだ。この

理由は、ナイジェリアが輸出先

をアジア市場にシフトしたため 図 10 ナイジェリア産LNGの輸出先(2013年)

である。即ち、2011年 3月の

福島第一原子力発電所の事故以降、LNG火力発電を増強した日本向け輸出が増え、2013年

日本の LNGの輸入量は、2010年実績の約 6倍にまで伸びた。現在、日本は同国産LNGの

最大の輸入国になっており、2013年には輸出LNG合計の 23%を受け入れた(図 10参照)。

これは、ナイジェリア産LNGの発熱量(約 43MJ/㎥)が、すでに輸入しているマレーシア産

LNGの発熱量(約 44MJ/㎥)と近く使い易いことも一因である。

一方、米国のナイジェリア産LNGの輸入量は、ナイジェリア産原油の輸入量と同様に大幅に

減少している。2006年のピーク時の16.1億m3から、2011年には0.6億m3にまで落ち込んだ。

米国 国内におけるシェールガス由来の天然ガス増産の結果として、米国は 2012年には 1999

年以来初めて同国から LNGを輸入しなかった。なお翌 2013年は、同国産LNGの輸入を再

開し 0.7億m3受け入れている。

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ナイジェリアは、大量の天然ガスを LNGの形で、また少量を気相のままWAGP (West

African Gas Pipeline、西アフリカ天然ガスパイプライン)を経由して近隣諸国へ輸出している。

WAGPは、トーゴ海域で船のアンカーにより切断された事故後、2012年 8月~2013年 7月ま

で修理のため供給を一時停止した。その結果、WAGP経由の天然ガス輸出量は、2012年に

4.0億m3、2013年には 5.9億m3(輸送能力の 1/3)まで落ち込んだ。

2.1.6 LNG 施設

【運転中のBonny LNG施設】

Bonny島(ギニア湾に面したニジェール川 河口の島)の LNG施設は、ナイジェリア唯一の

運転中の LNGプラントである。同プラントは、企業連合Nigeria LNG Ltd 《ナイジェリア国営

石油(NNPC、出資比率 49%)、Shell(同 25.6%)、Total(同 15%)、Eni(同 10.4%)》が操業し

ている。

同施設は 6系列の液化トレインを保有し、LNG年産 2,200万トン(ガス換算:299億m3)、

LPG年産 400万トン(8万BPD)の生産能力をもつ。また第 7系列(800万トン)の増設が計画

されているが、完成すれば同施設の合計能力がLNG年産3,000万トン(ガス換算:408億m3)

を超えることになる。

【計画中のBrass LNG施設】

ナイジェリア国営石油(NNPC)、Total、Eniで構成された企業連合Brass LNG Ltdは、ニ

ジェールデルタで「Brass LNG 液化コンビナート」(Bonnyの西約120km)を開発している。当

初 ConocoPhillipsもパートナーであったが、2014年中頃に同プロジェクトから撤退し、株主の

権利を他のメンバーに譲渡した。同施設は 2系列の液化トレインをもち、合計LNG生産能力が

年産 1,000万トン(ガス換算:136億m3)の予定である。現在、初期設計段階で計画より数年遅

れている。

2.2 ガーナの天然ガス開発

ガーナは、ギニア湾の Jubilee 油田から随伴するガスを天然ガスとして販売することを計画し

ている。天然ガスとして日量 425 万 m3生産できる予定である。同プロジェクトは、ガーナガス公

社(GNGC)が運営する Atuabo ガス処理プラントであり、同油田からの随伴ガスを処理設備に

送るパイプラインの敷設および天然ガス液(NGL)の輸出システムなどの建設を含んでいる。

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同プロジェクトで生産された天然ガスは、火力発電用燃料と肥料製造用原料に使われる予定

である。また、同プロジェクトの大半の資金は、中国開発銀行が融資している。なお、請負業者へ

の支払いの遅延、海洋での装置紛失および労働者ストなどのため、当初 2013 年末稼働を予定

していたが遅れている。

また ガーナは、海洋の「TEN (Tweneboa, Enyenra, and Ntomm)随伴ガスプロジェクト」

と ENIの Sankofa とGye Nyame非随伴ガス田の稼動による天然ガス生産量の拡大も計画し

ている。

2012年 同国は、ナイジェリアから同国に至るWAGP(West African Gas Pipeline)を経由し

て 6.23 億 m3の天然ガスを輸入した。なお前述のように、このパイプラインは、2012 年 8 月~

2013 年 7 月まで事故補修のため供給を一時停止した。ガーナ エネルギー省は、パイプライン

経由の輸入天然ガスが不測事故等により停止する緊急事態発生時に、国内消費者への安定供

給体制確保のため、LNGを輸入して再気化する輸入基地建設を検討している。

2.3 国際天然ガスパイプライン

2.3.1西アフリカ天然ガスパイプライン(WAGP)

WAGP(West African Gas Pipeline)は、2011年に商業運転を開始した(図 11参照)。ナイ

ジェリアのEscravos地域からベナン、トーゴを経由してガーナのTakoradiに至る全長678km

に及ぶパイプラインである。公称輸送能力は日量 48万㎥(年間 1.75億m3)であるが、現在の

実稼動能力はその 1/3程度に落ちている。

同パイプラインで輸出した天然ガスの大

部分は、火力発電用燃料に使われている。

なお、将来WAGPをガーナから西隣りの

コートジボワールまで延伸する計画がある。

また、さらに長期的にはセネガルまで伸ば

す可能性もある。

図 11.WAGP の設置図

コートジボワール

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2.3.2 サハラ縦断天然ガス パイプライン(TSGP)

ナイジェリアとアルジェリアの両国は、「TSGP

(Trans-Saharan Gas Pipeline)」の建設を計画している。

ナイジェリアのニジェールデルタの油田から随伴する天然

ガスを、アルジェリアの地中海側のBeni Saf 輸出基地まで

全長 4,023km送り、そこから欧州市場へ供給する計画とな

っている(図 12参照)。

2009年 ナイジェリア国営石油(NNPC)とアルジェリア国

営石油 Sonatrachは、同パイプラインの開発計画を進める

覚書に署名した。同プロジェクトには、TotalやGazprom

(ロシア)を含むいくつかの国際企業が興味を示している。

しかし、パイプラインルート全区間の安全保障問題、建設コ

ストの増大、ナイジェリアにおける規制と政治的な不確実性

などが絡み同プロジェクトは遅延している。

図 12. TSGPの建設計画

3. まとめ

西アフリカ地域では、ナイジェリアが石油および天然ガスの埋蔵量・生産量および輸出量

の全ての項目において圧倒的な地位を有している。また、同国は原油生産量および天然ガス

埋蔵量ではアフリカにおいて1位でもある。さらに同国は、人口も約1億7千万人(2013年、世界

7位)と多く、2013年にはアフリカ最大の経済大国にもなっている。

しかしながら、ナイジェリアは国内に民族および宗教上の対立を抱えるとともに、陸上部で

の石油窃盗団による石油生産ロスや海賊による石油タンカー襲撃等の問題がある。さらに石油

漏えいやフレア燃焼処理にともなう、深刻な環境汚染問題もありその対策が急がれている。

また、ガーナを含めた他の西アフリカ域内各国は、石油および天然ガスの埋蔵量・生産量

とも現状では小規模であるが、今後の動向を注視していきたい。

Beni Saf

Saf

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≪出典および参考資料≫

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(6)米国DOE・エネルギー情報局(EIA)レポート 、Today in Energy 、

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(17)Wikipedia 、West Gas Pipeline 、

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(18)Wikipedia 、Trans-Saharan Gas Pipeline 、

http://en.wikipedia.org/wiki/Trans-Saharan_gas_pipeline 、

(19)leadership

http://leadership.ng/news/432875/honeywell-partners-dangote-on-africas-largest-refinery

本資料は、一般財団法人 石油エネルギー技術センターの情報探査で得られた情報を、整理、

分析したものです。無断転載、複製を禁止します。本資料に関するお問い合わせは

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次回の JPEC レポート(2015 年度 第 6 回)は、「中国の原油・石油製品の需給動向」を

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