中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ...

42
中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン・ハシェミット王国) 20123独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)

Upload: others

Post on 18-Aug-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

中東北アフリカ諸国の貿易投資関連法制度

(ヨルダンハシェミット王国)

2012年3月

独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)

Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本報告書の利用についての注意免責事項

本報告書は日本貿易振興機構(ジェトロ)ドバイ事務所が現地法律コンサルティング

会社Al Tamimi amp Coに作成委託し2012年3月現在入手している情報に基づくものであ

りその後の法律改正などによって変わる場合があります各庁省機関のHP(URL)に

ついても変更されたり閉鎖されたりしますので現在は有効なサイトでも今後リンク

切れとなる可能性がありますまた掲載した情報コメントは筆者およびジェトロの判

断によるものですが一般的な情報解釈がこのとおりであることを保証するものではあ

りませんことを予めお断りします

ジェトロは本報告書の記載内容に関して生じた直接的間接的派生的特別の付

随的あるいは懲罰的損害および利益の喪失についてはそれが契約不法行為無過失

責任あるいはその他の原因に基づき生じたか否かにかかわらず一切の責任を負いませ

んこれはたとえジェトロがかかる損害の可能性を知らされていても同様とします

本報告書にかかる問い合わせ先

独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)

進出企業支援知的財産部 進出企業支援課

E-mail OBAjetrogojp

ジェトロドバイ事務所

E-mail info_dubaijetrogojp

Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

目次

I ビジネス関連法規に関する最近の動向 1

II 貿易および外国為替政策 1

1 WTO およびその他の二国間多国間通商協定への加盟 1

2 貿易および為替政策 2

3 関税制度 4

4 外国為替政策 8

5 輸出入手続き 10

III 外国投資政策 17

1 投資認可促進政策および所轄当局 17

2 外国資本の投資に関する規制 18

3 外国投資に関する奨励策 21

4 税制 22

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務 23

6 知的財産権の保護 27

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類 31

8 財務および会計関係 37

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類 37

1 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

中東北アフリカ諸国の貿易投資関連法制

(ヨルダンハシェミット王国)

I ビジネス関連法規に関する最近の動向

2011年以降ヨルダンハシェミット王国(以下「ヨルダン」)における外国企業

の事業活動および運営に影響を与える幾つかの出来事が発生している一つは中東

地域に吹き荒れた政治的激変「アラブの春」でありもう一つは湾岸協力会議(GCC)

へのヨルダン加盟の取り組みである 中東北アフリカ地域のアラブ諸国に勃発し

た政変はヨルダンを含むすべての近隣諸国に大きな影響を与え続けているヨルダ

ンはシリアやレバノンなどの近隣諸国に比べて政治的に安定しているとはいえア

ラブの春によって発生している出来事から無関係ではいられずその政治的および経

済的影響を避けることはできない加えてヨルダンは天然資源の欠乏による経済

の停滞にも直面している一方GCCへのヨルダン加盟の取り組みは経済に好影響

を与えヨルダンへの外国投資を再活性化させ促進する可能性を持っているGCC

に加盟することによりエネルギー供給の面で豊かな産油国から優遇措置を得られる

などの多くの利益をヨルダンにもたらすことが期待されている

II 貿易および外国為替政策

1 WTO およびその他の二国間多国間通商協定への加盟

1) WTO

ヨルダンは 1994 年に WTO への加盟を申請し2000 年 4 月 11 日に承認された

WTO 加盟を前にヨルダンは大規模な経済的および法律面での改革を行いヨルダ

ンの貿易体制を WTO の加盟条件に合わせた複数の既存法の改正が行われまた

新たな法律も特に知的財産権の分野において草案された

2) その他の二国間多国間通商協定

ヨルダンは複数の地域的および国際的な協定を締結している例を挙げると米国

との自由貿易協定や大アラブ自由貿易協定およびアガディール協定などであるこ

れらの条約に関しては以下の「特恵関税率制度」欄を参照のこと

2 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

1994 年にヨルダンハシェミット王国と日本は両国間および両国を通じた航空

事業の運営および促進に関する協定を結んでいる

2 貿易および為替政策

1) 貿易および為替管理政策制度の概要

本章の以下の各項目で概説

2) 管轄官庁

ヨルダン税関

電話 +962 6 4623186 +962 6 4623186 88

+962 6 4624394 +962 6 4624394 96 +962 6 4637641 +962 6 4637641 42 +962 6 4636394 +962 6 4636394 95

ファクシミリ +962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

3) 輸入品目規制

以下の品目の輸入には事前許可が必要である

bull 2000 ヨルダンディナール(以下「JD」)超の価額の非商業用貨物

bull ビスケット全種類

bull ミネラルウォーター

bull 工業用粉乳

bull 中古タイヤ

4) 輸入禁止品目

輸出入法2001年21号第6条に関連してなされた決定により以下の品目はヨルダンへ

の輸入が禁止されている

bull 本物の銃または武器の形をしたライター

bull 花火

bull 玩具で本来の生物の形状を模したもの動物または人間のDNA を使

用して製造されたもの

bull モザイク画

bull 聖水

bull ライトで装飾されたナンバープレートハイビームライト大音量を

出すための車のスピーカーフォンや排気管など各種の車の付属品

bull レーザーペンとメダル

その他の禁止品目

bull 違法薬物

bull 刃物武器および弾薬‐事前の許可が必要

3 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 植物および植物製品‐事前の許可が必要

bull 生鮮果実および野菜‐事前の許可が必要

bull 食肉および畜産物‐事前の許可が必要

bull 偽札および偽造品

さらに政府はプラスチック廃棄物麻薬植物「カット(qat)」およびディーゼ

ル乗用車のいかなる輸入も禁止している

5) 原産国による輸入規制

シリアとの取引に関しては規制が適用される場合があるシリアが 2011 年にアラ

ブ連盟から脱退しこれに伴う経済制裁を課せられているためである

6) その他の輸入関連法規条約

農産物や食品などに関する輸出入規制に関しては以下の機関が責を有する

bull ヨルダン食品医薬品局(以下「JFDA」)

bull 農業省(MoA)

bull ヨルダン規格度量衡庁(以下「JISM」)

bull 税関局

表示要件は JISM が規定している

表示の法的要件は標準的であるすべての表示はアラビア語で書かれているかまた

はアラビア語の表示を貼付しなければならない通常製品名製造者の名称と住所

正味重量ビタミンやミネラルの追加などの補強栄養価 ロット番号使用期限ま

たは賞味期限なども表示されなければならない離乳食やダイエット食品などには栄

養表示も求められる 包装および容器については上述の当局はいかなる規制も定

めていない

食品添加物についてはJISM および JFDA がヨルダン国内での使用が許可される添

加物について規制している通常ヨルダンは国際食品規格委員会(CODEX

Alimemtarius)に従って添加物の許認可を行っている

JFDA は食品を小売および卸売の段階で検査する権限を有する検査官はいかな

る場所にも立ち入り検査用のサンプルを回収することができる食品が技術的要件

を満たさないまたは人の食用に適さないとされた場合には流通経路から回収され

て破棄される

7) 外国製品の輸入におけるその他の規制

1998 年関税法(改正版含む)の第 31 条に従いすべての税関申告書には以下の項

目が含まれていなければならない

bull 船荷証券または航空貨物輸送証券

bull 価額重量運賃および保険料を記載した商業送り状

bull すべての送り状は原産国におけるヨルダン在外公館の認証を必要とする

ヨルダンの領事館が存在しない場合は税関長の承諾により輸出者の所

在地域の商工会議所の証明書でもよい

bull 輸出者の所在地域の管轄機関が発行した公証済み原産国証明書

4 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 2000 JD を超える貨物については価額申告書

ヨルダンに一時的に輸入される品目保税貨物および投資促進法の対象となる品目

には輸入許可は必要とされないヨルダン資本および外国資本の貿易取引業者は

通関手続きのために産業貿易相から輸入許可証を取得しなければならないまた

輸入農産物および食品に関しては人の食用として適切かどうかを検査される場合も

ある通常加工食品は税関で検査される

すべての送り状で管轄当局が輸入商品に関するアラビア語での説明を要求している

ことに留意する必要がある

ヨルダンに輸入される物品は規格度量衡法2000年22号に定める国の規格に従っ

たものでなければならないこれについては同法に基づいて設立されたJISMが監督

している

8) 輸出品目規制

ヨルダンへの輸入に関するすべての規則がヨルダンからの輸出にも適用される

9) 輸出禁止品目

以下については輸出許可を必要としない

bull ヨルダン製品目

bull 通過貨物

bull 自由貿易圏の品目

bull 再輸出品ヨルダンに一時的に輸入される品目

以下の金属スクラップの輸出については25 JD の料金が発生する

bull 鉄

bull アルミニウム

bull 銅

3 関税制度

1) 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

ヨルダン税関局は以下の拠点を有している

5 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull アルラムサ税関事務所

bull アルマハータ保税事務所

bull アカバ税関検査所

bull アンマン税関検査所

bull 空港税関事務所

bull フセイン国王橋税関事務所

bull エル-ハッサン工業団地税関事務所

bull ヨルダン渓谷検問所税関事務所

bull アンマン税関事務所

bull ジャベル税関事務所

bull アルムダワラ税関事務所

bull モハメド皇太子橋税関事務所

bull アンマン民間空港税関事務所

bull アブドゥッラー2 世国王工業団地税関事務所

bull アルシディア税関事務所

bull オマーリ税関事務所

bull アンマン郵便局税関事務所

bull 特別保税倉庫

bull ザルカフリーゾーン税関事務所

bull アル-カラマ税関事務所

ヨルダン税関局は国家の経済力と産業競争力の向上投資促進に貢献するため以

下の業務を実施するとされている

bull 資本財(機械機器輸送用機材原材料およびその他の必需品)の輸入

について関税および税金を免除すること

bull 輸出用製品に加工するための原材料および工業用部品ならびに仕掛品に

「一時輸入」制度を適用して関税を留保すること

bull 最終製品が輸出される際には使用原材料および工業用部品に対する関税

を払い戻すこと

bull 各税関事務所が上位事務所を通すことなくすべての手続きを完了させる

または担当者一人がすべての書類をまとめて取り扱うことなどの権限を

与えて国内製品の輸出手続きを簡易化すること

bull 輸出関税を免除すること

bull ヨルダンと他国との間の貿易取引を円滑化させること

bull 関税を徴収すること

bull ヨルダン国境を通過する旅行者および貨物の流れならびに輸送を現行

規則に基づく税関局の権限を順守し管理すること

bull 密輸の取り締まり

bull ヨルダン社会および環境を危険物から保護すること

bull 現行規則に従い商業活動を監督し違法事業の阻止に貢献すること

2) ヨルダンの関税体系

ヨルダンでは複合的な関税制度を採用している

httpwwwcustomsgovjocitsLogin_enaspx

3) 免税品分野

6 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ヨルダンの関税率についてはジェトロのホームページ内から日本企業関係者であ

ればどなたも無料で利用できるサイト「世界各国の関税率(WorldTarif)を参照のこ

とhttpwwwjetrogojpthemetradetariff

4) 品目分類

ヨルダンの関税は HS 分類を採用している

5) 関税の種類

ヨルダンの関税は従価税制度を採用しているヨルダン税関局は輸入者が輸入条件

と通商協定の情報を得ることができるシステムを開発したこれは統合関税システム

(以下「CITS」)と呼ばれ輸入者は物品貿易のすべての規制および要件を調べ

ることができるCITS システム内の情報はすべてアラビア語と英語で記載されて

いるさらにCITS システムでは貿易活動に関する情報を提供し商品の関税率

表通商協定関税分類布告公布および国際統一商品分類(HS)に関する要件

を検索することができる

6) 課税基準 (FOB CIF等)および関税以外の諸税

ヨルダンは関税課税基準としてCIFを採用している輸入品に対する付加価値税(ヨル

ダンでは「売上税(Sales Tax)」)も輸入通関時点のCIF価額に基づき算定され

る売上税の基本税率は16だが医薬品や農産物は課税が免除される次の特定品

目に限定されるものではないが自動車タバコ製品アルコール飲料および潤滑油

などには特別売上税が課せられるこのうちタバコ製品およびアルコール飲料には

特別売上税率に加えて一般売上税率も上乗せされる

7) 特恵関税率制度

Aヨルダン米国自由貿易協定

ヨルダンと米国との間で 2001 年に発効した自由貿易協定(以下「FTA」)では二

国間で取引されるほとんどすべての品目のあらゆる関税障壁を 10 年以内に取り除く

ことを目標としているただしFTA の規定はヨルダンと米国の輸出すべてに適

用されるわけではないことに特に注意しなければならない 両者はおのおのの「原

産地規則」に当てはまる製品のみが FTA 協定の特恵の対象となることに合意してい

るFTA の第 2 条に基づき各当事者はFTA 協定の別紙 21 に従い相手方の原

産品目に対する関税を積極的に撤廃する義務を有する両国はまた相互の円滑な自

由貿易への転換を目指し関税の段階的削減制で合意しているよって両国はさ

まざまな製品を対象に分野ごとに以下の一覧を適用することに合意している

分野 関税の撤廃期間

A 2年間(毎年50削減)

B 4年間(毎年25削減)

C 5年間(毎年20削減)

D 10年間(毎年10削減)

E 世界貿易機関関税撤廃義務

7 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

FTA はまた幾つかの製品について特別段階制分野「F」から「M」を設定して

いる対象製品は特定のアルコール製品および繊維製品一般特恵制度(GSP)

輸出品農産物割当分類製品鶏肉リンゴおよび乗用車などである品目の詳細

基本関税率HS コード段階分類などを含む詳細な一覧については以下のサイト

を参照のこと

ヨルダン関税率表 -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file392_8

147pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file211_8453pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file521_8452pdf -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file501_8

455pdf

アメリカ合衆国のスケジュール

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file331_8458pdf

原産地規則に関してはFTA は以下の三つの規定それぞれに該当すれば原産地

規則に該当すると定めている

完全生産実質的変更要件

FTA に基づき免税扱いを受けるためにはヨルダンに輸入される品目は完全に米

国で製造されるか第三国の材料が使用された場合にはそれらの材料が米国におけ

る製造または加工処理の結果米国原産品に「実質的に変更」されている必要がある

国内調達部品 35要件

FTA においては輸入品の通関価額の 35が米国原産材料およびまたは米国にお

ける加工処理原価でなくてはならないと規定している

直接輸送要件

ヨルダンへの輸送途中で米国の適格品目が非適格品目と入り混じらないようにする

ためFTA は「直接輸送」要件を規定しているつまり幾つかの例外を除き当

該品目が米国から直接ヨルダンに輸送された証明 が必要であるということである

B 大アラブ自由貿易協定(以下「GAFTA」)

GAFTA はアラブ諸国 17 カ国の間で締結された協定で1998 年から有効となって

いる締結国は以下のとおりである

1 ヨルダン 7 モロッコ 13 クウェート

2 アラブ首長国連邦 8 シリア 14 チュニジア

3 バーレーン 9 レバノン 15 リビア

4サウジアラビア 10 イラク 16 スーダン

5 オマーン 11 エジプト 17 イエメン

6 カタール 12 パレスチナ

本協定はGAFTA加盟アラブ諸国すべての間に同等に有効な関税の完全撤廃により

物品貿易の完全自由化に合意している

8 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

GAFTA の第 2 条には以下のような規則に従い加盟諸国間の自由貿易を達成する

ことが本協定の目的であると規定されている

1 加盟国間で取引される一定のアラブ商品および製品に対する税の完全

撤廃

2 一定のアラブ商品および製品に対するさまざまな課徴金および規制の

段階的引き下げ

3 一定のアラブ商品および製品に対する段階的保護により同様の非アラ

ブ製品との競争に対応すること

Cアラブ欧州地中海諸国間の自由貿易圏の創設に関する協定(「アガディール協定」)

アガディール協定はヨルダンエジプトチュニジアおよびモロッコの間で 2004

年に締結された

本協定は加盟国間に目的となる(自由)競争を達成するため貿易農業工業

金融および課税制度サービス業ならびに通関などに関する全般的および各産業部

門別の経済政策を調整することを目的としているそして本協定はその発効日

(2006 年 7 月 6 日)をもって工業製品および農産物貿易の完全自由化を規定して

いるさらに加盟国は本協定に基づき輸入品に課せられる量的規制金融手

続きおよび技術的障壁などの非関税障壁を撤廃する義務を有する

ヨルダンが締結している貿易協定すべてについては以下のウェブサイトのリストを

参照のこと

httpwwwjordanecborgPublicEnglishaspxSite_ID=1ampPage_ID=478ampmenu_i

d=32

4 外国為替政策

1) 管轄官庁

反資金洗浄および対テロリスト資金調達対策委員会

電話+962 6 430301

+962 6 4630303

+962 6 4630303

住所P O Box 2181 Amman 11181 Jordan

E メールinfoamlugovjo

営業時間 日曜から木曜 800 am から 400 pm

ヨルダン中央銀行

E メールinfocbjgovjo

本店PO Box (37) Amman-11118-Jordan

電話 +962 6 463030110 (10 回線)

ファクシミリ +962 6 4638889

テレックス21250 Bankazi Jo 21476 Bakazi Jo 21766 Bakazi Jo

Swift code CBJOJOAX

9 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

イルビド支店PO Box 235 Irbid - Jordan

電話+962 2 7245001 +962 2 7245001

テレックス51562 IKAZI JO

ファクシミリ962 2 7245006

Swift codeCBJOJOAX021

アカバ支店PO Box 190 Aqaba - Jordan

電話+962 3 2013526 +962 3 2013526

テレックス62341 AKAZI JO

ファクシミリ+962 3 2013528

Swift codeCBJOJOAX02A

2) 為替相場管理制度および資本取引の規制

外国為替に関する規制は存在しないヨルダン人および非ヨルダン人は同じように

ヨルダン国内および国外で銀行口座をヨルダン通貨および外国通貨で開設し資金

をヨルダン国外に交換可能な通貨で送金する権利を有するただし銀行金融機

関保険会社証券会社および同様の機関は(以下に示すように)適用される反

資金洗浄法規を順守しなければならない

さらに1995年10月23日以降JDは正式にIMFの特別引出権(SDR)に固定さ

れているこのため当該期間のJDの対米ドルレートは1米ドル(以下USド

ル)=0709JDとなっている

3) 貿易取引および貿易外取引に対する規制

貿易取引決済についてヨルダンで通常使用されている支払方法は信用状開設であ

る支払期限については法定期限は存在せず契約当事者間で調印された契約にす

べて委ねられるさらにヨルダン法規ではすべての決済はJDを使用してなさ

れるものと規定されている

ヨルダンからまたはヨルダンに大量の資金を送金する場合には反資金洗浄お

よび対テロリスト資金調達法2007年46号(AML)の次の規定を順守する必要がある

まず理解すべきは反資金洗浄および対テロリスト資金調達法2007年46号(以下

「AML」)が取引を行うすべての法人および個人ではなく本法に規定する事業

活動を行っている個人企業に義務を課しているということである本法の第13条

に本法の義務を課せられる対象を以下のとおり規定している

金融機関

bull ヨルダンで営業している銀行

bull 両替および送金会社

bull 証券委員会が規制する活動を行う個人企業

bull 保険委員会が規制する活動を行う個人企業

bull その他の金融会社

bull 郵便業務を行う会社

非金融機関

bull 不動産業および不動産開発業を営む個人企業

10 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 貴金属および宝石の取引を行う個人企業

上述のいずれかに関する代理業を営む個人企業

閣僚会議が本法の対象範囲に含まれると判断するその他の個人企業

さらにヨルダンにおけるAMLの法的概念は一般的に次の三つを要件としている

bull 顧客および最終受益者を知る必要があること

bull 正しい内部会計および記録制度を採用すること

bull 疑わしい取引および政治的に危うい顧客に対しさらに精緻な検証を実施

し必要に応じ報告するという危機管理を進めること

貿易外取引に対する規制に関しては運賃や保険料の支払いなどの業務の提供ならび

に仲介貿易に対する外国通貨の支払に課せられる規制はない

5 輸出入手続き

1) 輸出入許可の申請

輸出入免許および認可規則2004年114号に従い以下の企業は輸出入許可および認

可を申請することができる

bull 有効な専門許可(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull 非商業的専門免許(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull ヨルダンにおいて会社法に基づき営業している外国会社として登録し

ている外国の請負人ならびに外国の会社もしくは子会社ただし輸入

品が政府または私企業との契約の履行に必要であり当該供給に必要な

輸入であることを当該物品の数量および種類を記載した書類により示す

ことを条件とする

さらに上述規則の第5条に会社が輸入許可を申請するためには輸出者の地域の

商工会議所がおのおのの法律に基づいて発行した有効な原産地証明書が必要である

と規定されている

A 同規則第7条は許可の申請には以下の書類を提出しなければならないと規定して

いる

bull 輸入者または輸出者の名称商号(制定されている場合)ならびに輸入

者の登録番号

bull 許可の通し番号

bull 許可の種類

bull 許可の発行日および有効期限

bull 貨物の種類価額および数量

bull 管轄省が許可申請に必要とみなすその他の情報

上述 A に述べられた情報に加え輸入者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の原産地

bull 貨物の出荷地

11 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述 A に述べられた情報に加え輸出者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の輸出先の名称

bull 原産地証明書の番号その履歴および発行者

bull 送り状番号および日付

bull 貨物の用途

さらに許可は輸入品または輸出品に数量規制が適用されない限り約 7 日間で発

行されると規定されている当該規制が適用される場合でも14 日以内に発行され

手数料

管轄省は以下の手数料を課す

bull 輸入許可発行に 10 JD

bull 輸出許可発行に 5 JD

さらに所轄省および官庁は次の業務に対して以下の手数料を課す

bull 輸出者または輸入者登録簿への登録10 JD

bull 輸出者または輸入者カードの発行または更新15 JD

当事者が許可を申請しなかった場合には輸入品または輸出品の価額の 25に相当

する罰金が科せられる

B 輸入または輸出許可取得除外品目

bull 国王のために輸出入される物品

bull 直接官公庁および公共機関のために輸出入される物品

bull ヨルダンを通過する(接続)貨物ただしその時点の関税法規を条件

とする

bull ヨルダンで開催される展示会会議またはセミナーのために輸入され

事後に再輸出される物品

bull 外交使節団および領事機関から公用のために直接輸出入される物品

bull ヨルダンで営業している銀行のために公共倉庫への預託として税関当局

が承認した物品ただしその時点で有効な関税法規の規定により通関

のために許可を取得する必要がある

bull 個人の手荷物や中古家財など個人利用のために輸出入された物品ただ

し管轄省がそれに関して発令した命令に従うことを条件とする

bull 旅行者が携帯する物品で輸出入が禁止されていない品目ただし2000

JD を超えない価額とする

bull 商人が占有する物品の見本ただし関税官庁が規定する限度以内とす

bull 農場が輸入した農場で必要な農業用資材

bull 野菜および果物の輸出ただし管轄省が別段の判断をする場合を除く

bull 担当相が除外を判断した農産物の輸出

bull 航空機または船で販売される免税場所に搬入される物品

bull 一時輸入される物品

bull 保守のためにまたは展示会会議もしくはセミナーでの展示のために

輸出される物品

bull 原状でもしくは保守後にヨルダンに再輸入される物品ならびに通

関前に再輸出される物品

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 2: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本報告書の利用についての注意免責事項

本報告書は日本貿易振興機構(ジェトロ)ドバイ事務所が現地法律コンサルティング

会社Al Tamimi amp Coに作成委託し2012年3月現在入手している情報に基づくものであ

りその後の法律改正などによって変わる場合があります各庁省機関のHP(URL)に

ついても変更されたり閉鎖されたりしますので現在は有効なサイトでも今後リンク

切れとなる可能性がありますまた掲載した情報コメントは筆者およびジェトロの判

断によるものですが一般的な情報解釈がこのとおりであることを保証するものではあ

りませんことを予めお断りします

ジェトロは本報告書の記載内容に関して生じた直接的間接的派生的特別の付

随的あるいは懲罰的損害および利益の喪失についてはそれが契約不法行為無過失

責任あるいはその他の原因に基づき生じたか否かにかかわらず一切の責任を負いませ

んこれはたとえジェトロがかかる損害の可能性を知らされていても同様とします

本報告書にかかる問い合わせ先

独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)

進出企業支援知的財産部 進出企業支援課

E-mail OBAjetrogojp

ジェトロドバイ事務所

E-mail info_dubaijetrogojp

Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

目次

I ビジネス関連法規に関する最近の動向 1

II 貿易および外国為替政策 1

1 WTO およびその他の二国間多国間通商協定への加盟 1

2 貿易および為替政策 2

3 関税制度 4

4 外国為替政策 8

5 輸出入手続き 10

III 外国投資政策 17

1 投資認可促進政策および所轄当局 17

2 外国資本の投資に関する規制 18

3 外国投資に関する奨励策 21

4 税制 22

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務 23

6 知的財産権の保護 27

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類 31

8 財務および会計関係 37

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類 37

1 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

中東北アフリカ諸国の貿易投資関連法制

(ヨルダンハシェミット王国)

I ビジネス関連法規に関する最近の動向

2011年以降ヨルダンハシェミット王国(以下「ヨルダン」)における外国企業

の事業活動および運営に影響を与える幾つかの出来事が発生している一つは中東

地域に吹き荒れた政治的激変「アラブの春」でありもう一つは湾岸協力会議(GCC)

へのヨルダン加盟の取り組みである 中東北アフリカ地域のアラブ諸国に勃発し

た政変はヨルダンを含むすべての近隣諸国に大きな影響を与え続けているヨルダ

ンはシリアやレバノンなどの近隣諸国に比べて政治的に安定しているとはいえア

ラブの春によって発生している出来事から無関係ではいられずその政治的および経

済的影響を避けることはできない加えてヨルダンは天然資源の欠乏による経済

の停滞にも直面している一方GCCへのヨルダン加盟の取り組みは経済に好影響

を与えヨルダンへの外国投資を再活性化させ促進する可能性を持っているGCC

に加盟することによりエネルギー供給の面で豊かな産油国から優遇措置を得られる

などの多くの利益をヨルダンにもたらすことが期待されている

II 貿易および外国為替政策

1 WTO およびその他の二国間多国間通商協定への加盟

1) WTO

ヨルダンは 1994 年に WTO への加盟を申請し2000 年 4 月 11 日に承認された

WTO 加盟を前にヨルダンは大規模な経済的および法律面での改革を行いヨルダ

ンの貿易体制を WTO の加盟条件に合わせた複数の既存法の改正が行われまた

新たな法律も特に知的財産権の分野において草案された

2) その他の二国間多国間通商協定

ヨルダンは複数の地域的および国際的な協定を締結している例を挙げると米国

との自由貿易協定や大アラブ自由貿易協定およびアガディール協定などであるこ

れらの条約に関しては以下の「特恵関税率制度」欄を参照のこと

2 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

1994 年にヨルダンハシェミット王国と日本は両国間および両国を通じた航空

事業の運営および促進に関する協定を結んでいる

2 貿易および為替政策

1) 貿易および為替管理政策制度の概要

本章の以下の各項目で概説

2) 管轄官庁

ヨルダン税関

電話 +962 6 4623186 +962 6 4623186 88

+962 6 4624394 +962 6 4624394 96 +962 6 4637641 +962 6 4637641 42 +962 6 4636394 +962 6 4636394 95

ファクシミリ +962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

3) 輸入品目規制

以下の品目の輸入には事前許可が必要である

bull 2000 ヨルダンディナール(以下「JD」)超の価額の非商業用貨物

bull ビスケット全種類

bull ミネラルウォーター

bull 工業用粉乳

bull 中古タイヤ

4) 輸入禁止品目

輸出入法2001年21号第6条に関連してなされた決定により以下の品目はヨルダンへ

の輸入が禁止されている

bull 本物の銃または武器の形をしたライター

bull 花火

bull 玩具で本来の生物の形状を模したもの動物または人間のDNA を使

用して製造されたもの

bull モザイク画

bull 聖水

bull ライトで装飾されたナンバープレートハイビームライト大音量を

出すための車のスピーカーフォンや排気管など各種の車の付属品

bull レーザーペンとメダル

その他の禁止品目

bull 違法薬物

bull 刃物武器および弾薬‐事前の許可が必要

3 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 植物および植物製品‐事前の許可が必要

bull 生鮮果実および野菜‐事前の許可が必要

bull 食肉および畜産物‐事前の許可が必要

bull 偽札および偽造品

さらに政府はプラスチック廃棄物麻薬植物「カット(qat)」およびディーゼ

ル乗用車のいかなる輸入も禁止している

5) 原産国による輸入規制

シリアとの取引に関しては規制が適用される場合があるシリアが 2011 年にアラ

ブ連盟から脱退しこれに伴う経済制裁を課せられているためである

6) その他の輸入関連法規条約

農産物や食品などに関する輸出入規制に関しては以下の機関が責を有する

bull ヨルダン食品医薬品局(以下「JFDA」)

bull 農業省(MoA)

bull ヨルダン規格度量衡庁(以下「JISM」)

bull 税関局

表示要件は JISM が規定している

表示の法的要件は標準的であるすべての表示はアラビア語で書かれているかまた

はアラビア語の表示を貼付しなければならない通常製品名製造者の名称と住所

正味重量ビタミンやミネラルの追加などの補強栄養価 ロット番号使用期限ま

たは賞味期限なども表示されなければならない離乳食やダイエット食品などには栄

養表示も求められる 包装および容器については上述の当局はいかなる規制も定

めていない

食品添加物についてはJISM および JFDA がヨルダン国内での使用が許可される添

加物について規制している通常ヨルダンは国際食品規格委員会(CODEX

Alimemtarius)に従って添加物の許認可を行っている

JFDA は食品を小売および卸売の段階で検査する権限を有する検査官はいかな

る場所にも立ち入り検査用のサンプルを回収することができる食品が技術的要件

を満たさないまたは人の食用に適さないとされた場合には流通経路から回収され

て破棄される

7) 外国製品の輸入におけるその他の規制

1998 年関税法(改正版含む)の第 31 条に従いすべての税関申告書には以下の項

目が含まれていなければならない

bull 船荷証券または航空貨物輸送証券

bull 価額重量運賃および保険料を記載した商業送り状

bull すべての送り状は原産国におけるヨルダン在外公館の認証を必要とする

ヨルダンの領事館が存在しない場合は税関長の承諾により輸出者の所

在地域の商工会議所の証明書でもよい

bull 輸出者の所在地域の管轄機関が発行した公証済み原産国証明書

4 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 2000 JD を超える貨物については価額申告書

ヨルダンに一時的に輸入される品目保税貨物および投資促進法の対象となる品目

には輸入許可は必要とされないヨルダン資本および外国資本の貿易取引業者は

通関手続きのために産業貿易相から輸入許可証を取得しなければならないまた

輸入農産物および食品に関しては人の食用として適切かどうかを検査される場合も

ある通常加工食品は税関で検査される

すべての送り状で管轄当局が輸入商品に関するアラビア語での説明を要求している

ことに留意する必要がある

ヨルダンに輸入される物品は規格度量衡法2000年22号に定める国の規格に従っ

たものでなければならないこれについては同法に基づいて設立されたJISMが監督

している

8) 輸出品目規制

ヨルダンへの輸入に関するすべての規則がヨルダンからの輸出にも適用される

9) 輸出禁止品目

以下については輸出許可を必要としない

bull ヨルダン製品目

bull 通過貨物

bull 自由貿易圏の品目

bull 再輸出品ヨルダンに一時的に輸入される品目

以下の金属スクラップの輸出については25 JD の料金が発生する

bull 鉄

bull アルミニウム

bull 銅

3 関税制度

1) 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

ヨルダン税関局は以下の拠点を有している

5 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull アルラムサ税関事務所

bull アルマハータ保税事務所

bull アカバ税関検査所

bull アンマン税関検査所

bull 空港税関事務所

bull フセイン国王橋税関事務所

bull エル-ハッサン工業団地税関事務所

bull ヨルダン渓谷検問所税関事務所

bull アンマン税関事務所

bull ジャベル税関事務所

bull アルムダワラ税関事務所

bull モハメド皇太子橋税関事務所

bull アンマン民間空港税関事務所

bull アブドゥッラー2 世国王工業団地税関事務所

bull アルシディア税関事務所

bull オマーリ税関事務所

bull アンマン郵便局税関事務所

bull 特別保税倉庫

bull ザルカフリーゾーン税関事務所

bull アル-カラマ税関事務所

ヨルダン税関局は国家の経済力と産業競争力の向上投資促進に貢献するため以

下の業務を実施するとされている

bull 資本財(機械機器輸送用機材原材料およびその他の必需品)の輸入

について関税および税金を免除すること

bull 輸出用製品に加工するための原材料および工業用部品ならびに仕掛品に

「一時輸入」制度を適用して関税を留保すること

bull 最終製品が輸出される際には使用原材料および工業用部品に対する関税

を払い戻すこと

bull 各税関事務所が上位事務所を通すことなくすべての手続きを完了させる

または担当者一人がすべての書類をまとめて取り扱うことなどの権限を

与えて国内製品の輸出手続きを簡易化すること

bull 輸出関税を免除すること

bull ヨルダンと他国との間の貿易取引を円滑化させること

bull 関税を徴収すること

bull ヨルダン国境を通過する旅行者および貨物の流れならびに輸送を現行

規則に基づく税関局の権限を順守し管理すること

bull 密輸の取り締まり

bull ヨルダン社会および環境を危険物から保護すること

bull 現行規則に従い商業活動を監督し違法事業の阻止に貢献すること

2) ヨルダンの関税体系

ヨルダンでは複合的な関税制度を採用している

httpwwwcustomsgovjocitsLogin_enaspx

3) 免税品分野

6 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ヨルダンの関税率についてはジェトロのホームページ内から日本企業関係者であ

ればどなたも無料で利用できるサイト「世界各国の関税率(WorldTarif)を参照のこ

とhttpwwwjetrogojpthemetradetariff

4) 品目分類

ヨルダンの関税は HS 分類を採用している

5) 関税の種類

ヨルダンの関税は従価税制度を採用しているヨルダン税関局は輸入者が輸入条件

と通商協定の情報を得ることができるシステムを開発したこれは統合関税システム

(以下「CITS」)と呼ばれ輸入者は物品貿易のすべての規制および要件を調べ

ることができるCITS システム内の情報はすべてアラビア語と英語で記載されて

いるさらにCITS システムでは貿易活動に関する情報を提供し商品の関税率

表通商協定関税分類布告公布および国際統一商品分類(HS)に関する要件

を検索することができる

6) 課税基準 (FOB CIF等)および関税以外の諸税

ヨルダンは関税課税基準としてCIFを採用している輸入品に対する付加価値税(ヨル

ダンでは「売上税(Sales Tax)」)も輸入通関時点のCIF価額に基づき算定され

る売上税の基本税率は16だが医薬品や農産物は課税が免除される次の特定品

目に限定されるものではないが自動車タバコ製品アルコール飲料および潤滑油

などには特別売上税が課せられるこのうちタバコ製品およびアルコール飲料には

特別売上税率に加えて一般売上税率も上乗せされる

7) 特恵関税率制度

Aヨルダン米国自由貿易協定

ヨルダンと米国との間で 2001 年に発効した自由貿易協定(以下「FTA」)では二

国間で取引されるほとんどすべての品目のあらゆる関税障壁を 10 年以内に取り除く

ことを目標としているただしFTA の規定はヨルダンと米国の輸出すべてに適

用されるわけではないことに特に注意しなければならない 両者はおのおのの「原

産地規則」に当てはまる製品のみが FTA 協定の特恵の対象となることに合意してい

るFTA の第 2 条に基づき各当事者はFTA 協定の別紙 21 に従い相手方の原

産品目に対する関税を積極的に撤廃する義務を有する両国はまた相互の円滑な自

由貿易への転換を目指し関税の段階的削減制で合意しているよって両国はさ

まざまな製品を対象に分野ごとに以下の一覧を適用することに合意している

分野 関税の撤廃期間

A 2年間(毎年50削減)

B 4年間(毎年25削減)

C 5年間(毎年20削減)

D 10年間(毎年10削減)

E 世界貿易機関関税撤廃義務

7 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

FTA はまた幾つかの製品について特別段階制分野「F」から「M」を設定して

いる対象製品は特定のアルコール製品および繊維製品一般特恵制度(GSP)

輸出品農産物割当分類製品鶏肉リンゴおよび乗用車などである品目の詳細

基本関税率HS コード段階分類などを含む詳細な一覧については以下のサイト

を参照のこと

ヨルダン関税率表 -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file392_8

147pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file211_8453pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file521_8452pdf -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file501_8

455pdf

アメリカ合衆国のスケジュール

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file331_8458pdf

原産地規則に関してはFTA は以下の三つの規定それぞれに該当すれば原産地

規則に該当すると定めている

完全生産実質的変更要件

FTA に基づき免税扱いを受けるためにはヨルダンに輸入される品目は完全に米

国で製造されるか第三国の材料が使用された場合にはそれらの材料が米国におけ

る製造または加工処理の結果米国原産品に「実質的に変更」されている必要がある

国内調達部品 35要件

FTA においては輸入品の通関価額の 35が米国原産材料およびまたは米国にお

ける加工処理原価でなくてはならないと規定している

直接輸送要件

ヨルダンへの輸送途中で米国の適格品目が非適格品目と入り混じらないようにする

ためFTA は「直接輸送」要件を規定しているつまり幾つかの例外を除き当

該品目が米国から直接ヨルダンに輸送された証明 が必要であるということである

B 大アラブ自由貿易協定(以下「GAFTA」)

GAFTA はアラブ諸国 17 カ国の間で締結された協定で1998 年から有効となって

いる締結国は以下のとおりである

1 ヨルダン 7 モロッコ 13 クウェート

2 アラブ首長国連邦 8 シリア 14 チュニジア

3 バーレーン 9 レバノン 15 リビア

4サウジアラビア 10 イラク 16 スーダン

5 オマーン 11 エジプト 17 イエメン

6 カタール 12 パレスチナ

本協定はGAFTA加盟アラブ諸国すべての間に同等に有効な関税の完全撤廃により

物品貿易の完全自由化に合意している

8 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

GAFTA の第 2 条には以下のような規則に従い加盟諸国間の自由貿易を達成する

ことが本協定の目的であると規定されている

1 加盟国間で取引される一定のアラブ商品および製品に対する税の完全

撤廃

2 一定のアラブ商品および製品に対するさまざまな課徴金および規制の

段階的引き下げ

3 一定のアラブ商品および製品に対する段階的保護により同様の非アラ

ブ製品との競争に対応すること

Cアラブ欧州地中海諸国間の自由貿易圏の創設に関する協定(「アガディール協定」)

アガディール協定はヨルダンエジプトチュニジアおよびモロッコの間で 2004

年に締結された

本協定は加盟国間に目的となる(自由)競争を達成するため貿易農業工業

金融および課税制度サービス業ならびに通関などに関する全般的および各産業部

門別の経済政策を調整することを目的としているそして本協定はその発効日

(2006 年 7 月 6 日)をもって工業製品および農産物貿易の完全自由化を規定して

いるさらに加盟国は本協定に基づき輸入品に課せられる量的規制金融手

続きおよび技術的障壁などの非関税障壁を撤廃する義務を有する

ヨルダンが締結している貿易協定すべてについては以下のウェブサイトのリストを

参照のこと

httpwwwjordanecborgPublicEnglishaspxSite_ID=1ampPage_ID=478ampmenu_i

d=32

4 外国為替政策

1) 管轄官庁

反資金洗浄および対テロリスト資金調達対策委員会

電話+962 6 430301

+962 6 4630303

+962 6 4630303

住所P O Box 2181 Amman 11181 Jordan

E メールinfoamlugovjo

営業時間 日曜から木曜 800 am から 400 pm

ヨルダン中央銀行

E メールinfocbjgovjo

本店PO Box (37) Amman-11118-Jordan

電話 +962 6 463030110 (10 回線)

ファクシミリ +962 6 4638889

テレックス21250 Bankazi Jo 21476 Bakazi Jo 21766 Bakazi Jo

Swift code CBJOJOAX

9 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

イルビド支店PO Box 235 Irbid - Jordan

電話+962 2 7245001 +962 2 7245001

テレックス51562 IKAZI JO

ファクシミリ962 2 7245006

Swift codeCBJOJOAX021

アカバ支店PO Box 190 Aqaba - Jordan

電話+962 3 2013526 +962 3 2013526

テレックス62341 AKAZI JO

ファクシミリ+962 3 2013528

Swift codeCBJOJOAX02A

2) 為替相場管理制度および資本取引の規制

外国為替に関する規制は存在しないヨルダン人および非ヨルダン人は同じように

ヨルダン国内および国外で銀行口座をヨルダン通貨および外国通貨で開設し資金

をヨルダン国外に交換可能な通貨で送金する権利を有するただし銀行金融機

関保険会社証券会社および同様の機関は(以下に示すように)適用される反

資金洗浄法規を順守しなければならない

さらに1995年10月23日以降JDは正式にIMFの特別引出権(SDR)に固定さ

れているこのため当該期間のJDの対米ドルレートは1米ドル(以下USド

ル)=0709JDとなっている

3) 貿易取引および貿易外取引に対する規制

貿易取引決済についてヨルダンで通常使用されている支払方法は信用状開設であ

る支払期限については法定期限は存在せず契約当事者間で調印された契約にす

べて委ねられるさらにヨルダン法規ではすべての決済はJDを使用してなさ

れるものと規定されている

ヨルダンからまたはヨルダンに大量の資金を送金する場合には反資金洗浄お

よび対テロリスト資金調達法2007年46号(AML)の次の規定を順守する必要がある

まず理解すべきは反資金洗浄および対テロリスト資金調達法2007年46号(以下

「AML」)が取引を行うすべての法人および個人ではなく本法に規定する事業

活動を行っている個人企業に義務を課しているということである本法の第13条

に本法の義務を課せられる対象を以下のとおり規定している

金融機関

bull ヨルダンで営業している銀行

bull 両替および送金会社

bull 証券委員会が規制する活動を行う個人企業

bull 保険委員会が規制する活動を行う個人企業

bull その他の金融会社

bull 郵便業務を行う会社

非金融機関

bull 不動産業および不動産開発業を営む個人企業

10 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 貴金属および宝石の取引を行う個人企業

上述のいずれかに関する代理業を営む個人企業

閣僚会議が本法の対象範囲に含まれると判断するその他の個人企業

さらにヨルダンにおけるAMLの法的概念は一般的に次の三つを要件としている

bull 顧客および最終受益者を知る必要があること

bull 正しい内部会計および記録制度を採用すること

bull 疑わしい取引および政治的に危うい顧客に対しさらに精緻な検証を実施

し必要に応じ報告するという危機管理を進めること

貿易外取引に対する規制に関しては運賃や保険料の支払いなどの業務の提供ならび

に仲介貿易に対する外国通貨の支払に課せられる規制はない

5 輸出入手続き

1) 輸出入許可の申請

輸出入免許および認可規則2004年114号に従い以下の企業は輸出入許可および認

可を申請することができる

bull 有効な専門許可(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull 非商業的専門免許(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull ヨルダンにおいて会社法に基づき営業している外国会社として登録し

ている外国の請負人ならびに外国の会社もしくは子会社ただし輸入

品が政府または私企業との契約の履行に必要であり当該供給に必要な

輸入であることを当該物品の数量および種類を記載した書類により示す

ことを条件とする

さらに上述規則の第5条に会社が輸入許可を申請するためには輸出者の地域の

商工会議所がおのおのの法律に基づいて発行した有効な原産地証明書が必要である

と規定されている

A 同規則第7条は許可の申請には以下の書類を提出しなければならないと規定して

いる

bull 輸入者または輸出者の名称商号(制定されている場合)ならびに輸入

者の登録番号

bull 許可の通し番号

bull 許可の種類

bull 許可の発行日および有効期限

bull 貨物の種類価額および数量

bull 管轄省が許可申請に必要とみなすその他の情報

上述 A に述べられた情報に加え輸入者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の原産地

bull 貨物の出荷地

11 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述 A に述べられた情報に加え輸出者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の輸出先の名称

bull 原産地証明書の番号その履歴および発行者

bull 送り状番号および日付

bull 貨物の用途

さらに許可は輸入品または輸出品に数量規制が適用されない限り約 7 日間で発

行されると規定されている当該規制が適用される場合でも14 日以内に発行され

手数料

管轄省は以下の手数料を課す

bull 輸入許可発行に 10 JD

bull 輸出許可発行に 5 JD

さらに所轄省および官庁は次の業務に対して以下の手数料を課す

bull 輸出者または輸入者登録簿への登録10 JD

bull 輸出者または輸入者カードの発行または更新15 JD

当事者が許可を申請しなかった場合には輸入品または輸出品の価額の 25に相当

する罰金が科せられる

B 輸入または輸出許可取得除外品目

bull 国王のために輸出入される物品

bull 直接官公庁および公共機関のために輸出入される物品

bull ヨルダンを通過する(接続)貨物ただしその時点の関税法規を条件

とする

bull ヨルダンで開催される展示会会議またはセミナーのために輸入され

事後に再輸出される物品

bull 外交使節団および領事機関から公用のために直接輸出入される物品

bull ヨルダンで営業している銀行のために公共倉庫への預託として税関当局

が承認した物品ただしその時点で有効な関税法規の規定により通関

のために許可を取得する必要がある

bull 個人の手荷物や中古家財など個人利用のために輸出入された物品ただ

し管轄省がそれに関して発令した命令に従うことを条件とする

bull 旅行者が携帯する物品で輸出入が禁止されていない品目ただし2000

JD を超えない価額とする

bull 商人が占有する物品の見本ただし関税官庁が規定する限度以内とす

bull 農場が輸入した農場で必要な農業用資材

bull 野菜および果物の輸出ただし管轄省が別段の判断をする場合を除く

bull 担当相が除外を判断した農産物の輸出

bull 航空機または船で販売される免税場所に搬入される物品

bull 一時輸入される物品

bull 保守のためにまたは展示会会議もしくはセミナーでの展示のために

輸出される物品

bull 原状でもしくは保守後にヨルダンに再輸入される物品ならびに通

関前に再輸出される物品

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 3: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

目次

I ビジネス関連法規に関する最近の動向 1

II 貿易および外国為替政策 1

1 WTO およびその他の二国間多国間通商協定への加盟 1

2 貿易および為替政策 2

3 関税制度 4

4 外国為替政策 8

5 輸出入手続き 10

III 外国投資政策 17

1 投資認可促進政策および所轄当局 17

2 外国資本の投資に関する規制 18

3 外国投資に関する奨励策 21

4 税制 22

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務 23

6 知的財産権の保護 27

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類 31

8 財務および会計関係 37

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類 37

1 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

中東北アフリカ諸国の貿易投資関連法制

(ヨルダンハシェミット王国)

I ビジネス関連法規に関する最近の動向

2011年以降ヨルダンハシェミット王国(以下「ヨルダン」)における外国企業

の事業活動および運営に影響を与える幾つかの出来事が発生している一つは中東

地域に吹き荒れた政治的激変「アラブの春」でありもう一つは湾岸協力会議(GCC)

へのヨルダン加盟の取り組みである 中東北アフリカ地域のアラブ諸国に勃発し

た政変はヨルダンを含むすべての近隣諸国に大きな影響を与え続けているヨルダ

ンはシリアやレバノンなどの近隣諸国に比べて政治的に安定しているとはいえア

ラブの春によって発生している出来事から無関係ではいられずその政治的および経

済的影響を避けることはできない加えてヨルダンは天然資源の欠乏による経済

の停滞にも直面している一方GCCへのヨルダン加盟の取り組みは経済に好影響

を与えヨルダンへの外国投資を再活性化させ促進する可能性を持っているGCC

に加盟することによりエネルギー供給の面で豊かな産油国から優遇措置を得られる

などの多くの利益をヨルダンにもたらすことが期待されている

II 貿易および外国為替政策

1 WTO およびその他の二国間多国間通商協定への加盟

1) WTO

ヨルダンは 1994 年に WTO への加盟を申請し2000 年 4 月 11 日に承認された

WTO 加盟を前にヨルダンは大規模な経済的および法律面での改革を行いヨルダ

ンの貿易体制を WTO の加盟条件に合わせた複数の既存法の改正が行われまた

新たな法律も特に知的財産権の分野において草案された

2) その他の二国間多国間通商協定

ヨルダンは複数の地域的および国際的な協定を締結している例を挙げると米国

との自由貿易協定や大アラブ自由貿易協定およびアガディール協定などであるこ

れらの条約に関しては以下の「特恵関税率制度」欄を参照のこと

2 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

1994 年にヨルダンハシェミット王国と日本は両国間および両国を通じた航空

事業の運営および促進に関する協定を結んでいる

2 貿易および為替政策

1) 貿易および為替管理政策制度の概要

本章の以下の各項目で概説

2) 管轄官庁

ヨルダン税関

電話 +962 6 4623186 +962 6 4623186 88

+962 6 4624394 +962 6 4624394 96 +962 6 4637641 +962 6 4637641 42 +962 6 4636394 +962 6 4636394 95

ファクシミリ +962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

3) 輸入品目規制

以下の品目の輸入には事前許可が必要である

bull 2000 ヨルダンディナール(以下「JD」)超の価額の非商業用貨物

bull ビスケット全種類

bull ミネラルウォーター

bull 工業用粉乳

bull 中古タイヤ

4) 輸入禁止品目

輸出入法2001年21号第6条に関連してなされた決定により以下の品目はヨルダンへ

の輸入が禁止されている

bull 本物の銃または武器の形をしたライター

bull 花火

bull 玩具で本来の生物の形状を模したもの動物または人間のDNA を使

用して製造されたもの

bull モザイク画

bull 聖水

bull ライトで装飾されたナンバープレートハイビームライト大音量を

出すための車のスピーカーフォンや排気管など各種の車の付属品

bull レーザーペンとメダル

その他の禁止品目

bull 違法薬物

bull 刃物武器および弾薬‐事前の許可が必要

3 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 植物および植物製品‐事前の許可が必要

bull 生鮮果実および野菜‐事前の許可が必要

bull 食肉および畜産物‐事前の許可が必要

bull 偽札および偽造品

さらに政府はプラスチック廃棄物麻薬植物「カット(qat)」およびディーゼ

ル乗用車のいかなる輸入も禁止している

5) 原産国による輸入規制

シリアとの取引に関しては規制が適用される場合があるシリアが 2011 年にアラ

ブ連盟から脱退しこれに伴う経済制裁を課せられているためである

6) その他の輸入関連法規条約

農産物や食品などに関する輸出入規制に関しては以下の機関が責を有する

bull ヨルダン食品医薬品局(以下「JFDA」)

bull 農業省(MoA)

bull ヨルダン規格度量衡庁(以下「JISM」)

bull 税関局

表示要件は JISM が規定している

表示の法的要件は標準的であるすべての表示はアラビア語で書かれているかまた

はアラビア語の表示を貼付しなければならない通常製品名製造者の名称と住所

正味重量ビタミンやミネラルの追加などの補強栄養価 ロット番号使用期限ま

たは賞味期限なども表示されなければならない離乳食やダイエット食品などには栄

養表示も求められる 包装および容器については上述の当局はいかなる規制も定

めていない

食品添加物についてはJISM および JFDA がヨルダン国内での使用が許可される添

加物について規制している通常ヨルダンは国際食品規格委員会(CODEX

Alimemtarius)に従って添加物の許認可を行っている

JFDA は食品を小売および卸売の段階で検査する権限を有する検査官はいかな

る場所にも立ち入り検査用のサンプルを回収することができる食品が技術的要件

を満たさないまたは人の食用に適さないとされた場合には流通経路から回収され

て破棄される

7) 外国製品の輸入におけるその他の規制

1998 年関税法(改正版含む)の第 31 条に従いすべての税関申告書には以下の項

目が含まれていなければならない

bull 船荷証券または航空貨物輸送証券

bull 価額重量運賃および保険料を記載した商業送り状

bull すべての送り状は原産国におけるヨルダン在外公館の認証を必要とする

ヨルダンの領事館が存在しない場合は税関長の承諾により輸出者の所

在地域の商工会議所の証明書でもよい

bull 輸出者の所在地域の管轄機関が発行した公証済み原産国証明書

4 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 2000 JD を超える貨物については価額申告書

ヨルダンに一時的に輸入される品目保税貨物および投資促進法の対象となる品目

には輸入許可は必要とされないヨルダン資本および外国資本の貿易取引業者は

通関手続きのために産業貿易相から輸入許可証を取得しなければならないまた

輸入農産物および食品に関しては人の食用として適切かどうかを検査される場合も

ある通常加工食品は税関で検査される

すべての送り状で管轄当局が輸入商品に関するアラビア語での説明を要求している

ことに留意する必要がある

ヨルダンに輸入される物品は規格度量衡法2000年22号に定める国の規格に従っ

たものでなければならないこれについては同法に基づいて設立されたJISMが監督

している

8) 輸出品目規制

ヨルダンへの輸入に関するすべての規則がヨルダンからの輸出にも適用される

9) 輸出禁止品目

以下については輸出許可を必要としない

bull ヨルダン製品目

bull 通過貨物

bull 自由貿易圏の品目

bull 再輸出品ヨルダンに一時的に輸入される品目

以下の金属スクラップの輸出については25 JD の料金が発生する

bull 鉄

bull アルミニウム

bull 銅

3 関税制度

1) 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

ヨルダン税関局は以下の拠点を有している

5 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull アルラムサ税関事務所

bull アルマハータ保税事務所

bull アカバ税関検査所

bull アンマン税関検査所

bull 空港税関事務所

bull フセイン国王橋税関事務所

bull エル-ハッサン工業団地税関事務所

bull ヨルダン渓谷検問所税関事務所

bull アンマン税関事務所

bull ジャベル税関事務所

bull アルムダワラ税関事務所

bull モハメド皇太子橋税関事務所

bull アンマン民間空港税関事務所

bull アブドゥッラー2 世国王工業団地税関事務所

bull アルシディア税関事務所

bull オマーリ税関事務所

bull アンマン郵便局税関事務所

bull 特別保税倉庫

bull ザルカフリーゾーン税関事務所

bull アル-カラマ税関事務所

ヨルダン税関局は国家の経済力と産業競争力の向上投資促進に貢献するため以

下の業務を実施するとされている

bull 資本財(機械機器輸送用機材原材料およびその他の必需品)の輸入

について関税および税金を免除すること

bull 輸出用製品に加工するための原材料および工業用部品ならびに仕掛品に

「一時輸入」制度を適用して関税を留保すること

bull 最終製品が輸出される際には使用原材料および工業用部品に対する関税

を払い戻すこと

bull 各税関事務所が上位事務所を通すことなくすべての手続きを完了させる

または担当者一人がすべての書類をまとめて取り扱うことなどの権限を

与えて国内製品の輸出手続きを簡易化すること

bull 輸出関税を免除すること

bull ヨルダンと他国との間の貿易取引を円滑化させること

bull 関税を徴収すること

bull ヨルダン国境を通過する旅行者および貨物の流れならびに輸送を現行

規則に基づく税関局の権限を順守し管理すること

bull 密輸の取り締まり

bull ヨルダン社会および環境を危険物から保護すること

bull 現行規則に従い商業活動を監督し違法事業の阻止に貢献すること

2) ヨルダンの関税体系

ヨルダンでは複合的な関税制度を採用している

httpwwwcustomsgovjocitsLogin_enaspx

3) 免税品分野

6 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ヨルダンの関税率についてはジェトロのホームページ内から日本企業関係者であ

ればどなたも無料で利用できるサイト「世界各国の関税率(WorldTarif)を参照のこ

とhttpwwwjetrogojpthemetradetariff

4) 品目分類

ヨルダンの関税は HS 分類を採用している

5) 関税の種類

ヨルダンの関税は従価税制度を採用しているヨルダン税関局は輸入者が輸入条件

と通商協定の情報を得ることができるシステムを開発したこれは統合関税システム

(以下「CITS」)と呼ばれ輸入者は物品貿易のすべての規制および要件を調べ

ることができるCITS システム内の情報はすべてアラビア語と英語で記載されて

いるさらにCITS システムでは貿易活動に関する情報を提供し商品の関税率

表通商協定関税分類布告公布および国際統一商品分類(HS)に関する要件

を検索することができる

6) 課税基準 (FOB CIF等)および関税以外の諸税

ヨルダンは関税課税基準としてCIFを採用している輸入品に対する付加価値税(ヨル

ダンでは「売上税(Sales Tax)」)も輸入通関時点のCIF価額に基づき算定され

る売上税の基本税率は16だが医薬品や農産物は課税が免除される次の特定品

目に限定されるものではないが自動車タバコ製品アルコール飲料および潤滑油

などには特別売上税が課せられるこのうちタバコ製品およびアルコール飲料には

特別売上税率に加えて一般売上税率も上乗せされる

7) 特恵関税率制度

Aヨルダン米国自由貿易協定

ヨルダンと米国との間で 2001 年に発効した自由貿易協定(以下「FTA」)では二

国間で取引されるほとんどすべての品目のあらゆる関税障壁を 10 年以内に取り除く

ことを目標としているただしFTA の規定はヨルダンと米国の輸出すべてに適

用されるわけではないことに特に注意しなければならない 両者はおのおのの「原

産地規則」に当てはまる製品のみが FTA 協定の特恵の対象となることに合意してい

るFTA の第 2 条に基づき各当事者はFTA 協定の別紙 21 に従い相手方の原

産品目に対する関税を積極的に撤廃する義務を有する両国はまた相互の円滑な自

由貿易への転換を目指し関税の段階的削減制で合意しているよって両国はさ

まざまな製品を対象に分野ごとに以下の一覧を適用することに合意している

分野 関税の撤廃期間

A 2年間(毎年50削減)

B 4年間(毎年25削減)

C 5年間(毎年20削減)

D 10年間(毎年10削減)

E 世界貿易機関関税撤廃義務

7 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

FTA はまた幾つかの製品について特別段階制分野「F」から「M」を設定して

いる対象製品は特定のアルコール製品および繊維製品一般特恵制度(GSP)

輸出品農産物割当分類製品鶏肉リンゴおよび乗用車などである品目の詳細

基本関税率HS コード段階分類などを含む詳細な一覧については以下のサイト

を参照のこと

ヨルダン関税率表 -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file392_8

147pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file211_8453pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file521_8452pdf -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file501_8

455pdf

アメリカ合衆国のスケジュール

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file331_8458pdf

原産地規則に関してはFTA は以下の三つの規定それぞれに該当すれば原産地

規則に該当すると定めている

完全生産実質的変更要件

FTA に基づき免税扱いを受けるためにはヨルダンに輸入される品目は完全に米

国で製造されるか第三国の材料が使用された場合にはそれらの材料が米国におけ

る製造または加工処理の結果米国原産品に「実質的に変更」されている必要がある

国内調達部品 35要件

FTA においては輸入品の通関価額の 35が米国原産材料およびまたは米国にお

ける加工処理原価でなくてはならないと規定している

直接輸送要件

ヨルダンへの輸送途中で米国の適格品目が非適格品目と入り混じらないようにする

ためFTA は「直接輸送」要件を規定しているつまり幾つかの例外を除き当

該品目が米国から直接ヨルダンに輸送された証明 が必要であるということである

B 大アラブ自由貿易協定(以下「GAFTA」)

GAFTA はアラブ諸国 17 カ国の間で締結された協定で1998 年から有効となって

いる締結国は以下のとおりである

1 ヨルダン 7 モロッコ 13 クウェート

2 アラブ首長国連邦 8 シリア 14 チュニジア

3 バーレーン 9 レバノン 15 リビア

4サウジアラビア 10 イラク 16 スーダン

5 オマーン 11 エジプト 17 イエメン

6 カタール 12 パレスチナ

本協定はGAFTA加盟アラブ諸国すべての間に同等に有効な関税の完全撤廃により

物品貿易の完全自由化に合意している

8 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

GAFTA の第 2 条には以下のような規則に従い加盟諸国間の自由貿易を達成する

ことが本協定の目的であると規定されている

1 加盟国間で取引される一定のアラブ商品および製品に対する税の完全

撤廃

2 一定のアラブ商品および製品に対するさまざまな課徴金および規制の

段階的引き下げ

3 一定のアラブ商品および製品に対する段階的保護により同様の非アラ

ブ製品との競争に対応すること

Cアラブ欧州地中海諸国間の自由貿易圏の創設に関する協定(「アガディール協定」)

アガディール協定はヨルダンエジプトチュニジアおよびモロッコの間で 2004

年に締結された

本協定は加盟国間に目的となる(自由)競争を達成するため貿易農業工業

金融および課税制度サービス業ならびに通関などに関する全般的および各産業部

門別の経済政策を調整することを目的としているそして本協定はその発効日

(2006 年 7 月 6 日)をもって工業製品および農産物貿易の完全自由化を規定して

いるさらに加盟国は本協定に基づき輸入品に課せられる量的規制金融手

続きおよび技術的障壁などの非関税障壁を撤廃する義務を有する

ヨルダンが締結している貿易協定すべてについては以下のウェブサイトのリストを

参照のこと

httpwwwjordanecborgPublicEnglishaspxSite_ID=1ampPage_ID=478ampmenu_i

d=32

4 外国為替政策

1) 管轄官庁

反資金洗浄および対テロリスト資金調達対策委員会

電話+962 6 430301

+962 6 4630303

+962 6 4630303

住所P O Box 2181 Amman 11181 Jordan

E メールinfoamlugovjo

営業時間 日曜から木曜 800 am から 400 pm

ヨルダン中央銀行

E メールinfocbjgovjo

本店PO Box (37) Amman-11118-Jordan

電話 +962 6 463030110 (10 回線)

ファクシミリ +962 6 4638889

テレックス21250 Bankazi Jo 21476 Bakazi Jo 21766 Bakazi Jo

Swift code CBJOJOAX

9 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

イルビド支店PO Box 235 Irbid - Jordan

電話+962 2 7245001 +962 2 7245001

テレックス51562 IKAZI JO

ファクシミリ962 2 7245006

Swift codeCBJOJOAX021

アカバ支店PO Box 190 Aqaba - Jordan

電話+962 3 2013526 +962 3 2013526

テレックス62341 AKAZI JO

ファクシミリ+962 3 2013528

Swift codeCBJOJOAX02A

2) 為替相場管理制度および資本取引の規制

外国為替に関する規制は存在しないヨルダン人および非ヨルダン人は同じように

ヨルダン国内および国外で銀行口座をヨルダン通貨および外国通貨で開設し資金

をヨルダン国外に交換可能な通貨で送金する権利を有するただし銀行金融機

関保険会社証券会社および同様の機関は(以下に示すように)適用される反

資金洗浄法規を順守しなければならない

さらに1995年10月23日以降JDは正式にIMFの特別引出権(SDR)に固定さ

れているこのため当該期間のJDの対米ドルレートは1米ドル(以下USド

ル)=0709JDとなっている

3) 貿易取引および貿易外取引に対する規制

貿易取引決済についてヨルダンで通常使用されている支払方法は信用状開設であ

る支払期限については法定期限は存在せず契約当事者間で調印された契約にす

べて委ねられるさらにヨルダン法規ではすべての決済はJDを使用してなさ

れるものと規定されている

ヨルダンからまたはヨルダンに大量の資金を送金する場合には反資金洗浄お

よび対テロリスト資金調達法2007年46号(AML)の次の規定を順守する必要がある

まず理解すべきは反資金洗浄および対テロリスト資金調達法2007年46号(以下

「AML」)が取引を行うすべての法人および個人ではなく本法に規定する事業

活動を行っている個人企業に義務を課しているということである本法の第13条

に本法の義務を課せられる対象を以下のとおり規定している

金融機関

bull ヨルダンで営業している銀行

bull 両替および送金会社

bull 証券委員会が規制する活動を行う個人企業

bull 保険委員会が規制する活動を行う個人企業

bull その他の金融会社

bull 郵便業務を行う会社

非金融機関

bull 不動産業および不動産開発業を営む個人企業

10 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 貴金属および宝石の取引を行う個人企業

上述のいずれかに関する代理業を営む個人企業

閣僚会議が本法の対象範囲に含まれると判断するその他の個人企業

さらにヨルダンにおけるAMLの法的概念は一般的に次の三つを要件としている

bull 顧客および最終受益者を知る必要があること

bull 正しい内部会計および記録制度を採用すること

bull 疑わしい取引および政治的に危うい顧客に対しさらに精緻な検証を実施

し必要に応じ報告するという危機管理を進めること

貿易外取引に対する規制に関しては運賃や保険料の支払いなどの業務の提供ならび

に仲介貿易に対する外国通貨の支払に課せられる規制はない

5 輸出入手続き

1) 輸出入許可の申請

輸出入免許および認可規則2004年114号に従い以下の企業は輸出入許可および認

可を申請することができる

bull 有効な専門許可(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull 非商業的専門免許(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull ヨルダンにおいて会社法に基づき営業している外国会社として登録し

ている外国の請負人ならびに外国の会社もしくは子会社ただし輸入

品が政府または私企業との契約の履行に必要であり当該供給に必要な

輸入であることを当該物品の数量および種類を記載した書類により示す

ことを条件とする

さらに上述規則の第5条に会社が輸入許可を申請するためには輸出者の地域の

商工会議所がおのおのの法律に基づいて発行した有効な原産地証明書が必要である

と規定されている

A 同規則第7条は許可の申請には以下の書類を提出しなければならないと規定して

いる

bull 輸入者または輸出者の名称商号(制定されている場合)ならびに輸入

者の登録番号

bull 許可の通し番号

bull 許可の種類

bull 許可の発行日および有効期限

bull 貨物の種類価額および数量

bull 管轄省が許可申請に必要とみなすその他の情報

上述 A に述べられた情報に加え輸入者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の原産地

bull 貨物の出荷地

11 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述 A に述べられた情報に加え輸出者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の輸出先の名称

bull 原産地証明書の番号その履歴および発行者

bull 送り状番号および日付

bull 貨物の用途

さらに許可は輸入品または輸出品に数量規制が適用されない限り約 7 日間で発

行されると規定されている当該規制が適用される場合でも14 日以内に発行され

手数料

管轄省は以下の手数料を課す

bull 輸入許可発行に 10 JD

bull 輸出許可発行に 5 JD

さらに所轄省および官庁は次の業務に対して以下の手数料を課す

bull 輸出者または輸入者登録簿への登録10 JD

bull 輸出者または輸入者カードの発行または更新15 JD

当事者が許可を申請しなかった場合には輸入品または輸出品の価額の 25に相当

する罰金が科せられる

B 輸入または輸出許可取得除外品目

bull 国王のために輸出入される物品

bull 直接官公庁および公共機関のために輸出入される物品

bull ヨルダンを通過する(接続)貨物ただしその時点の関税法規を条件

とする

bull ヨルダンで開催される展示会会議またはセミナーのために輸入され

事後に再輸出される物品

bull 外交使節団および領事機関から公用のために直接輸出入される物品

bull ヨルダンで営業している銀行のために公共倉庫への預託として税関当局

が承認した物品ただしその時点で有効な関税法規の規定により通関

のために許可を取得する必要がある

bull 個人の手荷物や中古家財など個人利用のために輸出入された物品ただ

し管轄省がそれに関して発令した命令に従うことを条件とする

bull 旅行者が携帯する物品で輸出入が禁止されていない品目ただし2000

JD を超えない価額とする

bull 商人が占有する物品の見本ただし関税官庁が規定する限度以内とす

bull 農場が輸入した農場で必要な農業用資材

bull 野菜および果物の輸出ただし管轄省が別段の判断をする場合を除く

bull 担当相が除外を判断した農産物の輸出

bull 航空機または船で販売される免税場所に搬入される物品

bull 一時輸入される物品

bull 保守のためにまたは展示会会議もしくはセミナーでの展示のために

輸出される物品

bull 原状でもしくは保守後にヨルダンに再輸入される物品ならびに通

関前に再輸出される物品

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 4: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

1 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

中東北アフリカ諸国の貿易投資関連法制

(ヨルダンハシェミット王国)

I ビジネス関連法規に関する最近の動向

2011年以降ヨルダンハシェミット王国(以下「ヨルダン」)における外国企業

の事業活動および運営に影響を与える幾つかの出来事が発生している一つは中東

地域に吹き荒れた政治的激変「アラブの春」でありもう一つは湾岸協力会議(GCC)

へのヨルダン加盟の取り組みである 中東北アフリカ地域のアラブ諸国に勃発し

た政変はヨルダンを含むすべての近隣諸国に大きな影響を与え続けているヨルダ

ンはシリアやレバノンなどの近隣諸国に比べて政治的に安定しているとはいえア

ラブの春によって発生している出来事から無関係ではいられずその政治的および経

済的影響を避けることはできない加えてヨルダンは天然資源の欠乏による経済

の停滞にも直面している一方GCCへのヨルダン加盟の取り組みは経済に好影響

を与えヨルダンへの外国投資を再活性化させ促進する可能性を持っているGCC

に加盟することによりエネルギー供給の面で豊かな産油国から優遇措置を得られる

などの多くの利益をヨルダンにもたらすことが期待されている

II 貿易および外国為替政策

1 WTO およびその他の二国間多国間通商協定への加盟

1) WTO

ヨルダンは 1994 年に WTO への加盟を申請し2000 年 4 月 11 日に承認された

WTO 加盟を前にヨルダンは大規模な経済的および法律面での改革を行いヨルダ

ンの貿易体制を WTO の加盟条件に合わせた複数の既存法の改正が行われまた

新たな法律も特に知的財産権の分野において草案された

2) その他の二国間多国間通商協定

ヨルダンは複数の地域的および国際的な協定を締結している例を挙げると米国

との自由貿易協定や大アラブ自由貿易協定およびアガディール協定などであるこ

れらの条約に関しては以下の「特恵関税率制度」欄を参照のこと

2 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

1994 年にヨルダンハシェミット王国と日本は両国間および両国を通じた航空

事業の運営および促進に関する協定を結んでいる

2 貿易および為替政策

1) 貿易および為替管理政策制度の概要

本章の以下の各項目で概説

2) 管轄官庁

ヨルダン税関

電話 +962 6 4623186 +962 6 4623186 88

+962 6 4624394 +962 6 4624394 96 +962 6 4637641 +962 6 4637641 42 +962 6 4636394 +962 6 4636394 95

ファクシミリ +962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

3) 輸入品目規制

以下の品目の輸入には事前許可が必要である

bull 2000 ヨルダンディナール(以下「JD」)超の価額の非商業用貨物

bull ビスケット全種類

bull ミネラルウォーター

bull 工業用粉乳

bull 中古タイヤ

4) 輸入禁止品目

輸出入法2001年21号第6条に関連してなされた決定により以下の品目はヨルダンへ

の輸入が禁止されている

bull 本物の銃または武器の形をしたライター

bull 花火

bull 玩具で本来の生物の形状を模したもの動物または人間のDNA を使

用して製造されたもの

bull モザイク画

bull 聖水

bull ライトで装飾されたナンバープレートハイビームライト大音量を

出すための車のスピーカーフォンや排気管など各種の車の付属品

bull レーザーペンとメダル

その他の禁止品目

bull 違法薬物

bull 刃物武器および弾薬‐事前の許可が必要

3 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 植物および植物製品‐事前の許可が必要

bull 生鮮果実および野菜‐事前の許可が必要

bull 食肉および畜産物‐事前の許可が必要

bull 偽札および偽造品

さらに政府はプラスチック廃棄物麻薬植物「カット(qat)」およびディーゼ

ル乗用車のいかなる輸入も禁止している

5) 原産国による輸入規制

シリアとの取引に関しては規制が適用される場合があるシリアが 2011 年にアラ

ブ連盟から脱退しこれに伴う経済制裁を課せられているためである

6) その他の輸入関連法規条約

農産物や食品などに関する輸出入規制に関しては以下の機関が責を有する

bull ヨルダン食品医薬品局(以下「JFDA」)

bull 農業省(MoA)

bull ヨルダン規格度量衡庁(以下「JISM」)

bull 税関局

表示要件は JISM が規定している

表示の法的要件は標準的であるすべての表示はアラビア語で書かれているかまた

はアラビア語の表示を貼付しなければならない通常製品名製造者の名称と住所

正味重量ビタミンやミネラルの追加などの補強栄養価 ロット番号使用期限ま

たは賞味期限なども表示されなければならない離乳食やダイエット食品などには栄

養表示も求められる 包装および容器については上述の当局はいかなる規制も定

めていない

食品添加物についてはJISM および JFDA がヨルダン国内での使用が許可される添

加物について規制している通常ヨルダンは国際食品規格委員会(CODEX

Alimemtarius)に従って添加物の許認可を行っている

JFDA は食品を小売および卸売の段階で検査する権限を有する検査官はいかな

る場所にも立ち入り検査用のサンプルを回収することができる食品が技術的要件

を満たさないまたは人の食用に適さないとされた場合には流通経路から回収され

て破棄される

7) 外国製品の輸入におけるその他の規制

1998 年関税法(改正版含む)の第 31 条に従いすべての税関申告書には以下の項

目が含まれていなければならない

bull 船荷証券または航空貨物輸送証券

bull 価額重量運賃および保険料を記載した商業送り状

bull すべての送り状は原産国におけるヨルダン在外公館の認証を必要とする

ヨルダンの領事館が存在しない場合は税関長の承諾により輸出者の所

在地域の商工会議所の証明書でもよい

bull 輸出者の所在地域の管轄機関が発行した公証済み原産国証明書

4 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 2000 JD を超える貨物については価額申告書

ヨルダンに一時的に輸入される品目保税貨物および投資促進法の対象となる品目

には輸入許可は必要とされないヨルダン資本および外国資本の貿易取引業者は

通関手続きのために産業貿易相から輸入許可証を取得しなければならないまた

輸入農産物および食品に関しては人の食用として適切かどうかを検査される場合も

ある通常加工食品は税関で検査される

すべての送り状で管轄当局が輸入商品に関するアラビア語での説明を要求している

ことに留意する必要がある

ヨルダンに輸入される物品は規格度量衡法2000年22号に定める国の規格に従っ

たものでなければならないこれについては同法に基づいて設立されたJISMが監督

している

8) 輸出品目規制

ヨルダンへの輸入に関するすべての規則がヨルダンからの輸出にも適用される

9) 輸出禁止品目

以下については輸出許可を必要としない

bull ヨルダン製品目

bull 通過貨物

bull 自由貿易圏の品目

bull 再輸出品ヨルダンに一時的に輸入される品目

以下の金属スクラップの輸出については25 JD の料金が発生する

bull 鉄

bull アルミニウム

bull 銅

3 関税制度

1) 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

ヨルダン税関局は以下の拠点を有している

5 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull アルラムサ税関事務所

bull アルマハータ保税事務所

bull アカバ税関検査所

bull アンマン税関検査所

bull 空港税関事務所

bull フセイン国王橋税関事務所

bull エル-ハッサン工業団地税関事務所

bull ヨルダン渓谷検問所税関事務所

bull アンマン税関事務所

bull ジャベル税関事務所

bull アルムダワラ税関事務所

bull モハメド皇太子橋税関事務所

bull アンマン民間空港税関事務所

bull アブドゥッラー2 世国王工業団地税関事務所

bull アルシディア税関事務所

bull オマーリ税関事務所

bull アンマン郵便局税関事務所

bull 特別保税倉庫

bull ザルカフリーゾーン税関事務所

bull アル-カラマ税関事務所

ヨルダン税関局は国家の経済力と産業競争力の向上投資促進に貢献するため以

下の業務を実施するとされている

bull 資本財(機械機器輸送用機材原材料およびその他の必需品)の輸入

について関税および税金を免除すること

bull 輸出用製品に加工するための原材料および工業用部品ならびに仕掛品に

「一時輸入」制度を適用して関税を留保すること

bull 最終製品が輸出される際には使用原材料および工業用部品に対する関税

を払い戻すこと

bull 各税関事務所が上位事務所を通すことなくすべての手続きを完了させる

または担当者一人がすべての書類をまとめて取り扱うことなどの権限を

与えて国内製品の輸出手続きを簡易化すること

bull 輸出関税を免除すること

bull ヨルダンと他国との間の貿易取引を円滑化させること

bull 関税を徴収すること

bull ヨルダン国境を通過する旅行者および貨物の流れならびに輸送を現行

規則に基づく税関局の権限を順守し管理すること

bull 密輸の取り締まり

bull ヨルダン社会および環境を危険物から保護すること

bull 現行規則に従い商業活動を監督し違法事業の阻止に貢献すること

2) ヨルダンの関税体系

ヨルダンでは複合的な関税制度を採用している

httpwwwcustomsgovjocitsLogin_enaspx

3) 免税品分野

6 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ヨルダンの関税率についてはジェトロのホームページ内から日本企業関係者であ

ればどなたも無料で利用できるサイト「世界各国の関税率(WorldTarif)を参照のこ

とhttpwwwjetrogojpthemetradetariff

4) 品目分類

ヨルダンの関税は HS 分類を採用している

5) 関税の種類

ヨルダンの関税は従価税制度を採用しているヨルダン税関局は輸入者が輸入条件

と通商協定の情報を得ることができるシステムを開発したこれは統合関税システム

(以下「CITS」)と呼ばれ輸入者は物品貿易のすべての規制および要件を調べ

ることができるCITS システム内の情報はすべてアラビア語と英語で記載されて

いるさらにCITS システムでは貿易活動に関する情報を提供し商品の関税率

表通商協定関税分類布告公布および国際統一商品分類(HS)に関する要件

を検索することができる

6) 課税基準 (FOB CIF等)および関税以外の諸税

ヨルダンは関税課税基準としてCIFを採用している輸入品に対する付加価値税(ヨル

ダンでは「売上税(Sales Tax)」)も輸入通関時点のCIF価額に基づき算定され

る売上税の基本税率は16だが医薬品や農産物は課税が免除される次の特定品

目に限定されるものではないが自動車タバコ製品アルコール飲料および潤滑油

などには特別売上税が課せられるこのうちタバコ製品およびアルコール飲料には

特別売上税率に加えて一般売上税率も上乗せされる

7) 特恵関税率制度

Aヨルダン米国自由貿易協定

ヨルダンと米国との間で 2001 年に発効した自由貿易協定(以下「FTA」)では二

国間で取引されるほとんどすべての品目のあらゆる関税障壁を 10 年以内に取り除く

ことを目標としているただしFTA の規定はヨルダンと米国の輸出すべてに適

用されるわけではないことに特に注意しなければならない 両者はおのおのの「原

産地規則」に当てはまる製品のみが FTA 協定の特恵の対象となることに合意してい

るFTA の第 2 条に基づき各当事者はFTA 協定の別紙 21 に従い相手方の原

産品目に対する関税を積極的に撤廃する義務を有する両国はまた相互の円滑な自

由貿易への転換を目指し関税の段階的削減制で合意しているよって両国はさ

まざまな製品を対象に分野ごとに以下の一覧を適用することに合意している

分野 関税の撤廃期間

A 2年間(毎年50削減)

B 4年間(毎年25削減)

C 5年間(毎年20削減)

D 10年間(毎年10削減)

E 世界貿易機関関税撤廃義務

7 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

FTA はまた幾つかの製品について特別段階制分野「F」から「M」を設定して

いる対象製品は特定のアルコール製品および繊維製品一般特恵制度(GSP)

輸出品農産物割当分類製品鶏肉リンゴおよび乗用車などである品目の詳細

基本関税率HS コード段階分類などを含む詳細な一覧については以下のサイト

を参照のこと

ヨルダン関税率表 -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file392_8

147pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file211_8453pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file521_8452pdf -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file501_8

455pdf

アメリカ合衆国のスケジュール

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file331_8458pdf

原産地規則に関してはFTA は以下の三つの規定それぞれに該当すれば原産地

規則に該当すると定めている

完全生産実質的変更要件

FTA に基づき免税扱いを受けるためにはヨルダンに輸入される品目は完全に米

国で製造されるか第三国の材料が使用された場合にはそれらの材料が米国におけ

る製造または加工処理の結果米国原産品に「実質的に変更」されている必要がある

国内調達部品 35要件

FTA においては輸入品の通関価額の 35が米国原産材料およびまたは米国にお

ける加工処理原価でなくてはならないと規定している

直接輸送要件

ヨルダンへの輸送途中で米国の適格品目が非適格品目と入り混じらないようにする

ためFTA は「直接輸送」要件を規定しているつまり幾つかの例外を除き当

該品目が米国から直接ヨルダンに輸送された証明 が必要であるということである

B 大アラブ自由貿易協定(以下「GAFTA」)

GAFTA はアラブ諸国 17 カ国の間で締結された協定で1998 年から有効となって

いる締結国は以下のとおりである

1 ヨルダン 7 モロッコ 13 クウェート

2 アラブ首長国連邦 8 シリア 14 チュニジア

3 バーレーン 9 レバノン 15 リビア

4サウジアラビア 10 イラク 16 スーダン

5 オマーン 11 エジプト 17 イエメン

6 カタール 12 パレスチナ

本協定はGAFTA加盟アラブ諸国すべての間に同等に有効な関税の完全撤廃により

物品貿易の完全自由化に合意している

8 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

GAFTA の第 2 条には以下のような規則に従い加盟諸国間の自由貿易を達成する

ことが本協定の目的であると規定されている

1 加盟国間で取引される一定のアラブ商品および製品に対する税の完全

撤廃

2 一定のアラブ商品および製品に対するさまざまな課徴金および規制の

段階的引き下げ

3 一定のアラブ商品および製品に対する段階的保護により同様の非アラ

ブ製品との競争に対応すること

Cアラブ欧州地中海諸国間の自由貿易圏の創設に関する協定(「アガディール協定」)

アガディール協定はヨルダンエジプトチュニジアおよびモロッコの間で 2004

年に締結された

本協定は加盟国間に目的となる(自由)競争を達成するため貿易農業工業

金融および課税制度サービス業ならびに通関などに関する全般的および各産業部

門別の経済政策を調整することを目的としているそして本協定はその発効日

(2006 年 7 月 6 日)をもって工業製品および農産物貿易の完全自由化を規定して

いるさらに加盟国は本協定に基づき輸入品に課せられる量的規制金融手

続きおよび技術的障壁などの非関税障壁を撤廃する義務を有する

ヨルダンが締結している貿易協定すべてについては以下のウェブサイトのリストを

参照のこと

httpwwwjordanecborgPublicEnglishaspxSite_ID=1ampPage_ID=478ampmenu_i

d=32

4 外国為替政策

1) 管轄官庁

反資金洗浄および対テロリスト資金調達対策委員会

電話+962 6 430301

+962 6 4630303

+962 6 4630303

住所P O Box 2181 Amman 11181 Jordan

E メールinfoamlugovjo

営業時間 日曜から木曜 800 am から 400 pm

ヨルダン中央銀行

E メールinfocbjgovjo

本店PO Box (37) Amman-11118-Jordan

電話 +962 6 463030110 (10 回線)

ファクシミリ +962 6 4638889

テレックス21250 Bankazi Jo 21476 Bakazi Jo 21766 Bakazi Jo

Swift code CBJOJOAX

9 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

イルビド支店PO Box 235 Irbid - Jordan

電話+962 2 7245001 +962 2 7245001

テレックス51562 IKAZI JO

ファクシミリ962 2 7245006

Swift codeCBJOJOAX021

アカバ支店PO Box 190 Aqaba - Jordan

電話+962 3 2013526 +962 3 2013526

テレックス62341 AKAZI JO

ファクシミリ+962 3 2013528

Swift codeCBJOJOAX02A

2) 為替相場管理制度および資本取引の規制

外国為替に関する規制は存在しないヨルダン人および非ヨルダン人は同じように

ヨルダン国内および国外で銀行口座をヨルダン通貨および外国通貨で開設し資金

をヨルダン国外に交換可能な通貨で送金する権利を有するただし銀行金融機

関保険会社証券会社および同様の機関は(以下に示すように)適用される反

資金洗浄法規を順守しなければならない

さらに1995年10月23日以降JDは正式にIMFの特別引出権(SDR)に固定さ

れているこのため当該期間のJDの対米ドルレートは1米ドル(以下USド

ル)=0709JDとなっている

3) 貿易取引および貿易外取引に対する規制

貿易取引決済についてヨルダンで通常使用されている支払方法は信用状開設であ

る支払期限については法定期限は存在せず契約当事者間で調印された契約にす

べて委ねられるさらにヨルダン法規ではすべての決済はJDを使用してなさ

れるものと規定されている

ヨルダンからまたはヨルダンに大量の資金を送金する場合には反資金洗浄お

よび対テロリスト資金調達法2007年46号(AML)の次の規定を順守する必要がある

まず理解すべきは反資金洗浄および対テロリスト資金調達法2007年46号(以下

「AML」)が取引を行うすべての法人および個人ではなく本法に規定する事業

活動を行っている個人企業に義務を課しているということである本法の第13条

に本法の義務を課せられる対象を以下のとおり規定している

金融機関

bull ヨルダンで営業している銀行

bull 両替および送金会社

bull 証券委員会が規制する活動を行う個人企業

bull 保険委員会が規制する活動を行う個人企業

bull その他の金融会社

bull 郵便業務を行う会社

非金融機関

bull 不動産業および不動産開発業を営む個人企業

10 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 貴金属および宝石の取引を行う個人企業

上述のいずれかに関する代理業を営む個人企業

閣僚会議が本法の対象範囲に含まれると判断するその他の個人企業

さらにヨルダンにおけるAMLの法的概念は一般的に次の三つを要件としている

bull 顧客および最終受益者を知る必要があること

bull 正しい内部会計および記録制度を採用すること

bull 疑わしい取引および政治的に危うい顧客に対しさらに精緻な検証を実施

し必要に応じ報告するという危機管理を進めること

貿易外取引に対する規制に関しては運賃や保険料の支払いなどの業務の提供ならび

に仲介貿易に対する外国通貨の支払に課せられる規制はない

5 輸出入手続き

1) 輸出入許可の申請

輸出入免許および認可規則2004年114号に従い以下の企業は輸出入許可および認

可を申請することができる

bull 有効な専門許可(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull 非商業的専門免許(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull ヨルダンにおいて会社法に基づき営業している外国会社として登録し

ている外国の請負人ならびに外国の会社もしくは子会社ただし輸入

品が政府または私企業との契約の履行に必要であり当該供給に必要な

輸入であることを当該物品の数量および種類を記載した書類により示す

ことを条件とする

さらに上述規則の第5条に会社が輸入許可を申請するためには輸出者の地域の

商工会議所がおのおのの法律に基づいて発行した有効な原産地証明書が必要である

と規定されている

A 同規則第7条は許可の申請には以下の書類を提出しなければならないと規定して

いる

bull 輸入者または輸出者の名称商号(制定されている場合)ならびに輸入

者の登録番号

bull 許可の通し番号

bull 許可の種類

bull 許可の発行日および有効期限

bull 貨物の種類価額および数量

bull 管轄省が許可申請に必要とみなすその他の情報

上述 A に述べられた情報に加え輸入者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の原産地

bull 貨物の出荷地

11 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述 A に述べられた情報に加え輸出者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の輸出先の名称

bull 原産地証明書の番号その履歴および発行者

bull 送り状番号および日付

bull 貨物の用途

さらに許可は輸入品または輸出品に数量規制が適用されない限り約 7 日間で発

行されると規定されている当該規制が適用される場合でも14 日以内に発行され

手数料

管轄省は以下の手数料を課す

bull 輸入許可発行に 10 JD

bull 輸出許可発行に 5 JD

さらに所轄省および官庁は次の業務に対して以下の手数料を課す

bull 輸出者または輸入者登録簿への登録10 JD

bull 輸出者または輸入者カードの発行または更新15 JD

当事者が許可を申請しなかった場合には輸入品または輸出品の価額の 25に相当

する罰金が科せられる

B 輸入または輸出許可取得除外品目

bull 国王のために輸出入される物品

bull 直接官公庁および公共機関のために輸出入される物品

bull ヨルダンを通過する(接続)貨物ただしその時点の関税法規を条件

とする

bull ヨルダンで開催される展示会会議またはセミナーのために輸入され

事後に再輸出される物品

bull 外交使節団および領事機関から公用のために直接輸出入される物品

bull ヨルダンで営業している銀行のために公共倉庫への預託として税関当局

が承認した物品ただしその時点で有効な関税法規の規定により通関

のために許可を取得する必要がある

bull 個人の手荷物や中古家財など個人利用のために輸出入された物品ただ

し管轄省がそれに関して発令した命令に従うことを条件とする

bull 旅行者が携帯する物品で輸出入が禁止されていない品目ただし2000

JD を超えない価額とする

bull 商人が占有する物品の見本ただし関税官庁が規定する限度以内とす

bull 農場が輸入した農場で必要な農業用資材

bull 野菜および果物の輸出ただし管轄省が別段の判断をする場合を除く

bull 担当相が除外を判断した農産物の輸出

bull 航空機または船で販売される免税場所に搬入される物品

bull 一時輸入される物品

bull 保守のためにまたは展示会会議もしくはセミナーでの展示のために

輸出される物品

bull 原状でもしくは保守後にヨルダンに再輸入される物品ならびに通

関前に再輸出される物品

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 5: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

2 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

1994 年にヨルダンハシェミット王国と日本は両国間および両国を通じた航空

事業の運営および促進に関する協定を結んでいる

2 貿易および為替政策

1) 貿易および為替管理政策制度の概要

本章の以下の各項目で概説

2) 管轄官庁

ヨルダン税関

電話 +962 6 4623186 +962 6 4623186 88

+962 6 4624394 +962 6 4624394 96 +962 6 4637641 +962 6 4637641 42 +962 6 4636394 +962 6 4636394 95

ファクシミリ +962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

3) 輸入品目規制

以下の品目の輸入には事前許可が必要である

bull 2000 ヨルダンディナール(以下「JD」)超の価額の非商業用貨物

bull ビスケット全種類

bull ミネラルウォーター

bull 工業用粉乳

bull 中古タイヤ

4) 輸入禁止品目

輸出入法2001年21号第6条に関連してなされた決定により以下の品目はヨルダンへ

の輸入が禁止されている

bull 本物の銃または武器の形をしたライター

bull 花火

bull 玩具で本来の生物の形状を模したもの動物または人間のDNA を使

用して製造されたもの

bull モザイク画

bull 聖水

bull ライトで装飾されたナンバープレートハイビームライト大音量を

出すための車のスピーカーフォンや排気管など各種の車の付属品

bull レーザーペンとメダル

その他の禁止品目

bull 違法薬物

bull 刃物武器および弾薬‐事前の許可が必要

3 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 植物および植物製品‐事前の許可が必要

bull 生鮮果実および野菜‐事前の許可が必要

bull 食肉および畜産物‐事前の許可が必要

bull 偽札および偽造品

さらに政府はプラスチック廃棄物麻薬植物「カット(qat)」およびディーゼ

ル乗用車のいかなる輸入も禁止している

5) 原産国による輸入規制

シリアとの取引に関しては規制が適用される場合があるシリアが 2011 年にアラ

ブ連盟から脱退しこれに伴う経済制裁を課せられているためである

6) その他の輸入関連法規条約

農産物や食品などに関する輸出入規制に関しては以下の機関が責を有する

bull ヨルダン食品医薬品局(以下「JFDA」)

bull 農業省(MoA)

bull ヨルダン規格度量衡庁(以下「JISM」)

bull 税関局

表示要件は JISM が規定している

表示の法的要件は標準的であるすべての表示はアラビア語で書かれているかまた

はアラビア語の表示を貼付しなければならない通常製品名製造者の名称と住所

正味重量ビタミンやミネラルの追加などの補強栄養価 ロット番号使用期限ま

たは賞味期限なども表示されなければならない離乳食やダイエット食品などには栄

養表示も求められる 包装および容器については上述の当局はいかなる規制も定

めていない

食品添加物についてはJISM および JFDA がヨルダン国内での使用が許可される添

加物について規制している通常ヨルダンは国際食品規格委員会(CODEX

Alimemtarius)に従って添加物の許認可を行っている

JFDA は食品を小売および卸売の段階で検査する権限を有する検査官はいかな

る場所にも立ち入り検査用のサンプルを回収することができる食品が技術的要件

を満たさないまたは人の食用に適さないとされた場合には流通経路から回収され

て破棄される

7) 外国製品の輸入におけるその他の規制

1998 年関税法(改正版含む)の第 31 条に従いすべての税関申告書には以下の項

目が含まれていなければならない

bull 船荷証券または航空貨物輸送証券

bull 価額重量運賃および保険料を記載した商業送り状

bull すべての送り状は原産国におけるヨルダン在外公館の認証を必要とする

ヨルダンの領事館が存在しない場合は税関長の承諾により輸出者の所

在地域の商工会議所の証明書でもよい

bull 輸出者の所在地域の管轄機関が発行した公証済み原産国証明書

4 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 2000 JD を超える貨物については価額申告書

ヨルダンに一時的に輸入される品目保税貨物および投資促進法の対象となる品目

には輸入許可は必要とされないヨルダン資本および外国資本の貿易取引業者は

通関手続きのために産業貿易相から輸入許可証を取得しなければならないまた

輸入農産物および食品に関しては人の食用として適切かどうかを検査される場合も

ある通常加工食品は税関で検査される

すべての送り状で管轄当局が輸入商品に関するアラビア語での説明を要求している

ことに留意する必要がある

ヨルダンに輸入される物品は規格度量衡法2000年22号に定める国の規格に従っ

たものでなければならないこれについては同法に基づいて設立されたJISMが監督

している

8) 輸出品目規制

ヨルダンへの輸入に関するすべての規則がヨルダンからの輸出にも適用される

9) 輸出禁止品目

以下については輸出許可を必要としない

bull ヨルダン製品目

bull 通過貨物

bull 自由貿易圏の品目

bull 再輸出品ヨルダンに一時的に輸入される品目

以下の金属スクラップの輸出については25 JD の料金が発生する

bull 鉄

bull アルミニウム

bull 銅

3 関税制度

1) 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

ヨルダン税関局は以下の拠点を有している

5 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull アルラムサ税関事務所

bull アルマハータ保税事務所

bull アカバ税関検査所

bull アンマン税関検査所

bull 空港税関事務所

bull フセイン国王橋税関事務所

bull エル-ハッサン工業団地税関事務所

bull ヨルダン渓谷検問所税関事務所

bull アンマン税関事務所

bull ジャベル税関事務所

bull アルムダワラ税関事務所

bull モハメド皇太子橋税関事務所

bull アンマン民間空港税関事務所

bull アブドゥッラー2 世国王工業団地税関事務所

bull アルシディア税関事務所

bull オマーリ税関事務所

bull アンマン郵便局税関事務所

bull 特別保税倉庫

bull ザルカフリーゾーン税関事務所

bull アル-カラマ税関事務所

ヨルダン税関局は国家の経済力と産業競争力の向上投資促進に貢献するため以

下の業務を実施するとされている

bull 資本財(機械機器輸送用機材原材料およびその他の必需品)の輸入

について関税および税金を免除すること

bull 輸出用製品に加工するための原材料および工業用部品ならびに仕掛品に

「一時輸入」制度を適用して関税を留保すること

bull 最終製品が輸出される際には使用原材料および工業用部品に対する関税

を払い戻すこと

bull 各税関事務所が上位事務所を通すことなくすべての手続きを完了させる

または担当者一人がすべての書類をまとめて取り扱うことなどの権限を

与えて国内製品の輸出手続きを簡易化すること

bull 輸出関税を免除すること

bull ヨルダンと他国との間の貿易取引を円滑化させること

bull 関税を徴収すること

bull ヨルダン国境を通過する旅行者および貨物の流れならびに輸送を現行

規則に基づく税関局の権限を順守し管理すること

bull 密輸の取り締まり

bull ヨルダン社会および環境を危険物から保護すること

bull 現行規則に従い商業活動を監督し違法事業の阻止に貢献すること

2) ヨルダンの関税体系

ヨルダンでは複合的な関税制度を採用している

httpwwwcustomsgovjocitsLogin_enaspx

3) 免税品分野

6 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ヨルダンの関税率についてはジェトロのホームページ内から日本企業関係者であ

ればどなたも無料で利用できるサイト「世界各国の関税率(WorldTarif)を参照のこ

とhttpwwwjetrogojpthemetradetariff

4) 品目分類

ヨルダンの関税は HS 分類を採用している

5) 関税の種類

ヨルダンの関税は従価税制度を採用しているヨルダン税関局は輸入者が輸入条件

と通商協定の情報を得ることができるシステムを開発したこれは統合関税システム

(以下「CITS」)と呼ばれ輸入者は物品貿易のすべての規制および要件を調べ

ることができるCITS システム内の情報はすべてアラビア語と英語で記載されて

いるさらにCITS システムでは貿易活動に関する情報を提供し商品の関税率

表通商協定関税分類布告公布および国際統一商品分類(HS)に関する要件

を検索することができる

6) 課税基準 (FOB CIF等)および関税以外の諸税

ヨルダンは関税課税基準としてCIFを採用している輸入品に対する付加価値税(ヨル

ダンでは「売上税(Sales Tax)」)も輸入通関時点のCIF価額に基づき算定され

る売上税の基本税率は16だが医薬品や農産物は課税が免除される次の特定品

目に限定されるものではないが自動車タバコ製品アルコール飲料および潤滑油

などには特別売上税が課せられるこのうちタバコ製品およびアルコール飲料には

特別売上税率に加えて一般売上税率も上乗せされる

7) 特恵関税率制度

Aヨルダン米国自由貿易協定

ヨルダンと米国との間で 2001 年に発効した自由貿易協定(以下「FTA」)では二

国間で取引されるほとんどすべての品目のあらゆる関税障壁を 10 年以内に取り除く

ことを目標としているただしFTA の規定はヨルダンと米国の輸出すべてに適

用されるわけではないことに特に注意しなければならない 両者はおのおのの「原

産地規則」に当てはまる製品のみが FTA 協定の特恵の対象となることに合意してい

るFTA の第 2 条に基づき各当事者はFTA 協定の別紙 21 に従い相手方の原

産品目に対する関税を積極的に撤廃する義務を有する両国はまた相互の円滑な自

由貿易への転換を目指し関税の段階的削減制で合意しているよって両国はさ

まざまな製品を対象に分野ごとに以下の一覧を適用することに合意している

分野 関税の撤廃期間

A 2年間(毎年50削減)

B 4年間(毎年25削減)

C 5年間(毎年20削減)

D 10年間(毎年10削減)

E 世界貿易機関関税撤廃義務

7 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

FTA はまた幾つかの製品について特別段階制分野「F」から「M」を設定して

いる対象製品は特定のアルコール製品および繊維製品一般特恵制度(GSP)

輸出品農産物割当分類製品鶏肉リンゴおよび乗用車などである品目の詳細

基本関税率HS コード段階分類などを含む詳細な一覧については以下のサイト

を参照のこと

ヨルダン関税率表 -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file392_8

147pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file211_8453pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file521_8452pdf -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file501_8

455pdf

アメリカ合衆国のスケジュール

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file331_8458pdf

原産地規則に関してはFTA は以下の三つの規定それぞれに該当すれば原産地

規則に該当すると定めている

完全生産実質的変更要件

FTA に基づき免税扱いを受けるためにはヨルダンに輸入される品目は完全に米

国で製造されるか第三国の材料が使用された場合にはそれらの材料が米国におけ

る製造または加工処理の結果米国原産品に「実質的に変更」されている必要がある

国内調達部品 35要件

FTA においては輸入品の通関価額の 35が米国原産材料およびまたは米国にお

ける加工処理原価でなくてはならないと規定している

直接輸送要件

ヨルダンへの輸送途中で米国の適格品目が非適格品目と入り混じらないようにする

ためFTA は「直接輸送」要件を規定しているつまり幾つかの例外を除き当

該品目が米国から直接ヨルダンに輸送された証明 が必要であるということである

B 大アラブ自由貿易協定(以下「GAFTA」)

GAFTA はアラブ諸国 17 カ国の間で締結された協定で1998 年から有効となって

いる締結国は以下のとおりである

1 ヨルダン 7 モロッコ 13 クウェート

2 アラブ首長国連邦 8 シリア 14 チュニジア

3 バーレーン 9 レバノン 15 リビア

4サウジアラビア 10 イラク 16 スーダン

5 オマーン 11 エジプト 17 イエメン

6 カタール 12 パレスチナ

本協定はGAFTA加盟アラブ諸国すべての間に同等に有効な関税の完全撤廃により

物品貿易の完全自由化に合意している

8 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

GAFTA の第 2 条には以下のような規則に従い加盟諸国間の自由貿易を達成する

ことが本協定の目的であると規定されている

1 加盟国間で取引される一定のアラブ商品および製品に対する税の完全

撤廃

2 一定のアラブ商品および製品に対するさまざまな課徴金および規制の

段階的引き下げ

3 一定のアラブ商品および製品に対する段階的保護により同様の非アラ

ブ製品との競争に対応すること

Cアラブ欧州地中海諸国間の自由貿易圏の創設に関する協定(「アガディール協定」)

アガディール協定はヨルダンエジプトチュニジアおよびモロッコの間で 2004

年に締結された

本協定は加盟国間に目的となる(自由)競争を達成するため貿易農業工業

金融および課税制度サービス業ならびに通関などに関する全般的および各産業部

門別の経済政策を調整することを目的としているそして本協定はその発効日

(2006 年 7 月 6 日)をもって工業製品および農産物貿易の完全自由化を規定して

いるさらに加盟国は本協定に基づき輸入品に課せられる量的規制金融手

続きおよび技術的障壁などの非関税障壁を撤廃する義務を有する

ヨルダンが締結している貿易協定すべてについては以下のウェブサイトのリストを

参照のこと

httpwwwjordanecborgPublicEnglishaspxSite_ID=1ampPage_ID=478ampmenu_i

d=32

4 外国為替政策

1) 管轄官庁

反資金洗浄および対テロリスト資金調達対策委員会

電話+962 6 430301

+962 6 4630303

+962 6 4630303

住所P O Box 2181 Amman 11181 Jordan

E メールinfoamlugovjo

営業時間 日曜から木曜 800 am から 400 pm

ヨルダン中央銀行

E メールinfocbjgovjo

本店PO Box (37) Amman-11118-Jordan

電話 +962 6 463030110 (10 回線)

ファクシミリ +962 6 4638889

テレックス21250 Bankazi Jo 21476 Bakazi Jo 21766 Bakazi Jo

Swift code CBJOJOAX

9 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

イルビド支店PO Box 235 Irbid - Jordan

電話+962 2 7245001 +962 2 7245001

テレックス51562 IKAZI JO

ファクシミリ962 2 7245006

Swift codeCBJOJOAX021

アカバ支店PO Box 190 Aqaba - Jordan

電話+962 3 2013526 +962 3 2013526

テレックス62341 AKAZI JO

ファクシミリ+962 3 2013528

Swift codeCBJOJOAX02A

2) 為替相場管理制度および資本取引の規制

外国為替に関する規制は存在しないヨルダン人および非ヨルダン人は同じように

ヨルダン国内および国外で銀行口座をヨルダン通貨および外国通貨で開設し資金

をヨルダン国外に交換可能な通貨で送金する権利を有するただし銀行金融機

関保険会社証券会社および同様の機関は(以下に示すように)適用される反

資金洗浄法規を順守しなければならない

さらに1995年10月23日以降JDは正式にIMFの特別引出権(SDR)に固定さ

れているこのため当該期間のJDの対米ドルレートは1米ドル(以下USド

ル)=0709JDとなっている

3) 貿易取引および貿易外取引に対する規制

貿易取引決済についてヨルダンで通常使用されている支払方法は信用状開設であ

る支払期限については法定期限は存在せず契約当事者間で調印された契約にす

べて委ねられるさらにヨルダン法規ではすべての決済はJDを使用してなさ

れるものと規定されている

ヨルダンからまたはヨルダンに大量の資金を送金する場合には反資金洗浄お

よび対テロリスト資金調達法2007年46号(AML)の次の規定を順守する必要がある

まず理解すべきは反資金洗浄および対テロリスト資金調達法2007年46号(以下

「AML」)が取引を行うすべての法人および個人ではなく本法に規定する事業

活動を行っている個人企業に義務を課しているということである本法の第13条

に本法の義務を課せられる対象を以下のとおり規定している

金融機関

bull ヨルダンで営業している銀行

bull 両替および送金会社

bull 証券委員会が規制する活動を行う個人企業

bull 保険委員会が規制する活動を行う個人企業

bull その他の金融会社

bull 郵便業務を行う会社

非金融機関

bull 不動産業および不動産開発業を営む個人企業

10 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 貴金属および宝石の取引を行う個人企業

上述のいずれかに関する代理業を営む個人企業

閣僚会議が本法の対象範囲に含まれると判断するその他の個人企業

さらにヨルダンにおけるAMLの法的概念は一般的に次の三つを要件としている

bull 顧客および最終受益者を知る必要があること

bull 正しい内部会計および記録制度を採用すること

bull 疑わしい取引および政治的に危うい顧客に対しさらに精緻な検証を実施

し必要に応じ報告するという危機管理を進めること

貿易外取引に対する規制に関しては運賃や保険料の支払いなどの業務の提供ならび

に仲介貿易に対する外国通貨の支払に課せられる規制はない

5 輸出入手続き

1) 輸出入許可の申請

輸出入免許および認可規則2004年114号に従い以下の企業は輸出入許可および認

可を申請することができる

bull 有効な専門許可(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull 非商業的専門免許(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull ヨルダンにおいて会社法に基づき営業している外国会社として登録し

ている外国の請負人ならびに外国の会社もしくは子会社ただし輸入

品が政府または私企業との契約の履行に必要であり当該供給に必要な

輸入であることを当該物品の数量および種類を記載した書類により示す

ことを条件とする

さらに上述規則の第5条に会社が輸入許可を申請するためには輸出者の地域の

商工会議所がおのおのの法律に基づいて発行した有効な原産地証明書が必要である

と規定されている

A 同規則第7条は許可の申請には以下の書類を提出しなければならないと規定して

いる

bull 輸入者または輸出者の名称商号(制定されている場合)ならびに輸入

者の登録番号

bull 許可の通し番号

bull 許可の種類

bull 許可の発行日および有効期限

bull 貨物の種類価額および数量

bull 管轄省が許可申請に必要とみなすその他の情報

上述 A に述べられた情報に加え輸入者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の原産地

bull 貨物の出荷地

11 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述 A に述べられた情報に加え輸出者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の輸出先の名称

bull 原産地証明書の番号その履歴および発行者

bull 送り状番号および日付

bull 貨物の用途

さらに許可は輸入品または輸出品に数量規制が適用されない限り約 7 日間で発

行されると規定されている当該規制が適用される場合でも14 日以内に発行され

手数料

管轄省は以下の手数料を課す

bull 輸入許可発行に 10 JD

bull 輸出許可発行に 5 JD

さらに所轄省および官庁は次の業務に対して以下の手数料を課す

bull 輸出者または輸入者登録簿への登録10 JD

bull 輸出者または輸入者カードの発行または更新15 JD

当事者が許可を申請しなかった場合には輸入品または輸出品の価額の 25に相当

する罰金が科せられる

B 輸入または輸出許可取得除外品目

bull 国王のために輸出入される物品

bull 直接官公庁および公共機関のために輸出入される物品

bull ヨルダンを通過する(接続)貨物ただしその時点の関税法規を条件

とする

bull ヨルダンで開催される展示会会議またはセミナーのために輸入され

事後に再輸出される物品

bull 外交使節団および領事機関から公用のために直接輸出入される物品

bull ヨルダンで営業している銀行のために公共倉庫への預託として税関当局

が承認した物品ただしその時点で有効な関税法規の規定により通関

のために許可を取得する必要がある

bull 個人の手荷物や中古家財など個人利用のために輸出入された物品ただ

し管轄省がそれに関して発令した命令に従うことを条件とする

bull 旅行者が携帯する物品で輸出入が禁止されていない品目ただし2000

JD を超えない価額とする

bull 商人が占有する物品の見本ただし関税官庁が規定する限度以内とす

bull 農場が輸入した農場で必要な農業用資材

bull 野菜および果物の輸出ただし管轄省が別段の判断をする場合を除く

bull 担当相が除外を判断した農産物の輸出

bull 航空機または船で販売される免税場所に搬入される物品

bull 一時輸入される物品

bull 保守のためにまたは展示会会議もしくはセミナーでの展示のために

輸出される物品

bull 原状でもしくは保守後にヨルダンに再輸入される物品ならびに通

関前に再輸出される物品

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 6: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

3 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 植物および植物製品‐事前の許可が必要

bull 生鮮果実および野菜‐事前の許可が必要

bull 食肉および畜産物‐事前の許可が必要

bull 偽札および偽造品

さらに政府はプラスチック廃棄物麻薬植物「カット(qat)」およびディーゼ

ル乗用車のいかなる輸入も禁止している

5) 原産国による輸入規制

シリアとの取引に関しては規制が適用される場合があるシリアが 2011 年にアラ

ブ連盟から脱退しこれに伴う経済制裁を課せられているためである

6) その他の輸入関連法規条約

農産物や食品などに関する輸出入規制に関しては以下の機関が責を有する

bull ヨルダン食品医薬品局(以下「JFDA」)

bull 農業省(MoA)

bull ヨルダン規格度量衡庁(以下「JISM」)

bull 税関局

表示要件は JISM が規定している

表示の法的要件は標準的であるすべての表示はアラビア語で書かれているかまた

はアラビア語の表示を貼付しなければならない通常製品名製造者の名称と住所

正味重量ビタミンやミネラルの追加などの補強栄養価 ロット番号使用期限ま

たは賞味期限なども表示されなければならない離乳食やダイエット食品などには栄

養表示も求められる 包装および容器については上述の当局はいかなる規制も定

めていない

食品添加物についてはJISM および JFDA がヨルダン国内での使用が許可される添

加物について規制している通常ヨルダンは国際食品規格委員会(CODEX

Alimemtarius)に従って添加物の許認可を行っている

JFDA は食品を小売および卸売の段階で検査する権限を有する検査官はいかな

る場所にも立ち入り検査用のサンプルを回収することができる食品が技術的要件

を満たさないまたは人の食用に適さないとされた場合には流通経路から回収され

て破棄される

7) 外国製品の輸入におけるその他の規制

1998 年関税法(改正版含む)の第 31 条に従いすべての税関申告書には以下の項

目が含まれていなければならない

bull 船荷証券または航空貨物輸送証券

bull 価額重量運賃および保険料を記載した商業送り状

bull すべての送り状は原産国におけるヨルダン在外公館の認証を必要とする

ヨルダンの領事館が存在しない場合は税関長の承諾により輸出者の所

在地域の商工会議所の証明書でもよい

bull 輸出者の所在地域の管轄機関が発行した公証済み原産国証明書

4 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 2000 JD を超える貨物については価額申告書

ヨルダンに一時的に輸入される品目保税貨物および投資促進法の対象となる品目

には輸入許可は必要とされないヨルダン資本および外国資本の貿易取引業者は

通関手続きのために産業貿易相から輸入許可証を取得しなければならないまた

輸入農産物および食品に関しては人の食用として適切かどうかを検査される場合も

ある通常加工食品は税関で検査される

すべての送り状で管轄当局が輸入商品に関するアラビア語での説明を要求している

ことに留意する必要がある

ヨルダンに輸入される物品は規格度量衡法2000年22号に定める国の規格に従っ

たものでなければならないこれについては同法に基づいて設立されたJISMが監督

している

8) 輸出品目規制

ヨルダンへの輸入に関するすべての規則がヨルダンからの輸出にも適用される

9) 輸出禁止品目

以下については輸出許可を必要としない

bull ヨルダン製品目

bull 通過貨物

bull 自由貿易圏の品目

bull 再輸出品ヨルダンに一時的に輸入される品目

以下の金属スクラップの輸出については25 JD の料金が発生する

bull 鉄

bull アルミニウム

bull 銅

3 関税制度

1) 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

ヨルダン税関局は以下の拠点を有している

5 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull アルラムサ税関事務所

bull アルマハータ保税事務所

bull アカバ税関検査所

bull アンマン税関検査所

bull 空港税関事務所

bull フセイン国王橋税関事務所

bull エル-ハッサン工業団地税関事務所

bull ヨルダン渓谷検問所税関事務所

bull アンマン税関事務所

bull ジャベル税関事務所

bull アルムダワラ税関事務所

bull モハメド皇太子橋税関事務所

bull アンマン民間空港税関事務所

bull アブドゥッラー2 世国王工業団地税関事務所

bull アルシディア税関事務所

bull オマーリ税関事務所

bull アンマン郵便局税関事務所

bull 特別保税倉庫

bull ザルカフリーゾーン税関事務所

bull アル-カラマ税関事務所

ヨルダン税関局は国家の経済力と産業競争力の向上投資促進に貢献するため以

下の業務を実施するとされている

bull 資本財(機械機器輸送用機材原材料およびその他の必需品)の輸入

について関税および税金を免除すること

bull 輸出用製品に加工するための原材料および工業用部品ならびに仕掛品に

「一時輸入」制度を適用して関税を留保すること

bull 最終製品が輸出される際には使用原材料および工業用部品に対する関税

を払い戻すこと

bull 各税関事務所が上位事務所を通すことなくすべての手続きを完了させる

または担当者一人がすべての書類をまとめて取り扱うことなどの権限を

与えて国内製品の輸出手続きを簡易化すること

bull 輸出関税を免除すること

bull ヨルダンと他国との間の貿易取引を円滑化させること

bull 関税を徴収すること

bull ヨルダン国境を通過する旅行者および貨物の流れならびに輸送を現行

規則に基づく税関局の権限を順守し管理すること

bull 密輸の取り締まり

bull ヨルダン社会および環境を危険物から保護すること

bull 現行規則に従い商業活動を監督し違法事業の阻止に貢献すること

2) ヨルダンの関税体系

ヨルダンでは複合的な関税制度を採用している

httpwwwcustomsgovjocitsLogin_enaspx

3) 免税品分野

6 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ヨルダンの関税率についてはジェトロのホームページ内から日本企業関係者であ

ればどなたも無料で利用できるサイト「世界各国の関税率(WorldTarif)を参照のこ

とhttpwwwjetrogojpthemetradetariff

4) 品目分類

ヨルダンの関税は HS 分類を採用している

5) 関税の種類

ヨルダンの関税は従価税制度を採用しているヨルダン税関局は輸入者が輸入条件

と通商協定の情報を得ることができるシステムを開発したこれは統合関税システム

(以下「CITS」)と呼ばれ輸入者は物品貿易のすべての規制および要件を調べ

ることができるCITS システム内の情報はすべてアラビア語と英語で記載されて

いるさらにCITS システムでは貿易活動に関する情報を提供し商品の関税率

表通商協定関税分類布告公布および国際統一商品分類(HS)に関する要件

を検索することができる

6) 課税基準 (FOB CIF等)および関税以外の諸税

ヨルダンは関税課税基準としてCIFを採用している輸入品に対する付加価値税(ヨル

ダンでは「売上税(Sales Tax)」)も輸入通関時点のCIF価額に基づき算定され

る売上税の基本税率は16だが医薬品や農産物は課税が免除される次の特定品

目に限定されるものではないが自動車タバコ製品アルコール飲料および潤滑油

などには特別売上税が課せられるこのうちタバコ製品およびアルコール飲料には

特別売上税率に加えて一般売上税率も上乗せされる

7) 特恵関税率制度

Aヨルダン米国自由貿易協定

ヨルダンと米国との間で 2001 年に発効した自由貿易協定(以下「FTA」)では二

国間で取引されるほとんどすべての品目のあらゆる関税障壁を 10 年以内に取り除く

ことを目標としているただしFTA の規定はヨルダンと米国の輸出すべてに適

用されるわけではないことに特に注意しなければならない 両者はおのおのの「原

産地規則」に当てはまる製品のみが FTA 協定の特恵の対象となることに合意してい

るFTA の第 2 条に基づき各当事者はFTA 協定の別紙 21 に従い相手方の原

産品目に対する関税を積極的に撤廃する義務を有する両国はまた相互の円滑な自

由貿易への転換を目指し関税の段階的削減制で合意しているよって両国はさ

まざまな製品を対象に分野ごとに以下の一覧を適用することに合意している

分野 関税の撤廃期間

A 2年間(毎年50削減)

B 4年間(毎年25削減)

C 5年間(毎年20削減)

D 10年間(毎年10削減)

E 世界貿易機関関税撤廃義務

7 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

FTA はまた幾つかの製品について特別段階制分野「F」から「M」を設定して

いる対象製品は特定のアルコール製品および繊維製品一般特恵制度(GSP)

輸出品農産物割当分類製品鶏肉リンゴおよび乗用車などである品目の詳細

基本関税率HS コード段階分類などを含む詳細な一覧については以下のサイト

を参照のこと

ヨルダン関税率表 -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file392_8

147pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file211_8453pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file521_8452pdf -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file501_8

455pdf

アメリカ合衆国のスケジュール

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file331_8458pdf

原産地規則に関してはFTA は以下の三つの規定それぞれに該当すれば原産地

規則に該当すると定めている

完全生産実質的変更要件

FTA に基づき免税扱いを受けるためにはヨルダンに輸入される品目は完全に米

国で製造されるか第三国の材料が使用された場合にはそれらの材料が米国におけ

る製造または加工処理の結果米国原産品に「実質的に変更」されている必要がある

国内調達部品 35要件

FTA においては輸入品の通関価額の 35が米国原産材料およびまたは米国にお

ける加工処理原価でなくてはならないと規定している

直接輸送要件

ヨルダンへの輸送途中で米国の適格品目が非適格品目と入り混じらないようにする

ためFTA は「直接輸送」要件を規定しているつまり幾つかの例外を除き当

該品目が米国から直接ヨルダンに輸送された証明 が必要であるということである

B 大アラブ自由貿易協定(以下「GAFTA」)

GAFTA はアラブ諸国 17 カ国の間で締結された協定で1998 年から有効となって

いる締結国は以下のとおりである

1 ヨルダン 7 モロッコ 13 クウェート

2 アラブ首長国連邦 8 シリア 14 チュニジア

3 バーレーン 9 レバノン 15 リビア

4サウジアラビア 10 イラク 16 スーダン

5 オマーン 11 エジプト 17 イエメン

6 カタール 12 パレスチナ

本協定はGAFTA加盟アラブ諸国すべての間に同等に有効な関税の完全撤廃により

物品貿易の完全自由化に合意している

8 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

GAFTA の第 2 条には以下のような規則に従い加盟諸国間の自由貿易を達成する

ことが本協定の目的であると規定されている

1 加盟国間で取引される一定のアラブ商品および製品に対する税の完全

撤廃

2 一定のアラブ商品および製品に対するさまざまな課徴金および規制の

段階的引き下げ

3 一定のアラブ商品および製品に対する段階的保護により同様の非アラ

ブ製品との競争に対応すること

Cアラブ欧州地中海諸国間の自由貿易圏の創設に関する協定(「アガディール協定」)

アガディール協定はヨルダンエジプトチュニジアおよびモロッコの間で 2004

年に締結された

本協定は加盟国間に目的となる(自由)競争を達成するため貿易農業工業

金融および課税制度サービス業ならびに通関などに関する全般的および各産業部

門別の経済政策を調整することを目的としているそして本協定はその発効日

(2006 年 7 月 6 日)をもって工業製品および農産物貿易の完全自由化を規定して

いるさらに加盟国は本協定に基づき輸入品に課せられる量的規制金融手

続きおよび技術的障壁などの非関税障壁を撤廃する義務を有する

ヨルダンが締結している貿易協定すべてについては以下のウェブサイトのリストを

参照のこと

httpwwwjordanecborgPublicEnglishaspxSite_ID=1ampPage_ID=478ampmenu_i

d=32

4 外国為替政策

1) 管轄官庁

反資金洗浄および対テロリスト資金調達対策委員会

電話+962 6 430301

+962 6 4630303

+962 6 4630303

住所P O Box 2181 Amman 11181 Jordan

E メールinfoamlugovjo

営業時間 日曜から木曜 800 am から 400 pm

ヨルダン中央銀行

E メールinfocbjgovjo

本店PO Box (37) Amman-11118-Jordan

電話 +962 6 463030110 (10 回線)

ファクシミリ +962 6 4638889

テレックス21250 Bankazi Jo 21476 Bakazi Jo 21766 Bakazi Jo

Swift code CBJOJOAX

9 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

イルビド支店PO Box 235 Irbid - Jordan

電話+962 2 7245001 +962 2 7245001

テレックス51562 IKAZI JO

ファクシミリ962 2 7245006

Swift codeCBJOJOAX021

アカバ支店PO Box 190 Aqaba - Jordan

電話+962 3 2013526 +962 3 2013526

テレックス62341 AKAZI JO

ファクシミリ+962 3 2013528

Swift codeCBJOJOAX02A

2) 為替相場管理制度および資本取引の規制

外国為替に関する規制は存在しないヨルダン人および非ヨルダン人は同じように

ヨルダン国内および国外で銀行口座をヨルダン通貨および外国通貨で開設し資金

をヨルダン国外に交換可能な通貨で送金する権利を有するただし銀行金融機

関保険会社証券会社および同様の機関は(以下に示すように)適用される反

資金洗浄法規を順守しなければならない

さらに1995年10月23日以降JDは正式にIMFの特別引出権(SDR)に固定さ

れているこのため当該期間のJDの対米ドルレートは1米ドル(以下USド

ル)=0709JDとなっている

3) 貿易取引および貿易外取引に対する規制

貿易取引決済についてヨルダンで通常使用されている支払方法は信用状開設であ

る支払期限については法定期限は存在せず契約当事者間で調印された契約にす

べて委ねられるさらにヨルダン法規ではすべての決済はJDを使用してなさ

れるものと規定されている

ヨルダンからまたはヨルダンに大量の資金を送金する場合には反資金洗浄お

よび対テロリスト資金調達法2007年46号(AML)の次の規定を順守する必要がある

まず理解すべきは反資金洗浄および対テロリスト資金調達法2007年46号(以下

「AML」)が取引を行うすべての法人および個人ではなく本法に規定する事業

活動を行っている個人企業に義務を課しているということである本法の第13条

に本法の義務を課せられる対象を以下のとおり規定している

金融機関

bull ヨルダンで営業している銀行

bull 両替および送金会社

bull 証券委員会が規制する活動を行う個人企業

bull 保険委員会が規制する活動を行う個人企業

bull その他の金融会社

bull 郵便業務を行う会社

非金融機関

bull 不動産業および不動産開発業を営む個人企業

10 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 貴金属および宝石の取引を行う個人企業

上述のいずれかに関する代理業を営む個人企業

閣僚会議が本法の対象範囲に含まれると判断するその他の個人企業

さらにヨルダンにおけるAMLの法的概念は一般的に次の三つを要件としている

bull 顧客および最終受益者を知る必要があること

bull 正しい内部会計および記録制度を採用すること

bull 疑わしい取引および政治的に危うい顧客に対しさらに精緻な検証を実施

し必要に応じ報告するという危機管理を進めること

貿易外取引に対する規制に関しては運賃や保険料の支払いなどの業務の提供ならび

に仲介貿易に対する外国通貨の支払に課せられる規制はない

5 輸出入手続き

1) 輸出入許可の申請

輸出入免許および認可規則2004年114号に従い以下の企業は輸出入許可および認

可を申請することができる

bull 有効な専門許可(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull 非商業的専門免許(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull ヨルダンにおいて会社法に基づき営業している外国会社として登録し

ている外国の請負人ならびに外国の会社もしくは子会社ただし輸入

品が政府または私企業との契約の履行に必要であり当該供給に必要な

輸入であることを当該物品の数量および種類を記載した書類により示す

ことを条件とする

さらに上述規則の第5条に会社が輸入許可を申請するためには輸出者の地域の

商工会議所がおのおのの法律に基づいて発行した有効な原産地証明書が必要である

と規定されている

A 同規則第7条は許可の申請には以下の書類を提出しなければならないと規定して

いる

bull 輸入者または輸出者の名称商号(制定されている場合)ならびに輸入

者の登録番号

bull 許可の通し番号

bull 許可の種類

bull 許可の発行日および有効期限

bull 貨物の種類価額および数量

bull 管轄省が許可申請に必要とみなすその他の情報

上述 A に述べられた情報に加え輸入者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の原産地

bull 貨物の出荷地

11 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述 A に述べられた情報に加え輸出者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の輸出先の名称

bull 原産地証明書の番号その履歴および発行者

bull 送り状番号および日付

bull 貨物の用途

さらに許可は輸入品または輸出品に数量規制が適用されない限り約 7 日間で発

行されると規定されている当該規制が適用される場合でも14 日以内に発行され

手数料

管轄省は以下の手数料を課す

bull 輸入許可発行に 10 JD

bull 輸出許可発行に 5 JD

さらに所轄省および官庁は次の業務に対して以下の手数料を課す

bull 輸出者または輸入者登録簿への登録10 JD

bull 輸出者または輸入者カードの発行または更新15 JD

当事者が許可を申請しなかった場合には輸入品または輸出品の価額の 25に相当

する罰金が科せられる

B 輸入または輸出許可取得除外品目

bull 国王のために輸出入される物品

bull 直接官公庁および公共機関のために輸出入される物品

bull ヨルダンを通過する(接続)貨物ただしその時点の関税法規を条件

とする

bull ヨルダンで開催される展示会会議またはセミナーのために輸入され

事後に再輸出される物品

bull 外交使節団および領事機関から公用のために直接輸出入される物品

bull ヨルダンで営業している銀行のために公共倉庫への預託として税関当局

が承認した物品ただしその時点で有効な関税法規の規定により通関

のために許可を取得する必要がある

bull 個人の手荷物や中古家財など個人利用のために輸出入された物品ただ

し管轄省がそれに関して発令した命令に従うことを条件とする

bull 旅行者が携帯する物品で輸出入が禁止されていない品目ただし2000

JD を超えない価額とする

bull 商人が占有する物品の見本ただし関税官庁が規定する限度以内とす

bull 農場が輸入した農場で必要な農業用資材

bull 野菜および果物の輸出ただし管轄省が別段の判断をする場合を除く

bull 担当相が除外を判断した農産物の輸出

bull 航空機または船で販売される免税場所に搬入される物品

bull 一時輸入される物品

bull 保守のためにまたは展示会会議もしくはセミナーでの展示のために

輸出される物品

bull 原状でもしくは保守後にヨルダンに再輸入される物品ならびに通

関前に再輸出される物品

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 7: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

4 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 2000 JD を超える貨物については価額申告書

ヨルダンに一時的に輸入される品目保税貨物および投資促進法の対象となる品目

には輸入許可は必要とされないヨルダン資本および外国資本の貿易取引業者は

通関手続きのために産業貿易相から輸入許可証を取得しなければならないまた

輸入農産物および食品に関しては人の食用として適切かどうかを検査される場合も

ある通常加工食品は税関で検査される

すべての送り状で管轄当局が輸入商品に関するアラビア語での説明を要求している

ことに留意する必要がある

ヨルダンに輸入される物品は規格度量衡法2000年22号に定める国の規格に従っ

たものでなければならないこれについては同法に基づいて設立されたJISMが監督

している

8) 輸出品目規制

ヨルダンへの輸入に関するすべての規則がヨルダンからの輸出にも適用される

9) 輸出禁止品目

以下については輸出許可を必要としない

bull ヨルダン製品目

bull 通過貨物

bull 自由貿易圏の品目

bull 再輸出品ヨルダンに一時的に輸入される品目

以下の金属スクラップの輸出については25 JD の料金が発生する

bull 鉄

bull アルミニウム

bull 銅

3 関税制度

1) 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

ヨルダン税関局は以下の拠点を有している

5 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull アルラムサ税関事務所

bull アルマハータ保税事務所

bull アカバ税関検査所

bull アンマン税関検査所

bull 空港税関事務所

bull フセイン国王橋税関事務所

bull エル-ハッサン工業団地税関事務所

bull ヨルダン渓谷検問所税関事務所

bull アンマン税関事務所

bull ジャベル税関事務所

bull アルムダワラ税関事務所

bull モハメド皇太子橋税関事務所

bull アンマン民間空港税関事務所

bull アブドゥッラー2 世国王工業団地税関事務所

bull アルシディア税関事務所

bull オマーリ税関事務所

bull アンマン郵便局税関事務所

bull 特別保税倉庫

bull ザルカフリーゾーン税関事務所

bull アル-カラマ税関事務所

ヨルダン税関局は国家の経済力と産業競争力の向上投資促進に貢献するため以

下の業務を実施するとされている

bull 資本財(機械機器輸送用機材原材料およびその他の必需品)の輸入

について関税および税金を免除すること

bull 輸出用製品に加工するための原材料および工業用部品ならびに仕掛品に

「一時輸入」制度を適用して関税を留保すること

bull 最終製品が輸出される際には使用原材料および工業用部品に対する関税

を払い戻すこと

bull 各税関事務所が上位事務所を通すことなくすべての手続きを完了させる

または担当者一人がすべての書類をまとめて取り扱うことなどの権限を

与えて国内製品の輸出手続きを簡易化すること

bull 輸出関税を免除すること

bull ヨルダンと他国との間の貿易取引を円滑化させること

bull 関税を徴収すること

bull ヨルダン国境を通過する旅行者および貨物の流れならびに輸送を現行

規則に基づく税関局の権限を順守し管理すること

bull 密輸の取り締まり

bull ヨルダン社会および環境を危険物から保護すること

bull 現行規則に従い商業活動を監督し違法事業の阻止に貢献すること

2) ヨルダンの関税体系

ヨルダンでは複合的な関税制度を採用している

httpwwwcustomsgovjocitsLogin_enaspx

3) 免税品分野

6 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ヨルダンの関税率についてはジェトロのホームページ内から日本企業関係者であ

ればどなたも無料で利用できるサイト「世界各国の関税率(WorldTarif)を参照のこ

とhttpwwwjetrogojpthemetradetariff

4) 品目分類

ヨルダンの関税は HS 分類を採用している

5) 関税の種類

ヨルダンの関税は従価税制度を採用しているヨルダン税関局は輸入者が輸入条件

と通商協定の情報を得ることができるシステムを開発したこれは統合関税システム

(以下「CITS」)と呼ばれ輸入者は物品貿易のすべての規制および要件を調べ

ることができるCITS システム内の情報はすべてアラビア語と英語で記載されて

いるさらにCITS システムでは貿易活動に関する情報を提供し商品の関税率

表通商協定関税分類布告公布および国際統一商品分類(HS)に関する要件

を検索することができる

6) 課税基準 (FOB CIF等)および関税以外の諸税

ヨルダンは関税課税基準としてCIFを採用している輸入品に対する付加価値税(ヨル

ダンでは「売上税(Sales Tax)」)も輸入通関時点のCIF価額に基づき算定され

る売上税の基本税率は16だが医薬品や農産物は課税が免除される次の特定品

目に限定されるものではないが自動車タバコ製品アルコール飲料および潤滑油

などには特別売上税が課せられるこのうちタバコ製品およびアルコール飲料には

特別売上税率に加えて一般売上税率も上乗せされる

7) 特恵関税率制度

Aヨルダン米国自由貿易協定

ヨルダンと米国との間で 2001 年に発効した自由貿易協定(以下「FTA」)では二

国間で取引されるほとんどすべての品目のあらゆる関税障壁を 10 年以内に取り除く

ことを目標としているただしFTA の規定はヨルダンと米国の輸出すべてに適

用されるわけではないことに特に注意しなければならない 両者はおのおのの「原

産地規則」に当てはまる製品のみが FTA 協定の特恵の対象となることに合意してい

るFTA の第 2 条に基づき各当事者はFTA 協定の別紙 21 に従い相手方の原

産品目に対する関税を積極的に撤廃する義務を有する両国はまた相互の円滑な自

由貿易への転換を目指し関税の段階的削減制で合意しているよって両国はさ

まざまな製品を対象に分野ごとに以下の一覧を適用することに合意している

分野 関税の撤廃期間

A 2年間(毎年50削減)

B 4年間(毎年25削減)

C 5年間(毎年20削減)

D 10年間(毎年10削減)

E 世界貿易機関関税撤廃義務

7 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

FTA はまた幾つかの製品について特別段階制分野「F」から「M」を設定して

いる対象製品は特定のアルコール製品および繊維製品一般特恵制度(GSP)

輸出品農産物割当分類製品鶏肉リンゴおよび乗用車などである品目の詳細

基本関税率HS コード段階分類などを含む詳細な一覧については以下のサイト

を参照のこと

ヨルダン関税率表 -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file392_8

147pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file211_8453pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file521_8452pdf -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file501_8

455pdf

アメリカ合衆国のスケジュール

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file331_8458pdf

原産地規則に関してはFTA は以下の三つの規定それぞれに該当すれば原産地

規則に該当すると定めている

完全生産実質的変更要件

FTA に基づき免税扱いを受けるためにはヨルダンに輸入される品目は完全に米

国で製造されるか第三国の材料が使用された場合にはそれらの材料が米国におけ

る製造または加工処理の結果米国原産品に「実質的に変更」されている必要がある

国内調達部品 35要件

FTA においては輸入品の通関価額の 35が米国原産材料およびまたは米国にお

ける加工処理原価でなくてはならないと規定している

直接輸送要件

ヨルダンへの輸送途中で米国の適格品目が非適格品目と入り混じらないようにする

ためFTA は「直接輸送」要件を規定しているつまり幾つかの例外を除き当

該品目が米国から直接ヨルダンに輸送された証明 が必要であるということである

B 大アラブ自由貿易協定(以下「GAFTA」)

GAFTA はアラブ諸国 17 カ国の間で締結された協定で1998 年から有効となって

いる締結国は以下のとおりである

1 ヨルダン 7 モロッコ 13 クウェート

2 アラブ首長国連邦 8 シリア 14 チュニジア

3 バーレーン 9 レバノン 15 リビア

4サウジアラビア 10 イラク 16 スーダン

5 オマーン 11 エジプト 17 イエメン

6 カタール 12 パレスチナ

本協定はGAFTA加盟アラブ諸国すべての間に同等に有効な関税の完全撤廃により

物品貿易の完全自由化に合意している

8 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

GAFTA の第 2 条には以下のような規則に従い加盟諸国間の自由貿易を達成する

ことが本協定の目的であると規定されている

1 加盟国間で取引される一定のアラブ商品および製品に対する税の完全

撤廃

2 一定のアラブ商品および製品に対するさまざまな課徴金および規制の

段階的引き下げ

3 一定のアラブ商品および製品に対する段階的保護により同様の非アラ

ブ製品との競争に対応すること

Cアラブ欧州地中海諸国間の自由貿易圏の創設に関する協定(「アガディール協定」)

アガディール協定はヨルダンエジプトチュニジアおよびモロッコの間で 2004

年に締結された

本協定は加盟国間に目的となる(自由)競争を達成するため貿易農業工業

金融および課税制度サービス業ならびに通関などに関する全般的および各産業部

門別の経済政策を調整することを目的としているそして本協定はその発効日

(2006 年 7 月 6 日)をもって工業製品および農産物貿易の完全自由化を規定して

いるさらに加盟国は本協定に基づき輸入品に課せられる量的規制金融手

続きおよび技術的障壁などの非関税障壁を撤廃する義務を有する

ヨルダンが締結している貿易協定すべてについては以下のウェブサイトのリストを

参照のこと

httpwwwjordanecborgPublicEnglishaspxSite_ID=1ampPage_ID=478ampmenu_i

d=32

4 外国為替政策

1) 管轄官庁

反資金洗浄および対テロリスト資金調達対策委員会

電話+962 6 430301

+962 6 4630303

+962 6 4630303

住所P O Box 2181 Amman 11181 Jordan

E メールinfoamlugovjo

営業時間 日曜から木曜 800 am から 400 pm

ヨルダン中央銀行

E メールinfocbjgovjo

本店PO Box (37) Amman-11118-Jordan

電話 +962 6 463030110 (10 回線)

ファクシミリ +962 6 4638889

テレックス21250 Bankazi Jo 21476 Bakazi Jo 21766 Bakazi Jo

Swift code CBJOJOAX

9 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

イルビド支店PO Box 235 Irbid - Jordan

電話+962 2 7245001 +962 2 7245001

テレックス51562 IKAZI JO

ファクシミリ962 2 7245006

Swift codeCBJOJOAX021

アカバ支店PO Box 190 Aqaba - Jordan

電話+962 3 2013526 +962 3 2013526

テレックス62341 AKAZI JO

ファクシミリ+962 3 2013528

Swift codeCBJOJOAX02A

2) 為替相場管理制度および資本取引の規制

外国為替に関する規制は存在しないヨルダン人および非ヨルダン人は同じように

ヨルダン国内および国外で銀行口座をヨルダン通貨および外国通貨で開設し資金

をヨルダン国外に交換可能な通貨で送金する権利を有するただし銀行金融機

関保険会社証券会社および同様の機関は(以下に示すように)適用される反

資金洗浄法規を順守しなければならない

さらに1995年10月23日以降JDは正式にIMFの特別引出権(SDR)に固定さ

れているこのため当該期間のJDの対米ドルレートは1米ドル(以下USド

ル)=0709JDとなっている

3) 貿易取引および貿易外取引に対する規制

貿易取引決済についてヨルダンで通常使用されている支払方法は信用状開設であ

る支払期限については法定期限は存在せず契約当事者間で調印された契約にす

べて委ねられるさらにヨルダン法規ではすべての決済はJDを使用してなさ

れるものと規定されている

ヨルダンからまたはヨルダンに大量の資金を送金する場合には反資金洗浄お

よび対テロリスト資金調達法2007年46号(AML)の次の規定を順守する必要がある

まず理解すべきは反資金洗浄および対テロリスト資金調達法2007年46号(以下

「AML」)が取引を行うすべての法人および個人ではなく本法に規定する事業

活動を行っている個人企業に義務を課しているということである本法の第13条

に本法の義務を課せられる対象を以下のとおり規定している

金融機関

bull ヨルダンで営業している銀行

bull 両替および送金会社

bull 証券委員会が規制する活動を行う個人企業

bull 保険委員会が規制する活動を行う個人企業

bull その他の金融会社

bull 郵便業務を行う会社

非金融機関

bull 不動産業および不動産開発業を営む個人企業

10 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 貴金属および宝石の取引を行う個人企業

上述のいずれかに関する代理業を営む個人企業

閣僚会議が本法の対象範囲に含まれると判断するその他の個人企業

さらにヨルダンにおけるAMLの法的概念は一般的に次の三つを要件としている

bull 顧客および最終受益者を知る必要があること

bull 正しい内部会計および記録制度を採用すること

bull 疑わしい取引および政治的に危うい顧客に対しさらに精緻な検証を実施

し必要に応じ報告するという危機管理を進めること

貿易外取引に対する規制に関しては運賃や保険料の支払いなどの業務の提供ならび

に仲介貿易に対する外国通貨の支払に課せられる規制はない

5 輸出入手続き

1) 輸出入許可の申請

輸出入免許および認可規則2004年114号に従い以下の企業は輸出入許可および認

可を申請することができる

bull 有効な専門許可(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull 非商業的専門免許(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull ヨルダンにおいて会社法に基づき営業している外国会社として登録し

ている外国の請負人ならびに外国の会社もしくは子会社ただし輸入

品が政府または私企業との契約の履行に必要であり当該供給に必要な

輸入であることを当該物品の数量および種類を記載した書類により示す

ことを条件とする

さらに上述規則の第5条に会社が輸入許可を申請するためには輸出者の地域の

商工会議所がおのおのの法律に基づいて発行した有効な原産地証明書が必要である

と規定されている

A 同規則第7条は許可の申請には以下の書類を提出しなければならないと規定して

いる

bull 輸入者または輸出者の名称商号(制定されている場合)ならびに輸入

者の登録番号

bull 許可の通し番号

bull 許可の種類

bull 許可の発行日および有効期限

bull 貨物の種類価額および数量

bull 管轄省が許可申請に必要とみなすその他の情報

上述 A に述べられた情報に加え輸入者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の原産地

bull 貨物の出荷地

11 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述 A に述べられた情報に加え輸出者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の輸出先の名称

bull 原産地証明書の番号その履歴および発行者

bull 送り状番号および日付

bull 貨物の用途

さらに許可は輸入品または輸出品に数量規制が適用されない限り約 7 日間で発

行されると規定されている当該規制が適用される場合でも14 日以内に発行され

手数料

管轄省は以下の手数料を課す

bull 輸入許可発行に 10 JD

bull 輸出許可発行に 5 JD

さらに所轄省および官庁は次の業務に対して以下の手数料を課す

bull 輸出者または輸入者登録簿への登録10 JD

bull 輸出者または輸入者カードの発行または更新15 JD

当事者が許可を申請しなかった場合には輸入品または輸出品の価額の 25に相当

する罰金が科せられる

B 輸入または輸出許可取得除外品目

bull 国王のために輸出入される物品

bull 直接官公庁および公共機関のために輸出入される物品

bull ヨルダンを通過する(接続)貨物ただしその時点の関税法規を条件

とする

bull ヨルダンで開催される展示会会議またはセミナーのために輸入され

事後に再輸出される物品

bull 外交使節団および領事機関から公用のために直接輸出入される物品

bull ヨルダンで営業している銀行のために公共倉庫への預託として税関当局

が承認した物品ただしその時点で有効な関税法規の規定により通関

のために許可を取得する必要がある

bull 個人の手荷物や中古家財など個人利用のために輸出入された物品ただ

し管轄省がそれに関して発令した命令に従うことを条件とする

bull 旅行者が携帯する物品で輸出入が禁止されていない品目ただし2000

JD を超えない価額とする

bull 商人が占有する物品の見本ただし関税官庁が規定する限度以内とす

bull 農場が輸入した農場で必要な農業用資材

bull 野菜および果物の輸出ただし管轄省が別段の判断をする場合を除く

bull 担当相が除外を判断した農産物の輸出

bull 航空機または船で販売される免税場所に搬入される物品

bull 一時輸入される物品

bull 保守のためにまたは展示会会議もしくはセミナーでの展示のために

輸出される物品

bull 原状でもしくは保守後にヨルダンに再輸入される物品ならびに通

関前に再輸出される物品

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 8: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

5 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull アルラムサ税関事務所

bull アルマハータ保税事務所

bull アカバ税関検査所

bull アンマン税関検査所

bull 空港税関事務所

bull フセイン国王橋税関事務所

bull エル-ハッサン工業団地税関事務所

bull ヨルダン渓谷検問所税関事務所

bull アンマン税関事務所

bull ジャベル税関事務所

bull アルムダワラ税関事務所

bull モハメド皇太子橋税関事務所

bull アンマン民間空港税関事務所

bull アブドゥッラー2 世国王工業団地税関事務所

bull アルシディア税関事務所

bull オマーリ税関事務所

bull アンマン郵便局税関事務所

bull 特別保税倉庫

bull ザルカフリーゾーン税関事務所

bull アル-カラマ税関事務所

ヨルダン税関局は国家の経済力と産業競争力の向上投資促進に貢献するため以

下の業務を実施するとされている

bull 資本財(機械機器輸送用機材原材料およびその他の必需品)の輸入

について関税および税金を免除すること

bull 輸出用製品に加工するための原材料および工業用部品ならびに仕掛品に

「一時輸入」制度を適用して関税を留保すること

bull 最終製品が輸出される際には使用原材料および工業用部品に対する関税

を払い戻すこと

bull 各税関事務所が上位事務所を通すことなくすべての手続きを完了させる

または担当者一人がすべての書類をまとめて取り扱うことなどの権限を

与えて国内製品の輸出手続きを簡易化すること

bull 輸出関税を免除すること

bull ヨルダンと他国との間の貿易取引を円滑化させること

bull 関税を徴収すること

bull ヨルダン国境を通過する旅行者および貨物の流れならびに輸送を現行

規則に基づく税関局の権限を順守し管理すること

bull 密輸の取り締まり

bull ヨルダン社会および環境を危険物から保護すること

bull 現行規則に従い商業活動を監督し違法事業の阻止に貢献すること

2) ヨルダンの関税体系

ヨルダンでは複合的な関税制度を採用している

httpwwwcustomsgovjocitsLogin_enaspx

3) 免税品分野

6 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ヨルダンの関税率についてはジェトロのホームページ内から日本企業関係者であ

ればどなたも無料で利用できるサイト「世界各国の関税率(WorldTarif)を参照のこ

とhttpwwwjetrogojpthemetradetariff

4) 品目分類

ヨルダンの関税は HS 分類を採用している

5) 関税の種類

ヨルダンの関税は従価税制度を採用しているヨルダン税関局は輸入者が輸入条件

と通商協定の情報を得ることができるシステムを開発したこれは統合関税システム

(以下「CITS」)と呼ばれ輸入者は物品貿易のすべての規制および要件を調べ

ることができるCITS システム内の情報はすべてアラビア語と英語で記載されて

いるさらにCITS システムでは貿易活動に関する情報を提供し商品の関税率

表通商協定関税分類布告公布および国際統一商品分類(HS)に関する要件

を検索することができる

6) 課税基準 (FOB CIF等)および関税以外の諸税

ヨルダンは関税課税基準としてCIFを採用している輸入品に対する付加価値税(ヨル

ダンでは「売上税(Sales Tax)」)も輸入通関時点のCIF価額に基づき算定され

る売上税の基本税率は16だが医薬品や農産物は課税が免除される次の特定品

目に限定されるものではないが自動車タバコ製品アルコール飲料および潤滑油

などには特別売上税が課せられるこのうちタバコ製品およびアルコール飲料には

特別売上税率に加えて一般売上税率も上乗せされる

7) 特恵関税率制度

Aヨルダン米国自由貿易協定

ヨルダンと米国との間で 2001 年に発効した自由貿易協定(以下「FTA」)では二

国間で取引されるほとんどすべての品目のあらゆる関税障壁を 10 年以内に取り除く

ことを目標としているただしFTA の規定はヨルダンと米国の輸出すべてに適

用されるわけではないことに特に注意しなければならない 両者はおのおのの「原

産地規則」に当てはまる製品のみが FTA 協定の特恵の対象となることに合意してい

るFTA の第 2 条に基づき各当事者はFTA 協定の別紙 21 に従い相手方の原

産品目に対する関税を積極的に撤廃する義務を有する両国はまた相互の円滑な自

由貿易への転換を目指し関税の段階的削減制で合意しているよって両国はさ

まざまな製品を対象に分野ごとに以下の一覧を適用することに合意している

分野 関税の撤廃期間

A 2年間(毎年50削減)

B 4年間(毎年25削減)

C 5年間(毎年20削減)

D 10年間(毎年10削減)

E 世界貿易機関関税撤廃義務

7 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

FTA はまた幾つかの製品について特別段階制分野「F」から「M」を設定して

いる対象製品は特定のアルコール製品および繊維製品一般特恵制度(GSP)

輸出品農産物割当分類製品鶏肉リンゴおよび乗用車などである品目の詳細

基本関税率HS コード段階分類などを含む詳細な一覧については以下のサイト

を参照のこと

ヨルダン関税率表 -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file392_8

147pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file211_8453pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file521_8452pdf -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file501_8

455pdf

アメリカ合衆国のスケジュール

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file331_8458pdf

原産地規則に関してはFTA は以下の三つの規定それぞれに該当すれば原産地

規則に該当すると定めている

完全生産実質的変更要件

FTA に基づき免税扱いを受けるためにはヨルダンに輸入される品目は完全に米

国で製造されるか第三国の材料が使用された場合にはそれらの材料が米国におけ

る製造または加工処理の結果米国原産品に「実質的に変更」されている必要がある

国内調達部品 35要件

FTA においては輸入品の通関価額の 35が米国原産材料およびまたは米国にお

ける加工処理原価でなくてはならないと規定している

直接輸送要件

ヨルダンへの輸送途中で米国の適格品目が非適格品目と入り混じらないようにする

ためFTA は「直接輸送」要件を規定しているつまり幾つかの例外を除き当

該品目が米国から直接ヨルダンに輸送された証明 が必要であるということである

B 大アラブ自由貿易協定(以下「GAFTA」)

GAFTA はアラブ諸国 17 カ国の間で締結された協定で1998 年から有効となって

いる締結国は以下のとおりである

1 ヨルダン 7 モロッコ 13 クウェート

2 アラブ首長国連邦 8 シリア 14 チュニジア

3 バーレーン 9 レバノン 15 リビア

4サウジアラビア 10 イラク 16 スーダン

5 オマーン 11 エジプト 17 イエメン

6 カタール 12 パレスチナ

本協定はGAFTA加盟アラブ諸国すべての間に同等に有効な関税の完全撤廃により

物品貿易の完全自由化に合意している

8 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

GAFTA の第 2 条には以下のような規則に従い加盟諸国間の自由貿易を達成する

ことが本協定の目的であると規定されている

1 加盟国間で取引される一定のアラブ商品および製品に対する税の完全

撤廃

2 一定のアラブ商品および製品に対するさまざまな課徴金および規制の

段階的引き下げ

3 一定のアラブ商品および製品に対する段階的保護により同様の非アラ

ブ製品との競争に対応すること

Cアラブ欧州地中海諸国間の自由貿易圏の創設に関する協定(「アガディール協定」)

アガディール協定はヨルダンエジプトチュニジアおよびモロッコの間で 2004

年に締結された

本協定は加盟国間に目的となる(自由)競争を達成するため貿易農業工業

金融および課税制度サービス業ならびに通関などに関する全般的および各産業部

門別の経済政策を調整することを目的としているそして本協定はその発効日

(2006 年 7 月 6 日)をもって工業製品および農産物貿易の完全自由化を規定して

いるさらに加盟国は本協定に基づき輸入品に課せられる量的規制金融手

続きおよび技術的障壁などの非関税障壁を撤廃する義務を有する

ヨルダンが締結している貿易協定すべてについては以下のウェブサイトのリストを

参照のこと

httpwwwjordanecborgPublicEnglishaspxSite_ID=1ampPage_ID=478ampmenu_i

d=32

4 外国為替政策

1) 管轄官庁

反資金洗浄および対テロリスト資金調達対策委員会

電話+962 6 430301

+962 6 4630303

+962 6 4630303

住所P O Box 2181 Amman 11181 Jordan

E メールinfoamlugovjo

営業時間 日曜から木曜 800 am から 400 pm

ヨルダン中央銀行

E メールinfocbjgovjo

本店PO Box (37) Amman-11118-Jordan

電話 +962 6 463030110 (10 回線)

ファクシミリ +962 6 4638889

テレックス21250 Bankazi Jo 21476 Bakazi Jo 21766 Bakazi Jo

Swift code CBJOJOAX

9 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

イルビド支店PO Box 235 Irbid - Jordan

電話+962 2 7245001 +962 2 7245001

テレックス51562 IKAZI JO

ファクシミリ962 2 7245006

Swift codeCBJOJOAX021

アカバ支店PO Box 190 Aqaba - Jordan

電話+962 3 2013526 +962 3 2013526

テレックス62341 AKAZI JO

ファクシミリ+962 3 2013528

Swift codeCBJOJOAX02A

2) 為替相場管理制度および資本取引の規制

外国為替に関する規制は存在しないヨルダン人および非ヨルダン人は同じように

ヨルダン国内および国外で銀行口座をヨルダン通貨および外国通貨で開設し資金

をヨルダン国外に交換可能な通貨で送金する権利を有するただし銀行金融機

関保険会社証券会社および同様の機関は(以下に示すように)適用される反

資金洗浄法規を順守しなければならない

さらに1995年10月23日以降JDは正式にIMFの特別引出権(SDR)に固定さ

れているこのため当該期間のJDの対米ドルレートは1米ドル(以下USド

ル)=0709JDとなっている

3) 貿易取引および貿易外取引に対する規制

貿易取引決済についてヨルダンで通常使用されている支払方法は信用状開設であ

る支払期限については法定期限は存在せず契約当事者間で調印された契約にす

べて委ねられるさらにヨルダン法規ではすべての決済はJDを使用してなさ

れるものと規定されている

ヨルダンからまたはヨルダンに大量の資金を送金する場合には反資金洗浄お

よび対テロリスト資金調達法2007年46号(AML)の次の規定を順守する必要がある

まず理解すべきは反資金洗浄および対テロリスト資金調達法2007年46号(以下

「AML」)が取引を行うすべての法人および個人ではなく本法に規定する事業

活動を行っている個人企業に義務を課しているということである本法の第13条

に本法の義務を課せられる対象を以下のとおり規定している

金融機関

bull ヨルダンで営業している銀行

bull 両替および送金会社

bull 証券委員会が規制する活動を行う個人企業

bull 保険委員会が規制する活動を行う個人企業

bull その他の金融会社

bull 郵便業務を行う会社

非金融機関

bull 不動産業および不動産開発業を営む個人企業

10 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 貴金属および宝石の取引を行う個人企業

上述のいずれかに関する代理業を営む個人企業

閣僚会議が本法の対象範囲に含まれると判断するその他の個人企業

さらにヨルダンにおけるAMLの法的概念は一般的に次の三つを要件としている

bull 顧客および最終受益者を知る必要があること

bull 正しい内部会計および記録制度を採用すること

bull 疑わしい取引および政治的に危うい顧客に対しさらに精緻な検証を実施

し必要に応じ報告するという危機管理を進めること

貿易外取引に対する規制に関しては運賃や保険料の支払いなどの業務の提供ならび

に仲介貿易に対する外国通貨の支払に課せられる規制はない

5 輸出入手続き

1) 輸出入許可の申請

輸出入免許および認可規則2004年114号に従い以下の企業は輸出入許可および認

可を申請することができる

bull 有効な専門許可(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull 非商業的専門免許(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull ヨルダンにおいて会社法に基づき営業している外国会社として登録し

ている外国の請負人ならびに外国の会社もしくは子会社ただし輸入

品が政府または私企業との契約の履行に必要であり当該供給に必要な

輸入であることを当該物品の数量および種類を記載した書類により示す

ことを条件とする

さらに上述規則の第5条に会社が輸入許可を申請するためには輸出者の地域の

商工会議所がおのおのの法律に基づいて発行した有効な原産地証明書が必要である

と規定されている

A 同規則第7条は許可の申請には以下の書類を提出しなければならないと規定して

いる

bull 輸入者または輸出者の名称商号(制定されている場合)ならびに輸入

者の登録番号

bull 許可の通し番号

bull 許可の種類

bull 許可の発行日および有効期限

bull 貨物の種類価額および数量

bull 管轄省が許可申請に必要とみなすその他の情報

上述 A に述べられた情報に加え輸入者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の原産地

bull 貨物の出荷地

11 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述 A に述べられた情報に加え輸出者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の輸出先の名称

bull 原産地証明書の番号その履歴および発行者

bull 送り状番号および日付

bull 貨物の用途

さらに許可は輸入品または輸出品に数量規制が適用されない限り約 7 日間で発

行されると規定されている当該規制が適用される場合でも14 日以内に発行され

手数料

管轄省は以下の手数料を課す

bull 輸入許可発行に 10 JD

bull 輸出許可発行に 5 JD

さらに所轄省および官庁は次の業務に対して以下の手数料を課す

bull 輸出者または輸入者登録簿への登録10 JD

bull 輸出者または輸入者カードの発行または更新15 JD

当事者が許可を申請しなかった場合には輸入品または輸出品の価額の 25に相当

する罰金が科せられる

B 輸入または輸出許可取得除外品目

bull 国王のために輸出入される物品

bull 直接官公庁および公共機関のために輸出入される物品

bull ヨルダンを通過する(接続)貨物ただしその時点の関税法規を条件

とする

bull ヨルダンで開催される展示会会議またはセミナーのために輸入され

事後に再輸出される物品

bull 外交使節団および領事機関から公用のために直接輸出入される物品

bull ヨルダンで営業している銀行のために公共倉庫への預託として税関当局

が承認した物品ただしその時点で有効な関税法規の規定により通関

のために許可を取得する必要がある

bull 個人の手荷物や中古家財など個人利用のために輸出入された物品ただ

し管轄省がそれに関して発令した命令に従うことを条件とする

bull 旅行者が携帯する物品で輸出入が禁止されていない品目ただし2000

JD を超えない価額とする

bull 商人が占有する物品の見本ただし関税官庁が規定する限度以内とす

bull 農場が輸入した農場で必要な農業用資材

bull 野菜および果物の輸出ただし管轄省が別段の判断をする場合を除く

bull 担当相が除外を判断した農産物の輸出

bull 航空機または船で販売される免税場所に搬入される物品

bull 一時輸入される物品

bull 保守のためにまたは展示会会議もしくはセミナーでの展示のために

輸出される物品

bull 原状でもしくは保守後にヨルダンに再輸入される物品ならびに通

関前に再輸出される物品

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 9: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

6 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ヨルダンの関税率についてはジェトロのホームページ内から日本企業関係者であ

ればどなたも無料で利用できるサイト「世界各国の関税率(WorldTarif)を参照のこ

とhttpwwwjetrogojpthemetradetariff

4) 品目分類

ヨルダンの関税は HS 分類を採用している

5) 関税の種類

ヨルダンの関税は従価税制度を採用しているヨルダン税関局は輸入者が輸入条件

と通商協定の情報を得ることができるシステムを開発したこれは統合関税システム

(以下「CITS」)と呼ばれ輸入者は物品貿易のすべての規制および要件を調べ

ることができるCITS システム内の情報はすべてアラビア語と英語で記載されて

いるさらにCITS システムでは貿易活動に関する情報を提供し商品の関税率

表通商協定関税分類布告公布および国際統一商品分類(HS)に関する要件

を検索することができる

6) 課税基準 (FOB CIF等)および関税以外の諸税

ヨルダンは関税課税基準としてCIFを採用している輸入品に対する付加価値税(ヨル

ダンでは「売上税(Sales Tax)」)も輸入通関時点のCIF価額に基づき算定され

る売上税の基本税率は16だが医薬品や農産物は課税が免除される次の特定品

目に限定されるものではないが自動車タバコ製品アルコール飲料および潤滑油

などには特別売上税が課せられるこのうちタバコ製品およびアルコール飲料には

特別売上税率に加えて一般売上税率も上乗せされる

7) 特恵関税率制度

Aヨルダン米国自由貿易協定

ヨルダンと米国との間で 2001 年に発効した自由貿易協定(以下「FTA」)では二

国間で取引されるほとんどすべての品目のあらゆる関税障壁を 10 年以内に取り除く

ことを目標としているただしFTA の規定はヨルダンと米国の輸出すべてに適

用されるわけではないことに特に注意しなければならない 両者はおのおのの「原

産地規則」に当てはまる製品のみが FTA 協定の特恵の対象となることに合意してい

るFTA の第 2 条に基づき各当事者はFTA 協定の別紙 21 に従い相手方の原

産品目に対する関税を積極的に撤廃する義務を有する両国はまた相互の円滑な自

由貿易への転換を目指し関税の段階的削減制で合意しているよって両国はさ

まざまな製品を対象に分野ごとに以下の一覧を適用することに合意している

分野 関税の撤廃期間

A 2年間(毎年50削減)

B 4年間(毎年25削減)

C 5年間(毎年20削減)

D 10年間(毎年10削減)

E 世界貿易機関関税撤廃義務

7 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

FTA はまた幾つかの製品について特別段階制分野「F」から「M」を設定して

いる対象製品は特定のアルコール製品および繊維製品一般特恵制度(GSP)

輸出品農産物割当分類製品鶏肉リンゴおよび乗用車などである品目の詳細

基本関税率HS コード段階分類などを含む詳細な一覧については以下のサイト

を参照のこと

ヨルダン関税率表 -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file392_8

147pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file211_8453pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file521_8452pdf -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file501_8

455pdf

アメリカ合衆国のスケジュール

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file331_8458pdf

原産地規則に関してはFTA は以下の三つの規定それぞれに該当すれば原産地

規則に該当すると定めている

完全生産実質的変更要件

FTA に基づき免税扱いを受けるためにはヨルダンに輸入される品目は完全に米

国で製造されるか第三国の材料が使用された場合にはそれらの材料が米国におけ

る製造または加工処理の結果米国原産品に「実質的に変更」されている必要がある

国内調達部品 35要件

FTA においては輸入品の通関価額の 35が米国原産材料およびまたは米国にお

ける加工処理原価でなくてはならないと規定している

直接輸送要件

ヨルダンへの輸送途中で米国の適格品目が非適格品目と入り混じらないようにする

ためFTA は「直接輸送」要件を規定しているつまり幾つかの例外を除き当

該品目が米国から直接ヨルダンに輸送された証明 が必要であるということである

B 大アラブ自由貿易協定(以下「GAFTA」)

GAFTA はアラブ諸国 17 カ国の間で締結された協定で1998 年から有効となって

いる締結国は以下のとおりである

1 ヨルダン 7 モロッコ 13 クウェート

2 アラブ首長国連邦 8 シリア 14 チュニジア

3 バーレーン 9 レバノン 15 リビア

4サウジアラビア 10 イラク 16 スーダン

5 オマーン 11 エジプト 17 イエメン

6 カタール 12 パレスチナ

本協定はGAFTA加盟アラブ諸国すべての間に同等に有効な関税の完全撤廃により

物品貿易の完全自由化に合意している

8 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

GAFTA の第 2 条には以下のような規則に従い加盟諸国間の自由貿易を達成する

ことが本協定の目的であると規定されている

1 加盟国間で取引される一定のアラブ商品および製品に対する税の完全

撤廃

2 一定のアラブ商品および製品に対するさまざまな課徴金および規制の

段階的引き下げ

3 一定のアラブ商品および製品に対する段階的保護により同様の非アラ

ブ製品との競争に対応すること

Cアラブ欧州地中海諸国間の自由貿易圏の創設に関する協定(「アガディール協定」)

アガディール協定はヨルダンエジプトチュニジアおよびモロッコの間で 2004

年に締結された

本協定は加盟国間に目的となる(自由)競争を達成するため貿易農業工業

金融および課税制度サービス業ならびに通関などに関する全般的および各産業部

門別の経済政策を調整することを目的としているそして本協定はその発効日

(2006 年 7 月 6 日)をもって工業製品および農産物貿易の完全自由化を規定して

いるさらに加盟国は本協定に基づき輸入品に課せられる量的規制金融手

続きおよび技術的障壁などの非関税障壁を撤廃する義務を有する

ヨルダンが締結している貿易協定すべてについては以下のウェブサイトのリストを

参照のこと

httpwwwjordanecborgPublicEnglishaspxSite_ID=1ampPage_ID=478ampmenu_i

d=32

4 外国為替政策

1) 管轄官庁

反資金洗浄および対テロリスト資金調達対策委員会

電話+962 6 430301

+962 6 4630303

+962 6 4630303

住所P O Box 2181 Amman 11181 Jordan

E メールinfoamlugovjo

営業時間 日曜から木曜 800 am から 400 pm

ヨルダン中央銀行

E メールinfocbjgovjo

本店PO Box (37) Amman-11118-Jordan

電話 +962 6 463030110 (10 回線)

ファクシミリ +962 6 4638889

テレックス21250 Bankazi Jo 21476 Bakazi Jo 21766 Bakazi Jo

Swift code CBJOJOAX

9 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

イルビド支店PO Box 235 Irbid - Jordan

電話+962 2 7245001 +962 2 7245001

テレックス51562 IKAZI JO

ファクシミリ962 2 7245006

Swift codeCBJOJOAX021

アカバ支店PO Box 190 Aqaba - Jordan

電話+962 3 2013526 +962 3 2013526

テレックス62341 AKAZI JO

ファクシミリ+962 3 2013528

Swift codeCBJOJOAX02A

2) 為替相場管理制度および資本取引の規制

外国為替に関する規制は存在しないヨルダン人および非ヨルダン人は同じように

ヨルダン国内および国外で銀行口座をヨルダン通貨および外国通貨で開設し資金

をヨルダン国外に交換可能な通貨で送金する権利を有するただし銀行金融機

関保険会社証券会社および同様の機関は(以下に示すように)適用される反

資金洗浄法規を順守しなければならない

さらに1995年10月23日以降JDは正式にIMFの特別引出権(SDR)に固定さ

れているこのため当該期間のJDの対米ドルレートは1米ドル(以下USド

ル)=0709JDとなっている

3) 貿易取引および貿易外取引に対する規制

貿易取引決済についてヨルダンで通常使用されている支払方法は信用状開設であ

る支払期限については法定期限は存在せず契約当事者間で調印された契約にす

べて委ねられるさらにヨルダン法規ではすべての決済はJDを使用してなさ

れるものと規定されている

ヨルダンからまたはヨルダンに大量の資金を送金する場合には反資金洗浄お

よび対テロリスト資金調達法2007年46号(AML)の次の規定を順守する必要がある

まず理解すべきは反資金洗浄および対テロリスト資金調達法2007年46号(以下

「AML」)が取引を行うすべての法人および個人ではなく本法に規定する事業

活動を行っている個人企業に義務を課しているということである本法の第13条

に本法の義務を課せられる対象を以下のとおり規定している

金融機関

bull ヨルダンで営業している銀行

bull 両替および送金会社

bull 証券委員会が規制する活動を行う個人企業

bull 保険委員会が規制する活動を行う個人企業

bull その他の金融会社

bull 郵便業務を行う会社

非金融機関

bull 不動産業および不動産開発業を営む個人企業

10 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 貴金属および宝石の取引を行う個人企業

上述のいずれかに関する代理業を営む個人企業

閣僚会議が本法の対象範囲に含まれると判断するその他の個人企業

さらにヨルダンにおけるAMLの法的概念は一般的に次の三つを要件としている

bull 顧客および最終受益者を知る必要があること

bull 正しい内部会計および記録制度を採用すること

bull 疑わしい取引および政治的に危うい顧客に対しさらに精緻な検証を実施

し必要に応じ報告するという危機管理を進めること

貿易外取引に対する規制に関しては運賃や保険料の支払いなどの業務の提供ならび

に仲介貿易に対する外国通貨の支払に課せられる規制はない

5 輸出入手続き

1) 輸出入許可の申請

輸出入免許および認可規則2004年114号に従い以下の企業は輸出入許可および認

可を申請することができる

bull 有効な専門許可(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull 非商業的専門免許(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull ヨルダンにおいて会社法に基づき営業している外国会社として登録し

ている外国の請負人ならびに外国の会社もしくは子会社ただし輸入

品が政府または私企業との契約の履行に必要であり当該供給に必要な

輸入であることを当該物品の数量および種類を記載した書類により示す

ことを条件とする

さらに上述規則の第5条に会社が輸入許可を申請するためには輸出者の地域の

商工会議所がおのおのの法律に基づいて発行した有効な原産地証明書が必要である

と規定されている

A 同規則第7条は許可の申請には以下の書類を提出しなければならないと規定して

いる

bull 輸入者または輸出者の名称商号(制定されている場合)ならびに輸入

者の登録番号

bull 許可の通し番号

bull 許可の種類

bull 許可の発行日および有効期限

bull 貨物の種類価額および数量

bull 管轄省が許可申請に必要とみなすその他の情報

上述 A に述べられた情報に加え輸入者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の原産地

bull 貨物の出荷地

11 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述 A に述べられた情報に加え輸出者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の輸出先の名称

bull 原産地証明書の番号その履歴および発行者

bull 送り状番号および日付

bull 貨物の用途

さらに許可は輸入品または輸出品に数量規制が適用されない限り約 7 日間で発

行されると規定されている当該規制が適用される場合でも14 日以内に発行され

手数料

管轄省は以下の手数料を課す

bull 輸入許可発行に 10 JD

bull 輸出許可発行に 5 JD

さらに所轄省および官庁は次の業務に対して以下の手数料を課す

bull 輸出者または輸入者登録簿への登録10 JD

bull 輸出者または輸入者カードの発行または更新15 JD

当事者が許可を申請しなかった場合には輸入品または輸出品の価額の 25に相当

する罰金が科せられる

B 輸入または輸出許可取得除外品目

bull 国王のために輸出入される物品

bull 直接官公庁および公共機関のために輸出入される物品

bull ヨルダンを通過する(接続)貨物ただしその時点の関税法規を条件

とする

bull ヨルダンで開催される展示会会議またはセミナーのために輸入され

事後に再輸出される物品

bull 外交使節団および領事機関から公用のために直接輸出入される物品

bull ヨルダンで営業している銀行のために公共倉庫への預託として税関当局

が承認した物品ただしその時点で有効な関税法規の規定により通関

のために許可を取得する必要がある

bull 個人の手荷物や中古家財など個人利用のために輸出入された物品ただ

し管轄省がそれに関して発令した命令に従うことを条件とする

bull 旅行者が携帯する物品で輸出入が禁止されていない品目ただし2000

JD を超えない価額とする

bull 商人が占有する物品の見本ただし関税官庁が規定する限度以内とす

bull 農場が輸入した農場で必要な農業用資材

bull 野菜および果物の輸出ただし管轄省が別段の判断をする場合を除く

bull 担当相が除外を判断した農産物の輸出

bull 航空機または船で販売される免税場所に搬入される物品

bull 一時輸入される物品

bull 保守のためにまたは展示会会議もしくはセミナーでの展示のために

輸出される物品

bull 原状でもしくは保守後にヨルダンに再輸入される物品ならびに通

関前に再輸出される物品

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 10: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

7 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

FTA はまた幾つかの製品について特別段階制分野「F」から「M」を設定して

いる対象製品は特定のアルコール製品および繊維製品一般特恵制度(GSP)

輸出品農産物割当分類製品鶏肉リンゴおよび乗用車などである品目の詳細

基本関税率HS コード段階分類などを含む詳細な一覧については以下のサイト

を参照のこと

ヨルダン関税率表 -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file392_8

147pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file211_8453pdf

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file521_8452pdf -httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_upload_file501_8

455pdf

アメリカ合衆国のスケジュール

-httpwwwustrgovsitesdefaultfilesuploadsagreementsftajordanasset_

upload_file331_8458pdf

原産地規則に関してはFTA は以下の三つの規定それぞれに該当すれば原産地

規則に該当すると定めている

完全生産実質的変更要件

FTA に基づき免税扱いを受けるためにはヨルダンに輸入される品目は完全に米

国で製造されるか第三国の材料が使用された場合にはそれらの材料が米国におけ

る製造または加工処理の結果米国原産品に「実質的に変更」されている必要がある

国内調達部品 35要件

FTA においては輸入品の通関価額の 35が米国原産材料およびまたは米国にお

ける加工処理原価でなくてはならないと規定している

直接輸送要件

ヨルダンへの輸送途中で米国の適格品目が非適格品目と入り混じらないようにする

ためFTA は「直接輸送」要件を規定しているつまり幾つかの例外を除き当

該品目が米国から直接ヨルダンに輸送された証明 が必要であるということである

B 大アラブ自由貿易協定(以下「GAFTA」)

GAFTA はアラブ諸国 17 カ国の間で締結された協定で1998 年から有効となって

いる締結国は以下のとおりである

1 ヨルダン 7 モロッコ 13 クウェート

2 アラブ首長国連邦 8 シリア 14 チュニジア

3 バーレーン 9 レバノン 15 リビア

4サウジアラビア 10 イラク 16 スーダン

5 オマーン 11 エジプト 17 イエメン

6 カタール 12 パレスチナ

本協定はGAFTA加盟アラブ諸国すべての間に同等に有効な関税の完全撤廃により

物品貿易の完全自由化に合意している

8 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

GAFTA の第 2 条には以下のような規則に従い加盟諸国間の自由貿易を達成する

ことが本協定の目的であると規定されている

1 加盟国間で取引される一定のアラブ商品および製品に対する税の完全

撤廃

2 一定のアラブ商品および製品に対するさまざまな課徴金および規制の

段階的引き下げ

3 一定のアラブ商品および製品に対する段階的保護により同様の非アラ

ブ製品との競争に対応すること

Cアラブ欧州地中海諸国間の自由貿易圏の創設に関する協定(「アガディール協定」)

アガディール協定はヨルダンエジプトチュニジアおよびモロッコの間で 2004

年に締結された

本協定は加盟国間に目的となる(自由)競争を達成するため貿易農業工業

金融および課税制度サービス業ならびに通関などに関する全般的および各産業部

門別の経済政策を調整することを目的としているそして本協定はその発効日

(2006 年 7 月 6 日)をもって工業製品および農産物貿易の完全自由化を規定して

いるさらに加盟国は本協定に基づき輸入品に課せられる量的規制金融手

続きおよび技術的障壁などの非関税障壁を撤廃する義務を有する

ヨルダンが締結している貿易協定すべてについては以下のウェブサイトのリストを

参照のこと

httpwwwjordanecborgPublicEnglishaspxSite_ID=1ampPage_ID=478ampmenu_i

d=32

4 外国為替政策

1) 管轄官庁

反資金洗浄および対テロリスト資金調達対策委員会

電話+962 6 430301

+962 6 4630303

+962 6 4630303

住所P O Box 2181 Amman 11181 Jordan

E メールinfoamlugovjo

営業時間 日曜から木曜 800 am から 400 pm

ヨルダン中央銀行

E メールinfocbjgovjo

本店PO Box (37) Amman-11118-Jordan

電話 +962 6 463030110 (10 回線)

ファクシミリ +962 6 4638889

テレックス21250 Bankazi Jo 21476 Bakazi Jo 21766 Bakazi Jo

Swift code CBJOJOAX

9 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

イルビド支店PO Box 235 Irbid - Jordan

電話+962 2 7245001 +962 2 7245001

テレックス51562 IKAZI JO

ファクシミリ962 2 7245006

Swift codeCBJOJOAX021

アカバ支店PO Box 190 Aqaba - Jordan

電話+962 3 2013526 +962 3 2013526

テレックス62341 AKAZI JO

ファクシミリ+962 3 2013528

Swift codeCBJOJOAX02A

2) 為替相場管理制度および資本取引の規制

外国為替に関する規制は存在しないヨルダン人および非ヨルダン人は同じように

ヨルダン国内および国外で銀行口座をヨルダン通貨および外国通貨で開設し資金

をヨルダン国外に交換可能な通貨で送金する権利を有するただし銀行金融機

関保険会社証券会社および同様の機関は(以下に示すように)適用される反

資金洗浄法規を順守しなければならない

さらに1995年10月23日以降JDは正式にIMFの特別引出権(SDR)に固定さ

れているこのため当該期間のJDの対米ドルレートは1米ドル(以下USド

ル)=0709JDとなっている

3) 貿易取引および貿易外取引に対する規制

貿易取引決済についてヨルダンで通常使用されている支払方法は信用状開設であ

る支払期限については法定期限は存在せず契約当事者間で調印された契約にす

べて委ねられるさらにヨルダン法規ではすべての決済はJDを使用してなさ

れるものと規定されている

ヨルダンからまたはヨルダンに大量の資金を送金する場合には反資金洗浄お

よび対テロリスト資金調達法2007年46号(AML)の次の規定を順守する必要がある

まず理解すべきは反資金洗浄および対テロリスト資金調達法2007年46号(以下

「AML」)が取引を行うすべての法人および個人ではなく本法に規定する事業

活動を行っている個人企業に義務を課しているということである本法の第13条

に本法の義務を課せられる対象を以下のとおり規定している

金融機関

bull ヨルダンで営業している銀行

bull 両替および送金会社

bull 証券委員会が規制する活動を行う個人企業

bull 保険委員会が規制する活動を行う個人企業

bull その他の金融会社

bull 郵便業務を行う会社

非金融機関

bull 不動産業および不動産開発業を営む個人企業

10 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 貴金属および宝石の取引を行う個人企業

上述のいずれかに関する代理業を営む個人企業

閣僚会議が本法の対象範囲に含まれると判断するその他の個人企業

さらにヨルダンにおけるAMLの法的概念は一般的に次の三つを要件としている

bull 顧客および最終受益者を知る必要があること

bull 正しい内部会計および記録制度を採用すること

bull 疑わしい取引および政治的に危うい顧客に対しさらに精緻な検証を実施

し必要に応じ報告するという危機管理を進めること

貿易外取引に対する規制に関しては運賃や保険料の支払いなどの業務の提供ならび

に仲介貿易に対する外国通貨の支払に課せられる規制はない

5 輸出入手続き

1) 輸出入許可の申請

輸出入免許および認可規則2004年114号に従い以下の企業は輸出入許可および認

可を申請することができる

bull 有効な専門許可(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull 非商業的専門免許(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull ヨルダンにおいて会社法に基づき営業している外国会社として登録し

ている外国の請負人ならびに外国の会社もしくは子会社ただし輸入

品が政府または私企業との契約の履行に必要であり当該供給に必要な

輸入であることを当該物品の数量および種類を記載した書類により示す

ことを条件とする

さらに上述規則の第5条に会社が輸入許可を申請するためには輸出者の地域の

商工会議所がおのおのの法律に基づいて発行した有効な原産地証明書が必要である

と規定されている

A 同規則第7条は許可の申請には以下の書類を提出しなければならないと規定して

いる

bull 輸入者または輸出者の名称商号(制定されている場合)ならびに輸入

者の登録番号

bull 許可の通し番号

bull 許可の種類

bull 許可の発行日および有効期限

bull 貨物の種類価額および数量

bull 管轄省が許可申請に必要とみなすその他の情報

上述 A に述べられた情報に加え輸入者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の原産地

bull 貨物の出荷地

11 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述 A に述べられた情報に加え輸出者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の輸出先の名称

bull 原産地証明書の番号その履歴および発行者

bull 送り状番号および日付

bull 貨物の用途

さらに許可は輸入品または輸出品に数量規制が適用されない限り約 7 日間で発

行されると規定されている当該規制が適用される場合でも14 日以内に発行され

手数料

管轄省は以下の手数料を課す

bull 輸入許可発行に 10 JD

bull 輸出許可発行に 5 JD

さらに所轄省および官庁は次の業務に対して以下の手数料を課す

bull 輸出者または輸入者登録簿への登録10 JD

bull 輸出者または輸入者カードの発行または更新15 JD

当事者が許可を申請しなかった場合には輸入品または輸出品の価額の 25に相当

する罰金が科せられる

B 輸入または輸出許可取得除外品目

bull 国王のために輸出入される物品

bull 直接官公庁および公共機関のために輸出入される物品

bull ヨルダンを通過する(接続)貨物ただしその時点の関税法規を条件

とする

bull ヨルダンで開催される展示会会議またはセミナーのために輸入され

事後に再輸出される物品

bull 外交使節団および領事機関から公用のために直接輸出入される物品

bull ヨルダンで営業している銀行のために公共倉庫への預託として税関当局

が承認した物品ただしその時点で有効な関税法規の規定により通関

のために許可を取得する必要がある

bull 個人の手荷物や中古家財など個人利用のために輸出入された物品ただ

し管轄省がそれに関して発令した命令に従うことを条件とする

bull 旅行者が携帯する物品で輸出入が禁止されていない品目ただし2000

JD を超えない価額とする

bull 商人が占有する物品の見本ただし関税官庁が規定する限度以内とす

bull 農場が輸入した農場で必要な農業用資材

bull 野菜および果物の輸出ただし管轄省が別段の判断をする場合を除く

bull 担当相が除外を判断した農産物の輸出

bull 航空機または船で販売される免税場所に搬入される物品

bull 一時輸入される物品

bull 保守のためにまたは展示会会議もしくはセミナーでの展示のために

輸出される物品

bull 原状でもしくは保守後にヨルダンに再輸入される物品ならびに通

関前に再輸出される物品

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 11: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

8 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

GAFTA の第 2 条には以下のような規則に従い加盟諸国間の自由貿易を達成する

ことが本協定の目的であると規定されている

1 加盟国間で取引される一定のアラブ商品および製品に対する税の完全

撤廃

2 一定のアラブ商品および製品に対するさまざまな課徴金および規制の

段階的引き下げ

3 一定のアラブ商品および製品に対する段階的保護により同様の非アラ

ブ製品との競争に対応すること

Cアラブ欧州地中海諸国間の自由貿易圏の創設に関する協定(「アガディール協定」)

アガディール協定はヨルダンエジプトチュニジアおよびモロッコの間で 2004

年に締結された

本協定は加盟国間に目的となる(自由)競争を達成するため貿易農業工業

金融および課税制度サービス業ならびに通関などに関する全般的および各産業部

門別の経済政策を調整することを目的としているそして本協定はその発効日

(2006 年 7 月 6 日)をもって工業製品および農産物貿易の完全自由化を規定して

いるさらに加盟国は本協定に基づき輸入品に課せられる量的規制金融手

続きおよび技術的障壁などの非関税障壁を撤廃する義務を有する

ヨルダンが締結している貿易協定すべてについては以下のウェブサイトのリストを

参照のこと

httpwwwjordanecborgPublicEnglishaspxSite_ID=1ampPage_ID=478ampmenu_i

d=32

4 外国為替政策

1) 管轄官庁

反資金洗浄および対テロリスト資金調達対策委員会

電話+962 6 430301

+962 6 4630303

+962 6 4630303

住所P O Box 2181 Amman 11181 Jordan

E メールinfoamlugovjo

営業時間 日曜から木曜 800 am から 400 pm

ヨルダン中央銀行

E メールinfocbjgovjo

本店PO Box (37) Amman-11118-Jordan

電話 +962 6 463030110 (10 回線)

ファクシミリ +962 6 4638889

テレックス21250 Bankazi Jo 21476 Bakazi Jo 21766 Bakazi Jo

Swift code CBJOJOAX

9 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

イルビド支店PO Box 235 Irbid - Jordan

電話+962 2 7245001 +962 2 7245001

テレックス51562 IKAZI JO

ファクシミリ962 2 7245006

Swift codeCBJOJOAX021

アカバ支店PO Box 190 Aqaba - Jordan

電話+962 3 2013526 +962 3 2013526

テレックス62341 AKAZI JO

ファクシミリ+962 3 2013528

Swift codeCBJOJOAX02A

2) 為替相場管理制度および資本取引の規制

外国為替に関する規制は存在しないヨルダン人および非ヨルダン人は同じように

ヨルダン国内および国外で銀行口座をヨルダン通貨および外国通貨で開設し資金

をヨルダン国外に交換可能な通貨で送金する権利を有するただし銀行金融機

関保険会社証券会社および同様の機関は(以下に示すように)適用される反

資金洗浄法規を順守しなければならない

さらに1995年10月23日以降JDは正式にIMFの特別引出権(SDR)に固定さ

れているこのため当該期間のJDの対米ドルレートは1米ドル(以下USド

ル)=0709JDとなっている

3) 貿易取引および貿易外取引に対する規制

貿易取引決済についてヨルダンで通常使用されている支払方法は信用状開設であ

る支払期限については法定期限は存在せず契約当事者間で調印された契約にす

べて委ねられるさらにヨルダン法規ではすべての決済はJDを使用してなさ

れるものと規定されている

ヨルダンからまたはヨルダンに大量の資金を送金する場合には反資金洗浄お

よび対テロリスト資金調達法2007年46号(AML)の次の規定を順守する必要がある

まず理解すべきは反資金洗浄および対テロリスト資金調達法2007年46号(以下

「AML」)が取引を行うすべての法人および個人ではなく本法に規定する事業

活動を行っている個人企業に義務を課しているということである本法の第13条

に本法の義務を課せられる対象を以下のとおり規定している

金融機関

bull ヨルダンで営業している銀行

bull 両替および送金会社

bull 証券委員会が規制する活動を行う個人企業

bull 保険委員会が規制する活動を行う個人企業

bull その他の金融会社

bull 郵便業務を行う会社

非金融機関

bull 不動産業および不動産開発業を営む個人企業

10 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 貴金属および宝石の取引を行う個人企業

上述のいずれかに関する代理業を営む個人企業

閣僚会議が本法の対象範囲に含まれると判断するその他の個人企業

さらにヨルダンにおけるAMLの法的概念は一般的に次の三つを要件としている

bull 顧客および最終受益者を知る必要があること

bull 正しい内部会計および記録制度を採用すること

bull 疑わしい取引および政治的に危うい顧客に対しさらに精緻な検証を実施

し必要に応じ報告するという危機管理を進めること

貿易外取引に対する規制に関しては運賃や保険料の支払いなどの業務の提供ならび

に仲介貿易に対する外国通貨の支払に課せられる規制はない

5 輸出入手続き

1) 輸出入許可の申請

輸出入免許および認可規則2004年114号に従い以下の企業は輸出入許可および認

可を申請することができる

bull 有効な専門許可(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull 非商業的専門免許(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull ヨルダンにおいて会社法に基づき営業している外国会社として登録し

ている外国の請負人ならびに外国の会社もしくは子会社ただし輸入

品が政府または私企業との契約の履行に必要であり当該供給に必要な

輸入であることを当該物品の数量および種類を記載した書類により示す

ことを条件とする

さらに上述規則の第5条に会社が輸入許可を申請するためには輸出者の地域の

商工会議所がおのおのの法律に基づいて発行した有効な原産地証明書が必要である

と規定されている

A 同規則第7条は許可の申請には以下の書類を提出しなければならないと規定して

いる

bull 輸入者または輸出者の名称商号(制定されている場合)ならびに輸入

者の登録番号

bull 許可の通し番号

bull 許可の種類

bull 許可の発行日および有効期限

bull 貨物の種類価額および数量

bull 管轄省が許可申請に必要とみなすその他の情報

上述 A に述べられた情報に加え輸入者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の原産地

bull 貨物の出荷地

11 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述 A に述べられた情報に加え輸出者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の輸出先の名称

bull 原産地証明書の番号その履歴および発行者

bull 送り状番号および日付

bull 貨物の用途

さらに許可は輸入品または輸出品に数量規制が適用されない限り約 7 日間で発

行されると規定されている当該規制が適用される場合でも14 日以内に発行され

手数料

管轄省は以下の手数料を課す

bull 輸入許可発行に 10 JD

bull 輸出許可発行に 5 JD

さらに所轄省および官庁は次の業務に対して以下の手数料を課す

bull 輸出者または輸入者登録簿への登録10 JD

bull 輸出者または輸入者カードの発行または更新15 JD

当事者が許可を申請しなかった場合には輸入品または輸出品の価額の 25に相当

する罰金が科せられる

B 輸入または輸出許可取得除外品目

bull 国王のために輸出入される物品

bull 直接官公庁および公共機関のために輸出入される物品

bull ヨルダンを通過する(接続)貨物ただしその時点の関税法規を条件

とする

bull ヨルダンで開催される展示会会議またはセミナーのために輸入され

事後に再輸出される物品

bull 外交使節団および領事機関から公用のために直接輸出入される物品

bull ヨルダンで営業している銀行のために公共倉庫への預託として税関当局

が承認した物品ただしその時点で有効な関税法規の規定により通関

のために許可を取得する必要がある

bull 個人の手荷物や中古家財など個人利用のために輸出入された物品ただ

し管轄省がそれに関して発令した命令に従うことを条件とする

bull 旅行者が携帯する物品で輸出入が禁止されていない品目ただし2000

JD を超えない価額とする

bull 商人が占有する物品の見本ただし関税官庁が規定する限度以内とす

bull 農場が輸入した農場で必要な農業用資材

bull 野菜および果物の輸出ただし管轄省が別段の判断をする場合を除く

bull 担当相が除外を判断した農産物の輸出

bull 航空機または船で販売される免税場所に搬入される物品

bull 一時輸入される物品

bull 保守のためにまたは展示会会議もしくはセミナーでの展示のために

輸出される物品

bull 原状でもしくは保守後にヨルダンに再輸入される物品ならびに通

関前に再輸出される物品

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 12: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

9 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

イルビド支店PO Box 235 Irbid - Jordan

電話+962 2 7245001 +962 2 7245001

テレックス51562 IKAZI JO

ファクシミリ962 2 7245006

Swift codeCBJOJOAX021

アカバ支店PO Box 190 Aqaba - Jordan

電話+962 3 2013526 +962 3 2013526

テレックス62341 AKAZI JO

ファクシミリ+962 3 2013528

Swift codeCBJOJOAX02A

2) 為替相場管理制度および資本取引の規制

外国為替に関する規制は存在しないヨルダン人および非ヨルダン人は同じように

ヨルダン国内および国外で銀行口座をヨルダン通貨および外国通貨で開設し資金

をヨルダン国外に交換可能な通貨で送金する権利を有するただし銀行金融機

関保険会社証券会社および同様の機関は(以下に示すように)適用される反

資金洗浄法規を順守しなければならない

さらに1995年10月23日以降JDは正式にIMFの特別引出権(SDR)に固定さ

れているこのため当該期間のJDの対米ドルレートは1米ドル(以下USド

ル)=0709JDとなっている

3) 貿易取引および貿易外取引に対する規制

貿易取引決済についてヨルダンで通常使用されている支払方法は信用状開設であ

る支払期限については法定期限は存在せず契約当事者間で調印された契約にす

べて委ねられるさらにヨルダン法規ではすべての決済はJDを使用してなさ

れるものと規定されている

ヨルダンからまたはヨルダンに大量の資金を送金する場合には反資金洗浄お

よび対テロリスト資金調達法2007年46号(AML)の次の規定を順守する必要がある

まず理解すべきは反資金洗浄および対テロリスト資金調達法2007年46号(以下

「AML」)が取引を行うすべての法人および個人ではなく本法に規定する事業

活動を行っている個人企業に義務を課しているということである本法の第13条

に本法の義務を課せられる対象を以下のとおり規定している

金融機関

bull ヨルダンで営業している銀行

bull 両替および送金会社

bull 証券委員会が規制する活動を行う個人企業

bull 保険委員会が規制する活動を行う個人企業

bull その他の金融会社

bull 郵便業務を行う会社

非金融機関

bull 不動産業および不動産開発業を営む個人企業

10 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 貴金属および宝石の取引を行う個人企業

上述のいずれかに関する代理業を営む個人企業

閣僚会議が本法の対象範囲に含まれると判断するその他の個人企業

さらにヨルダンにおけるAMLの法的概念は一般的に次の三つを要件としている

bull 顧客および最終受益者を知る必要があること

bull 正しい内部会計および記録制度を採用すること

bull 疑わしい取引および政治的に危うい顧客に対しさらに精緻な検証を実施

し必要に応じ報告するという危機管理を進めること

貿易外取引に対する規制に関しては運賃や保険料の支払いなどの業務の提供ならび

に仲介貿易に対する外国通貨の支払に課せられる規制はない

5 輸出入手続き

1) 輸出入許可の申請

輸出入免許および認可規則2004年114号に従い以下の企業は輸出入許可および認

可を申請することができる

bull 有効な専門許可(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull 非商業的専門免許(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull ヨルダンにおいて会社法に基づき営業している外国会社として登録し

ている外国の請負人ならびに外国の会社もしくは子会社ただし輸入

品が政府または私企業との契約の履行に必要であり当該供給に必要な

輸入であることを当該物品の数量および種類を記載した書類により示す

ことを条件とする

さらに上述規則の第5条に会社が輸入許可を申請するためには輸出者の地域の

商工会議所がおのおのの法律に基づいて発行した有効な原産地証明書が必要である

と規定されている

A 同規則第7条は許可の申請には以下の書類を提出しなければならないと規定して

いる

bull 輸入者または輸出者の名称商号(制定されている場合)ならびに輸入

者の登録番号

bull 許可の通し番号

bull 許可の種類

bull 許可の発行日および有効期限

bull 貨物の種類価額および数量

bull 管轄省が許可申請に必要とみなすその他の情報

上述 A に述べられた情報に加え輸入者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の原産地

bull 貨物の出荷地

11 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述 A に述べられた情報に加え輸出者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の輸出先の名称

bull 原産地証明書の番号その履歴および発行者

bull 送り状番号および日付

bull 貨物の用途

さらに許可は輸入品または輸出品に数量規制が適用されない限り約 7 日間で発

行されると規定されている当該規制が適用される場合でも14 日以内に発行され

手数料

管轄省は以下の手数料を課す

bull 輸入許可発行に 10 JD

bull 輸出許可発行に 5 JD

さらに所轄省および官庁は次の業務に対して以下の手数料を課す

bull 輸出者または輸入者登録簿への登録10 JD

bull 輸出者または輸入者カードの発行または更新15 JD

当事者が許可を申請しなかった場合には輸入品または輸出品の価額の 25に相当

する罰金が科せられる

B 輸入または輸出許可取得除外品目

bull 国王のために輸出入される物品

bull 直接官公庁および公共機関のために輸出入される物品

bull ヨルダンを通過する(接続)貨物ただしその時点の関税法規を条件

とする

bull ヨルダンで開催される展示会会議またはセミナーのために輸入され

事後に再輸出される物品

bull 外交使節団および領事機関から公用のために直接輸出入される物品

bull ヨルダンで営業している銀行のために公共倉庫への預託として税関当局

が承認した物品ただしその時点で有効な関税法規の規定により通関

のために許可を取得する必要がある

bull 個人の手荷物や中古家財など個人利用のために輸出入された物品ただ

し管轄省がそれに関して発令した命令に従うことを条件とする

bull 旅行者が携帯する物品で輸出入が禁止されていない品目ただし2000

JD を超えない価額とする

bull 商人が占有する物品の見本ただし関税官庁が規定する限度以内とす

bull 農場が輸入した農場で必要な農業用資材

bull 野菜および果物の輸出ただし管轄省が別段の判断をする場合を除く

bull 担当相が除外を判断した農産物の輸出

bull 航空機または船で販売される免税場所に搬入される物品

bull 一時輸入される物品

bull 保守のためにまたは展示会会議もしくはセミナーでの展示のために

輸出される物品

bull 原状でもしくは保守後にヨルダンに再輸入される物品ならびに通

関前に再輸出される物品

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 13: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

10 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 貴金属および宝石の取引を行う個人企業

上述のいずれかに関する代理業を営む個人企業

閣僚会議が本法の対象範囲に含まれると判断するその他の個人企業

さらにヨルダンにおけるAMLの法的概念は一般的に次の三つを要件としている

bull 顧客および最終受益者を知る必要があること

bull 正しい内部会計および記録制度を採用すること

bull 疑わしい取引および政治的に危うい顧客に対しさらに精緻な検証を実施

し必要に応じ報告するという危機管理を進めること

貿易外取引に対する規制に関しては運賃や保険料の支払いなどの業務の提供ならび

に仲介貿易に対する外国通貨の支払に課せられる規制はない

5 輸出入手続き

1) 輸出入許可の申請

輸出入免許および認可規則2004年114号に従い以下の企業は輸出入許可および認

可を申請することができる

bull 有効な専門許可(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull 非商業的専門免許(営業許可)を有する外国籍の会社組織および機関

bull ヨルダンにおいて会社法に基づき営業している外国会社として登録し

ている外国の請負人ならびに外国の会社もしくは子会社ただし輸入

品が政府または私企業との契約の履行に必要であり当該供給に必要な

輸入であることを当該物品の数量および種類を記載した書類により示す

ことを条件とする

さらに上述規則の第5条に会社が輸入許可を申請するためには輸出者の地域の

商工会議所がおのおのの法律に基づいて発行した有効な原産地証明書が必要である

と規定されている

A 同規則第7条は許可の申請には以下の書類を提出しなければならないと規定して

いる

bull 輸入者または輸出者の名称商号(制定されている場合)ならびに輸入

者の登録番号

bull 許可の通し番号

bull 許可の種類

bull 許可の発行日および有効期限

bull 貨物の種類価額および数量

bull 管轄省が許可申請に必要とみなすその他の情報

上述 A に述べられた情報に加え輸入者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の原産地

bull 貨物の出荷地

11 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述 A に述べられた情報に加え輸出者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の輸出先の名称

bull 原産地証明書の番号その履歴および発行者

bull 送り状番号および日付

bull 貨物の用途

さらに許可は輸入品または輸出品に数量規制が適用されない限り約 7 日間で発

行されると規定されている当該規制が適用される場合でも14 日以内に発行され

手数料

管轄省は以下の手数料を課す

bull 輸入許可発行に 10 JD

bull 輸出許可発行に 5 JD

さらに所轄省および官庁は次の業務に対して以下の手数料を課す

bull 輸出者または輸入者登録簿への登録10 JD

bull 輸出者または輸入者カードの発行または更新15 JD

当事者が許可を申請しなかった場合には輸入品または輸出品の価額の 25に相当

する罰金が科せられる

B 輸入または輸出許可取得除外品目

bull 国王のために輸出入される物品

bull 直接官公庁および公共機関のために輸出入される物品

bull ヨルダンを通過する(接続)貨物ただしその時点の関税法規を条件

とする

bull ヨルダンで開催される展示会会議またはセミナーのために輸入され

事後に再輸出される物品

bull 外交使節団および領事機関から公用のために直接輸出入される物品

bull ヨルダンで営業している銀行のために公共倉庫への預託として税関当局

が承認した物品ただしその時点で有効な関税法規の規定により通関

のために許可を取得する必要がある

bull 個人の手荷物や中古家財など個人利用のために輸出入された物品ただ

し管轄省がそれに関して発令した命令に従うことを条件とする

bull 旅行者が携帯する物品で輸出入が禁止されていない品目ただし2000

JD を超えない価額とする

bull 商人が占有する物品の見本ただし関税官庁が規定する限度以内とす

bull 農場が輸入した農場で必要な農業用資材

bull 野菜および果物の輸出ただし管轄省が別段の判断をする場合を除く

bull 担当相が除外を判断した農産物の輸出

bull 航空機または船で販売される免税場所に搬入される物品

bull 一時輸入される物品

bull 保守のためにまたは展示会会議もしくはセミナーでの展示のために

輸出される物品

bull 原状でもしくは保守後にヨルダンに再輸入される物品ならびに通

関前に再輸出される物品

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 14: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

11 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述 A に述べられた情報に加え輸出者の許可申請には以下の情報が必要である

bull 貨物の輸出先の名称

bull 原産地証明書の番号その履歴および発行者

bull 送り状番号および日付

bull 貨物の用途

さらに許可は輸入品または輸出品に数量規制が適用されない限り約 7 日間で発

行されると規定されている当該規制が適用される場合でも14 日以内に発行され

手数料

管轄省は以下の手数料を課す

bull 輸入許可発行に 10 JD

bull 輸出許可発行に 5 JD

さらに所轄省および官庁は次の業務に対して以下の手数料を課す

bull 輸出者または輸入者登録簿への登録10 JD

bull 輸出者または輸入者カードの発行または更新15 JD

当事者が許可を申請しなかった場合には輸入品または輸出品の価額の 25に相当

する罰金が科せられる

B 輸入または輸出許可取得除外品目

bull 国王のために輸出入される物品

bull 直接官公庁および公共機関のために輸出入される物品

bull ヨルダンを通過する(接続)貨物ただしその時点の関税法規を条件

とする

bull ヨルダンで開催される展示会会議またはセミナーのために輸入され

事後に再輸出される物品

bull 外交使節団および領事機関から公用のために直接輸出入される物品

bull ヨルダンで営業している銀行のために公共倉庫への預託として税関当局

が承認した物品ただしその時点で有効な関税法規の規定により通関

のために許可を取得する必要がある

bull 個人の手荷物や中古家財など個人利用のために輸出入された物品ただ

し管轄省がそれに関して発令した命令に従うことを条件とする

bull 旅行者が携帯する物品で輸出入が禁止されていない品目ただし2000

JD を超えない価額とする

bull 商人が占有する物品の見本ただし関税官庁が規定する限度以内とす

bull 農場が輸入した農場で必要な農業用資材

bull 野菜および果物の輸出ただし管轄省が別段の判断をする場合を除く

bull 担当相が除外を判断した農産物の輸出

bull 航空機または船で販売される免税場所に搬入される物品

bull 一時輸入される物品

bull 保守のためにまたは展示会会議もしくはセミナーでの展示のために

輸出される物品

bull 原状でもしくは保守後にヨルダンに再輸入される物品ならびに通

関前に再輸出される物品

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 15: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

12 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull ヨルダン原産品でヨルダンに戻される物品

C 管轄官庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メールcustomscustomsgovjo

公式ウェブサイトhttpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

2) 通関手続き

A 概要

指令1999年(1)号

第1条に貨物の通関にあたり関税ならびにその他の料金および税金を除外される

物品を含め税関申告書を税関に提出するよう規定されているさらに申告書につ

いて以下のとおり規定されている

bull 手書き書類コンピュータシステム(JARASH)が適用されず税関

が要求する書類は手書きで提出しなければならない

bull コンピュータ通関(SAD)コンピュータシステム(JARASH)が適

用されるものを税関に提出する

当該申告は電子的方法で提出する

1 営業所からの直接通関システムの使用を認可された申告者がその

コンピュータから直接入力する 方法

2 税関で用意されたコンピュータで入力する方法

3 フロッピーディスクによる方法

コンピュータシステムに登録された申告はその登録から24時間以内に税関に提出

しなければならない税関局は上述の期限を順守しない申告の直接通関を認めない

場合がある

物品の通関には以下の書類を申告書とともに提出する

bull 近隣諸国(レバノンシリアイラクサウジアラビアパレスチナ自

治政府イスラエル)原産品またはそれらの国の港を通して輸入され

た物品またはそれらの国を陸上で通過してヨルダンに輸入された貨物

の場合は当該国の税関申告書

bull アカバ港で輸入された物品については海運業者が認証した船荷証券ま

たはその写し

bull 空輸でヨルダンに輸入された物品については航空貨物輸送証券または

陸上輸送で輸入された物品については 貨物申告書

bull 非近隣アラブ諸国からの輸入品はアラブ通過申告書

bull 輸出国で登録され認可された中古車の場合は車検証

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 16: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

13 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 積荷の数種類印番号ならびに品目分類総重量および正味重量

価額荷送人および荷受人の名称などを記載した送り状

bull 関税法およびそれに基づいて発令された指令に従って作成された原産地

証明書

bull 2000 JDを超える申告価額の物品については価額申告書

bull 保税地域で保管されている貨物については引き渡し申請書

認証送り状または認証原産地証明書または上述のいずれかの書類を提出しない場

合は以下の手続きが取られる

bull 金の延べ棒の場合認証送り状を提出しないときは価額の15原産地

証明書を提出しないときも同率の保証金が申告に代えて徴収されるた

だし各書類に代えて徴収される保証金の額は250 JDを超えないもの

とする

bull 輸入されたヒツジおよびヤギに関する通関において必要な書類を提出し

ない場合以下の金額が徴収されるヒツジおよびヤギの数が100頭以下

の場合はすべての書類に代えて6 JD101頭以上500頭以下の場合はすべ

ての書類に代えて12 JD501頭以上1000 頭以下の場合はすべての書類

に代えて24 JD1000 頭を超える場合はすべての書類に代えて40 JD

bull 上述(12)の場合を除きその他の品目の通関は送り状に代えて物品価

額の05の保証金または1の銀行保証原産地証明書に代えて同率の保

証により行われる支払いから60日以内に認証送り状および認証原産地

証明書が提出された場合には払い戻しを受けることができる

ただし本指令第5条に原産地が記載されている認証送り状を提出する場合別途

原産地証明書は必要ないと規定されている

最後にすべての送り状には品目の分類をアラビア語および関税用語で記載しなけ

ればならないまた貨物の所有者またはその代理人が署名する送り状でなければな

らない

B 税関申告

商品の通関には免税の場合を含め税関申告書を税関に提出しなければならない

かかる申告書は以下のとおり作成されているものとする bull 書面 bull 情報処理またはデータ処理の方法が要求される場合は税関長が発令す

る指令に従いそれを使用する書面による申告に適用される規定はこ

の方法による申告にも同様に適用される

税関局は申請書の書式およびその提出方法さらには写しの枚数と指定申請書

に含まれるべき情報とそれに添付すべき書類そして添付書類に含まれるべき情報

を規定する

細目にわたる税関申告書には1 件の積荷目録に含まれる貨物のみが記載されてい

るものとするただし税関長が別途判断する場合を除く

申告書には複数の密封貨物またはいかなる方法にせよあたかも一つのものに思

えるように組み合わされた貨物として記載してはならない税関長がコンテナパ

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 17: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

14 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

レットおよびトレーラーに関して発令した指令を順守しなければならない

申告者はその要求により税関が受領した後に申告項目を変更することができる

ただし当該変更により当該申告に含まれていた貨物以外の貨物について申告す

ることはできないまた税関当局が以下のいずれかの手続きを行った後の変更要

求は認められないものとする

bull 申告者に貨物を検査することを通知した後 bull 問題となっている項目または詳細が誤りであると判断した後 bull 貨物を通関した後

ヨルダンに輸入される貨物は以下のいずれかの通関手続きで輸入を認められるも

のとする

bull 自由な流通 bull 通過 bull 倉庫保管 bull 保税地域への預入 bull 一時輸入 bull 加工目的の輸入

貨物は税関局の許可によりまた税関長が規定する手続きに従い特定の通関手

続きから別の通関手続きに変更することができる

税関当局は申告の登録から 15 日を経過した後に申告書を提出した者に関する事

由により支払うべき関税および税金が支払われていないまたは完済されていな

い場合には登録された申告を取り消すことができる

税関局は支払うべき関税および税金が支払われていない限り申告書を提出した

者の要求により当該申告の取り消しに合意することができる違反のあった場合

には当該違反が解決するまで取り消しは認められないものとするが関税および

税金の税率の改定または外国通貨の交換価格の変更を理由として取り消しの申

し立てを拒否してはならない

上述のいずれの場合においても税関局は申告者の立会いによるまたは立会い

なしによる貨物の検査を当該検査の日付を適法に通知して要求する権限を有する

申告者またはその代理人はその貨物を申告前に調べることができるまた必要

な場合は税関局の許可を得て貨物の見本を取ることができるただしかかる

見本の取出しは税関局の監督のもとで行われるものとするかかる見本は支払

われるべき関税および税金の対象となる

申告者またはその代理人以外の者は管轄権を有する司法および官庁を除き申告

物を調べてはならないものとする

税関申告の登録に続き該当税関職員は税関長が発令する指令に従い貨物の全

部または一部を検査する

貨物の検査は税関区域で行うものとするただし当該者の要求によりおよび

その費用負担で税関長が規定する指令に従い当該区域外において貨物の検査を

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 18: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

15 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

行うことも認められるものとする

検査場所への貨物の移動開梱および梱包ならびにその他検査手続きのために必

要な措置は申告書を提出した者が費用を負担しその責任で行うものとする

検査のために設定された保管所または場所に置かれた貨物は税関局の許可なく移

動してはならない

貨物を移動し検査のために提示する過程にかかわる者は税関局が認める者でな

くてはならない

いかなる者も税関局の許可なしに検査のために貨物を保管または置いておく

保管所および倉庫ならびに物置および収容施設および置き場に入ることは許され

ないものとする

検査は申告書を提出した者またはその代理人の立会いのもと行われるものとす

税関局は禁止品目または通関書類の内容に反する品目が存在すると疑われる場合

には開梱して検査することができる税関局は適法に通知した後に該当者ま

たはその代理人が指定された日時における検査への立会いを拒否した場合にはそ

の立会いなしにかかる検査を行うことができる必要な場合は税関局は該当者

またはその代理人に通知する前に検査を行うことができるただし検査がそのた

めに結成された委員会が行う場合に限るものとする委員会は検査の結果に関す

る調書を作成しなくてはならない

税関局は物品の種類もしくは仕様または有効な法令への適法性を調査するため

に貨物を公認の分析官に分析させる権利を有する

税関局および該当者は本指令第 80 条に規定する特別委員会においてかかる分析

結果に異議を申し立てることができる

他の有効な法令の規定により貨物に特別な条件および仕様が要求されその結果

分析または検査が必要な場合それを行うものとする税関長は分析結果が得ら

れるまで貨物を取引しないことを約束する必要な保証と引き換えに当該貨物を引

き渡す権利を有する

税関長は分析の目的が関税率を適用することであり物品の所有者が関税の最高

率に基づく金額の関税を支払う場合には分析結果が得られる前に貨物を引き渡

すことができる当該支払われた関税は分析結果が得られるまで預り金として

保管されるものとする

税関長は分析または検査により認可された仕様に適合していなく危険である

と判明した貨物を破棄する権利を有する破棄は物品の所有者がその費用を支払

いその立会いまたはその代理人の立会いのもと行われるものとする物品の所

有者が望む場合は税関長が定める期間内に貨物を再輸出することができる物品

の所有者が書面による通知を受けた後に立会いまたは再輸出しなかった場合には

その費用負担で破棄が実施されそれに関して必要な調書が作成されるものとする

税関局が物品または提出書類の検査により申告書の内容が正確かどうか確かめるこ

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 19: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

16 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

とができなかった場合当該検査を停止し確認に必要な内容を記載した書類の提

出を要求する権利を有するただし貨物を留め置く期間を短くするためにあらゆ

る措置を取らなくてはならない

料金および関税は申告書の内容に従い徴収されるものとするただし検査の結

果当該結果と申告書の内容に不一致のあった場合には税関局が本法の規定に従

い必要な罰金を徴収する権利を損なうことなく料金および関税は当該結果に基

づき徴収されるものとする

必要な場合は税関当局と物品の所有者もしくはその代理人は本指令第 69~78

条の規定に従い再検査する権利を有する

担当相は貨物の価額原産地特性または関税分類に関する紛争を協議するため

に特別委員会を任命するかかる委員会は税関局高官 3 人で構成されるものと

する

申告者と税関局の間の紛争の場合は当該紛争は上述委員会に委ねられるものと

し当該委員会は専門家または技術者に助言を求めることができる

税関長は委員会の提言によりその決定を発令する税関長の決定はその通知

から 15 日以内であれば関税裁判所に異議を申し立てることができる

貨物は本条 A 項に記す紛争の解決前に引き渡すことができるが税関長が定める

条件規則お保証に従い問題となっている貨物の見本を税関局に保管する

紛争に含まれない関税ならびにその他の料金および税金は国庫に徴収される一方

問題となっている関税ならびにその他の料金および税金は紛争の解決まで預り金

または銀行保証証券として徴収される

旅行者の私物および持ち物に関する申告および検査は税関センターで税関長が

決定する手続きおよび規則に従い行われるものとする

本法の規定にかかわらず旅行者が所持する物品に対する関税は担当相が税関長

の提言によりそれに関する規則で決定する関税率に従い徴収されるものとする

かかる規則には本条の適用に必要な条件および手続きならびに適用される物品

の種類を規定するものとする

貨物は関税および税金の担保であり本法の規定に従い通関手続きが完了し関

税および税金が支払われた後でなければ持ち出すことはできないものとする

本法に規定する民事上および連帯責任の原則に従い輸入者は決定された関税な

らびにその他の料金および税金を支払う義務を有する

関税および税金の支払い前における貨物の持ち出しに関する規定は緊急時におけ

るそれらの貨物の持ち出しに関する条件および提出すべき保証に加えまた関税

および税金の計算に関する規定関税および税金が徴収される領収書ならびに本

条に関連するその他の規定とともに担当相が発令する指令で決定される

ただし課税対象者は支払うべき関税および税金の最終査定の前に銀行もしく

は現金保証によりまた税関長が決定する条件および規則に基づきその貨物を持

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 20: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

17 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ち出すことができる

関税および税金の徴収を担当する税関局員は当該関税および税金に対して輸入

者の名前を記載した担当相が決定した書式の領収書を交付する払い戻されるべ

き関税および税金の清算書は輸入者の名前で本人宛に交付された領収書または

その写しも必要に応じて提出して作成しなくてはならない

閣僚官公庁公的機関および市議会により輸入された貨物の税関申告書は通常

の規則に従い作成されるものとする当該貨物は税関局長の提言により担当相が

決定する条件に基づき検査の完了後支払うべき関税および税金の支払い前に

持ち出しを許可される場合がある

C 管轄官公庁

ヨルダン税関局

電話+962 6 4623186 88

+962 6 4624394 96

+962 6 4637641 42

+962 6 4636394 95

ファクシミリ+962 6 4647791

住所 PO BOX 90 AMMAN 11118

E-メール customscustomsgovjo

公式ウェブサイト httpwwwcustomsgovjoenglishdefaultshtm

III 外国投資政策

1 投資認可促進政策および所轄当局

1) 外国投資政策制度の概要

政府の外国直接投資(以下「FDI」)奨励策は主に次の3点が中心となっている

bull 主な国有企業の民営化

bull 国内企業および外資を結び付けるパートナーシップ型の会社の促進

bull 複合的な分野の経済特区の創設

投資法(2003年)および投資促進法(以下「IPL」)がヨルダンにおけるFDIについ

て規定し財政および管理上政府から独立しているヨルダン投資委員会(JIB)が特

例および優遇投資手続きについて統制しているIPLに基づき外国企業および国内

企業は平等な税制優遇措置を享受できる

2) 管轄官庁

ヨルダン投資委員会

住所PO Box 893 Amman 11821 Jordan

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 21: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

18 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

電話 +962 (6) 56084009

ファクシミリ +962 (6) 5608416

+962 (6) 5521084

+962 (6) 5521084

E-メール infojibcomjo

ウェブサイトhttpjordaninvestmentcomdefaultaspx

閣僚会議

2 外国資本の投資に関する規制

1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率

非ヨルダンによる投資を規制する規則 2000 年 54 号は当該規則に規定する禁止

規制事業リストを除き外国資本の所有または外国資本の参入に対していかなる規制

もないと規定している

非ヨルダン投資家は以下のプロジェクトまたは事業に対し一部または全部を問わ

ず所有および参入を禁止されている

bull タクシーバスおよびトラック事業など乗客および貨物の陸上輸送事業

bull 建築に使用される天然砂規格石材骨材および建築石材の採掘

bull 警備および調査事業

bull スポーツイベント開催事業を含むスポーツクラブただし健康フィット

ネスクラブ事業を除く

bull 通関サービスただし当該通関サービスが輸送事業とつながっている場

合は50の外国資本の所有を認める

さらに非ヨルダン投資家は以下の産業部門および事業に投資または参入する場合

は国内の共同所有者(50)を有さねばならない

商業活動

a 物品およびその他の有形動産を賃貸または再賃貸することを目的として購入

すること機械機器輸送車両およびその他輸送機器車両航空機(操

縦士除く)および船舶の賃貸を含むが銀行金融会社および保険会社によ

る貸金事業を除く

b 物品およびその他の有形動産を利益を上乗せして販売することを以下のよ

うな目的として購入すること

bull 卸売業および小売業

bull 輸出入ただしヨルダンの国境出入口までの輸入を除く

bull ヨルダン国内における物品およびサービスの流通視聴覚作品の流通を

含む

bull 以下に記すldquoレストランカフェおよび食堂rdquoでのサービスを損なうこ

とのない供給サービス ただしレストランカフェおよび食堂以外

のフード仕出しサービスを除く

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 22: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

19 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

サービス

bull あらゆる土木部門都市計画景観設計を含むエンジニアリングサービ

bull 建築サービスおよび関連エンジニアリングサービスを含む建築請負

bull 建築のための土壌検査および地質工学的検査などの技術的検査サービス

bull 輸送機器の保守および修理サービス

bull ラジオおよびテレビの送信装置および放送装置の保守および修理サービ

bull 撮影サービスコピーサービスを含むが映画およびテレビ撮影サービ

スを除く

bull 人材紹介および派遣サービス

bull 各種仲介サービスただし銀行金融会社および金融サービス会社に

よる金融仲介を除く

bull 広告代理店および会社を含む広告サービス

bull 商業代理店および商業仲介サービス保険代理店

bull 両替サービスただし銀行または金融会社が提供するものを除く

bull レストランカフェおよび食堂営業ただしホテルモーテル船舶

および列車内で提供されるものを除く

bull 旅行代理店および観光旅行サービス(観光および旅行案内所)

輸送事業

a 海上輸送および付帯事業

bull 旅客および貨物輸送ただし非ヨルダン人が所有する船舶による輸送

を除く

bull 海洋測量および調査

bull 海上貨物運送

bull 船会社代理業

bull 船具販売業

bull 船舶仲介業

bull 船舶管理事業

b 航空輸送付帯事業

bull 地上取扱い

bull 貨物検査

bull 梱包および開梱

bull 航空貨物代理店

bull 貨物運送業

bull 貨物ターミナルおよび店舗

以下を除く

bull エンジン整備

bull 空港免税店舗

bull 模擬訓練

bull コンピュータ予約システム (CRS)

c 鉄道輸送付帯事業

bull 貨物取扱い

bull 検査

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 23: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

20 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 梱包および開梱

bull 保管および倉庫サービス

bull 貨物輸送代理店業

bull 貨物代理店業

以下を除く

bull 旅客および貨物輸送

bull 後押しおよびけん引事業

bull 鉄道旅客ターミナルのサービスなど鉄道輸送補助サービス

d 陸上輸送事業

bull 観光特定輸送事業

bull バス乗降場サービス駐車場サービス地下鉄橋梁高速道路に関連

するサービスなど陸上輸送補助サービス

bull 貨物取扱業務保管および倉庫サービス貨物輸送代理店業務検査業

務梱包および開梱業務ならびに貨物運送業など陸上輸送付帯事業

通関サービス

ただし当該通関サービスが上述「 輸送事業 」に規定される事業のいずれかと関連

する場合に限る

上述の規制は公開株式会社に出資する場合には適用されないさらに会社の種類

および規模によっては投資促進最高評議会の提言に基づき閣僚会議から規制除外を

取得できる場合もある

2) 外国資本の資本金所有に関する規制

上述「 1) 規制禁止事業分野および外国資本出資率 」を参照のこと さらに

非ヨルダンによる投資は公開株式会社に出資する場合を除き50000 JD 相当未満

であってはならない

3) 外国企業の土地所有に関する規制

ヨルダンにおける外国企業の土地所有に関しては規制 2002 年法 24 号において

外国企業がヨルダンにおいて土地所有を許可されるためには以下のいずれの当局か

らも必要な認可を取得する必要があると規定されている

bull 財務省

bull 内務省

bull 閣僚会議

さらに同法第 3 条には非ヨルダン籍の個人がヨルダンにおいて土地を所有できる

のは本人または家族とともに居住するために限り管轄官庁から必要な許可を得た

後と規定されているこの規定はしかし非ヨルダン籍のアラブ人には適用されな

上述の規定により対象となる土地が家屋 2 棟を超えまた事務所を有している場合

には財務省の認可が必要となるその場合対象土地面積は 10 エーカーを超えて

いてはならない

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 24: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

21 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

対象となる土地が家屋 2 棟以下である場合には必要な認可の管轄官庁は土地およ

び測量局の局長となる

3 外国投資に関する奨励策

1) 優遇措置の活用できる奨励産業部門事業分野プロジェクト地域

投資促進法 1995 年 16 号およびその改正により本法の対象となる産業部門は以下

のとおりである

bull 工業(製造業)

bull 農業

bull ホテル

bull 病院

bull 海上輸送および鉄道

bull レジャーおよび娯楽施設

bull 会議場および展示場

bull 水ガスおよび石油の輸送および流通

bull コールセンター

bull 研究開発センター

2) 優遇措置

ヨルダンに対する外国投資を促進するため投資促進法1995年16号およびその2000

年の改正が施行された本法は外国企業によるヨルダンへの投資を保証するため

多くの投資保証を規定している以下が提供されている租税減免措置と投資保証の概

要である

関税減免

投資事業での使用に限定してヨルダンに輸入された固定資産は手数料および税金

が免除されるホテルや病院の家具および設備などを含む事業に使用される機

械設備および備品などがこれに該当する

投資事業のための交換部品は手数料および税金が免除されるただしその価額

がそれが必要な固定資産の価額の15を超えないことを条件とする

既投資事業の拡張展開および近代化に必要な固定資産は手数料および税金が免

除されるただし当該拡張展開および近代化によって当該事業の生産能力が

25以上向上する場合に限る

ホテルおよび病院事業は7年ごとに近代化および改装に必要な家具および備品の

購入について手数料および税金が免除される

投資事業のために輸入された固定資産の価額について当該資産の原産国での価格

の上昇それに適用される運送料の上昇または為替の変動によりこれが増額する

場合には増額分に対する手数料および税金が免除される

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 25: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

22 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

投資保証

ヨルダンでの投資に関するさまざまな法令においてヨルダンおよび非ヨルダン事

業投資家を平等に取り扱っているよって非ヨルダン事業投資家もヨルダン企

業との提携が必要な幾つかの商業および請負サービスを除きヨルダンでいかなる

事業も一部または全部を問わず所有することまたはいかなる経済活動に従事する

ことも許されている

事業投資家は適切とみなす方法で自身が選定した個人によって事業を経営する権

利を有する

非ヨルダン事業投資家は発生した利益と投下資本投資の清算による収益およ

び事業の一部または全部の売却による収益を滞りなくまた交換可能な通貨で海

外に送金する権利を有する

いずれの事業に従事する非ヨルダン人技術者および管理者もその給与および報酬

を海外に送金することができる

外国の事業投資家とヨルダン官公庁との間の投資に関する紛争は和解で解決され

るものとする和解が6カ月以内に成立しなかった場合にはいずれの当事者も訴

訟の提起または当該紛争を投資紛争解決国際センター(ICSID)に委ねることが

できる

その投資が自国またはその官公庁により保証されている事業投資家はその投資

利益またはその他それが権利を有する支払いを当該国または当該官公庁に譲渡す

ることができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は免税固定資産を再輸出するこ

とができる

JIB投資奨励委員会の許可をもって事業投資家は本法の規定の対象ではない他

の企業または事業に免税固定資産を販売または譲渡することができるただし当

該固定資産に対し支払うべき料金および税金を支払った後に限る

JIBウェブサイトより

4 税制

ヨルダンでの外国投資に当たっては以下の税金が適用される

bull 各企業の純利益に対する14の所得税

bull 各企業が販売したサービスに対する16 の販売税

bull ヨルダン居住者から非居住者に送金された金額に対する7の源泉徴収税

二国間租税協定についてはヨルダンはいかなる国とも協定を結んでいない

しかしヨルダンは以下の各国と二重課税防止条約を締結している

アラブ諸国

アルジェリアバーレーンエジプトクウェートレバノンモロッコ

オマーンシリアチュニジアおよびイエメン

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 26: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

23 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

非アラブ諸国

アゼルバイジャンブルガリアカナダクロアチアフランスオランダ

インドインドネシアイランマレーシアパキスタンポーランド

ルーマニア韓国トルコ英国およびウクライナ

さらにヨルダンは38 カ国と二国間投資協定を結び経済協力の促進ならびに民

間資本の流れおよび技術移転の活発化に取り組んでいるこれらの 38 カ国と締結日

および協定の施行日についてはヨルダン投資委員会のウェブサイトに掲載されてい

5 外国人就業規制および現地人の雇用義務

1) 外国人就業規制

雇用者は労働大臣またはその代理人の許可なしに(労働省は以下の方法でそれ

ぞれ特定の場合を調査するための雇用委員会を設ける)また当該業務がヨルダン

人労働者では充当し得ないまたは適さない技能を必要としている場合のほかは非

ヨルダン人を雇用することはできないさらに労働省はヨルダン人労働者に限定

される活動を以下のとおり挙げている

bull 管理および会計業務

bull タイプを含む文書事務および秘書業務

bull オペレーター電話および通信業務

bull 倉庫作業

bull あらゆる形式の商品販売

bull 装飾作業

bull 主要都市でのガソリン販売

bull 電気工事

bull 運転手

bull 警備および受付

bull 特定の美容師

bull 特定の清掃人

さらに必要な技能を有するヨルダン人に代替できない場合を除き以下の専門職

も含まれる

bull 医療専門職

bull 工学専門職

bull 教育専門職

ただし特定の場合には労働大臣は上記例外を以下の者に許可する権限を有する

(その都度判断される)

bull ヨルダン人の外国人配偶者および息子

bull ヨルダンの投資法令に従い除外される投資会社の従業員

bull 政府の事業に従事する外資企業の従業員

bull 特定の政府機関の従業員

労働大臣は上述のリストを追加削除する権限を有する本法ではヨルダン人従業

員の割合を規定しておらず労働大臣はかかる割合をいずれの産業部門についても

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 27: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

24 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

規定する権限を有するしかし実際には労働大臣は外国企業が事業を遂行する上

で国内法人よりも外資の支店がより適切な場合は外国人労働者の雇用を許可する

傾向がある

外国人従業員については労働省内に委員会が設置されておりそこで特定の申請が

査定されその提言に基づく労働大臣(またはその代理人)の許可を取得しなければ

ならないさらに申請された外国人従業員は治安および健康面での検査に合格し

なければならない手続きには最低 4 週間必要

駐在員事務所についてはヨルダン人従業員の人数は法令により全従業員の半数未

満であってはならない

また雇用者は外国人従業員について銀行保証を提出しなければならない保証額は

企業の規模職種および従業員の国籍が非規制国籍か否かによって決まる

労働組合はヨルダンでは一般的であるしかし他国と比較して特段活動が活発な訳

ではない労働者との交渉や権利確立にあたり労働組合の了解を取る必要はない

しかし従業員は労働組合に加盟する権利を有し雇用者は労働組合の法律上の目的

を達成するために従業員が行ういかなる行為によっても当該従業員を解雇する権限

を有しない

2) 在留許可

ヨルダン投資委員会(以下「JIB」)はその施設内の「ワンストップショップ」(以

下「OSS」)に労働省の出張所を設け就労許可の円滑化を図っている事業投資

家はJIB の OSS にある内務省の出張所から労働者の在留許可も取得することが

できる非ヨルダン事業投資家および労働者は就労許可を事前に取得する必要がある

就労許可を取得する

以下の規則が適用される

bull 労働省のみが非ヨルダン事業投資家および労働者の就労許可を発行する

権限を有する政府機関である

bull 労働大臣またはその代理人の許可は許可申請に添付された書類に基づき

発行される

bull 必要とされる業務経験および能力がヨルダン人労働者では充当できない

または事業に必要な人数が能力を有するヨルダン人の雇用では不足する

ことが条件である

bull 非ヨルダン人労働者はヨルダン入国前に就労許可を労働大臣またはその

代理人から取得しなければならないその期間は1年以内だが更新可能

bull 就労許可の発行更新または変更には手数料がかかる

bull 雇用者は労働者の権利を保証するため司法または銀行保証を提出しな

ければならない

非ヨルダン人労働者を呼び寄せるまたは雇用する

この雇用者には以下の義務が生じる

a 外国人従業員を入国または雇用するための申請書に以下を記入する

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設の住所業務内容

および適宜支店名も記入する

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 28: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

25 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の国籍およびヨルダン

での職種

b 雇用申請書には以下の書類を添付する

bull 雇用契約書の写し 2 部

bull 施設の有効な営業免許を写しを添付して提出する

bull 雇用労働者がビルまたは住宅の清掃人である場合は公共事業免許および

土地登録証書を写しを添付して提出

bull 農業労働者の場合は該当農業局の推薦状

bull 労働者の有効なパスポートの写し

bull 雇用者の全従業員が社会保障に加入しておりすべての保険料が申請書提

出日付で支払われていることを示す一般社会保障公社が発行したリスト

bull 雇用者が契約した事業および入札書(適宜)のコピー雇用者の当該入札

を受諾した企業がわかるもの

bull 厚生省が認可した医療施設が発行した有効な健康診断書

bull 労働者の写真

公認の工業地区に非ヨルダン人労働者を雇用目的で呼び寄せる

この雇用者には以下の義務が生じる

aJIB のワンストップショップ内にある労働省の出張所に申請書を提出する当該申

請には以下の書類が含まれていなければならない

bull 施設の名称その所有者または代表者名また施設

の住所業務内容および適宜支店名も記入する

bull 労働者のパスポートに記載されている氏名労働者の

生年月日労働者の国籍およびヨルダンでの職種

bull 労働者が出身国の認可職業紹介所を通して派遣されること

またその国の法で規定する費用以外に派遣に関して

いかなる支払いも行っていないことを当該労働者の出身

国大使館が認証した証明書

bull 派遣する会社が労働者の出身国の新聞に掲載した勤務条件

賃金労働時間職種ならびに宿泊施設食事および健

康保険などその他の手当を明示してある広告で認証のある

写し広告にはまた労働者が出身国の法で規定する費用

以外に派遣に関していかなる支払いも行う必要のないこ

とが明示されていなければならない

bull 工業地区内施設の製品が認定生産品であることを証明す

る通商産業省が発行した証明書

b 申請書に以下の書類を添付する

bull 施設の登録証明書

bull 施設の有効な営業免許

bull 署名権限を有する者を記載した通商産業省が発行した証明書

bull 正式に認証された施設の賃貸契約書または所有権を証明する証明書

適用される保証金および料金

非ヨルダン人を呼び寄せるまたは雇用するための条件および手続きに関する指令に

従い雇用者は入国する外国人労働者について保証金を支払う必要がある保証

金の額は以下のとおりとする

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 29: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

26 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 入国または雇用する従業員が 3 人から 10 人の場合は1000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 11 人から 20 人の場合は2000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 21 人から 50 人の場合は5000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 51 人から 100 人の場合は10000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 101 人から 200 人の場合は20000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 201 人から 300 人の場合は30000 JD

bull 入国または雇用する従業員が 300 人を超える場合は40000 JD

雇用許可に要する料金

入国する労働者の承認を取得する時点で前払いとする申請書の認定に労働省は以

下の料金を徴収する

bull 申請書その審査および認定作業に 10 JD

bull 施設の代表者の認定カード発行およびその年次更新に 10 JD

ただし各代表者は1 件の施設についてのみ認定を受けられる

労働省の承認

承認日から 4 カ月間有効である雇用許可の期間はその対象者がヨルダンに入国し

た日から開始される入国を許可された労働者が入国しなかった場合雇用者はそ

の者を他者に交代させる申請を法令の規定に従い定められた期間内に提出するこ

とができるただし当該労働者が入国しなかった事実が証明されていなければなら

ない

雇用許可の発行および更新料金

さらに1年間かそれ以内かを問わず雇用許可の発行および更新には以下の料金

が適用される

bull 農業以外のすべての産業部門における非アラブ人労働者

について300 JD

bull 農業以外のすべての産業部門におけるアラブ人労働者に

ついて180 JD

bull 農業部門における非アラブ人労働者について120 JD

bull 農業部門におけるアラブ人労働者について60 JD

公認の工業地区での雇用許可料金

公認の工業地区の雇用者から徴収される1年間かそれ以内かを問わずアラブ人労

働者に関する雇用許可の発行および更新の料金は以下のとおりである

bull 事業開始の初年度について150 JD

bull 事業の第2年度について225 JD

bull 事業開始から3年度目以降について300 JD

3) 管轄官庁

労働省

住所PO Box 8160 Amman 1118 Jordan

電話+962 6 5802666

ファクシミリ+962 6 5855072

EメールInfomolgovjo

在日ヨルダン大使館

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 30: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

27 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

住所150-0047 東京都渋谷区神山町39-8

電話+81-3-5478-7177

ファクシミリ+81-3-5478-0032

Eメールjor-embbirdocnnejp

6 知的財産権の保護

ヨルダンにおいては商標およびその保護は商標法 1999 年 34 号(以下「商標法」)

に準拠している侵害者が特定の企業またはその関連商標にいかなる知的財産権も

有していなければ当該会社は以下の法手続きを取ることができる

企業は侵害者に対して刑事およびまたは民事訴訟(またはそれらの組み合わせ)

を管轄裁判所に提起することができる刑事訴訟は中央検察官に提訴し民事訴訟

は中央検察官が事案を送致した時点で該当裁判所に提起する

商標法 37 条には故意に以下の行為を犯した者には禁固 3 カ月から 1 年および

または罰金 100 JD 以上 6000 JD 以下を処すると規定している

a 登録商標を偽造する者その他誤認させるような方法で模造

する者または模造もしくは偽造した標章を当該商標が登録

された商品と同じ商品に付す者

b 他社が所有する商標を当該商標が登録された区分の商品

または役務と同じ区分のそれに違法に使用する者

c その使用が本条の aおよび b項に基づく違法行為とみなさ

れる商標の付された商品を違法性について事前に認知し

ていたにもかかわらず販売する者または販売のために占

有する者または販売を申し込む者

必要な証明については偽造商品と侵害者側との間のつながりを示す証拠が必要とさ

れる特に相手側が偽造商品を販売輸入または販売のために取得した証拠を必要

とするすべての書類を入手した時点で勝訴の可能性を検討できる

民事およびまたは刑事訴訟を提訴する場合企業は裁判所に次の措置をとるよう要

求することができるただし裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出するこ

とを条件とする

bull 侵害の停止

bull 侵害している材料および商品の押収

bull 侵害に関係する証拠の保全

また次の場合には民事およびまたは刑事訴訟を提訴する前に企業は裁判所に

上述の措置のいずれをも被告に通知することなく取るよう要求することができる

bull 当該会社が当該商標の所有者であり

その権利が侵害されていること

bull 侵害が切迫していること

bull 侵害者が回復不能な損害を与える恐れの

あることが証明された場合

bull 証拠が隠滅されるおそれのある場合

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 31: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

28 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

ただしかかる申し立ては裁判所が認める銀行保証または金銭保証を提出すること

を条件とする被告は当該判断に対しその通知日またはそれを知った日から 8 日

以内に不服を申し立てることができる

また当該企業が裁判所の判断から 8 日以内に提訴しなかった場合それに関してと

られた措置はすべて無効となるさらに被告は裁判の結果原告が正当な権利を

有する者ではないと証明された場合または上述期間内に提訴しなかった場合には

損害賠償を請求することができる

なお新「公訴法」2010 年 11 号に従いまた中央検察官の管轄権に準拠するとこ

れらの保全措置は中央検察官の管轄権に属するともいえる当該企業は排除措置警

告状を侵害者に対し公証人を通して送付することもできる

請求の基本

企業は当該標章がヨルダンにおいて自社の名において登録されているか否かを明

らかにする必要がある登録されていない場合は当該標章が「周知」標章とみなさ

れているかどうかを判断しなければならない上述商標法第 2 条は「周知」標章と

は「対象商標が登録されている元々の国における評価を超える国際的な評価を有して

いる商標でヨルダンハシェミット王国の一般の関連産業部門において知られてい

る商標」と規定しているまた侵害者が当該標章の一部またはすべてに対して知的

財産権を有しているかどうかを確認することも望ましい

不当競争および営業秘密法 2000 年 15 号の条項も侵害商標の使用を含むすべての

不当競争行為を対象とする法律であるただし請求者の権利は被った損害の賠償

に限られる不当競争自体は該当法規において犯罪とはみなされていない本法に

基づく提訴においては会社の標章および名称を使用することを通じた不当競争に対

してより広い範囲で適用することができる本法では不当競争の例が規定されてい

bull 行為の性質が競争者の組織ならびにその製品および工業もし

くは商業活動との混同を招くものであること

bull 競争者の組織ならびにその製品および工業もしくは商業活動

の信用を損なう結果となる取引における虚偽の主張

bull 取引に使用したデータまたは主張により製品の性質製造方法

特徴数量または有効期限について一般消費者を混乱させること

bull 製品の評価を傷つける行為または製品の外観もしくは表示に

ついて混乱させる行為または製品の価格もしくは計算方法の

発表により一般消費者を欺く行為

上述の例はかかる不当競争が登録されているか否かを問わずヨルダンで使用さ

れている商標に関するものであり一般消費者を欺く結果となれば適用されるま

たサービスに関しても同様である

本法に基づく提訴においても原告は民事訴訟を提訴した時点または提訴を検討

している時点で管轄権を有する裁判所に対し以下の手続きをとるよう裁判所が認

める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てることができる

bull 当該競争の中止

bull 関連材料および製品が発見された場合はその予防的押収

bull 関連証拠の保全

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 32: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

29 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

企業は裁判所に対し提訴する前に被告に通知することなく本法(b)項に定める

措置を取るよう裁判所が認める銀行の保証もしくは金銭保証とともに申し立てるこ

とができる裁判所は会社が以下を証明した場合はその申し立てを認める

bull 当該競争が企業に対して行われたものであること

bull 当該競争が切迫しており回復不能な損害が発生するおそれの

あること

bull 当該競争の証拠が隠滅されるおそれのあること

特許または商標の有効期限については商標法第8条に登録の日から10年間有効で

満了後10年間の更新が可能であると規定されている

商標法に従い使用されているまたは使用しようとする商標の所有者であると主張

する者で当該商標の登録を望む者は登録機関に対し書面で規定された手続き

を踏んで申請しなければならない

本法の規定に基づき登録機関は当該申請を却下認可もしくは商標の使用方法

場所その他の事項について条件変更修正を付して認可することができる登録

機関による商標登録の却下に対しては高等裁判所に上訴することができる登録機

関または高等裁判所は随時認可の前後を問わず申請の誤りを修正することま

たは申請者の申請について登録機関または高等裁判所が適用すべきとみなす変更を

求めることができる

商標に適用される料金は以下のとおりである

公的料金 手数料

JD JD

調査料金

1 標章を 1 区分において調査

2000 7000

1 標章を追加 1 区分ずつ同時

に調査

2000 7000

申請から登録までの料金

1 標章を 1 区分において申請

10000 30000

担当相の条件に対する異議

申立て

異議申立ての審問の料金

最低公告料金

5000

登録料金

30000

納付金

2000

委任状のための外務省収入

印紙代

法務省印紙代

異議申立料金

1 申請に対する苦情処理委員

会の判断を仰ぐ異議申立て

50000

200000

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 33: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

30 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

異議申立ての判断について

高等裁判所の最終判断を仰

ぐ上訴

300~300000

200000

取り扱い中の申請に対する

苦情処理委員会の判断を仰

ぐ異議申立ての防御高等裁

判所への上訴は含まれない

200000

証拠提出

5000

審問の料金1 審問

2000

譲渡料金

1 登録商標の譲渡の記録

10000

10000

最低公告料金1 譲渡

5000

更新

更新申請料金

38000

30000

遅延更新申請料金(期限後 3

ヶ月)

最低公告料金1 更新

名称住所変更

1 所有者の 1 以上の登録商標

について名称および住所変

更の記録の申請

10000

10000

最低公告料金(名称および住

所変更のみを記録する場合)

5000

登録商標品目リストの変更

1 区分について登録商標を変

新たな申請の費用

新たな申請の費用

最低公告料金

5000

その他

英語からアラビア語または

アラビア語から英語への翻

訳(1 頁ごと)

2500

ロゴの変更

公告前は無料公告後は新

たな申請の費用

公告前は無料公告後は新た

な申請の費用

住所の変更 7000 5000

延長料金 2000 5000

異議申立ての延長 2000 5000

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 34: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

31 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

7 外国企業の会社設立手続きおよび必要書類

ヨルダンにおいては以下のとおり複数の事業形態が選択可能である

<国内企業>

bull 個人事業主

bull パートナーシップ

bull 公開株式会社(Public SC)

bull 有限責任会社(LLC)

bull 未公開株式会社(PSC)

<外国企業>

bull 外国企業のヨルダン支店

bull 外国企業のヨルダン駐在員事務所

bull オフショア法人

bull 開発地区およびフリーゾーン法人

本稿では外国企業が頻繁に採用する支店または駐在員事務所形式での事業所設立

方法を解説するとともに外資による国内法人の設立および開発地区およびフリ

ーゾーンでの事業所設立についても概説する

1) オンショア資格の企業

bull 外資100の新規国内法人

bull 外国企業の支店

非ヨルダンによる投資に関する規則 2000 年第 54 号(以下「本規則」)ではヨル

ダンにおける外国企業の資本所有には制限が課されているただし第 2 条において

本規則に規定していない産業分野部門における非ヨルダン企業はいかなる事業も

一部もしくは全部の資本を所有することができまたいかなる出資比率においても

資本参加することができるとされているまた石油探査および採掘事業ならびに関

連業務も外資出資 100を認めている分野である以上のように外国企業は広

範な事業分野でヨルダン国内に自社 100所有の法人を設立することができる

またヨルダン法の下では外国企業の支店には一時輸入制度が認められているただ

し支店登録の前に関連政府機関の承認およびビジネスパートナー他との契約が

必要である 一方国内法人としての設立を選択した場合においては一時輸入制

度は認められない

会社形態に関してはヨルダン会社法 1997 年第 22 号(修正含)(「本法」)では

外国企業が設立可能な法人として 2 種類を規定している有限責任会社(以下「LLC」)

および未公開株式会社(以下「PSC」)であるヨルダンで国内法人を登録するため

の手続きを以下に記す

またLLC においては各持分所有者の権利(議決権配当権その他)はおのお

のの株式持分に応じたものとなっているのに対しPSC においてはさまざまな権

利および制限を有する多様な種類の株式を発行することができさらに取締役会を

ヨルダン国外で開催することも特別措置として認められる

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 35: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

32 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

A 国内会社登録の手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与える

ことを委任者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 基本定款

bull 通常定款

bull 記入済み新会社設立申請書

bull 持分所有者が人の場合は有効なパスポートまたは身分証明書

の写し

bull 持分所有者が法人の場合はその本社における新会社登録証明書

上記の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述の書類がアラビア語以外の場合にはすべて

アラビア語に翻訳されなければならない

さらに未使用会社名を探すのは難しいことが多いため会社名の候補を 5~10 提出

することが望まれる

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社名の検討外国会社名‐ヨルダンという会社名にしたい場合には政

府に手続き費用として 500 JD を追加支払いする

bull 会社目的と名称が承認された後資本金の預け入れを行う

a) LLC の場合は所定資本金の 50(外国出資者の払い込み

は 50000 JD 以上でなければならない)

b) PSC の場合は所定資本金の 100(外国出資者の払い

込みは 50000 JD 以上でなければならない)

bull 預け入れを確認する銀行の書面を会社管理局に提出する

bull 登録証が発行される

bull 総会を開催(同日でも可能)

a) 取締役会総支配人の選任

b) 会社の署名権限者およびその権限を選任決定

c) その年の監査人を選任

bull 署名権限者の証明書が発行される(同日)

公的手続き費用<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費を

それぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み資本金総額で乗算する

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 36: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

33 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

所要期間

基本定款および通常定款の署名から書類を申請し会社名の承認を得るまでに 1 日

(すべての書類が整っており問題が発生しないことを条件とする)その後は資

本金の預け入れとその預け入れを確認する銀行書面の発行にかかる時間による

銀行書面を提出してから会社の登録までには半日程度登録後総会を開催し取締

役会と外部監査人を選任し取締役会会議を開催して署名権限者を任命するこれら

は登録日と同日に行うことができる

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 資本金が 150000 JD 超の場合は有資格弁護士との年次顧問契約

B外国企業の支店の設立

ヨルダン会社法 1997 年第 22 号(改正版)(以下「会社法」)には外国企業の支

店に関して大分類として営業支店と非営業支店の 2 種類を規定しているまた営

業支店は会社法第 240 条に基づきさらに以下の 2 種類に分けられている

bull 期間を限定して営業する支店ヨルダン国内で落札した事業を

限定された期間行うためのもの当該支店の登録は当該事業

が完了した時点で終了するただし新たな契約を獲得した場

合には登録はその事業を履行する期間延長される当該支店

の登録はヨルダンにおける事業すべてが完了しその権利お

よび義務が清算された時点で取り消される

bull ヨルダン国内で管轄官庁の許可に基づき永続的に営業する

支店例えば外国銀行の支店など

ヨルダンで営業支店を登録する手続きは以下のとおり

C 営業支店の登録手続き

必要書類

bull 登録手続きを完遂し委任者に代わって署名する権限を与えることを委任

者が署名した正当に認証され翻訳された委任状

bull 記入済み支店登録申請書指定公務員または公証人(ヨルダン在外領事)

立会いのもと権限を有する者が署名したもの

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的株主資本金種類

および署名権限者を示すもの

bull 親会社の所在国における登録証およびその他の設立文書

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財務諸表

bull 当該会社がヨルダンで履行する契約を獲得したことを証明する書類

bull その他管理官が要求する書類(通常地域での契約または活動について

要求する)

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 37: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

34 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

上述の法人に関する書類はすべて親会社所在国のヨルダン大使館領事館による認

証および捺印が必要である(ヨルダン大使館に提出する前に所在国外務省の認証

が必要となる場合もある)また上述書類はアラビア語以外の場合はすべてアラ

ビア語に翻訳されなければならない

登録手順

bull すべての最終書類(署名済みの基本定款通常定款申請書委任状およ

びその他上述の必要書類)を通商産業省(「MIT」)に提出する

bull 会社管理局がすべての書類および申請書を検討する(3 ~ 5 営業日)

bull 登録証が発行される

公的手続き費用

<有限責任会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 250)0003 JD ndash 印紙代および 55 JD ndash 雑費

をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

<未公開株式会社>

0002 JD ndash 登録料金(最低 1000)0003 JD ndash 印紙代および 65 JD ndash 雑

費をそれぞれ払い込み済み資本金総額で乗算する

所要期間

すべての必要書類を会社管理局に提出してから 2 ~ 3 営業日

登録後の必要事項

bull 法人所得売上税局への登録(1 ~ 2)日

bull 社会保障当局への登録(従業員 5 人以上)

bull 会社の監査人を任命

bull 事務所賃貸契約

bull 商工会議所への登録

bull 地方自治体(営業)免許(5 ~ 10)日

bull 有資格弁護士との年次顧問契約

ヨルダンでの外国企業による駐在員事務所を開設では会社法において外国企業が

支店を設立するのと同一の手続きをとるよう規定されている唯一の相違は支店が

ヨルダンで営業する場合営業免許の取得が要求されることである駐在員事務所に

関しては免許は不要駐在員事務所はヨルダンで商業活動を行うことが許されていな

いためである駐在員事務所の目的は外国企業本社と連絡を取ることまたは市場

調査活動や本社の事業をコーディネートすることである外国企業のヨルダン駐在員

事務所は通常非営業外国企業とされている

外国企業のヨルダン駐在員事務所の登録に必要な書類は以下のとおりである

bull 本社の登録証

bull 会社の基本定款および通常定款会社の設立目的資本金およ

び種類を示すもの

bull ヨルダン居住者に会社の活動を遂行し法令に従い会社を登録

する権限が与えられている委任状

bull 親会社の所在国における直近 2 年間の有資格監査人が認証した財

務諸表

bull その他会社管理官が必要とみなすデータおよび情報

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 38: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

35 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 登録申請書は会社管理官書面で権限を与えられた者または

公証人の立会いのもと会社を登録する権限を有する者が署名し

なければならない

bull 上述の法人に関する書類はすべてヨルダン大使館領事館親

会社の所在国外務省およびヨルダン外務省による認証が必要で

あるまた上述書類はすべてアラビア語に翻訳されヨルダ

ンの公証人の認証を受けなければならない

駐在員事務所の登録完了後に必要な書類は以下のとおりである

bull ヨルダン駐在員事務所が締結し地方自治体が認証した賃貸契約書

bull 駐在員事務所の従業員およびその国籍のリスト

bull 非ヨルダン従業員の居住および就労許可書の写し

bull 駐在員事務所のヨルダン従業員との労働省が認証した雇用契約書

2) 開発区における会社設立

開発区法2008年2号第17条で「その時点で有効な投資法および関連規則に規定する

外国資本の比率に関する規制は開発区においては適用されない」と規定されている

開発区の企業の登録に関する規則2008年第94号に開発区委員会(以下「委員会」)

に登録する権利を有する企業は以下に限定されている

bull 有効な通商法の規定に従い通商登録簿に登録されている個人事

業主

bull 有効な法令の規定に従いヨルダンで営業している専門業務法人

bull 有効な会社法の規定に従い会社登録簿に登録されている企業

bull 会社登録簿に登録されていない外国企業

bull フリーゾーンに登録されている企業

bull 委員会の判断に従いヨルダンで運営されている非営利委員会

および組織

開発区で登録される会社形態の種類(最低資本金持分経営などを含む)に関して

は特定の規則は存在しないこれらの事項は上述の各事例に対応しヨルダンで適用

される関連法令に準拠するものである

しかしながら開発区に企業を登録するためには該当開発区の主たるディベロッパ

ーと開発契約を締結するか委員会の承認を取得しなければならないまた開発区

への登録には賃貸契約を締結していることが必須条件である

さらに委員会は企業の経済活動が開発区で禁止されているものまたは規制され

ているもので規定された条件に従わなかった場合には開発区への登録を却下する権

限を有する

以上に基づき外国企業が開発区に登録するには次の二つの選択肢がある

bull 外国企業の支店を登録する(ただし外国企業であることにより

税制上の問題が発生することに留意が必要)

bull PSCまたはLLCとして新たな国内法人を登録する

開発区に設立する主な利点としては100の外資出資を認めていること最低資本

金に関して国内外資両方に定められている額とは別に外資に求められる追加の払い

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 39: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

36 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

込み金額が除外されることがある例えばLLCを開発区で登録する場合は最低資

本金は1000 JDPSCの場合の最低資本金は50000 JDである

さらに開発区で設立される企業は一般的に次のような税制優遇措置が受けられ

bull 銀行金融会社保険および再保険会社ならびに航空会社を除

き開発区で設立された企業の所得税は5(通常税率は14)

bull 開発区で消費される商品車両タバコ製品酒ビールおよび

ナッツ類を除き開発区での商品または役務の提供の売上税は

7(通常税率は16)

bull 関税および通過貨物への課税に関する特定の優遇措置

これらの優遇措置は開発区外のヨルダンで行われた業務には適用されないことに注

意が必要である

期間

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)の登録期

間は適正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし

資本金の預け入れに必要な期間を除く

bull 特定目的会社(SPV)(PSC か LLC かにかかわらず)が所有す

る商社(子会社)の登録に有する期間は当該子会社に関する適

正な書類すべてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金

の預け入れに必要な期間を除く

bull PSCLLC を会社管理局に登録するための期間は適正な書類す

べてを受領してから 2 ~ 3 営業日ただし資本金の預け入れ

に必要な期間を除く

bull 開発区委員会の承認を取得するにはさらに 5 ~ 7 営業日必要

であるただし開発区内に土地を賃貸するのに必要な期間を除く

3) アカバフリーゾーンにおける会社設立

外国企業に与えられているこのほかの選択肢はアカバ特別経済区(以下「ASEZ」)

での法人設立であるアカバ特別経済区法2000年32号(以下「ASEZ法」)第22条(c)

に基づきASEZで登録した非ヨルダン会社は通商産業省の管理官により登録され

る必要はない

法的要件

ASEZにおける企業の登録および免許に関する規則2001年第13号(「ASEZ登録規則」)

第14条ではASEZ 当局に対し登録および免許取得を行う権利は以下に限られる

と規定されている

bull 会社法の規定に従い管理官に登録されまた当該関税自治区に適

用される法令に基づく企業

bull 有効な会社法に規定するオフショア会社および支店

bull ASEZ法第(22)条(C)に規定する非ヨルダン企業

bull 会社法およびASEZ登録規則の規定に従い会社管理官に登録され

その目的がASEZ登録企業としてまたはASEZおよびヨルダン

外登録企業として経済活動を行うことである会社

bull 商法の規定に従い商業登録簿に登録され当該関税自治区1の適

用法令に基づく個人事業主

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 40: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

37 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 適用法令の規定に従い当該関税自治区で営業している専門業務機関

bull 当該関税自治区で運営されている非営利組織

以上のとおり非ヨルダン企業のASEZへの登録は認められておりその申請書は

以下の書類を添付して提出する必要がある

bull 該当官庁が認証した基本定款および通常定款の写しただし

提出日時点において当該認証から6カ月以内のもの

bull 会社を代理して申請書に署名する権限を申請者に与える会社

が発行し署名権限者が署名した書面

bull 申請者がヨルダン人の場合は国民番号を記載した身分証明書

非ヨルダン人の場合はパスポートの写し

8 財務および会計関係

会社法 1997 年 22 号に従い公開株式会社未公開株式会社無限責任パートナー

シップ有限責任パートナーシップ有限責任会社およびヨルダンで営業する外国会

社は年次監査済財務諸表を作成する必要があるまた会社法に基づき登録されて

いるすべての会社は正しい会計記録を保持し国際的に認められている原則に従っ

て年次監査済財務諸表を公開することを要求されている

さらに会社法は任期 1 年ごとに更新可能な監査人を選任するよう規定している

会社法では年次総会において新たな監査人を選任するまたは現在の監査人を再

任するのいずれかを決定する会社の株主は監査人の業務を評価しまた年次総

会での監査人による監査報告には以下が含まれるものと規定している

bull 義務を十分に果たすのに必要なすべてのデータおよび説明

が得られたことの確認

bull 企業が十分な会計記録および書類を保持していることの確認

企業の貸借対照表損益計算書およびキャッシュフロー表を

含む財務諸表は国際的に認められている会計および監査

原則に従って作成されていることの確認

bull 監査手順が十分に行われたこと

bull 財務諸表が会社の記録に一致するものであることの確認

bull 関連法的要件がすべて会計に反映されていることの確認

またヨルダン証券委員会(以下「JSC」)法1997年23号における開示監査に関す

る規則によりJSC の監督対象企業は国際会計基準を適用することが要求されて

いるしかし当規則では国際基準と国内法規の間に矛盾が存在する場合は国内

法規が優先すると規定しているさらに銀行法2000年28号によりすべての銀行

はヨルダン中央銀行(CBJ)により承認され広く認められている会計原則に従い

会計を記録し帳簿を保持し財務諸表を作成しなくてはならないと規定されている

9 外国企業の閉鎖手続きおよび必要書類

会社法 1997 年 22 号(改正版)に従った会社の任意清算手続きは以下のとおり

bull 臨時総会決議によって清算決定を承認し清算人を任命する

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 41: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

38 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

bull 清算を決意した会社はその対象となる会社の名称に「清算中」

という語句を付け加えなければならない

bull 清算人は会社の清算を完了し解散させるまでその会社の通常

の営業業務を監督しその財産および資産を保護しまたすべて

の事項においてその会社を代表する

bull 総会決議書の発行から 3 日以内に通商産業省会社統括管理局(「

管理官」)にその写しを提出するまた官報および国内日刊紙の

少なくとも 2 紙へその会社を清算する旨を公示する

bull 清算人は以下の手順に従いその会社の債権債務を決済しその

資産を清算する

a) 清算人は本法によって与えられた権限を行使して

その会社の清算を行うものとする

b) 清算人はその会社の債務者リストを作成し

その会社に対する債務の支払いを請求するために

債務者と行った交渉および手順の報告書を提出する

当該リストはそこに名称が明示された者が

その会社の債務者であることの主要な証拠とみな

される

c) 清算人はその会社の債務の支払いまたその債権債

務の決済をする処理をする

d) 2 人以上の清算人が任命されている場合それらの清算

人が下す決定はそれらの清算人を任命した決議時に

定められた内容に従って採択されるものとする当該

事項に関して定めがない場合にはそれらの清算人に

よる決定は満場一致または多数決により採択される

ものとするまたそれら清算人の間で合意が得られな

かった場合には裁判所が最終決定を下すものとする

bull 清算人は清算人の報酬を含む清算費用を控除した後その会社

の債務を次の指示に従い清算するものとする当該指示に対する違反は

無効とみなされる

a) 会社の従業員に支払うべき金額

b) 国庫または地方公共団体に支払うべき金額

c) 会社が賃借した不動産の所有者に支払うべき賃貸料

d) 有効な法令に沿った優先順位に従って支払うべき

その他の金額

bull 清算人とその会社の債権者との間で交わされた和解契約は会社

の総会がその契約内容を承認した場合にはその会社を拘束する

ものとするまたその会社が支払うべき債務の計 4 分の 3 に相

当する額の債権者が承認した場合にはその契約は全債権者を拘

束するその債務者の債務が抵当権もしくは優先権または担保に

より保証されている場合は前述した承認の決定に参加すること

はできないものとする締結された和解契約は締結日から 7 日

以内に日刊紙 2 紙にて公示されいずれの債権者または債務者も

その公告から 15 日以内にその和解契約への異議を裁判所に申し

立てることができる

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない

Page 42: 中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨ …...中東・北アフリカ諸国の貿易・投資関連法制度 (ヨルダン ... ... 6

39 Copyrightcopy2012 JETRO All rights reserved 禁無断転載

本手順の完了までには少なくとも 6 ~ 12 カ月かかるただし会社清算期間は

管理官が決定する例外的な場合を除き3 年を超えてはならないまた会社に対し

て訴訟が提訴された場合には清算手続きは判決が下されるまで中断される

LLC 清算の公的手続き費用は会社の規模手続き完了までの時間および清算中

に発生する問題によって決まるがいずれの場合も最低額は 20000 JD である

最後に清算人検事総長管理官または利害関係者による申し立てにより裁判所

が企業の任意清算を強制清算に切り替えることまたは清算が裁判所の監督の下

で決定した条件および制限に従って行われることを条件に任意清算を継続すること

を以下の状況においては判断する場合がある

bull 企業が法令またはその定款に対する重大な違反を犯した場合

bull 企業がその約定を果たせなかった場合

bull 企業が法的または正当な理由なしにその営業を 1 年間停止した場合

bull 企業の損失がその引受済資本金の 75を超える場合ただし企業の総

会が資本金増額を決議する場合を除く

会社法 1997 年 22 号では発行された営業ライセンスはその目的が完了した時点

で速やかに終了すると規定されているさらに外国企業または団体の支店は管理

官にヨルダンでの営業を終了する予定日または終了と定められた日を書面で通知し

なくてはならないその通知は当該日より少なくとも 30 日前までに行われるもの

とするまた外国企業の支店は管理官に対し登録取り消しの承認を取得する前に

ヨルダンでの営業から発生した債務すべてを完済していることを証明しなければな

らない