egawa_b_2013
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egawa presentation B4 2013TRANSCRIPT
入力作業におけるゲーミフィケーションの効果に関する検討
北海道大学工学部情報エレクトロニクス学科
複雑系工学講座調和系工学研究室
4年江川 知樹
1
研究背景
外的要因
内的要因
外的要因には限界がある内的要因に注目
ゲーミフィケーションを導入
クラウドソーシング
モチベーション
多くの仕事の種類多くのユーザーが存在する
クラウドソーシングにゲーミフィケーションを導入して、ユーザーに楽しく、多く仕事をして欲しい目的2
目的に向けたアプローチ
クラウドソーシングにゲーミフィケーション
を導入
ユーザーに楽しく、多く仕事して欲しい
効果的なゲーミフィケーションの提供
•ゲーミフィケーションの効果に対する知見
•ゲーミフィケーション手法の効果測定に対する課題
本研究•ゲーミフィケーションのシステムを構築•ユーザー行動を観測
先行研究 目的
3
第一歩として
ゲーミフィケーション
分野 会社名 サービス名
教育 すららネット すらら
健康 Nikeタニタ
Nike+からだカルテ
Webサイト GREE,mobageなどカカクコムグループ
ソーシャルゲーム食べログ
企業 シンクスマイル CIMOS
定義
「人を夢中にさせるゲームのメカニズムを応用し、ゲーム以外の分野で、利用者の行動を促す手法である。」 [村田,「ゲーミフィケーションの活用事例と課題」,NRIレポート, 2012]
活用事例
4ゲーミフィケーションの効果があると考えられる
ゲーミフィケーションの要素
アチーブメント アバター バッチ
ボス戦 コレクション コンバット
アンロック ギフティング リーダーボード
レベル ポイント クエスト
ソーシャルグラフ チーム バーチャル
[ケビン・ワーバック, 「ウォートン・スクールゲーミフィケーション集中講義」, 阪急コミュニケーションズ, 2013]
5
利用者の行動観測に向けた実験環境(江川1号)
観測するデータ PV (ページビュー), 作業数, 時刻
期間 3日間
対象 13人 (研究室の学生)
作業 ブラウザ上の入力作業
ゲーミフィケーションの要素 短期的に効果があるもの•コレクション•ポイント•レベル•チーム•リーダーボード
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コレクションポイントレベルチームリーダーボード
表示
行動(入力, ページ閲覧)
ブラウザ(HTML, JavaScript,
jQuery Mobile)
行動情報 行動情報
江川1号のシステム図
アプリケーションサーバ
(Apache+PHP)
データベースMySQL
作業情報ゲーミフィケーションの要素
ユーザーID作業時間,データ閲覧ページのPV・閲覧時刻
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ユーザーID作業データ
江川1号の全体像
入力作業ページ(メイン)
1クリックで遷移8
1クリックしなければ見れないコレクション
ポイント
リーダーボード
レベル
チーム
ガチャ(コレクション)
一定数入力することによってコインを与える
コインを消費することによって画像を入手できる
期待される効果 収集欲を刺激して入力を促す
取得済み画像
現在のコイン
未取得の画像
ガチャを引くボタン
9
作業数のグラフ化(ポイント)
入力数に応じて画像が表示される
期待される効果 達成感を刺激して入力を促す
入力数に応じて大きさが変動する画像
日ごとの入力数を表示
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レベル設定(レベル)
• 作業数に応じてレベルを設定
• レベルと次のレベルまでに必要な作業数が表示される
期待される効果 成長欲を刺激して入力を促す
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全体目標の提示(チーム)
作業全体の目標を設定し全体の目標、全体の作業数、目標までの作業数を表示する
期待される効果 協力感を刺激して入力を促す
全体目標の達成度を表示
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ランキング(リーダーボード)
期待される効果 競争欲を刺激して入力を促す
•全ユーザーの作業数を順位付け•ユーザー名、作業数、順位を表示させる
ユーザー名
作業数
順位
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作業内容
むかしむかし アリスという おんなのこが いてね、 とっても へんてこな ゆめを みたんだ
単語の最初と最後の文字以外を入れ替えた文章を元の文章に変換する
問題例
正答例
14
実験の結果
ユーザーの作業数の時系列
終盤に入力を始めたユーザー
時刻
作業数
15
時刻
作業数
全体目標に向かった協力の例
実験の結果
16
競争が発生した例
実験の結果
時刻
作業数 ユーザー1ユーザー2
17
ガチャのページを見ているのにガチャを回していないユーザーが存在
作業数 vsガチャのページのPV 作業数 vsガチャの結果のページのPV
ガチャの利用状況
実験の結果
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クラウドソーシングにゲーミフィケーション
を導入
ユーザーに楽しく、多く仕事して欲しい
効果的なゲーミフィケーションの提供
•ゲーミフィケーションの効果に対する知見
•ゲーミフィケーション手法の効果測定に対する課題
先行研究 目的
まとめ
江川1号 得られた結果
•ガチャやレベル設定:ゲーム性の強化
•作業数のグラフ化:グラフの改善
•要素の追加、削除
江川2号に向けて
•ガチャやレベルにメリットがない•ガチャが目的で入力していた•ランキングを見て競争していた•グラフがわかりにくかった•具体的な作業数が欲しかった etc
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ガチャ
競争 全体目標
作業数
20
まとめ
ガチャやレベルにメリットがないガチャが目的で入力していたランキングを見て競争していたグラフがわかりにくかった具体的な作業数が欲しかった etc
意見ガチャやレベル設定:ゲーム性の強化作業数のグラフ化:グラフの改善要素の追加、削除
江川2号に向けて
21
まとめ
22
23
研究の目的
• クラウドソーシングにゲーミフィケーションを導入して、ユーザーが楽しく多く入力して欲しい.
• クラウドソーシングの入力作業にゲーミフィケーションのいくつかの要素を導入し、ユーザーの行動を観測する
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入力作業ページ
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江川1号のシステム図
ユーザーID作業データ作業時間閲覧ページのページview閲覧時間
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研究の位置づけ
27
まとめ
PVに着目
ゲーミフィケーションの要素ごとにPVを観測できる環境を作った
別の指標が必要では?
今回の実験からはPVだけではゲーミフィケーションの要素の効果が観測できるとは結果からはわからなかった
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目的:クラウドソーシングにゲーミフィケーションを導入して、ユーザーが楽しく、たくさん入力して欲しい
クラウドソーシングでたくさん入力されたよ!
クラウドソーシングにゲーミフィケーションを導入した際の影響を知る
観測できる環境を作る
予備実験:小さい環境での実験
結果から大きな環境へ
結果を吟味するとりたいデータがとれたのか
実証実験で効果を測る
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現実 理想
分析
その指標を観測できる環境を作る
理論
実証
現実 ・ 理想クラウドソーシング入力作業がx
ゲーミフィケーションの効果を測定する方法の確立
効果を定義できる指標を検討する
作った環境で予備実験
作った環境で効果が図れたかを検証
効果を定義できる指標の決定
実際の環境で検証
ユーザーが楽しく、多く仕事
30
実験の結果
31
得られた結果時間vs各ユーザーの作業数
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時間vs全ユーザーの合計のPV
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結果からの考察
序盤 中盤 終盤 終了間際
序盤:どの要素のページも同じくらいに閲覧される中盤:要素のページ毎に閲覧される頻度が変わってくる終盤:全体目標とランキングのページが閲覧の頻度が上がっている終了間際:全体的に閲覧されている、特に全体目標とランキングのページがより閲覧されている
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まとめ
ゲーミフィケーションの要素の効果の差は中盤以降に大きくなっていく
ソーシャルな要素は終盤以降に効果が大きくなっていく35
36
おまけ
37
ユーザー毎の入力数vsPV
38
39
40
41
42
43
44
PVの割合
45
46
ユーザーごとの結果
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
得られた結果• 作業数 vs PVの関係に対する線形近似関数の傾き
• 全体のpv比率
• 傾き*比率
ゲーミフィケーションの要素の評価が得られる0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
要素1 要素2 要素3 要素4
要素1
要素2
要素3
要素4
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小目標 小目標 小目標 小目標 小目標 小目標
中目標 中目標 中目標
大目標
目的
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目的
目的ゲーム内目標 ゲーム内目標
行動
行動 行動 行動 行動
達成
達成 達成 達成
通常の作業
ゲーミフィケーションを用いた作業
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UI システム
入力ページを開く
ユーザーのデータリクエスト
結果
ユーザー
問題のリクエスト
結果
問題の表示
データの入力
入力データの書き込み
ユーザーデータの上書き
動作の終了動作の終了
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仮説
導入した全要素の中でどの要素が入力数に影響しているのかを調べたい
入力数の多い人ほど使っている要素がより効果的な要素ではないか?
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研究の目的
ゲーミフィケーションの研究は、ある分野にゲーミフィケーションを導入して効果が出たかどうか
どのように導入すれば効果的か?
研究の目的
「より」効果的なゲーミフィケーションの検討
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研究背景
• 入力作業のような誰にでもできるような作業はランサーズのようなクラウドソーシングで世界中の人に仕事を任せる事によって入力数を増やすことが出来る
• 情報をデータ化することによって、情報を簡単に編集や共有化ができるようになるので、情報をデータ化するための入力作業は大切である
• データ化するための情報は数多く存在し、多くの作業数が必要であるが、入力作業は誰でもできるので賃金が安く、入力作業自体へのモチベーションが必要である
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全体のPVの割合の遷移
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研究背景
• 情報をデータ化するための入力作業は情報が多く存在するので多くの仕事があり多くの入力数が必要であるが、入力作業は誰でもできるので賃金が安く、入力作業自体へのモチベーションが必要
• 入力作業のような誰にでもできるような作業はランサーズのようなクラウドソーシングで世界中の人に仕事を任せる事が出来る
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研究背景理想的な入力作業の仕事
発注者: 品質・納期が保証されており、コストが低い仕事
受注者: 満足度が高く、自分から進んでやりたくなる仕事
コストを下げ、多くのデータを取得する方法として
クラウドソーシングがあげられるが品質や納期の保証がされていない
理想的な入力作業の仕事にするために、
受注者に自分から進んでやりたくなるようにし、生産性を上げるために
「ゲーミフィケーション」に注目する
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研究背景
• ランサーズや、クラウソワークスに代表されるクラウドソーシング
• 世界中の人に仕事を依頼することが出来き仕事とのモチベーションのマッチングが起こる
• 受注者は仕事を取捨選択でき、やりたい仕事だけをすることが出来る
• 発注者として仕事をしてくれる人を探すコストを抑える事が出来る
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