英国:ビジネス活動正常化に向けた基本情報...英国:ビジネス活動正常化に向けた基本情報...

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経済活動再開状況(イングランド) Copyright (C) JETRO. All rights reserved. 禁無断転載 経済活動・行動制限状況 英国:ビジネス活動正常化に向けた基本情報 (2020年7月20日時点) 経済活動・行動制限 あり 主な制限と再開基準等 英国政府は3月23日、国民の自宅待機、飲食、小売店(持ち帰り、宅配は可)などの一時閉鎖、3以上の集会の禁止などの措置を導入。 措置の緩和には次の5つの要件を満たす必要あり。①国営医療サービス(NHS)の対処能力が確保さ れていること。②1日の死亡率が長期間一貫して減少すること。③感染率が対処できる水準まで減少した ことを示す信頼性の高いデータを緊急科学諮問会議(SAGE)から入手できること。④現場の課題に十 分対処し、必要な検査や防護品(PPE)などが将来需要も含め確保できる確証があること。⑤現行措 置の緩和がNHSの対処能力を大きく超えるような第2の感染ピークにつながらないと確信できること。 英国政府は5月11日、経済活動の段階的な再開にあたり事業者向けの新ガイダンスを発表。可能な限 り在宅勤務を継続することを前提に、出勤が必要な従業員が2メートルの対人距離を確保できるよう、職 場の特徴に応じて床や机に目印を設置することや、距離確保が難しい場合の間仕切りの設置などを解説。 イングランドで7月17日から、これまで重要職種の人々以外は原則利用を避けるよう勧告していた公共交 通機関は、他の交通手段の検討を推奨しつつ、誰でも利用可能に。通勤再開については、8月1日から 在宅勤務奨励に変わり、雇用主の裁量を拡大するようガイダンスを改訂予定で、従業員とよく協議した上 で、安全に就業可能であれば、出勤を選択できるようにする。 イングランドでは、公共交通機関に加え、7月24日から店舗内でもフェイスカバー着用を義務化。 緩和の内容や時期は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの各地域で異なる。 感染者状況 累計感染者数 297,792人 累計死亡者数 新規感染の傾向 (直近1週間前比) 45,300人 ⤴(増加) ※出所:欧州疾病予防管理センター(ECDC) 渡航/入国制限状況 外務省渡航情報 レベル3 (渡航中止勧告) 日本からの直行便 JAL週3便(羽田⇔ロンドン)、ANA週3便(羽田⇔ロ ンドン)、ブリティッシュ・エアウェイズ週3便(羽田⇔ロンド ン) 主な入国制限措置概要 入国制限は無し。ただし6月8日から、英国内連絡先 等の渡航前登録と、入国後14日間の自己隔離を義 務付け(英国と共通旅行区域:CTAを形成するアイ ルランド、チャンネル諸島、マン島からの渡航者は対象 外)。 日本を含む約60カ国・地域と14の英国海外領土から 入国する渡航者に対しては、7月10日から入国時の 自己隔離を免除(連絡先事前登録は必要)。 店舗営業が認められていた生活必需品取り扱い店舗などに加え、6月1日からは屋外市場と自動車 ショールームの営業再開が可能になり、6月15日からはその他の全小売店で店舗営業が可能に。 7月4日から対人距離2メートルの義務を緩和。可能な限り2メートルの確保を勧告しつつ、困難な場合は 対面着席の回避や職場レイアウト変更、アクリル板やフェイスカバーの使用といった「緩和策 (Mitigations)」を条件に、1メートルの対人距離を許容。 同日には飲食店の店内営業、宿泊・娯楽・観光施設、ヘアサロン、野外運動場、映画・美術館などの営 業が可能に。11日には屋外プールや屋外での演劇・演奏が、13日からはエステ、ネイルサロンなども再開。 7月25日からは屋内のジム、プールなどが、8月1日からは屋内での演劇・演奏やカジノなどが再開予定。 ナイトクラブなどは閉鎖を継続。

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Page 1: 英国:ビジネス活動正常化に向けた基本情報...英国:ビジネス活動正常化に向けた基本情報 (2020年7月20日時点) 欧州における新型コロナウイルス対応状況ウェブサイト

経済活動再開状況(イングランド)

Copyright (C) JETRO. All rights reserved. 禁無断転載

経済活動・行動制限状況

英国:ビジネス活動正常化に向けた基本情報(2020年7月20日時点)

経済活動・行動制限 あり

主な制限と再開基準等

• 英国政府は3月23日、国民の自宅待機、飲食、小売店(持ち帰り、宅配は可)などの一時閉鎖、3人以上の集会の禁止などの措置を導入。

• 措置の緩和には次の5つの要件を満たす必要あり。①国営医療サービス(NHS)の対処能力が確保されていること。②1日の死亡率が長期間一貫して減少すること。③感染率が対処できる水準まで減少したことを示す信頼性の高いデータを緊急科学諮問会議(SAGE)から入手できること。④現場の課題に十分対処し、必要な検査や防護品(PPE)などが将来需要も含め確保できる確証があること。⑤現行措置の緩和がNHSの対処能力を大きく超えるような第2の感染ピークにつながらないと確信できること。

• 英国政府は5月11日、経済活動の段階的な再開にあたり事業者向けの新ガイダンスを発表。可能な限り在宅勤務を継続することを前提に、出勤が必要な従業員が2メートルの対人距離を確保できるよう、職場の特徴に応じて床や机に目印を設置することや、距離確保が難しい場合の間仕切りの設置などを解説。

• イングランドで7月17日から、これまで重要職種の人々以外は原則利用を避けるよう勧告していた公共交通機関は、他の交通手段の検討を推奨しつつ、誰でも利用可能に。通勤再開については、8月1日から在宅勤務奨励に変わり、雇用主の裁量を拡大するようガイダンスを改訂予定で、従業員とよく協議した上で、安全に就業可能であれば、出勤を選択できるようにする。

• イングランドでは、公共交通機関に加え、7月24日から店舗内でもフェイスカバー着用を義務化。• 緩和の内容や時期は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの各地域で異なる。

感染者状況

累計感染者数 297,792人

累計死亡者数新規感染の傾向

(直近1週間前比)

45,300人 ⤴(増加)

※出所:欧州疾病予防管理センター(ECDC)

渡航/入国制限状況

外務省渡航情報レベル3

(渡航中止勧告)

日本からの直行便

JAL週3便(羽田⇔ロンドン)、ANA週3便(羽田⇔ロンドン)、ブリティッシュ・エアウェイズ週3便(羽田⇔ロンドン)

主な入国制限措置概要

• 入国制限は無し。ただし6月8日から、英国内連絡先等の渡航前登録と、入国後14日間の自己隔離を義務付け(英国と共通旅行区域:CTAを形成するアイルランド、チャンネル諸島、マン島からの渡航者は対象外)。

• 日本を含む約60カ国・地域と14の英国海外領土から入国する渡航者に対しては、7月10日から入国時の自己隔離を免除(連絡先事前登録は必要)。

• 店舗営業が認められていた生活必需品取り扱い店舗などに加え、6月1日からは屋外市場と自動車ショールームの営業再開が可能になり、6月15日からはその他の全小売店で店舗営業が可能に。

• 7月4日から対人距離2メートルの義務を緩和。可能な限り2メートルの確保を勧告しつつ、困難な場合は対面着席の回避や職場レイアウト変更、アクリル板やフェイスカバーの使用といった「緩和策(Mitigations)」を条件に、1メートルの対人距離を許容。

• 同日には飲食店の店内営業、宿泊・娯楽・観光施設、ヘアサロン、野外運動場、映画・美術館などの営業が可能に。11日には屋外プールや屋外での演劇・演奏が、13日からはエステ、ネイルサロンなども再開。

• 7月25日からは屋内のジム、プールなどが、8月1日からは屋内での演劇・演奏やカジノなどが再開予定。ナイトクラブなどは閉鎖を継続。

Page 2: 英国:ビジネス活動正常化に向けた基本情報...英国:ビジネス活動正常化に向けた基本情報 (2020年7月20日時点) 欧州における新型コロナウイルス対応状況ウェブサイト

英国:ビジネス活動正常化に向けた基本情報(2020年7月20日時点)

■ 欧州における新型コロナウイルス対応状況ウェブサイト

ジェトロウェブサイトにて新型コロナウイルス関連ニュース、動画によるワンポイント解説、欧州各国の企業などに対する支援策を紹介。

https://www.jetro.go.jp/world/covid-19/europe/

TEL : 03-3582-5651(平日9時~12時/13時~17時(土日、祝祭日を除く))

■ 新型コロナウィルスに関するお問い合わせ

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注目のトピック

公衆衛生分野の買収への介入を可能に

• ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)は6月21日、公衆衛生の緊急時に重要な役割を果たす英国企業に対する、買収を阻止するための関連法を変更することを公表。翌22日に議会に省令案を提出し、23日に施行した。政府が介入できる事案として安全保障、メディアの寡占防止、金融の安定性の3つを規定している2002年企業法(Enterprise Act)の一部を変更し、「公衆衛生の緊急時」を追加した。

• 今回の変更で、ワクチン研究や医療防護具(PPE)製造業など、感染症対策に直接関与する企業が買収の標的になった際、政府が介入することが可能になった。新型コロナウイルス感染が拡大する中、既にフランスやドイツも類似の買収規制に動いており、英国も追随した格好。アロク・シャーマBEIS相は22日、「英国は(外国からの)投資に門戸を開いているが、搾取は認めない。機会に便乗した投資家による買収から重要企業を守るために法律を変える」とツイートしている。

開催日 セミナー・イベント名

2020年5月15日(ビデオ配信)

【WEBセミナー】新型コロナウィルスをめぐるドイツの現状と企業の対応

■ イベント情報

現地日系企業の活動状況

現地日系企業の抱える課題

操業状況、現在抱える課題、懸念ほか

• ジェトロと在英日本商工会議所が5月中旬に実施した在英日系企業への新型コロナウイルスの影響に関するアンケート調査によると、ロックダウン以前よりも活動規模を縮小している企業が半数を上回るも、同程度の活動規模で継続している企業も4割強に上った。全従業員を在宅勤務としている企業も半数以上あった。

• ロックダウンの段階的緩和が始まってからも、多くの企業が職場での対人距離の確保や通勤時の感染リスクなどを課題と考えており、在宅勤務を実施している企業の6割弱が、出勤拡大の時期は未定と回答。従業員の安全確保体制の確立や政府による在宅勤務推奨の解除が必要とする声が多かった。

• 4月の売り上げは3社に2社で減少、その内の4割は50%超の減少。また資金繰りに支障が生じている企業は全回答企業の1割弱で、親会社からの支援や給与調整などで対応。製造拠点を持つ企業の8割は減産または生産停止中で、その要因は需要の減少が最多。

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■ 情報提供

ジェトロ・ロンドン事務所では、在英日系企業向けに新型コロナウィルス感染症に関するメール配信とオンライン法律相談の各サービスを実施中。