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2003.3.31発行(株)ジ工ティクリエイチイブサービス

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モロ工さんの毒舌は今月ら絶応謁!

。f世wtJわ方る宗務社会学入門j

鱈爪六三郎著筑摩書房 (2001年 9月20日発行)

世界の宗叙の解説書です。キリスト教に

関する解説は、信徒の私からみると

ちょっと問題を感じ主よくも芯い記述か

古t読 の力¥|ナら

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厚塁間

宗毅を知ろうという呼びかけで書か

れてはいるのですが、この本を通読

しだ後も、イスラム教のことなどよ

く分かりませんでしだ。

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……と無党派が支えてい

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川に改革の中身を求めな

州い国民にも質任があ

……る町。

東玉大大学院の

川橋爪大コ一郎教授(社会

川学)は二十四日、諏訪

川市での信毎セミナーで

6月25日 (71<曜日)

こう分析したH写真。

官庁が大きな権限を

握り政治家の立案能力

が低いため、あるはず

の政権交代がない、と

指摘。「日本人は目的

に向け合理的な手段を

探る思考が欠け、お上

意識も根強い」とした。

「各国が自分の様式

で動き始めたのに、日

本の進むべき道を誰も

示していない」。政治

・経済の危機を乗り越

えるために

は、独自に

情報を分析

し判断する

必要がある

と訴『えた。

2003年 (平成15年)

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橋 爪大三郎

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描rVEVVWAVE

橋爪大三郎さん東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻教授(社会学)

橋爪大三郎さん(はしづめだいさぶろう)DAISABURO HASHIZUME

1948年、神奈川県生まれ。現在、東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム

専攻教後。1972年、東京大学文学部社会学科卒業。1974年、東京大学大学院社会学

研究専!十修士課程$業。1977年、東京大学大学院社会学研究科1時士課程修了。 1989年、

東京工業大学工学部助教慢(社会学)、 1995年、東京工業大学工学部教担就任。著書に

fこんなに困った北朝鮮Jf言語派社会学の原理H世界がわかる宗教社会学入門Jf幸福

のっくりかたH政治の教室jほか多数。近著にfその先の日本国へ1f日本人は宗教と磁

争をどう考えるのかJ(島田裕巳共著)IT心Jはあるのかjがある。

ー円

斗削川

東京工業大学大学院社会理工学研究科価値

システム署捜VALDES(ヴァルデス)とは何か?迷走する日本社会を再組織するために‘21世紀は新しいタイ

プの社会的リーダーが求められている。文系.理系の学問的区分を越えたジzネラリスト.価値判断と意思決定の両方における卓越した能力を昨つ現実問題へのスベンャリストたち

の聾成の唱として1996年.東京工業大学大学院社会理

工学研究科に新たに量1I政されたのが.国内初の大学院ブロ

ずラム・ VALDES(Valueand Decision Sience・意思決定学)。高度f，j:価値判断に基づく困縦な意思決定を迫られ

ているリーター。その孤独主意思決定t関連するあらゆる学問領減からサポートしそれをよりよい;l!択に結びつけるため

の実路的主トレーニンずを柵む教育の唱で晶る.VALDESのトレーニンずの柱は、数学(問題回数理的立把混と分析}と哲学(自然言語による合意ß~成の緯術)。 主l!の融合.数学と

留学の融合、学問と実践の融合、この三つのJ!念を掲げて

の人たちはー実は責任のある立場にない それに政治家。こういう人びとは‘すべ けれども、企業だって個々人を選ぶよう

んです。そこから書類が上にあがって.ハ てのことに通じていることが望ましい。 になる。賃金が下がったり、失業したり

ンコがペタペタ並んでいき、最後にめく すべてのことに通じていなくても、ぞれ するかもしれない。会社に貢献していな

ら判を押すのがリーダー。組織のいちば ぞれの分野のエキスパートを、ブレーン いのに.同期と同じように昇給していく、

ん下から入って、リーダーになる訓練な として使いこなせなければならない。ぞ なんてことは当然望めなくなる。それが

んて何も受けず、退職間際にトップに ういうリーダーって、どこにいますっ ぃ 当たり前だったのです。

なってしまし叩つつがなく過ごそうJとい ないでしょう。いないなら、育てればい

う担がれているだけでいいパターンで いんです。もちろん、東工大だけでは、人 一一一VALDESの実践ブロク.ラムと今後の

すね。ルーチンつークの官僚組織だから、 数も足りません。けれども、手をこまね 展開を教えてください

これでなんとかなっている。でもいま いているわけにはいかないので‘こうい たとえば今年、「価値システム学応用」

はどんな組織も、環境が激変し、将来を うリーダーが必要だというメッセージを という講義を、外務省の前事務次官‘川

見通して大事なことを決めなくてはいけ ちゃんと伝えよう。何人かでもそういう 島裕氏に担当いただいてます。この議

ない。 日本はそういう意思決定のできる 人間を育てよう。そう考えたのが、出発 義は‘安全保障‘歴史問題‘経済的利害

リ ダーを資でるのがほんとうに下手。 点です。 など、さまざまな要因を踏まえたうえで¥

いい例が、文系/理系の区別です。高 現実の具体的状況の中で「君ならどうす

校で、数学ができるから理系、できないか いま直面している問題はわかりま るつ」と学生に問いかけるものです。別の

ら文系、と分けてしまう。そのまま大学 すが、次の世代のリーダーを育てるのに 考えの人がいた場合‘どのように説得す

を出て企業に入り.理系の人聞は技術部 時間がかかる.5年後、10年後を見渡し るのか、反論するのか.も学びます。ピジ

門で研究開発などに従事する。経理も法 て教育していく人も大事ですね? ネス ・スクールとはひと味違った‘ケー

律もさっぱリわからないから、企業を縫 li:かに時間がかかるかもしれない。だ スメソッドです。前提と目的がはっきりし

れて独立なんかできない。文系も同じで、 から.次の世代に期待している。教育を ている状況で、意思決定のプ ロセスに貫

人事や総務や法律はわかるけども、肝心 重視するのはそのためです。これが教育 任を持つ。こういう訓練は実践的で.8

の科学技術がわからないから、やはり会 プログラム。とは言え.いまの社会その 本人に欠けていたものです。

社をつくれない。どちらにしてもー会社 ものも‘一刻も早く変えていかなければ 今後は.社会の側の理解と期待も大事

に依存する会社人問、組。織依薄型の人間 ならない。社会情造のプログラムとして になります。産業界や官庁と提携して.1守

が唱えるばかりなわけです。 提案できると患います。たとえば企業 来必要とされるすぐれた人材を.今のう

だったら.人事のシステムを変えるとか‘ ちから養成していくことが理想です。企

一一文系 ・理系の!e根を越えたシ.エネラ 中途採用をi告やすとか、外国人に対する 業や官庁側から「こういう寄付講座をつ

リストが不足し、かつ組織依存型の人間 差別をなくすとか.組織の柔敵性を1曽や くって、こういう人材を送り込むから.こ

が貴重えている。だからネオ ・リーダーが していく。 組織が柔致になれば‘個々人山卜レニンクをーJとi

必要だ、というメッセージの発信も重要 にとって選択肢が増える。選択肢が増え いうような提案があるとーさらにうまく

なテーマですね。 れば.自立性と自由度が高まって.幸福 いくのではないか。また、海外の大学の

大企業や中央省庁や自治体のトップ‘ になる。けれども‘個々人が企業を選ぶ 研究機関とのi引先も進めていきたい。

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性要必RR

の司目]

VALDESt立国内初の大学院プログラ

ムですが、創設の理由を教えてください。

日本はいま‘因ったことだらけて・すか¥

とくに深刻なのがまず‘リーダーの不足。

そして‘リーダーの資質の不足。ぞれど

ころかどの世界でも、問題解決にすぐれ

た資質を持ったリーダーが必要だという

自覚がなく、その必要性もわかってい

ない。これでは日本の社会を正しい方向

に導けない。こういう危機感から、社会

のネオ・リーダーを育成するために.大

学院のプログラムを楠想しました。

では、リーダー不在の原因と現状は

どのようになっていますか?

日本のリーダーは「おみこし」と言われ

ていてね、企業だったら課長部長‘中央

省庁だったら課長補佐など、パリパリ一線

も橋爪大三郎研究室

f・品百五百円訳;:!百二二;-1 hllp:liwww2.valdes.lilech.ac.jprhashizm/lexV

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も 東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム駒 山LDES

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偶m氏著.紹介

「心Jはあるのか .シ1)-;).:.人間学1

ち〈ま新暫定価630円+硯

心 I~ ， r心J そのものとしてはありえない. その理

由を論理的に展開する。言語派社会学を掲げ'

る著者が「心Jの存在を多角的に綴I~し、常識を鮮やかに湘す 冊。

NEWWAVE

橋爪大三郎さん東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻教授(社会学)

それには、英語なと‘国際的なコミュニケー

ション能力ー国際的なリーダーシップが

必要になります。国際舞台で活躍してい

る教員に‘大学院のスタッフとして加

わってもらってー英語で授業を行なう。英

語のトレー二ングも行なう。これも、目

指しています。

は学校に不可欠なものですが、大人がそ より有意義な人生を送るためのものです。 から、 正しい決定をしようという動機に

んなふうに考えれば‘子供もそのように そういうツーJレとして.歴史、文学、哲学、 芝しい。自分の金なら真剣に考えるし.

考えるわけです。そこに深いニヒリズム つまり価値というものを見つめるべきな 適切な理性もはたらく。財務管が国民の

が生じる。「哲学も歴史も文学も、結局白 んです。そしてそれはリーダーだけでは 税金を財政投融資として運用し.運用に失

分とは関係ない。試験で苦しめられるば なくて、誰もがやるべきことではないで 敏したからといって‘役人は平気ですよ。

国 ] 危機感、 自己責任、 価値を

L三三l見つめる姿勢に欠ける日本人

かりで‘ 自分が幸せになるのに役に立た しょうか。 むしろ何もしないで.去年と同じにして

ない」と思ってしまう。とんでもない。実は、 いれば‘自分の身は安泰だ。そうすると，

そうしたものは.人聞が一生懸命に「白 一一議しも自身のアンデンティティーを 積極的にリスクを背負って運用しようと

分は何のために存在しているのかつ」 確立しておかなければいけませんね。 いう意欲もわかない。要するに‘政治も

とか 「どうすれば幸せになれるのかつ」 そうです。重要なことは、これからど 経済も官僚化し.無責任になっているわ

とか「どうしたら人にわかってもらえる ういう摘造の.どういう存在になるのか、 けです。これを根本から覆そう。これが

のかつJrどうしたら人を理解できるの といったイメージがちゃんとあって、そ すべてに共通する姿勢です。 自己責任の

一一戦後、 お金持ちになることを全体の

目僚として掲げてきた日本が、その目棟

を達成したあと、次にと.こへ向かっていっ

たらいいのか、社会も政治も家庭でも誰

も教えてこなかったのでは?

それは価値観の問題ですね。

どうやれば幸せになるんだろうつお金

が大切だ。「いい成績を取って‘一流の大

学に入り、一流の会社に入る。それが幸

せというものですよJと.みんなが思っ

た。何ともイージーですね。どうやって

幸せになるかは、 他人に聞いたり、教え

てもらったりすることではなくて、 自分

自身がめいめいこういうものだと納得す

るものです。 自分の人生なんだから。そ

れは学校で教える問題じゃない。家庭の

問題かもしれないが.最後は一人ひとり

の問題です。そういうふうに思い切らな

きゃいけない。 自分で信じるものをつく

りださなくては‘この問題は解決しない

んです。でも.それをまったく怠ったわ

けですね。本来、 こういう問題を解決す

るためにこそ、人間には.哲学や歴史や

文学.つまり人間についての深い洞察が

必要なんて・す。

か'?Jとかについて、もっとも英知ある人 のためにいったんドロドロになって‘ 自分

びとが考えを尽くし、努力して導き出し のアイデンティティーをもう一度定義し

てきた知恵の結晶であり、その記録です。 直すこと。そういうきしみの時期が必要。

これらをひもとく作業は、一人ひとりで 日本はいま、そういう苦しみの最中かも

伺かの結論を出そうという場合、真っ先 しれませんね。ただ、苦しみの時期は、 出

にやるべきことです。だから学校で教え 口が見えていないと、 エネルギーが湧い

ている。試験に出るから教えるのでは てこない。だから出口を見つけようじゃ

ない。そこが転倒しているわけです。 ないか。そのために苔しもうじゃないか。

「こっちがいい、いや.あっちがいしリと、

ーー一一みんなが自分の頭と言葉で考えるこ 議論しようではないか。さもないときし

とが大切ですね。 みが永遠に続いてしまう。実は、答えを

歴史をふり返れば‘問題解決をさぼり、 知っている人なんていないんで・す。答え

真剣に取り組まなかったために滅びた文 を知らなくてもいろいろ言うのは簡単で‘

明や国家が‘ 山のようにあります。「試験が それは評論家です。でも.そうこうして

終わったから、もう問題を考えない」では、 いるうちに‘破産する人もいるし、自殺

なんの未来もありません。 ここで提言し する人もいるし.ぐれる子供もいる。み

たいのは、もっと真剣に生きょうではな んな苦しんでいる。長期的なことを考え

いか、ということです。これもこの大学 なくてはいけないが、 同時に「いま、この瞬

院の教育プログラムの、メッセージに 閤に、伺をするのか」についてつぎつぎア

含まれています。歴史とは伺のためのも イデアを思いついて、適切に手を打ってい

のか?現在をよりよく生きるための かないと、長期的な問題も解決しない。そ

もの.です。文学とは伺のためのものかつ うしりた危機感や切迫感が、やっぱり日本

それは、詮のためでもない.自分を深く には足リないなと思います。

見つめるためのものですね。哲学とは何 もうひとつ重要なのは‘自己実任です。

のためのものかっそれは、ものごとを正 他人の金だと、ひとは無責任になる。 た

しく考えて、他の人びとと討論し、共に とえば官僚。税金を預かっているだけだ

一一それらのものは学校でなく、個人が

白らの意志で学ぶべきものでは?

学校は.それらのものも「教えているJ

と言うでしょう。なぜ教えるつ試験に出

るからです。 i試験に出るから覚えなさい‘

試験に出ないから覚えなくていい。試験

論理で‘ 自分の足で立ち、自分の頭で考

える。この原理を貫くことが、大学院「価

値システム」の課題ですけれども、日本

の諜題でもあるし.人類永遠の課題では

ないでしょうか。

一一一日本が抱える問題と、問題解決の能

力を持ったリーダーの必要性など、とて

もよくわかりました。本日はどうもあり

がとうございました。

• [取ti1を終えて〕

的代の論容はJI与にi放しく、 H寺にやさ しく

日本の諸問題を併きほぐしてくれたの1:1

本のリ ーダーに欠けている資質とは、 ))1

返せば作 I~I が勝ち取る こ とのできる可能

性にあふれた資質でもある。J:I己点任に

立!山lした人間になるための手がかりは、

橋爪さんの言葉の".， に波打っている。

そのしぶきを受け、WI'、lに染み込ませる

作業は、 !ぷうほどつらいことではない

はずだ。 [HM阿川同凶

)..(J(JJ -3ーの『セキユリ子イ研究』 第 6巻第 11号通巻第 60号 p19-22SRIセキュリティ総合研究所

2003.10.15発行

[はしづめ

フィール]1948年神奈川県生まれ

学歴

1972東京大学文学部社会学科卒業1974東京大学大学院社会学研究科修士課程卒業・社会学修士1977東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学略歴

19&9東京工業大学工学部助教援(社会学)1995'東京工業大学工学部教綬(社会学)1996現職

専門分野 ー

理論社会学、宗教社会学、現代アジア研究、現代社会論所属 r

東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻・教援

aZE.

‘d冒盟曹司

aaa--a哩

ここ最近、犯罪が増加する傾向にありますが。

橋爪 もともと社会は、安全なものではなかった

んです。中世を考えてみても、海H成や山!肢がうよ

うよしていて、通行の安全は保証されていなし、。

どうにか安全だ、ったのは、村の中。;f:i:闘など、顔

見知りで一致団結しているところだけでした。ij攻

国H寺代になると街道の整備や一円支配が進んだ。

一国一城の領主がいて、領国の安全に責任をもち、

面で支配するようになりました。中 世が終わって

近世になったのですが、これは世界的に見てもた

いへんすばらしいことだ、っ た。外国と抜していな

かったこともさFい して、セキュリティが@(保され

た社会にな っていった。 しかしその代的として、

移動が厳しく制限されていたんですね。農民は全

員、且郎寺にそ長銀された。お伊勢参りに行くとき

なども、 fY，Jf9i'を通るのに通行手形がし、る。パス ポ

ートみたいなもんです。IIIT々 には木戸があって、

夕方になると閉めてしまう。 11切に聞くまで、夜中

は移動できないんですね。犯罪者も移動できなく

て、安全が確保されていた。でもこれでは、資本

主義になりません。

明治政府は、移動を自由にしました。身分の移

動も自由。居住地や職業の選択も自民lになって、

やっと日本も近世から近代に脱皮したわけです。

でもこれでは、犯罪の温床になりかねなし、。 そこ

で、武士をさ手察官に採用するとか、徴兵制をしく

とか、義務教育を普及するとかいろいろ工夫 して、

犯罪率の r~h 、社会をつくることに成功しましたo

ìji~前から戦後まで FI 本の犯罪発生率は低く、検挙

率は~守iかったのです。

よく 考えてみると、日本の会社、 学校、地域社

会などはみな、村のようにできていたんです。会

セキュリティ研究 2003年・ 11月号 19

引のイ|二功 jjサIJ など、移~!J もあまりしなし、ほうがし、

いことになっていたハ どんな品'l*i'í~ にも不丈1'1'があ

って、i:I.、iPでな くても、お "~ いの h10J を lif仁川して

いたわけですο!}・，[:.は学'1:，らしく、公務L-1は公務

tlらしく、 j :， ~:I} は L%} らし くしな けhばいけなか

った。「らしし吐かどうかは、ほかの人がはて1'IJ1m

するんです。

この システムが高度成長のあと、 ij'i'{HJ会にな

ってJ!fHLてしまった。

一ーかつてのような安心できる社会はもう手に入

らないのでしょうか。

橋爪 いまの社会で安全を手に入れるには、監視

しかないのではないか。 院悦とは、 Iu~mカメラな

どlii;悦の技術によるljif悦です。伝統的な日本家犀

と、マンションを比べてみるといいのです。伝統

的な日本家屋では、 学生やLEI舎から出てきたサラ

リーマンなどは、l出いつきの下宿に住んで、部屋

はふすまでイJ切られているだけ。大家さんに親身

に~;Fl fi~に来ってもらえるかわりに、変なことはで

きませんで、した。もちろん爆弾の製造なんででき

ない。 1:1本家庭は、Ji!iJ1mのりif制の日が行き周くわ

けです。 ところがワンルームマンションになると、

家主は述方に住んでいて家賃は銀行振込みだし、

隣室の住人がfjf(ーかもわからないのエレベーターや

j国防など、 )&JI社|を批悦カメラでljff視してもらわな

いと、犯罪に辿ってもわからないような状況があ

ります。そこまでして、かつてと同じレベルの安

当主カ人やっと昨仇Lできることになる。

i泣近、 ~lUjilの検挙本がずうっ と下がってきまし

た。いろいろ四LI!があるでしょうが、従来型の出

先では、ますます検挙率は|ごがるいっぽうだ。

そこで新たな決め手は、'1.:.fイ， H.{!， til:システムを H~

りいれ、犯行J}υ幼から犯人の正1:， H~'I'i!dl( を採ll\i.する

ことだとJよい、ます。指紋は手袋されち ゃうとだめ。

í'~J'i;ì.{!， nil:も従 1(li されたら他えませんの でもいくら犯

人が討をつけても、史のもやフケなと 1.1:.1本の .:ì~: l)

は刷J坊に伐るのです。これを集めて品目りするのは、

とんでもない川と i.iわれそ うですが、そうやって

i立(ム rw!析ができれば\ Jt1紋よりも附 ，)~に 犯人を

l¥"iじでき る，

20 セキュリティ研究 2003年・ 11月号

一一遺伝子情報を登録するわけですか。

橋爪 本人を fi(Cj~ に m-1Eする Ji il、 l土、いろいろあ

りますの !日リ1). 1'1り なのが~Mto "f':紋もありますっ ~~jí

i~íi としてはアイリ ス( l!jj'il 0 i~fi ~!.:!， ; lil:も、 IU:i fJ~カメラ

と.ì!li1iJJ して汗 1 '. していますい 71f紋もある υ ~'UJ ち

はi自伝Tでしょう o JI[!氾ll'10には、4でA'fiiの'1イイピI'，'j:祁データベースをつくる 。 っさに犯行JJ~jおのデー

タと]!(t介する。l蛇j立正υf悦j見lカメラがあれlはばまま、i必}詰Z矧:nη冗i同ほii，記Itぷt

があれば折紋、 ja叩!日1があればそこから蛋"1引を

取り，'，1.'，して遺伝子'IW'~I( を集める 。 そこから伺た'IW

Niを、データ ベースでソートすると、 一発で犯人

が特定できる O それがJlll悲!です。

そこまでいかなくても、前lEのある犯rw者、有

~il判決を受けた者、 j主:tilì された被旋者・の ~I:. f;本'lili'H!I.

でデータベースを柿築しておけば、かなり検挙率

は lニカfるでしょう 。

本当に昨実に犯罪を減らそうと思えば、ゆくゆ

くは同民が全員、生f*'li~ :N~ を 笠錯するのがし、いわ

けです。でも実際にそうするかどうか、たいへん

な議論をしないといけないでしょうね。

一一監視にしても生体情報の登録にしても人権問

題にいきあたると考えられますが。

橋爪 犯人がもともと人権侵害をしているわけな

ので、それを追及する犯罪捜責の過程で人権侵害

が起きやすい。尾行や聞き込みなんかされたら迷

惑だし、警察から電話がかかってきてもいい気持

はしなし、。 j剖iIiや取り調べとなればなおさらです。

でもこうしたことは、刑事訴訟itなとJで、mWIJされ

ている。1主悦技術のJb主によって、 JqJ宝kと)!!r;[刻係

に、重要なIWll(が訴も!iされている場合が叩えた。

たとえば、 ðlli)ド多発地'計に lif制カメラを目立 ;t~!~ し

て、国if象のテeータをスト ック しているようなJj)jイT。

指紋も機械(10に!!日合ができるようになって、ます

ます主裂になった。 外国人の折~:)(111'捺みたいなや

りJiがl主Il(全nにj自)11されれば、 J1211ifははかとる，.

山僚に入られた場介、 家紋の人とiJt乱するといけ

ないから家族全1'1の指紋を山してくれますか、と

いって J行紋がJ求られて、もしかしたらそれが ~'~T-然

のデータベースに入っているかもしれませんりこ

ういうやりんは、もし110';1人-1'1';慨を必泣もないのに

前行に7、11られないということも人+rllと

与えると、人権似:il:になって しまいます。

iT[~ー なのは 、 1' 1 山 との兼ね介いですの

I!IIIIとは、 n分の!I:.r;'fì 、 H1' 1;医、怖干IJ を I~I

分で決定できること、それを 他人にとや

かくはわ;1Lない、-f.1~I!~: されないことだと

思うんですが、たとえば何月 何 1.1どこそ

こデパー トの何光り J劾を歩いてたでしょ

とか、 そんな こといちいち識かに知られ

たら、やり切れないでしょう3 でも、 1'1'

|止の農村や fJlITの長屋みたいな共同体の

なかでは、そんなことは日常茶飯事だ、っ

たんです。そういうところでは、近代的

自我とか、白 山とかは侵害さ れっぱな しだ、った。

それが自ISïl ï化し、伽| 人化して、 I~I E~I が充分に手に

入るようになった結果、犯罪者が自分の情nlを公

権力 に生11 ら れないで、 他人の人材fl を侵害する I~I El:1

も発生してし ま ったんですね。 これが放 'Ii~tできな

いとなると、どうすればいいのか。それには、全

体の自由度を少し |マげ、 !!的見の度合し、を少し上げ

犯ヨドを、許容できる限度にまで減らすようにて、

する。

犯~I~ をゼロにしようとするのは、超ljlf悦社会に

なってしまいますから、非現実的です。かと言っ

てまったく舵悦しなければ犯罪天国になって しま

う。犯罪がやり符になれば、 犯罪者が航行して社

会のff;i失が1首え、者IS'rbーがさびれてしまう 。結局大

きなコストがかかるのです。

現在、商庖街などでも監視システムが設置さ

れはじめ、監視のルールづくりも必要とされてい

ますね。

橋爪 どういう場合に誰をljS祝 してよいのか、 と

いうルールが問題で、すo ~HJ. :侃は従米、 ~rj.f! 1ニが起 き

ると出資当局がやっていま したが、予防という;古;

l床ではやっていなかったんですね。いま設i宣して

いる ljiιHt カメラは、 ~)~ I切を念出においており、 J盟

主;!'i}ruとは関係なし、o f共行やコンビニ、 |倒的jlj、

エレベータ一、仙人11宅などいたるところに設I!ま

されています。

近代社会で・ は、 J出作当 同 Cd'j民の代~!Il 人)がど

うふるまうかに関するルールはさんざん議論され

て、 Jflj主l印恥iii法や1&:'1'1jの)JWJにま とまっている。

同家が人権を侵害 しないように というルールがで

きています。ところがし、まは、 AさんがBさんを

除制し、 BさんがCさんを舵視し、CさんがAさ

んをl庇視しているという、 rlT民の相互lilt視に|刻す

るルールづくりなので、 これから議論していかな

くてはいけないで しょうね。

先ほ どの~I三体情報に関連して、日Ijの問題も考え

られます。たとえば保険に川|入する場合。遺伝子

情報で、あなたは 50践になったら必ずl泌尿病にな

るという人と普通の人とでは、 |司 じ条件で保険に

加入すべきなのかという議論がありますよね。jf!il

末だけのドライパーは自動車保険料が安いとか、

顧客:のセグメ ント化はいまでも普通です。無事故

加速反のドライパーも安くて当然。反対に正Ji.i'i((ば

かり 起こして、仕事で、もプライ ベー トでもクルマ

に釆っている人は高くなるでしょう 。健康保険で

も病気になる遺伝子があるとわかれば、合理11的な

保険料の設定がで、きるわけで、す。 しかし、こうい

う逃伝子情 N!lは、第六日ーに j、1 1 られてしまうと I~I 分

に不利誌になる。でも 髪の毛がl本あればそうい

う情械がわかって しまうわけで、当然ルールが必

~になってくる 。 ii義論はされていますが、 まだキi!i

lil前が"-l'，たとはI:lH~、てませんο 犯1) i 11盟主f とは;lWiWJ係

ですけど、 ~H本IW "Hlがいろいろ他われている Wtlで

す。 その'I 'i \j ・(:I~ を f:に入れる ことで、 利耐を仰る人

セキュ リテ ィ研究 2003年 ・11月号 21

もいるo 保険会社や、相手の伽|人'1，¥;械を手に入れ

たいと jill っている人。 キIj誌を 1~J' るということは 、

お余を払うということで、ビジネスになってしま

っo

一一 個人情報ということでは、ネット社会でも問

題が噴出しています。

橋爪 住基ネ ットのこともいろいろ言われていま

すね。住恭ネ ットで一番大事なことは、日本人全

員に詐号がついたということなんです。11111人に帯

号がついていないと、あち こちで集めた情羽tを一

元化することができない。 クレ ジッ トカー ド番号

と電話番号とパスポー ト詐号、年金番号がまった

く無関係で、は、 同姓同名の人もたくさんいるわけ

ですから、集約できない。ということは、ちゃん

としたデータベースが作れない。基本となる数字

があれば、一発でソート をかけられます。

住基ネッ トは、将来、行政サービスを充実させ

るためにも犯罪叫査のうえでも、基本的なインフ

ラだと思うんですけど、重要なのは市役所の窓口

のサービスの内容ではなくて、番号を割り当てた

ことなんで、す。ひとりの人間がいる という事実は、

番号を割り当てなければ、コンピュータのなかに

再現できない。番号をつけるから検索が自在にで

きるようになって、そこ にこれからデータをぶら

さげていくわけですよ。

たとえば、税務申告の領収書;で、支払い元と支

払い先に番号がふってあれば、経理の明主111がガラ

ス張りになって、あっという間に名寄せができる。

本来なら GDP の 5%は ?ì ~í 型(税で納税さ れないとい

けないのに、かなりが消えて しまっているのも、

番号がないからなんです。運転免許証やパスポー

トにもこの番号をつけるとかして、はじめて本来

の性能が発揮されます。犯~i l検挙率の向 上にも、

大し、に貢献するとjtl、います。暴力目|の構成員やス

リや窃訟の常習者にも、 全員帯号があるわけで・す

から、移動 しでも追尾が削1i1になります。

一一ひとことでいって、監視カメラのある社会と

はいい社会なんでしょうか。

橋爪 ljjt悦がいけないとか、蛇視のない社会がし、

い社会だとか、そういう 川地ではないと品川、ます。

22 セキ ュリ ティ 研究 2003年 ・11月号

日正視カメラは、必要だから嶋えたのであって、計r:

が命令したわけで、もない。コストもかかるし、い

ろいろ考えたうえで、個別に設置しているわけで

す。うっとう しいと言えばうっとうしいが、 犯罪

がtlQえるよりはl官視カメラが士自えたほうが、はる

かに望ましいのは明らかです。

ただル←ルづくり、モラルづくりは後手後手に

まわっていますね。lif悦カメラの|映像を別な目 的

でイ史ったり、職務上知り得た情，~I~ を第三者に伝え

たりしないということが、 i最低|恨のモラルになる

と思う 。情報を提供するとすれば、裁判所の命令

や警察の要請があった場合に限って、この情、n~ を

二次利用させる。 警察への地査協力については、

いまは重要犯~11であれば、相まれれば原則として

情報提供しているようですね。それが蛇視カメラ

の目的ですから、いいだろうと思うのですが、写

っている人にとっては伽|人情;1:lxですから、微妙な

ケースもあるわけです。そのためにももっと話し

合ってルールづくりをしていかなくてはいけない

と思います。

取引lは、不信から来ています。そこではなかな

かモラルが陣立されにくいんですね。安心、や安全

をもたらしてくれるものとして、も っと議論があ

っていいのではないでしょうか。

一一今日はお忙しいところ、ありがとうございま

した。

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【今月のベスト】〔叩月V

橋爪大三郎『人間にとって法とは何か』

(PHP務審〉

ホテルなどの結婚式で「OO家xx家街

結簿鼓露宴」という看寂が掲げられる，ま

た、一同家の担割が金界風の前で花婿花嫁と共

に並ぶ。ごく有り触れた光阜県だeこれを大

新聞で「憲法違反」と糾弾した人がいる・

「憲法が否定した家制罵か、脈々と生きの

びているL証左だというのだ・

この論者はまた「憲法は、議判の際適用

するルールである以前に、市民が行動を決

めるためのル1ルとして社会的に用いられ

ているョそういう限でみる時、百本の笠宮

には、-まだまだ憲法に違反する行動をする

人が多い」とも述べている・

法律の素人による投替ではないe

有名事

件を手掛けた元拾い事であり、現役の弁護士

だ・〔沼田カ寸憲法違反な人」朝日新聞ニO

''aEEBEE-E-EE

・E

・EEEEE

・E

・-'laBEE-hEEEBB-

-今月のベスト

人間にとって法とは何か

橋爪大三館[箸]

PHP続審

700円

(求体価格)

町一

tヨ。一年年五月二日付夕刊υ

彼は「憲法とは何か」「憲法の規定を遵

守しなければならないのは設か」「憲法に

違反できるのは設か」という基本中の基本

をまったく理解していない@このレヴェル

で検事や弁護士は務まるのである，篤くべ

き国ではあるまいか・

本番には、二れとはまった〈対照的な憲

法の考え方が示されている。

「皆さんは、憲法に違反することはできる

でしkうかe

たとえば憲法には、人権を尊重しましょ

うと書いてありますが、つい、子どもに体

罰を加えてしまった・人権を無視してしま

った・憲法に違反してしまった・どうしよ

う。審察につかまるのではないか・ー!こ

ういうことを心配したことはありますか?

それとも、日々憲法とは無関係に暮らして

おちれますか。

実は、憲法と無関係に暮らしている、と

いうのは正しい態度なのです」

いうまでもなく、後者の憲法観が正統で

あるe憲法の本草告は、国民の名による統治

権力(政府、地方公共団体〉に対する命令

であるe

憲法の鶏定を守る義務があるLげ

憲法に遣反することができる〉のは、「私人

計三

/す

今月

由一ん

全有権者必読の「改

教養人が平易に語t

好評w悪のてンリIザ

暗い熱を学んで好官

クラシック名盤ガJ

豊作の月を制したの

社会学者の洞見が

法思想史の市民

?えζc)'

T詳1点

、，..;

献効力」が認められる例外を除いて、公務

自-だけである。「市民が行動を決めるため

のルlル」などでは断じてない・

著者、橋爪大三郎は法律家でも法学者で

もない。社会学者である。にも拘らず、近

代法のプリンシプルげが完全に喧喝され、思

考に根づいているため、官時度が高い・

本容の目的は、法的思考の開発や訓練で

はなく、浩司象の原理に関する最低限の常

識の共有にある。そういう意味で、法理

学、法社会学および法思想申一の市民向け筏

説容と考えて間違いない。

-例えば、橋爪は先に挙げた近代憲法の仕行

組みの祖型をユダヤ教に見出す。ユダヤ教

2

における神と人との契約、すなわち条件付

服従の関係が、後代、統治権力に対する国

民の聞服従条件を憲法として明示するシステ

ムに変換されたのだという・

こういう発想は、法律学の思考慣蓄に囚

われているとなかなか出てこない・宗教晶子

の側からのアプローチも桂惜しいだろう・

「諸学のアウトサイダー」である社会学者

ならではの洞見なのである・

ところが中国の思考伝統における法と

は、支配者(統治権力Vの人民に対する命

令に他ならなかった・近代憲法とは命令の

方向が正反対なのだ。

しかし、多くの日本人は、こちらの考え一

方に殺しみを覚えるのではないだろうか・一

私達は自覚のないままに、中国的なさ感覚一

に馴染んでしまっている。だから、有事関連

法制の写一僑は戦争国家への道を開くとか、

憲法に義務条項会増設すべしといった欧米

の常識からすると顕倒した議論が横行する

ことになるのだ・「法が権力から人民を守

ってくれるという感覚がない」のである。

こうした土壊の上に、官民格別、聖一俗一

致の特異な統治システムを組み上げてしま

ったために、いまに至り、さまざまな場面

で被袋や機能不全が起こっている。

それ故、各分野における構造改革や憲法

改定が喫緊の国家的課震となっているので

ある，