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Enterprise Mobility Suiteで 1 人 1 アカウントによる複数システムのシングル サインオンを実現。利用者にストレスのないユーザビリティとセキュリティの強化を両立
「遊べる本屋」をキーワードに、全国に約 400 店舗を展開し、「ヴィレヴァン」の愛称で若者を中心に幅広いファンを持つ株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション。同社では 2015 年、さらなる成長に向けた店舗情報の活用と業務の効率化をめざして、情報系システムの刷新を決定しました。Enterprise Mobility Suite と Microsoft Office 365 を導入して、基幹システムを含めた複数システムのシングル サインオンを実現。併せて、モバイル デバイスを含めた本社と各店舗の情報共有や、コミュニケーションのためのセキュアなしくみ作りに向けて、全社を挙げて意欲的に取り組んでいます。
導入の背景とねらいビジネスへの情報活用促進に向け、一元管理可能なシステムは必須
全国規模で多数の店舗を展開する小売業では、本社と現場との円滑な情報共有やコミュニケーションをいかに効率よく実現するかが、ビジネスを継続的に成長させていくカギになります。しかし、現実にはプラットフォームの異なる業務システムの混在などが障壁となることが多く、実現を諦めているケースも少なくありません。そうした問題の解決に向けて Enterprise Mobility Suite
(EMS) を導入し、複数のシステムにおけるシングル サインオンを実現、エンドユーザーのアクセス負荷を軽減すると共に、全社的な情報活用を活性化させるべく取り組みを進めているのが、株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション (以下、ヴィレッジヴァンガード ) です。
「今回の EMS 導入の背景には、当社でもビジネスへの業務データ活用の機運が急速に高まってきたことがありました」と語るのは、株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション 経営戦略本部 IT企画部 部長 片山 龍児 氏です。
同社では 2013 年に POS システムを導入。全国約 400 店舗の販売情報を随時集計、活用しています。約 130 万アイテムにのぼる商品の売上データを詳細に分析することで、売れ筋などが明確に把握でき、決算の数値も着実に伸びてきています。株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション マーケティング本部 営業企画部 川上 洋平 氏がその経緯を語ります。
「昨年対比も含めて売上を分析してきた結果、市場のトレンドが確実に追えるようになりました。当社のショップは創業以来、各店長の個性を活かした品揃えで売上を順調に伸ばしてきました。しかし 400 店舗を超えた時点で、よりいっそうの成長を遂げるには、数値データに基づいたマネージメントの導入が不可欠だと判断したのです」。
これまで同社内では、基幹系業務システムである
POS に加え、グループウェア、社内 SNS などのシステムが混在していました。このため社員はそれぞれのシステムに個別にログインする必要があり、ユーザビリティ上の大きな改善課題だったと、株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション 経営戦略本部 IT企画部 リーダー 足立 佳久 氏は振り返ります。
ソリューション概要
○プロファイル1986 年に、書籍、雑貨の販売を開始。1998 年、株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションに社名を変更。「遊べる本屋」をキーワードに、書籍、SPICE (雑貨類 )、ニュー メディア (CD、DVD 類 ) を融合的に陳列して販売する小売業として、「VILLAGE VANGUARD」を展開。さらにハンバーガー ショップや客層を絞ったセレクト ショップ、ベビー用品、食材など個性あふれるショップを含め、日本全国に約 400 店舗を運営しています。
○導入製品とサービス・ Enterprise Mobility Suite (EMS)・ Microsoft Office 365
○パートナー企業ソフトバンク・テクノロジー株式会社
○導入メリット・ Azure Active Directory Premium が、プラットフォームの異なる複数のシステムのアカウントを一元管理し、セキュアな認証基盤のもとでのシングル サインオンが実現
・ 社員 1 名につき 1 アカウントが付与できるため、個人情報を含むデータを電子メッセージやファイルとして送受信可能。Microsoft Azure Rights Management Service と組み合わせれば、さらにセキュアな文書管理も
・ アカウント管理にかかわるシステム担当者の対応業務が大幅に削減でき、システム管理における工数削減や作業品質が向上
・ Microsoft Intune を利用して、社内の PC や外出の多い社員のモバイル デバイスまでを一元管理
○ユーザー コメント「既存の基幹システムでは、データセンターにかなりのコストがかかっていた経験から、省コストと運用の容易さ、さらに変更対応の迅速さと柔軟さという点でも、クラウドベースの EMS と Office 365 は当初からの目的にかなった選択でした」。
株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション経営戦略本部 IT企画部部長片山 龍児 氏
株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション
株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション
株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション
「たとえば、従来使っていたグループウェアでは、本部から各店舗に情報を配信しても、既読かどうかもわかりませんでした。一方的な情報発信なので、その回答が欲しいときには別のツールを使って各店舗から回答をもらうという形でした。このため、ユーザーにとっては複数のパスワードを使い分けなければならず、かなりの負荷になっていました」。
さらに、このグループウェアを使った情報発信にも問題がありました。本社から各店舗に情報を送る場合、決められた表示パターンしか選択できず、より効果的な見せ方やフォーム表示をしたくても、システムの仕様に合わせる以外にありません。また、複数のツールやシステムが混在するため、セキュリティ管理も複雑で、それらを一元管理できる新たなドメインの構築は喫緊の課題だったのです。
システム導入の経緯EMS と Office 365 の組み合わせでセキュアなシングル サインオンを実現
導入プロジェクトが本格的に始動したのは、2014 年の秋でした。同社では、要件に合いそうなソリューションの比較検討を進めた結果、EMS
と Office 365 の組み合わせが候補に浮上したと片山 氏は語ります。
「まず、これから導入するシステム資産は基本的にクラウドで持ちたいという要件に合致していました。既存の基幹システムでは、データセンターにかなりのコストがかかっていた経験から、省コストと運用の容易さ、さらに変更対応の迅速さと柔軟さという点でも、クラウドベースの EMS
と Office 365 は当初からの目的にかなった選択でした」。
ほぼ同時期に、ソフトバンク・テクノロジー株式会社 (以下、SBT) から
Office 365 を提案されたこともあり、決定には格好のタイミングでした。すべてをクラウドで運用でき、既存の基幹システムを含む全システムにシングル サインオンできるという点で、EMS に含まれる Microsoft
Azure Active Directory Premium (Azure AD Premium) と Office 365
は最適な組み合わせだったのです。
さらに社外からのアクセス制御基盤には、SBT の Online Service Gate
(OSG) を導入しました。ソフトバンク・テクノロジー株式会社 営業統括
第2営業本部 西日本営業統括部 名古屋営業部 サブマネージャー 今若
清治 氏が語ります。
「Azure AD Premium は認証管理に利用し、OSG をデバイスのアクセス制御用に配置することで、EMS や Office 365 をよりセキュアにご利用いただけるのです」。
また、今後は店舗の端末から本社へのアクセス コントロールを強化していくという方針からも、EMS と Office 365、そして OSG という三位一体のシステム構成は、十分な拡張性を備えていると評価されました。2014 年 12 月には導入契約が締結され、翌 2015 年の年明けから開発、導入がスタート。本社内に Office 365 および EMS を展開し、十分に準備を整えたうえで各店舗へも展開していきます。本社の店舗本部および間接部門 600 ユーザーへの展開が予定されています。
「EMS に含まれる Azure AD Premium、Microsoft Intune、そしてMicrosoft Azure Rights Management Serviceという3 つのクラウド
サービスのうち、まずは、Azure AD Premiumから展開していきますが、その後、マネージャー用の iPad の管理に Intune を当初 100 台から展開する予定で、現在検証を進めています」(片山 氏 )。
同社では、本社および店舗への展開を急ピッチで進めています。
システムの概要と構築ユーザビリティとセキュリティ向上で全社的ワーク スタイル変革の期待が
着々と構築が進む現在、社内では早くもさまざまな期待が膨らんでいます。そうした中で川上 氏は、店舗スタッフに対する人事管理のセキュリティ向上に大いに注目しています。
「これまでは各店舗のスタッフの査定シートを送るのに、全員のシートを
株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションマーケティング本部 営業企画部川上 洋平 氏
株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション経営戦略本部 IT企画部リーダー足立 佳久 氏
ソフトバンク・テクノロジー株式会社営業統括 第2営業本部西日本営業統括部 名古屋営業部サブマネージャー今若 清治 氏
ソフトバンク・テクノロジー株式会社営業統括 第2営業本部西日本営業統括部 名古屋営業部エキスパート中瀬 誠実 氏
株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション
まとめて各店舗の代表アカウントに送っていましたが、機密度の高い情報なので送り方にも受け方にも非常に気を使っていました。しかし EMS
と Office 365では全員に個人アカウントが付与されるので、直接本人にセキュアに送れるようになります」(川上 氏 )。
また従来は月に1 回、給与明細などの書類を 400 店舗分、封筒で郵送していました。この封入作業は人事部の社員が 1 ~ 2 日がかりで行っていましたが、EMS なら書類をすべて電子化して安全に送れるので、そうした作業が不要になります。この省力化のメリットは非常に大きいと、川上 氏は強調します。一方、片山 氏も EMS の導入効果に期待しています。
「今期の全社施策に、『業務の効率化』があります。今回の EMS および
Office 365 導入による効率化や省力化で生まれた余裕が、売り場作りやスタッフ教育に振り向けられるようになれば、売上や収益向上の大きな原動力になっていくと確信しています」。
今回の導入で、IT システムが自社のワーク スタイルに追いついてきたと感じていると、片山 氏は手応えを語ります。同社では全国 400 店舗をブロックやエリアに分けており、各地域のマネージャーは日々店舗を巡回しながら、タブレットやスマートフォンで本社と連絡をとっています。EMS と Office 365 によって、これらモバイル端末利用時の手間を軽減し、加えて情報活用やコミュニケーションの質を大きく向上させる期待があります。またモバイル端末の中には個人情報を含めさまざまな重要情報が入っていますが、万が一の盗難や紛失の
場合は Intune から遠隔操作でデータの削除が可能なため、情報漏えいなどのリスクを未然に防ぐことができます。また、運用管理の視点からは、管理の一元化が大きいと足立 氏は評価します。
「現在 1 人で複数使い分けているパスワードが ひとつに集約される結果、エンドユーザーの負担が大きく軽減されるのはもちろん、私たち管理者側も問い合わせ対応などに裂く時間が減り、他のシステム企画などの重要な業務に注力できるようになると考えています」(足立 氏 )。
こうした同社の期待に対して、運用をサポートするソフトバンク・テクノロジー株式会社 営業統括 第2営業本部 西日本営業統括部 名古屋営業部
エキスパート 中瀬 誠実 氏は次のように語ります。
「ヴィレッジヴァンガードの情報システム担当者の皆様は、限られた人数で全国 400 店舗のシステムを一手に運用されています。そうした運用業務の中で、当社ノウハウをご活用いただける部分に対しては、積極的に提案、支援をさせていただきたいと願っています」。
今回の EMS 導入のもう一つの効用には、店舗の個性と企業ガバナンスの両立という期待もあります。
「ヴィレッジヴァンガードは、各店長の個性を活かした店作りが強みであり、そのユニークさがお客様の強いご支持を集めています。その一方では、上場企業としての情報管理や計数管理といったガバナンスを確実に行っていく義務もあります。EMS によってエンドユーザーにシステムの制約を感じさせないしくみを構築すれば、スタッフの遊び心を十分に活かした自由な売り場作りは今まで通りに、そのバックエンドでは確実な情報管理とセキュリティ コントロールを実現できるのではないかと期待しています」(川上 氏 )。
導入効果と今後の展望ユーザーの業務環境改善を第一に、新たな情報活用のしくみ作りを
Azure AD Premium の導入完了後の EMS 展開としては、Intune によるモバイル デバイス管理や、Azure Rights Management Service (RMS)
を利用した機密度の高いドキュメントのアクセス コントロールなどの導入が予定されています。今後の取り組みについて足立 氏が語ります。
「セキュリティが強化されていくのはたいへん良いことですが、それが現場の業務の足かせになるのは許されません。システム担当者としては、そのことを念頭において、エンドユーザーにとってストレスがかからず、業務に対する制限のないセキュリティ提供のしくみを探っていきたいと考えています」。
同様に、川上 氏もユーザビリティの確保には強い熱意を抱いています。
Firewall
Office 365
Microsoft AzureRights Management Service
Microsoft AzureActive Directory Premium
Microsoft Intune
スマートフォン、タブレットの 管理
社内 /社外の モバイル デバイス
Online Service Gate: アクセス制御
本部端末
店舗端末
シングル サインオン
Enterprise Mobility Suite と Office 365 で実現する、セキュアで効率的な仕事環境
株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション
5811-WI1
「EMS の導入でシステム全体が従来とは大きく変わっていきますが、将来的にはアルバイトやパートも含めて約 3,500 名のユーザーがまったく変化に気付かずに、そのまま移行して使いこなせるような使いやすさや見やすさ=最適化されたユーザビリティを提供できるのが理想です」(川上 氏 )。
今後 EMS の利用が本格化するにつれて、数々の新機能やメリットが具体化していきます。それに対するユーザーの評価や要望を取り入れることで、さらに多彩なサービスが生まれるといったサイクルを回しながら、
やがて全社的なワークスタイル変革が訪れると同社では期待しています。
「当社にとってワークスタイルの変革とは、日々各店舗を回るマネージャーや、自分たちの店作りに奮闘するスタッフたちの業務環境をいかに改善していくかだと考えています」(片山 氏 )。
ヴィレッジヴァンガードの新しい情報活用のしくみ作りに、EMS が大きく貢献していくことは間違いありません。
導入についてのお問い合わせ本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2015 年 4 月 ) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。本ケース スタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。■インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/ja-jp/■マイクロソフト カスタマー インフォメーションセンター 0120-41-6755(9:00 ~ 17:30 土日祝日、弊社指定休業日を除く )※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。*Microsoft、および Windows は、米国 Microsoft Corporation の、米国およびその他の国における登録商標または商標です。*その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。*製品の仕様は、予告なく変更することがあります。予めご了承ください。
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