要望1. 平成 26 年度診療報酬改定における リハビリテーション...

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要望1. 平成 26 年度診療報酬改定における リハビリテーション 提供体制に関する要望 リハビリテーション三 協 会 協 議 会 公益社団法人日本理学療法士協会 一般社団法人日本作業療法士協会 一般社団法人日本言語聴覚士協会

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要望1.

平成 26年度診療報酬改定における

リハビリテーション

提供体制に関する要望

リハビリテーション三 協 会 協 議 会

公益社団法人日本理学療法士協会

一般社団法人日本作業療法士協会

一般社団法人日本言語聴覚士協会

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平成25年9月3日

厚生労働省保険局医療課

課長 宇都宮 啓 様

リハビリテーション三協会協議会

公益社団法人日本理学療法士協会

会 長 半田 一登

一般社団法人日本作業療法士協会

会 長 中村 春基

一般社団法人日本言語聴覚士協会

会 長 深浦 順一

平成26年度診療報酬改定に関する要望書

(リハビリテーション提供体制の見直し)

日頃より我々の活動にご理解をいただき心より感謝しております.

平成24年度の診療報酬改定では,リハビリテーションにつきまして,高い評価をいた

だきました.その期待に報いるためにリハビリテーション専門職(理学療法士・作業療法

士・言語聴覚士)としては努力をしているところです.

我々三団体は,平成26年度改定にむけて,広く国民へのサービスの普及を念頭に置い

た検討を重ねて参りました.今回はリハビリテーションの重点化と効率化に配慮した要望

とさせて頂きました.

ご検討のほど,よろしくお願い申し上げます.

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<目次>

Ⅰ.入院期間短縮の推進

1) ECU,ICU等における理学療法士等の専従配置加算の新設

2) 急性期一般病棟における理学療法士等の専従配置加算の新設

Ⅱ.在宅医療の推進

1)術後 30日以内の外来リハビリテーション患者に対する紹介加算の新設

2)外来における早期リハビリテーション(初期加算および早期加算)の適用

3)医療保険および介護保険の一定期間の併用

Ⅲ.リハビリテーション医療の充実

1)疾患別リハビリテーション料の一部統一

2)精神科リハビリテーション総合実施計画料の新設

3)小児外来リハビリテーション-教育機関・連携実施記録料の新設

Ⅳ.医師の負担の軽減(チーム医療の推進)

1) 外来リハビリテーション診療料のカンファランス要件の緩和

Ⅴ.医療と介護の円滑な連携

1)維持期リハビリテーションにおける月 13 単位の継続

2)回復期リハビリテーション病棟における訪問リハビリテーションシステムの

構築

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Ⅰ.入院期間短縮の推進

1)ECU,ICU等における理学療法士等の専従配置加算の新設 (補足資料1)

救命を目的とする高度急性期には,チーム医療の推進が必要であり,多職種協働によっ

て,術後合併症等を予防することが重要です.また,ICU等であっても,起居動作など,

生活に必要な身体能力の低下は最低限に抑え,患者が速やかに一般病棟に移行できる体制

づくりが重要と考えます.

以上のことから,救命を目的とする ICU等において,理学療法士等を専従で配置した場

合の評価を要望いたします.尚,専従者は出来高算定を行わず,配置加算が妥当と考えま

す。また,本要望は,病棟における疾患別リハビリテーション料の算定を制限する考え方

ではありません.

対象病棟

救命救急入院料(ER)、特定集中治療室管理料(ICU)、ハイケアユニット入院管理料(HCU)、新生児特定集中

治療室管理料、総合周産期特定集中治療室管理料、新生児治療回復室入院管理料

(参照:公益社団法人日本理学療法士協会 平成 25年度調査事業「急性期リハビリテーション推進事業」)

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2)急性期一般病棟における理学療法士等の専従配置加算の新設 (補足資料2)

患者が安心して在宅に戻るには,基本的な生活動作の自立が必要です.そのためには,

廃用症候群の予防の視点から,生活時間の大部分を占める病棟での過ごし方に対して重点

的に働きかけ,早期離床を促す必要があります.

以上のことから,急性期一般病棟に理学療法士等を配置した場合の評価を要望します.

尚,専従者は出来高算定を行わず配置加算が妥当と考えます.また,本要望は,病棟にお

ける疾患別リハビリテーション料の算定を制限する考え方ではありません.

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Ⅱ.在宅医療の推進

1)術後 30日以内の外来リハビリテーション患者に対する紹介加算の新設

(補足資料3)

急性期病院を退院した後も在宅で適切にリハビリテーション医療を継続することは,障

害の重症化を未然に防ぐために重要です.しかしながら,リハビリテーションを必要とす

る患者は,必ずしも退院後のリハビリテーションに繋がっていません.

以上のことから,退院後もリハビリテーションの継続が必要であって,かつ,その退院

日が術後もしくは発症から 30日以内である患者について,入院元がハビリテーション実施

情報を示す文書を添えて,リハビリテーションを提供する診療所へ当該患者を紹介した場

合の、入院元病院に対する評価を要望いたします.

平成23年度老人保健健康増進等事業

「地域におけるリハビリテーション提供のあり方に関する調査研究事業」

対象:DPC病院におけるリハビリテーション患者(n=5502)(個票)

対象:DPC病院退院後もリハビリテーションが必要な患者(n=3994)(個票)

(個票)

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2)外来における早期リハビリテーション(初期加算および早期加算)の適用

在宅医療の推進には,上肢骨折等の術後など、病態は急性期にあるが,必ずしも入院継

続を必要としないリハビリテーション患者について、診療所で早期から切れ目なく対応で

きる仕組みが重要と考えます.

以上のことから,高リスクの術後もしくは発症後早期の患者に対し,外来においても早期

のリハビリテーションを提供した場合,外来リハビリテーションにおいても,早期のリハ

ビリテーションの評価を要望いたします.例)術後,発症後 14日 45 点 術後,発症後 30

日 30点

平成23年度老人保健健康増進等事業

「地域におけるリハビリテーション提供のあり方に関する調査研究事業」

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3)医療保険および介護保険の訪問リハビリの一定期間の併用

患者が早期に退院し,安心して在宅へ復帰するには,介護保険への円滑な移行が必要で

す.医療の訪問リハビリテーションは,同じ在宅の場に介入するため,介護保険のリハビ

リテーションへ円滑に移行させる重要なサービスと考えます.しかしながら,一般的に訪

問リハビリは資源が尐ないため,地域によっては,医療の訪問リハビリを提供する医療機

関と,介護保険のリハビリテーションを提供する別の施設とが常に協働してサービス提供

することは困難です.また,急性期病院を早期退院して在宅に復帰する場合,訪問リハビ

リを利用した患者が基本的動作能力を改善し,一定の動作能力を獲得するまでに 3 か月間

は必要であると考えます.

以上のことから,同一施設であっても,医療保険と介護保険の訪問リハビリテーション

が併用できることを要望いたします.また,その併用期間は,3 か月間とすることを望み

ます.

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Ⅲ.リハビリテーション医療の充実

1)疾患別リハビリテーション料の一部統一

疾患別リハビリテーション料の差異は臨床現場や利用者に様々な混乱を招くだけでは無

く,適切な疾患別リハビリテーションを選択することにも障壁となっている可能がありま

す.

以上のことから,わかりやすい疾患別リハビリテーションを提供することを目的に一部

統一を提案します.

(提案する疾患別リハビリテーション料)

脳血管疾患Ⅰ

PT5OT3ST1合計 10名

脳血管疾患Ⅱ

PT.OT.STいずれか2名

運動器Ⅰ

PT.OTが合計4名

呼吸器Ⅰ

PT.OTが合計 2名

心大血管Ⅰ

PT.Nrsが合計2名

運動器Ⅱ

PT.OTが合計 2名

脳血管疾患Ⅲ

PT.OT.STいずれか 1名

運動器Ⅲ

PT.OTが合計 1名

呼吸器Ⅱ

PT.OTが合計 1名

心大血管Ⅱ

PT.Nrsが合計 1名

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2)精神科リハビリテーション総合実施計画料の新設 (補足資料4)

精神科チーム医療の重要性が見直される中,実際に多職種が共同して患者を評価しその

共通の評価に基づいて,チーム内での連携と目標の共有のための統一された手段がなく,

地域移行あるいは地域生活定着を目指すことが十分に行われていません.医師・看護師・

作業療法士・精神保健福祉士・臨床心理士等の多職種による共同の評価(患者のアセスメ

ント)と,地域移行・地域生活定着を目指したチームによる適切な支援の充実が必要であ

ります.そのために,多職種が共同して精神科の総合的なリハビリテーション実施計画(別

紙案)を策定した場合 1月に 1回を限度とし,精神科リハビリテーション総合実施計画評

価料の算定を要望いたします.

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3)小児外来リハビリテーション-教育機関・連携実施記録料の新設

(補足資料5)

小児リハビリテーションにおいて,病院での治療方針を教育現場へ正確に伝えることは,

家族にとって安心した子育へとつながります.医療と教育の双方が状況を把握することは,

それぞれの支援において,病院から地域へのすみやかな移行だけでなく,地域での健やか

な発達や自立を目標とした治療計画が立案できます.

以上のことから,小児外来リハビリテーションの際に,リハビリテーション専門職が特

別支援学校等の教員等に対してその専門的連携を行った場合,小児外来リハビリテーショ

ン-教育機関・連携実施記録料の算定を要望いたします.

□施設支援群

■非常勤群(週 1-2回程度)

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Ⅳ.医師の負担の軽減(チーム医療の推進)

1)外来リハビリテーション診療料のカンファランス要件の緩和

医師の負担の軽減、医療費の適正化(再診料の削減)のため外来リハビリテーション診

察料の普及が望まれています.しかし,24年度改定では、毎回のカンファランスが義務

付けられ,また,外来頻度が事前の計画と異なった場合,点数に差が生じるといった,運

用面の煩雑さが普及を阻害する要因の一つと指摘されています.

以上のことから,必ずしもカンファランスを開催しなくとも,たとえば実施計画書の作

成といった臨床の負担を減らした簡便な方策でも外来リハビリテーション診療料が算定で

きるように要望いたします.

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できる できない条件が整え

ばできる

合併症などにより標準的なリハが 実施できなかった

23.9 19.8 55.2

障害の受容に期間を要した 38.6 19.4 40.3

就労・復職などを目標 31.8 25.9 41.2

合併症などにより標準的なリハが 遂行できなかった

20.6 32.0 46.0

就労・復職などを目標 26.5 33.5 37.9

機能再建療法実施後の例 20.4 39.5 38.8

障害の受容に期間を要した 32.3 24.9 41.5

期待値 27.7 27.9 43.0

脳血管疾患

受け入れ可能性の回答(%)

運動器疾患

分類 状態像

Ⅴ.医療と介護の円滑な連携

1)維持期リハビリテーションにおける月 13 単位の継続 (補足資料6)

医療と介護の円滑な連携を推進するには,介護側施設の受け入れ態勢を整える必要があ

ると理解しています.しかしながら,長期にリハビリ医療を必要とする患者像について,

介護側の受け入れ体制が十分に整っていません.脳血管疾患や運動器疾患でも合併症など

のために複雑な治療が必要となる事もあり、医療での介入が妥当です。

以上のことから,標準的算定日数を超えた後も,従来通りに疾患別リハビリテーション

料の月 13単位の継続を要望いたします.

標準的算定日数を超えてリハビリテーション医療を必要とした状態像に対する介護側の受入れ実績

標準的算定日数を超えてリハビリテーション医療を必要とした状態像と,その介護側における受入

れ可能性

分類 状態像受け入れ実績

ありの回答(%)

合併症などにより標準的なリハが実施できなかった 42.9

障害の受容に期間を要した 56.6

就労・復職などを目標 8.8

合併症などにより標準的なリハが遂行できなかった 38.7

就労・復職などを目標 18.5

機能再建療法実施後の例 17.8

障害の受容に期間を要した 39.4

χ2 値 54.87

期待値 31.8

p 0.000

運動器疾患

脳血管疾患

平成24年度老人保健健康増進等事業 「長期的な医療介入が必要なリハビリテーション患者・利用者に

対するリハビリテーションのあり方に関する調査研究事業」

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2)回復期リハビリテーション病棟における訪問リハビリテーションシステムの構築

患者が安心して在宅復帰するためには,退院先の実情に応じた環境設定や動作訓練、あ

るいは介護者の指導等が欠かせません.

以上のことから,「入院時・退院前訪問指導料出来高算定」を提案させていただきます.

※入院時・退院前訪問指導料出来高算定

平成 23年度全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会(現一般社団法人回復期リハ

ビリテーション病棟協会)調査では,退院前訪問の実施について,有効回答 657 病棟のう

ち 80%以上の患者に対して退院前訪問を実施している病棟数は 83 病棟(16.4%)という

状況でありました.在宅退院を目指した評価のために有効となる入院初期の訪問評価実施

については,有効回答 770 病棟中 566 病棟(73.5%)で実施していない結果となっており

ます.双方の訪問リハビリテーションにより,個別に応じた早期退院を実現いたします