障害福祉サービス・障害児通所支援等の 利用者負担 …厚生労働省...

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厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害福祉サービス・障害児通所支援等の 利用者負担認定の手引き 【令和元年7月版】 Ver.13

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Page 1: 障害福祉サービス・障害児通所支援等の 利用者負担 …厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 4 目 次 序.利用者負担の概要について(図表)・・・・・・・・・・・1

厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部

障害福祉課

障害福祉サービス・障害児通所支援等の

利用者負担認定の手引き

【令和元年7月版】

Ver.13

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障害福祉課

1

利用者負担の概要(福祉型)

入所施設

(20歳以上)

自己負担(福祉部分)①

等②

補 足 給 付(P30~37参照) 人件費相当分

減額経過措置

生 活 保 護 へ の 移 行 防 止 (負担上限月額を下げる) (P38参照)

高 額 障 害 福 祉 サ ー ビ ス 等 給 付 費 等 (P39~54参照)

負 担 上 限 月 額 設 定 (P5~13参照)

通所サービス 入所施設

(20歳未満)

グループホーム ※注1 ホーム

ヘルプ

※注1 負担上限月額の設定に関しては、宿泊型自立訓練、精神障害者退院支援施設利用型生活訓練及び精神障害者退院

支援施設利用型就労移行支援を含む。

※注2 グループホーム(重度障害者等包括支援の一環として提供される場合を含む。)に限る。

*障害児施設についても含む。

補足給付※注2

(P31参照)

賃③

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障害福祉課

2

自己負担

(

福祉部分)①

自己負担

(

医療部分)②

負 担 上 限 月 額 設 定 (P5~13参照)

高 額 障 害 福 祉 サ ー ビ ス 等 給 付 費 等 (P39~54参照)

負 担 上 限 月 額 設 定 (P5~13参照)

標 準 負 担 額 (健康保険に規定) 人件費相当分

減額経過措置

生 活 保 護 へ の 移 行 防 止 (負担上限月額を下げる) (P38参照)

* 療養介護については医療型障害児入所施設と同じ仕組み。

医 療 型 個 別 減 免※ (P18~29参照)

通所サービス 入所施設

(20歳未満) 入所施設

(20歳以上)

利用者負担の概要(医療型)

20 歳未満医療型個別減免の対象者の場合

(全所得階層)

①→②→③の順で軽減後の負担上限月額を算定。

合計額は地域で子どもを育てるために通常必要な費用

-その他生活費

医 療 型 個 別 減 免※ (P18~29参照)

20 歳以上医療型個別減免の対象者の場合

(低所得1・2)③→①→②の順で軽減後の

負担上限月額を算定。

合計額は認定収入額-その他生活費

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障害福祉課

3

(MEMO)

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障害福祉課

4

目 次

序.利用者負担の概要について(図表)・・・・・・・・・・・1

第1.所得区分認定、医療型個別減免、補足給付の認定方法について・・・・5

1 負担上限月額を定める際の所得区分の設定について・・・・・・・・ 5

2 18 歳以上の者が放課後等デイサービスと障害福祉サービスとを併用す

る場合の取扱いについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

3 医療型個別減免について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18

4 補足給付の認定について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30

第2.生活保護・境界層対象者に対する負担軽減措置について・・・・38

第3.高額障害福祉サービス等給付費等について・・・・・・・39

1 高額障害福祉サービス等給付費等の算定の原則・・・・・・・・・・ 41

2 高額障害福祉サービス等給付費等の算定の特例・・・・・・・・・・ 43

3 高額障害福祉サービス等給付費等の償還の流れについて・・・・・ 54

第4.新高額障害福祉サービス等給付費に係る要件等について・・・・55

1 新高額障害福祉サービス等給付費等の対象者・・・・・・・・・・・55

2 新高額障害福祉サービス等給付費の申請及び支給の決定について・・59

3 新高額障害福祉サービス等給付費の計算例・・・・・・・・・・・・62

4 【参考】新高額障害福祉サービス等給付費様式例・・・・・・・・・65

第5.新高額障害福祉サービス等給付費と生活保護制度における介護扶助との併給調整・・・67

1 両制度の適用関係について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67

2 代理受領支払いによる新高額障害福祉サービス等給付費の取扱い・・67

3 【参考】代理受領に係る委任状例・・・・・・・・・・・・・・・・69

第6.高額障害福祉サービス等給付費等と高額介護(予防)サービス費【年額】及び高額医療合算介護サービス費との併給調整について・・70

1 併給調整の原則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70

2 重複支給分の取扱いについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・71

3 併給調整の計算例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76

4 【参考】代理受領に係る委任状例・・・・・・・・・・・・・・・・80

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(所得区分認定)

5

第1 所得区分認定、医療型個別減免、補足給付の認定方法について

1 負担上限月額を定める際の所得区分の設定について

○ 所得区分の設定の際に低所得1の区分に該当するか否かの判定に当たって

は、市町村及び都道府県(以下「市町村等」という。)の事務負担を考慮し、税

情報を基本とする。

さらに、税情報に加えて、税情報では収入額を把握できないが、障害者に対

する一般的な制度として給付される収入として、障害年金や、手当等による収

入額を加えて判定することとする。

(1)【具体的な区分の算定方法】

○ 利用者負担の上限月額については、利用者本人(支給決定保護者)の属す

る世帯(※)の収入等に応じて、以下の5区分に設定する。(障害者の日常生

活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行令(以下「令」という。)

第 17 条、児童福祉法施行令(以下「児令」という。)第 24 条及び第 27 条の

2に規定。なお、療養介護医療については、令第 42条の4第1項、肢体不自

由児通所医療については児令第 25 条の 13 第1項、障害児入所医療について

は児令第 27条の 13第1項に規定。)

(※)平成 20年7月に実施した世帯の範囲の見直しにより、障害者(施設に入

所する 20歳未満の者を除く。以下「世帯見直し対象者」という。)である場

合に係る「世帯」の範囲については、当該障害者及び配偶者としている。生

活保護に係るものを除き、以下、このマニュアルにおける「世帯員」「世帯

全員」等の用語を含む「世帯」について同じ。

① 生活保護・・・生活保護受給世帯(「中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並

びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の

支援に関する法律」による支援給付受給世帯についても同様

の取扱い。)

生活保護世帯の考え方については平成 20年7月に行った世帯の範囲の見

直しは適用せず、従前のとおりである。

このため、例えば障害者本人のみの所得を勘案すれば低所得1に該当す

る場合であっても、生活保護受給世帯である場合は当該区分に該当する。

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(所得区分認定)

6

② 低所得1・・・市町村民税世帯非課税者(注)であって障害者又は障害児の

保護者の収入が年間 80 万円以下である者

具体的には、以下のア及びイのいずれにも該当する者であること。

ア)市町村民税世帯非課税者

イ)以下のa~cの合計額が年間 80万円以下である者

a 地方税法第 292条第1項第 13号に規定する合計所得金額

(合計所得金額がマイナスとなる者については、0とみなして計算する)

b 所得税法第 35条第2項第 1号に規定する公的年金等の収入金額

c その他厚生労働省令で定める給付

・ 国民年金法に基づく障害基礎年金、遺族基礎年金及び寡婦年金並びに国民年金

法等の一部を改正する法律(以下「法律第 34号」という。)第1条の規定による

改正前の国民年金法に基づく障害年金

・ 厚生年金保険法に基づく障害厚生年金、障害手当金及び遺族厚生年金並びに法

律第 34号第3条の規定による改正前の厚生年金保険法に基づく障害年金

・ 船員保険法に基づく障害年金及び障害手当金並びに法律第 34 号第5条の規定に

よる改正前の船員保険法に基づく障害年金

・被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律

(以下「平成 24年一元化法」という。)附則第 36条第5項に規定する改正前国共

済法による職域加算額のうち障害又は死亡を給付事由とするもの並びに平成 24年

一元化法附則第 37条第1項に規定する改正前国共済法による年金である給付のう

ち障害又は死亡を給付事由とするもの及び同項に規定する旧国共済法による年金

である給付のうち障害を給付事由とするもの

・ 平成 24年一元化法附則第 32条第1項の規定による障害一時金

・ 平成 24年一元化法附則第 41条第1項の規定による障害共済年金及び遺族共済

年金

・ 平成 24年一元化法附則第 60条第5項に規定する改正前地共済法による職域加

算額のうち障害又は死亡を給付事由とするもの並びに平成 24年一元化法附則第 61

条第1項に規定する改正前地共済法による年金である給付のうち障害又は死亡を

給付事由とするもの及び同項に規定する旧地共済法による年金である給付のうち

障害を給付事由とするもの

・ 平成 24年一元化法附則第 56条第1項の規定による障害一時金

・ 平成 24年一元化法附則第 65条第1項の規定による障害共済年金及び遺族共済

年金

・ 平成 24年一元化法附則第 78条第3項に規定する改正前私学共済法による年金

である給付のうち障害又は死亡を給付事由とするもの並びに平成 24年一元化法附

則第 79条に規定する改正前私学共済法による年金である給付のうち障害又は死亡

を給付事由とするもの及び同項に規定する旧私学共済法による年金である給付の

うち障害を給付事由とするもの

・ 移行農林共済年金(厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統

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(所得区分認定)

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合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律附則第 16条第

4項に規定する移行農林共済年金をいう。)のうち障害共済年金及び移行農林年金

(同条第6項に規定する移行農林年金をいう。)のうち障害年金並びに特例年金給

付(同法附則第 25条第4項各号に掲げる特例年金給付をいう。)のうち障害を支

給事由とするもの

・ 特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律に基づく特別障害給付

・ 労働者災害補償保険法に基づく障害補償給付及び障害給付

・ 国家公務員災害補償法(他の法律において準用する場合を含む。)に基づく障害

補償

・ 地方公務員災害補償法に基づく障害補償及び同法に基づく条例の規定に基づく

補償で障害を支給事由とするもの

・ 特別児童扶養手当等の支給に関する法律に基づく特別児童扶養手当、障害児福

祉手当及び特別障害者手当並びに法律第 34号附則第 97条第1項の規定による福

祉手当

③ 低所得2・・市町村民税世帯非課税者のうち、②に該当しないもの

④ 一般1・・市町村民税課税世帯に属する者のうち、ア又はイに該当し、か

つ、市町村民税所得割額(※)が 16万円(障害児及び 20歳未満

の施設入所者にあっては 28 万円)未満のもの

ア 居宅で生活をする者

居宅で生活をする者(グループホームに居住する者並びに宿泊型自立訓

練、精神障害者退院支援施設利用型生活訓練及び精神障害者退院支援施設

利用型就労移行支援を受けている者を除く。以下同じ。)

イ 20歳未満の施設入所者

20 歳未満の者であって、指定療養介護事業所、指定障害者支援施設又

は指定障害児入所施設等に入所又は入院している者(以下「20 歳未満の

施設入所者」という。)

なお、市町村民税所得割額については、申請者の属する世帯に属する者の

市町村民税所得割額の合計額とする。また、当該額は、地方税法に規定する

標準税率で計算された税額とし、自治体が標準税率によらない税率で課税し

ている場合は、標準税率で計算した税額により判断すること。

※ 市町村民税所得割額の算定に当たっては、「住宅借入金等特別税額控除」(地方税

法附則第5条の4及び第5条の4の2)及び「寄附金税額控除」(地方税法第 314条

の7)による税額控除前の市町村民税所得割額で判定を行うこととする。

⑤ 一般2・・市町村民税課税世帯に属する者のうち、④に該当しないもの

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(所得区分認定)

8

(注)市町村民税世帯非課税者・・その属する世帯の世帯主を含むすべての世帯員が障害福

祉サービスを受ける日の属する年度(障害福祉サービスを受ける日の属する月が4月か

ら6月までである場合にあっては、前年度)分の地方税法の規定による市町村民税(同法

の規定による特別区民税を含むものとし、同法第 328 条の規定によって課する所得割を

除く。以下同じ)が課されていない者又は当該市町村の条例で定めるところにより当該

市町村民税を免除された者(当該市町村民税の賦課期日において同法の施行地に住所を

有しない者を除く。)である世帯に属する者

○ 障害福祉サービス(療養介護を除く。)、障害児通所支援(医療型児童発達支

援を除く。)及び障害児入所支援(医療型障害児入所施設及び指定医療機関で提

供される場合を除く。)を利用する場合については、市町村民税非課税世帯に属

する者であれば、利用者本人(支給決定保護者)の収入にかかわらず、負担上

限月額が0円となるため、「低所得1」及び「低所得2」(以下「低所得」と総

称する。)を区分する必要はない。

したがって、この場合については、市町村民税の課税状況が分かる資料をも

って所得区分を「低所得」と設定して差し支えない。

○ 療養介護、医療型児童発達支援及び障害児入所支援(医療型障害児入所施設

及び指定医療機関で提供される場合に限る。)を利用する場合については、療養

介護医療費、肢体不自由児通所医療費及び障害児入所医療費に係る利用者負担

が発生することを踏まえ、市町村民税非課税世帯に属する者について、利用者

本人(支給決定保護者)の年収を把握し、「低所得1」又は「低所得2」の区分

を設定すること。

○ 所得区分認定は、就学前の障害児の発達支援の無償化(以下「無償化」とい

う)の対象となる児童を養育しているか否かにかかわらず行うこと。

(2)【手続き等】

○ 障害者等の申請により、どの区分に該当するか市町村等が認定する。(申請

がなければ、基本的に⑤の世帯に該当するものとみなす。)

現在すでに障害福祉サービス等を利用している障害者等については、区分

を設定するため、申請を出すように周知することが必要。

※ 負担上限月額の申請と支給決定の申請は別の申請であるが、市町村等の事

務の便宜上、支給決定の申請様式と負担上限月額の申請様式で共通化できる

部分を共通化して利用することは可能。

○ 申請する際に、添付する必要のある書類は下記のとおり。

なお、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下

「障害者総合支援法」という。)又は児童福祉法に基づき、市町村等が必要な情

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(所得区分認定)

9

報について調査を行うことは可能であるが、円滑に事務を行うため、申請の際

に、必要な税情報、手当の受給状況等について調査同意を取る取扱い等を行う

ことは差し支えない。

本人の添付書類により状況が確認できる場合は、添付書類で確認する。添付

書類だけで確認できない場合は、必要に応じ、税部局や年金事務所等に確認す

る。

① 利用者の属する世帯の市町村民税の課税状況等が分かる資料

・ 市町村の証明書(利用者の属する世帯全員の市町村民税の課税・非課

税の状況)

・ 生活保護世帯であれば、福祉事務所の証明書等

② 利用者の属する世帯の障害年金等、特別児童扶養手当等の受給状況が分

かる資料

・ 年金証書の写し、振込通知書の写し

・ 特別児童扶養手当等の証書の写し

※この場合、通帳の写しの添付を強制するものではないことを申し添える。

○ 上記①の資料のみで、所得区分が設定できる場合は、上記②の資料の提出を

求める必要はない。ただし、施設入所者に係る補足給付を受ける場合について

は、本人の収入を把握する必要があることに注意すること。

○ 世帯の範囲については支給決定を受けた者(障害者又は障害児の保護者)が

属する住民基本台帳上の世帯を原則とする。

→ 同一の世帯に属する者を確認するため、住民票の提出を求める等により

世帯の範囲の確認を行う必要がある。

ただし、施設に入所する 20 歳未満の障害者又は障害児(以下「20 歳未

満入所障害者等」という。)については、市町村民税非課税かどうかの認定

は保護者等の当該 20 歳未満入所障害者等を監護する者の属する世帯とし

て認定を行う。

○ 負担上限月額については、原則として、施設入所者は毎年7月に、それ以外

の者については年1回支給決定月に、直近に把握した所得状況に基づき負担上

限月額を認定する。

ただし、市町村等の判断により必要に応じて利用者負担の見直しを行うこ

とは差し支えない。

○ 世帯員の構成等、世帯の状況が変化した場合は、世帯の状況が把握できる書

類を添付の上、速やかに変更の届出をしてもらう。負担上限月額の変更の必要

があれば、翌月の初日から変更する。ただし、申請日が月の初日の場合は、当

該月の初日から変更すること。

失業等により前年から大幅に収入が変動している場合等については、障害者

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(所得区分認定)

10

総合支援法第 31 条、児童福祉法第 21条の5の 11及び第 24条の5の規定によ

り、障害者総合支援法第 29条第3項第1号、児童福祉法第 21 条の5の3第2

項第1号及び第 24 条の2第2項第1号に掲げる額から、障害者総合支援法第

29 条第3項第2号、児童福祉法第 21 条の5の3第2項第2号及び第 24 条の

2第2項第2号に掲げる額の範囲内で市町村等が定めた額を控除して介護給

付費等を支給することができる。

なお、障害者総合支援法第 31 条及び障害者の日常生活及び社会生活を総合

的に支援するための法律施行規則第 32 条において、世帯の生計を主として維

持する者に係る財産の著しい損害等の特別の事情が規定されているが、ここで

いう「世帯」についても、原則として障害者本人及び配偶者で判断することと

する。

(3)【未申告者の取扱いについて】

○ 非課税であることから、申告をしておらず、課税・非課税の確認がとれない

者(以下「未申告者」という。)については、原則として、申告し、非課税の証

明書を取り、提出するよう促すこととする。

○ ただし、当分の間は、利用者の所得状況の把握に関する市町村等の事務量が

増えることから、市町村民税世帯非課税者であると市町村等が判断可能な場合

等については、未申告であることをもって市町村民税世帯非課税者であるとみ

なす取扱いをすることができることとする。

○ なお、未申告者については、合計所得金額が確定できず、収入が 80 万円以

下であることの確認がとれないため、低所得2として取り扱うことが原則と考

えられるが、市町村等の判断により、当該未申告者を低所得1とみなす取扱い

をする場合は、障害基礎年金1級を受給する者とのバランスを失することがな

いよう、当該未申告者の収入状況等を十分に確認した上で取り扱うよう留意さ

れたい。

(4)【負担上限月額について】

Ⅰ 介護給付費及び訓練等給付費並びに障害児通所給付費及び障害児入所給付

費に係る所得区分及び負担上限月額

所得区分 負担上限月額

生活保護 0円

低所得 低所得1

0円 低所得2

一般1

居宅で生活する障害児 4,600円

居宅で生活する障害者及び 20歳未満

の施設入所者 9,300円

一般2 37,200円

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(所得区分認定)

11

(※)無償化対象の児童であるか否かにかかわらず、受給者証の「負担上限月額」

欄には、所得区分に応じた負担上限月額を記入すること。ただし、無償化対象

の児童については、受給者証の「特記事項欄」に、無償化対象であること及び

その対象期間を付記すること。

○ 同一の保護者(一般1の所得区分に属する者に限る。)に係る複数の障害

児が、障害児通所支援又は障害児入所支援を受けている場合の負担上限月額

は、該当する負担上限月額のうち最も高い額とする。

なお、複数の条項に基づくサービスを受けている場合は、それぞれのサー

ビスにおいて負担上限月額を決定する。この場合においては、高額障害福祉

サービス等給付費等における「障害児の特例」が適用される。

Ⅱ 就学前の障害児の発達支援の無償化について

① 対象となるサービス

児童発達支援、医療型児童発達支援、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪

問支援を行う事業所、福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設(※)が

無償化の対象となる。

また、基準該当児童発達支援事業所及び共生型の特例により指定を受けた児

童発達支援事業所も対象となる。

(※)障害児入所支援を行う指定発達支援医療機関についても同様の扱いとする。

② 対象となる期間

満3歳になった年度の翌年度の4月1日から開始し、小学校就学まで(※)

とする。

(※)学校教育法第 18 条に基づき就学義務の猶予となった児童については、猶

予期間の最終日又は猶予取り消し日の属する月末までは無償化の対象とす

る。ただし、猶予期間最終日又は猶予取り消し日が月の初日の場合は、当該

月の初日から無償化対象ではなくなることに留意すること。

Ⅲ 障害児通所支援に係る多子軽減措置適用後の負担上限月額

① 対象者

⒜ 以下の者(以下「小学校就学前児童」という。)が二人以上いる通所給付

決定保護者

ⅰ 障害児通所支援を利用する小学校就学の始期に達するまでの障害児

ⅱ 以下の施設に通う小学校就学の始期に達するまでの児童

・ 幼稚園

・ 特別支援学校の幼稚部

・ 保育所

・ 情緒障害児短期治療施設

・ 認定こども園

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(所得区分認定)

12

ⅲ 特例保育又は家庭的保育事業等による保育を受ける児童

⒝ 市町村民税所得割合算額が 77,101 円未満の世帯(市町村民税非課税世

帯及び生活保護受給世帯を除く。)に属し、以下の者(以下「負担額算定基

準者」という。)が二人以上いる通所給付決定保護者

ⅰ 通所給付決定保護者の児童で通所給付決定保護者と生計を一にする

ⅱ 通所給付決定保護者に監護されていた児童で通所給付決定保護者と

生計を一にする者

ⅲ 通所給付決定保護者及びその配偶者の直系卑属で通所給付決定保護

者と生計を一にする者(ⅰ及びⅱの者を除く。)

② 負担上限月額

⒜の場合

以下のアからウまでの額を合算した額と元来の障害児通所給付費に係る

所得区分に応じた負担上限月額のいずれか低い額を負担上限月額とする。

障害児 算定額

ア 小学校就学後の障害児小学校就

学前児童のうち最年長者

厚生労働大臣が定める基準により

算定した額の 10/100

※ただし、無償化対象児童の場合

は 0/100

イ アを除く小学校就学前児童のう

ち最年長者

厚生労働大臣が定める基準により

算定した額の5/100

※ただし、無償化対象児童の場合

は 0/100

ウ ア及びイ以外の障害児 0

⒝の場合

以下のアからウまでの額を合算した額と元来の障害児通所給付費に係る

所得区分に応じた負担上限月額のいずれか低い額を負担上限月額とする。

障害児 算定額

小学校就学後の障害児小学校就

学前負担額算定基準者のうち最

年長者(全ての負担額算定基準

者が小学校就学前負担額算定基

準者である場合に限る。)

厚生労働大臣が定める基準により

算定した額の 10/100

※ただし、無償化対象児童の場合

は 0/100

小学校就学前負担額算定基準者

のうち最年長者(負担額算定基

準者のうち小学校就学前負担額

厚生労働大臣が定める基準により

算定した額の5/100

※ただし、無償化対象児童の場合

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(所得区分認定)

13

算定基準者以外の者が1人であ

る場合に限る。)

小学校就学前負担額算定基準者

のうち2番目の年長者(全ての

負担額算定基準者が小学校就学

前負担額算定基準者である場合

に限る。)

は 0/100

ウ ア及びイ以外の障害児 0

Ⅳ 療養介護医療費、肢体不自由児通所医療費及び障害児入所医療費に係る所得

区分及び負担上限月額

所得区分 負担上限月額

生活保護 0円

低所得1 15,000円

低所得2 24,600円

一般(一般1・2) 40,200円

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(所得区分認定)

14

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(所得区分認定)

15

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(所得区分認定)

16

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(医療型個別減免)

17

2 18 歳以上の者が放課後等デイサービスと障害福祉サービスとを併

用する場合の取扱いについて

○ 平成 22 年 12 月 10 日の障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて

障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するた

めの関係法律の整備に関する法律(以下「整備法」という。)の一部の施行に伴

い、児童デイサービスが廃止されるまでの特例措置として、18歳以上の者が児童

デイサービスとその他の障害福祉サービスとを併用する場合には、令第 17 条に

基づき、その他の障害福祉サービスに係る障害者としての負担上限月額が適用さ

れることとしていたところ(平成 23年3月 22日付け事務連絡)。

○ 平成 24年4月1日の整備法の施行に伴い、18歳以上の者が放課後等デイサー

ビスと障害福祉サービスとを併用する場合の負担上限月額については、

・ 平成 24 年3月までに児童デイサービスとその他の障害福祉サービスを併用

していた者については、引き続き、障害者としての負担上限月額が適用される

こと、

・ 平成 24 年4月以降に放課後等デイサービスと障害福祉サービスとの併用を

開始する者については、放課後等デイサービスに係る障害児としての負担上限

月額と、障害福祉サービスに係る障害者としての負担上限月額とがそれぞれ適

用されること

とする。

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(医療型個別減免)

18

3 医療型個別減免について

医療型障害児入所施設及び療養介護(以下「医療型障害児施設等」という。)の利

用者負担の認定の際には以下の取扱いにより負担上限月額を認定する。

※ 医療型児童発達支援については、医療型個別減免の対象とはならない。

<20歳以上の入所者の場合>

(1)【手続き等】

障害者の申請により、障害者の収入額を市町村等が認定する。(申請がなけれ

ば、医療型個別減免は行わない。)

* 療養介護事業については、実施主体が市町村である。

(2)【対象者】

○ 市町村民税世帯非課税である者(低所得1・2)は、医療型個別減免の対象

とする。

具体的な基準は以下のとおり。

※ 住民票が入所(入居)前の世帯に残っている場合(配偶者が同一の住民票にある場合

を除く。)であっても、医療型個別減免の対象として差し支えない。なお、配偶者が同一

の住民票にある場合であっても、市町村等において、単身世帯と同様の生活状況にある

と個別に判断した場合においては、住民票が施設等になくても、医療型個別減免の対象

として差し支えない。

なお、住民票の取扱いについては、住民基本台帳法の趣旨に沿って、適切に取り扱わ

れるものであるので、あらかじめ申し添える。

※ なお、以下の資産については、実際に資産を利用できる状態となった場合に

は、収入認定する。

ア)将来、現金化された際に収入認定することが可能である保険商品や個人年

金等の一定期間は利用できない状態にある資産

・ 生命保険料控除、個人年金保険料控除の対象となっている個人年金等

イ)親等が障害者を受益者として設定する信託財産(具体的には以下のもの)

・ 相続税法第 21 条の4に規定する特別障害者扶養信託契約に基づいて信

託された相続税法施行令第4条の 10 に規定する財産(いわゆる「特定贈

与信託」)

・ その他これらに準ずるものとして市町村等が認めたもの

※ 特定贈与信託に準ずるもの

個人(親等)を委託者、信託会社又は信託業務を営む金融機関を受託者、障害者を受

益者とする他益信託のうち以下の要件を満たすものとする。

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(医療型個別減免)

19

① 個人(親等)以外の一人の障害者を信託の利益(元本受託権及び収益権)の全部の

受益者とする契約であること。

② 当該信託契約に基づく障害者に係る信託財産の交付に係る金銭(収益の分配を含

む。)の支払は、当該障害者の生活又は療養の需要に応じるため、定期に、かつ、

その実際の必要に応じて適切に、行われることとされていること。

③ 当該信託契約に基づき信託された財産*の運用は、安定した収益の確保を目的とし

て適正に行うこととされているものであること。

* 特定贈与信託契約において信託できるものとされた財産と同様の財産とする。

④ 当該信託契約に、当該契約に基づく信託に係る信託受益権については、その譲渡

に係る契約を締結し、又はこれを担保に供することができない旨の定めがあるこ

と。(ただし、遺贈はできる。)

(3)【添付種類等】

○ 障害者が申請する際に添付する必要のある書類は以下のとおり。市町村等に

おいて必要がないと判断できるものは適宜省略して差し支えない。

<収入の状況が分かる書類>

① 本人の収入額が分かるもの

・ 年金証書、振込通知書、手当の証書等

・ 工賃等の就労収入額の証明書(通所している先の事業所等の証明)

・ 源泉徴収票

・ 市町村の課税・非課税証明書

・ 市町村が支給する手当等の額が分かる書類

・ その他申告の内容により必要と認められる書類

② 必要経費の額が分かるもの

・ 市町村の課税・非課税証明書

・ 国民健康保険の保険料等を納付した証明書等

③ その他

・ 市町村等が必要と認める資料

○ 原則として、申告の際に必要な通帳の写しや税の証明書等が添付されてい

ればよいこととする。

ただし、申告の内容に虚偽の疑いがあると市町村等が判断した場合等につい

ては、必要に応じて調査を行うこととする。

(具体的な調査方法の例)

・税部局に対する情報の確認

・申請者の居住する場所から最寄りの主要な金融機関への問い合わせ

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(医療型個別減免)

20

(4)【減免後の額を計算する際の収入の種類】

○ 療養介護に係る収入額の認定については、収入を2種類に分類することとす

る。

具体的には、療養介護を受ける日の属する前年(療養介護を受ける日が1月

~6月である場合にあっては、前々年)の収入の合計額を 12 で除した額(端

数については切捨て)をもとに算出する。(年間の収入、前年の収入を把握す

ることが困難な場合は、平均的な月収として市町村等が認める額とする。)

その際、療養介護のあった月の属する前年(療養介護のあった月が1月~6

月である場合にあっては、前々年)にかかる必要経費を 12 で除した額(端数

については切捨て)を控除した上で算定すること。

ア)負担を取らない収入

○ 特定目的収入‥国、地方公共団体等から特定の目的に充てるために支給

されるもの

・ 地方公共団体から医療費の自己負担分として支給される手当

・ 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律により支給される医療特別

手当及び特別手当のうち、生活保護基準の放射線障害者加算に相当する

・ 児童手当法により支給される児童手当等利用者本人の生活費以外の用

途に充てることとされている金銭

・ 生活保護法において収入として認定されないこととされている収入

(心身障害者扶養共済の給付金については、生活保護法において収入と

して認定されないこととされている収入として認定する。)

○ その他障害福祉サービスに要する費用に充てることができない収入と

して市町村が認めた収入

イ)負担を取る収入 アを除く収入

ウ)必要経費とするもの

・ 租税の課税額

・ 社会保険料(65歳以上の施設入所者については、介護保険料を除く。)

(5)【医療型個別減免の適用に当たっての算定手順】

Ⅰ 負担限度額の算定方法

上記(4)のイからウを差し引いた額を 12で除した数(端数については、切

捨て。以下「認定収入額」という。)

負担限度額(月額)=認定収入額-その他生活費※

※ その他生活費の額

a b以外の者 2.5 万円

b 障害基礎年金1級受給者、60~64歳の者、65歳以上で療養介護利用者 2.8 万円

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(医療型個別減免)

21

Ⅱ 各部分ごとの負担上限月額の算出内訳

①食費、②福祉部分の自己負担、③医療部分の自己負担の合計額がⅠで算出

した負担限度額となるよう①→②→③の各部分ごとの順番で負担上限月額を

設定していく。(端数については切捨て)

注 平成 22 年4月以降は、低所得者(市町村民税非課税世帯に属する者)に

係る福祉部分の負担上限月額は0円になるが、医療型個別減免における食費

負担限度額及び医療部分の負担上限月額の決定に当たっては、従前(平成 22

年3月以前)どおり、いったん福祉部分の利用者負担が発生するものとして

計算することとなる。(最後に、当該計算の過程で算出された福祉部分の負担

上限月額を0円に置き換える。)

① 食費負担限度額

食費負担限度額(月額)=食事療養及び生活療養に係る標準負担額×31日

※ 対象者の健康保険上の標準負担額を確認すること。

② 福祉部分の負担上限月額

ア 福祉部分の1割負担額と所得区分に応じた福祉部分の従前(平成 22年3

月以前)の負担上限月額を比較し、小さい額を選定する。

(低所得2であれば、月額単位(*)×10円×30.4日×0.1 と 24,600円を

比較する。)

* 利用する施設に応じ、平均単位数をあらかじめ設定する。

☆ケース1 ①で算出した食費負担限度額+②アで選定した福祉部分

の負担上限月額+その他生活費>認定収入額となる場合

②イ 福祉部分の負担上限月額 = 認定収入額-(その他生活費+①)

③ 医療部分の負担上限月額 = 0円

☆ケース2 ①で決定した食費負担限度額+②アで選定した福祉部分

の負担上限月額+その他生活費<認定収入額となる場合

②’イ 福祉部分の負担上限月額 = ②アで選定した額

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(医療型個別減免)

22

③’ 医療部分の負担上限月額

※ 医療部分の1割負担額と所得区分に応じた医療部分の負担上限月額を

比較し、小さい額を選定する。‥‥A

※ 医療部分の1割負担額については、利用施設等の平均医療費等で設定

医療部分の負担上限月額

=認定収入額-(その他費用+①+②’イ)‥‥B

もし、B>Aであるならば、Aの額が医療部分の負担上限月額となる。

また、A>Bであるならば、Bの額が医療部分の負担上限月額となる。

Ⅲ 各部分ごとの負担上限月額の決定

Ⅱにより算出された福祉部分の負担上限月額を0円に置き換える。

その結果、平成 22年4月以降の各部分ごとの負担上限月額は、

☆ Ⅱのケース1の場合

① 食費負担限度額(月額)=食事療養等に係る標準負担額×31 日

② 福祉部分の負担上限月額=0円

③ 医療部分の負担上限月額=0円

☆ Ⅱのケース2の場合

① 食費負担限度額(月額)=食事療養等に係る標準負担額×31 日

② 福祉部分の負担上限月額=0円

③ 医療部分の負担上限月額=Ⅱの③’により算出した額

○ 受給者証には、決定した食費負担限度額、福祉部分の負担上限月額、医療

部分の負担上限月額を記載する。

○ なお、医療型個別減免によって当初の負担上限月額から引き下げられた額

については、

・ 医療部分:療養介護医療費

により給付されることになる。

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(医療型個別減免)

23

計算例1 低所得2で負担限度額が 55,000 円 医療費の1割負担

額 50,000 円で療養介護利用の場合 867単位

(認定収入額 83,000 円)

① 食費について

低所得2で食事療養費標準負担額 480 円(1日当たり)×31 日=14,880円

(※対象者の健康保険上の標準負担額を確認すること。)

② 福祉部分の負担上限月額について

867単位×10円×30.4日×0.1=26,356円

上記により計算した金額と福祉部分の従前の負担上限月額 24,600円を比

較し、低い金額を選定。この場合は、24,600円となる。

14,880円+24,600円+28,000円<83,000円 → ケース2

よって、福祉部分の負担上限月額(計算過程における負担上限月額)は、

24,600 円

③ 医療部分の負担上限月額について

医療費の1割 50,000 円と医療部分の負担上限月額 24,600 円を比較し、

低い金額である 24,600円を選定‥‥A

83,000円-(28,000円+14,880 円+24,600円)=15,520 円‥B

A>Bのため、15,520 円

【各部分ごとの負担上限月額の決定】

福祉部分の負担上限月額 0円

(←②で算出した 24,600 円を0円に置き換える。)

医療部分の負担上限月額 15,520 円

食費負担限度額 14,880 円

計 30,400 円 となる。

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(医療型個別減免)

24

計算例2 低所得1で負担限度額が 41,000 円 医療費の1割負担

額 50,000 円 療養介護利用の場合 867単位

(認定収入額 66,000 円)

① 食費について

低所得1で食事療養費標準負担額 480 円(1日当たり)×31 日=14,880円

(※対象者の健康保険上の標準負担額を確認すること。)

② 福祉部分の負担上限月額について

867単位×10 円×30.4日×0.1=26,356 円

上記により計算した金額と福祉部分の従前の負担上限月額 15,000円を比較

し、低い金額を選定。この場合は、15,000 円となる。

14,880円+15,000 円+25,000円<66,000円 → ケース2

よって、福祉部分の負担上限月額(計算過程における負担上限月額)は、

15,000 円

③ 医療部分の負担上限月額について

医療費の1割 50,000円と医療費負担上限額 15,000円を

比較し、低い金額である 15,000円を選定‥‥A

66,000円-(25,000円+14,880円+15,000円)=11,120 円‥B

A>Bのため、11,120 円

【各部分ごとの負担上限月額の決定】

福祉部分の負担上限月額 0円

(←②で算出した 15,000 円を0円に置き換える。)

医療部分の負担上限月額 11,120 円

食費負担限度額 14,880 円

計 26,000 円 となる。

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(医療型個別減免)

25

<20歳未満の入所者の場合>

(1)【手続き等】

障害者等の申請により、障害者等の収入を市町村等が認定する。(申請がなけ

れば、医療型個別減免は行わない。)

なお、18、19歳の障害者については、民法上、保護者に障害者を監護する義

務があることを考慮し、保護者等の障害者を監護する者の属する世帯の所得区

分を認定して、決定する。

(2)【対象者】

すべての所得区分の者が対象

(3)【添付書類等】

所得区分の設定の際の【添付書類等】と同様

(4)【医療型個別減免の適用に当たっての算定手順】

Ⅰ 負担限度額の算定方法

地域で子どもを育てるために通常必要な費用から、その他生活費を差し引い

た額とする。

負担限度額(月額)

=地域で子どもを育てるために通常必要な費用-その他生活費

※ 地域で子どもを育てるために通常必要な費用

一般2 79,000円 一般1、低所得1・2 50,000円

※ その他生活費の額

18・19歳 25,000円 18 歳未満 34,000 円

Ⅱ 各部分ごとの負担上限月額の算出内訳

①福祉部分の自己負担、②医療部分の自己負担、③食費の合計額がⅠで算出

した負担限度額となるよう①→②→③の各部分ごとの順番で限度額を設定し

ていく。(端数については切捨て)

注1 平成 22 年4月以降は、低所得者(市町村民税非課税世帯に属する

者)に係る福祉部分の負担上限月額は0円になるが、医療型個別減免

における食費負担限度額及び医療部分の負担上限月額の決定に当た

っては、従前(平成 22年3月以前)どおり、いったん福祉部分の利用

者負担が発生するものとして計算することとなる。(最後に、当該計算

の過程で算出された福祉部分の負担上限月額を0円に置き換える。)

注2 無償化対象児童の場合、利用者の実負担は福祉部分が無償となるが、

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(医療型個別減免)

26

医療型個別減免の決定においても、所得区分に応じた利用者負担上限

月額を決定し、受給者証に無償化対象児童であることを付記すること。

なお、食費及び医療部分は無償化の対象外。

① 福祉部分の負担上限月額

福祉部分の1割負担額と所得区分に応じた福祉部分の従前の負担上限月

額を比較し、小さい額を選定する。

(低所得2であれば、月額単位×10 円×30.4日×0.1と 15,000 円*を比較

する。)

* 低所得1・2、一般1の場合も、②以降の算出上 15,000 円(15,000円

を下回る場合は、福祉部分の1割負担額)で計算する。最終的な福祉部分

の負担上限月額は、低所得1・2については0円と、一般1については福

祉部分の1割負担額と 9,300円のいずれか小さい額となる。

②ア 医療部分の負担上限月額

医療費の1割負担額※と所得区分に応じた医療部分の負担上限月額を

比較し、小さい額を選定する。

※ 医療部分の1割負担額については、利用施設等の平均医療費等で設

☆ケース1 ①で選定した福祉部分の負担上限月額+②アで選定した医

療部分の負担上限月額+その他生活費>地域で子どもを育て

るために通常必要な費用となる場合

②イ 医療部分の負担上限月額

=地域で子どもを育てるために通常必要な費用-(その他生活費+①)

③ 食費負担限度額(月額) 0円

☆ケース2 ①で選定した福祉部分の負担上限月額+②アで選定した

医療部分の負担上限月額+その他生活費<地域で子どもを

育てるために通常必要な費用となる場合

②’イ 医療部分の負担上限月額 = ②ア

③’食費負担限度額(月額)

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(医療型個別減免)

27

食事療養費標準負担額×31日‥‥A

地域で子どもを育てるために通常必要な費用-(その他生活費+①+②’

イ)‥‥B

もし、B>Aであるならば、Aの額が食費負担限度額となる。

もし、A>Bであるならば、Bの額が食費負担限度額となる。

○ 受給者証には、決定した福祉部分の負担上限月額、医療部分の負担上限

月額、食費負担限度額を記載する。

○ なお、医療型個別減免によって当初の負担上限月額から引き下げられた

額については、

・ 医療部分:障害児入所医療費※

・ 食費:障害児入所医療費※

により給付されることになる。

※ 療養介護を利用する場合にあっては、「障害児入所医療費」は「療養介護医療

費」と置き換える。

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(医療型個別減免)

28

※計算例1 17 歳で医療型障害児入所施設に入所 低所得2

867 単位 医療費の1割負担額 60,000 円

① 福祉部分の負担上限月額について

867単位×10円×30.4日×0.1=26,356円

上記により計算した金額と算出上の負担上限月額 15,000 円を比較し、

低い金額である 15,000円をこの後の計算に用いる。実際の負担金額は、

0円となる。

②ア 医療部分の負担上限月額について

医療費の1割 60,000 円と医療部分の負担上限月額 24,600 円を比較し、

低い金額である 24,600円を選定

15,000 円+24,600 円+34,000 円>50,000円 →ケース1

②イ 医療部分の負担上限月額について

50,000 円-(34,000 円+15,000 円)=1,000 円

③ 食費負担限度額 0円

福祉部分の負担上限月額 0円

医療部分の負担上限月額 1,000 円

食費負担限度額 0円

計 1,000 円 となる。

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(医療型個別減免)

29

※計算例2 17 歳で医療型障害児入所施設に入所 一般2 146単位

医療費の1割負担額 60,000 円

① 福祉部分の負担上限月額について

146単位×10円×30.4日×0.1=4,438円

上記により計算した金額と福祉部分の負担上限月額 37,200 円を比較し、

低い金額である 4,438 円に決定

②ア 医療部分の負担上限月額について

医療費の1割 60,000 円と医療部分の負担上限月額 40,200 円を比較し、

低い金額である 40,200 円を選定

4,438円+40,200円+34,000円<79,000円 →ケース2

②’イ 医療部分の負担上限月額

40,200 円

③’食費負担限度額について

一般2で食事療養標準負担額 780 円(1日当たり)×31 日=24,180 円

‥‥A

地域で子どもを育てるために通常必要な費用-(その他生活費+①+②’

イ)=79,000 円-(34,000円+4,438 円+40,200円)=362 円‥‥B

A>Bのため、362 円

福祉部分の負担上限月額 4,438 円

医療部分の負担上限月額 40,200 円

食費負担限度額 362 円

計 45,000 円 となる。

<参考 医療型児童発達支援の利用者の場合>

医療型児童発達支援の利用者については、医療型個別減免及び補足給付は適用

されないため、福祉部分と医療部分についての負担上限月額のみ適用される。

※ 食費についても、医療保険制度の適用にならないため、福祉型施設と同様に

生活保護、低所得1・2及び一般1に対する食費の軽減措置が適用される。

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(補足給付)

30

4 補足給付の認定について

<施設入所者の場合>

○ 施設入所者(※)の低所得者にかかる食費・光熱水費の実費負担を軽減するた

め補足給付(障害者については特定障害者特別給付費、障害児については特定入

所障害児食費等給付費)を支給する。

○ 補足給付を支給するに当たっては、支給決定時に 20 歳以上の入所者について

は、手元に一定額が残るよう、補足給付を支給する。また、支給決定時に 20歳未

満の入所者については、地域で子どもを養育するために通常要する程度の負担と

なるように補足給付を支給する。

年齢については、利用者負担見直し時に確認する。

※ 住民票が入所(入居)前の世帯に残っている場合(配偶者が同一の住民票

にある場合を除く。)であっても、補足給付の対象として差し支えない。なお、

配偶者が同一の住民票にある場合であっても、市町村等において、単身世帯

と同様の生活状況にあると個別に判断した場合においては、住民票が施設等

になくても、補足給付の対象として差し支えない。

Ⅰ 支給決定時に20歳以上の入所者

(1)【手続き等】

障害者の申請により、障害者の収入額を市町村等が認定する。(負担上限月

額の認定の申請と併せて行う。)

このため、現在すでに入所している障害者については、申請を出すように周

知することが必要。

(2)【補足給付の対象者】・・・生活保護、低所得(低所得1・2)の者

(3)【添付書類等】

<収入の状況が分かる書類>

(所得区分の設定の添付書類で足りる場合はそれにより確認)

① 本人の収入額が分かるもの

・ 年金証書、振込通知書、手当の証書等

・ 工賃等の就労収入額の証明書(通所している先の事業所等の証明)

・ 源泉徴収票

・ 市町村の課税・非課税証明書

・ その他申告の内容により必要と認められる書類

② 必要経費の額が分かるもの

・ 市町村の課税・非課税証明書

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(補足給付)

31

・ 国民健康保険の保険料等を納付した証明書等

ただし、申告の内容に虚偽の疑いがあると市町村等が判断した場合等につい

ては、必要に応じて調査を行うこととする。

(4)【具体的な認定方法】

○ 原則として、負担上限月額の認定の申請と併せて行う。

○ 収入額については、申告の際に必要な通帳の写しや税の証明書等が添付さ

れていればよいこととする。(所得区分の設定の際の添付書類を活用する)

○ 補足給付の算定に係る収入額については、

障害福祉サービスを受ける日の属する前年(障害福祉サービスを受ける日

の属する月が1月~6月である場合にあっては、前々年)の収入の合計額を

12 で除した額(端数については切捨て)をもとに算出する。(年間の収入、

前年の収入を把握することが困難な場合は、平均的な月収として市町村等が

認める額とする。)

その際、ウの障害福祉サービスのあった月の属する前年(障害福祉サービ

スのあった月が1月~6月である場合にあっては、前々年)にかかる必要経

費を 12で除した額(端数については切捨て。)をイから控除した額をもとに

負担額を算定すること。

ア)負担を取らない収入

○ 特定目的収入・・国、地方公共団体等から特定の目的に充てるため

に支給されるもの

・ 地方公共団体から医療費の自己負担分として支給される手当

・ 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律により支給される医療

特別手当及び特別手当のうち、生活保護基準の放射線障害者加算に

相当する額

・ 児童手当法により支給される児童手当等利用者本人の生活費以外

の用途に充てることとされている金銭

・ 生活保護法において収入として認定されないこととされている収

入(心身障害者扶養共済の給付金については、生活保護法において

収入として認定されないこととされている収入として認定する。)

※ 地方公共団体又はその長から家賃補助等の施設に入所することによってか

かる費用について補助するものについては、すでに補足給付により施設に入

所することによりかかる食費・光熱水費等について公費が給付されているた

め、特定目的収入としない。

○ その他障害福祉サービスに要する費用に充てることができない収

入として市町村が認めた収入

イ)負担を取る収入(アを除く収入)

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(補足給付)

32

① 就労等収入・・就労により得た収入又は国により稼得能力の補填と

して給付される収入

(1) 就労収入

・ 工賃等の就労により得た収入

(2) 年金等収入

・ 負担上限月額の区分のうち低所得1の収入額が 80 万円として算

定されるもののうち、②の公的年金等、③その他厚生労働省令で定

める給付と同じ給付

・ 雇用保険による失業等給付、健康保険の傷病手当

・ その他地方公共団体等が支給するもののうち、公的年金に相当す

るものとして市町村等が判断するもの

(公的年金に相当するもの)

・ 外国籍の無年金の障害者に対して年金と同様の額を地方公共団体

が支給するもの等

② その他の収入・・イ①以外(アを除く)のすべての収入

・ 不動産等による家賃収入

・ 地方公共団体から支給される手当(①に該当しない福祉手当等)。

ただし生活保護法において収入として認定されない額までは認定し

ない。

・ 親等からの仕送り 等

ウ)必要経費とするもの

・ 租税の課税額

・ 社会保険料(65歳以上の施設入所者については、介護保険料を除く。)

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(補足給付)

33

(5)【具体的な計算方法】

○ 補足給付については、日額(※)として額を確定する。

※ グループホーム居住者に対する補足給付は、月額として額を確定するこ

とに注意すること。

○ 算定手順としては、月収をもとに算定した月額の補足給付を 30.4 で除し

て日額を算定(1円未満切り上げ)する。

① 上記イからウを控除した額を 12 で除して得た額(端数については、切捨

て。以下「認定収入額」という。)から 24,000 円までの就労収入額の全額と

24,000 円を超える就労収入額があった場合は超えた額に 30%を乗じて得た

額を除して得た額(以下「控除後認定収入額」という。)が 66,667 円以下の

場合

※ その他生活費の額(補足給付の算定の際に用いる額)

a b 及び c以外の者 2.5万円

b障害基礎年金1級受給者、60歳~64歳の者、65歳以上で施設入所支援に合わ

せ生活介護を利用する者 2.8万円

c 65歳以上(施設入所支援に合わせ生活介護を利用する者を除く) 3.0万円

負担限度額(月額)=控除後認定収入額-その他生活費の額※

補足給付額(月額)=53,500 円-負担限度額(月額)

補足給付額(日額)=補足給付額(月額)÷30.4(1円未満切り上げ)

実際に要した費用が補足給付額を下回る場合は、実際に要した費用を補

足給付額とする。

② 控除後認定収入額が 66,667 円を超える場合

負担限度額(月額)=(66,667 円-その他生活費)+(控除後認定収入額

-66,667 円)×50%

補足給付額(月額)=53,500円-負担限度額(月額)

補足給付額(日額)=補足給付額(月額)÷30.4(1円未満切り上げ)

実際に要した費用が補足給付額を下回る場合は、実際に要した費用を補足

給付額とする。

○ 補足給付については、負担限度額と 53,500 円の差額を補足給付額として

確定し、施設において実際に要した費用が 53,500 円を下回った場合につい

て、補足給付額を減額する取扱いはしない。ただし、実際に要した費用以上

に補足給付を支払うことがないよう、実際に要した費用が補足給付額を下回

る場合は、実際に要した費用まで減額して支払うこととする。

○ 食費等にかかる実費負担額として、補足給付額を算定する際に計算した負

担限度額以上、実費等負担にかかる費用を事業者が利用者から徴収していた

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(補足給付)

34

場合は、補足給付は支給しないことする。

これは、食費等の実費負担について、低所得者から負担限度額を超える額

の負担を求めないこととする補足給付を設けた趣旨を無にするものである

ため、限度額を超えて徴収することを認めないこととするために設けるもの

である。

○ 事業者には、あらかじめ、食費、光熱水費にかかる実費負担として利用者

から徴収する額(補足給付額と実際に実費として徴収する額)を契約書に明

示することを義務付け、事業者はその額を都道府県に届け出ること等により、

事業者が利用者より徴収している負担額について確認することとする。

(6)【補足給付支給に当たっての算定手順】

○ 具体的な認定や負担額の算定手順は以下の方法が考えられる。

① 補足給付の対象者であることの認定を行う。

市町村民税世帯非課税者又は生活保護受給者であることを確認する。

※ 生活保護受給者については、②~④の手続は不要である。

② 対象者の月収の把握及び収入の種類の分類を行う。

対象者の年間収入を、Ⅰ-①特定目的収入、Ⅰ-②その他障害福祉サービ

スに要する費用に充てることができない収入として市町村が認めた収入Ⅱ

-①就労収入、Ⅱ-②年金等収入、Ⅲその他の収入の 5つに分類し、それ

ぞれを 12で割る。(月収の算定。端数については切捨て)年収が不明の場合

は、平均的な月収として考えられる額を認定する。

必要経費についても、年間分を 12で割る。(端数については切り捨て)

③ 月収から、必要経費を控除する。(認定月収額の算定)

②で算定した月収のうち、Ⅲその他の収入から必要経費を控除。必要経費の

額がその他の収入より多い場合は、控除した残りの額をⅡ-②年金等収入、

Ⅱ-①就労収入の順に控除。

※以下、額の算定において、

・ 就労収入

・ 年金等収入

・ その他の収入

については、それぞれ必要経費控除後の額とする。

※以下、額の算定において、

・ 就労収入

については、必要経費控除後の額とする。

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(補足給付)

35

④ 就労収入控除額の算定

就労収入控除額は、次の区分により算定した額とする。

ア 就労収入が 24,000円以下の場合

就労収入の額

イ 就労収入が 24,000円を超える場合

24,000円+(就労収入-24,000 円)×30%

⑤ 負担限度額及び補足給付額の算定

負担限度額及び補足給付額は、次の区分により算定した額とする。

ア 認定月収額から就労収入控除額を控除して得た額が 66,667 円以下であ

る場合(ウの場合を除く。)

・ 負担限度額(月額)=認定月収額-就労収入控除額-その他生活費の

(注)計算上の負担限度額が 22,000 円を下回る場合も、当該算定額とす

る(0円を下回る場合は0円)。

・ 補足給付額(月額)=53,500 円-負担限度額(月額)

・ 補足給付額(日額)=補足給付額(月額)÷30.4(1円未満切り上げ)

イ 認定月収額から就労収入控除額を控除して得た額が 66,667 円を超える

場合(ウの場合を除く。)

・ 負担限度額(月額)=(66,667 円-その他生活費の額)+(認定月収

額-66,667 円-就労収入控除額)×50%

・ 補足給付額(月額)=53,500 円-負担限度額(月額)

・ 補足給付額(日額)=補足給付額(月額)÷30.4(1円未満切り上げ)

ウ 生活保護受給者の場合

・ 負担限度額(月額)=0円

・ 補足給付額(月額)=53,500 円

・ 補足給付額(日額)=1,760円

Ⅱ 支給決定時に20歳未満の入所者

(1)【手続き等】

障害者等の申請により、負担上限月額の所得区分に応じて、市町村等が認定

する。

このため、現在すでに入所している障害者等については、申請を出すように

周知することが必要。

なお、18、19 歳の障害者については、民法上、保護者に障害者を監護する義

務があることを考慮し、保護者等の障害者を監護する者の属する世帯の所得区

分を認定して、決定する。

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(補足給付)

36

(2)【補足給付の対象者】

すべての所得区分の者が対象

(3)【具体的な認定方法】

○ 原則として、負担上限月額の認定の申請と併せて、補足給付の申請を行う。

○ 負担上限月額に係る所得区分に応じて下記の額を給付。(ただし、実際に

要した費用が補足給付額を下回る場合は、実際に要した費用を補足給付額と

する。)

○ 補足給付については、負担限度額と 53,500 円の差額を補足給付額として

確定し、施設において実際に要した費用が 53,500 円を下回った場合につい

て、補足給付額を減額する取扱いはしない。ただし、実際に要した費用以上

に補足給付を支払うことがないよう、実際に要した費用が補足給付額を下回

る場合は、実際に要した費用まで減額して支払うこととする。

① 生活保護世帯、低所得(低所得1・2)、一般1

補足給付額(月額)=25,000円*(その他生活費)+15,000円**(自己負担相当

額)+53,500 円-50,000 円(地域で子どもを養育するのに通常

要する費用)=43,500円

補足給付額(日額)=43,500÷30.4=1,430.9=1,431円(1円未満切上げ)

② 一般2

補足給付額(月額)=25,000 円*+自己負担額***+53,500 円-79,000 円(地

域で子どもを養育するのに通常要する費用(所得階層ごと))

補足給付額(日額)=補足給付額(月額)÷30.4(1円未満切り上げ)

* 18歳未満の場合は、教育費相当分として、25,000 円に 9,000 円加算し、34,000 円とする。

** 生活保護、低所得(低所得1・2)、一般1の世帯の自己負担相当額は日額単価に 30.4を乗じ

たものの1割と 15,000 円を比べ、いずれか低い額とする。

*** 自己負担額については、当該利用者に係る単価(各加算を含む。)/日×30.4×0.1により算

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(補足給付)

37

<グループホーム居住者の場合>

○ グループホーム居住者の低所得者に係る家賃の実費負担を軽減するため補足

給付(特定障害者特別給付費)を支給する。

○ 補足給付の額は、月1万円(家賃の額が1万円を下回る場合は、当該家賃の額)

とする。

※ 住民票が入居前の世帯に残っている場合(配偶者が同一の住民票にある場

合を除く。)であっても、補足給付の対象として差し支えない。なお、配偶者

が同一の住民票にある場合であっても、市町村において、単身世帯と同様の

生活状況にあると個別に判断した場合においては、住民票が施設等になくて

も、補足給付の対象として差し支えない。

(1)【手続き等】

障害者の申請により市町村等が認定する。

このため、平成 23年 10月1日以前にグループホームに居住している障害者

については、申請を出すように周知することが必要。

(2)【補足給付の対象者】・・・生活保護、低所得(低所得1・2)の者

(3)【添付書類等】

① 利用者(配偶者がいる場合は、配偶者を含む。)の市町村民税の課税状況

等が分かる資料

・ 市町村の証明書(市町村民税の課税・非課税の状況)

・ 生活保護世帯であれば、福祉事務所の証明書等

※ 所得区分の設定の添付書類で足りる場合はそれにより確認

② グループホームに係る家賃の額の分かるもの

・ 契約書、事業者の証明書等

※ 申告の内容に虚偽の疑いがあると市町村が判断した場合等については、必要

に応じて調査を行うこととする。

(4)【具体的な認定方法】

○ 原則として、負担上限月額の認定の申請と併せて行う。

○ 補足給付の対象者であることの認定を行う。

市町村民税世帯非課税者又は生活保護受給者であることを確認する。

○ 補足給付については、月額(※)として額を確定する。

月額1万円として決定する。ただし、グループホームに係る家賃の月額が

1万円を下回る場合は、当該家賃の額を補足給付の額として決定する。

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(生活保護境界層軽減)

38

第2.生活保護・境界層対象者に対する負担軽減措置につい

※ 平成 18年3月 31 日社援保発第 0331007 号厚生労働省社会・援護局保護課長通

知「障害者自立支援法施行規則第 27 条等の規定が適用される要保護者(境界層

該当者)に対する保護の実施機関における取扱いについて」を参照されたい。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

39

第3.高額障害福祉サービス等給付費等について

1 支給額

(1)世帯における利用者負担額が、高額障害福祉サービス等給付費算定基準額、高額障害児

通所給付費算定基準額又は高額障害児入所給付費算定基準額(3①又は②の額。以下「基準

額」という。)を超える場合に、高額障害福祉サービス等給付費、高額障害児通所給付費又

は高額障害児入所給付費(以下「高額障害福祉サービス等給付費等」という。)を支給する。(世帯での負担額が基準額を超えないように支給する。)(注1)

(2)一人当たりの支給額

・一人当たり支給額 ・・・(利用者負担世帯合算額(世帯全体の2①~⑤の合計額)

-基準額(3①又は②の額))×支給決定障害者等按分率 (端数が生じた場合は世帯での負担額が基準額と同額になるよう、適宜割り振って

端数を処理するものとする。)

・支給決定障害者等按分率=支給決定障害者等利用者負担合算額(一人当たりの2①~⑤の

負担額)/利用者負担世帯合算額 (支給決定障害者等按分率を算定する際には、端数処理しない。)

2 合算の対象とする費用 同一世帯に属する者が同一の月に受けたサービス等によりかかる①~⑤の負担額を合算する。

① 障害者総合支援法に基づく介護給付費等に係る利用者負担額 (介護給付費、訓練等給付費、特例介護給付費、特例訓練等給付費)

② 介護保険の利用者負担額 (高額介護サービス費・高額介護予防サービス費により償還された費用を除く。)

ただし、同一人が障害福祉サービスを併用している場合に限る。

③ 補装具費に係る利用者負担額 ただし、同一人が障害福祉サービス等を併用している場合に限る。

④ 児童福祉法に基づく障害児通所給付費に係る利用者負担額

⑤ 児童福祉法に基づく障害児入所給付費に係る利用者負担額

3 高額障害福祉サービス等給付費等算定基準額(注2)

① 市町村民税課税世帯に属する者(一般1・2)・・・37,200円

② 市町村民税非課税世帯に属する者(注3)(低所得(低所得1・2)及び生活保護世帯

・・・0円

○ 同一世帯に障害福祉サービス等を利用する者が複数いる場合等に、世帯の負担を軽減する

観点から、償還払い方式により、世帯における利用者負担を負担上限月額まで軽減を図

る。

○ 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改

正する法律(平成 28 年法律第 63号)により追加された「新高額」(高齢障害者の介護保険サ

ービス利用者負担軽減措置)については、別冊「高額障害福祉サービス等給付費等に関する

支給認定について」を参照。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

40

(注1)

18 歳未満の兄弟で障害児入所施設に入所している場合など、障害児入所支援を受ける障害児が同一の

世帯に複数いる場合の利用者負担額については、入所給付決定保護者は一人であることから、当該保護

者について一の障害児入所支援負担上限月額が適用される。(高額障害児入所給付費によって償還が行

われるものではない。障害児通所給付費も同様。)

また、同一世帯に介護給付費等、障害児通所給付費等又は障害児入所給付費のうち二以上を受けてい

る者がいる場合には、各条項における高額障害福祉サービス等給付費等による償還がなされるものであ

る(いずれかの法律でまとめて償還することはしない。)。この場合に合算の対象とする費用は、各条項

による高額障害福祉サービス等給付費等の償還前の利用者負担額であることに留意されたい。

医療部分(食事療養に係る標準負担額を含む。)に係る利用者負担額については、高額療養費として償

還されるものであり、高額障害児通所給付費又は高額障害児入所給付費による償還の対象とならないこ

とに留意されたい。

(注2)

① 世帯見直し対象者は障害者とその配偶者に係る負担額のみを合算する。ただし、住民票上の同一世

帯に障害児がいる場合は当該障害者を含めて障害児に係る高額障害福祉サービス等給付費等を算定

する。なお、障害児の保護者が障害者である場合は当該障害者及び配偶者のみで障害児に係る高額障

害福祉サービス等給付費等を算定することとする。

② 生活保護への移行予防措置の適用を受け、低所得者(市町村民税非課税世帯に属する者)として

扱われている者については、当該額とする。

③ 高額障害福祉サービス等給付費等の特例については、以上の他に、(1)費用の合計(2(1)②

関係)、(2)障害児の特例がある。それぞれの取扱いについてはP37ページ以降を参照のこと。

(注3)

平成22年4月から、低所得者(市町村民税非課税世帯に属する者)の負担上限月額及び高額障害サー

ビス等給付費算定基準額が0円となることに伴い、低所得者については、特例介護給付費等を受けた場

合にのみ、高額障害福祉サービス等給付費が支給されることとなる。

なお、詳細については、P40~P41ページの2.(1)「② 介護保険サービスとの合算の特例」を参

照のこと。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

41

1.高額障害福祉サービス等給付費等の算定の原則

○ 同一世帯に障害福祉サービス等を利用する者が複数いる場合等に、世帯の負担を軽

減する観点から、償還払い方式により、世帯における利用者負担を基準額まで軽減する。

○ 世帯における利用者負担額が、基準額を超える場合に、高額障害福祉サービス等給

付費等を支給する。

<ケース1>

一般2世帯で、それぞれ障害福祉サービスを利用しているA、Bが、それぞれ上限

額の37,200円まで利用している場合

(判定)利用者負担世帯合算額が基準額を上回る場合、給付の対象とする。

利用者負担世帯合算額

37,200円+37,200円=74,400円>37,200円

→A、Bともに高額障害福祉サービス等給付費の対象

(算定)高額障害福祉サービス等給付費はそれぞれの対象者毎に算定する。

Aの高額障害福祉サービス等給付費

(利用者負担世帯合算額-基準額)×支給決定障害者等按分率=当該者の高額障害福祉サービス等給

付費

(74,400円-37,200 円)×37,200円/74,400 円=18,600円

Bの高額障害福祉サービス等給付費

(74,400円-37,200 円)×37,200円/74,400 円=18,600円

B ・障害福祉サービスの負担額

37,200円

A及びBの高額障害福祉サービス等給付費等算定

基準額

37,200円

高額障害福祉サービス等給付費

(74,400円-37,200円)

×37,200円/74,400円=18,600円

・障害福祉サービスの負担額

37,200円

一般2

一般2

高額障害福祉サービス等給付費

(74,400円-37,200円)

×37,200円/74,400円=18,600円

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

42

<ケース2>

一般2世帯で、障害福祉サービスと補装具を利用しているAと、障害福祉サービス

のみを利用しているBが、それぞれ上限額の37,200円まで利用している場合

(判定)利用者負担世帯合算額が基準額を上回る場合、給付の対象とする。

利用者負担世帯合算額

37,200円+37,200円+37,200円=111,600円>37,200円

→A、Bともに高額障害福祉サービス等給付費の対象

(算定)高額障害福祉サービス等給付費はそれぞれの対象者毎に算定する。

Aの高額障害福祉サービス等給付費

(利用者負担世帯合算額-基準額)×支給決定障害者等按分率=当該者の高額障害福祉サービス等給

付費

(111,600円-37,200 円)×74,400円/111,600円=49,600円

Bの高額障害福祉サービス等給付費

(111,600円-37,200円)×37,200円/111,600円=24,800円

B ・障害福祉サービスの負担額

37,200円

A及びBの高額障害福祉サービス等給付費等算定

基準額

37,200円

・障害福祉サービスの負担額

37,200円

・補装具の負担額 37,200円

一般2

一般2

高額障害福祉サービス等給付費

(111,600円-37,200円)

×37,200円/111,600円=24,800円

高額障害福祉サービス等給付費

(111,600円-37,200円)

×74,400円/111,600円=49,600円

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

43

2.高額障害福祉サービス等給付費等の算定の特例

(1)費用の合算の特例

①介護保険のサービスとの合算

(ア)概要 住民基本台帳上の同一世帯に、介護保険の利用者がいる場合、その利用者負担額

について、その者が障害福祉サービスを併用している場合に限り、合算対象とする。

なお、合算する介護保険のサービスの利用者負担は高額介護サービス費・高額介護予

防サービス費により償還されたものを除く。

(イ)事例

<ケース1>

同一世帯に、障害福祉サービスと介護保険を利用するAと介護保険のみ利用するB

がいる場合。

(注)高額介護サービス

費の限度額が 37,200円

の場合

<具体的な計算方法>

Bは介護保険のみ利用しているため、高額障害福祉サービス等給付費の対象外

Aの負担額を計算し、上限額から負担額を引いた額が支給される。

その際、介護保険の利用料は高額介護サービス費による償還後の負担額に基づき合算する。

(介護保険のみ利用の

ため、合算対象外)

37,200円

高額障害福祉サービス

等給付費等の支給後

の負担額

15,000円

→11,160円 ※高額介護サービス費に

よる償還後負担額(注)

35,000円

→26,040円 ※高額介護サービス費によ

る償還後負担額(注)

介護保険の

利用者負担額

- 37,200円 障害福祉サービス等給

付費算定基準額

B A 一般2の世帯の場合

Aの負担額が37,200円となるよう、

高額障害福祉サービス等給付費を26,040円支給

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

44

○ Aの負担額

高額介護サービス費による償還後の負担額をもとに合算されるため、合算される額は、26,040

円と37,200円の合計額(63,240円)となる。

この負担額を、37,200円の負担となるように、高額障害福祉サービス等給付費を支給するので、

高額障害福祉サービス等給付費の額は、

63,240(=26,040+37,200)-37,200=26,040円となる。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

45

<ケース2>

同一世帯に、障害福祉サービスと介護保険を利用するA、介護保険のみ利用するB

及び障害児入所支援を利用するC(無償化対象外)がいる場合。

(注)高額介護サービス費の限度額が 37,200円の場合

<具体的な計算方法>

Bは介護保険のみ利用しているため、高額障害福祉サービス等給付費の対象外。

AとCの一人当たりの負担額を計算し、上限額から負担額を引いた額が支給される。

その際、介護保険の利用料は高額介護サービス費による償還後の負担額に基づき合算する。

A (100,440-37,200)×(26,040+37,200)/(26,040+37,200+37,200)=39,818(償還額)

C (100,440-37,200)×37,200/(26,040+37,200+37,200) =23,422(償還額)

※ 端数処理については世帯での負担額が基準額となるように割り振って調整

37,200円

- -

障害児入所支援の

利用者負担額

13,778円

(介護保険のみ利用の

ため、合算対象外)

23,422円

高額障害福祉サー

ビス等給付費の支

給後の負担額

15,000円

→11,160円 ※高額介護サービス費に

よる償還後負担額(注)

35,000円

→26,040円 ※高額介護サービス費によ

る償還後負担額(注)

介護保険の利用者

負担額

- -

37,200円

障害福祉サービス

の利用者負担額

C B A 一般2の世帯の場

AとCの負担額が合わせて37,200円となるよう、高額障害福祉

サービス等給付費等を支給

(A・・39,818円、C・・23,422円支給)

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

46

②介護保険のサービスとの合算の特例

(ア)概要

合算の対象とする費用のうち、介護保険に係る負担額については、生活保護世帯

又は住民税非課税世帯の場合は、特例として、負担額の全部を合算の対象とせず、

0円として計算する。

(イ)事例

<ケース3>

生活保護世帯に属するAの場合

○ Aの高額障害福祉サービス等給付費算定基準額・・0円

○ Aの利用者負担世帯合算額 イとロの合計額

イ 介護保険・・10,000円(実際は介護扶助により支給 → 上記特例により、

合算の対象とするときは0円に引下げ)

ロ 障害福祉サービス・・0円(上限額)

○ 単純にイとロを合計すると、Aの利用者負担世帯合算額は、イ+ロ=10,000円

となり、高額障害福祉サービス等給付費として、10,000円償還することとなるが、

この場合、特例により合算の対象となる費用のうち、イを0円(高額障害福祉サ

ービス等給付費算定基準額)まで引き下げて、合算する。

○ Aの利用者負担世帯合算額 イ 0円(特例により引き下げた額)+ロ 0円

=0円となり高額障害福祉サービス等給付費の対象外となる。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

47

<ケース4>

住民基本台帳上の同一世帯に、市町村民税課税者がおり、介護保険での基準額は

37,200円(市町村民税課税世帯)となるが、障害では0円(市町村民税非課税世帯)

となるBの場合

○ Bの利用者負担世帯合算額 イとロの合計額

イ 介護保険・・30,000円 → 合算の対象とする費用の特例により、合算の対象とするとき

は、0円まで引き下げ

ロ 障害福祉サービス・・0円

○ この場合、単純にイとロを足し算すると、Bの利用者負担世帯合算額は、イ+ロ=30,000円とな

り、高額障害福祉サービス等給付費として、30,000円-0円=30,000円を償還することとなる。

○ ただし、合算の対象とする費用のうち、イの介護保険の利用額については、合算対象とする費用に

かかる特例の適用の対象となるので、イの額を0円まで引き下げて、合算の対象とする。

○ このため、Bの利用者負担世帯合算額は、イ 0円(特例により引き下げた額)+

ロ 0円 = 0円 となり、高額障害福祉サービス等給付費の対象外となる。

・介護保険の負担額 30,000円→0円として計算

・障害福祉サービスの負担額 0円

Bの高額障害福祉サービス等給付費算定基準額

0円

Bの介護保険の高額介護サービス費の算定基準となる額

37,200円(課税世帯)

市町村民

税が課税さ

れている者

高額障害福祉サービス等給付費

支給しない。

低所得2

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

48

(2)障害児の特例

① 同一の障害児が給付の根拠が異なるサービスを利用する場合の特例

<ア>概要

○ 同一の障害児が同一の根拠条項によるサービスを利用する場合には、一の負担

上限月額のみ設定されるのに対し、根拠条項の異なる複数のサービスを利用する

場合には、複数の負担上限月額が設定されることに対応するため、高額障害福祉

サービス等給付費等の基準を、利用するサービスのうち最も高い額とし、障害児

の保護者としての利用者負担の合算額のうち、この基準額を超える額を特例的に

高額障害福祉サービス等給付費等として給付することとする。

<イ>事例

<ケース5>

障害児 A(無償化対象外)が障害福祉サービスと障害児通所支援を利用している

場合。

→ 複数の障害福祉サービスを利用する場合との公平性の観点から特例として基準額

を引き下げ、高額障害福祉サービス等給付費等により償還することとなる。この場

合の、高額障害福祉サービス等給付費等の額は、同一の支給決定保護者の利用者負

担額の合算額から認定された負担上限額のいずれか高い額(以下「調整基準額」と

いう。)を控除した額とする。

高額障害福祉サービス等給付費

(9,200円-4,600円)

×4,600円/9,200円=2,300円

障害福祉サービスの負担上限月額 4,600円

障害児通所支援の負担上限月額 4,600円

高額障害児通所給付費

(9,200円-4,600円)

×4,600円/9,200円=2,300円

一般1

障害児の調整

基準額 4,600 円

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

49

<ケース6>

ケース5の障害児 A が無償化対象児童であり、障害福祉サービスと障害児通所支

援を利用している場合。

→ 無償化の対象児童の場合も特例は適用する。

障害児の調整

基準額 4,600 円 無償化対象児童

高額障害福祉サービス等給付費

(4,600円-4,600円)

×4,600円/4,600円=0円

障害福祉サービスの負担上限月額 4,600円

障害児通所支援の負担上限月額 0円

高額障害児通所給付費

(4,600円-4,600円)

×0円/4,600円=0円

一般1

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

50

② 障害児の兄弟がそれぞれサービスを利用する場合の特例

<ア>概要

○ 同一世帯に障害福祉サービスを利用する障害児が複数おり、同一の保護者が支

給決定を受けている場合は、当該保護者について一の負担上限月額が設定され、

実際、当該保護者を通じて複数の障害児の利用者負担額を管理できることから、

負担上限月額を超える部分については現物給付の対象としている。

給付の根拠条項が二以上に及ぶ場合は、一の負担上限月額は設定されないが、

世帯に障害福祉サービスを利用する複数の障害者がいる場合と基本的には同様

と位置付けられることから、同一条項による給付と同じ負担とするため、高額障

害福祉サービス等給付費等の基準をいずれか高い額とし、障害児の保護者として

の利用者負担の合算額のうち、この基準額を超える額を特例的に高額障害福祉サ

ービス等給付費等として給付することとする。

<イ>事例

<ケース7>

同一世帯に属する障害児 A、B、C(B、C も無償化対象外)がそれぞれ障害福祉サ

ービス、障害児通所支援、障害児入所支援を利用し、同一の保護者がその支給決定

を受けている場合。

→ 世帯に障害福祉サービスを利用する複数の障害児がいる場合との公平性の観点か

ら特例として基準額を引き下げ、高額障害福祉サービス費等により償還することと

なる。この場合の、高額障害福祉サービス等給付費等の額は、同一の支給決定保護

者の利用者負担額の合算額から調整基準額を控除した額とする。

C 三男 A 長男 B 次男

障害福祉サービスの負担上限月額

4,600円

障害児通所支援の負担上限月額

4,600円

A、B及びCの保護者は同一の者

高額障害福祉サービス等給付費

(18,500円-9,300円)

×4,600円/18,500円=2,288円

高額障害児通所給付費

(18,500円-9,300円)

×4,600円/18,500円=

2,288円

一般1

一般1

障害児の調整

基準額 9,300 円

高額障害児入所給付費

(18,500円-9,300円)

×9,300円/18,500円=

4,625円

一般1

障害児入所支援の負担上限月額

9,300円

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

51

<ケース8>

【ケース7の障害児 B、Cが無償化対象児童の場合】

同一世帯に属する障害児 A(無償化対象外)、B(無償化対象児童)、C(無償化対象

児童)がそれぞれ障害福祉サービス、障害児通所支援、障害児入所支援を利用し、

同一の保護者がその支給決定を受けている場合。

→ 無償化の対象児童の場合も特例は適用する。

C 三男 A 長男 B 次男

障害福祉サービスの負担上限月額

4,600円

障害児通所支援の負担上限月額

0円

A、B及びCの保護者は同一の者

高額障害福祉サービス等給付費

(4,600円-4,600円)

×4,600円/4,600円=0円

高額障害児通所給付費

(4,600円-4,600円)

×0円/4,600円=0円

一般1 一般1

障害児の調整

基準額 4,600 円

高額障害児入所給付費

(4,600円-4,600円)

×0円/4,600円=0円

一般1

障害児入所支援の負担上限月額

0円

無償化対象児童

無償化対象児童

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

52

<ケース9>

同一世帯に属する障害児 A、B、C(Bは無償化対象外)がそれぞれ障害福祉サービ

ス、障害児入所支援、補装具を利用し、同一の保護者がその支給決定を受けている

場合。

→ 基本的な考え方はケース6と同様であるが、補装具については障害児の特例の対

象ではないため、まずは障害福祉サービスと障害児入所支援について障害児の特例

を適用し、次に、残りの利用者負担額について高額障害福祉サービス等給付費等の

額の算定を行う。

① まずA、Bについて障害児の特例を適用。

② 次に、残りの利用者負担について高額障害福祉サービス等給付費等を算定。

※ この場合の補装具の利用者負担について、高額障害福祉サービス等給付費又は高額障害児入所給付費のいずれで償

還するかは、法令上特段の定めがないことから、各自治体の判断による。

C 三男 A 長男 B 次男

障害福祉サービスの負担上限月額

4,600円

障害児入所支援の負担上限月額

9,300円

A、B及びCの保護者は同一の者

高額障害福祉サービス等給付費

(13,900円-9,300円)

×4,600円/13,900円=1,522円

高額障害児入所給付費

(13,900円-9,300円)

×9,300円/13,900円=

3,078円

一般1 一般1

障害児の調整

基準額 9,300 円

一般

補装具の負担上限月額

37,200円

C 三男 A 長男 B 次男

障害福祉サービスの利用者負担

3,078円

障害児入所支援の利用者負担

6,222円

A、B及びCの保護者は同一の者

高額障害福祉サービス等給付費

(46,500円-37,200円)

×3,078円/46,500円=616円

高額障害児入所給付費

(46,500円-37,200円)

×6,222円/46,500円=

1,244円

一般1 一般1

高額障害福祉サービス等給付費

(46,500円-37,200円)×

37,200円/46,500円=7,440円

一般

補装具の負担上限月額

37,200円

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

53

<ケース10>

【ケース9の障害児 Bが無償化対象児童の場合】

同一世帯に属する障害児 A(無償化対象外)、B(無償化対象)、C(無償化対象外)が

それぞれ障害福祉サービス、障害児入所支援、補装具を利用し、同一の保護者がそ

の支給決定を受けている場合。

→ 無償化の対象児童の場合も特例は適用する。

① まずA、Bについて障害児の特例を適用。

② 次に、残りの利用者負担について高額障害福祉サービス等給付費等を算定。

※ この場合の補装具の利用者負担について、高額障害福祉サービス等給付費又は高額障害児入所給付費のいずれで償

還するかは、法令上特段の定めがないことから、各自治体の判断による。

C 三男 A 長男 B 次男

障害福祉サービスの負担上限月額

4,600円

障害児入所支援の負担上限月額

0円

A、B及びCの保護者は同一の者

高額障害福祉サービス等給付費

(4,600円-4,600円)

×4,600円/4,600円=0円

高額障害児入所給付費

(4,600円-4,600円)

×4,600円/4,600円=0円

一般1 一般1

障害児の調整

基準額 4,600 円

一般

補装具の負担上限月額

37,200円

C 三男 A 長男 B 次男

障害福祉サービスの利用者負担

4,600円

障害児入所支援の利用者負担

0円

A、B及びCの保護者は同一の者

高額障害福祉サービス等給付費

(41,800円-37,200円)

×4,600円/41,800円=506円

高額障害児入所給付費

(41,800円-37,200円)

×0円/41,800円=0円

一般1 一般1

高額障害福祉サービス等給付費

(41,800円-37,200円)×

37,200円/41,800円=4,094円

一般

補装具の負担上限月額

37,200円

無償化対象児童

無償化対象児童

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

54

3.高額障害福祉サービス等給付費等の償還の流れについて

○ 高額障害福祉サービス等給付費、高額障害児通所給付費及び高額障害児入所給付費が

併給される場合については、事務処理を行う実施主体が市町村と都道府県に分かれるこ

とがありうるが、その場合における事務手続きの流れについては、以下の例を参考とさ

れたい。(高額障害児通所給付費と高額障害児入所給付費の組み合わせも同様)

なお、高額障害福祉サービス等給付費のみ若しくは高額障害児通所給付費のみ若しくは高額障害児入

所給付費のみ又は高額障害福祉サービス等給付費及び高額障害児通所給付費の給付を行う場合は市町

村又は都道府県内で手続が完結するため、各給付費の支給申請書の受付はそれぞれの実施機関にて行う。

利用者 市町村 都道府県

サービスの提供を受け

た翌々月以降に高額

障害福祉サービス等

給付費及び高額障害

児入所給付費の支給

申請を行う(2通)

利用者からの支給申請書

1通を都道府県に通知し、

障害児入所給付費利用

者負担額の確認を求める

障害児入所給付費利用

者負担額を確認後、市

町村に報告する

高額障害児入所給付費及

び高額障害サービス等給

付費の給付額を按分で算

定し、都道府県に通知す

るとともに、高額障害福祉

サービス等給付費を利用

者に給付する

市町村において、決定された

高額障害児入所給付費の決

定額に基づいて、都道府県は

利用者に高額障害児入所給

付費を支給する

市町村において、市町村

分の介護給付費及び介護

保険償還後介護保険利用

者負担額を確認する

② ③

③’ ④

⑤’ ⑤

高額障害福祉サービス等給付費及び高額障害児入所給付費の償還の流れについて

各自治体より高額障害

福祉サービス等給付費

及び高額障害児入所給

付費の給付を受ける

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

55

第4 新高額障害福祉サービス等給付費に係る要件等について

1 新高額障害福祉サービス等給付費の対象者

【対象者の具体的要件】

(1)65歳に達する日前5年間にわたり、介護保険相当障害福祉サービスに係る支給決定

を受けていたことを要件とする(同一の介護保険相当障害福祉サービスを5年間継続

して支給決定を受けていた必要はなく、複数の介護保険相当障害福祉サービスを継続

し、通算して5年間にわたり支給決定を受けていれば対象となる。)。

ただし、65 歳に達する日前5年間において、入院その他やむを得ない事由(注1)

により相当障害福祉サービスに係る支給決定を受けなかった期間がある場合において、

その期間以外の期間において介護保険相当障害福祉サービスに係る支給決定を受けて

いたときは、当該要件を満たすものとする。

(注1)入院その他やむを得ない事由とは、60歳から 65歳の期間において、入院や震災等によ

り、支給決定に係る申請を行うことができなかった場合等が該当する。なお、当該事由

に該当するか否かについては、これを踏まえ、入院期間の分かる領収証や罹災証明書等

により確認したうえで、市町村において判断されたい。

新高額障害福祉サービス等給付費の対象となるサービス(「介護保険相当障害福祉サ

ービス」及び「障害福祉相当介護保険サービス」)は以下のとおり。(注2)

【介護保険相当障害福祉サービス】居宅介護、重度訪問介護、生活介護、短期入所

障害者総合支援法施行令第 43 条の5第6項に規定する高額障害福祉サービス等給付

費(以下「新高額障害福祉サービス等給付費」という。)の対象者の要件は、改正後の

障害者総合支援法施行令及び同施行規則において、以下の全ての要件を満たすものとし

ている。

○ 65 歳に達する日前5年間(入院その他やむを得ない事由により介護保険相当障

害福祉サービスに係る支給決定を受けていなかった期間を除く。)引き続き介護保

険相当障害福祉サービスに係る支給決定を受けていたこと。

○ 障害者及び当該障害者と同一の世帯に属するその配偶者が、当該障害者が 65 歳

に達する日の前日の属する年度(当該障害者が 65 歳に達する日の前日の属する月

が4月から6月までの場合にあっては、前年度)分の地方税法の規定による市町村

民税を課されない者(市町村の条例で定めるところにより当該市町村民税を免除さ

れた者を含むものとし、当該市町村民税の賦課期日において同法の施行地に住所を

有しない者を除く。)であったこと又は障害者及び当該障害者と同一の世帯に属す

るその配偶者が、当該障害者が 65 歳に達する日の前日の属する月において被保護

者若しくは要保護者であって、境界層該当者として負担軽減措置を受けていたこ

と。

○ 65 歳に達する日の前日において障害支援区分(障害程度区分)が区分2以上で

あること。

○ 65歳に達するまでに介護保険法による保険給付を受けていないこと。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

56

【障害福祉相当介護保険サービス】訪問介護、通所介護、短期入所生活介護、地域

密着型通所介護、小規模多機能型居宅介護(注3)

(注2)介護保険相当障害福祉サービス及び障害福祉相当介護保険サービス共に、基準

該当サービスを含む。

(注3)介護予防サービス及び地域密着型介護予防サービスは含まれない。

なお、これはあくまで新高額障害福祉サービス等給付費の対象となるサービスを規

定したものであり、必ずしも障害者総合支援法第7条及び障害者総合支援法施行令第

2条の介護保険優先原則に係る「相当サービス」となるわけではないことにご留意い

ただきたい。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

57

なお、平成30年4月1日以前に既に65歳に到達していた者であっても、自立支援法

全面施行(平成18年10月1日)以降において、65歳に達する日前5年間にわたり、介

護保険相当障害福祉サービスに係る支給決定を受けていた者であれば対象となる(償

還の対象となるのは、平成30年4月1日以降に利用した障害福祉相当介護保険サービ

スに係る利用者負担分。)。

また、65歳に達する日前5年間にわたり、介護保険相当障害福祉サービスのうち1

種類でも支給決定を受けていれば、65歳到達後に利用する他の障害福祉相当介護保険

サービス分についても、新高額障害福祉サービス等給付費の対象となる。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

58

(2)65歳に達する日の前日において「低所得」(注1)又は「生活保護」(注2)に該当し

ていたことを要件とする。

ここでいう「低所得」及び「生活保護」とは、支給決定における利用者負担に係る

所得区分と同様のものである。

(注1)障害者及び当該障害者と同一の世帯に属するその配偶者が、当該障害者が 65 歳に達す

る日の前日の属する年度(当該障害者が 65 歳に到達する日の前日の属する月が4月から

6月までの場合にあっては、前年度)において、市町村民税非課税(条例により市町村民

税を免除された者を含むものとし、当該市町村民税の賦課期日において同法の施行地に住

所を有しない者を除く。)であった者。

(注2)障害者及び当該障害者と同一の世帯に属するその配偶者が、当該障害者が 65 歳に達す

る日の前日の属する月において被保護者であった者又は要保護者であって、境界層該当者

として負担軽減措置を受けていた者(「中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰

国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律」による支援給付受給世

帯についても同様の取扱い。)。

また、65歳以降に新高額障害福祉サービス等給付費の申請を行う際、障害福祉相当

介護保険サービスを利用した月の属する年度(当該サービスを利用した月が4月から

6月までの場合にあっては、前年度)に本人及び同一の世帯に属する配偶者が市町村

民税非課税者又は「生活保護」に該当する者であることが必要であり、65歳に達する

日の前日における所得区分とは別に、この要件を満たしているかを別途確認する必要

があることにご留意いただきたい。

なお、65歳以降で本人及び同一の世帯に属する配偶者が市町村民税課税者となっ

た場合には対象から外れるが、その後再び市町村民税非課税者又は「生活保護」に該

当する者となった場合には対象となる。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

59

(3)65 歳に達する日の前日において障害者支援区分2以上であったことを要件とする。

申請時点に改めて障害者支援区分の認定を要するものではない。

なお、平成 26 年4月1日より前に障害程度区分の認定を受けていた者については、

障害程度区分2以上であったことを要件とする。

(4)65歳まで介護保険法による保険給付を受けていないことを要件とする(40歳から 65

歳になるまでの間に特定疾病により介護保険サービスを利用したことのある者は対象

とならない。)。

ここでいう介護保険サービスには、障害福祉相当介護保険サービスに該当しない介

護予防サービスや地域密着型介護予防サービス等の保険給付による介護保険サービス

も含むものであり、これらのサービスを 65 歳に達するまでに利用したことのある者

は、新高額障害福祉サービス等給付費の対象とはならない。なお、地域支援事業(介

護予防・日常生活支援総合事業等)は介護保険法上の保険給付には当たらないため、

当該事業の利用実績は、新高額障害福祉サービス等給付費の対象者の要件には影響し

ない。

なお、当該要件に該当するか否かについては、申請書にチェック欄を設けるなどし

て、本人からの申出により確認を行うこと。その上で、申出内容に疑義がある場合は、

介護保険所管課に照会を行う等により、事実確認を行うこと。

2 新高額障害福祉サービス等給付費の申請及び支給の決定について

【新高額障害福祉サービス等給付費に係る添付書類の具体例】

申請者に提出を求める際の各書類は、以下のものが想定される。なお、②の書類につい

ては、申請者本人が提出できないケースが想定されるため、公簿等による確認又は当時の

実施主体への照会により省略することが望ましい(③の書類についても、公簿等による確

認又は当時の実施主体への照会により省略することは可能である。)。

① 当該申請を行う障害者が同一の月に受けた障害福祉相当介護保険サービスに係る支

払額を証する書類:事業所より発行される領収書等

障害者総合支援法施行規則において、新高額障害福祉サービス等給付費の申請書に記

載が必要な事項は以下のように規定している。

○ 当該申請を行う障害者の氏名、居住地、生年月日、個人番号、連絡先、受給者証

番号及び介護保険被保険者証の番号

○ 当該申請を行う障害者が同一の月に受けた障害福祉相当介護保険サービスに係

る支払額

また、同申請書の添付書類として、障害福祉相当介護保険サービスに係る支払額の額

を証する書類及び新高額障害福祉サービス等給付費の対象者の要件に該当することを

証する書類並びに申請時に本人及び同一の世帯に属する配偶者が市町村民税非課税者

又は「生活保護」に該当する者であることを証する書類が規定されている(ただし、市

町村は、当該書類により証明すべき事実を公簿等によって確認することができるとき

は、当該書類を省略させることができる。)。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

60

② 新高額障害福祉サービス等給付費の対象者の要件に該当することを証する書類:過

去の支給決定に係る通知書等

③ 申請時に本人及び同一の世帯に属する配偶者が市町村民税非課税者又は「生活保護」

に該当する者であることを証する書類:当該年度(障害福祉相当介護保険サービスを

利用した月が4月から6月までの場合にあっては、前年度)分の課税証明書、福祉事

務所の証明書等

④ 高額介護サービス費の受給が見込まれる場合は、高額介護サービス費に係る書類及

び介護保険サービスに係る支払額を証する書類:高額介護サービス費支給申請書の写

し(※)、高額介護サービス費支給額決定通知書、事業所により発行される領収書等

※ 新高額障害福祉サービス等給付費の申請時においては、高額介護サービス費の金

額確定前である可能性があるため、申請書の写しにより受給可能性の有無について

確認が可能。

【新高額障害福祉サービス等給付費に係る申請手続等の負担軽減の取扱い】

法令上、新高額障害福祉サービス等給付費の支給対象となった場合における申請書の記

載事項及び添付書類は上記のとおりであるが、受給対象者の毎回の申請・受給に係る負担

を軽減するため、介護保険法における高額介護(予防)サービス費の取扱いと同様、

○ 申請書の記載内容の工夫などにより、申請は初回のみで足りるようにする

○ 申請時に利用者負担額の申告及び領収書の添付を求めない

○ 新高額障害福祉サービス等給付費の受け取りについても、初回申請時に指定した口

座に振り込むなどとして差し支えない。

上記の対応により、各市町村における申請及び決定手続きについては、以下のパターン

が想定される。

① 1年に1回(例:毎年7月)申請書等の提出を求め、以降次回申請時までは改めて

申請書等の提出は原則求めず、新高額障害福祉サービス等給付費の支給の決定を自動

的に行う。

② 障害福祉相当介護保険サービスの利用月毎に申請書等の提出を求め、当該月毎に新

高額障害福祉サービス等給付費の支給の決定を行う。

なお、①の対応をとった際には、2回目以降の申請書提出時において、課税証明書を添

付させる(公簿による確認により省略可)等により、支給要件の有無(申請時に本人及び

同一の世帯に属する配偶者が市町村民税非課税者又は「生活保護」に該当する者であるこ

と)について見直しを行うこと。

また、途中で課税状況や世帯状況等の内容に変更が生じた場合には、本人等から変更に

係る届出を求める必要があることにご留意いただきたい。

既存の高額障害福祉サービス等給付費等の申請等においても、同様の取扱いとして差し

支えない。

【新高額障害福祉サービス等給付費に係る支給の決定手続きについて】

新高額障害福祉サービス等給付費については、過去には支給決定を受けていたものの、

同給付費の支給の決定時には障害福祉サービスに係る支給決定を受けておらず、介護

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

61

保険に係る要介護認定のみを受けているケースが存在する。

その際には、各市町村における受給者情報の管理等に必要となることが想定されること

から、運用上、受給者証番号を付番し、決定通知書においても記載することとされたい。

なお、過去に支給決定を受けていた者については、当該者に付番されていた受給者証番

号と同一の番号を付番することとされたい。

【新高額障害福祉サービス等給付費に係る対象者要件の確認手続について】

新高額障害福祉サービス等給付費の支給については、各市町村において、初回の支給申

請書の提出時に、申請者が同給付費の対象者の要件を満たしていること並びに申請時に本

人及び同一の世帯に属する配偶者が市町村民税非課税者又は「生活保護」に該当する者で

あることを確認する必要がある(同一市町村において同給付費の支給を行うにあたっては、

当該申請者が同給付費の対象者の要件を満たしていることを確認するのは初回の申請時の

みとしても差し支えない。)。

当該要件の確認に相当の期間を要する場合等には、同給付費の初回の申請時においては、

支給申請書の提出を受ける前に要件の有無を確認するため、氏名・生年月日・居住地、被

保険者証番号、障害種別等を記載した届出書の提出を求めることとしても差し支えない(届

出書の様式は各市町村において任意に定めること。)。

この届出書はあくまでその後の事務手続の簡素化のため、任意に提出を求めるものであ

る。

【新高額障害福祉サービス等給付費の支給主体について】

新高額障害福祉サービス等給付費の実施主体は、以下のとおり。なお、障害福祉サービ

スに係る支給決定における居住地特例のような取扱いは、同給付費においては規定されて

いない。

○ 支給決定障害者(障害福祉サービスと介護保険サービス併用者)については、支給

決定市町村が新高額障害福祉サービス等給付費の支給主体となる。

○ それ以外のケースについては、居住地市町村(注1)が新高額障害福祉サービス等

給付費の支給主体となる。

(注1)原則としては、住民基本台帳上の住所地が支給主体となるが、実態が異なる場合には、

居住地の実態に基づき判断することで差し支えない。

【転出入を伴う新高額障害福祉サービス等給付費申請者の要件の確認について】

新高額障害福祉サービス等給付費の支給を受けていた者が、他市町村に転出し、転出先

で同給付費の支給を申請した場合については、転出先の市町村において、再度対象者の要

件に該当することの確認を行うことが原則である。

この場合、申請を受けた転出先の市町村においては、転出前の市町村等に対し、過去の

障害福祉サービスに係る支給決定等の情報を照会する必要があるが、当該申請者が転出前

の市町村等より受けた新高額障害福祉サービス等給付費支給決定通知書を保有していた場

合には、同通知書をもって、要件を満たしていたことを確認することとしても差し支えな

い。なお、この通知書の内容に疑義等が生じた際には、事実確認を行うこととされたい。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

62

【新高額障害福祉サービス等給付費の時効に係る取扱いについて】

新高額障害福祉サービス等給付費の支給を受ける権利は、地方自治法第 236 条第1項に

基づき、5年間これを行わないときは、時効により消滅するものとする。

また当該給付費は、月ごとに算定するものであることから、サービスを提供した日の属

する月の翌月の1日が起算日となる。ただし、自己負担分をサービス提供月の翌月1日以

降に支払った場合には、当該支払った日の翌日とすることが適当である。

なお、この取扱いは、既存の高額障害福祉サービス等給付費についても同様である。

【介護保険サービスの利用者負担を支払えない者への配慮について】

今般の高齢障害者への利用者負担軽減策(新高額障害福祉サービス等給付費)は、法令

上、償還払いの形式を取っていることから、障害福祉相当介護保険サービス分の利用者負

担がサービス利用後直ちに償還されることにはならない。

一時的に障害福祉相当介護保険サービス分の利用者負担を支払えない状況にある者につ

いては、都道府県社会福祉協議会の行う生活福祉資金貸付制度を紹介するなどの配慮を行

うこと。

3 新高額障害福祉サービス等給付費の計算例

<ケース1>

〔利用者負担額〕

A:障害福祉相当介護保険サービス分利用者負担 5,000円

非障害福祉相当介護保険サービス分利用者負担 3,000円

→ Aが利用した障害福祉相当介護保険サービス分 5,000円のみを償還

(非障害福祉相当介護保険サービス分については、償還対象外)

<ケース2>

〔利用者負担額〕

A:障害福祉相当介護保険サービス分利用者負担 5,000円

非障害福祉相当介護保険サービス分利用者負担 3,000円

B:障害福祉相当介護保険サービス分利用者負担 2,000円

→ Aが利用した障害福祉相当介護保険サービス分 5,000円とBが利用した

障害福祉相当介護保険サービス分 2,000 円をそれぞれの対象者に対し償還

※ AとBそれぞれで新高額障害福祉サービス等給付費の申請を行う必要がある。

非課税者であるAが、障害福祉相当介護保険サービス及び非障害福祉相当介護保

険サービスを利用している場合

非課税世帯で、Aが障害福祉相当介護保険サービス及び非障害福祉相当介護保険

サービスを利用しており、同一世帯のBが障害福祉相当介護保険サービスのみを利

用している場合

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

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〔計算手順〕<ケース3>

〔利用者負担額等〕

A:障害福祉相当介護保険サービス分利用者負担 12,000円

非障害福祉相当介護保険サービス分利用者負担 10,000円

B:障害福祉相当介護保険サービス分利用者負担 9,000円

高額介護サービス費(月額)の自己負担限度額(世帯)24,600円

① 世帯分の高額介護サービス費(月額)の負担限度額をA・Bに按分し、個人単位

の自己負担限度額を算出する。

A分自己負担限度額:24,600 円×(12,000 円+10,000 円)÷(12,000 円+10,000

円+9,000円)=17,458.064…円

B分自己負担限度額:24,600×9,000 円÷(12,000円+10,000円+9,000円)}円=

7,141.935…円

(端数処理)小数点以下を切捨てし、受給者ごとの自己負担限度額が低い者(この

場合B)に加算する。

→A利用者負担分:17,458円、B利用者負担分:7,142円

② A・Bそれぞれの利用者負担額から①で計算した個人単位の自己負担限度額を差

引き、個人単位の高額介護サービス費(月額)を計算する。

A利用分:(12,000 円+10,000円)-17,458 円=4,542円

B利用分:9,000 円-7,142円=1,858円

③ ②のA利用分に係る高額介護サービス費(月額)を障害福祉相当介護保険サービ

ス分と非障害福祉相当介護保険サービス分とで按分する。

A障害福祉相当介護保険サービス分:{12,000 円÷(12,000 円+10,000 円)}×

4,542円=2,477.454…円

A非障害福祉相当介護保険サービス分:{10,000円÷(12,000 円+10,000円) }

×4,542円=2,064.545…円

(端数処理)端数の金額が高い方(この場合、非障害福祉相当介護保険サービス分)

に端数を寄せる。

※ 端数が同額(….5円)の場合、障害福祉相当介護保険サービス分に端数を

寄せる。

→A障害福祉相当介護保険サービス分 :2,477円

A非障害福祉相当介護保険サービス分:2,065円

非課税世帯で、Aが障害福祉相当介護保険サービス及び非障害福祉相当介護保険

サービスを利用、同一世帯のBが障害福祉相当介護保険サービスのみを利用し、高

額介護サービス費(月額)の支給を世帯で受けている場合

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

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④ ②・③で計算した高額介護サービス費(月額)を障害福祉相当介護保険サービス

利用者負担額に反映し、新高額障害福祉サービス等給付費における償還額を算定す

る。

A償還額:12,000 円-2,477円=9,523 円

B償還額:9,000 円-1,858円=7,142円

※ AとBそれぞれで新高額障害福祉サービス等給付費の申請を行う必要がある。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

65

4 【参考】新高額障害福祉サービス等給付費様式例

令第四十三条の五第六項に規定する高額障害福祉サービス等給付費支給申請書(例)

○○市(町村)長 様

次のとおり関係書類を添えて障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律

施行令第四十三条の五第六項に規定する高額障害福祉サービス等給付費の支給を申請します。

申請年月日 令和 年 月 日

(注)生活保護受給者等の方については、生活保護制度における介護扶助等の金額を記載(本人支払額があれば分けて記載)してください。

(注)支払額を証する領収書を添付してください。

高額障害福祉サービス等給付費を下記の口座に振り込んで下さい。

口 座 振 替

依 頼 書

銀行

信用金庫

信用組合

本店

支店

出張所

種目 口座番号

1普通預金

2当座預金

9その他

金融機関コード 店舗コード

フリガナ

口座名義人

申請書提出者 □申請者本人 □申請者本人以外(下の欄に記入)

フリガナ 申 請 者

との関係

氏 名

住 所 〒

電話番号

フリガナ ①障害者総合支援法 ②介護保険法

申請者氏名

個人番号:

制度 受給者証番号・被保険者証番号

生 年 月 日 明治

平成 大正

令和 昭和

年 月 日

居 住 地

電話番号

サービス利用月の

障害福祉相当介護

保険サービス支払

額(注)

申請に係る

サービス

利用月

年 月分

65歳に達する

までの介護保険

法による保険

給付の受給有無

□無

□有

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

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令第四十三条の五第六項に規定する高額障害福祉サービス等給付費支給(不支給)決定通知書(例)

文 書 番 号

令和 年 月 日

○○市(町村)町 印

令和 年 月 日に申請のありました高額障害福祉サービス等給付費の支給につい

て障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行令第四十三条の五第六

項に基づき下記のとおり決定しましたので通知します。

対象者氏名 受給者

証番号

受付年月日 年 月 日 決定年月 日 年 月 日

障害福祉相当

介護保険サー

ビスに係る

本人支払額(注)

申 請 に 係 る

障害福祉相当介

護保険サービス

の利用月

年 月分

支 給 □する □しない 支 給 金 額 円

不支給の理由

(注)生活保護受給者等の方については、生活保護制度における介護扶助等の金額を記載(本人支払額があれば分けて記載)しています。

振込先

金 融 機 関

口 座 種 目

口 座 番 号

口座名義人

不服申立て及び取消訴訟

1 この決定について不服があるときは、この通知書を受け取った日の翌日から起算して3か月以内に○○県知事に対し審査請求をすることができます。

2 また、処分の取消しの訴えは、前記の審査請求に対する裁決書を受け取った日の翌日から起算して6か月以内に○○市(町村)を被告として(訴訟において○○市(町村)を代表する者は○○市(町村)長となります。)、提起することができます。 なお、処分の取消しの訴えは、前記の審査請求に対する裁決を経た後(次の(1)から(3)までのいずれかに該当するときを除く。)でなければ提起することができないこととされています。

(1) 審査請求があった日から3か月を経過しても裁決がないとき。 (2) 処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき。

(3) その他裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。 3 ただし、上記の期間が経過する前に、この決定があった日の翌日から起算して1年を経過した場合は、原則として審査請求することができなくなり、また、審査請求に対する裁決があった日の翌日から起算して1年を経過した場合は、原則として決定の取消しの訴えを提起することができなくなります。

問い合わせ先

○○市(町村)△△△△課 住所 電話番号

〒 -

○市(町・村)

○○ ○○ 様

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

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第5 新高額障害福祉サービス等給付費と生活保護制度における介護扶助と

の併給調整について 1 両制度の適用関係について

【運用上の取扱い】

介護扶助の支給が現物給付で支給される一方、新高額障害福祉サービス等給付費は償還

払いの形式により支給されることから、介護扶助の支給が先行することが想定される。

この場合、介護扶助のうち新高額障害福祉サービス等給付費と重複する金額について

は、生活保護法第 63条に規定する費用返還義務に基づき、対象者に対してその全額の返

還を求める必要があるから、その取扱いに留意すること。

2 代理受領払いによる新高額障害福祉サービス等給付費の取扱い

新高額障害福祉サービス等給付費は、対象者として生活保護世帯が含まれるが、生

活保護受給者に支給される同給付費と介護保険サービスの利用者負担相当分について

支給される生活保護制度における介護扶助との適用関係については、生活保護法第4

条の保護の補足性に関する規定に基づき、新高額障害福祉サービス等給付費の支給が

優先される。

新高額障害福祉サービス等給付費における支給分に係る返還処理は、当該返還事由

が生活保護における介護扶助の過大支給により発生するものであるから、生活保護担

当部局(課)より対象者に対して請求を行うことが原則である。

ただし、障害の状況等により、対象者本人に返還を求めることが困難な場合等に

は、対象者本人から委任を受けた上で、生活保護担当部局(課)が障害福祉担当部局

(課)へ直接申請(代理申請)し、受け取ること(代理受領)としても差し支えない。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

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【代理受領の流れ(イメージ)】

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

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3 【参考】代理受領に係る委任状例

委任状

私は、下記の者に対して、私に支給される障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するた

めの法律施行令第四十三条の五第六項に規定される高額障害福祉サービス等給付費について、私に

代わって受領し、かつ、受領した額を○○市に納入することを委任します。

( 受 任 者 )

○ ○ 市 長

令和 年 月 日

( 委 任 者 )

住 所

氏 名 印

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厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部

(高額障害福祉サービス等給付費等)

70

第6 高額障害福祉サービス等給付費等と高額介護(予防)サービス費【年

額】及び高額医療合算介護サービス費との併給調整について 1 併給調整の原則

【重複支給が発生するケースについて】

高額介護(予防)サービス費【年額】及び高額医療合算介護サービス費(以下「高額介

護(予防)サービス費【年額】等」という。)の対象者であって、なおかつ高額障害福祉サ

ービス等給付費等の対象である者は、上記の併給調整の規定により、高額介護(予防)サ

ービス費【年額】等による介護保険サービスの利用者負担の償還を受けてもなお残る利用

者負担について、高額障害福祉サービス等給付費等において償還するものである。

高額障害福祉サービス等給付費等が月額単位の利用者負担を合算して給付費を算定する

一方、高額介護(予防)サービス費【年額】等は、前年8月1日から7月 31日までの間の

利用者負担分を合算して給付費を算定するため、高額障害福祉サービス等給付費等による

償還を先に受けた場合、高額介護(予防)サービス費【年額】等による償還分との重複支

給が生じることがある。この重複支給分については、高額障害福祉サービス等給付費等の

実施主体である市町村又は都道府県(以下「市町村等」という。)が、重複支給を受けた利

用者から返還を求める必要がある。

なお、高額介護(予防)サービス費【年額】等の支給後に高額障害福祉サービス等給付費

等の支給を行う場合は、高額介護(予防)サービス費【年額】等による償還額を反映させ

た介護保険サービスの利用者負担を用いて高額障害福祉サービス等給付費等を算定する必

要がある。その際には、重複支給が発生することはないので、事後的な返還請求を行う必

要はない。

平成 29 年8月1日より、介護保険法に基づく高額介護(予防)サービス費の見直し

が行われ、新たに、自己負担額の年間(前年の8月1日から7月 31 日までの間)の合

計額に対して負担上限額が設定された。

これに伴い、高額障害福祉サービス等給付費(新高額障害福祉サービス等給付費を含

む。)並びに高額障害児入所給付費及び高額障害児通所給付費(以下「高額障害福祉サ

ービス等給付費等」という。)の算定に係る規定を見直し、

○ 新たに設定される年間の自己負担額の上限額を超えることにより支給される

高額介護(予防)サービス費(以下「高額介護(予防)サービス費【年額】」とい

う。)

○ 介護保険法に基づく高額医療合算介護サービス費

を併給調整の対象とすることとした。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

71

2 重複支給分の取扱いについて

【重複支給分の返還について】

高額介護(予防)サービス費【年額】等と高額障害福祉サービス等給付費等の支給によ

って、重複支給が発生した場合は、受給者本人から委任を受けた上で、高額介護(予防)

サービス費【年額】等のうち重複支給分を、障害福祉担当部局(課)が介護保険担当部局

(課)から直接受け取ること(代理受領)を原則とされたい。

ただし、本人の希望等により、高額障害福祉サービス等給付費等の実施主体である市町

村等の障害福祉担当部局(課)より、受給者本人に対して返還を求めることとしても差し

支えない。

高額介護(予防)サービス費【年額】等の対象者であって、なおかつ高額障害福祉

サービス等給付費等の対象である者については、前述の理由により、高額介護(予

防)サービス費【年額】等における介護保険サービスの利用者負担の償還を優先して

受ける必要がある。

ただ、法令上は必ずしも、高額障害福祉サービス等給付費等の支給を、高額介護

(予防)サービス費【年額】等の支給後に行うことを要請しているものではない(従

来どおり毎月支給を行うことを妨げるものではない。)。

そのため、高額介護(予防)サービス費【月額】等と高額障害福祉サービス等給付

費等との併給調整の手法については、各市町村等における運用等に基づき判断された

いが、高額障害福祉サービス等給付費等の支給を先行して行う場合の取扱いについて

は、以下を参考にされたい。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

72

【代理受領の流れ(イメージ)】

※上記はあくまでもイメージ図であり、

市町村等の運用により変更しても差し支えない。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

73

【重複支給分の返還における会計上の取扱いについて】

高額介護(予防)サービス費【年額】等は、前年8月1日から7月 31 日までの間の利用

者負担分を合算して給付費を算定するため、高額障害福祉サービス等給付費等における重

複支給に係る金額が確定し、返還処理が可能となるのは、高額介護(予防)サービス費【年

額】等の支給額確定後となる。例えば、高額障害福祉サービス等給付費等の支給を平成 30

年度に行うとすると、返還処理が可能となるのは早くても平成 31 年度の8月以降となる。

そのため当該返還金については、当該年度分と過年度分の重複支給分をそれぞれ区別し

て処理を行う必要がある。具体的には、当該年度分については戻入分として処理し、過年

度分については歳入(雑収入)として会計処理を行うこと。

【重複支給分に係る国庫負担金との調整について】

各市町村等が支給する高額障害福祉サービス等給付費等は、国庫負担金が含まれること

から、重複支給が発生するケースについては、同負担金との調整が必要となる。ただ、上

述のとおり、高額障害福祉サービス等給付費等における重複支給に係る金額が確定するの

は、同給付費の支給年度の翌年度の8月以降になることから、例年6月に締切が設定され

ている当該年度分の障害者自立支援給付費等の事業実績報告に反映させることが出来ない。

そのため、重複支給による過支給分が発生した際の事業実績報告については、重複支給分

の金額が確定した年度の実績に反映させることにする(過誤支給が判明した際の事業実績

再報告を行う必要はない。)。

(イメージ図)

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

74

(イメージ図)

【転出入を伴うケースについて】

高額介護(予防)サービス費【年額】等は、前年8月1日から7月 31 日までの間の利用

者負担分を合算して給付費を算定するため、算定期間中に転出入を伴うケースが想定され

る。当該ケースについて、高額障害福祉サービス等給付費等との重複支給が発生する場合

には、以下の例を参考に取扱うこととされたい。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

75

3 併給調整の計算例

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

76

3 併給調整の計算例

<ケース1>:高額介護サービス費【年額】と既存の高額障害福祉サービス等給付費と

の併給調整(平成 29年8月利用分より併給調整が発生)

〔利用者負担額等〕

A:障害福祉サービス利用者負担 37,200円

介護保険サービス利用者負担 28,400円(高額介護サービス費(月額)反映後)

支給済み高額障害福祉サービス等給付費支給額 28,400円

高額介護サービス費【年額】 10,000円

〔計算手順〕

① 高額介護サービス費【年額】を月額単位に按分する。按分の考え方は以下のとおり。

8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 合計

①介護自己負担月額

(高額介護サービス

費(月額)反映後)

¥0 ¥28,400 ¥28,400 ¥44,400 ¥44,400 ¥44,400 ¥44,400 ¥44,400 ¥44,400 ¥44,400 ¥44,400 ¥44,400 ¥456,400

②月額按分後高額

サービス費【年額】

(端数処理前)

¥622.2

¥622.2

¥972.8

¥972.8

¥972.8

¥972.8

¥972.8

¥972.8

¥972.8

¥972.8

¥972.8

… ¥10,000

③端数処理後の② ¥0 ¥630 ¥622 ¥972 ¥972 ¥972 ¥972 ¥972 ¥972 ¥972 ¥972 ¥972 ¥10,000

②月額按分後高額サービス費【年額】は、以下のとおり算出する。

高額介護サービス費【年額】支給額(¥10,000)×介護自己負担月額(¥28,400)÷介

護自己負担年額(¥456,400)=¥622.261…

※按分計算を行った結果発生した端数については、①介護自己負担月額の金額が

最も少ない月(同一金額である月が複数存在する場合、そのうち最も古い月)に加算

する。ただし、介護自己負担月額が0円である月は加算しない。

② ①で計算した月額単位の高額介護サービス費【年額】を介護保険サービス利用者負

担額(例:9月)に反映させる。

28,400円-630円=27,770円

③ ②で計算した介護保険サービス利用者負担額と障害福祉サービス利用者負担額を合

算し、正当な高額障害福祉サービス等給付費を算定する。

(37,200円+27,770 円)-37,200円=27,770 円

一般2であるAが、障害福祉サービス及び介護保険サービスを利用しており、月

額及び年額の高額介護サービス費の支給を受け、既存の高額障害福祉サービス等給

付費を支給する場合

¥0

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

77

④ 支給済み高額障害福祉サービス等給付費と③で算定した正当な高額障害福祉サービ

ス等給付費とを比較し、重複支給分を算定する。

28,400円-27,770 円=630円

<ケース2>:高額介護サービス費【年額】及び高額医療合算介護サービス費と既存の

高額障害福祉サービス等給付費との併給調整(それぞれ平成 29年8月・

平成 30 年4月利用分より併給調整が発生)

〔利用者負担額等〕

A:障害福祉サービス利用者負担 37,200円

介護保険サービス利用者負担 28,400円(高額介護サービス費(月額)反映後)

支給済み高額障害福祉サービス等給付費支給額 28,400円

〔計算手順〕

① 高額介護サービス費【年額】を月額単位に按分する。按分の考え方はケース1を

参照。

端数処理を行った月額按分後高額介護サービス費【年額】は、630円と仮定。

② 高額医療合算介護サービス費を月額単位に按分する。按分の考え方はケース1(高

額介護サービス費【年額】)と同様。

端数処理を行った月額按分後高額医療合算介護サービス費は、1,000円と仮定。

③ ①・②で計算した月額単位の高額介護サービス費【年額】及び高額医療合算介護

サービス費を介護保険サービス利用者負担額に反映させる。

28,400円-(630 円+1,000円)=26,770 円

④ ③で計算した介護保険サービス利用者負担額と障害福祉サービス利用者負担額を

合算し、正当な高額障害福祉サービス等給付費を算定する。

(37,200円+26,770 円)-37,200円=26,770円

⑤ 支給済み高額障害福祉サービス等給付費と④で算定した正当な高額障害福祉サー

ビス等給付費とを比較し、重複支給分を算定する。

28,400円-26,770 円=1,630円

一般2であるAが、障害福祉サービス及び介護保険サービスを利用しており、月

額及び年額の高額介護サービス費並びに高額医療合算介護サービス費の支給を受

け、既存の高額障害福祉サービス等給付費を支給する場合

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

78

<ケース3>:高額医療合算介護サービス費と新高額障害福祉サービス等給付費との併

給調整(平成 30年4月利用分より併給調整が発生)

〔利用者負担額〕

A:障害福祉相当介護保険サービス分利用者負担 12,000円

非障害福祉相当介護保険サービス分利用者負担 10,000円

B:障害福祉相当介護保険サービス分利用者負担 5,000円

〔計算手順〕

① 高額医療合算介護サービス費を月額単位に按分する。按分の考え方はケース1(高

額介護サービス費【年額】)と同様。

端数処理を行った月額按分後高額医療合算介護サービス費は、3,000円と仮定。

② ①で計算した月額単位の高額医療合算介護サービス費をA・Bに按分する。

A支給分:3,000 円×(12,000円+10,000 円)÷(12,000円+10,000円+5,000

円)=2,444.444…円

B支給分:3,000 円×5,000円÷(12,000 円+10,000円+5,000 円)=555.555…

(端数処理)按分した結果の支給分の金額が低い者(この場合B)に端数を寄せる。

→A支給分:2,444 円、B支給分:556 円

③ ②のA支給分に係る高額医療合算介護サービス費を障害福祉相当介護保険サービ

ス分と非障害福祉相当介護保険サービス分とで按分する。

A障害福祉相当介護保険サービス分:{12,000 円÷(12,000 円+10,000 円)}×

2,444円=1,333.090…円

A非障害福祉相当介護保険サービス分:{10,000円÷(12,000 円+10,000円)}×

2,444円=1,110.909…円

(端数処理)端数の金額が高い方(この場合、非障害福祉相当介護保険サービス分)

に端数を寄せる。

※ 端数が同額(….5円)の場合、障害福祉相当介護保険サービス分に端数を

寄せる。

→A障害福祉相当介護保険サービス分 :1,333円

A非障害福祉相当介護保険サービス分:1,111円

非課税世帯で、Aが障害福祉相当介護保険サービス及び非障害福祉相当介護保険

サービスを利用、同一世帯のBが障害福祉相当介護保険サービスのみを利用し、月

額の高額介護サービス費及び高額医療合算介護サービス費の支給を世帯で受け、新

高額障害福祉サービス等給付費を支給する場合

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

79

④ ②・③で計算した高額医療合算介護サービス費を障害福祉相当介護保険サービス

利用者負担額に反映し、正当な新高額障害福祉サービス等給付費を算定する。

A償還分:12,000 円-1,333円=10,667 円

B償還分:5,000 円-556円=4,444円

⑤ 支給済み新高額障害福祉サービス等給付費と④で算定した正当な新高額障害福祉

サービス等給付費とを比較し、重複支給分を算定する。

A償還分:12,000 円-10,667円=1,333 円

B償還分:5,000 円-4,444円=556円

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

80

4 【参考】代理受領に係る委任状例

委任状

私は、下記の者に対して、私に支給される高額介護サービス費又は高額介護予防サービス費(高

額医療合算介護サービス費又は高額医療合算介護予防サービス費)のうち、既に高額障害福祉サー

ビス等給付費で支給された重複分に相当する額について、私に代わって受領し、かつ、受領した額

を○○市に納入することを委任します。

( 受 任 者 )

○ ○ 市 長

令和 年 月 日

( 委 任 者 )

住 所

氏 名 印

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

81

新高額障害福祉サービス等給付費等に係るQ&A

【新高額障害福祉サービス等給付費について】

Q1 「自立支援法施行以降において、65歳に達する日前5年間にわたり、介護保険相

当障害福祉サービス係る支給決定を受けていた者であれば対象者となる。」とあるの

は、自立支援法が施行された平成 18年以降に 65歳に達した者が、早くて平成 13年

からの5年間要件を満たしていれば対象者となるということか。それとも自立支援法

施行後5年間条件を満たした者から対象者となり、対象者は早くて平成 23年以降 65

歳に達した者であるということか。

A 新高額障害福祉サービス等給付費の対象者要件として算定されるのは、自立支援法全面施行(平

成 18年 10月1日)以降において受けていた介護保険相当障害福祉サービスに係る支給決定の期間

となるため、対象となるのは早くて平成 23年以降に 65歳に達した者である。

この期間の考え方については、1月の間に1日でも支給決定に係る有効日があれば、当該月を算

定することとして差し支えない。

したがって、65歳の誕生日の前々日を終期として、継続して 60ヶ月間支給決定を受けていた者

が、他の要件を満たしているのであれば対象となる。なお、65歳の誕生日の前々日が 65歳の誕生

日の属する月の前月の場合は、誕生日の属する月の前月が 60ヶ月目となる。

Q2 要介護度ごとのサービス費用の上限額を超えるサービスを利用した場合、その超

える部分の費用は全額自己負担となる(高額障害福祉サービス等給付費の対象外)と

の理解でよいか。

A お見込みのとおり。

既存の高額障害福祉サービス等給付費等における取扱いと同様、新高額障害福祉サービス等給付

費の償還対象となるのは、あくまでも介護保険における区分支給限度基準額内における利用分につ

いてである。

Q3 新高額障害福祉サービス等給付費についても、介護保険法の規定による高額介護

(予防)サービス費が優先されるとの理解でよいか。

A お見込みのとおり。

月額同士の優先順位については、取扱いを変更するものではない。

Q4 高額介護(予防)サービス費が優先されるのであれば、高額障害福祉サービス等

給付費の支給にあたって、高額介護(予防)サービス費の申請は必須か。

A 介護保険優先原則に関する規定の趣旨を鑑みれば、高額介護(予防)サービス費における償還を

受けずに新高額障害福祉サービス等給付費の支給を受けることは、原則認められない。

Q5 65歳時は非課税で新高額障害サービス等給付費の支給対象だったが、申請せず、

翌年以降課税となった。この場合において、非課税であった期間に係る申請を遡って

行うことは可能か。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

82

A 可能である。

新高額障害福祉サービス等給付費の支給対象となる障害福祉相当介護保険サービスのあった月の

属する年度(障害福祉相当介護保険サービスのあった月が4月から6月までの場合にあっては、前

年度)分の市町村民税が非課税かどうかで判断を行うものである。

Q6 仮に短期入所のみ支給決定がされていたが、60~65歳の間において、サービス

をほとんど利用していない場合も対象となるのか。

A 対象となる。支給決定を受けていたか否かで判断するもの。

Q7 「65歳まで介護保険サービスを利用してこなかったことを要件とする。(40歳か

ら 65歳になるまでの間に特定疾病により介護保険サービスを利用したことのある者

は対象とならない。)」とあるが、

・ 生活保護受給中で、

・ 60歳から 65歳に達する前日まで5年間、介護保険相当障害福祉サービスを利

用し、

・ 40歳から 65歳の間に生活保護 10割で障害福祉相当介護保険サービスを併用

していた者

は対象にならないと判断してよいか。

A 対象となる。生活保護制度において 65歳未満の特定疾病該当者に対し支給される介護扶助につい

ては、介護保険法による保険給付を受けていたとはいえない。

Q8 【新高額障害福祉サービス等給付費の支給主体について】の内容で、「支給決定

障害者(障害福祉サービスと介護保険サービス併用者)については、支給決定市町村

が新高額障害福祉サービス等給付費の支給主体となる。」「それ以外のケースについて

は、居住地市町村が新高額障害福祉サービス等給付費の支給主体となる。」とされて

いる。

このことについて、具体例をご教示いただきたい。

A それ以外のケースとは、65歳以降に介護保険に移行し、障害福祉サービスの支給決定を受けてい

ない場合を想定している。

居住地市町村以外が支給主体となるケースは、居住地特例が適用される場合を想定している。

Q9 新高額障害福祉サービス等給付費の対象者要件の所得階層に関する考え方につい

て、

・65歳到達日前日は「低所得」又は「生活保護」(利用者負担に係る所得区分と同

様)

・65歳以降は「市民税非課税者」又は「生活保護」

となっているが、65歳前後で所得の範囲は異なるのか。

A 所得階層についての考え方は同様である。

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(高額障害福祉サービス等給付費等)

83

Q10 障害者自立支援法施行後も経過措置により、身体療護施設や身体・知的更生施設

の支給決定を受けていたが、その後に施設入所支援と生活介護の支給決定を受けた者

については、身体療護施設や身体・知的更生施設の支給決定についても対象の期間にな

るか。

A 経過措置により旧法施設に入所していた者であっても、法令上、介護保険相当障害福祉サービス

に係る支給決定(とみなされるもの)を受けていた期間は、対象期間となる。

【高額介護(予防)サービス費【年額】等との併給調整について】

Q11 運用開始時期について、高額介護(予防)サービス費【年額】及び高額医療合算

介護サービス費との併給調整は、早くて平成 30年8月以降に始まるという認識でよ

いか。

A それぞれの制度における二重給付が発生する時期は、お見込みのとおり。

なお、併給調整により返還が必要となる障害福祉サービス等利用者負担は、高額介護(予防)サ

ービス費【年額】については平成 29年8月利用分(新高額障害福祉サービス等給付費との併給調整

については平成 30年4月利用分)、高額医療合算介護サービス費については平成 30年4月利用分か

らとなる。

Q12 平成 29年8月利用分より高額介護(予防)サービス費【年額】が開始されてい

るが、すでに発生している高額介護(予防)サービス費【年額】と高額障害福祉サー

ビス等給付費との重複支給分についても、今後委任状の提出を受ければ、平成 29年

8月利用分より併給調整の対象として取り扱ってよいか。

A 差し支えない。なお、本人にその旨を説明すること。