ふくいの農業のあり方検討会 これからの福井県の農 …...1...

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これからの福井県の農業の方向性についての提言(案) 1 これまでの福井県農業と課題 福井県は日本海側に位置し、冬季の日照に恵まれないことから、稲作を中心とした 農業が営まれてきました。農家の9割が兼業農家であり、農家所得に占める農業所得 の割合はおよそ1割と低いものの、農家は非常に熱心であり、圃場・用排水整備やカ ントリーエレベーター等の施設整備を進め、稲作の技術蓄積と低コスト化が図られて きました。 また、先祖代々の農地を守り次代に継承する意識が高く、また集落の結束力も強い ことから、「集落の水田は集落で守る」との合意の下、全国に先駆けて集落営農組織の 育成と農地保全が行われてきました。さらに、農業に対する熱心さや集落のまとまり を背景に、米の生産調整についても、集落の合意に基づく「4ブロック輪作農法」に よる集団転作が行われ、水稲に大麦、大豆等の転作作物を組み合わせた作付け体系が 発達しました。 【4ブロック輪作農法】 このような農家の努力により、稲作における生産コストの低減等を目指す直播を試 行錯誤を重ね積極的に導入し、現在、実施面積はおよそ3,100haで日本一の実 績を誇っています。また、生産調整を活用した大麦についても、面積、生産量ともに 日本一の産地となっています。 平成20年9月12日 ふくいの農業のあり方検討会 【直播面積の推移】 (ha) H 7 H10 H13 H16 H19(速報) 福 井 243 327 541 1,625 2,897 岡 山 4,257 3,300 2,700 2,886 2,904 全 国 7,505 7,972 10,192 14,803 17,394 早生 中生 転作 晩生 転作 早生 晩生 中生 ・集落の合意形成 ・転作の集団化 ・ローテーション

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Page 1: ふくいの農業のあり方検討会 これからの福井県の農 …...1 これからの福井県の農業の方向性についての提言(案) 1 これまでの福井県農業と課題

これからの福井県の農業の方向性についての提言(案)

1 これまでの福井県農業と課題 福井県は日本海側に位置し、冬季の日照に恵まれないことから、稲作を中心とした

農業が営まれてきました。農家の9割が兼業農家であり、農家所得に占める農業所得

の割合はおよそ1割と低いものの、農家は非常に熱心であり、圃場・用排水整備やカ

ントリーエレベーター等の施設整備を進め、稲作の技術蓄積と低コスト化が図られて

きました。 また、先祖代々の農地を守り次代に継承する意識が高く、また集落の結束力も強い

ことから、「集落の水田は集落で守る」との合意の下、全国に先駆けて集落営農組織の

育成と農地保全が行われてきました。さらに、農業に対する熱心さや集落のまとまり

を背景に、米の生産調整についても、集落の合意に基づく「4ブロック輪作農法」に

よる集団転作が行われ、水稲に大麦、大豆等の転作作物を組み合わせた作付け体系が

発達しました。 【4ブロック輪作農法】

このような農家の努力により、稲作における生産コストの低減等を目指す直播を試

行錯誤を重ね積極的に導入し、現在、実施面積はおよそ3,100haで日本一の実

績を誇っています。また、生産調整を活用した大麦についても、面積、生産量ともに

日本一の産地となっています。

平成20年9月12日

ふくいの農業のあり方検討会

【直播面積の推移】 (ha)

H 7 H10 H13 H16 H19(速報)

福 井 243 327 541 1,625 2,897

岡 山 4,257 3,300 2,700 2,886 2,904

全 国 7,505 7,972 10,192 14,803 17,394

早生 中生

転作 晩生

転作 早生

晩生 中生

・集落の合意形成

・転作の集団化

・ローテーション

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最近の米価の下落やWTO農業交渉など、農業を取り巻く情勢は大きく変化してお

り、農家や消費者からは、農業の現状について様々な不安の声が出ています。

○なぜ農業産出額は急激に減少しているのか。

農業産出額 700億円(H7) → 495億円(H18)

○なぜコシヒカリ発祥の地である福井の米は新潟より

評価が低いのか。

新潟コシヒカリ価格(H19) 17,563円、食味評価 A

富山コシヒカリ価格(H19) 14,506円、食味評価 A

石川コシヒカリ価格(H19) 14,199円、食味評価 A

福井コシヒカリ価格(H19) 14,005円、食味評価 A´

(1俵あたり生産者米価)

○なぜ専業農家率が低いのか。

専業農家比率(H17) 全 国 22.6%

福井県 9.7%

○なぜ福井の消費者は地元産の農産物が食べられない

のか。

カロリーベース食料自給率 65%(H18)

うち米を除いた食料自給率 10%(H18)

○なぜ耕作放棄地は増え続けるのか。

耕作放棄地面積 479ha(H7) → 925ha(H17)

これらの疑問の声に応えられる方策を検討する必要があります。

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2 本県農業を取り巻く情勢の変化

福井県においては平成13年2月に「21世紀福井の食料農業・農村ビジョン」を

策定しました。しかし現在、その当時では想定していなかった急激な情勢の変化が福

井県の農業を取り巻いています。 (1)米価の下落

米価は、米の消費低迷を受けて低下を続けてきましたが、平成19年産米の価格は

約14,000円(1俵あたり生産者米価)と大きく落ち込んだところです。国レベ

ルでは、政府米の緊急買い増し等により需給の引き締めが行われ価格は持ち直しまし

たが、この間、米価の確保を要求する集会が全国各地で行われ、大きな混乱に発展し

ました。 福井県において米は農業産出額の7割を占める重要な品目であり、米価の低下は農

業産出額の更なる落ち込みを助長するだけでなく、農業所得を減少させ、農家の経営

を大きく揺さぶる大きな問題です。 (2)品目横断的経営安定対策の実施

平成19年度、国は「品目横断的経営安定対策」、「米政策改革推進対策」、「農地・

水・環境保全向上対策」から成る農政改革3対策の実施に踏み切りました。中でも「品

目横断的経営安定対策」は、4ha以上の面積集積を行う個人、20ha以上の面積

集積を行う集落営農組織(経営の法人化を前提)を支援の対象としています。 しかし、中山間地域や都市近郊等においては、過疎や高齢化により受け皿となる認

定農業者や集落営農組織が不在であるなどの理由から「品目横断的経営安定対策」の

対象となることが困難となっています。 ※「品目横断的経営安定対策」は現在「水田経営所得安定対策」と改称されている。 (3)食の安全安心への関心の高まり

消費期限不正表示、期限切れ総菜の使用、偽装牛肉販売、中国製ギョーザへの毒物

の混入、ウナギの産地偽装など、食品に関する信頼を裏切る事件が全国で多発したこ

とから、食の安全安心に対する関心が高まっており、多少高くとも素性のはっきりし

た農産物を購入したいとする消費者が増えてきています。 (4)原油・原材料、穀物価格の高騰

原油価格が高騰し、農業機械や施設暖房の燃料となる軽油や重油等が大きく値上が

りしています。中でも施設園芸である高設イチゴや花きの周年栽培など、冬期間でも

栽培を行う農業形態においては、経営費に占める燃料費の割合が高いため、燃料がこ

のままの価格で推移すれば今後の農業生産が継続できません。 また、原油価格の高騰を受け農業生産に欠かせない肥料の価格も上昇し、農業の全

ての分野において、資材費の高騰が深刻な問題となっています。

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(5)WTO農業交渉の決裂

去る7月29日、WTO農業交渉ドーハラウンドが決裂し、国際的な農産物貿易の

枠組みづくりは一旦休止となりました。しかし、近い将来交渉は再開される見込であ

り、農産物の市場開放圧力はより一層強くなるものと予想されます。

3 これからの福井県農業の方向性

米価の下落に加え、福井県の農業を取り巻く情勢が厳しさを増す現在、農家は将来

への不安を強く感じています。これまでの現状等を踏まえ、福井県の農業の進むべき

方向性を本検討会で議論し、以下のとおりとりまとめました。 (1)販売を重視した米づくりへの転換

これからも米は国民の主食ではあるものの、食生活の欧風化が進んだ現在にあって

は今後米価の大幅な上昇は期待できません。こうした中、大麦や大豆の周年作付けを

継続すると同時に、これまで培ってきた集落農業や直播等のノウハウを活かし、稲作

の生産コスト低減を図る必要があります。 また、他産地との競争に勝ち残るためには、産地としての方針を明確にし、消費者

に選ばれる米づくりを進めることが大事です。福井米のブランドイメージを明確に打

ち出す一方、消費者からの情報を的確にフィードバックし、販売を中心とした産地・

小売戦略を展開していく必要があります。

(2)米以外の農業生産の拡大と食料自給力の向上

原油・原材料、穀物価格の高騰は続いていますが、新しい栽培技術の開発やコスト

低減により農業生産を継続し、県民に安定的に食料を供給していくことが重要です。 福井県の農業は稲作に偏重しており、野菜や畜産物の生産が十分ではありません。

特に園芸については、現在進めている他産業との連携による契約栽培等にあわせ、園

現行のビジョン

農業情勢、国策

再生戦略

H22 を目標 H20

○本県農業を取り巻く急激な情勢の変化(H19~20)

・米価の下落

・品目横断的経営安定対策の見直し

・相次ぐ食品偽装

・原油・原材料、飼料価格の高騰

・WTO 農業交渉の決裂 など

方向性の見直しが

必要

■考えられる方策

・全ての生産者のエコファーマー化や個別農家への食味検査等の通知により、福

井米の評価と品質を向上させ、販売を促進

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芸経営を行う新たな生産者を育成し、生産力の強化を図る必要があります。 また、福井県のカロリーベース食料自給率は、米を除いて10%程度にすぎません。

不作付け水田での飼料米等の生産をはじめ、消費者への働きかけの強化により、米の

消費や県産農産物の利用を拡大することが必要です。

(3)集落営農組織の発展と専業農家の育成

福井県では農家の9割を兼業農家が占めており、今後この兼業農家の農業をどのよ

うに継続させていくかが大きな課題です。 「水田経営所得安定対策」の導入により兼業農家の集落営農組織化が進んでいます

が、さらなる集落営農の組織化や既存集落営農組織の経営強化を図っていく必要があ

ります。 また、福井県においては専業農家の育成が進んでいません。園芸や畜産は専業的な

経営が基本であり、米以外の産出額が少ないのは、専業農家数が少ないためと考えら

れます。農業を支える担い手として、専業農家への支援を強化する一方、新規就農者

の獲得に向け、関係団体が協力した体制づくりを進める必要があります。

(4)消費者との結びつきの強化

食の安全安心を求める消費者の意識の高まりは、国内の農業生産にとっては追い風

であり、フードマイレージや地産地消の観点からも、地元の農産物を県民にアピール

できるチャンスととらえるべきです。 福井県は食育の先進県であり、安全安心で新鮮な農産物を消費者に届けることを通

して消費者の期待に応え、農家と消費者の結びつきを強化し、互いに支えあう構造を

実現していく必要があります。

(5)中山間地域等の農業の体質強化

今回の農業交渉が締結されていたら、農産物の輸入が拡大されただけでなく、ミニ

■考えられる方策

・経営の企業化やリーダーの育成により集落農業を持続的に発展

・新規就農者に対し、技術習得や農地・住まいの斡旋を行う拠点を、市町や産地

と連携して整備

■考えられる方策

・学校給食だけでなく、企業や病院等へ地場産農産物を供給し消費者への農業理

解を進め、食育・地産地消を面的に拡大

■考えられる方策

・食品産業との契約栽培等の拡大や、新規就農者の育成による園芸振興の強化

・飼料用米やソバなど、不作付水田を有効活用した生産を実施

・米粉の製粉拠点の整備と手軽な調理方法の普及により、福井県産米粉の供給と

利用を拡大

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マムアクセス米の受入量が100万トン以上に拡大され、本県の農業は大きな影響を

受けていたと思われます。従って、今回の交渉が成立しなかったことについては、福

井県の農業が、国際的な競争に耐え得る力をつけるための準備期間を得たものと理解

し、強い危機感を持って農業の体質強化に臨むべきです。 福井県には、中山間地域を中心として「水田経営所得安定対策」に参加できない農

家が存在します。このような地域の農業を支え、農村の活性化を図るため、福井県独

自の施策である「地域農業サポート事業」や都市農村交流の拡大などの対策を強化す

る必要があります。 (6)農業生産基盤の保全と活用

福井県は圃場や用排水などの基盤整備により、早くから農業の省力化を進めてきま

した。現在、30a以上の圃場整備率は全国第2位の水準にありますが、整備後30

年以上経過した圃場が5割以上を占めるなど、老朽化が進んでいます。

これまで整備してきた施設や現在整備中の大規模かんがい排水施設は、農業生産を

支える重要な財産であり適切に維持管理していくとともに、地域や担い手のニーズに

応じた計画的な整備・改修を行うことで、これら施設の持つ機能を持続的に発揮させ、

農業の振興を図っていく必要があります。

(7)その他の課題

上記以外にも、地球温暖化への対応や農産物の国外輸出など、対応を検討すべき様々

な課題が存在します。 地球温暖化への対応については、高温に耐性を持つ品種の育成や生産技術の見直し

だけでなく、CO2の削減や環境への貢献について農業が果たすべき役割をより広い

視点で捉え検討していく必要があります。また、米や果実などの農産物の国外輸出に

ついては、品質は十分な水準にあると考えられますが、価格については更なる低コス

ト化を進め、引き下げを図る必要があります。 これらは今後とも問題意識を持って、情報の収集や研究に努めるべき課題です。

以上のような情勢の変化を踏まえ、これからの福井県の農業の進むべき方向性につ

いて、6つのプロジェクトを提案します。

■考えられる方策

・地域農業サポート事業による農作業受委託等の促進や、ふるさとワークステイ

による都市農村交流を進め、民間活力の導入による農業・農村の活性化を展開

■考えられる方策

・施設の適切なメンテナンス等により、長寿命化と有効活用を図りながら、生産

の省力化と農産物の品質向上を実現

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1 福井コシヒカリ復活プロジェクト

米は福井県の農業産出額の7割を占める重要な品目であり、コシヒカリは米どころ

福井を象徴する主要な品種です。

しかし、全国的な米の消費低迷により福井米の価格は下落を続け、農業産出額も低

下しています。また、消費者や卸からのクレームもあり、米の品質向上が不可欠です。

コシヒカリをメインに、福井米が消費者に選ばれ農家の所得が向上するよう、販売

と品質管理を徹底する「福井コシヒカリ復活プロジェクト」を提案します。

農業産出額

コシヒカリ価格

【福井米(コシヒカリ)に係るデータ】

福井県の農業産出額とコシヒカリ価格の推移

400

500

600

700

800

900

H 2 H 3 H 4 H 5 H 6 H 7 H 8 H 9 H 10 H 11 H 12 H 13 H 14 H 15 H 16 H 17 H 18 H 19

13,000

15,000

17,000

19,000

21,000

23,000

25,000

年 度 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

一等比率 91 77 78 82 46 84 72 74 81 89

食味値 A A A A A A´ A´ A´ A´ A´

1 県をあげてエコファーマー化にチャレンジするなど、福井米をアピールするため

の販売戦略が必要である。

・コシヒカリ作付面積18,600haのうち、エコファーマー以上の環境にやさしい生産

をしているのは460ha(2.5%)である。

・全国に先駆けて実施し、優位性を確保する必要がある。

2 個々の農家が作った品質の良い米についての評価を十分に行い、良質米の生産に

向けたインセンティブを機能させる必要がある。

・個々の農家の米の品質が価格や評価に反映されず、農家の「良いものを作ろう」という意

識が醸成されない。

・消費者は、品質が高く、食味が良く、値ごろ感のある米を求めている。

3 福井米のブランドイメージを明確にする必要がある。

・新潟魚沼産コシヒカリのような、ブランドイメージを消費者等に植え付ける米がない。

・このブランドイメージを利用し、福井米全体の価格向上と取引の活性化を図る必要がある。

4 中山間地域における棚田米など、特徴ある米を高く売ることができる仕組みづく

りが必要である。

・中山間地の棚田米など、小規模ながら特徴のある米づくりが各地で始まっている。

・このような米づくりは、地域の活性化にもつながっている。

福井県の農業産出額とコシヒカリ価格(1俵あたり生産者米価)の推移 (円) (億円)

農業産出額(棒グラフ)

コシヒカリ価格(折れ線グラフ)

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1 消費者に選ばれる「福井コシヒカリ」づくり

(1)遅植えによる品質向上と、生産者のエコファーマー化による付加価値づくり

を進め、おいしくて安心な福井米をPR

■土づくりや農薬・化学肥料を削減する生産者のエコファーマー化を県下全域で

強力に推進

■種もみの温湯消毒器等、農薬・肥料の使用削減に必要な機械等を整備

■全県的に「田植え休暇」を推進し、品質向上を図る5月15日以降のコシヒカ

リ遅植えを徹底

2 流通・販売を意識した米の品質管理

(1)JA一括処理米の受け入れ時の品質鑑定結果や、卸等からのクレーム情報を

フィードバックする機能を強化

■荷受検査時点での食味検査の実施

■品質・食味通知表の作成と、成績に基づく精算方式の導入に向けた検討

■認定農業者、集落営農組織に対する品質向上技術の導入支援

3 福井米の販売戦略

(1)高品質・極良食味のコシヒカリだけを集めた「福井ブランドコシヒカリ」

50t程度を国内最高級の価格(1俵3万円程度)で販売し、ブランドイメー

ジを形成

■特別栽培米(無農薬・無化学肥料)を条件とし、別途集荷、販売

■地域のこだわり米の生産・販売に対する支援体制の整備

(2)個食ニーズに応える2合パック販売など、多様な小売戦略を展開

■新たな小売戦略の積極的な支援

プロジェクトの概要 プロジェクトの概要

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2 攻めの園芸推進プロジェクト

福井県は稲作を中心とした水田農業に偏重しており、米価の下落が県全体の農業産

出額の落ち込みに直結しています。

福井県の園芸は高齢化等による衰退に歯止めがかからない一方、園芸で新規就農を

希望する人材への支援が不足しているため、後継者の育成が立ち遅れています。

農家の所得向上と、農業産出額の落ち込みをカバーできる園芸を目指す「攻めの園

芸推進プロジェクト」を提案します。

農業産出額

コシヒカリ価格

【積雪のある他県との産出額の比較】

3 ,0 0 0 2 ,0 0 0 1 ,0 0 0 0 1 ,0 0 0 2 ,0 0 0 3 ,0 0 0 4 ,0 0 0

1 7 福 井

1 7 新 潟

1 7 秋 田

1 7 青 森

野 菜

果 実

花 き

畜 産

そ の 他

野菜 果樹 花き 畜産 その他

青森

秋田

新潟

福井

613

1,139

1,903

356

1,388

371

535

100

612

260

340

77

722

76

88

13

54

35

107

10

710

298

544

45

87

59

66

12

生産農業所得統計(H17)より試算

1 園芸生産の拡大には、専業農家や新規就農者の育成が不可欠である。

・園芸は水稲に比べ労働時間が多くかかることから、兼業農家による大規模な実施は困難。

・県内には、新規就農者等が早期に所得を得られる経営モデルや就農モデルが少ない。

・集落営農組織の多くは、園芸の導入により経営を発展させようとする意識が低い。

2 福井県の園芸は家族労働力のみの経営がほとんどであり、企業的な経営に移行し

ていく必要がある。

・小規模な園芸経営では、生活に必要な所得の確保が出来ず、規模拡大に必要な資金も捻出

できない。

・生産技術を習得させるための、普及員等による濃密な指導が不足している。

・嶺南で電力を安く供給して大規模な園芸産地を形成するなど、特色をある園芸産地づくり

ができないか。

3 坂井北部丘陵地や砂丘地など、既存の産地については、新たな産地戦略が必要で

ある。

・産地を維持するため、生産者の高齢化対策や、新たな品目づくりへの対応が問われている。

青森

秋田

新潟

福井

(億円)

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10

1 園芸人(えんげいびと)育成戦略

(1)園芸を志す新規就農者が、営農開始時からサラリーマン並みの所得を得るこ

とができるシステムを構築

■土地・大型ハウス等のリース方式など、新たな園芸就農システムの構築

■新規就農者のための産地・法人による受入れ体制の整備

(2)雇用を導入し、経営規模を拡大していくチャレンジ園芸農家を育成

■経営コンサルタントの派遣(個別対応)

■専属普及指導員の貼り付け

2 園芸産地ニューフロンティア戦略

(1)嶺南地域において電力を安く供給し、植物工場などエレクトリック園芸基地

を誘致・育成

■新たな形態の園芸産地育成を支援

(2)圃場整備に併せて園芸専用用地を確保し、施設園芸ハウスの整備を促進

■目的別専用地の確保と園芸専門の経営体を育成

(3)経営発展意欲の高い集落営農組織における園芸導入を促進

■ビレッジエリア・ファーミングによる集落営農の多角化

3 既存園芸産地の体質強化

(1)坂井北部丘陵地、都市近郊地域等の既存産地における企業的園芸の拡大や契

約栽培団地の育成

■生産から販売までを一貫して行う経営体・産地の育成

(2)産地毎の園芸再生プロジェクト作成と再生に向けた支援

■スイセン・ラッキョウなどの既存の品目について、機械化一貫体系の導入に

よる省力化の推進、加工品開発等による収益性の向上

(3)消費者・事業者等から求められる園芸農産物生産を行う産地を、市場等が主

体となり育成するシステムを構築

■市場等が行う集荷システムの構築や生産・消費情報の一元化

プロジェクトの概要 プロジェクトの概要

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11

3 消費者と支えあう農業プロジェクト

農業は、食料の供給を通して県民の健康や暮らしの質の向上に貢献する重要な産業

です。しかし、福井県の農家と消費者(県民)の相互理解は十分とは言えず、Win-

Win の関係には至っていません。

農業を取り巻く環境が厳しさを増す現在、農家と消費者が互いの大切さを認識し、

地産地消や食の安全安心、やすらぎの提供を通して相互に支えあう構造の実現に向け

て「消費者と支えあう農業プロジェクト」を提案します。

【農業への理解に係るデータ】

○地場産物の旬の時期を理解している人の割合

36%(H17)→38%(H19)

1 生産者と消費者のコミュニケーションを強化し、消費者の農業に対する理解を促

進する必要がある。

・これまで行われてきた、県産農産物の消費拡大を進める啓発活動だけでは不十分である。

・生産と消費が信頼関係で強く結びつくことは、農家・消費者双方の喜びと利益を生む。

・アグリチャレンジ・LABOクラブ等の活動を発展させ、試験場を活用したコミュニケー

ションづくりを一層強化すべきである。

2 学校給食だけでなく企業や家庭に地場産農産物を供給し、食育や地産地消を拡大

していく必要がある。

・企業や家庭においては、地場産農産物が十分活用されていない。

・学校給食の調理の現場では、大きさや形が統一されていない地元産品は有効に活用されて

いない。

3 子ども教育ややすらぎの提供など、農業の持つ多面的機能を県民にアピールし、

ビジネスに発展させていく必要がある。

・これからの農業は、生産に留まることなく、教育やサービス事業等、ビジネスの裾野を広

げていく必要がある。

4 食の安全安心や環境に配慮した農産物を求める消費者の声に応えていく必要が

ある。

・消費者は安全安心な農産物を求める傾向にあるが、価格が高ければ購入を見合わせる傾向

にある。

・有機農産物等は、慣行栽培の農産物と区別した販売がされていない場合が多いため、専用

の流通・販売ルートを形成する必要がある。

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12

1 農家と消費者の共働に向けた仕組みづくり

(1)農業への理解を促進する場の創設

■農山漁村地域で「食」と「農」を学ぶ農山漁村ラーニングバケーションの実施

■畜産試験場のふれあい機能の充実

(2)直売所、農家レストラン、観光農園などに関する情報発信

■農家の取組みをホームページ、広報誌等で積極的に発信

■県立大学との連携による食・農情報誌の作成

2 福井の食を提供する地産地消の拡大

(1)学校給食等への食材供給を拡大

■生産者と消費者をつなぐ「食育・地産地消コーディネーター(仮称)」を育成

し、学校給食、社員食堂、病院等における地場産食材の利用を拡大

(2)直売所や量販店における県産品の品揃えを充実

■出荷も自家消費もされない少量の農林水産物を集約し、直売所などで販売に

結びつける「小口集荷システム」を構築

■消費者に対し、地場産品を購入しやすい売り場づくりを進めるため、量販店

において地場産コーナーの設置を促進

■直売所等をターゲットとしたイチジク、ブドウ等の特産果樹や、ホウレンソ

ウ、ミズナ等の冬場野菜の生産拡大

(3)企業が中心となる地産地消応援活動

■ふくいの食育・地産地消推進応援企業による自主活動や県産食材を利用した

新たな商品開発を促進

3 食をまなび、やすらぎを提供する農業

(1)「生産から食べる」まで、子ども農業体験を充実

■教育ファームを設置し、米や野菜の栽培体験や収穫した食材を料理し食べる

までの食育活動を実施

(2)都市住民へやすらぎを提供する「ふるさと農家」づくりを実践

■農家民宿を核とした地域小ビジネスの展開支援

(3)農産物を活用した省エネの推進

■家庭や学校等での「緑のカーテン」を、JA等と連携して拡大

4 消費者の理解を得たエコ農業

(1)消費者の理解と協力で支えられる、持続的な有機農産物の生産・販売システ

ムづくり

■生産者で組織する販売ネットワークの構築や、農薬を使用しない生産技術の

開発による農産物の安定供給

■生産者が主催し、消費者の理解促進を図る消費者交流会やフェアの開催

(2)有機農産物等の販路の確保

■大消費地や大手量販店、農産物直売所に販売ルートを確保

プロジェクトの概要

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4 食料自給力向上プロジェクト

福井県カロリーベース食料自給率は、米を除いておよそ10%であり、必要な食料

のおよそ9割を県外に依存している状況にあります。

県民に対し、食料を安定的に供給することは農業の果たすべき役割であり、県民が

望む品目を豊かに供給できる食料生産体制を目指していく必要があります。

米・水田の有効活用や、消費者・食品産業とのタイアップにより、県民への食料の

安定供給を図る「食料自給力向上プロジェクト」を提案します。

【本県の食料自給等に係るデータ】

○主な品目の自給率(カロリーベース) (%) ○純国内産飼料自給率 (%)

品 目 福 井 全 国 全 体 粗飼料 濃厚飼料

25 78 10米

野菜

果実

牛肉

248

35

94

76

35

11

全体 65 39

米を除く 10 22

1 農地の有効活用により生産を拡大し、農産物の生産力を高める必要がある。

・生産調整における不作付け水田1,900haについては、生産調整制度を活用し、稲発

酵粗飼料や飼料米の生産が可能。

2 米粉の利用により、新たな米の消費拡大を進める必要がある。

・米粉の利用拡大は、米の消費拡大を図る有望な手段である。

3 福井県で生産できる品目を拡大していく必要がある。

・パン用の小麦など、小規模ではあるが、各地で食品業者や消費者等と結びついた農業生産

がある。

・気候の温暖化により、敦賀のミカンなど、品質が好転している品目がある。

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1 不作付け水田における非食用稲の作付け拡大

(1)稲発酵粗飼料や飼料用米など、水田で生産できる飼料を増産

■畜産農家と米づくり農家の契約による飼料用米の生産を支援

■飼料用米による生産調整で、不作付け水田を効果的に削減

2 米粉製粉拠点整備による供給・利用拡大

(1)米粉の製粉拠点を整備し、福井県産米粉の消費を拡大

■直売所等にコイン製粉器を設置し、家庭での米粉使用を後押し

■家庭における米粉利用方法の普及・啓発活動の実施

■JAに米粉製粉拠点を設け食品関連企業や量販店等に販売する、モデル的な

供給体制づくりを推進

3 みんなでトライ!!食料自給率アップのアイディアを実現

(1)パン用の小麦や豆腐用の大豆など、消費者・食品業者・農業者の共同参加に

よる県産原料の生産

■自給率を引き上げるアイディアを積極的に支援

■マッチング商談会により、加工業者や消費者の意見を生産にフィードバック

(2)畜産農家から耕種農家への栽培委託による、飼料用作物の生産拡大

■畜産農家から耕種農家への委託による飼料用作物生産を支援

(3)食品産業等との連携による食品残さの飼料化の推進

■食品メーカーの製品屑や野菜屑等を飼料化し家畜に提供するシステムを構築

プロジェクトの概要 プロジェクトの概要

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5 チャレンジ農業者育成プロジェクト

福井県では集落営農組織の育成を進め、平成19年度からは「水田経営所得安定対

策」により推進が強化されていますが、これからは、集落営農組織の「質」に着目し、

法人化等、経営力の強化を目指すことが必要です。

また、専業農家が全体の1割程度であり、園芸や畜産の強化のため、専業農家や新

規就農者を育成・確保していく必要があります。

農業の活性化と産出額の拡大を図り、農業を「業」とし、生計を立てることの出来

る農家を育成するため、「チャレンジ農業者育成プロジェクト」を提案します。

【農家に係るデータ】

○認定農業者の内訳 (人、%)

主な経営類型 実 数 構成比 うち集落営農

組織の法人

稲・麦・大豆 587 56 105

園芸(野菜、花き、果樹) 326 31 ―

畜産(酪農、肉牛、養豚、養鶏) 80 8 ―

その他 46 4 ―

計 1,039 100

○集落営農組織の内訳

法 人

(構成比)

集落協業組織

(構成比)

その他の任意組織

(構成比)

105

(20%)

245

(46%)

180

(34%)

530

(100%)

1 認定農業者については、規模拡大だけでなく、経営・技術の継承や経営の多角化

を進める必要がある。

・認定農業者のおよそ6割は稲、麦、大豆等の水田農業に携わっているが、50歳代の占め

る割合が高く、経営の継承が課題である。

・集落営農組織の経営面積は、10~20haが最も多く、スケールメリットが得られる規

模に達していない。

・園芸については、約1割の集落営農組織で導入されている。

2 集落営農組織については、組織化されていない兼業農家を協業組織や農業機械の

共同利用組織等に誘導し、企業的経営に発展させていく必要がある。

・農業生産法人でない組織の約3割は、法人化への計画が立てられないでいる。

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1 攻めのプロ農家を育成

(1)個別認定農業者が自由な発想を持ってチャレンジする経営革新を支援

■経営の多角化、商品開発、市場開拓等を目指す認定農業者を支援

■「地域で育てる新規就農者支援体制」を活用した経営の継承や規模拡大など経

営の強化対策の充実

(2)新たな分野にチャレンジする集落営農組織を育成支援

■新規集落営農組織の設立と法人化を支援

■広域化による経営規模の拡大や園芸・加工等の導入による経営多角化を支援

■新たな経営を展開する集落営農組織の後継者の育成支援

(3)農業経営の質の向上を支援

■関係機関で「農業経営指導委員会(仮称)」を編成し、個別認定農業者や集落

営農組織の経営状況の把握・分析による健全経営化支援

■農業経営が健全に発展するよう各種制度資金を活用指導

2 県内外からの新規就農者希望者への研修拠点づくり

(1)市町や産地が新規就農志向者を受け入れ育成する「地域で育てる新規就農者

支援体制」づくりを推進

■市町が主体となり、農業者、JA、公社等との連絡調整と連携強化

■市町における新規就農志向者の就農までのカリキュラムの策定と支援

■農業者、生産組織、農業法人等による就農志向者の受入研修の実施

■就農志向者の受け入れに必要な研修用機械、宿泊施設等の整備を支援

(2)県有施設を活用し、最新の農業技術等を習得できる研修体制を整備

■園芸振興センターに加え、各試験研究機関に研修機能を追加

3 チャレンジする農業を目指す新規就農者を支援

(1)新規就農者がすぐに営農を開始できるよう、就農に必要な情報の提供や条件

を整備

■市町による農地、空き家情報の整備と提供

■住宅確保や小農具等の整備に対する支援

■リースによる就農に必要な機械・施設の導入を支援

(2)新たな営農(部門)にチャレンジする意欲ある熟年世代(定年帰農者等)へ

の支援

■グループで行う生産・加工・販売に必要な機械・施設を整備

プロジェクトの概要 プロジェクトの概要

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6 ふるさと農地活用プロジェクト

中山間地域においては、次世代を担う後継者の都市部への流出により高齢化と過疎

化が進展し、耕作放棄地が拡大しています。また、平野部においても、集落営農等に

よるカバーが出来ないところでは不作付け水田が発生するなど、農地の維持について

の将来展望は決して明るくありません。

農村への新たな求心力を創造し、ふるさとの原風景である農地と農村を守り、大切

な宝として次代に引き継ぐため、「ふるさと農地活用プロジェクト」を提案します。

【中山間地域に係るデータ】

○中山間地域の農家人口等の推移 (人、戸、%)

区分 S60 H2 H7 H12 H17 伸び率(H17/S60)

農家人口 123,986 110,275 98,329 92,998 73,951 59.6

農家戸数 25,813 23,554 21,616 19,622 17,313 67.1

(参考)県人口 817,639 823,595 827,062 828,960 821,592

○耕作放棄地面積の経年変化 (ha、%)

H17 地域類型 H7 H12

面積率

都市的地域 26 52 62 1.3

平地農業地域 99 190 228 1.5

中間農業地域 190 343 387 4.2

山間農業地域 163 262 240 4.8

計 479 846 925 2.7

1 中山間地域の活性化には、外部からのマンパワーの直接投入が必要である。

・農家の高齢化により、中山間地域を中心に耕作放棄地が増加している。

・また、農業の後継者や集落をまとめるリーダーの不在、鳥獣害が著しいなどの理由により、

今後さらに営農意欲が減退し、集落や農業の維持・継続が困難となる恐れがある。

・水田経営所得安定対策への参加が困難な地域について、将来、遊休農地が発生する可能性

が高い。

2 耕作が困難となった農家の水田を、認定農業者や集落営農組織が吸収できるシス

テムを整備する必要がある。

・本県においては、農家の努力と集落営農により耕作放棄地の発生を防止してきた。

・米価の低迷や生産調整の拡大、後継者の不在等により、平野部においても耕作放棄地が発

生している。

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1 マンパワーの投入で応援する中山間地域農業

(1)高齢者等を応援し、消費者や認定農業者など、多彩な人材の参加による、現

代版「結(ゆい)」を復活

■地域農業サポート事業の充実

■ふるさとワークステイの展開

■草刈りや泥上げなど、農家と地域住民が一体となって行なう活動を支援

(2)民間活力を活かした耕作放棄地の復元と山ぎわ環境の整備

■企業・大学等と連携し、耕作放棄地再生等のモデル事業を実施

■地域の土木業者による農作業等の受託体制の整備

■山ぎわ環境の整備による鳥獣害対策の強化

(3)耕作放棄地を有効活用した放牧等による農村の活性化

■放牧用の牛をスムーズに導入できる体制を整備(牛の登録・斡旋)

■耕作放棄地を再生し、市民農園を開設

2 後継者となる人材が定住できる環境づくり

(1)農地や住居等、生活環境の確保

■市町等と連携した住居等斡旋の実施

■ワラビ等の山菜や葉物野菜の栽培など、農業収入の柱づくり

3 直売所を拠点とした女性・高齢者の活力アップ

(1)菜園で作られている野菜を直売所で販売するシステムを構築し、生産者の生

き甲斐づくりと地域活性化を促進

■小口集荷システムの構築

■女性・高齢者のアイディアを生かした企業化の促進

4 耕作放棄地を出さない農地マッチング

(1)維持が困難な兼業農家の農地を認定農業者や集落営農組織で吸収し有効活用

■耕作放棄地全体調査の実施

■農地情報のデータベース化による農地情報の充実

5 農業の持続的な発展のための生産基盤づくり

(1)農業生産基盤施設(用排水路等)の適切な管理と機能の保全・向上

■ストックマネジメントによる施設の長寿命化

■用水不足や排水不良など地域の営農課題の解消に向けた機能向上対策の実施

6 自然生態系、地下水かん養への貢献

■減農薬・減化学肥料栽培や水田の冬季湛水等、生態系や環境への配慮を強化

プロジェクトの概要