行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局 ...行政説明...

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行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局母子保健課 母子保健行政の動向 ~妊娠期から子育て期にわたる 切れ目ない支援を目指して~ 子ども家庭局母子保健課 令和元年度 母子保健指導者養成研修 産後ケア事業に関する研修 2019/8/10 . 母子保健行政の動向 . 産前産後の切れ目ない支援について . 成育基本法と健やか親子21について 本日のお話 1937年 保健所法の制定 1937年 母子保護法、1938年 社会福祉事業法の制定 1938年 厚生省(現、厚生労働省)設置 1940年 国民体力法の制定、1941年 人口政策確立要綱を決定 1942年 妊産婦手帳制度(現、母子健康手帳)の開始 1947厚生省に児童局設置、母子衛生課の新設、児童福祉法の制定 1948年 児童福祉法の施行、母子保健対策要綱の策定、予防接種法の制定・施行 1965年 母子保健法制定 (児童福祉法から独立)・施行(1966年) 児童福祉法、予防接種法、母子保健法のもとで、施策の整備・充実 ~ 妊婦・乳幼児への健康診査の徹 켩嵔 妊産婦・乳幼児への保健指導の充実 先天性代謝異常等検査事業の実施・充実 未熟児養育医療の給付、慢性疾患を抱える児童への医療費助成、結核児童の療育医療の給付 等の公費負担医療の実施・充実 妊婦・乳幼児への予防接種の徹底 (背景) 高い乳児死亡率・妊産婦死亡率、妊婦の流産、早産、死産 我が国の母子保健行政のあゆみ① 1994「エンゼルプラン」の策定 母子保健法の改正(基本的な母子保健サービスは市町村へ平成9年4月施行) 1999「新エンゼルプラン」の策定 2000「健やか親子21」(20012010年)の策定 2004不妊治療への助成事業の創設 「少子化社会対策大綱」、「子ども・子育て応援プラン」の策定 2009「健やか親子21」の計画期間を4年延長し、2014年までとする 次世代育成支援対策推進法に基づく計画と一体的に推進するため計画期間をそろえた 2012子ども・子育て支援法の制定 2015「健やか親子21(第2次)」 (20152024年度)の策定 子ども・子育て支援法の施行 2016児童福祉法等の一部改正(201741日施行) ※児童虐待について発生予防から自立支援まで一連の対策の更なる強化 ※母子健康包括支援センターの全国展開 2018成育基本法(略称)の成立 2019子ども・子育て支援法の一部改正(201910月1日施行) 児童福祉法等の一部改正(2020年4月1日施行等) (背景) ○乳児死亡率・妊産婦死亡率などが世界有数の低率国に ○晩婚化・晩産化、育児の孤立化などによる妊産婦・乳幼児を取り巻く環境の変化 我が国の母子保健行政のあゆみ② (背景) ○乳児死亡率・妊産婦死亡率の改善 ○少子化・核家族化の進行・女性の社会進出による子どもを生み育てる環境の変化 (背景) ○児童虐待など子どもや家庭を巡る問題が多様化・複雑化する中、新たな子ども家庭福祉を構築する ことが喫緊の課題に 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 160.0 180.0 1955 1965 1975 1985 1995 2005 2013 2014 2015 2016 国名 妊産婦 死亡率 年(米国 28.9 2013 英国 6.4 2013 スウェーデン 3.5 2014 4.9 2013 4.1 2014 日本 3.4 2016 スイス 2.4 2013 妊産婦死亡率・乳児死亡率の推移 ○ 日本の妊産婦死亡率・乳児死亡率は、戦後急速に改善し、世界有数の低率国となっている。 日本 スイス 英国 スウェーデン 米国 妊産婦死亡率 (妊産婦死亡数/出産数10万あたり) 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 1955 1965 1975 1985 1995 2005 2015 2016 乳児死亡率 (乳児死亡数/出生数千あたり) (※1)妊産婦死亡率 1年間の妊娠中又は妊娠終了後満42日未満の女性の死亡数 ÷ 1年間の出生数 ×100,000 (※2)乳児死亡率 1年間の生後1歳未満の死亡数 ÷ 1年間の出生数 × 1,000 日本 スイス スウェーデン 米国 英国 国名 乳児 死亡率 年(米国 5.9 2015 英国 3.9 2015 スイス 3.9 2015 3.5 2015 3.3 2015 スウェーデン 2.5 2015 日本 2.0 2016 周産期 死亡率 妊産婦 死亡率 日本 3.6 3.4 カナダ 6.1 4.8 アメリカ 6.3 28.9 デンマーク 6.1 3.4 フランス 11.8 4.9 ドイツ 5.5 4.3 ハンガリー 5.9 10.0 イタリア 3.8 2.1 オランダ 5.7 2.9 スウェーデン 5.2 3.5 イギリス 7.0 6.4 オーストラリア 6.7 4.0 ニュージーランド 6.1 11.4 日本は諸外国と比較し、最も安全なレベルの周産期医療体制を提供している。 ( 10 ) 周産期死亡率(周産期死亡数/出生数千あたり) 周産期死亡率と妊産婦死亡率 (※1)妊産婦死亡率 1年間の妊娠中又は妊娠終了後満42日未満の女性の死亡数 ÷ 1年間の出生数 × 100,000 (※2)周産期死亡率 (1年間の妊娠22週(154日)以後の死産と早期新生児死亡(生後1週未満の死亡)の数) ÷ 1年間の出生数 ×1,000 (注)グラフ中の数値は妊産婦死亡率 日本 米国 英国 3.4 4.8 28.9 3.4 4.9 4.3 6.4 2.1 2.9 6.2 6.4 4 11.4 0 5 10 15 20 25 30 0 4 8 12 1

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行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局母子保健課

母子保健行政の動向

~妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない支援を目指して~

子ども家庭局母子保健課

令和元年度 母子保健指導者養成研修 産後ケア事業に関する研修2019/8/10

1. 母子保健行政の動向2. 産前産後の切れ目ない支援について3. 成育基本法と健やか親子21について

本日のお話

1937年 保健所法の制定

1937年 母子保護法、1938年 社会福祉事業法の制定

1938年 厚生省(現、厚生労働省)設置

1940年 国民体力法の制定、1941年 人口政策確立要綱を決定

1942年 妊産婦手帳制度(現、母子健康手帳)の開始

1947年 厚生省に児童局設置、母子衛生課の新設、児童福祉法の制定

1948年 児童福祉法の施行、母子保健対策要綱の策定、予防接種法の制定・施行

1965年 母子保健法制定 (児童福祉法から独立)・施行(1966年)

~ 児童福祉法、予防接種法、母子保健法のもとで、施策の整備・充実 ~

○ 妊婦・乳幼児への健康診査の徹底○ 妊産婦・乳幼児への保健指導の充実○ 先天性代謝異常等検査事業の実施・充実○ 未熟児養育医療の給付、慢性疾患を抱える児童への医療費助成、結核児童の療育医療の給付

等の公費負担医療の実施・充実○ 妊婦・乳幼児への予防接種の徹底

(背景) 高い乳児死亡率・妊産婦死亡率、妊婦の流産、早産、死産

我が国の母子保健行政のあゆみ①

1994年 「エンゼルプラン」の策定母子保健法の改正(基本的な母子保健サービスは市町村へ※平成9年4月施行)

1999年 「新エンゼルプラン」の策定2000年 「健やか親子21」(2001~2010年)の策定2004年 不妊治療への助成事業の創設

「少子化社会対策大綱」、「子ども・子育て応援プラン」の策定2009年 「健やか親子21」の計画期間を4年延長し、2014年までとする

※次世代育成支援対策推進法に基づく計画と一体的に推進するため計画期間をそろえた2012年 子ども・子育て支援法の制定

2015年 「健やか親子21(第2次)」 (2015~2024年度)の策定子ども・子育て支援法の施行

2016年 児童福祉法等の一部改正(2017年4月1日施行)

※児童虐待について発生予防から自立支援まで一連の対策の更なる強化

※母子健康包括支援センターの全国展開

2018年 成育基本法(略称)の成立2019年 子ども・子育て支援法の一部改正(2019年10月1日施行)

児童福祉法等の一部改正(2020年4月1日施行等)

(背景) ○乳児死亡率・妊産婦死亡率などが世界有数の低率国に

○晩婚化・晩産化、育児の孤立化などによる妊産婦・乳幼児を取り巻く環境の変化

我が国の母子保健行政のあゆみ②

(背景)○乳児死亡率・妊産婦死亡率の改善

○少子化・核家族化の進行・女性の社会進出による子どもを生み育てる環境の変化

(背景) ○児童虐待など子どもや家庭を巡る問題が多様化・複雑化する中、新たな子ども家庭福祉を構築する

ことが喫緊の課題に

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1955 1965 1975 1985 1995 2005 2013 2014 2015 2016

国名妊産婦死亡率

年(※)

米国 28.9 2013

英国 6.4 2013

スウェーデン 3.5 2014

仏 4.9 2013

独 4.1 2014

日本 3.4 2016

スイス 2.4 2013

妊産婦死亡率・乳児死亡率の推移

○ 日本の妊産婦死亡率・乳児死亡率は、戦後急速に改善し、世界有数の低率国となっている。

日本

スイス

英国仏

スウェーデン

米国

妊産婦死亡率(妊産婦死亡数/出産数10万あたり)

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1955 1965 1975 1985 1995 2005 2015 2016

乳児死亡率(乳児死亡数/出生数千あたり)

(※1)妊産婦死亡率 = 1年間の妊娠中又は妊娠終了後満42日未満の女性の死亡数 ÷ 1年間の出生数 ×100,000(※2)乳児死亡率 = 1年間の生後1歳未満の死亡数 ÷ 1年間の出生数 × 1,000

日本

スイス

スウェーデン

米国

英国

国名乳児

死亡率年(※)

米国 5.9 2015

英国 3.9 2015

スイス 3.9 2015

仏 3.5 2015

独 3.3 2015

スウェーデン 2.5 2015

日本 2.0 2016

周産期死亡率

妊産婦死亡率

日本 3.6 3.4

カナダ 6.1 4.8

アメリカ 6.3 28.9

デンマーク 6.1 3.4

フランス 11.8 4.9

ドイツ 5.5 4.3

ハンガリー 5.9 10.0

イタリア 3.8 2.1

オランダ 5.7 2.9

スウェーデン 5.2 3.5

イギリス 7.0 6.4

オーストラリア 6.7 4.0

ニュージーランド 6.1 11.4

○ 日本は諸外国と比較し、最も安全なレベルの周産期医療体制を提供している。

妊産婦死亡率

(

妊産婦死亡数/出生数10万あたり)

周産期死亡率(周産期死亡数/出生数千あたり)

周産期死亡率と妊産婦死亡率

(※1)妊産婦死亡率 = 1年間の妊娠中又は妊娠終了後満42日未満の女性の死亡数 ÷ 1年間の出生数 × 100,000(※2)周産期死亡率 = (1年間の妊娠22週(154日)以後の死産と早期新生児死亡(生後1週未満の死亡)の数) ÷ 1年間の出生数 ×1,000

(注)グラフ中の数値は妊産婦死亡率

日本

米国

仏英国

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1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

合計特殊出生率

資料:人口動態統計(日本), UN「Demographic Yearbook」、Eurostat, Council of Europe, Recent Demographic Developments in Europe等

米国1.80(2015)フランス

1.95(2015)

ドイツ1.50(2015)

日本1.44(2016) イタリア

1.34(2015)

カナダ1.60(2013)

英国1.80(2015)

G7諸国の合計特殊出生率の推移

○日本の出生率は、1970年代以降低下を続けてきたが、2005年に1.26で底を打ち、近年はやや改善傾向。

○G7諸国のうち、イタリアの出生率は、日本を下回っている。

全体として、1990年頃からは、出生率が回復する国もみられるようになってきている。

○ 晩婚化に伴い子どもを産む母の平均年齢は上昇傾向にある。

平均初婚年齢・平均出生時年齢の推移

24.7 25.2 25.5 25.9 26.3 2728 28.8 29 29.2 29.3 29.4 29.4 29.4

25.726.4 26.7 27

27.528

29.129.9 30.1 30.3 30.4 30.6 30.7 30.7

2828.7 29.1

29.5 29.830.4

3131.8 32 32.1 32.3 32.4 32.5 32.6

30.3 30.631.4

31.8 32 32.3 32.633.2 33.2 33.3 33.4 33.4 33.5 33.6

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1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年

年齢(歳)平均出生時年齢

平均初婚年齢(妻)

第2子

第3子

第1子

資料出所:厚生労働省「人口動態統計」

○結婚した夫婦からの出生児数が減少傾向。1960年代生まれ以降の

世代では、最終的な夫婦出生児数が2人に達しない状況。

(注) 完結出生児数: 結婚持続期間(結婚からの経過期間)15~19年夫婦の平均出生子ども数であり、夫婦の最終的な平均出生子ども数

夫婦の完結出生児数の推移

4.27

3.5 3.6

2.83 2.652.2 2.19 2.23 2.19 2.21 2.21 2.23 2.09 1.96 1.94

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33.5

44.5

1940 1952 1957 1962 1967 1972 1977 1982 1987 1992 1997 2002 2005 2010 2015

(人)

調査年次(年)

(資料出所)国立社会保障・人口問題研究所:「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」

母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医療その他の措置を講じ、もって国民保健の向上に寄与することを目的とする。

妊産婦・・・妊娠中又は出産後1年以内の女子 乳 児・・・1歳に満たない者幼 児・・・満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者 新生児・・・出生後28日を経過しない乳児

3.妊娠の届出(第15条)妊娠した者は、速やかに市町村長に妊娠の届出をしなければならない。

1.目 的母子保健法の概要

1.保健指導(第10条)市町村は、妊産婦等に対して、妊娠、出産又は育児に関し、必要な保健指導を行い、又は保健指導を受けることを勧奨しなければならない。

2.健康診査(第12条、第13条)・市町村は1歳6か月児及び3歳児に対して健康診査を行わなければならない。

・上記のほか、市町村は、必要に応じ、妊産婦又は乳児若しくは幼児に対して、健康診査を行い、又は健康診査を受けることを勧奨しなければならない。

4.母子健康手帳(第16条)市町村は、妊娠の届出をした者に対して、母子健康手帳を交付しなければならない。

5.低出生体重児の届出(第18条)体重が2,500g未満の乳児が出生したときは、その保護者は、速やかに、その旨をその乳児の現在地の市町村に届け出なければならない。

6.養育医療(第20条)市町村は、未熟児に対し、養育医療の給付を行い、又はこれに代えて養育医療に要する費用を支給することができる。

2.定 義

3.主な規定

妊娠 出産

保健師・助産師等に

よる訪問指導

母親学級・両親学級

乳児家庭全戸訪問事業

新生児訪問事業

子どもの心の診療ネットワーク事業

予防接種

妊婦健診

妊産婦・乳幼児に対する高度な医療の提供不妊に悩む方への特

定治療支援事業

未熟児の養育指導 慢性疾患児の療育指導

子どもの事故予防強化事業

未熟児養育医療

小児慢性特定疾病医療費の支給

母子保健関連施策の体系

食育等推進事業

(周産期医療ネットワーク) (小児救急医療体制整備)

妊娠の届出

母子健康手帳交付

乳児 幼児

低出生体重児の届出

保健事業

医療対策

研究事業

1歳6カ月児健診

3歳児健診

健やか親子21の推進

(こんにちは赤ちゃん事業)

産婦健診

○健康診査

○保健師等の訪問事業

(市町村)

乳児家庭全戸訪問(こんにちは赤ちゃん)

妊娠 出産乳児

養育支援訪問 (要支援家庭への支援)

妊娠・出産・子育てに関する

相談窓口 保健センター、 地域子育て支援拠点

女性健康支援センター、不妊専門相談センター、保健所、福祉事務所、児童相談所

市町村

都道府県等

1歳6ヶ月健診

3歳児健診

妊娠の届け出・

母子健康手帳の交付

新生児訪問

妊婦訪問

母親学級・両親学級

妊婦健診

※妊婦健診費用については、全市町村において14回分を公費助成。また、出産費用については、医療保険から出産育児一時金として原則42万円を支給。

幼児

妊娠・出産等に係る支援体制の概要

子育て世代包括支援センター

産婦健診

産前・産後サポート事業、産後ケア事業

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母 子 保 健 関 連 施 策

食育等推進事業(食育推進連絡会の設置など):24’~、子どもの事故予防強化事業(関係機関連絡会議費):24’~

未熟児養育費(都道府県1/4、市町村1/4):S33’~【母子保健法第20条】

妊娠前 妊娠期 出産 産 後 育 児

妊婦健診(14回分):25’~【母子保健法第13条】

乳児家庭全戸訪問事業(市町村1/3):19’~【児福法第6条の3】

子育て支援策・保育所・認定こども園

等・地域子育て支援拠点事業

・里親 ・乳児院・養子縁組・その他子育て支援策

母親学級・両親学級:8’~【母子保健法第9条】

妊娠に関する普及啓発【母子保健法第9条】

産前・産後サポート事業、産後ケア事業、妊娠・出産包括支援緊急整備事業(修繕費)(市町村1/2):27’~

乳幼児健診・1歳6か月児,3歳児:17’~【母子保健法第12条】・乳児健診,乳幼児健診(集団):11・12‘~【母子保健法第13条】

予防接種【予防接種法】

妊娠の届出【母子保健法第15条】

母子健康手帳の交付【母子保健法第16条】

マタニティマークの配布:19’~

子どもの心の診療ネットワーク事業(都道府県1/2):23’~

不妊専門相談センター・女性健康支援センター・健康教育事業(都道府県・指定都市・中核市1/2):8’~

不妊治療費の助成(都道府県・指定都市・ 中核市1/2):16’~

子育て世代包括支援センター(利用者支援事業の活用可)(市町村1/3)27’~ 【母子保健法第22条(H29.4.1施行)】、開設準備経費29’~

(その他)健やか親子21の推進(公募による委託)、指導者養成研修(公募による委託)、調査研究

結核児童療育費(:S34’~)・日用品費等(:S33’~) (都道府県・指定都市・中核市1/2)【児福法第20条、母子保健法第20条(日用品費等)】

低出生体重児の届出

【母子保健法第18条】

産婦健診(市町村1/2):29’~ 【母子保健法第13条】

新生児スクリーニング・聴覚検査(市町村):19’~ 【母子保健法第13条】・先天性代謝異常等検査 (都道府県,指定都市) :13’~【母子保健法第5条、第13条】

入院助産(都道府県、市、福祉事務所設置町村)措置等主体・入所先施設の設置主体別に、市町村1/4、都道府県1/4~1/2)

:S23’~ 【児福法第22条】

児童虐待防止医療ネットワーク事業(都道府県・指定都市1/2):24’~

国庫補助 一般財源国庫負担金

HTLV-1母子感染対策事業(研修等)(都道府県1/2):23’~ 妊娠・出産包括支援推進事業(研修等)(都道府県1/2)27’~

産婦(第17条)、新生児(第11条)、未熟児(第19条)への訪問指導:10’~【母子保健法】

育児学級:8’~【母子保健法第9条】

妊婦への訪問指導:10’~【母子保健法第17条】

妊婦B型肝炎検査・指導:10’~

妊娠中毒症入院治療費:9’~

聴覚検査体制整備(都道府県):29’~

保険資格確認

健康寿命延伸に向けたデータヘルス改革

2020年度に向けてデータヘルス改革で提供を目指す8つのサービス

(※)

②救急時医療情報共有

③PHR・健康

スコアリング④

データヘルス分析

⑦がんゲノム

⑧人工知能(AI)

⑤乳幼児期・学童期の健康情報

⑥科学的介護データ提供

①保健医療記録共有 診療情報

紹介状検査結果

B病院

情報提供書(紹介状)の電子化

保険証等のモバイル搭載

セカンドオピニオン

介護情報の共有

診療情報の時系列参照(救急時含む)

救急時の情報提供(医療的ケア児)

A病院

診療情報

紹介状検査結果

データ連結・IoT活用による最適な診断や診療の選択肢拡大

患者情報を共有化できる環境 マイナンバーカード

患者(国民)

受診時

健康・予防情報の提供による健康増進、病気のリスク軽減

ゲノム解析・AI活用によりがんとの闘いに終止符

科学的介護データ等の提供によりキュアからケアへ生活の質の向上

研究者・製薬会社

臨床医

がんの克服

創薬等

データ集約・分析

がんゲノム解析

AIの活用

認知症ケア自立支援

重症化予防要介護状態等の維持・改善

健康・医療・介護・リハ・栄養等データ

乳幼児期・学童期の健診・予防接種等の健康情報の一元管理

データ集約・分析

有効なヘルスケアサービスの提供へ

健診やレセプトデータ集約・分析

保険者事業主

被保険者(国民)

個別化医療

保護者 救急時

旅行先

患者(国民)

政策への活用

(※)審査支払機関業務の効率化・高度化を併せて推進

医療機関

介護事業者

ケアマネジャー

データヘルス時代の母子保健情報の利活用に関する検討会 中間報告書(概要)【経緯】○ 2018年1月に厚生労働省「データヘルス改革推進本部」のもとに、新たに「乳幼児期・学童期の健康情報」プロジェクトチームが設置され、乳幼児期、学童期を通じた健康情報の利活用等について検討を進めることとなった。

○ これを受け、同年4月に子ども家庭局長の下に「データヘルス時代の母子保健情報の利活用に関する検討会」を設置し、乳幼児健診及び妊婦健診の健診情報の電子的記録様式の標準化及び電子化に関する検討を行った。

【中間報告書の主な内容】1.電子的に記録・管理する情報○ 乳幼児健診(3~4か月、1歳半、3歳)及び妊婦健診の健診情報にかかる「標準的な電子的記録様式」及び「最低限電子化すべき情報」を検討。

標準的な電子的記録様式

乳幼児健診・妊婦健診で把握される情報 概要 例標準的な電子的記録様式

本人又は保護者が自己の健康管理のために閲覧する情報で、市町村が電子化することが望ましい情報。

・疾病及び異常の診察所見・新生児聴覚検査に関する情報・風疹抗体検査に関する情報

最低限電子化すべき情報※妊婦健診は対象外

転居や進学の際に、他の市町村や学校に引き継がれることを前提として、市町村が必ず電子化する情報。

・各健診時における受診の有無・診察所見の判定に関する情報

2.電子的記録の利活用について 3.今後の検討事項○ 引き続き検討が必要とされた主な課題。・ 電子的記録の保存年限・ 電子的記録の保存形式の標準化・ データ化する項目の定義や健診の質の標準化・ 学校健診情報との連携について・ 任意の予防接種情報の把握について・ 市町村における母子保健分野の情報の活用の在り方について・ ビッグデータとしての利用について・ 個人単位化される被保険者番号の活用にかかる検討も踏まえた医療等分野における情報との連携について

など

マイナポータルでの閲覧 市町村間での情報連携

○ 生涯を通じたPHR制度構築の観点から、医療機関等においては、健診情報等をマイナンバーにより管理することとなっていないことも踏まえ、医療情報も含めた個人の健康情報を同一のプラットフォームで閲覧する方法等について今後検討が必要。○ 現状、学校そのものは、マイナンバー制度において番号利用を行うことができる行政機関、地方公共団体等として位置づけられていないため、学校健診情報と母子保健情報の連携に当たっては検討が必要。○ 市町村が精密健康診査対象者の精密健康診査結果を確認する際に、医療機関から返却される精密健康診査結果を効率的に照合する等の活用を進めることを念頭に、被保険者番号も把握する方向。

「マイナンバー制度により管理」「特定の個人を識別する識別子はマイナンバー」

(背景)・健診の実施主体たる市町村において情報が保有・管理されている・マイナンバー制度に係る情報インフラが全国的に整備されている

乳幼児期・学童期の健康情報の一元的活用の検討などに取り組む。(経済財政運営と改革の基本方針 平成30年6月15日閣議決定)

政府方針

PHR(Personal Health Record)について、平成32年度より、マイナポータルを通じて本人等へのデータの本格的な提供を目指す。そのため、予防接種(平成29年度提供開始)に加えて、平成32年度から特定健診、乳幼児健診等の健診データの提供を開始することを目指す。(未来投資戦略2018 平成30年6月15日閣議決定)

乳幼児健診基本情報 3~4か月児健診 1歳6か月児健診 3歳児健診

<妊娠及び分娩歴>・妊娠中の特記事項・妊娠高血圧症候群・尿蛋白・尿糖・高血圧/浮腫・貧血・糖尿病・多胎妊娠・分娩時の特記事項・帝王切開術・骨盤位・在胎週数・出生時の特記事項・新生児期の特記事項・栄養方法・先天性代謝異常等検査・新生児聴覚検査・初回検査・再検結果・精密検査

<発達>・笑う・追視・定頸・人の声のする方に向く・おもちゃをつかむ・お座り・発語・ひとり歩き・二語文

各共通項目

妊婦健診〇各回の妊婦健康診査において実施する事項・診察月日 ・妊娠週数・体重 ・妊娠前の体重・最終健診時体重・身長・妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病〇必要に応じた医学的検査の結果・血液型等の検査・ABO血液型 ・Rh血液型・不規則抗体

・B型肝炎抗原検査・C型肝炎抗体検査・風疹抗体・血算検査・ヘモグロビン・ヘマトクリット・血小板

・HTLV-1抗体検査・子宮頸がん検診〇妊娠中と産後の歯の状態・初回診査・妊娠(週数)・要治療のむし歯・(ありの場合の本数)・歯石・歯肉の炎症〇出産の状態・妊娠期間 ・娩出日時

・分娩経過 ・分娩方法

・分娩所要時間 ・出血量

・出血量・輸血(血液製剤を含む)の有無〇出産時の児の状態・性別 ・数・体重 ・身長

・判定・身体的発育状況 ・精神発達 ・運動機能 ・神経系・感覚器系・血液系 ・皮膚 ・循環器系 ・呼吸器系・消化器系 ・泌尿生殖器系 ・先天性の身体的特徴

診察所見

・判定・むし歯の状態 ・未処置のむし歯 ・処置済のむし歯・歯肉・粘膜 ・かみ合わせ

歯科所見

・栄養育児環境等

・健診受診日 ・健診受診時月齢・身長 ・体重 ・胸囲(3歳児健診は除く) ・頭囲

・(健康診査依頼)日付・(精密検査受診)日付 ・所見又は今後の処置

精密健康診査

※ 赤字は市町村が必ず電子化する項目(最低限電子化すべき項目)

(出生時の身体計測値含む)

・母乳 ・離乳・栄養法

・熱性けいれん

<眼科所見>・判定・視力(両目・右眼・左眼)・眼位異常

<耳鼻咽喉科所見>・判定・聴力(難聴)(右・左)

<検尿>・蛋白 ・糖 ・潜血

・熱性けいれん・視覚・聴覚

・けいれん・股関節 ・股関節開排制限・斜頸 ・代謝系

子ども時代に受ける健診、予防接種等の個人の健康情報を一元的に確認し引っ越しや子どもの成長にあわせて記録を転居先や進学先へ引き継げるようにするサービス【このサービスで目指すこと】○ 子ども時代に受ける健診、予防接種等の個人の健康情報歴を一元的に確認できる仕組みの構築

○ 個人情報に配慮しつつ関係機関間での適切な健診情報の引き継ぎ

○ ビッグ・データとして活用

【 2020年度に実現できること】○ 乳幼児健診の受診の有無等の電子化した情報について、転居時に市町村間で引き継がれる仕組みを構築する。

○ マイナポータルを活用し、子ども時代に受ける健診、妊婦健診、予防接種等の個人の健康情報歴を一元的に確認できる仕組みを構築する。

妊娠 出産

妊婦健診

1歳6か月児

健診

3歳児健診

3~4か月児

健診

乳児 幼児 学童

次回妊娠の適切な管理

女性の生涯にわたる健康管理

予防接種(定期接種)

学校健診等

子どもの健康を管理

乳幼児健診等の電子化対象範囲

転居や子どもの成長に応じて引き継ぎ

定期予防接種情報

学校

市町村が保有する健康情報※一部は医療機関からの報告に

より把握

就学時健診

妊婦健診情報

学校健診

教育委員会

マイナポータルによる閲覧

転居

進学時に引き継ぐ

転居時に引き継ぐ

乳幼児健診情報

進学

電子化

A市

B町

・受診の有無等

1. 母子保健行政の動向2. 産前産後の切れ目ない支援について3. 成育基本法と健やか親子21について

本日のお話

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〇既存の体制 〇子育て世代包括支援センターの開始後

・関係機関は多いが、個別の対応となっている。

・必要な支援が、必ずしも切れ目なく提供できていない。

・関係機関の連絡調整

・全ての妊産婦の状況を継続的に把握し、必要な支援を切れ目なく提供。

市町村保健センター NPO

ボランティア

こども園保育所幼稚園

子育て支援機関

都道府県

保健所

医療機関分娩施設

児童相談所

子育て世代包括支援センター

NPOボランティア

子育て支援機関

医療機関分娩施設

市町村保健センター

学校

子育て世代包括支援センターのイメージ

都道府県

保健所

こども園保育所幼稚園

公民館

児童相談所

公民館

学校

継続的把握相談・情報提供・助言支援プランの策定

平成26年度 「妊娠・出産包括支援モデル事業」を29市町村において実施

平成26年12月27日 「まち・ひと・しごと創生総合戦略」閣議決定

「子育て世代包括支援センター」を、緊急的取組として50か所、2015 年度中までに150 か所整備し、おおむね5年後までに地域の実情等を踏まえながら全国展開を目指していく。

平成27年3月20日 「少子化社会対策大綱」閣議決定

産休中の負担の軽減や産後ケアの充実を始め、「子育て世代包括支援センター」の整備などにより、切れ目のない支援体制を構築していく。

平成28年5月27日 「児童福祉法等の一部を改正する法律案」成立

母子保健法に基づく「母子健康包括支援センター」は、平成29年4月1日施行

平成28年6月2日 「ニッポン一億総活躍プラン」閣議決定

子育て中の保護者の約4割が悩みや不安を抱えており、妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない支援を実施する子育て世代包括支援センターについて、児童福祉法等改正により市町村での設置の努力義務等を法定化し、令和2年度末(2020 年度末)までの全国展開を目指す。

子育て世代包括支援センターの経緯

エンゼルプラン 緊急保育対策等5カ年事業

新エンゼルプラン

少子化社会対策基本法の制定

少子化社会対策大綱

次世代育成支援対策推進法の制定

地方自治体、企業等における行動計画の策定、実施

「子どもと家族を応援する日本」重点戦略

「社会保障国民会議 最終報告」

子ども・子育てビジョン

子ども・子育て関連3法の成立・公布(H27施行)

待機児童解消加速化プラン

ニッポン一億総活躍プラン1.44 2016(H28)

1.45 2015(H27)

1.41 2012(H24)

1.39 2010(H22)

1.37 2008(H20)

1.34 2007(H19)

1.26 2005(H17)

1.29 2003(H15)

1.34 1999(H11)1.50 1994(H6)

出生率 年「1.57ショック」(前年(H元)の合計特殊出生率が1.57であったことが注目される。)

少子化社会対策大綱従来の少子化対策の枠組みを越えて、新たに結婚支援を加え、子育て支援の充実の他、多子世帯への配慮、男女の働き方改革、地域創生の観点を盛り込む。

新第二の矢「夢をつむぐ子育て支援」により、希望出生率1.8を実現できる社会を目指す。

保育サービス以外に、雇用、母子保健、教育等の数値目標も盛り込まれる。

保育の受け皿拡大や保育士の処遇改善等子育て支援の強化 同一労働同一賃金、長時間労働の是正等働き方改革

1990(H2)

「親の就労と子どもの育成」「家庭における子育て」を包括的に支援する仕組みの構築

働き方の見直しによる仕事と生活の調和の実現

仕事と家庭の調和(ワークライフバランス)憲章

質と量の抜本的な拡充と同時に、子育て支援関係サービスを一体的に提供する新たな制度体系の構築が必要

ワークライフバランス憲章等の着実な推進が必要

次世代法の延長

車の両輪

1.43 2013(H25)

保育、放課後児童クラブなどの数値目標

1.36 2000(H12)健やか親子21

健やか親子21(第2次)

成育医療基本法の制定1.42 2018(H30)

1.54

少子化対策の取組の主な経緯

○ 妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供できることを目的とするもの○ 保健師等を配置して、妊産婦等からの相談に応じ、健診等の「母子保健サービス」 と地域子育て支援拠点等の 「子育て支

援サービス」 を一体的に提供できるよう、必要な情報提供や関係機関との調整、支援プランの策定などを行う機関〇 母子保健法を改正し、子育て世代包括支援センターを法定化(2017年4月1日施行)(法律上は「母子健康包括支援センター」)

➢実施市町村数:761市区町村(1,436か所)(2018年4月1日現在) ➢2020年度末までに全国展開を目指す。※各市区町村が実情に応じて必要な箇所数や管轄区域を判断して設置。

保健所 児童相談所子育て支援機関

医療機関(産科医、小児科医等)

①妊産婦等の支援に必要な実情の把握 ②妊娠・出産・育児に関する相談に応じ、必要な情報提供・助言・保健指導

③支援プランの策定 ④保健医療又は福祉の関係機関との連絡調整

※医師、歯科医師、栄養士・管理栄養士、歯科衛生士、理学療法士、心理職などの専門職の配置・連携も想定される。

子育て世代包括支援センター

妊産婦等を支える地域の包括支援体制の構築

妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援

障害児支援機関

妊娠前 妊娠期 出産 産後 育児

妊婦健診

乳児家庭全戸訪問事業

子育て支援策・保育所・認定こども園等・地域子育て支援拠点事業・里親 ・乳児院・養子縁組・その他子育て支援策

両親学級等

妊娠に関する普及啓発

不妊相談

乳幼児健診

予防接種

産前・産後サポート事業 産後ケア事業

近隣住民やボランティアなどによるインフォーマルなサービス

養育支援訪問事業

利用者支援実施施設

民間機関・関係団体

ソーシャルワーカー

看護師助産師保健師

産婦健診

サービス(現業部門)

マネジメント(必須)

母子保健支援

子育て支援

子育て世代包括支援センターの全国展開

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

鳥取県

滋賀県

兵庫県

栃木県

富山県

埼玉県

山形県

静岡県

山口県

神奈川県

京都府

広島県

千葉県

福井県

愛知県

岡山県

奈良県

三重県

大阪府

山梨県

福島県

和歌山県

高知県

石川県

島根県

東京都

茨城県

新潟県

佐賀県

長野県

香川県

福岡県

鹿児島県

宮崎県

岐阜県

岩手県

秋田県

宮城県

大分県

群馬県

長崎県

北海道

熊本県

愛媛県

青森県

沖縄県

徳島県

都道府県別の子育て世代包括支援センター実施率(※)(平成30年4月1日時点)

※ 子育て世代包括支援センターの実施率は(設置市区町村数)/(管内市区町村数)で算出 (母子保健課調べ)

子育て世代包括支援センターの財源について○ 子育て世代包括支援センターは、子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号)に基づく利用者支援事業や、従来の母子保健事業等を活用して実施。

○ 子育て世代包括支援センターについて利用者支援事業を活用して実施する場合の財源は、子ども・子育て支援交付金となる。※既存の市町村予算等を活用した実施も可能

○ 子育て世代包括支援センターと一体的に併せ、産前・産後サポート事業、産後ケア事業を行う場合の財源は、母子保健衛生費補助金となる。

・子ども・子育て支援交付金(内閣府計上)(負担割合:国1/3、都道府県1/3、市町村1/3)※既存の市町村予算等を活用した実施も可能

利用者支援事業や、従来の母子保健事業等を活用

※ この他、子ども・子育て支援交付金では、改修費等の開設準備経費について支援。また、母子保健衛生費補助金では、センターを立ち上げるための準備員の雇上費や協議会の開催準備経費等について支援。

利用者支援事業や、従来の母子保健事業等を活用

産後ケア事業産前・産後

サポート事業母子保健衛生費補助金(妊娠・出産包括支援事業)

(負担割合:国1/2、市町村1/2)

1.子育て世代包括支援センターを利用者支援事業を活用して単独で実施する場合

2.子育て世代包括支援センターに併せて産前・産後サポート事業や産後ケア事業を実施する場合

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個別の状況に応じた情報提供情報提供があれば、自身に必要なサービスの選定・利用が可能な段階。自身で各種サービスの「利用計画(セルフプラン)」が立てられる。

利用計画(セルフプラン)の作成支援情報提供に加えて、専門職等の助言や支援があれば、必要なサービスの選定・利用ができる段階。センターによる助言・支援があれば「利用計画(セルフプラン)」が立てられる。

支援プランの策定センターによるサービスの調整・利用支援や、サービスの提供や関係機関による密なモニタリングが必要な段階。関係機関による支援やモニタリングについても整理した「支援プラン」を策定。

子育てサロンパパママ教室を利用しよう…

これからの見通しは…?

これからの育児が不安、協力者がいない…

関係者会議

支援プラン

利用計画(セルフプラン)

利用計画(セルフプラン)

段階的な支援と利用計画(セルフプラン)・支援プランの関係

○妊産婦等が抱える妊娠・出産や子育てに関する悩み等について、助産師等の専門家又は子育て経験者やシニア世代等の相談しやすい「話し相手」等による相談支援を行い、家庭や地域での妊産婦等の孤立感の解消を図ることを目的とする。

○事業の内容①利用者の悩み相談対応やサポート②産前・産後の心身の不調に関する相談支援③妊産婦等をサポートする者の募集④子育て経験者やシニア世代の者等に対して産前・産後サポートに必要な知識を付与する講習会の開催⑤母子保健関係機関、関係事業との連絡調整

○実施方法・実施場所等①「アウトリーチ(パートナー)型」・・・実施担当者が利用者の自宅に赴く等により、個別に相談に対応②「デイサービス(参加)型」・・・・・・・公共施設等を活用し、集団形式により、同じ悩み等を有する利用者からの相談に対応

○実施担当者 (1)助産師、保健師又は看護師(2)子育て経験者、シニア世代の者等(事業内容②の産前・産後の心身の不調に関する相談支援は、(1)に掲げる専門職を担当者とすることが望ましい)

○予算額等 令和元年度予算 777百万円(令和元年‘基準額案 人口10~30万人の市町村の場合 11,780千円)(補助率 国1/2、市町村1/2)

(平成26年度より、妊娠・出産包括支援モデル事業の一部として事業開始。平成30年度は403市町村において実施)

○身近に相談できる者がいないなど、支援を受けることが適当と判断される妊産婦及びその家族。

対象者

産前・産後サポート事業事業目的等

事業の概要

○市町村 (本事業の趣旨を理解し、適切な実施が期待できる団体等に事業の全部又は一部を委託することができる)

実施主体

○事業内容退院直後の母子に対して心身のケアや育児のサポート等きめ細かい支援を実施する。(利用期間は原則7日以内)原則として①及び②を実施、必要に応じて③から⑤を実施。①褥婦及び新生児に対する保健指導及び授乳指導(乳房マッサージを含む)②褥婦に対する療養上の世話 ④褥婦及び産婦に対する心理的ケアやカウンセリング③産婦及び乳児に対する保健指導 ⑤育児に関する指導や育児サポート等

○実施方法・実施場所等(1)「宿泊型」 ・・・ 病院、助産所等の空きベッドの活用等により、宿泊による休養の機会の提供等を実施。

(原則として、利用者の居室、カウンセリング室、乳児保育等を有する施設)

(2)「デイサービス型」 ・・・ 個別・集団で支援を行える施設において、日中、来所した利用者に対し実施。(3)「アウトリーチ型」 ・・・ 実施担当者が利用者の自宅に赴き実施。

○実施担当者 事業内容に応じて助産師、保健師又は看護師等の担当者を配置。(宿泊型を行う場合には、24時間体制で1名以上の助産師、保健師又は看護師の配置が条件)

○予算額等 令和元年度予算 2,551百万円(令和元年‘基準額案 人口10~30万人の市町村の場合 24,280千円)(補助率 国1/2、市町村1/2)(利用料については、市町村が利用者の所得等に応じて徴収)(平成26年度は、妊娠・出産包括支援モデル事業の一部として事業開始。平成30年度は667市町村において実施)

○家族等から十分な家事及び育児など援助が受けられない褥婦及び産婦並びにその新生児及び乳児であって、次の(1)又は(2)に該当する者 (1)産後に心身の不調又は育児不安等がある者 (2) その他特に支援が必要と認められる者

対象者

産後ケア事業について

事業目的

事業の概要

○市町村 (本事業の趣旨を理解し、適切な実施ができる団体等に事業の全部又は一部の委託が可能)

実施主体等

○退院直後の母子に対して心身のケアや育児のサポート等を行い、産後も安心して子育てができる支援体制を確保する。

産婦健康診査事業について

産後うつの予防や新生児への虐待予防等を図る観点から、産後2週間、産後1か月など出産後間もない時期の産婦に対する健康診査(母体の身体的機能の回復や授乳状況及び精神状態の把握等)の重要性が指摘されている。

このため、産婦健康診査の費用を助成することにより、産後の初期段階における母子に対する支援を強化し、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援体制を整備する。【平成29年度創設】

要 旨

○地域における全ての産婦を対象に、産婦健康診査2回分に係る費用について助成を行う。※事業の実施に当たっては以下の3点を要件とする。(1)産婦健康診査において、母体の身体的機能の回復や授乳状況及び精神状態の把握等を実施すること。(2)産婦健康診査の結果が健診実施機関から市区町村へ速やかに報告されるよう体制を整備すること。(3)産婦健康診査の結果、支援が必要と判断される産婦に対して、産後ケア事業を実施すること。

○令和元年度予算 1,268百万円(平成30年度基準額:1回当たり5,000円実施主体:市町村、補助率:国1/2・市町村1/2)(平成30年度は364市町村において実施)

事 業 内 容

妊娠 出産乳児

1歳6か月児健診

地方交付税措置

3歳児健診

地方交付税措置

妊娠の届出・

母子健康手帳の交付

妊婦健診(14回)

※地方交付税措置

幼児

産婦健診

妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援

2回分を助成

乳幼児健診(3~4か月児健診など)※市町村が必要に応じ実施(地方交付税措置)

産後ケア事業

※産婦の心身の不調や産後うつ等を防ぐため、母子への心身のケアや育児サポート等の実施

支援が必要な産婦の把握

※妊婦健診等において出産後の心身の不調に関する知識や相談先についての周知を図ることが必要。

女性健康支援センター事業

○ 対象者

思春期、妊娠、出産、更年期等の各ライフステージに応じた相談を希望する者

(不妊相談、望まない妊娠、メンタルヘルスケア、性感染症の対応を含む)

○ 事業内容

(1)身体的、精神的な悩みを有する女性に対する相談指導

(2)相談指導を行う相談員の研修養成

(3)相談体制の向上に関する検討会の設置

(4)妊娠に悩む者に対する専任相談員の配置

(5)(特に妊娠に悩む者)が、女性健康支援センターの所在等を容易に把握することができるよう、その所在地及び連絡先を

記載したリーフレット等を作成し、対象者が訪れやすい店舗等で配布する等広報活動を積極的に実施

(6)特定妊婦等に対する産科受診等支援(平成31年度予算案から計上)

○ 実施担当者 ・・・ 医師、保健師又は助産師等

○ 実施場所(実施主体:都道府県・指定都市・中核市)

全国73ヵ所(平成30年7月1日時点) ※自治体単独13か所47都道府県、札幌市、仙台市、さいたま市、 千葉市、横浜市、川崎市、新潟市、静岡市、浜松市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市、広島市、北九州市、福岡市、八戸市、盛岡市、福島市、

川越市、八王子市、鳥取市、呉市、久留米市、宮崎市

○ 予算額等 令和元年度予算 113百万円(令和元年度基準額案 149,300円×実施月数)(補助率 国1/2、都道府県・指定都市・中核市1/2)

○ 相談実績 平成29年度:67,101件(内訳:電話40,663件、面接21,587件、メール3,784件、その他1,067件)

○ 相談内容 ・女性の心身に関する相談(25,480件) ・不妊に関する相談(12,138件) ・思春期の健康相談(6,283件)

・妊娠・避妊に関する相談(9,094件) ・メンタルケア(13,411件) ・婦人科疾患・更年期障害(750件) ・性感染症等(788件)

○事業の目的思春期から更年期に至る女性を対象とし、各ライフステージに応じた身体的・精神的な悩みに関する相談指導や、相談指導

を行う相談員の研修を実施し、生涯を通じた女性の健康の保持増進を図ることを目的とする。

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特定妊婦等に対する産科受診等支援

○ 実施主体 ・・・ 女性健康支援センター事業を実施する都道府県、指定都市、中核市(医療法人その他の機関又は団体に委託することが可能)

○ 対象者特定妊婦と疑われる者(特定妊婦:出産後の養育について出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦(児童福祉法第6条の3第5項))

○ 事業内容女性健康支援センターにおいて、予期せぬ妊娠等により妊娠に悩む者を把握した場合には、面談・訪問相談等によりその状況を

確認し、関係機関と連携を行うとともに、産科受診等が困難な特定妊婦と疑われる場合には、産科等医療機関への同行支援や初回産科受診料に対する助成※を行う。※特定妊婦と疑われる者のうち、支援の必要が認められると自治体が判断する者

○ 実施担当者 ・・・ 保健師、看護師又は助産師等○ 予算額等 ・・・ 令和元年度予算 113百万円(女性健康支援センター事業)の内数

(補助率 国1/2,都道府県・指定都市・中核市1/2)

○ 妊娠・出産について周囲に相談できずに悩む者については、予期しない妊娠、経済的困窮、社会的孤立、DVなどの様々な背景があり、妊婦健診未受診での分娩や0歳0日での虐待死に至る場合があるなど、妊娠期から支援することが重要である。

○ このため、予期せぬ妊娠等の相談対応を行う女性健康支援センターにおいて、特定妊婦と疑われる者を把握した場合に、医療機関等への同行支援等を行うことによりその状況を確認し、関係機関へ確実につなぐ体制を整備する。

事 業 目 的

予期せぬ妊娠相談(女性健康支援センター)

産科受診等支援※特定妊婦と疑われる者のうち、支援の必要が認

められると自治体が判断する者について、医療機関における妊娠判定にかかる費用を補助

産科受診等が困難な特定妊婦と疑われる者

必要に応じて面談・訪問相談実施

(対象者との信頼関係の構築)

妊娠検査薬により妊娠判定実施

事 業 内 容

子育て世代包括支援センター、要保護児童対策地域協議会等関係機関

連携 連携

(イメージ)

<女性健康支援センター事業の拡充>

・新生児聴覚検査の受検の有無を把握している市区町村は94.7%(1,649/1,741市区町村)・受検の有無を把握し、かつ、受検人数を集計している市区町村(1,491市区町村)における、出生児に対する初回検査の実施率は81.8%(507,047/619,692人)

・初回検査について公費負担を実施している市区町村は、22.6%(394/1,741市区町村)・要支援児に対する療育が遅滞なく実施されるための指導援助を実施している市区町村は57.8%(1,006/1,741市区町村)

新生児期において、先天性の聴覚障害の発見を目的として実施する聴覚検査。検査方法は、主に自動ABR又はOAEがある。

自動ABR(自動聴性脳幹反応:Automated Auditory Brainstem Response)・・・新生児聴覚検査用の聴性脳幹反応検査。自動判定機能を持たせたもので、判定基準は35dBに設定され、「pass(パス)」あるいは「refer(リファ-)」で結果が示される。

OAE(耳音響放射:Otoacoustic Emissions)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内耳から外耳道へ放射される微弱な音信号を集音して得られる反応で、内耳有毛細胞機能を評価する検査。

新生児聴覚検査の実施

聴覚障害は早期に発見され適切な支援が行われた場合には、聴覚障害による音声言語発達等への影響が最小限に抑えられることから、その早期発見・早期療育を図るために、全ての新生児を対象として新生児聴覚検査を実施することが重要。

・平成12年度~ 国庫補助事業を開始・平成19年度~ 検査費用を一般財源化(検査の実施主体は市町村)・平成24年度~ 母子健康手帳の必須記載事項(省令様式)の検査記録に「新生児聴覚検査」を記載し、任意記載事項様式の

「新生児(生後約4週間までの赤ちゃん)」のページに「新生児聴覚検査について」を追加。

・平成28年3月 新生児聴覚検査に係る通知を改正して検査に係る留意事項を整理し、市区町村における一層の取組を依頼。・平成28年10月 母子健康手帳の必須記載事項(省令様式)の新生児聴覚検査の記録欄について、より詳細な検査結果を記載できる

よう改正

・平成29年12月 新生児聴覚検査に係る通知を改正して都道府県において新生児聴覚検査に係る協議会の設置を求めたとともに、検査の実施状況等の把握のため、受診状況等をとりまとめることとした。

(参考) ○厚生労働科学研究費補助金・平成19年3月:「新生児聴覚スクリーニングマニュアル」を作成・平成25~26年度:乳幼児の疾患疫学を踏まえたスクリーニング及び健康診査の効果的実施に関する研究→耳鼻科領域の分担班で、新生児スクリーニングや乳幼児健診での問題点を検討し、新生児スクリーニング普及率向上への改善策を提示するとともに、1歳未満で実施

可能な質問紙等による新たなスクリーニング方法を検討。○日本医療研究開発機構研究費

・平成27~29年度:乳幼児の疾患疫学を踏まえたスクリーニング等の効果的実施に関する研究→耳鼻科領域の分担班で、10ヶ月健診での効果的聴覚スクリーニング法の確立を目指すとともに、新生児聴覚スクリーングの有効性を再検証。

検査方法

沿革等

実施状況(平成29年度)

○ 聴覚障害は早期に発見され適切な支援が行われた場合は、聴覚障害による音声言語発達等への影響が最小限に抑えられる。このため、聴覚障害の早期発見・早期療育が図られるよう、新生児聴覚検査に係る協議会の設置や、研修会の実施、普及啓発等により、都道府県における推進体制を整備する。【平成29年度創設】

新生児聴覚検査体制整備事業について

○ 新生児聴覚検査に係る行政機関、医療機関、教育機関、医師会・患者会等の関係機関等による協議会の設置、研修会の実施や普及啓発等により、都道府県内における新生児聴覚検査の推進体制の整備を図る。

事 業 内 容

要 旨

<都道府県内における新生児聴覚検査の推進体制の確保>○ 医療機関や教育機関などの関係機関等による協議会の設置○ 医療機関従事者等に対する研修会の実施や新生児聴覚検査のパンフレット作成等による普及啓発

○ 県内における事業実施のための手引書の作成 など<予算額> 令和元年度予算 49百万円 (令和元年度基準額案: 1都道府県当たり2,077千円)

(実施主体:都道府県、補助率: 国1/2・都道府県1/2)平成30年度実施都道府県:34都道府県北海道、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、大阪府、奈良県、和歌山県、岡山県、山口県、徳島県、愛媛県、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、宮崎県、沖縄県

都道府県

※新生児聴覚検査・・・新生児期において、先天性の聴覚障害の発見を目的として実施する聴覚検査。

<新生児聴覚検査の実施>○ 新生児聴覚検査に対する公費助成の実施(※地方交付税措置)○ 新生児訪問等の際に、母子健康手帳を活用し、新生児聴覚検査の実施状況の把握及び要支援児や保護者

に対するフォローアップ など

市町村支援

1. 母子保健行政の動向2. 産前産後の切れ目ない支援について3. 成育基本法と健やか親子21について

本日のお話

成育基本法(略称)について

「成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律」(平成30年法律第104号)

次代の社会を担う成育過程にある者の個人としての尊厳が重んぜられ、その心身の健やかな成育が確保されることが重要な課題となっていること等に鑑み、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、成育医療等の提供に関する施策に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体、保護者及び医療関係者等の責務等を明らかにし、並びに成育医療等基本方針の策定について定めるとともに、成育医療等の提供に関する施策の基本となる事項を定めることにより、成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策を総合的に推進する。

名称

○ 定義○ 基本理念○ 国、地方公共団体、保護者、医療関係者等の責務○ 関係者相互の連携及び協力○ 法制上の措置等○ 施策の実施の状況の公表○ 成育医療等基本方針の策定(閣議決定・公表・最低6年ごとの見直し)と評価○ 基本的施策:

成育過程にある者・妊産婦に対する医療/成育過程にある者等に対する保健/教育及び普及啓発/記録の収集等に関する体制の整備等/調査研究

○ 成育医療等協議会の設置

主な内容

法律の目的

公布から一年以内の政令で定める日施行日

公布日:平成30年12月14日 成育基本法と健やか親子21の関係

子どもと妊産婦に対する医療

・医療提供体制の整備・救急医療の充実 など

子どもと妊産婦に対する保健

健やか親子21平成26年局長通知

・健康の保持・増進・社会からの孤立の防止、不安の緩和・虐待の予防、早期発見・健康診査、健康診断の適切な実施・心身の健康に関する相談体制の整備 など国民への教育・普及啓発

・子どもの心身の健康、妊娠、出産、育児、子どもとの愛着の形成等に関する教育と普及啓発 など

成育基本法平成30年12月成立

子どもの健康に関する記録の収集

・予防接種、乳幼児健康診査、学校健診の記録の収集と管理、活用・子どもの死因に関する情報の収集、管理、活用 など

調査研究

・妊娠、出産、育児、子どもの心身の健康に関する調査、研究など

基本的施策

国、地方公共団体、保護者、医療関係者等の責務

定義

基本理念

関係者相互の連携及び協力

施策の実施の状況の公表

法制上の措置等

成育医療等基本方針の策定(閣議決定・公表・最低6年ごと

の見直し)と評価

成育医療等協議会の設置

- 6 -

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住 民 ( 親 子 )NPO

連携と協働

モニタリングの構築

企業医療機関 研究機関

学校

地方公共団体

○ 関係者が一体となって推進する母子保健の国民運動計画○ 21世紀の母子保健の取組の方向性と目標や指標を示したもの○ 第1次計画(2001年~2014年)・第2次計画(2015年度~2024年度)

「健やか親子21」とは

【基盤課題A】

切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策

【基盤課題B】学童期・思春期から成人期に向けた

保健対策

【基盤課題C】子どもの健やかな成長を見守り育む

地域づくり

【重点課題①】

育てにくさを感じる親に寄り添う支援

【重点課題②】

妊娠期からの児童虐待防止対策

「すべての子どもが健やかに育つ社会」の実現

健やか親子21推進協議会

国(厚生労働省、文部科学省等)

「健やか親子21(第1次)」(H13~26年)の最終評価について

全体の目標達成状況等の評価 ~74項目のうち、約8割が改善~

評価区分該当項目数

(割合)該当項目

改善した

A 目標を達成した20項目

(27.0%)○新生児死亡率

○十代の喫煙率 等

B 目標に達して

いないが改善した

40項目

(54.1%)○妊産婦死亡率

○不慮の事故による死亡率 等

C 変わらない8項目

(10.8%)

○思春期外来○児童虐待による死亡数○産婦人科医師数○休日・夜間の小児救急医療機関を知っている親の割合○子育てに自信が持てない母親の割合○ゆったりとした気分で子どもと過ごせる時間がある母親の割合○育児について相談相手のいる母親の割合○子どもの心の専門的な診療ができる医師がいる児童相談所の割合

D 悪くなっている2項目

(2.7%)○低出生体重児 ○十代の自殺率

E 評価できない4項目

(5.4%)○朝食を欠食する子どもの割合○法に基づき児童相談所等に報告があった被虐待児数 等

厚生労働省ではすべての子どもが健やかに育つ社会の実現を目指し、関係者と一体となって「健やか親子21」を推進しています。

皆さんで、子どもが健やかに育つ社会を築くための取組です。

妊娠中から子育て中の親子とそのご家族が、自らの健康に関心をもち、学校や企業等も含めた地域社会全体で子どもの健やかな成長を見守るとともに、子育て世代の親を孤立させないよう温かく見守り支える地域づくりをすることを目指しています。

ご清聴ありがとうございました。

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【MEMO】

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講義① 「産後の母子を地域で支える」講師:市川 香織

産後の母子を地域で支える

東京情報大学看護学部看護学科

市川 香織

2019産後ケア事業に関する研修

2

1.産後ケアはなぜ必要か

2.子育て世代包括支援センターと産後ケア

3.産婦健診と産後ケア

1.産後ケアはなぜ必要か

3

コソダテ=孤育て?

⚫ 出産・子育ては人生で1~2回のライフイベント

働く女性の増加 → 結婚・出産は後回し → 出産の高齢化

→ 親が高齢で頼れない、親が遠方で頼れない

親は働いていて(介護していて)頼れない

親に気を遣って頼れない

⚫ 核家族化、転勤族

→ 地域との関係の希薄化 → 虐待で通報されるのではないか

→ 閉じこもる → 行動範囲が狭くなる → 孤立化

⚫ 男性の育児休暇取得率の低さ

2018年度は6.16%(女性は82.2%)→夫に頼れない・孤独育児休暇取得率は少しずつだが増加している

(厚生労働省雇用均等基本調査速報値2019.6.4)

サポート不足

虐待リスク

孤立

出産年齢の高齢化によるリスク

身体的リスク 社会的リスク

・妊娠高血圧症候群・前置胎盤・胎盤早期剝離は加齢に伴い増加

→帝王切開増加病院の帝王切開率25.8%(2017)

・出産に時間がかかる=回復にも時間がかかる

・親も高齢で頼れない

・社会的役割の喪失感

・受援力不足・SOS出せない

・不妊治療の増加→出産がゴール

5

身体的負荷大きい

「こんなはずじゃなかった」産後

・出産によるカラダの疲れがとれない、眠い「出産ってこんなにダメージがあるの・・・」

・母乳で育てたいのに母乳が出ない「母乳ってすぐ出るものだと思ってた・・・」

・なんだかイライラ、めそめそ「どうして上手くいかないの・・・」「私がいけないの?」 「うちの子だけ・・・」

・赤ちゃんが第一だけど、私もツライ「自分は二の次・・・」 「先が見えない・・・」

6

産後がこんなにつらいなんて誰も教えてくれなかった

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マタニティ・ブルーズと産後うつ

マタニティ・ブルーズ 産後うつ

20~40% 10%程度

産後3日目~数週間 産後3~6か月

涙もろくなる感情的になるいらいら

眠れなくなる

不安・恐怖みじめになる不幸せな感じ

自分を責める・傷つける眠れなくなる

7

妊産婦の死因1位は自殺

•妊産婦死亡率

出産10万対4.0(平成24年)

※妊娠中又は妊娠終了後満42日未満の女性の死亡

•東京都監察医務院などの調査結果(2016年)

東京23区,2005〜2014年の10年間妊産婦の自殺が計63人出産10万対8.5

(内訳)妊娠中 23人(妊娠2か月12人)

出産後1年未満 40人(産後4か月9人)

うち6割に精神科通院歴→うち半数「産後うつ」

8

2016年4月24日 毎日新聞より

安全↑

メンタル↓

・成育医療研究センター研究所の調査報告(全国、2015〜16年の2年間で)妊娠中から産後1年未満の女性の死亡のうち、自殺が102人(死因として最多)

厚生労働科学研究費補助金 政策科学総合研究事業(臨床研究等ICT 基盤構築・人工知能実装研究事業)周産期関連の医療データベースのリンケージの研究(H28-ICT-一般-001)

ママが産後うつ パパも注意!

●アメリカの研究

10%の父親に産後うつがみられた。

産後3〜6か月が多い。 母親のうつとも関連。

うつになると子供を叩く割合が高くなる。

「Fathers’Depression Related to Positive and Negative Parenting Behaviors with 1-year-old Children」『PEDIATRICS』American Academy of Pediatrics より引用

9

日本でも男性の産後うつリスクあり16.7%というデータも!(2012)

健やか親子21【課題2】 妊娠出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への支援

指標2-3:産後うつ病疑い(EPDS9点以上)の発生率

改善した(目標を達成した)

総合評価

●平成13年度厚労科研「産後うつ病の実態調査ならびに予防的介入のためのスタッフの教育研修活動」(中野仁雄班)●平成17年度厚労科研「健やか親子21の推進のための情報システム構築と各種情報の利活用に関する研究」(山縣然太朗班)●平成21年度厚労科研「健やか親子21を推進するための母子保健情報の利活用に関する研究」(山縣然太朗班)●平成25年度厚労科研「「健やか親子21」の最終評価・課題分析及び次期国民健康運動の推進に関する研究」(山縣然太朗班)

策定時(平成13年)

第1回中間評価(平成17年)

第2回中間評価(平成21年)

最終評価(平成25年)

13.4% 12.8% 10.3% 9.0%

13.4

12.8

10.39.0

0

3

6

9

12

15

平成13年 平成17年 平成21年 平成25年

(%)

発生率

メンタルヘルスケアも含む産後ケアの必要性が高まっている

•女性の一生のうちで、妊娠中や産後は、うつ病が起こりやすい時期

•出産年齢の高齢化により、妊娠・出産による心身への負荷が大きくなっている

•産後の支援者不足による孤独な子育て環境で不安が大きい

•児童虐待相談対応件数は増え続けており、虐待の背景に母親の精神疾患等もある

•産後1か月で産後うつのリスクがある褥婦は9~13%いる

•妊娠中〜産後の女性の死亡として自殺が多く、自殺者の背景に精神疾患が多いことが明らかになった

11

2.子育て世代包括支援センターと産後ケア

12

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産前産後の女性を支えてきたものは?

•昭和初期くらいまでは、地域で家族や女性たちが支えてきた

• おせっかい

• お互い様の気持ち(支え、支えられ)→受援力も必要

• 地域力→ソーシャル・キャピタル

• 床上げ(21日)の風習

【海外】

・中国(30日):坐月子

・韓国(21日):調理院

・ベトナム:100日

・ギリシャ:40日間安静

・ニジェール:40日間は特別

産後を大事にする→心身の癒しだけでなく親子関係の構築にも重要

13

妊娠 出産産後1か月 2か月 3~4か月

医療施設地 域

・妊婦健診 14回・母親(両親)学級・栄養指導

・退院指導・授乳指導・育児指導

・母子健康手帳交付

・母親(両親)学級・栄養指導

・乳児家庭全戸訪問

・3-4か月児健診

(電話相談)(2週間健診)

・新生児訪問

医療施設から地域へ

育児不安が最も高まる時期

精神的に不安定な時期

産後は、医療から地域へ移行連携が課題

・離乳食教室

・1か月健診

里帰り出産の場合

自宅に戻る時期

・幼児歯科検診・栄養相談

1歳 3歳

・3歳児健診

・1歳6か月児健診

働く保護者への支援(保育所との連携)

・未熟児訪問

平成25年度厚生労働科学研究「乳幼児健康診査の実施と評価ならびに多職種連携による母子保健指導のあり方に関する研究(主任研究者 山崎嘉久)で作成

妊娠・出産・産後のサービスとケアの場所

14

15厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課資料より

子育て世代包括支援センター(「母子健康包括支援センター」)の必須業務

①妊産婦・乳幼児等の実情を把握すること

②妊娠・出産・子育てに関する各種の相談に応じ、必要な

情報提供・助⾔・保健指導を行うこと

③支援プランを策定すること

④保健医療又は福祉の関係機関との連絡調整を行うこと

16

厚生労働省.子育て世代包括支援センター業務ガイドライン.平成29年8月,p.6 図表4

母子保健を包含した子育て世代包括支援センター

• 医療モデル

• 母子に支援

• 集団での支援

• アウトプット評価

• 子育て支援

• 家族に支援

• 個と個の支援

• アウトカム評価

従来の母子保健

視点①

視点②

視点③

視点④

出典)佐藤拓代:子育て世代包括支援センターとネウボラの理念.大阪市立大学看護学雑誌,第14巻,2018.36-39.

スクリーニング、必要な支援につなげる

夫婦関係は見えない

誰もが支援を受ける

父も踏まえた支援

支援プラン策定の基本的な考え方

出典:厚生労働省.子育て世代包括支援センターガイドライン.p.33

セルフプラン

支援プラン

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妊娠届出時のアンケート項目例

• 妊娠経過

• 既往妊娠・分娩歴

• 不妊治療の有無

• 今回の妊娠が分かったときの気持ち

• 里帰り予定

• 困ったときに助けてくれる人はいるか

• 現在「困っていること」「悩んでいること」「不安なこと」はあるか

• 現在の喫煙状況(本人、パートナー)

• 現在の飲酒状況

• 今までにかかった病気や現在治療中の病気

• この1年間に、2週間以上続く「眠れない」「イライラする」「涙ぐみやすい」「何もやる気がしない」などの症状があるか

• 出典:愛知県 妊娠届出書様式より

支援が必要=誰が、どこで気づくか

• 妊娠中・母子健康手帳交付時(既往歴、経済状況等)

・妊婦健診受診時・出産準備クラス

• 出産時・入院期間中出産施設での様子

• 産後・2週間健診・1か月健診

・新生児訪問(EPDSスクリーニング)

・産後ケア・乳児家庭全戸訪問・乳幼児健診

20

本人?パートナー・家族?医療者?保健センター?

気づいたら「つなぐ」(つながる)・保健センター・産後ケア・医療機関

支援が上手くいくポイントは?

21

1.誰かが気づいて、妊産婦のために動く。

2.気づいた人が、必要な専門職や関係機関につなぐ。

3.関係機関が、必要なときに、必要な援助を行い、報告しあう。

連携のタイミング

産科医療機関

小児科 精神科

子育て世代包括支援センター

産後ケア

児童相談所母子保健事業 子育て支援 保育所

妊婦健診 出産 産婦健診

母子健康手帳交付 妊婦訪問

アセスメント

アセスメント両親学級

出産準備クラス

多職種・多機関連携

23

家庭児童相談室

児童相談所

生活保護

社会福祉協議会

保健師

産科医

助産師

小児科医

精神科医保育所

家事支援

分娩費用福祉サポート

相談、福祉サポート

母子健康手帳交付家庭訪問乳幼児健診

妊婦健診、入院中産後1か月健診保健指導

予防接種児の病気

既往歴治療

妊産婦

家族

臨床心理士

3.産婦健診と産後ケア

24

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産婦健診事業(平成29年度より開始)

産後うつの予防や新生児への虐待予防等を図る観点から、産後2週間、産後1か月などの出産後間もない時期の産婦に対する健康診査(母体の身体的機能の回復、授乳状況及び精神状態の把握等)の重要性が指摘されている。出産後間もない時期における産婦健康診査2回分にかかる費用を助成する。

【実施要件】

①産婦健康診査において、母体の身体的機能の回復、授乳状況及び精神状態の把握等を実施すること。

②産婦健康診査の結果が健診実施機関から市町村へ速やかに報告されるよう体制を整備すること。

③産婦健康診査の結果、支援が必要と判断される産婦に対して産後ケア事業を実施すること。

厚生労働省子ども家庭局母子保健課

「子育て世代包括支援センター」における継続的な状況把握のイメージ

厚生労働省.子育て世代包括支援センター 事業ガイドライン.平成29年8月

産婦健診事業とも連携

「産後ケア事業」ガイドラインにおける事業の目的(抜粋)

「産後ケア事業」は市区町村が実施し、分娩施設退院後から一定の期間、

病院、診療所、助産所、自治体が設置する場所 (保健センター等)又は対

象者の居宅において、助産師等の看護職が中心となり、母子に対して、母

親の身体的回復と心理的な安定を促進するとともに、母親自身がセルフケ

ア能力を育み、母子とその家族が、健やかな育児ができるよう支援するこ

とを目的とする。

具体的には、母親の身体的な回復のための支援、授乳の指導及び乳房の

ケア、母親の話を傾聴する等の心理的支援、新生児及び乳児の状況に応じ

た具体的な育児指導、家族等の身近な支援者との関係調整、地域で育児を

していく上で必要な社会的資源の紹介等を行う。

厚生労働省.産前・産後サポート事業ガイドライン 産後ケア事業ガイドライン.平成29年8月

「産前・産後サポート事業」ガイドラインにおける事業の目的(抜粋)

妊娠・出産、子育てに関する妊産婦、母親の悩み等に対して、母子保健推進員、愛育班員等の母子に係る地域の人的資源や、研修を受けた子育て経験者・シニア世代の者、保健師、助産師、保育士等の専門職等が不安や悩みを傾聴し、相談支援(寄り添い)を行う。ただし、本事業における「相談、支援」は、妊産婦及び妊産婦の育児を尊重するとともに、不安や生活上の困りごと等を軽減すること(家事支援は除く。)を目的としており、原則として専門的知識やケアを要する相談、支援は除く。

あわせて、地域の母親同士の仲間づくりを促し(交流支援)、妊産婦が家庭や地域における孤立感を軽減し(孤立感の解消)、安心して妊娠期を過ごし、育児に臨めるようサポートすることを目的とする。

厚生労働省.産前・産後サポート事業ガイドライン 産後ケア事業ガイドライン.平成29年8月

産後ケアの効果《自尊感情を高め親になることを支える》

29

自己実現欲求

承認・尊厳欲求

所属・愛情欲求

安全・安定性欲求

生理的欲求

マズローの欲求階層説

ゆっくり休めたゆっくり食事ができた

授乳がうまくいった育児技術を教えてもらった仲間ができた

受け入れてもらえた認めてもらえた

自尊感情↑子どもがかわいい

産後ケアの感想や効果

産後ケアを受けた女性のことば

(1)疲れていることに気づいた

助産師が「私を第一に」考えてケアしてくれたことで、初めて自分の疲れている状態に気づき、育児で張り詰めていた緊張も解け、休めた。

(2)寄り添ってもらえた

助産師が側に寄り添い、自分と児に合った方法で教えてくれた。優しく丁寧でうれしかった。

(3)時間をもらえた

自分自身と向き合う時間ができ、頭の整理をすることができた。

(4)つながりを持てた

自分を知っていてくれる場、何かあったら相談しようと思える場ができ、心の支えができた。

30

市川香織.産後早期に助産師の産後ケアを受けた女性のインタビューより

- 13 -

Page 14: 行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局 ...行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局母子保健課

産後ケアの類型

1.宿泊型(ショートステイ)

2.日帰り型(デイケア)

3.訪問型(アウトリーチ)

31

産後の女性の具体的なニーズ

・出産による身体的疲労感が強いため休みたい

・母乳で育てたいので授乳のケアを受けたい

・心理的にイライラしたり、つらくなっているので、話を聞いて欲しい(誰か大人と話したい)

・赤ちゃんのことも大事だけど、「わたし」も優しくされたい

32

産後ケアによってもたらされるもの

•女性の自律(安全→安心→承認→自律)

•親子関係の基盤(愛着形成)

•個から家族、そして地域へ(社会性の発達)

予防&

エンパワメント

関係者が連携して親子を支えていきましょう!!

- 14 -

Page 15: 行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局 ...行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局母子保健課

www.***.com

2

講義② 「産後の母子を地域で支える~助産院の立場から~」講師:髙室 典子

- 15 -

Page 16: 行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局 ...行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局母子保健課

28H29.9

28H29.9

H25 H26 H27 H28

2,089 3,014 3,900 4,825 1.24

1,687 1,855 2,420 3,027 1.25

402 1,159 1,480 1,798 1.21

73,802 88,931 103,286 122,578 1.19

H

2.2.

24

25

26

27

9

27

28

1

29 2

30 4 1

31 4 2

(

3500 / 1500 / 48000 / 3500 / 2 3 + 1

2

- 16 -

Page 17: 行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局 ...行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局母子保健課

H28H28

(

1

2

3

4

H28 (2)H28 (2)

0

1

2

3

4

10

- 17 -

Page 18: 行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局 ...行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局母子保健課

MaternalIdentity

Mercer,R)

)

57

2133.8±4.533.8±4.5

479479

24

86.0

- 18 -

Page 19: 行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局 ...行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局母子保健課

((

3

39

- 19 -

Page 20: 行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局 ...行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局母子保健課

5.5.

- 20 -

Page 21: 行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局 ...行政説明 「最近の母子保健の動向」 厚生労働省子ども家庭局母子保健課

事例紹介 「産後ケア実施施設と子育て世代包括支援センターの連携」発表自治体①:世田谷区

世田谷区立産後ケアセンター 永森久美子

2019年8月10日母子保健指導者養成研修会

「産後ケアセンターと子ども家庭支援センターの連携」

世田谷区の概要

• 面積:58.05k㎡

• 人口:908,907人(H31.1)

• 出生数:7,508人(H30)

• 若年出産: 9人 (H29)

• 高齢出産: 3,464人 (H29)

• 多胎:160人

• 第1子出生時の母親の年齢:33.1歳

• 祖父母の近・同居でない:65%

• 出生順別の割合:第1子56.2%、第2子35.2%、第3子7.3%、第4子0.85%都心に近い住宅地

目指すべき姿:「子どもがいきいきわくわく育つまち」

世田谷区子ども計画(第2期 平成27~36年度)

<重点政策> 妊娠期からの切れ目のない支

援・虐待予防

子育て家庭を支える基盤の整備と質の向上

子どもの生きる力の育み

<大項目> 子育て家庭への支援

保育・幼児教育の充実

支援が必要な子ども・家庭のサポート

質の高い学校教育の充実

子どもの成長と活動の支援

子どもが育つ環境整備

児童虐待の予防事業「児童虐待のないまち世田谷をめざして」

【三次予防】○学生ボランティア派遣事業○要保護児童支援に係る親支援事業(ペアレントトレーニング、グループカウンセリング)○養育困難家庭の自立への支援(ヘルパー訪問による家事育児援助と家事育児指導)○要支援家庭ショートステイ

【一次予防】○子育てステーション、おでかけひろば、ほっとステイ○児童館子育てひろば○乳児期家庭訪問事業○区立保育園の地域交流事業・子育て相談○ファミリー・サポート・センター事業○利用者支援事業○子育て利用券事業、妊娠期面接 等

【二次予防】○さんさんプラスサポート(産前・産後訪問支援事業)○食の支援○産後ケア事業○赤ちゃんショートステイ子どものショートステイ○せたがや子ども・子育てテレフォン○MCG(母と子の関係を考える会)○ひとり親家庭の自立への支援(ヘルパー訪問)等

産後ケア事業開始の経緯

【法的な整備】※全国初の事業(医療機関ではない)で根拠法令がなかったため、国や東京都に確認しながらの整備であった①事業のしくみ:児童福祉法に規定される

「子育て短期支援事業」に準じる事業②建築基準法:「児童福祉施設」に準じる施設③消防法 :「旅館、ホテル、宿泊所等」④旅館業法届出⑤飲食店営業届出⑥勤務する助産師全員の助産所開業届出

【施設づくり】①区有地の貸付②施設建設費補助を活用して事業者が建設

東京都「保健福祉基盤等包括補助」及び「世田谷区の補助金」

【社会保障審議会児童部会~児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会~第2次報告】から●児童虐待に関する相談の増加●乳児期初期に重症例が発生しやすい

【さんさんサポート事業】から専門家につなげる相談で多いもの●子どもへのかかわり方●離乳食 ●夜泣き●母親の体調不良や気分の不調●近くに知人がいない、相談する人がいない

【母親学級】から●里帰り予定者が多い●出産前の不安で多いもの・母親の体調不良・母乳育児がしたいができるだろうか・夫の帰宅が遅く協力が期待できない・産後の手伝いがいない・相談者がいない

★育児不安の段階で発見し、効果的なサービス導入をする

《背景》

★できるだけ早い時期からかかわる

★周産期からの相談

★不安が強い時期に集中的に支援する方法

【運営】①委託による運営②自主事業としての運営

世田谷区立産後ケアセンターの位置付け

•平成29年10月「世田谷区産後ケアセンター事業に関する条例」を制定。産後ケアセンターは、多くの母子を受入れ、乳児との生活への適応及び自己手当能力の向上の促進並びに地域における仲間づくり及び子育てに関する情報の提供等を行い、都市型の実家機能を補ってきた。こうして積み上げてきた実績を受け継ぎ、区立の産後ケアセンターとして着実に事業を運営するため、この条例を定める。 ー条例前文抜粋ー

•平成30年4月1日より、産後ケア事業ガイドラインの「区市町村独自基準型」に基づく区立産後ケアセンターの運営を開始。

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産後ケア事業の概要(二次予防の特徴的事業)

<目的>

産後の心身ともに不安定な時期に、母子ショートステイ(7日まで)や母子デイケア(7日まで)を実施し、育児不安の解消や児童虐待の予防を目指す

<対象>

産後4ヶ月未満の母子で、親族等から十分なケアを受けられず、育児不安や体調不良等があるもの

<内容>

助産師(24時間常駐)による母子の身体ケアや育児相談、育児技術の伝達、臨床心理士によるカウンセリング(週2日・予約制)などを実施

(世田谷区産後ケア事業マニュアルより)

対象者•産後4カ月未満の母子、未就学の上の子•4カ月に家族、親族等から十分な産後の援助を得られない者家族の手伝いがない(夫は仕事で帰宅が遅いなど)母親の孤立または、孤立危惧要因(家族不破、家族の疾病など)世田谷区に実家があり、実家に里帰り中の場合は該当しない

•精神的に不安定、体調不良、育児不安等、安定的な養育が困難な者産前から精神的・知的・発達などの問題・障害・依存・家族問題あり産後にうつ状態などがあり養育困難が危惧、子育てに支障があり貧血、長期安静による筋力低下、不眠、極度の疲労、乳房トラブルなど上記のことが原因で子育てに支障が出ている場合

•母・子・きょうだいともに医療行為の必要性がない者入院および医療処置が必要でないこと服薬の自己管理ができること (世田谷区産後ケア事業マニュアルより)

育児不安とは•夜泣き、授乳の問題、体重増加不良などに問題があり上手く対応できない

•乳児の泣きへの対応や世話が上手くできない•育児と生活のバランスが取れない•授乳方法や育児方法がわからない•母親が思う通りに育児ができないなど母親に問題があり、1-2回の相談や訪問でその不安が解消できない場合

•育児不安が原因で育児に支障が出てくる場合•上の子をひどく叱るなど、母親自身が養育困難を感じている

(世田谷区産後ケア事業マニュアルより)

産後ケア事業の目的•分娩施設退院とから一定の期間、病院、診療所、助産所、自治体が設置する場所(保健センター等)又は、対象者の居宅にお手、助産師等の看護職者が中心となり、母子に対して母親の身体的回復と心理的な安定を促進するとともに、母親自身がセルフケア能力を育み、母子とその家族が健やかな育児ができるよう支援すること。→母親の身体的な回復→授乳支援・乳房ケア→心理的支援→具体的な育児指導、→家族・支援者との関係調整→社会資源の紹介

「産前・産後サポート事業ガイドライン 産後ケア事業ガイドライン」(2017)より

子育てする人を取り巻く状況の変化

核家族化

出産年齢↑

産科医療の変化

生殖医療技術↑

体験の不足、孤立した育児

体力の低下、医療介入

出産年齢↑、多胎

無痛分娩・帝王切開増加、合併症

世田谷区における児童虐待相談件数の推移

593634

737

634

714721 713772

843786

1,200

1,250

1,300

1,350

1,400

1,450

1,500

1,550

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度新規相談 年初継続相談

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主たる虐待者の推移

185

246

279

215 222

7 12 12 8 9

288

351

405

366

428

2 2 41 4

111

2337

44 51

0

100

200

300

400

500

600

700

800

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度

実父 実父以外の父

実母 実母以外の母

その他(両親、不明含) 総 数

健康づくり課

各総合支所(5か所)

子育て支援、子ども支援母子福祉に関する

相談窓口

健康相談育児相談

保健サービス

子ども家庭総合相談・ケースマネジメント

一義的虐待通告窓口

子ども家庭支援センター

センター担当

世田谷区の相談窓口

子ども家庭支援

世田谷児童相談所連携

保健所子ども家庭課産後ケアセンター

子育て支援担当要保護児童支援担当切れ目のない支援担当

利用の流れ

子ども家庭課

産後ケアセンター

子ども家庭課

ハイリスク・要支援妊婦のスクリーニング

妊娠期面接

登録申請

利用報告書記載

ハイリスク・要支援妊婦は利用前後に情報交換、必要時は利用中に保健師の面談の調整、ハイリスクケースは電話でも報告

子ども家庭課よりハイリスク・要支援妊婦の情報、入所中のケアの確認

2018年度は174組(19.9%)

利用料金

ショートステイ デイケア

1泊2日:9,000円その後1日ごとに4,500円増

1日:3,000円

きょうだい利用:1泊2日3,400円 1日:1,000円

多胎利用:2人目以降1日500円加算

多胎利用:2人目以降:250円加算

※住民税非課税世帯・生活保護世帯・均等割りのみ課税世帯は減免あり

センター利用の目的

• 不安:「きちんと育児できているかどうか不安」「上の子がいるので、二人の育児ができるか不安」「ワンオペなので、一人でできるか不安」「一人目のときに上手くいかなかった」

• 疲労: 「お産のときの傷が痛くて育児が困難」「泣くとどうしてよいかわからない」「サポートがないので、早く回復したい」

• 授乳: 「完全母乳にしたいが、母乳が出ない」「母乳(ミルク)が足りているかどうか不安」「上手く母乳が吸えない」

戸惑い 不安 怒り 焦り

利用者の背景特徴

•分娩後の心身の疲労高齢化、分娩医療の変化(無痛分娩、帝王切開の増加)入院期間の短縮化

•ハイリスク・特定妊婦家族背景の複雑化(DV、実母との関係、第1子の育児)精神疾患合併(母だけでなく家族も)

•育児疲労育児経験未、育児環境の孤立化、マニュアル世代、成果主義、完璧主義、睡眠不足

複雑さ↑

繊細さ↑

柔軟さ↓

許容範囲↓

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マズローの欲求5段階

排泄・食事・休息

環境(安心)

環境(孤独感)

受け入れられる

自分らしい育児の確立

信頼関係を築くために求められること

複雑さ↑

繊細さ↑

柔軟さ↓

許容範囲↓

寛容尊重 支持的受容

戸惑い 不安 怒り 焦り

虐待の要因

母の

要因

子どもの

要因

家族の要因

社会の要因

母親の要因を探る

• 既往歴(精神科・心療内科の受診歴)• 不妊治療の有無• 授乳の状況、思い• 妊娠を知った時の思い• お産の体験(前回のお産も)• 身体の回復状況• 子どもに対する思い・対応(上の子も)

子どもの要因を探る

• 授乳のリズム• 児の健康状態• 泣き方• NICU等の入院・母子分離の有無

家族の要因を探る

• 成育歴(特に実母との関係)• 家族の背景(家族の介護、看病)• 夫・パートナーとの関係(DV、夫へのイライラ)• 夫・パートナーの家事・育児支援の状況• 育児支援・相談相手の有無

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複雑化する家族への支援

• チームでの支援:助産師、保育士、臨床心理士、事務

それぞれの場面での情報共有とケア方針の統一

再利用時のケアの継続性(問題の継続)

• 地域とのつながり

保健師、ケースワーカー、出産施設

デイケア施設との情報共有

施設概要

3階 居室8室、デイルームカウンセリングルーム

2階 居室7室スタッフルーム授乳室、休憩室

1階 受付、事務室、ロッカー食堂・厨房、多目的室

母乳相談室、ケアルーム

事業内容•ショートステイ最大7日間、分割利用あり

•デイケア最大7日間

•母乳相談(外来)週5日間開催

•ボディケアアロママッサージ、鍼灸治療

•マタニティ講座

構成スタッフ

助産師–常勤 5人 非常勤 26人–二交代制(日勤 6-5人、夜勤3人) 保育士 5人

– 早番– 遅番

臨床心理士 1人週2回、5枠

事務 5人

ケア内容(2018年度)

•休息:1562件(99.1%)•乳房ケア:703件(44.6%)•授乳方法・授乳量の相談:685件(43.5%)•育児相談:657件(41.7%)•泣きの対応:531件(33.7%)•育児練習:469件(29.8%)•保育士による手遊び教室:1214組(1日平均3.4組)•夜間の児の預かり:一晩平均9.1人の宿泊に対して5.9人•カウンセリング:274人(346件)

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利用者の特徴 初経別

初産

67%

経産

33%

N=836

~24歳1%

25~29歳8%

30~34歳28%

35~39歳41%

40~44歳21%

45歳~

1%

利用者の特徴 年齢構成(初回利用時)

N=836

利用開始時期

1週以内

21%

1~2週20%

2~3週13%

3週~1ヶ月

7%

2ヶ月以内

19%

3ヶ月以内

11%

4ヶ月未満

9%

N=836

ショートステイ利用内訳

1泊24%

2泊20%

3泊14%

4泊10%

5泊4%

6泊28%

N=943

ケア向上と切れ目のない支援のための方策

• 連携の強化

世田谷区、出産施設、地域の助産師、育児支援施設など

• ケアの評価が見えるシステム

• 助産師のスキルアップ

• 助産師のセルフケア

• 地域に開かれた産後ケアセンター

自主事業の拡大

(妊娠期からの利用と産後4か月以降の利用)

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事例紹介 「松戸市における産後ケア実施施設と 子育て世代包括支援センターの連携」

発表自治体②:松戸市

松戸市における産後ケア実施施設と子育て世代包括支援センターの連携

令和元年8月10日(土)松戸市役所 子ども部子ども家庭相談課 母子保健担当室

妊娠・出産から子育て期の支援の流れ

平成26年度平成26年12月27日「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を受け

∗庁内関係部署の管理職会議で検討開始

合意事項∗ 従来、母子保健事業を実施してきた市内3か所の保健福祉センターに「(仮称)子育て世代包括支援センター」を設置すること

∗ 妊娠期から子育て期にわたるまでの総合相談支援をワンストップで実施すること

子育て世代包括支援センター(親子すこやかセンター)の設置経過・準備

子ども部子ども家庭相談課母子保健担当室

実施体制

保健師 社会福祉士 助産師親子すこやかセンター中央 1 1 2親子すこやかセンター小金 1 1 1親子すこやかセンター常盤平 1 1 1

令和元年7月末現在

∗ 「松戸市こども総合計画」∗ 妊娠・出産・子育てまでの切れ目のない支援体制の充実

∗ 市民アンケート調査(H26):出産後の育児の不安がある 46.2%産後の援助がない 14.5%

∗ 母子保健の現状:平成28年度の妊娠届出者の28.1%が35歳以上

本市における産後ケア導入の背景

【宿泊型】∗ 平成28年1月 市内医療機関にて開始∗ 平成31年7月現在 市内1か所、市外2か所で実施

【日帰り型】∗ 平成29年2月 宿泊型を実施している市内医療機関にて開始∗ 平成31年7月現在 市内1か所 市外2か所で実施

【訪問型】∗ 平成28年10月 県助産師会と契約し開始し現在も継続

産後ケアの実施の経過

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支援プラン(親子すこやかプラン)

8

支援プラン(親子すこやかプランⅡ)

9

∗ 目的∗ 家族などから産後の援助が受けられない者で、育児支援を特に必要とする母子を対象に、心身の安定と育児不安を解消し、児童虐待の未然防止を目的として、産後のケアを行う

∗ 対象者∗ 松戸市に住民票のある方∗ お母さんの体調不良や育児不安のある方∗ ご家族などからの援助が受けられない方

∗ 内容(1)褥婦及び産後の母体管理及び生活面の指導(2)乳房管理(3)育児指導(4)発育・発達の観察のポイントの助言(5)家庭での子育てや生活の仕方に関する相談及び指導と情報提供(6)その他、必要な保健指導

産後ケアの内容

型 課税世帯 非課税世帯 生活保護世帯

宿泊型個室の場合3,000円多床室の場合2,250円(多胎の場合一人につき400円追加)

個室の場合1,500円多床室の場合1,125円(多胎の場合一人につき200円追加)

無料

日帰り型 2,000円(多胎の場合一人につき200円追加)

1,000円(多胎の場合一人につき100円追加) 無料

訪問型 1,000円(多胎の場合一人につき200円追加)

500円(多胎の場合一人につき100円追加) 無料

利用料金・日数

・利用可能日数:宿泊型・日帰り型・訪問型をあわせて7日以内松戸市HPより抜粋

∗ 事業担当者∗ 庶務担当:契約・要綱改正・委託料の支払い等∗ 事業担当保健師:事業利用者(対象者)の進行管理,委託先との利用調整や依頼∗ 事業担当助産師:訪問による調査(利用前後)

ケアプラン作成および利用者への説明

∗ 地区担当保健師(親子すこやかセンター保健師含む)∗ 対象者への事業の紹介∗ 必要時、事業担当者への事前のケース連絡∗ 利用後の対象者へのフォロー

∗ 連携∗ 地区担当者から産後ケア実施施設への申し送り事項や妊娠中の支援の把握∗ ケアプランについての意見交換∗ 利用結果や課題の伝達

事業担当者と地区担当保健師との連携

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産後ケア実施施設と親子すこやかセンターとの連携

産後ケア施設

親子すこやか・地区担当事業担当

対象者連絡利用調整

情報共有

利用状況の報告利用後の支援調整

連絡調整

対象者へケアの提供

事業利用前後の対象者支援

∗ 妊(産)婦の情報∗ 家族構成∗ 妊婦の状態∗ 出産準備状況∗ 家族の状況∗ 申請理由∗ 支援経過(必要に応じて記載:抜粋)

∗ 妊婦個別支援対象かどうか∗ 治療中の病気があるときの主治医の許可の有無∗ 経済状況

調査票の内容

∗ 平成30年度実施状況∗ 申請者数:78人∗ 中止者数:17人∗ 却下者数:1人∗ 利用者数:63人

∗ 年度別実施状況

産後ケア実績

平成28年度 平成29年度 平成30年度宿泊型 26 43 43日帰り型 0 0 2訪問型 8 10 18

単位:人

平成30年度は宿泊・訪問併用:2人日帰り・訪問併用:1人

市の助産師・保健師から紹介され、利用につながる方が

約60%∗ 利用を勧めた方の例∗ 切迫早産で長期入院により、体力が低下していた∗ 授乳に関するトラブルがきっかけで不安が高まった∗ もともと心配性という性格∗ 精神疾患の既往

∗ 産後ケアの内容でよかったこと(利用後アンケートより)∗ 授乳の不安が解消された∗ 体調が回復した∗ 育児方法が身についた

産後ケア利用の効果

∗ 継続性をもった対象者支援

∗ 対象者がスムーズに利用できるよう手続きの簡素化

∗ より一層の産後ケア施設と親子すこやかセンターとの連携

今後にむけて意識していきたいこと

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【MEMO】

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ディスカッション 「産後ケア事業実施施設と自治体の連携を考える」

ファシリテーター:市川 香織

■ディスカッションの視点 ・産後ケア事業の実際は? 開始までの準備、開始後良かった点、困っている点、今後の課題など ・自治体として望む産後ケア事業と実施施設の実際 ・自治体と実施施設間の情報共有や情報提供をどのように行っていくか

情報提供のタイミングや方法、どのような内容を共有するとやりやすいか 継続事例のその後の経過などフィードバックをどのように行うか

・産後ケア事業を効果的に実施するには? ■ディスカッションの方法 ・自己紹介 ・司会進行、発表係を決める ・お互いの発言を妨げない、全員発言の機会が持てるように ■全体共有 最後に会場全体でディスカッションの内容をシェアしましょう。

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【MEMO】

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【MEMO】

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【MEMO】

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