東松山市観光振興基本計画 - higashimatsuyama · 3.基礎調査による現状分析...

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平成27年2月 埼玉県東松山市 東松山市観光振興基本計画 観光交流と諸産業との連携による活性化

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平成27年2月

埼玉県東松山市

東松山市観光振興基本計画観光交流と諸産業との連携による活性化

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第1章 観光振興基本計画について ・・・・・・・1

1.観光振興基本計画とは ・・・・・・22.計画の目的 ・・・・・・23.計画の期間 ・・・・・・24.計画の必要性 ・・・・・・35.計画の位置づけ ・・・・・・4第2章 本市の現状分析 ・・・・・・・51.現状分析 ・・・・・・62.観光交流の潮流 ・・・・・・103.基礎調査による現状分析 ・・・・・・12第3章 観光の現状と課題 ・・・・・・・191.調査結果からみる本市の観光に関する現状と課題 ・・202.本市の観光に関する分析―SWOT分析 ・・・・・・213.本市の観光に関する分析―まとめ ・・・・・・224.課題の整理 ・・・・・・235.取り組むべき3つの課題 ・・・・・・24第4章 観光戦略の設定 ・・・・・・・251.本市の観光交流の基本理念・将来像 ・・・・・・262.戦略策定にあたり ・・・・・・273.計画の全体構成 ・・・・・・294.基本方針 ・・・・・・305.基本施策 ・・・・・・306.計画の目標 ・・・・・・317.リーディングプロジェクトの推進 ・・・・・・31第5章 基本施策の展開 ・・・・・・・331.具体的取組 ・・・・・・34基本施策1 観光資源の明確化 ・・・・・・34基本施策2 観光インフラの整備と意識改革・・・・・・35基本施策3 観光情報発信能力の向上 ・・・・・・36基本施策4 推進体制の充実・育成 ・・・・・・372.計画の進行管理 ・・・・・・38付章 参考資料等 ・・・・・・・391.計画策定までの経緯 ・・・・・・402.計画策定の手順 ・・・・・・413.市民ワークショップ・庁内ワーキンググループからの施策提言

・・・・・・424.市民ワークショップ・庁内ワーキンググループ名簿

・・・・・・43

目 次

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■はじめに

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第1章 観光振興基本計画について

計画策定の背景やその必要性について記述します。

第2章 本市の現状分析

本市の現状と観光振興を取り巻く情勢及び基礎調査の結果について記述します。

第3章 観光の現状と課題

基礎調査の結果や市民ワークショップメンバー等からの意見をふまえ、本市におけ

る観光振興の現状と課題を記述します。

第4章 観光戦略の設定

観光振興する上で必要な戦略や考え方について整理します。

第5章 基本施策の展開

本計画のアクションプランを記載します。

付 章 参考資料等

この章では本計画の策定過程、計画策定にご協力いただいた市民ワークショップ

メンバー名簿及び提言等について記載します。

第1章 観光振興基本計画について

計画策定の背景やその必要性について記述します。

第2章 本市の現状分析

本市の現状と観光振興を取り巻く情勢及び基礎調査の結果について記述します。

第3章 観光の現状と課題

基礎調査の結果や市民ワークショップメンバー等からの意見をふまえ、本市におけ

る観光振興の現状と課題を記述します。

第4章 観光戦略の設定

観光振興する上で必要な戦略や考え方について整理します。

第5章 基本施策の展開

本計画のアクションプランを記載します。

付 章 参考資料等

この章では本計画の策定過程、計画策定にご協力いただいた市民ワークショップ

メンバー名簿及び提言等について記載します。

■本書の構成について

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第1章 観光振興基本計画について

1

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本計画は、平成27年度を初年度とする平成31年度までの5カ年計画とします。

近年、地域の成長戦略の一つとして観光交流力の強化が注目されています。特に人口減少が危惧される地域では、地域経済を支えてきた定住人口の減少を交流人口によって補うことを目的として、日帰り、宿泊、外国人旅行者まで、あらゆる階層の交流人口の獲得を模索しています。観光立国推進基本法の施行や観光庁の設置等により、日本における外国人観光客数は平成26年には過去最高の1,300万人を超え、東京オリンピックを控え、より一層、増加するものと想定されます。こうした中、各自治体においても地域経済活性化に寄与する観光交流力強化のため観光振興基本計画等を策定し、地域経済の持続的発展や雇用機会の拡大に向けた取組を進めています。また、この動きに呼応するように、旧来から観光地と呼ばれる伝統的な観光資源を有する自治体でも、従来に増して来訪者の増加を目指し、プロモーションの強化に余念がありません。この人口減少社会がもたらした観光客の争奪戦は今後さらに激化していくことが予想されます。本市においては、毎年約10万人もの内外の交流客を集める「日本スリーデーマーチ」に始まり、市の花「ぼたん」や「やきとり」など、多くの観光交流資源がありますが、これまでこうした資源を体系的にとらえ、地域活性化を目指す計画を策定していませんでした。しかし、こうした環境の変化を受け、魅力ある地域づくりを進めていくためには、今後、観光振興の基本戦略が欠かせないものと考えます。

1.観光振興基本計画とは

2.計画の目的

本格的な人口減少社会の到来が予想されるなか、東京を除く地域では地域経済の疲弊が

顕著となり活力が失われつつあります。国内産業の空洞化は本市においても例外ではなく、これまで、その

恩恵を受けていた飲食業、商業などにも大きなダメージを受け、中心市街地の活力は乏しくなっています。

本市は、自然あふれる平地とそこを流れる豊かな河川の恵みにより、古くから人々の営みがつながれてき

た場所であり、一般に自然災害等も少ない地域と言われ、いわば暮らしやすい場所として地域の歴史を刻

んできました。

また、都心へ1時間という立地の良さからベッドタウンとして高度成長期以降、急速な人口流入を伴う都市

化の波をもたらし、新しく移り住んできた市民層を誕生させ市民意識も多様化しています。

本市を取り巻く環境の変化等により、潜在的資源を連携させて活力あるまちづくりを推進する必要性が増

しています。社会の潤滑材的な機能をもつ観光交流には、それらをつなぐ力があります。本市の観光交流

力を強化し、行政はもちろん、市民一人ひとりもその主役となってこの新たな道をひらいていくことが求めら

れています。

こうしたことから、交流人口による地域経済の活性化を図り、「活力ある魅力的なまちづくり」を推進するた

め、観光振興施策の指針となる本計画を策定します。

3.計画の期間

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(3)既存資源の再活用1980年代後半から90年代にかけて全国で広がったテーマパークの建設ラッシュは、その多くが今やみる影もありません。いわゆるハコモノ観光の限界がその背景にありました。地域独自の歴史や文化、産業、生活に裏打ちされた既存資源こそ、地域固有の大切な観光資源になりうるということが、近年のニューツーリズムの台頭によって再認識されはじめています。本市においても、そうした視点から、改めて既存資源を再評価し、市場のニーズと最適化しながら、次世代にも愛される地域の宝として育んでいく必要があります。「ぼたん」「やきとり」「日本スリーデーマーチ」など、地域が育んできた核となる観光資源をはじめ、あらゆる地域資源の可能性を模索することが重要です。本計画の策定を通じて、観光交流の資源として再活用できるものは何かという振り返りの機会を多くのステークホルダーにもたらします。それは、次の世代へのメッセージであり、地域に生きる人々の大切な仕事の一つであると考えます。

4.計画の必要性

(2)中心市街地の活性化と商業連携

本市に限らず多くの都市で中心市街地の空洞化が課題になっています。モータリゼーションの波は郊外型の大型商業施設の出店を促し市場が追随することで、中心部が空洞化し、必然的にシャッター商店街などの問題につながっていることは周知の事実です。近年は、空き店舗対策として本市においても100円商店街や街ゼミなど様々な地域活性化対策が行われていますが、この大きな潮流は止まることはないものと想定されます。一方、観光交流の最先端では、これまでの物見遊山型から、まち歩きや名物の食べ歩き等、まちの細部に隠れた地域資源への関心が高まってきています。公共交通機関や道の駅を核として、そこから始まる小さな旅の時間に多くの観光交流客が満足を求めています。

本計画が目指す観光交流の成果として期待されるのは、観光交流客の中心市街地への誘引効果です。市内の潜在的資源を再評価、再編成し回遊を促進するとともに、特に地域の商業との接点を増大させ、観光と商業の融合した新たな活性化を図ることによる観光まちづくりを目指すことが重要です。

3

※ステークホルダー:企業・行政・NPO等の利害と行動に直接・間接的な利害関係を有する者※ニューツーリズム:従来の物見遊山的な観光旅行に対して、これまで観光資源としては気付かれていなかったような地域固有の資源を新たに活用し、体験型・交流型の要素を取り入れた旅行の形態

(1)点在する観光交流資源本市の主な観光資源は、歴史、自然、食など多岐に渡っていますが、その多くは市内広域に広がるように点在しています。周辺地域へのアクセスとして、二次交通の路線バス網と市内循環バスが、それらを結ぶ役割を果たしてはいますが、このルートからはずれている観光資源もあり、二次交通そのものの目的も市内の生活者へ向けたものとしての色合いが強くなっています。また、循環バスについては、平日のみの運行ということもあり、週末の観光交流客へ向けた市内ネットワークは、タクシー等の交通機関に限られます。結果的に、観光資源の多くは、より孤立化する環境となり、交流客がマイカー等で目的地のみを訪問することを促し、回遊性や滞在時間の点でも観光資源の点在化は本市の観光交流の活性化を妨げる大きな要因となっています。本計画が目指す観光交流力の強化は、これらの既存資源を「点」から「線」へ、さらには「面」へと連携、ネットワーク化を図ることです。これにより潜在資源の多様性を発揮し、内外に本市の新しいイメージを創造していくことが可能となります。

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中心市街地活性化基本計画

東松山ビジョン第四次東松山市基本構想

(H18-H27)

東松山ビジョン第四次東松山市基本構想

(H18-H27)

次期計画(H28-)

観光振興基本計画

本計画は、第4次東松山市基本構想や東松山市中心市街地活性化基本計画はもとより、平成28年度に策定予定である、第5次東松山市基本構想とも整合を図り策定するものとします。

(4)市民参加の重要性地域や活性化という言葉には具体的なカタチはありません。その場に留まっているものでもありません。常に動き、変化するものであり、その中心を支えているのは市民であり、本市のあるべき姿を考えるのは、いつもそこに暮らす市民の皆さんです。観光は、その土地の光を観るという故事にあるように、地域の人々が、その土地を大切にし、愛しているからこそ、外の人々は引き寄せられるといわれています。本市の観光交流については、机上のプランに終わらせることなく、官民一体となった新たな行動として根づかせていくことが重要です。本計画による本市の観光交流の活性化は、いわばそこに関わる一人ひとりが活性化することと同義語ともいえます。

(5)広域観光の推進観光はシェアする時代に入りました。交流客は情報や感動をシェアし、地域や施設はお客さまを独占するのではなく、できるだけシェアをして、再訪の機会を増やすことが求められています。比企地域に関していえば、古くから文化、生活面でのつながりも強く、旧来からシェアの関係にあった地域といえます。今後、観光交流においても、本市の魅力を周辺地域と連携することでより鮮やかに魅せていくことが、相互に有益であり、交流客の更なる理解を得るためにも、広域観光という視点を重視することが必要です。また、本市は広域観光を推進するため、平成25年度に豊島区、川越市、寄居町及び(株)東武鉄道と東武東上線沿線サミットを組織しました。こうした連携の強化も今後、重要性を増すものと考えます。

5.計画の位置づけ

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第2章 本市の現状分析

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東松山市

(1)本市を取り巻く環境

①本市の位置本市は、みどり豊かな丘陵地と平野部の間を大小の河川が流れ、変化に富んだ地形条件の中で、豊かな自然が育まれるとともに、環境と調和を図りながら市街地が形成されてきました。本市の面積は65.35㎢で、埼玉県のほぼ中央に位置し、熊谷市、滑川町、吉見町、嵐山町、坂戸市、川島町、鳩山町にそれぞれ隣接していて、比企地域の中心的都市として位置づけられています。

②人口及び世帯数の推移人口減少社会が予想されるなか、本市における過去20年間の人口は、ほぼ横ばいで推移しています。この間、世帯数では約8,000世帯増加しており、新たな生活を始める人々が増えているものと想定されます。

1.現状分析

6

42,214

55,719

67,982

89,202 91,252 89,319

9,617

15,075

19,480

28,438

33,19536,355

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

90,000

100,000

昭和40年 昭和50年 昭和60年 平成5年 平成15年 平成25年

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

50,000

人口 世帯数

(人) (世帯)

(表)本市の人口・世帯数の推移

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③東松山駅、高坂駅の乗降客数の推移本市の大きな公共交通機関の玄関口である、東松山駅と高坂駅の1日平均乗降客数は、学生の減少等により年々減少傾向にありますが、1日に延べ約6万人の方が利用しています。

7

31,08930,527

30,18029,816 29,684

30,401

28,40827,661 28,057

26,700 27,148 26,947

24,000

25,000

26,000

27,000

28,000

29,000

30,000

31,000

32,000

平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年

東松山駅 高坂駅(表) 東松山駅・高坂駅の1日平均乗降客数の推移

■電車を利用する場合

東武東上線池袋駅から

高坂駅まで50分(急行を利用)

東松山駅まで55分(急行を利用)

■車を利用する場合

関越道練馬ICから東松山ICまで

約30分

中央道から東松山ICまで約40分

東名道から東松山ICまで約1時間

④本市への交通網

本市へのアクセスは、公共交通機関では東武東上線の駅が2つあり、都心から約1時間、TJライナーの利用で最短45分と非常に便利な場所に位置しています。また、高速道路網は、関越自動車道東松山ICが市の中央部に位置し、練馬ICから約40kmで結ばれ、本市の観光の大きな窓口となっています。また、高坂SAでは観光案内の機能が期待されます。さらに、圏央道の整備により中央及び東名自動車道とも接続され自動車によるアクセス性も非常に高まりました。

東松山IC

圏央道

(人)

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(2)本市の観光に関する現状

②周辺地域の観光入込客数(平成22年)

平成22年における埼玉県の調査による本市周辺を訪れる観光客数は約1,600万人にも及びます。こうした方々が本市に訪れてもらえるような仕組みづくりが重要となるものと考えます。

秩父市390万人

川越市610万人

比企地域計680万人

東松山市211万人

①本市の観光入込客数の推移本市には、箭弓稲荷神社、こども動物自然公園やゴルフ場等、県内有数の観光スポットがあることから、多くの観光客が訪れています。また、周辺には秩父や川越といった観光地もあり周辺地域を含めると年間約1,900万人が訪れています。

1,928,6002,059,800 2,108,200 2,149,700

1,922,400

2,295,600

0

500,000

1,000,000

1,500,000

2,000,000

2,500,000

平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年

(表) 本市の観光入込客数の推移

(人)

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○観光施設

③主要施設等における年間観光入込客数(平成25年実績)

施設名 観光客数

こども動物自然公園 727,000人

箭弓稲荷神社 583,000人

ゴルフ場(5施設計) 260,000人

東松山ぼたん園 (有料期間中) 25,000人

イベント名 観光客数

日本スリーデーマーチ 102,000人

ひがしまつやま花火大会 80,000人

東松山夏まつり (天王さま) 40,000人

東松山夢灯路 20,000人

○主要なイベント

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(2)地方創生の気運成長分野への人・もの・予算の投資は、成熟期を迎えている我が国においては、新たな成長の方向を見定める上で重要な施策となっています。アベノミクス効果による一定の経済変動を背景に、伸びる分野は伸ばすという気運が高まってきています。特に、地方創生を合言葉に地方の自立や成長を促す施策は、国全体の成長を促すものとして、地方都市にはまたとない好機といえます。1970年代から地域主義の号令のもとに叫ばれた、地方の時代の「ハード型創生」ではなく、観光交流などのしなやかなコネクターが機能する「ソフト型創生」にも関心が高まっている傾向にあります。本市の位置する首都圏は、ややもすると東京と同義語のように位置づけられ、地方と比較しても様々な面で、東京の活力の恩恵を受けているのは否めません。しかし、都市の生き残りをかけて、地方都市同様の強い危機感を醸成し、この地方創生の「気運」を本市成長の「機運」としていくことが求められています。

2.観光交流の潮流

(調査:㈱ブランド総合研究所)

10

順位 前年度順位 市町村名 魅力度

1 2 函館市 51.3

2 3 札幌市 49.1

3 1 京都市 48.0

4 6 小樽市 45.2

5 4 横浜市 43.4

6 8 富良野市 42.0

7 8 神戸市 40.9

8 7 鎌倉市 37.0

9 9 金沢市 36.5

10 13 屋久島町 34.7

○平成26年度地域ブランド調査における魅力的なまちランキング

(1)地域ブランドという考え方(株)ブランド総合研究所が、全国3万人を対象に調査する地域ブランド調査における全国

1,000市町村の中で本市の名前は、上位1割にはありません。その評価の中身については様々な議論が多いようですが、多くの自治体で一つの指標として認知され始めています。社会の成長期にはあまり意識されてこなかった都市(地域)間の差異は、かつては大きく都市と地方という整理のなかで議論されてきましたが、東京への一極集中傾向が強まり、地方都市間のそのコップの中の位置に耳目が集まってきている背景もあります。地域間は、それぞれの個性を尊重することが、本来何よりも重要なはずですが、都市間の競争が激化するなかで、この傾向に歯止めをかけるのは難しい状況でもあります。特にこの地域ブランドという考え方については、移住、定住戦略はもちろん、観光交流の面においても魅力度を示すひとつの指標として、観光交流戦略上、必要な地域のブランド力をどのように構築するかという点から注目せざるを得ないものとなってきています。

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(3)東京オリンピックと国際化東京オリンピック開催決定は、日本中が注目した瞬間でした。2020年(平成32年)という手の届きそうな時間的距離感は、各地がこれまで意識こそせよ、取り組むことに二の足を踏んでいた多くの施策を現実的なスケジュールにのせることになりました。前回、昭和39年の東京オリンピック開催時には、東海道新幹線の開業や首都高速の整備などをきっかけにして、全国各地に高速化の波を起しました。それに対して、次回の東京オリンピックは、全国に国際化の潮流をつくっていくことが予想されます。地域の国際化については、これまでも様々な場面で意識され、姉妹都市交流や海外への留学生派遣など、具体的な施策なども展開されてきました。しかし、観光立国として現実的に海外から交流客を呼び込むというミッションのもとに国際化が議論されるのは初めてのケースです。地域の資源を見直し、どのようにして国際品質に耐えうる資源に成長させていくかを考えるまたとない好機といえます。

11

(4)これからの観光振興デジタル情報の時代が中心になり久しい感がありますが、これまでの送り手・受け手に分断されていた情報流通は、すでに過去のものとなり、あらゆる情報の流れが交錯する時代に入りました。特にソーシャル・ネットワーク・システム(SNS)と呼ばれる新たなメディアの登場により情報は、双方向の時代のさらにその先へ入ろうとしています。特に従来から土産話などの口コミと強い相関性を持つ観光交流情報においては、これらの動きと相まってよりデジタル情報との親和性が高くなっています。本市は、この潮流のなかでいかに情報を発信していくのか、これもまた観光交流と連動する大きなテーマの一つといえます。また、近年、東京から30~50km圏の関東各地の自治体の動きが活発になってきています。これまでは、どちらかといえば観光交流に関心が薄いとされていた地域が新たな観光エリアとして、既存観光地との競合関係に入ってきています。

(5)注目すべき整備等首都圏の観光交流を左右するいくつかの計画があります。まず、首都圏3環状道路の整備です。これにより集客商圏は関東全域に拡大することになり、これまで関越道、東北道などの放射線上を中心として展開してきた各観光資源は、圧倒的なマーケットボリュームを引き寄せることが可能になります。次に首都圏を南北に結ぶJRラインの強化です。東北縦貫線の開通により南北の人の動きがより太くなります。また、平成26年に群馬県の富岡製糸場が世界遺産登録されたことは記憶に新しいところです。これで関東には、小笠原を含む3つの世界遺産が登録されたことになります。地図を俯瞰すると本市がこられの世界遺産に取り囲まれる位置にあることがわかります。この目線の広がりや流れをどのように本市の観光交流と位置づけていくかも、グローバル観光を考える上では貴重なエポックといえます。さらに、同年、比企地域の小川町と東秩父村に所縁の深い細川紙が、「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」として、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産登録されました。これにより近隣自治体も含め、地域全体への認知や関心、回遊性の向上など、期待も高まってくることが予想されます。

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0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

いた

ヶ島

がわ

居住地

80%

2%

9%

5%

2% 2%

埼玉県

東京都

群馬県

千葉県

神奈川県

その他

(1)本市を訪れる方の居住地について本市を訪れた方の居住地に関する調査結果です。80%が埼玉県内で、主に近隣の川越市や坂戸市からの来訪者が多いことがわかります。近隣以外の地域ならびに県外からの誘客には、今後、多くの取組が必要であるものと考えます。

(表1)

(表2)○居住地の詳細分類

3.基礎調査による現状分析

本計画を策定するにあたり、平成25年12月から翌1月まで基礎調査を実施しました。本市を訪れる方々や市内観光施設及び市民を対象に実施した調査結果をもとに観光に関する現状を分析しました。

12

(人)

○来訪者の居住地

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0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

3時間未満

3~

6時間未満

6~

12時間未満

12~

24時間未満

24時間以上

Q7 利用交通手段

20%

75%

3%

2% 0%

電車 車 バス 自転車 その他

本市を訪れた方のほとんどが短時間滞在で、目的をもって来訪される傾向が強いものと想定されます。今後は、回遊性の広がり等による滞在時間の増加が市内における飲食や宿泊へとつながることから、観光消費額の増加を目指した対策が必要となります。

本市への来訪手段については、4人に3人の方が車利用であることがわかります。車利用者の特徴は、その機動力の高さです。回遊性を刺激することで、市内の隅々まで訪問する可能性があります。しかし、その一方で、コンテンツの魅力によっては、流出もしやすいという傾向もあります。従って、地域資源の一層の磨き上げが必要です。

(表3)

(3)本市を訪れた方の滞在時間について

(2)本市を訪れる手段について

13

○交通手段について

(表4)

(人)

○滞在時間について

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Q14 あなたが、『東松山』の観光やイメージとして当てはまると思うものを全てお選びくださ

い。

0 50 100 150 200 250

自然・景観のよいスポットが豊富

豊かな自然環境

トレッキングなどアウトドアが楽しめる

歴史的な建造物や史跡が多い

祭り・伝統行事などが豊富

街歩きが楽しめる

伝統的な食文化が継承されている

グルメな食べ歩きが楽しめる

農水産物など食材が豊富

伝統工芸等、匠の技が継承されている

魅力的なお店や製品が多く買い物が楽しみ

のんびりくつろげる

センスが良い

上質な印象

信頼できる

関東を代表するレジャースポット

外国人旅行者に喜ばれそうなスポット

(表5)

来訪者は本市のイメージについて、その多くが「豊かな自然環境」「自然・景観のよいスポットの豊富さ」、そして「のんびりくつろげる」などの観光イメージと回答されました。今後、こうした魅力を伸ばしていくことが観光交流力の強化のために必要であるものと考えます。

(4)来訪者が持つ本市のイメージ

14

○来訪者が持つ本市のイメージについて

(人)

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今後の観光まちづくりの方向性として、ふさわしいと思うもの

0 20 40 60 80 100 120

自然・景観のよいスポットが豊富

豊かな自然環境

トレッキングなどアウトドアが楽しめる

歴史的な建造物や史跡が多い

祭り・伝統行事などが豊富

街歩きが楽しめる

伝統的な食文化が継承されている

グルメな食べ歩きが楽しめる

農水産物など食材が豊富

伝統工芸等、匠の技が継承されている

魅力的なお店や製品が多く買い物が楽しみ

のんびりくつろげる

センスが良い

上質な印象

信頼できる

関東を代表するレジャースポット

外国人旅行者に喜ばれそうなスポット

(表6)

市民を対象とした今後の観光まちづくりへの方向性を調査した結果です。豊かな自然環境を本市の強みとしてとらえ、観光振興につながる資源であると考えていることが伺えます。

(5)市民が考える今後の観光まちづくりの方向性について

(人)○市民が考える今後の観光まちづくりの方向性について

15

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20

0

50

100

150

200

250

300

350

東松山夢灯路

ぼた

んま

つり

比企地域

B級グ

ルメ&特産品

ェスタ

箭弓稲荷神社祭事

(元旦祭

、節

分祭等

東松山夏祭り

(天王さま

よさ

い陣屋ま

つり

七夕ま

つり

ひが

しま

つやま花火大会

梨狩り

ンバカー

ニバ

日本

スリーデー

マー

金谷

の餅

つき踊り

お酉さま

(酉

の市

観光

ルミネー

ョン

絵馬市

代表すると思われる観光イベントや祭・行事 好きまたは、他の地域の人に紹介したい観光イベントや祭・行事

(表7)

0

50

100

150

200

250

300

350

東松

ぼた

ん園

農林

公園

物見

山公

正法

(岩殿

観音

市内

の名

木群

埼玉

こども動物自然

公園

鞍掛

橋周

ォー

ング

ンター

箭弓

稲荷

神社

埼玉

県平

和資

料館

丸木

美術

の湯

ルフ場

彫刻

代表すると思われる観光スポット・施設 好きまたは、他の地域の人に紹介したい観光スポット・施設

(表8)

(6)本市を代表する観光イベント等について

(7)本市を代表する観光スポットについて

16

(人)

(人)

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Q10 あなたが、『東松山』を代表すると思われる食や

物産

74%

5%

1%

0%

20%

やきとり 梨

味噌だれ焼きそば その他

特にない

(表9)

『東松山』を代表すると思われる地域の食、特産品

やきとり84.2%

その他0.3%

味噌だれ焼きそば1.1%

梨14.4%

(表10)

(表7)、(表8)にみられるように、市民の多くが「日本スリーデーマーチ」「ひがしまつやま花火大会」や「ぼたんまつり」を支持するとともに、広く紹介したいと考えています。また、観光資源では 「埼玉県こども動物自然公園」「箭弓稲荷神社」「東松山ぼたん園」を三大観光交流スポットとして認識していることがわかります。(表9)、(表10)では、重要な観光交流の目的の一つである「食べる」については、やきとりを多くの市民が名物として認識しています。

<表1~5、9>【A調査:来訪者調査】■調査方法:自記式アンケート■対象者:当該施設・資源の来訪者を対象に調査■サンプル数:387サンプル■調査日:平成26年1月

<表6~8、10>【C調査:市民調査】■調査方法:郵送法自記式アンケート■対象者:無作為抽出された市民を対象に調査■サンプル数:300サンプル■調査期間:平成25年12月~平成26年1月

(8)本市を代表する食や特産品について(来訪者対象)

(9)本市を代表する食や特産品

について(市民対象)

17

○本市を代表する食や特産品について(来訪者対象)

○本市を代表する食や特産品について(市民対象)

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第3章 観光の現状と課題

19

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まちづくりの基本方向

豊かな自然や景観の美しさ

観る

食べる

遊ぶ

1.調査結果からみる本市の観光に関する現状と課題

(1)調査結果からみえたもの

A調査(来訪者)、C調査(市民)によると、本市の観光まちづくりの方向性としては、「豊かな自然や景観の美しさ」を柱にすべきという考えが多く、「豊かな自然や景観の美しさ」を活用していく上で、有効な資源の一つが「日本スリーデーマーチ」とする評価も多いようです。また、市民、来訪者ともに市内を代表するスポットに挙げられているのが「埼玉県こども動物自然公園」、「箭弓稲荷神社」、「東松山ぼたん園」、いわゆる観光交流の「観る」、「遊ぶ」における本市の主要な観光資源といえるでしょう。一方、もう一つのテーマである食べるについては、「やきとり」の回答が圧倒的でした。外部に一定の評価を得ている市民のソウルフードとして「やきとり」は市民権を得ていると考えられます。こうした地域の資源を観光振興にどう活用するか、いかに連携させていけるかが今後必要となる視点であると考えます。

(2)本市の観光資源のイメージ

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周辺地域が観光振興に注力している●

個性の強い川越の存在●

若年層の旅行・レジャー離れ●

都心のエンタメ化、開発続く●

●2020年 東京五輪開催決定

●東上線100周年と横浜乗り入れ

●動物園の強いリピート力

●スリーデーマーチによる定番的大型イベントの存在

●比企地域や東武東上線沿線サミット等による近隣自治体との連携

●高速道路網(圏央道)の整備によるアクセスの向上

市民と市外の評価の差異●

来訪者の滞留時間の短さ●

観光資源の連携が未成熟●

2次アクセスの脆弱感●

観光を活かしたまちづくり(商工業活性)が途上●

●都心から1時間という至近な立地

●住む人々に愛される自然・くつろぎ・利便性

● 「やきとり」という市民自慢の強いグルメコンテンツ

●三大観光スポット(動物園・神社・ぼたん園)の存在

強みStrengths

弱みWeaknesses

機会Opportunities

脅威Threats

基礎調査等により本市の観光に関する現状を分析した結果は以下のとおりです。

SWOT分析:強み(Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)の4つのカテゴリーで整理し環境設定に応じた経営資源のバランスを分析する手法

2.本市の観光に関する分析-SWOT分析-

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3.本市の観光に関する分析-まとめ-

本市の観光交流を、前頁のSWOT分析に基づいて改めて整理すると、以下のようなポイントが浮き彫りになってきます。

総合的な視点では、いわゆる伝統的観光地を追随する新興型観光地、これまで観光交流と比較的無縁だった潜在的観光地の中間に位置しているといえます。交流客の多くを県内、近隣自治体に依存しており現状では、観光交流そのものの商圏は、決して広いとはいえません。また、都心から1時間というアクセス面での利便性は、流入ニーズよりも流出ニーズに機能しています。強みである自然を軸とした観光資源の豊富さを活用して、観光交流の潜在的な可能性を存分に発揮しているとはいい難く、今後の取組によっては観光交流の成長に大きな期待が持てる地域といえます。

近隣の川越や秩父等の中規模観光地を含む周辺地域の入込数を考えると1,600万人規模の潜在的な取り込み可能な観光交流市場を有しています。いずれの地域も、日帰り傾向や滞留時間の短さなどを懸案としており、広域連携による回遊性の強化が期待されます。

観光資源については、豊かな自然、景観、歴史、グルメなどがバランスよく配置されていますが、いわゆる誰もが認知している観光資源や、本市をブランディングできる景観などが明確になっていません。また、これらの資源を連携させる2次アクセスの改善や観光振興に関する施策の一層の充実が望まれています。

しかしながら、個々の観光資源を丁寧に見直すと意外な発見や新たな気づきを提供できるものも多く、外部への発信次第で知名度、認知度ともに大きく高まるものと考えます。市のイメージに関する外部の認識と市民意識の乖離も大きいようです。

プロモーション面において核になるのは、市民の地域への強い愛着心で、この愛着心は、口コミによる呼び込み需要を大きく動かす可能性もあり、本市観光交流プロモーションの中核的な柱となります。都心から1時間というアクセスは、むしろ、これらのプロモーションと相まって、2度、3度と足を運ばせることを容易にし着実にファンを醸成できる、もっとも手堅い交流拡大施策になると考えます。

22

※プロモーション:消費者に製品やサービスを認識させ、購買意欲を高めるための活動

その他、農工商業の魅力を観光力に媒介し、新たなまちづくりやニューツーリズム、特産品開発などにつなげていく素地も十分にあり、あらゆるステークホルダーが一丸となって、地域活性化へ向けて動きだすことで、目にみえる観光交流の変化につながります。

本市の観光交流力強化は、今後の周辺環境の変化やあらゆる機会を活用し、一部の観光事業者のための領域にとどまることなく、様々な視座や多くの議論の積み重ねにより、地域活力向上に大きく寄与できるものと考えます。

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テーマ 主な課題群

総合 ■観光グランドデザインがない■景観コンセプトがない

人■市民の意識啓発がされていない■コミュニティの再生ができていない■観光のターゲット戦略がない

モノ■コンテンツ(観光資源)がない■対外的なアクセスが脆弱■二次アクセスがない■トイレ等の施設整備の遅れ

コト ■閑散とした駅前■活気不足

情報■PR戦略と発信力の不足■サイン整備の遅れ■集客ツールの不足

4.課題の整理

調査結果や様々な議論を経て、市民ワークショップ及び庁内ワーキンググループで指摘、整理された具体的な課題群は以下のとおりです。こうした課題を解決することが観光まちづくりに必要であるという結論に至りました。

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5. 取り組むべき3つの課題

課題群については、さらに背景や遠因、優先すべき課題などの議論を重ね、また、調査結果なども鑑み、さらには専門的見地からの評価なども加えながら、本市における観光戦略において、以下の3つの課題を抽出するに至りました。

24

■不明確な観光資源

■観光インフラの欠如

■観光情報発信の不足

周辺自治体が観光振興に注力しているなか、本市の主な観光資源(こども動物自然公園・箭弓稲荷神社・ぼたん園・やきとり・スリーデーマーチ)以外の観光資源が市内外に知られていない。

ソフト、ハード含めての観光インフラが整っているとはいい難い。ソフト面では、主に市民意識の問題で啓発が進んでいない。ハード面においては、道路整備や観光客向けの必要な設備などが不足している。

対外的なイメージづくりを支える情報発信が脆弱。「東松山=〇〇」というブランドイメージも形成されていない。デジタル時代への対応も含めて細やかな観光情報の提供がされていない。

東松山市観光交流3つの課題

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第4章 観光戦略の設定

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Lovely Attractively Valuably

■観光まちづくりは市民との協働が重要。一人ひとりの誇りを大切にして、自慢できる、いつまでも住み続けたいと思う愛着の東松山へ。

■魅力的な観光資源のそれぞれが、点から線へ、面へと広がることで、憧れの存在として魅力倍増の東松山へ。

■歴史、文化、自然、この地にしかない唯一の個性を発見・創造し、どこにも負けない価値を秘めた東松山へ。

市民との協働

資源間の連携

独自性の発揮

観光振興に関する基本理念

1.本市の観光交流の基本理念・将来像

東松山市観光振興基本計画

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ライフステージ(世代別)・ターゲット

こども

(教育旅行)

学生

若年層

ファミリー層

熟年層

シルバー層

エリア(居住地別)・ターゲット

市 内

郷土史とのふれあい

高校や大学との連携・活用

自然の豊かさの再認識を核にした街歩きの推奨と呼び込み需要の発掘

歴史・文化を核にした需要の掘り起こし

首都圏・県内

平和教育旅行素材としての活用

川越等近隣観光との連携

その他全国

都心観光との連携

コアラに会えるまち

スリーデーマーチを中心にしたウォ

ーキング層の獲得

海 外

外国人旅行者も安心して来訪できるインフラ(ソフト&ハ

ード)の充実による認知向上

各施策を展開する前段として、観光客が居住するエリア(居住地別)と来訪する観光客のライフステージ

(性別や年代)をターゲットゾーン(施策の対象客層)とした観光マーケティングを実施します。その中で優

先すべきターゲットを明確にし、本市が持つ観光資源と組み合わせ、個別のプロモーションを展開すること

で、効果的かつ効率的な施策展開が可能となります。本市の観光マーケティング戦略は、激しい都市間競

争に勝つための定住化マーケティングといっても過言ではありません。

2.戦略策定にあたり

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(1)観光マーケティングの導入

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※観光ブランディング:地域が持つ独自性をブランドとして確立させることで、地域の活性化や自律を促し、他都

市との差別化を図り、当該地域の競合力を高めることです。また、そのブランドは、地域の特性や資源を発見し

活かしながら、独自性のある商品開発や、歴史的、文化的背景を持つ街並み等を訴求することにより確立させて

いくことができます。

(2)観光ブランディングの導入

観光マーケティングと同様に、戦略的に導入すべきなのが、観光ブランディングという考え方です。本市

の場合は、単に誘客のためのブランディングではなく、ここに暮らす人々の満足度の向上も念頭におくこと

で、観光誘客から定住促進へと一貫した観光まちづくりを実現することができます。いわば内外の人々に、

「訪ねてよし、住んでよし」というブランドイメージをいかに形成し、発信していくかという視点が、本計画には

欠かせないと考えます。

28

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観光ブランディング観光マーケティング

認知度の向上による活性化

滞留時間の増加による活性化

回遊性向上による活性化

推進体制の充実・育成

観光情報発信能力の向上

観光インフラの整備と意識改革

観光資源の明確化

課題の解決

あるべき姿~東松山市観光まちづくり未来像~へ

観光入込客数の増加

基本理念

観光消費額の増加 ホスピタリティの向上

3.計画の全体構成

今ある観光資源を再発掘、再認識あるいは、理解を深めることで様々なライフステージに対応した満足度を高めます。

既存の観光拠点を線で結び、拠点周辺の連続性を重視し、訪れる方の満足度を高めます。また、迎える側の意識改革にも取り組みます。

人材育成や観光協会を充実させるとともに比企地域、川越、秩父等、観光都市との連携を図ります。

様々な手段により継続的に本市の観光に関する最新情報が市内外に伝わるよう施策を講じます。

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基本方針

基本施策

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観光事業に携わる人材育成や既存の観光協会を充実させ、より計画の進展を図るとともに、継続した取組となるよう支援します。また、市内だけでは観光資源が不足することも想定されることから、比企地域、川越、秩父等、県内有数の観光都市との連携を図ります。

②滞留時間の増加による活性化

③認知度の向上による活性化

市内における既存の観光資源はもとより、農業、工業、商業などの地域資源と連動し、市内外の交流客

が本市の中を〝動く〟ことで活性化を図ります。

市外の交流客を中心に本市の様々な資源を回遊することで、自然と滞留する時間が増加します。つまり

〝留まる〟ことによる活性化を図ります。

上記の2つの変化により、単に知名度ということではなく、本市が内包する資源への理解が進み、愛着と

関心が醸成されます。〝知る〟ことによる活性化を図ります。

基本理念達成のため、以下の3つの基本方針を設定します。

① 観光資源の明確化

4.基本方針

①回遊性の向上による活性化

3つの基本方針に基づき、本市の観光まちづくりに必要な施策を総合的かつ計画的に推進するため、以下の4つの基本施策を推進します。

5.基本施策

② 観光インフラの整備と意識改革

③ 観光情報発信能力の向上

④ 推進体制の充実・育成

今ある観光資源を再発掘、再認識あるいは、理解を深めることで様々なライフステージに対応した満足度を高めます。

新たなランドマークづくりは大変困難であることから、既存の拠点をつなぐ手段の構築や、拠点周辺における連続性を重視し、訪れる方の満足度を高める施策に取り組みます。また、迎える側の意識も重要であることから、市民の意識改革についても取り組みます。

既存のホームページや広報紙、観光情報誌では多くの方に届いていないということが現状であることから、民間事業者等とも連携し、あらゆる手段により継続的に最新の情報が伝わるよう施策を講じます。

30

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5年後の1人当たり観光消費額の25%増加を目指します。

リーディングプロジェクト実施年度

H27 H28 H29

(1) 川のまるごと再生事業都幾川流域の鞍掛橋や稲荷橋周辺は、自然豊かな環境が残されているため、これまでもバーベキューなどのレジャースポットとして親しまれてきましたが、埼玉県と協働し周辺を一体的に整備する川のまるごと再生事業として、誰でも安心して川遊び等ができる親水エリアになるよう整備します。また、周辺には他の観光スポットも点在していることから、それらを結ぶウォーキングコースも併せて整備します。

(2) (仮称)発掘体験館の整備葛袋地区(現坂東山)では、約1,500万年前の地層からサメの歯などの化石が多数産出しています。これは、専門家、愛好家及び一部の市民の間では以前から有名であり、近隣住民の中には、かつて葛袋で化石採集の経験をした人も数多く存在しています。こうした地域の資源を有効活用するため、発掘を体験できる施設の整備を進めます。

(3) 東松山ぼたん園の改修平成2年度に整備し、市の花「ぼたん」を鑑賞できる公園として親しまれてきましたが、年間来場者数50,000人を目指し、品種及び株数を増やし日本一の規模のぼたん園とするとともに、ぼたんの開花時期以外にも楽しめるよう改修します。

市独自の取組として重点的に実施する施設整備やリニューアル事業を「リーディングプロジェクト」と位置づけ、本市の魅力向上のため優先的に進めます。

平成25年観光入込客数

230万人

平成31年観光入込客数

250万人

1人当たり観光消費額

約2,000円※平成22年消費額

1人当たり観光消費額

2,500円

6.計画の目標

7.リーディングプロジェクトの推進

稲荷橋

鞍掛橋

施工

設計

設計 施工

31

5年後の観光入込客数の10%増加を目指します。

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第5章 基本施策の展開

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アクション実現・実施年度

H27 H28 H29 H30 H31

観光力を高めよう!ZOOM UP 100!!

観光客への資源の注目と、市民の再認識を高めるために、公募によって、本市の観光資源リスト100を選出します。

新発見!こんないいトコ・いいモノありました!

市HPやFacebook,Twitter等で市内外の人が発見した本市のいいトコ・いいモノ(具体的な場所やモノなど)を募集します。

観光資源のデータベース化

市内の観光施設等をデータベース化し、今後の活用方法等を検討するとともに、だれでも閲覧ができるようHP等で公開します。

箭弓稲荷神社の朝市

月に1度、境内で朝市を行います。フリーマーケットやカフェなど様々な市民が参加できるイベントとして成長させていきます。

市民カメラマンの育成

一眼レフの使い方や上手な撮影のテクニックなどを学び、講習後は、「観光市民カメラマン」と認定。市内の観光資源の発掘や、既存資源の発信などで協力をいただきます。

観光ガイドの強化

市内の歴史的な観光資源に関する情報をより広く集めていくことや、観光ガイドによる着地型ツアーの実施などを目指し、ガイドの質や人数の強化などを行っていきます。

東松山特産品のブランド化

本市の特産品の全国的な認知度を高めるブランディング事業を推進します。

■取組事業の方向性

観光資源の棚卸(本市の観光資源とは何なのか)、観光資源の認知(それは、どのような資源なのか)、また観光資源の整理(どのようなタイプ、ベネフィットを持つのか)などの段階を追いながら具体的な観光資源のみえる化を進めていきます。その上で観光資源のデータベース化(誰にでもわかりやすく整理する)を経て、観光資源の加工・精査を図りながら、必要な観光市場の流通へ訴求していきます。

■事業メニュー具体的取組

1.具体的取組

基本施策1 観光資源の明確化

実現 継続実施

実現

継続実施実現

実現 継続実施

実現 継続実施

継続実施

継続実施

34

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アクション実現・実施年度

H27 H28 H29 H30 H31

市民向け市内観光ツアーの実施

市内ツアーを開催し、モデルコースづくりや市の魅力のPRに努めます。

観光名所アンケート&スタンプラリー

一定期間の中で、観光資源を巡るスタンプラリーを実施し回遊性を高めます。

観光レンタサイクルの設置

自転車シェアリングや観光用レンタサイクルの整備を進めます。これにより2次交通の弱点を補完します。

食の魅力 de 集客

本市の特産品である、やきとり、梨等の紹介と販売を定期的に実施します。定期開催により市内外のリピーター率を高めます。

中心市街地の空き店舗の活用

商店街の空き店舗を活用しギャラリー化し、商店街の観光資源の一つとします。

観光案内力の整備

市内の観光案内力の向上を目的に、市内をいくつかのブロックに分けて、観光案内ができる体制を整備します。季節の見どころ、見やすいマップの配布などを行う観光案内所の整備を目指します。

外国人観光客の誘致

東京オリンピックを控え増加が見込まれる外国人観光客をお迎えするため、ウォーキングを核とした外国人向け滞在メニューづくりに取り組みます。

基本施策2 観光インフラの整備と意識改革

■取組事業の方向性

観光インフラについては、ハード系施策とソフト系施策に大きく整理した上で、受入側(観光資源側)、市民、ゲストの3つの視点から必要な整備を行っていきます。特に、関係者間や市民意識の啓発は、本施策の重要なポイントとなります。目指すゴールイメージは、回遊性を高めるモデルコース化や、具体的な回遊促進施策の実施や市民参加によるメニューづくりなどを想定しています。

■事業メニュー具体的取組

35

実現 継続実施

実施

実現 継続実施

実施

実現

継続実施実現

実現

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アクション実現・実施年度

H27 H28 H29 H30 H31

SNS活用による情報発信

市内外の潜在的な観光客を対象にして横断的に本市の魅力をFacebook等を通じ発信します。

高めよう観光力!ひがしまつやまMAPの発行

旬で、身近な観光情報を定期的に発行し、東上線沿線や駅などで配布を行い、本市への来訪を促します。

観光大使の積極的活用

ピオニメイツや松山女子高等学校書道部など、観光大使を積極的に活用し、本市のイメージ向上を目指します。

駅前観光ランドマークの設置

東松山駅前にユニークかつ、注目度の高いランドマーク的サインを設置します。また、西口にも箭弓稲荷神社へのルートがわかりやすくなるよう整備します。

東松山観光PR隊の設置

観光PR隊を組織し、ゆるキャラとも連動し様々な地域で本市のPRを行います。

体験!体感!名物やきとり

名物のやきとりを観光客に身近に感じていただくために、やきとり関係者を中心に観光客向けのやきとり体験プログラムを実施します。

スマホを活用した観光ガイド

観光スポットでQRコードを活用した観光ガイドを聞くことができる等の整備を行います。また周辺の観光資源や飲食店情報なども提供して、回遊性と満足度を高めます。

基本施策3 観光情報発信能力の向上

■取組事業の方向性

「本市=〇〇」という明確な観光ブランディングを目指し、情報発信を強化していきます。また、発掘した観光資源を少しでも多くの市民やゲストの目に触れる機会を創造して、本市のイメージ形成に寄与していきます。特に、SNS活用や、鉄道会社、旅行会社等の観光関係事業者との連携性を強化して多くの交流客の獲得、さらには市民の呼び込み需要喚起の施策を強化します。

■事業メニュー具体的取組

36

実現

継続実施

継続実施

継続実施

実現

実現 継続実施

実現 継続実施

実現

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アクション実現・実施年度

H27 H28 H29 H30 H31

観光協会の強化

観光協会を本計画推進の中心的組織と位置づけ、基盤強化を図ります。

計画推進プラットフォームの設置

本計画の推進と関係者のコミュニケーションの活性化を目的として観光関連団体や組織の定期的な連絡会を開催します。

比企地域や周辺自治体との連携強化

比企地域自治体と積極的に連携を図り、共同でイベントや観光誘致活動などを推進します。広域連携による「圏」としての観光交流力の強化を目指します。

東上線沿線サミット自治体との連携強化

平成25年度に協定を締結した東上線沿線サミット自治体と連携し様々なイベントに相互参加するとともに共同事業を展開します。

関係する事業者等の資質向上と人材育成

様々な研修や講演会などにより、事業を推進する人材の育成と資質向上に取り組みます。

基本施策4 推進体制の充実・育成

■取組事業の方向性

行政だけでなく、農工商など他産業との積極的な連携、関連する民間事業者、専門的見地からの観光事業者、さらには他の自治体など、多様なセクターの知恵、技術、アイデア等を結集した観光交流推進に重点をおきます。

■事業メニュー具体的取組

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実現

継続実施

継続実施

継続実施

継続実施

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(1)計画の推進

計画の推進については、臨機応変な対応が求められることから、観光協会を中心として推進のためのプラットフォームを組織し、市民や事業者等全ての組織が一体となって事業を推進します。

○ 計画推進プラットフォームのイメージ

(2)計画の進行管理計画の進行管理については、毎年度、観光入込客数と消費額についての実績や、事業の進捗について市ホームページ上で報告します。なお、目標数値の算出については、平成27年度より運用が予定される地域経済分析システムにより算定されるデータを公表します。

2.計画の進行管理

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商工会

商店街

観光施設

観光協会農業・工業・商業諸団体

自治会

市 民

東松山市

東武東上線沿線サミッ ト比企地域元気アップ実行委員会

周辺市町村 連携自治体

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付章 参考資料等

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<平成25年度>

〇10月 計画策定を決定(埼玉県緊急雇用創出基金事業を活用) 業務受託事業者:㈱JTB関東

〇11月~2月 基礎調査

〇3月 市民報告会

<平成26年度>

〇4月 今年度事業方針検討

〇6月 市民ワークショップ(WS)、庁内ワーキンググループ(WG)スタート

〇11月 最終WS・WG開催

〇1月~2月 パブリックコメント実施

〇2月 計画策定

本業務の遂行にあたり受託事業者において4名の新規雇用を実施し、本事業に関わる調査業務並びに新ガイドブック作成、観光アプリ開発を行うこととしました。

計画策定に必要な基礎調査については、A調査/来訪者調査、B調査/観光資源調査及びC調査/市民意識調査の3つの異なる対象への調査を行い多面的な見地から分析を行いました。

調査結果の報告及び市民意識の啓発を図るために、3月26日市民文化センターにおいて、市民、観光関係者を対象に開催しました。

WSメンバーについて主な観光関係者並びに市民公募を実施。WGについては、部署間の垣根を越えた横断的なメンバーで構成することとし、両者が緊密に連携しながら進めることとしました。

延べ13回にわたる会合を開催し、基本計画策定に向けての環境、意見、アイデア等の細やかな共有を行いながら官民統合の基本計画の基本的な構成を固めました。

1.計画策定までの経緯

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基本設計

庁内ワーキンググループ

市民ワークショップ

計画とりまとめ

環境把握

環境評価

背景分析背景評価

課題設定

課題評価

コンセプト策定

アクションプラン

策定アクションプラン

策定

コンセプト策定

市民ワークショップ(WS)における現況意識や課題感を動機に議論をスタート、庁内ワーキンググループ(WG)と相互に評価、シェアしながら、ゴールを目指すという官民一体型の策定手順を重視、さらに当該部署、専門的見地なども交えながら計画を策定しました。

2.計画策定の手順

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3.市民ワークショップ・庁内ワーキンググループからの施策提言

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もしも、こんなスリーデーマーチがあったら?(スリーデーマーチの活用)

歴史のある日本スリーデーマーチの実績とイメージを活用して新たなイベントとして展開する事業

東松山観光特区の整備

箭弓稲荷神社門前から東松山駅西口間の導線を整備し、同地区を重点観光地域として集中的に資本投下を行うとともに、種々の規制等も配慮しながら観光特区として発展させる事業

松山宿エリア保存整備(本町通りの再活用)

本町通り周辺を松山宿エリアとして保存や復元等の整備を進め、東松山の主要な観光地域として指定し、また、古い建物や蔵を活用した観光物産館や郷土資料館の開設や遊歩道などの整備を進め、歴史とウォーキングのまちにふさわしいゾーンを構築する事業

やきとり横丁の整備

やきとりの普及を図るため、新たにやきとり横丁を整備し、やきとり事業者の後継者不足や高齢化などの諸課題にも対応するとともに、新たな出店者の参入を促進させる事業

東松山「郷育」委員会の設置

市民意識の啓発や、子どもたちへの郷土愛を育むことを目的に、子どもから大人まで広く、東松山の歴史や文化、暮らしを学ぶための公開講座を開催する事業

6郷土資料館の設置

本市の長い歴史遺産を展示し、専属ガイドが説明できる環境を整備する事業

市民ワークショップや庁内ワーキンググループによる議論の中で以下のような施策提言がありました。

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〇東松山市観光振興基本計画市民ワークショップメンバー

4.市民ワークショップ・庁内ワーキンググループ名簿

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○東松山市観光振興基本計画庁内ワーキンググループメンバー

№ 所属部 所属課 職名 氏名

1 秘書室 広報広聴課 主査 村田 智

2 総務部 管財課 主査 須長 和子

3 政策財政部 課税課 主査 内田 幸雄

4 環境産業部 農政課 主任 浅井 かおり

5 地域生活部 次長 新井 弘

6 健康福祉部 社会福祉課 主査 田島 信子

7 都市整備部 高坂区画整理事務所 主査 今井 秀典

8 建設部 道路維持課 主査 大谷 幸夫

9 教育部 埋蔵文化財センター 主査 佐藤 幸恵

10 会計課 主査 高坂 靖子

№ 所属 氏名

1 公 募 片貝 由利子

2 公 募 島田 安三

3 公 募 眞野 昌平

4 東松山市観光ガイドクラブ会長 西村 裕

5 東松山市観光ガイドクラブ副会長 新井 美代

6 東松山市観光ガイドクラブ 佐浦 希望

7 東松山市観光ガイドクラブ 茂田 清子

8 東松山焼鳥組合長 青木 萃美

9 東松山市商工会空き店舗対策委員会委員長 岡本 喜雄

10 日本ウォーキング協会専門講師 奥野 清

11 箭弓稲荷神社宮司 澤田 昌生

12 東松山夢・ぼたん会長 仲條 靖子

13 (株)東武鉄道東松山駅長 横山 武司

14 公益財団法人 埼玉県公園緑地協会こども動物自然公園管理事務所 管理課主幹

吉川 伸

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東松山市観光振興基本計画東松山市環境産業部商工観光課

〒355-8601 埼玉県東松山市松葉町1-1-58

TEL 0493-23-2221 FAX 0493-23-7700

東松山市ホームページ:http://www.city.higashimatsuyama.lg.jp/

平成27年2月策定