etfeフィルムを用いた 膜構造の設計...膜協サマーセミナー2012/9/6 1 september 6,...
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膜協サマーセミナー 2012/9/6 1
September 6, 2012膜協サマーセミナー
ETFEフィルムを用いた膜構造の設計
横浜国立大学河端昌也
膜協サマーセミナー 2012/9/6 2
本日の内容
1. ETFEフィルムの特性
2. クッション方式とテンション方式
3. クリープ、応力緩和、応力集中
4. 告示案の概要
5. 近年の動向
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0
20
40
60
80
100
120
140
160
0 100 200 300 400
ひずみ [%]
膜張
力 [
kN/m
]
0
5
10
15
20
25
30
0 2 4 6 8
PTFE膜タテ糸方向
ETFEフィルム厚さ250μm
原点付近の拡大図
A種膜とETFEフィルムの比較(1軸)
ETFEフィルムの引張特性(1軸)
膜協サマーセミナー 2012/9/6 5
ETFEフィルムの引張剛性
各種膜材料の物性比較
フィルム(250μm厚)の強度はA種膜の1/5、剛性は1/10程度
なぜ直径10mのエアクッションが可能なのか?
A 種膜 C 種膜 ETFE フィルム 基布(織布補強) ガラス繊維 ポリエステル樹脂等 なし コーティング材 PTFE(フッ素樹脂) PVC(塩化ビニル樹脂)等 ETFE(フッ素樹脂)
等方性/異方性 強い異方性 ほぼ等方性 ほぼ等方性 特徴 高強度、不燃性
耐候性、防汚性 高強度、防炎性 柔軟性、経済性
展延性、防炎性、透明性 耐候性、防汚性
厚さ 0.6~1.0mm 0.6~1.0mm 0.05~0.25mm 引張強さ(1 軸) 100~150kN/m 20~130kN/m 3.5~20kN/m
(70~80N/mm2) 引張剛性(1 軸) 1000~2000kN/m 200~1000kN/m 10~200kN/m
(初期 800、割線 200N/mm2)
膜協サマーセミナー 2012/9/6 7
2.クッション方式とテンション方式
膜協サマーセミナー 2012/9/6 8
直径 2m、厚さ 100μm
内圧によるエアクッションの延伸
3.5kPa350kgf/㎡
2kPa200kgf/㎡
0.7kPa70kgf/㎡
加圧前平面
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0
1
2
3
4
0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25
Rise ratio ⊿Z/L
Pre
ssur
e [k
Pa]
0
1
2
3
4
0% 3% 5% 8% 10% 13% 15%
Nominal Strain
Pre
ssur
e [k
Pa]
繰返し加圧
2軸(1:1)延伸A 延伸なしB 6.7% 延伸C 11% 延伸
実質的な降伏点0.7kPa2.0kPa3.0kPa
A
B
C
A
B
C
ライズ比
内圧
内圧
ひずみ
内圧によるエアクッションの変形、ひずみ
膜協サマーセミナー 2012/9/6 10
⑥ライズは5%増加するが構造的には問題なし。
0
500
1000
1500
2000
2500
0 50 100 150 200 250 300 350
ライズ [mm]
内圧
[P
a]
internal pressure p
diameter L
rise h
AIR
粘弾性変形
粘塑
性変
形
粘弾
性変
形(除
荷)
粘弾
性変
形
エアクッションの挙動④最大負荷
⑤常時内圧(負荷後)
②常時内圧(負荷前)
①無ひずみ時(平面)
③第1降伏点
⑦延伸後の実質的な降伏点
直径 2m、厚さ 100μm直径 5m、厚さ250μmでも同様
膜協サマーセミナー 2012/9/6 11
フィルムの分子構造
絡み合い状態
延伸の効用
延伸
配向された鎖状高分子⇒ 結晶化⇒ 強度UP
フィルム断面図
未延伸部分の鎖状高分子
フィルムの延伸
膜協サマーセミナー 2012/9/6 12
テンション方式/延伸によるHP曲面の形成
疑似HP曲面の解析
(弾塑性解析)
曲面
平面
0.503MPa20≦σ
0.5045MPa14≦σ<20
0.45800MPa0≦σ<14
ポアソン比1次剛性応力域MPa
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0
50
100
150
200
250
300
0 100 200 300 400 500 600
X - Coordinate [mm]
Z -
Coord
inat
e [
mm
]
Z-Co(理論値)
Z-Co(解析値)
疑似HP曲面の形状
ライズ比 h/L=25%
疑似HPの解析は、HP理論解とほぼ一致
膜協サマーセミナー 2012/9/6 14
1
MN
MX
X YZ
[PROJECT] HP_MODEL CHECK, SHELL181, T_0.2mm, INELASTIC, [UNIT] MPA
13.487314.6487
15.8116.9714
18.132819.2942
20.455621.6169
22.778323.9397
JUL 21 201211:52:22
NODAL SOLUTION
STEP=1SUB =17TIME=1SEQV (AVG)DMX =500SMN =13.4873SMX =23.9397
疑似HP曲面の応力分布
第1降伏点 第2降伏点
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延伸による曲面形成(アーチ突上げ方式)
2連アーチによる平面フィルムの突上げ
平面形状 3m× 3mフィルムの厚さ 200μm弾塑性解析
ライズ比 h/L=10%
膜協サマーセミナー 2012/9/6 16
1
MN
MX
X Y
Z
[PROJECT] CASE01_PARA. ARCH_Z UPLIFT, SHELL181, T_0.05mm, INELASTIC, [UNIT] MPA
5.550857.50525
9.4596511.414
13.368415.3228
17.277219.2317
21.186123.1405
JUL 20 201218:53:15
NODAL SOLUTION
STEP=1SUB =15TIME=1SEQV (AVG)DMX =90.9SMN =5.55085SMX =23.1405
延伸後の応力分布(アーチ突上げ方式)
第1降伏点 第2降伏点
場所により応力が異なる⇒応力緩和により平準化
降伏による支障は何か?⇒皺、勾配確保
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0
5
10
15
20
25
0 5 10 15 20
工学ひずみ [%]
公称
応力
[M
Pa]
第1降伏点 延伸後の実質的な降伏点
テンション方式の挙動
第2降伏点応力緩和
緩和後の安定状態(緩和前応力の約50%)粘
弾性
変形
粘塑性変形
粘弾
性変
形
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3.クリープ、応力緩和、応力集中
膜協サマーセミナー 2012/9/6 19
引張速度と1次降伏点(1軸引張)
ひずみ速度 [%/min]
第1降
伏点
の応
力[M
Pa]
膜協サマーセミナー 2012/9/6 20
荷重一定
クリープ試験
0
3
6
9
12
15
0 10 20 30 40 50 60 70
t[時間]
ひず
み[%
]
15MPa
12MPa
9MPa
6MPa
3MPa
0
1
2
3
0 150 300 450 600 750
t[時間]
ひず
み[%
]
72時間クリープ(23℃)
1ヶ月間クリープ(23℃)6MPa
実線(実験)、○(解析)
フィルムのクリープ(1軸引張)
6MPaを超えるとクリープが顕著で、停留しにくい。
膜協サマーセミナー 2012/9/6 21
024
68
101214
161820
0 10 20 30 40 50 60 70
Elapsed time [minutes]
Str
ess
[MP
a]
0.5% 1% 1.5% 2%3% 4% 5%
フィルムの応力緩和(1軸引張)
ひずみ一定
応力緩和試験
高応力ほど応力緩和が大きい
膜協サマーセミナー 2012/9/6 22
P(一定)
Rσ σR
h
L(一定)
σ=PR/2t
※ t:フィルム厚
等張力の球面における膜応力
長期クリープの検討(1軸引張)
一般化マクスウェルモデル
P
P
1η 2ηnη
nτ2τ1τ
nE1E 2EeE
P
P
P
P
1η 2ηnη
nτ2τ1τ
nE1E 2EeE
膜協サマーセミナー 2012/9/6 23
内圧150Paによるパネルの長期クリープ
・常温23℃、球面・フィルム厚200μm・初期ライズはスパンの1/10・内圧は常時150Paで一定・スパン5種類で検討
検討条件
フィルムクッションの内圧によるクリープ
0.10
0.15
0.20
0.001 0.01 0.1 1 10 100
年
ライ
ズ比
h/L
2.0e4 4.0e4 6.0e4 8.0e4 1.0e5スパン/厚さ(L/t) :
0
2
4
6
8
0.001 0.01 0.1 1 10 100
年
応力
[M
Pa]
2.0e4 4.0e4 6.0e4 8.0e4 1.0e5スパン/厚さ( L/t) :
(L=4m)(L=8m)(L=12m)(L=16m)(L=20m)
設計時の初期応力を6MPa以上
にすることは望ましくない。
長期クリープによるエアクッションの状態変化
膜協サマーセミナー 2012/9/6 24
フィルムの進行性ポンディング
応力が6MPaを超えると、進行性ポンディングを生じる
膜協サマーセミナー 2012/9/6 25
進行性ポンディング対策
勾配を確保する
支持部材を設ける
膜協サマーセミナー 2012/9/6 26
テンションタイプの張力測定
横浜国立大学建築棟屋上キャノピー
膜協サマーセミナー 2012/9/6 27
テンションタイプの張力測定
協力/太陽工業(株)、名古屋大学大森研究室
膜協サマーセミナー 2012/9/6 28
0
1
2
3
4
5
6
7
8
0 100 200 300 400 500 600 700
Elapsed time [days]
Tensi
le S
tress
[M
pa]
A-X A-Y
B-X B-Y
C-X C-Y
White Panel
経年後の張力(白色フィルム)
膜協サマーセミナー 2012/9/6 29
40%
45%
50%
55%
60%
65%
70%
75%
80%
85%
90%
0 100 200 300 400 500 600 700
Elapsed time [days]
Str
ess
ratio
2nd
/1st
or
3rd/
1st
X-White
Y-White
X-UVC
Y-UVC
経年後の張力保持率
膜協サマーセミナー 2012/9/6 30
応力集中(1軸引張)
引裂防止のためのコーナー処理⇒Rはどれだけ必要か?
A種膜 フィルム
膜協サマーセミナー 2012/9/6 31
切欠き試験片の1軸引張実験
■試験条件
寸法: 30×30mm×200μm
引張速度:10%/min
■目的
切欠き形状と応力集中の関係、亀裂発生時ひずみの検討
膜協サマーセミナー 2012/9/6 32
切欠き試験片の形状変化
0
5
10
15
20
25
30
35
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
公称
応力
[Mpa]
ひずみ度[%]
[3]-2.5
[1]-1
[1]-3
[1]-5
[3]-5
[1]-1 [1]-3 [1]-5
[3]-2.5[3]-5
膜協サマーセミナー 2012/9/6 33
切欠き形状と亀裂発生始点ひずみ
<円形> R1~2.5mm⇒100%、R5mm⇒160%<直線、三角、四角> 3~10%で亀裂発生
膜協サマーセミナー 2012/9/6 34
4.告示案の概要
告示案/分類
膜協サマーセミナー 2012/9/6 36
告示案/許容応力度(膜材、定着部)の考え方
膜協サマーセミナー 2012/9/6 37
5.近年の動向
膜協サマーセミナー 2012/9/6 38
ユニット化
Eden Project, UK 2001
膜協サマーセミナー 2012/9/6 39
ファスナーの小型化
膜協サマーセミナー 2012/9/6 40
ファサード化
http://blog.goo.ne.jp/shukango/e/aa837f619bdd678125c8c95faba74c91 より引用
Beijing National Aquatics Centre, China 2008
膜協サマーセミナー 2012/9/6 41
都市化
New Street ETFE foil courtyard roof,London
膜協サマーセミナー 2012/9/6 42
シングルレイヤー化
Training Center for Mountain Rescue Service, Germany 2006