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平成 22 年度 徳島大学歯学部 Faculty Development 活動報告書 徳島大学歯学部及び大学院口腔科学教育部 FD委員会

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Page 1: Faculty Development · 「ノンテクニカルスキルの伝達を目指した医療人教育改善の取り組み」 講演会Ⅰ 共催:歯学部・医療教育開発センター

平成 22年度 徳島大学歯学部

Faculty Development

活動報告書

徳島大学歯学部及び大学院口腔科学教育部

FD委員会

Page 2: Faculty Development · 「ノンテクニカルスキルの伝達を目指した医療人教育改善の取り組み」 講演会Ⅰ 共催:歯学部・医療教育開発センター

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目 次

I. まえがき ・・・・・ 2

II. 第1回FD講演会 ・・・・・ 3

III. 第2回FD講演会 ・・・・・ 11

IV. 第3回FD講演会(TA講演会) ・・・・・ 12

V. 歯学教育スキルアップセミナー ・・・・・ 14

(歯学部 CBT 部会との共催開催)

VI. 徳島大学パイロット事業支援プログラム講演会Ⅰ

(医療教育開発センターとの共催開催)・・・・15

VII. 徳島大学パイロット事業支援プログラム講演会Ⅱ

(医療教育開発センターとの共催開催)・・・・16

VIII. 謝辞 ・・・・・ 17

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Ⅰ.まえがき

徳島大学歯学部及び大学院口腔科学教育部FD委員会

委員長 伊賀弘起

徳島大学歯学部では平成20年に「教務委員会FD部会」を「歯学部及び大学院口腔科学教育

部FD委員会」に改組して以来,全学FD専門委員会からの援助を受けて講演会やワークショッ

プなど様々なFD活動を実施してきた。

本年度のFD活動も恒例の歯学部 CBT部会が開催する歯学教育スキルアップセミナー「よい試

験問題はこう作る!」から始まった。続いて7月には高知大学医学部教育創造・推進室の三木 洋

一郎先生を招聘して「Team-Based Learning (TBL) ―能動的学習を引き出す教育手法」と題した

講演会を開催した。この TBLは明確に定義された学習方略で,大人数の学生に対して尐ないチュー

ターで効果的な学習成果が得られることから経営学や自然科学の教育課程で広く用いられている。

このワークショップでは実際にこの手法を用いて講義を行っている高知大学医学部の三木洋一郎

先生に TBLの定義とその効果的な進め方について解説して頂いた。

また後期の活動として,本FD委員会としては初めての大学院教育に照準を当て,平成 20 年度

~22年度大学院教育改革プログラム(大学院GP)に採択された大阪大学大学院歯学研究科の取り

組みと大学院教育改革について,その代表者である大阪大学大学院教授の恵比須繁之先生に講演

をお願いした。なおこの講演会はSDあるいはTA教育の一環としても位置づけ,教員のみならず

職員と大学院生も対象とした。

さらに本年度は医療教育開発センターと歯学部が共同で実施する「ノンテクニカルスキルの伝達

を目指した医療人教育改善の取り組み」が徳島大学パイロット事業支援プログラム(教育改革支援

事業)に採択されたことから後述の講演会をFD委員会共催のもとで実施した。すなわち厚生労働

働省「現代の名工」に選ばれた喜多岩夫氏を招聘し,鏡台・仏壇造りを通じて経験した「技能の修

得と伝承」について話題提供をして頂いた。

本年度は3回の講演会に加えて徳島大学パイロット事業支援プログラム(教育改革支援事業)に

おける講演会も共催となり,多彩なFD活動となった。本報告書ではこれらのFD活動の概要を紹

介する。

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Ⅱ.第1回FD講演会

1. 日時:平成 22年7月16日(金)17:30~19:00

2. 場所:徳島大学歯学部4階 大講義室

3. 参加人数:53名

4. 実施内容:講演会

演 題「Team-Based Learning(TBL)-能動学習を引き出す

教育手法-」

講 師:

高知大学医学部教育創造・推進室 准教授

三木 洋一郎 先生

略歴:

昭和63年 3月 東京大学理学部物理学科卒業

平成 2年 3月 東京大学大学院理学系研究科

物理学専門課程(博士課程)修了

6年 9月 長岡技術科学大学工学部助手

10年 9月 高知医科大学医学部助教授

17年 1月 カナダ国立 British Columbia 大学 Visiting Associate Professor

17年 9月 同大学 PBL Tutor Training Workshop 修了

18年 4月 国立大学法人高知大学医学部医学教育創造・推進室副室長

18年 8月 第21回医学教育セミナーとワークショップ修了

21年 5月 第49期日本女子医科大学チューター養成プログラム修了

講師は大学院時代からタンパク質分子の構造―機能相関に関して分光学的測定とコンピュータ

ーシミュレーションを用いた研究を続けておられましたが,カナダ国立 British Columbia大学に

派遣されて以来,医学教育がご専門になり,現在は高知大学医学部教育創造・推進室においてさ

まざまな新しい教育方略を模索しておられます。本講演会では「Team-Based Learning(TBL)-能動

学習を引き出す教育手法-」と題して,高知大学で実践されている新しい教育方略「TBL」について

その概略を解説して頂きました。

吉本教務委員長による講師紹介 三木先生の講演

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グループテスト(GRAT)

講演会風景 模擬 TBL の実施

配布された多肢選択問題

グループテスト用スクラッチカード

個人テスト(IRAT)

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Ⅲ.第2回FD講演会

1. 日時:平成22年7月30日(金)17:30~19:00

2. 場所:歯学部4階 大講義室

3. 参加人数:57名

4. 実施内容:講演会

演題1:「HBS研究部の現状と課題」

ヘルスバイオサイエンス研究部長・歯学部長

林 良夫 教授

演題2:「科学研究費採択に向けて」

ヘルスバイオサイエンス研究部長・歯学部長

林 良夫 教授

演題3:「学生総代との懇談会を終えて」

歯学部教務委員長

吉本 勝彦 教授

演題4:「百日咳について」

徳島大学病院安全管理対策室・感染対策部門

副看護師長

長尾 多美子 殿

演題4:・「個人情報保護について」

徳島大学病院 副病院長

河野 文昭 教授

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Ⅳ.第3回FD講演会(TA講演会)

日時:平成21年12月3日(金) 17:30~18:30

場所:歯学部4階 大講義室

参加人数:49名(TA,RAを含む)

実施内容: 講演会

講師:大阪大学大学院歯学研究科口腔分子制御学講座 教授

恵比須 繁之 先生

演題:「大阪大学大学院歯学研究科における大学院教育の新しい試み」

林 良夫歯学部長による講師紹介

大阪大学大学院歯学研究科教授

恵比須 繁之 先生

講演会風景

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講演終了後の質疑応答風景

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Ⅴ.歯学教育スキルアップセミナー

主催:歯学部教務委員会 CBT 部会

共催:歯学部及び口腔科学教育部 FD 委員会

1. 日時:平成22年4月27日(火) 17:00~

2. 場所:歯学部4階 大講義室

3. 実施内容:講演会

演題:「CBT 試験問題作成法」

講師:徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 歯科保存学分野 教授

歯学系 CBT 実施小委員会FD専門部会

松尾 敬志 先生

講師:松尾教授 CBT部会長:伊藤教授

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Ⅵ.徳島大学パイロット事業支援プログラム(教育改革支援事業)

「ノンテクニカルスキルの伝達を目指した医療人教育改善の取り組み」

講演会Ⅰ

共催:歯学部・医療教育開発センター

歯学部及び口腔科学教育部FD委員会

1. 日時:平成22年12月24日(金) 17:00~18:30

2. 場所:歯学部3階 第2会議室

3. 実施内容:講演会

演題:演題:「技能の修得と伝承」

講師:喜多 岩夫 氏(KITA・CRAFT)

喜多岩夫氏は木製家具製造工として 2008年度の

厚労省「現代の名工」に選ばれています。家具職人の

世界に飛び込んで50年余り,当代有数の指物師として

評価されています。

医療の現場ではチームワークなどの「暗黙知」を学習

する手段の開発が求められています。

このようなノンテクニカル・スキルは,自分自身の体験と結び付けて身につける必要がありま

す。この講演会では人と人のつながりの中で技をきわめた喜多氏に鏡台・仏壇造りを通じて経験

した「技能の修得と伝承」について話題提供をして頂きました。

吉本教務委員長による講師紹介

当日配布された寄木造りの資料

喜多氏の作品紹介

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Ⅶ.徳島大学パイロット事業支援プログラム(教育改革支援事業)

「ノンテクニカルスキルの伝達を目指した医療人教育改善の取り組み」

講演会Ⅱ

共催:歯学部・医療教育開発センター

歯学部及び口腔科学教育部FD委員会

1. 日時:平成23年1月27日(木) 17:00~18:30

2. 場所:歯学部5階 共通講義室

3. 実施内容:講演会

演題:「学校教育における暗黙知の醸造について」

―先端技術のものづくりと伝統技法に学ぶ―

講師:新潟大学 社会連携研究センター・教授

松原 幸男 先生

講師略歴:

1980年 東京大学法学部(Ⅲ類:法制史)卒業

1980年~1989年 日機装株式会社

1989年~2005年 日本電気株式会社 特許部主任,知的財産部IP推進部長。この間

社外では,日本知的財産協会管理委員会委員,半導体産業戦略会議海

外戦略SWGI主査(経済産業省),(社)電子情報技術産業協会商

標専門委員会委員長等

2005年~ 新潟大学社会連携研究センター・教授。社会連携戦略構築,

知的財産の創出・管理,発明創造教育等を担当。「メイド・イン・

ツバメ」認証委員会委員長,UCIP法務調査部門リーダー,

新潟市西区自治協議会会長等

要旨:

情報化社会の進展に伴い,様々な情報が誰でも手軽に入手できるようになった。その一方で,

本当に必要とされている情報を見分けることが困難になり,大局的な見地からの適切な意思決定

ができにくくなっている。

ものづくりの世界においても,現場での基礎鍛錬や試行錯誤が不足し,知識ベースへの過信か

らくる様々な問題が発生してきている。このような中,リーマンショック以降も世界最高水準の

技術を保有し好業績を維持している一連の企業がある。これらの企業においては,最新の科学技

術を積極的に取り込む一方で,人づくりにおいては伝統的な技術伝承法の精神が脈々と受け継が

れている。そこには「変えるべきものは変え,守るべきものは守る」新しいものづくりの姿があ

る。

同様のことは学校教育についても言える。EUにおいても近年多人数教育中心の学校教育の欠点

を補完するものとして,マイスター制度等の徒弟制度的な人材育成法が見直されてきている。

本講演では,上記企業群の「暗黙知醸成法」ともいうべきベストプラクティスを学校教育にお

いて活用することについて考察する。

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Ⅷ.謝辞

本年度もFD講演会を3回,CBT部会との共催および医学教育開発センターとの共催による

講演会をそれぞれ1回と,盛りだくさんな内容のFDプログラムを実施することができました。

特に本年度は当FD委員会の長年の懸案であった「大学院教育」に関するFDを立案し,本学部

のOBでもある大阪大学の恵比須教授の講演会を開催できたことは特筆すべき成果であったと考

えております。また第1回講演会において高知大学の三木洋一郎先生に解説して頂いた「TBL」は

新しい教育方略として非常に興味深いものであり,53名もの教員が参加したことは本学部教員

の教育改革に対する情熱を示すものであり,この場をお借りしてあらためて参加して頂いた教員

各位に御礼申し上げます。

さらに本年度は医療教育開発センターと歯学部が共同で実施する「ノンテクニカルスキルの伝達

を目指した医療人教育改善の取り組み」が徳島大学パイロット事業支援プログラム(教育改革支援

事業)に採択され,本FD委員会もこの活動に全面協力することで意見が一致しております。その

なかで開催された「現代の名工」である喜多岩夫氏の講演はこれまでにない新しいスタイルのFD

プログラムとなり,参加した教員からも多くの肯定的なご意見を頂戴致しました。本FD委員会と

しては次年度以降もこの取り組みに様々な形で関わっていきたいと考えておりますので,今後共ご

協力頂きますようよろしくお願い申し上げます。(伊賀弘起)