松江ならではの品揃えと美味しさで人気に四季それぞれの花木に … ·...

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16 18 3 20 3 6 1 JR西鹿10 使広瀬絣藍染工房小泉八雲 記念館 神代そば 武家屋敷 田部美術館 塩 見 縄 手 ぢげもん 本店 ぐらんへるん 松江城山 ぢげもん本店 〒690-0888 島根県松江市北堀町332 TEL050-5205-5896 会員企業探訪 自然のものを自然のままに。 花ごとの味と感動を届けます。 わが社のこだわり 1 「単花蜜」はほぼ一種類の花から採れる蜜のこと。蜜源となる花 の種類によって風味の違いを楽しめる 2 働き蜂が蜜源の元へ飛ぶためには、気候条件などが整っている必 要があるという 3 山陰いいものマルシェでは試食販売を行い、気に入った蜂蜜を購 入することができるため人気だ 4 商品は北堀町「ぢげもん」などで購入できる 松江ごころ ラパン全店 ハーブショップグリーンノート おみやげ楽市(松江駅) 米子鬼太郎空港売店 「まつえ蜂蜜」は こちらでお買い求めいただけます。 4 2 3 1 松江商工会議所 2017.11 7 2017.11 松江商工会議所 6

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Page 1: 松江ならではの品揃えと美味しさで人気に四季それぞれの花木に … · 1「単花蜜」はほぼ一種類の花から採れる蜜のこと。蜜源となる花

クローバー、アカシア、桜、蜜柑など花

木それぞれの風味と香りを楽しめる「単

花蜜」を主力商品として、市内で養蜂と

蜂蜜製造を手掛ける「まつえ蜂蜜」。地

元の選りすぐり逸品を、作り手が消費者

と直接対話しながら展示販売するイベン

ト「山陰いいものマルシェ(松江商工会

議所事務局)」でも、出店するとすぐに完

売してしまうほどの高い人気を持つ。

山代町で山陰初の対面式弁当店を営ん

でいた長崎さんが養蜂を始めるように

なったきっかけは平成16年、自宅の庭に

分蜂(巣別れ)したミツバチの群れが

やってきたことだった。妻の悦子さんは

それ以来「ミツバチを飼いたい、蜂蜜を

つくりたい」との思いが募り、吉禳祐さん

に相談。それならと近所で顔見知りだっ

た松江養蜂組合長の廣江浩さんにお願い

して巣箱をひとつ借り、庭の桜の樹の下

に置いてみた。すると一か月後に蜂蜜が

獲れ、遠心分離器にかけて精製。そのト

ロリとした味の自家製蜂蜜は市販のもの

と全く違うことに驚き、その美味しさに

感動した。その後、京都の蜂蜜専門店に

立ち寄った際、そこで見つけた「桜の単

花蜜」を試食し「あの時の味と同じだ」

とまた感激。このことから長崎さんは指

導を廣江さんに仰ぎ、平成18年、巣箱3

つで養蜂を始めることにした。

逸品発掘で商機が広がる

趣味で始めた養蜂だったが、その奥深

さと面白さにはまった長崎さんは、弁当

店の仕事の傍ら旺盛に養蜂の知識や技術

を高め、やがて友人や知人に分けるほど

になり評判となった。この上質な蜂蜜を

もっと多くの人に知ってもらえたらと、

息子の方建さんが地元産品を扱う北堀町

「ぢげもん」に相談したところ、とんとん

拍子に商品化の話が進み、平成20年には

「まつえ蜂蜜」という名でブランド化、土

産品として徐々に売れるようになったと

いう。3年前の6月に開かれた第1回目

の「山陰いいものマルシェ」で試食販売

した際には、豪華列車「瑞風」の運転を

前に山陰の自慢できる逸品を発掘しよう

としていたJR西日本(山陰いいもの探

県隊)にその品質の高さが認められ、大

阪駅内や列車の中での販売につながるな

ど取引がぐんと広がるようになったとよ

ろこぶ。

「まつえ蜂蜜」の特徴は、ミツバチが集

めた「単花蜜」を加熱処理や濾過を一切

行わず、栄養も香りも自然そのままにボ

トリングすることにある。生の蜂蜜だか

らこそ、プロポリスやローヤルゼリー、

酵素やアミノ酸など蜂蜜本来の有効成分

がそのまま含まれる。そして季節ごとの

花木の蜜を求めて美保関から秋鹿までの

橋北地区の提携する農家の果樹園、畑や

野原、山林などを巣箱と共に移動する。

春の嵩山の山桜、テクノパークのクロー

バー(白詰草)、初夏には美保関のえびす

みかん、本庄弁慶蜜(柿)、秋には玄丹そ

ば…。初めの頃は「えっ、松江で蜂蜜が

獲れるの?」と驚かれることも多々あっ

たというが、松江の自然、松江ならでは

の花木にこだわり続けるていねいな蜂蜜

づくりが共感を呼び、ファンを増やした

一因でもあろう。

人気と需要に応え、

持続的な仕事に育てる

「養蜂は子育てと一緒」と悦子さんは目

を細め、吉禳祐さんは「自然相手ゆえに難し

いことが多い。夏の暑さ、スズメバチの

襲来、天候不順も花の咲き具合に影響す

るので目が離せない」と苦労を口にする

が、話しぶりはいたって楽しそうだ。高

まる人気と需要に応え安定的な生産を図

るため、昨年度に松江商工会議所のマル

経資金等を導入し、温度管理のできる作

業場の設置、ミツバチと巣箱の購入を行

い、前年度倍増の生産量をめざす。また

持続化補助金を活用しPR用ホームペー

ジ開設も進行中で、さらに花ごとの味や

香りの違いを試食で確かめることができ

るテイスティングパッケージの開発、ギ

フト用包装の開発にも取り組む。

養蜂に取り組み始めて10年あまり。吉

禳祐さんは「ミツバチに感謝。ミツバチとの

出会いが自分の人生にプラスになった。

その恩返しをしたい」と夢を語る。日当

たりの良い丘に花や木を植え、人々が集

い、ミツバチの様子を見たり、蜂蜜をし

ぼったり、蜂蜜を使ったお菓子を食べた

りできる公園のようなものを作りたいと

いう。「ミツバチは私たちにいろいろなこ

とを教えてくれます。自然の連鎖、環境

保護、栄養の大切さ、社会性…。子ども

たちの学びの場としても、ミツバチとの

出会いはきっと素晴らしい経験になるは

ずです」

悦子さんは「私はお酒をつくりたい。

ミードという蜂蜜酒で、ハネムーン(蜜

月)の語源。新婚さんはこのお酒を飲ん

で子作りに励むという習わしがイギリス

にありますが、それはミツバチが多産な

ことに由来しています。ぜひチャレンジ

したい」と笑う。

それぞれの夢の実現に向けて、晴れ

渡った秋空の下、打出町にある玄丹そば

畑一面を真っ白に染めるそばの花の蜜

を、ミツバチたちは懸命に集めて回る。

わずかな生涯だが、仲間のために働くミ

ツバチたちの羽音とその労からもたらさ

れる極上の蜂蜜。それはとても美しい光

景だった。

獲れたて蜂蜜を

加熱処理や濾過を一切行わず

自然の風味と栄養そのままに届ける

四季それぞれの花木にこだわった単花蜜での蜂蜜づくり

松江ならではの品揃えと美味しさで人気に

取材・文●矢島浩三 撮影●古川誠

養蜂家 

長崎 吉禧祐

広瀬絣藍染工房●

小泉八雲記念館●

神代そば●

武家屋敷●

田部美術館●

塩 見 縄 手

★ぢげもん本店

●ぐらんへるん

松江城山

■ぢげもん本店〒690-0888 島根県松江市北堀町332TEL050-5205-5896

会 員 企 業 探 訪

会 員 企 業 探 訪

自然のものを自然のままに。花ごとの味と感動を届けます。

わが社のこだわり

1 「単花蜜」はほぼ一種類の花から採れる蜜のこと。蜜源となる花の種類によって風味の違いを楽しめる2 働き蜂が蜜源の元へ飛ぶためには、気候条件などが整っている必

要があるという3 山陰いいものマルシェでは試食販売を行い、気に入った蜂蜜を購

入することができるため人気だ4 商品は北堀町「ぢげもん」などで購入できる

■松江ごころ ■ラパン全店■ハーブショップグリーンノート■おみやげ楽市(松江駅) ■米子鬼太郎空港売店

「まつえ蜂蜜」はこちらでお買い求めいただけます。

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