インド特許情報検索ミニガイド...2 1.データベースへのアクセス...
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作成日:2013年2月15日
インド特許情報検索ミニガイド
目 次
1.データベースへのアクセス ...................................................................................... 2
2.特許の検索方法 ..................................................... ................................................ 3
2.1. 検索例① 番号検索と公報表示 ......................................................... .......... 3
2.2. 検索例② キーワード検索 ........................................................................... 9
2.3. 検索例③ 分類(IPC)検索 .............................................................. .. 13
2.4. 検索例④ リーガルステータスの確認と経過情報 ............................. 15
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1.データベースへのアクセス
インド特許を収録したデータベース(DB)は複数存在するものの、日本から容易にアクセス
でき、かつ、データ収録年数や収録率の点で満足のいくDBは見当たらないのが現状、といえ
よう。その原因として、インド特許庁が4庁に分かれており、公報の発行体制、管理体制が複
雑である点や、インド特許庁でのデータ整備自体が発展途上である点などが考えられる。
このミニガイドでは、インド特許庁DBを中心に、アクセス方法や利用方法を概説する。
◆インド特許庁が運用するDB
1.1. IPAIRS (英語)
1.1.1. 運営母体 インド特許庁 http://www.ipindia.nic.in/ (英語)
1.1.2. URL IPAIRS (Version 2)
http://ipindiaservices.gov.in/patentsearch/search/index.aspx
1.1.3.特徴 インドの特許公報類を検索・閲覧できるデータベースである。2012年にバージョ
ンアップが行なわれ、検索項目等の増強が図られた。
1.1.4.収録範囲 公開系データは概ね2007年公報発行分以降を収録。これ以前のデータ収録
も確認されているものの、その収録率は低いとされる。登録系データは1900
年代初頭から収録されるが、部分欠落があり、収録状況の全貌は不明である。
(IPAIRS内にも記載はない)
◆その他のデータベース
1.2. Espacenet
1.2.1. 運営母体 欧州特許庁(EPO)
1.2.2. URL http://worldwide.espacenet.com/?locale=jp_EP
(日本語画面。データ内容は英語)
http://worldwide.espacenet.com/ (英語)
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http://ep.espacenet.com/help?topic=coverageww&method=handleHelpTopic&l
ocale=en_ep (収録範囲:coverage)
1.2.3. 特徴 各国公報をパテントファミリー単位で収録するDBである。
1.2.4. 収録範囲 インド特許の収録範囲概況は下図の通り。1970年代後半~2000年代前半の
書誌事項・発明の名称を収録するが、収録率は低いのが現状である。また、
要約や公報イメージ、全文データ等は収録されていない。
出典:欧州特許庁
(http://documents.epo.org/projects/babylon/eponet.nsf/0/C1517A91DD65E3D2C12572EB0
04 C4321/$File/india.pdf)
この他、冒頭でも述べた通り、インド特許を収録したDBは商用/無料ともに複数存在するが、
一般的に収録年数が限られていたり、収録率が低いDBが多い。インド特許庁でのデータ整備
自体が発展途上である事に起因するのではないか、と考えられる。
2.特許の検索方法
2.1.検索例① 番号検索と公報表示
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インド特許庁DBである IPairsにおいては、公開系公報の抄録と、登録系公報のPDFファ
イルが入手可能である。
公開公報全文は IPairsでは入手できない。またEspacenetはインド特許の公報イメージを収録
対象としていない。
インド特許に付与される公報番号のフォーマットは下記の通りである。
出願番号 連続番号/受理官庁/西暦年 例 3498/KOLNP/2006
Journal No. 連続番号/西暦年 例)30/2008
登録系番号 連続番号のみ 例)244100
続いて、インド特許に付与される番号の特徴と注意点について概説する。
1)出願番号と出願受理官庁
インドには地域別に4つの特許庁がある。出願番号にも出願受理官庁を示す略号が含まれる点
が特徴である。4庁の名称と略号は下記の通り。
所在地 略号 出願番号の例
Dehli デリー DEL または
DELNP
172/DEL/2001
172/DELNP/2005
Kolkata
コルカタ
(旧:カルカッタ)
KOL または
KOLNP、
CAL
172/KOL/2001
172/KOLNP/2005
172/CAL/1995
Mumbai
ムンバイ
(旧:ボンベイ)
MUM または
MUMNP、
BOM
172/MUM/2001
172/MUMNP/2005
172/BOM/1995
Chennai
チェンナイ
(旧:マドラス)
CHE または
CHENP、
MAS
172/CHE/2001
172/CHENP/2005
172/MAS/1995
※表中の番号例は例示のためである。実際の官庁/出願年の組み合わせとは一致させていない。
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2)Journal No.
インド特許庁DBでは公開番号は使用されない。
公開番号に類似するものとして、Journal No.が使用されている。Journal No.は「公示号1冊
分の番号」にあたるもので、1回の公示で100件の出願公開があれば、100件に同じJournal No.
が付与される。(実際にJournal No.検索をすると、1000件前後の公開がヒットするケースが
ある。)
従ってJournal No.のみでの検索は実用的ではなく、出願番号や出願人、キーワードなどによ
る特定/絞り込みが推奨される。
3)登録番号
登録番号は連続番号部のみからなる。IPAIRを利用する場合、検索にあたっての「桁合わせ」
は不要である。
[検索例] インドの登録番号 244100 を検索し、内容を確認する。
2.1.1. IPAIRSへのアクセス から 番号検索の手順
IPAIRS http://ipindiaservices.gov.in/patentsearch/search/index.aspx へアクセス。
番号から検索するには、Published Applicationsのタブをクリックする。
※ 現在選択中のメニューがわかりにくい場合は、図中「選択中メニュー」の箇所を確認する
とよい。
◆ 公開系検索の場合
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◆ 登録系検索の場合
登録番号で検索する場合は、Granted Patentsのメニューを選択。検索項目のプルダウンから
「PATENT NUMBER」を選択し、番号を入力。Submitで検索実行する。
検索実行後、ヒット公報の一覧が表示される。表示件数の上限は1000件である。
公報情報の欄を確認。目的の公報がヒットしていれば、「Patent Number」をクリック。詳細
表示画面に遷移し、内容を確認する。
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詳細表示画面の例である。詳細表示では、主要書誌・出願人・発明者・要約 が表示される。
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2.1.2. 公報表示
公報表示は詳細表示画面の下部、View Documents(イメージ表示) 又は View As HTML(テキ
スト表示) から行う。
View Documentsは公報イメージ表示にあたるが、非収録の場合もある。
View As HTMLは、テキスト表示にあたり、収録率は公報イメージより高めである。クレーム(特
許請求の範囲)も収録されている。公報そのものが入手できない場合は、テキストデータを利
用するとよい。 View As HTML(テキスト表示) の表示例を示す。
テキスト表示の例
2.1.3. 公報表示のTIPS (一言メモ)
View Document (公報イメージ表示)が全くできない場合、ブラウザでポップアップブロック
(表示制限)がかかっている場合がある。[View Document]を何度クリックしても何も起こらな
い場合は、ブラウザ上部(通常はURL表示やツールバー付近)を観察してみるとよい。ポップ
アップブロックが出ていれば、解除してから公報表示をおこなう。
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2.2. 検索例② キーワード検索
例)キーワード「car」と「brake」に該当するインド特許を検索する。
IPAIRSでは、英文キーワードによる検索が可能である。
検索可能項目は、公開系/登録系ともに 発明の名称(TITLE OF INVENTION)並びに要約
(ABSTRACT TEXT)である。
なお、インドの特許出願に使用可能な言語は英語とヒンディー語である。ヒンディー語による
出願比率は不明であり、留意されたい。
2.2.1. IPAIRSによるキーワード検索例
2.2.1.1. データベースへのアクセス
IPAIRS http://ipindiaservices.gov.in/patentsearch/Search/index.aspx にアクセス。
この例では、公開系公報を対象に検索を行う。Published Applications のタブを選択する。
2.2.1.2. 検索キーワードの入力
IPAIRSにおける英文キーワード検索の対象範囲は「発明の名称(TITLE OF INVENTION)」または
「要約(ABSTRACT TEXT)」である。ここでは ABSTRACT TEXT を対象に検索を行う。
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2行分の検索欄を使用。検索項目はいずれもABSTRACT TEXTを選択。キーワード入力欄に「car」
「brake」をそれぞれ入力。検索語上部の青いボタン [Submit] で検索実行する。
なお、検索語の指定には下記の機能(プルダウンメニュー) がある。
上から Equal To/完全一致 、Containing / 部分一致、Having Phrase As/フレーズ検索 (2
語以上を入力)、Not Containing/指定文字列を含まない、Not Equal To / 指定の単語を含
まない となっている。
上記検索条件では Containing / 部分一致 を指定しており、正確には Carbon のような語も
ヒットしてしまうのだが、Equal Toで検索するとゼロ件となった(2012年11月現在)。
Containing/部分一致を指定すると、ノイズが混入する可能性はあるものの、該当公報がヒッ
トする可能性が高まる。検索状況に合わせて、臨機応変に使い分けると良い。
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2.2.1.3. 一覧情報表示 (Result List)
検索実施後、直ちに該当件数と出願番号、Journal No.及び発明の名称(Title)等の主要書誌リ
ストが表示される。表示件数の上限は1000件、1ページ内の表示は15件である。 出願番号を
クリックすると、ヒットした公報の詳細が表示される。
一覧表示上部 「Date Of Filing」「Priority Country」等の各見出しはクリック可能であり、
昇順/降順を切り替える事ができる。なお正常動作せずエラー表示が出た場合は、ブラウザの
「戻る」機能で、元の一覧表示に戻ればよい。
2.2.1.4. 詳細表示 (公開系データベース)
公開系データベースでは、詳細情報としてJournal が表示される。Jourlalは主要書誌と要約
が掲載されたもので、出願の公示にあたるものではあるが、個別の公開番号などは付与されて
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いない。
2.2.1.5. 詳細表示 (登録系データベース)
補足として、登録系データベースでの詳細表示について説明する。なお、キーワード入力 ~ 検
索・一覧表示の操作は、公開系データベースと同様である。
一覧表示から、Patent Numberをクリックして詳細表示をおこなう。
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結果一覧表示以降の、詳細表示や公報入手方法は、「2.1.検索例① 番号検索と公報表示」の
項目を参照されたい。
2.3. 検索例③ 分類(IPC)検索
インドの特許公報類にはIPC(国際特許分類)が付与される。なお、IPCは1つしか付与さ
れないケースも多い。
◆公開段階(Journal)での分類記載例
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◆ 登録データの分類記載例
この検索例では、分類表の参照方法と検索時の入力例を示す。
2.3.1. 分類表の参照
IPC(国際特許分類)は日本語版を参照するとよい。
IPDL(特許電子図書館/(独)工業所有権情報・研修館)のパテントマップガイダンスを利用
する。(URL:http://www5.ipdl.inpit.go.jp/pmgs1/pmgs1/pmgs)、IPC照会にて分類コ
ード、意味を確認できる。適宜、キーワード検索等も利用する。
2.3.2. 入力例
例)IPC(国際特許分類)にて「G06F19/00」 を検索する場合で説明する。
Granted Patents(登録系)、Published Application(公開系) の入力・検索方法は共通である。
ここではPublished Application(公開系)の画面例で説明する。
プルダウンメニューは「INTER.CLASS.CODE(IPC)」を選択。続いて 「G06F19/00」と入力し、
検索を行う。
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結果一覧表示以降の、詳細表示や公報入手方法は、「検索例① 番号検索と公報表示」の項目
を参照されたい。
2.3.3. 注意点
インド公報(Journal)では、IPCの途中に不規則にスペースが入っていたり、数字とアルフ
ァベットが取り違えられているケースも報告されている。例えばG06Fとすべきところ、GO(オ
ー)6F、と入力されている、といった具合である。網羅性を要する調査の場合は、考慮してお
くと良い。
IPCコードが誤っている例
2.4. 検索例④ リーガルステータスの確認と経過情報
インド特許のリーガルステータス確認は、IPAIRSのApplication Statusから行う。
なお、検索項目は出願番号のみである。あらかじめ出願番号を確認しておく。
本資料では、インドの出願番号 838/MUMNP/2007 を例に、リーガルステータスの確認手順を説
明する。
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2.4.1. データベースへのアクセス
IPAIRS にアクセスする。
http://ipindiaservices.gov.in/patentsearch/Search/index.aspx
検索項目は 「Application Status」を選択する・
2.4.2. 入力・検索の方法
番号検索を行う。検索項目は出願番号のみである。
2.4.3. 検索結果の確認
検索後、直ちに結果が表示される。
Application Statusの欄に、現在の状況が記載されている。
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続いて、詳細情報や包袋(経過情報書類)の入手を説明する。
2.4.4. 詳細表示
Application Statusの検索結果では、ステータス情報の下に詳細表示用のメニュー(ボタン)
が表示される。
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また、登録系特許(Granted Patent)の詳細表示画面、 下部にも同様のメニュー(ボタン)があ
る。
どちらから入っても、表示内容は同一の情報となる。ここでは、ステータス/経過情報に関連
する項目のみを説明する。
2.4.4.1. View E-register (年金情報)
年金の支払い状況が確認できる。
2.4.4.2. View Examination Report(s) (サーチレポート)
サーチレポート(拒絶理由通知書)の閲覧であるが、取得に時間がかかるのが難点。(タイム
アウトする場合もある)
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次項のView Documents (経過書類/包袋)を併用するとよい
2.4.4.3. View Documents (経過書類/包袋)
出願書類や経過情報書類一式が閲覧できる。
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経過書類の例(出願人→インド特許庁/拒絶理由への応答書類)