アジャイル開発の必要性と課題 -...

モデレータ名古屋大学情報科学研究科

山本修一郎

Copyright Prof. Dr. Shuichiro Yamamoto 2017

アジャイル開発の必要性と課題

要求知識の対話と文書化

Copyright Prof. Dr. Shuichiro Yamamoto 2017 2

対話量

文書化量

アジャイル型

ウォータフォール型

K=C ×DCa

DwDa

Cw

対話力限界

文書力限界

要求（仕様）記述表の構成要素

3

入力処理事後状況

曖昧性：範囲，内容，関係の多義性・不明性

アクタに何が起きるのか

システムが何を出力すると

何を契機として

事前状況

アクタがどういうときに

ユーザユーザイベント

どんな入力に対して

出力

機能仕様

観測対象観測事象

応答

観測応答

どんなことが発生して

参考)要求の曖昧さ，http://www.bcm.co.jp/site/youkyu/youkyu38.html


要求記述表を用いた漏れのない要求

明確でない要求仕様の構成要素をカードで表現


要求仕様

ユーザ/システム契機処理出力

前提条件：イベント条件：ユーザ/システムへの応答：

処理対象への出力：

処理対象入力

前提条件：入力条件：

ガイドワードを用いた逸脱抽出

要求記述表に対してガイドワードを適用

5

要求逸脱分析表・〜がない・〜が遅い・〜が早い・・・・・・

ガイドワード


参考）大林英晶、森崎修司、渥美紀寿、山本修一郎、逸脱分析を用いた要求仕様からのテスト項目抽出法, 情報処理学会論文誌、Vol.57, No.4, pp.1262‐1273, Apr. 2016

テスト項目設計の比較結果

6

50項目

要求記述表に基づく要求漏れの発見から抽出

要求仕様書に記述されていない経験に基づいて抽出

6項目

共通して抽出

8項目

要求仕様書に基づき要求記述表から抽出 58項目

要求仕様書に基づき経験者が抽出機能テスト項目56項目


参考）大林英晶、森崎修司、渥美紀寿、山本修一郎、逸脱分析を用いた要求仕様からのテスト項目抽出法, 情報処理学会論文誌、Vol.57, No.4, pp.1262‐1273, Apr. 2016

全体視点のITモダナイゼ—ション～DOD ～

分類１０ポイントプラン

基盤の統一①エンタープライズNWの共通化②DODエンタープライズクラウドの展開③ITプラットフォームの標準化

プロセスの合理化

④アジャイルITの実現⑤ITガバナンスの強化⑥ITコモディティの戦略的供給⑦サイバーセキュリティの強化⑧IT投資整合性の強化⑨エンタープライズアーキテクチャ（EA）の効果改善

組織の強化 ⑩ITガイダンスと訓練の現代化


参考）Teri Takai, DoD CIO’s 10‐Point Plan for IT Modernization , 2013

アジャイル要求マネジメントの分類


アジャイルビジネス要求統合

アジャイル要求標準化

部門内

部門横断

全社

アジャイルプロジェクト

アジャイルプログラム

アジャイルポートフォリオ

垂直型アジャイル

独立型アジャイル

統一型アジャイル

水平型アジャイル

参考）山本修一郎, デジタルトランスフォーメーションに向けた要求管理知識、第20回 AI学会知識流通ネットワーク研究会

全社視点の要求マネジメント


ビジネス戦略

ビジネスオペレーション

全社的要求マネジメント・必要性・定義・実現性

統合化要求標準化要求IT要求

価値創出

ビジネスIT整合性・優先順位

状況バックログ

アーキテクチャ要求

コアケイパビリティ

実行

アジャイル型、WF型開発

アジャイル型プロジェクト[要求・設計・製造・試験]

WF型プロジェクト[要求・設計・製造・試験]

エンタープライズアーキテクチャ

テクノロジーアーキテクチャ

情報システムアーキテクチャ

ビジネスアーキテクチャ

オペレーション要求

9参考）山本修一郎, デジタルトランスフォーメーションに向けた要求管理知識、第20回 AI学会知識流通ネットワーク研究会

アジャイル手法の要求記述と変更管理


アジャイル手法要求記述要求変更管理

XP ユーザストーリ開発工程で対応

Scrum バックログリスト開発工程で対応

DSDM 事業研究、事業領域定義機能モデルの変更

FDD フィーチャリスト設計・構築工程で対応

TDD テスト項目自動テスト項目の変更

ASD 顧客による説明連携工程で実現

AUP ユースケースユースケース変更

Kanban 壁カードカード変更

Crystal Clear 非公式ユースケース非公式ユースケース変更

IT バリューチェインＩＴ４ＩＴ


参考） The Open Group, IT4IT Reference Architecture V2.0, A Pocket Guide, 2015

参照アーキテクチャ効率

アジャイル

ＩＴバリューチェイン

構築遂行実行

戦略ポートフォリオ

要求展開

依頼実現

検知調整

リスク統制・コンプライアンス

ソーシング・ベンダ

インテリジェンス・報告

財務・資源

資源・プロジェクト

計画

サービス概念モデル

サービス論理モデル

サービス実現モデル

IT4IT 価値ストリームの概要


Value Streams 説明活動

戦略ポートフォリオStrategy to Portfolio

ビジネスイノベーションのためにITを整備

EAITポートフォリオ管理プロジェクトポートフォリオ

要求展開Requirement to

Deploy

ビジネスニーズとそれが必要な時期を明確化

要求管理、スプリント計画、バックログ管理、アジャイル開発、構築・統合、テスト自動化、リリースパッケージ

依頼実現Request to Fulfill

サービス利用をカタログ、実現、管理

サービスカタログ、サービスポータル、自動供給、アクセス管理、自動リリース

検知調整Detect to Correct

サービス運用時の課題を解消

サービス監視、イベント監視、インシデント管理、問題管理、構成管理、運用スケジュール


IT4ITによる知識体系の統合


業界標準知識体系

IT4IT価値ストリーム

S2P戦略ポートフォリオ

R2D要求展開

R2F依頼遂行

D2C検知修正

ITIL

COBIT

PMBOK

ArchiMate

TOGAF

CMMI Dev

SCRUM

SAFe


アジャイル能力評価指標（３０）能力評価指標

アジャイルビジョン構築 (6)

①自社戦略目標とアジャイル開発の役割が明確, ②アジャイル開発が役割を果たすための組織を構築, ③アジャイル開発投資を重点化, ④アジャイル開発の活用方針を明確化, ➄アジャイル開発部門の役割が明確, ⑥アジャイル開発部門の結果責任が明確

アジャイルコミュニケーション

(5)

①アジャイル開発の役割を社員が共有, ②アジャイル開発の目的を開発部門が理解, ③アジャイル開発による問題解決プロセスを部門横断的に定義 ④アジャイル開発事例を社内共有する仕組みを定義, ⑤経営層，事業部門，アジャイル開発部門間で，アジャイル開発の投資対効果を共有

アジャイルプロダクトデザイン

(4)

①アジャイル開発成果物に対する目標品質を定義, ②アジャイル開発成果物の活用方策を標準化 , ③社内外開発連携観点でアジャイル開発成果物を標準化,④アジャイル開発成果物の重複のない記述項目を定義

アジャイルプロセス

デザイン (４)

①アジャイル開発プロセスを定義, ②開発プロセスの要求活用方策を標準化,③社内外の要求業務連携プロセスを標準化, ④重複のないアジャイル開発プロセスを実現

アジャイル投資適正化(6)

①アジャイル開発資産の構築経費を配分, ②アジャイル開発部門の独立性を考慮, ③アジャイル開発の経費対効果を事前に検証, ④要求定義時に全社最適への適合性を検討, ➄アジャイル開発後に活用状況・効果を測定

アジャイル人材開発 (5)

①アジャイル開発プロセス改革の提案人材を育成, ②経営層にアジャイル開発に精通した人材を配置, ③アジャイル開発人材が経営知識を習得する機会を提供 , ④アジャイル開発人材が開発プロセスの理解機会を提供, ➄アジャイル開発人材にアジャイル活用スキル研修を提供

Copyright Prof. Dr. Shuichiro Yamamoto 2017 14参考）山本修一郎, 要求仕様化能力評価指標の提案, KBSE研究会, 2016.5

課題

アジャイル開発と知識流通（対話・文書）

アジャイルとマネジメント

アジャイルとアーキテクチャ（BA,AA,TA）

BoK of BoKs

アジャイルと理不尽な要求

アジャイル能力評価


アジャイル開発の必要性と課題 -...

Documents