リアルタイム pcr 用primepcrtm アッセイ、 パネル(アレ...

44
・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。 ・本取扱説明書は、すぐに取り出して読めるように大切に保管してください。 リアルタイム PCR 用 PrimePCR TM アッセイ、 パネル(アレイ)およびコントロール 取扱説明書 注 意

Upload: others

Post on 31-Oct-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。

・本書の注意事項は必ずお守りください。

・本取扱説明書は、すぐに取り出して読めるように大切に保管してください。

リアルタイム PCR用 PrimePCRTMアッセイ、

パネル(アレイ)およびコントロール

取扱説明書

注 意

Page 2: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

バイオ・ラッド テックコール 製品の学術的お問い合わせ並びに修理・メンテナンスに関するお問い合わせは弊社テックコールにお問い合

わせください。

受付時間:月曜日~金曜日(祝祭日を除く)

AM9:00~PM5:00 (日本標準時:JST)

電話: 03-6404-0331

Fax: 03-6404-0334

Email: [email protected] 以下の Webでオンラインでのテクニカルサポート並びに製品情報等をご参照頂けます。

Web:www.bio-rad.com.

Trademarks and Legal Notices

Bioanalyzer は Agilent Technologies の商標です。 Cy は GE Healthcare の登録商標です。 Excel および Microsoft は

Microsoftの商標です。 FAMは Applera Corporationの商標です。 LightCyclerは Roche Diagnostics GmbH の商標で

す。 Mxは Stratagene Corporation の商標です。 NanoDropは、Thermo Fisher Scientific Inc.の商標です。QuantStudio、

SYBR、および ViiAは、Life Technologies Corporation の商標です。バイオ・ラッド ラボラトリーズ社は、Life Technologies

Corporation から研究目的での SYBR Green I を含む試薬を販売し、リアルタイム PCR に使用をライセンスされています。

Realplexは Eppendorf AG の商標です。 StepOnePlusは Applied Biosystemsの商標です。

特許取得済みの 5 'ヌクレアーゼプロセスの実施には、Applied Biosystemsのライセンスが必要です。これらの製品の購入に

は、ライセンス付きプローブを別途購入して使用する場合、購入者自身の内部調査用にのみ使用するために、製品添付資

料に指定された特許の下での訴訟からの免責が含まれます。

他の特許権は、明示的に、暗示的に、または禁反言によって伝達されるものではありません。ライセンスの購入に関する詳細

は、ライセンシング・ディレクター、Applied Biosystems、850 Lincoln Center Drive、Foster City、California 94404、USAか

ら得ることができます

Bio-Radサーマルサイクラーは、米国特許番号 6,767,512および 7,074,367の、Eppendorf AG が所有する以下の米国特許

またはその外国特許の 1つ以上によって保護されています。

Copyright

Copyright2017 Bio-Rad Laboratories, Inc. 本書の内容は、印刷または電子形態などのいかなる形式によっても、バイオ・

ラッド ラボラトリーズ株式会社の書面による許可なしに複製または送信することを禁じます。バイオ・ラッド ラボラトリーズ社は

いつでもその製品やサービスを変更する権利を持ちます。この取扱説明書の内容は予告なしに変更されることがあります。

正確性を担保するため、十分な準備をしておりますが、本書に誤記や不正確な記述や本書の情報に起因するいかなる損害

についても、バイオ・ラッド ラボラトリーズはいかなる責任も負いません。

Page 3: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | iii

目次

1 はじめに ...................................................................................................................................... 1

PrimePCRアッセイ、パネルおよびコントロール ............................................................................. 1

発送と保管 ................................................................................................................................. 2

試薬および機器 .......................................................................................................................... 3

2 遺伝子発現解析プロトコール ....................................................................................................... 7

概要:リアルタイム PCRのワークフロー ......................................................................................... 7

ステップ 1:RNAの単離 .............................................................................................................. 8

ステップ 2:cDNAの合成 ............................................................................................................. 8

PrimePCR PreAmpアッセイを用いたプレアンプリフィケーションアッセイプールの調製 ......... 9

プレアンプリフィケーション反応液の調製 ........................................................................... 10

ステップ 3:リアルタイム PCR反応液の調製 ................................................................................11

ステップ 4:リアルタイム PCRシステムでのサイクリングプロトコール .............................................. 15

ステップ 5:遺伝子発現データの解析 ......................................................................................... 15

3 実験コントロールアッセイの調製と解釈 ....................................................................................... 17

ポジティブ PCR コントロールアッセイ(PCR) ................................................................................ 17

逆転写コントロールアッセイ(RT) ............................................................................................... 19

ゲノム DNA コンタミネーション コントロールアッセイ(gDNA) ....................................................... 20

RNA クオリティーアッセイ(RQ1および RQ2) .............................................................................. 22

4 DNAテンプレート ...................................................................................................................... 25

5 CFX Maestro ソフトウェアのクイックガイド ................................................................................... 27

PrimePCRTMランのセットアップ.................................................................................................. 27

遺伝子発現実験のデータ解析 .................................................................................................. 28

6 リファレンス遺伝子の選択およびリファレンス遺伝子パネル .......................................................... 29

7 MIQEへの準拠 ......................................................................................................................... 31

8 よくある質問(FAQ) ................................................................................................................... 33

9 トラブルシューティング ............................................................................................................... 35

10 Ordering Information .............................................................................................................. 37

関連製品 .................................................................................................................................. 37

Page 4: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

iv | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

Page 5: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 1

1 はじめに

2012年、バイオ・ラッド社の PrimePCRTMアッセイにより、リアルタイム PCR遺伝子発現解析の新

たな基準が設定されました。当社はリアルタイム PCR のトップ研究者らと協力して、全てのプライ

マーペアをデザイン・最適化し、実験的に検証を行いました。個別の SYBR® Greenアッセイ、個

別のプローブアッセイ、プレデザインプレートの疾患・代謝・パスウェイ・タンパク質および

lncRNA パネル、そしてカスタムデザインプレートといった製品が利用可能です。リファレンス遺

伝子および実験コントロールアッセイもご用意しています。PrimePCR は、バイオ・ラッド社の

PCR/リアルタイム PCR 試薬とともに使用した場合の検証が行われています。すべての

PrimePCRアッセイおよびパネルはwww.bio-rad.com/primepcrからのオンライン注文が可能で

す。

PrimePCRアッセイ、パネルおよびコントロール

SYBR® Greenアッセイ

200、1,000 または 2,500反応の 20xストック溶液としてご用意しております。PrimePCRアッセイに

はそれぞれ固有のアッセイ IDがつくため、トラッキングおよび論文への記載が容易になります。

Probeアッセイ

Probe アッセイは FAM、HEX、Tex615、Cy5 または Cy5.5 蛍光色素で標識することができます。

チューブアッセイには 500、1,000 または 2,500 反応の 20x ストック溶液を提供しております。

PrimePCR アッセイにはそれぞれ固有のアッセイ ID がつくため、トラッキングおよび論文での記

載が容易になります。

プレデザインパネル(アレイ) - 疾患/代謝/パスウェイ/タンパク質/lncRNA

広範囲の疾患、代謝、パスウェイ、タンパク質、lncRNA 特異的な遺伝子パネルが、96 または

384 ウェルプレートで利用できます。プライマーペアはプレートのウェル内に凍結乾燥されていま

す。本プレートは SYBR® Green検出ケミストリーで使用されるようにデザインされており、実験用コ

ントロールおよびリファレンスアッセイを含みます。本プレートは主要な全てのリアルタイム PCR機

器で使用できます(「試薬および設備」に記載の、適合するリアルタイム PCR 装置の一覧を参

照)。

Page 6: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

2 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

カスタムプレート

PrimePCRTM SYBR® Greenアッセイを行う場合、96および 384 ウェル PCRプレートをユーザー

がデザインすることができます。プレートにカスタムプライマーアッセイを追加することもできます。

プライマーペアはプレートのウェル内に凍結乾燥されています。本プレートは主要な全てのリアル

タイムPCR機器で使用でき、実験用コントロールの有無にあわせてデザインすることができます。

PreAmp(PreAmplification:前増幅・プレアンプ)アッセイ

PrimePCR PreAmpアッセイを、少量の cDNAから標的遺伝子をバイアスなくプレアンプリフィケ

ーション(前増幅)するのに利用することができます。チューブアッセイは100xストック溶液が提供

され、SYBR® Green またはプローブ遺伝子発現アッセイに対応しています。

DNA テンプレート

アッセイ特異的合成 DNA テンプレートは、対応する SYBR® Green またはプローブアッセイと併

用した時に PCR陽性を示すようにデザインされています。本テンプレートは 200反応の 20xストッ

ク溶液として提供しております。

実験用コントロールアッセイ

実験用コントロールアッセイは RNA の品質評価、ゲノム DNA の混入、逆転写および PCR の性

能評価に関して利用することができます。コントロールは、チューブアッセイまたは、プレデザイン

プレートまたはカスタム PCRプレートとして注文することができます。

リファレンス遺伝子アッセイ

一般的に使用されるリファレンス遺伝子アッセイを、サンプル間のメッセンジャーRNA(mRNA)

添加量のばらつきを正規化するのに利用することができます。本アッセイは個別のアッセイとして

注文することも、カスタムプレートに追加することもできます。プレデザインしたリファレンス遺伝子

パネルは、96および 384 ウェルプレートでのご用意があります。

Droplet DigitalTM PCR(ddPCRTM)プローブアッセイ

コピー数多型(CNV : Copy Number Variation)および変異検出アッセイ用にデザインされ、

QX100TMおよび QX200TM Droplet Digital PCRプラットフォームでの使用が検証されています。

本プローブアッセイは FAMまたはHEX蛍光色素で標識され、200、1,000および 2,500反応で利

用可能です。手順の詳細およびアッセイの情報については PrimePCR ddPCR 製品添付書(英

語)をご覧ください。

発送と保管

PrimePCR アッセイおよびプレートは常温で発送されます。製品を受領したら 4℃で保管してくだ

さい(最長 12 ヶ月間)。長期保存する場合は-20℃で保管してください。

アッセイを-20℃で保管する場合は、オリゴヌクレオチドの劣化を防ぐため、小分けに分注し、凍

結融解の回数を減らすようにして、保管してください。

cDNA合成キットおよびSupermixはドライアイスに詰めて発送され、-20℃で保管する必要があり

ます。詳細については個々の製品取扱説明書をご参照ください。

Page 7: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 3

試薬および機器

遺伝子発現解析に必要とされる消耗品および機器

・ cDNA合成キット

・ 遠心分離機

・ 遺伝子発現解析ソフトウェア

・ マイクロチューブ

・ ヌクレアーゼフリーのピペットチップおよびチューブ

・ ヌクレアーゼフリー水

・ リアルタイム PCR用 Opticalシール

・ PCRプレートまたはストリップ(プレプレートパネルを使用しない場合)

・ ピペットおよびマルチチャンネルピペット

・ 精製 RNAサンプル

・ リアルタイム PCR解析システム

・ SYBR® Green または Probe Supermix

・ TE 緩衝液(pH 7.5、ヌクレアーゼフリー) - 逆転写(RT)コントロールテンプレートの希釈に

使用

・ tRNA 10 ng/mLを含有する TE緩衝液(pH 8.0、ヌクレアーゼフリー) - 検量線の希釈に

使用

性能保証

PrimePCRアッセイは以下のリアルタイム PCR試薬とともに用いた場合の性能が保証されています:

・ iScriptTM Advanced cDNA Synthesis kit for RT-qPCR*

・ iScript cDNA Synthesis Kit

・ iScript Reverse Transcription Supermix for RT-qPCR

・ iScript Explore One-Step RT and PreAmp Kit

・ SsoAdvancedTM PreAmp Supermix

・ SsoAdvancedTM SYBR® Green Supermix*

・ SsoAdvanced Universal Probes Supermix

・ SsoAdvancedTM Universal SYBR® Green Supermix

・ iTaqTM Universal Probes Supermix

・ iTaqTM Universal SYBR® Green Supermix

* バリデーション報告書で使用された試薬

Page 8: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

4 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

適合するリアルタイム PCR 装置

PrimePCRアッセイおよびパネルは、以下のリアルタイム PCRシステムで利用可能です:

バイオ・ラッド

CFX96TM、CFX384TM、CFX96 TouchTM、CFX384 TouchTM、CFX ConnectTM、Chromo4TM、iQTM、

iQTM5、MyiQTM、MyiQTM2、OpticonTM、OpticonTM 2

ABI

7300、7500(Standardおよび Fast)、7900(Standardおよび Fast、96および 384 ウェル)、ViiA 7

(Standard および Fast、96 および 384 ウェル)、QuantStudio(Standard および Fast、96 および

384 ウェル)、StepOnePlus

Stratagene Mx

Eppendorf realplex

Roche LightCycler 480(96および 384 ウェル)

重要:リアルタイム PCRシステムの検出可能蛍光色素をご確認ください。

十分な質と量の RNA を確保する

最適なリアルタイム PCRの結果を得るためには、すべてのサンプルから高品質の RNAを入手し、

実験を開始する必要があります。RNase、塩、タンパク質およびその他の混入物質は RNA サン

プルの完全性を損ない、逆転写およびPCR反応に使用する下流の酵素の性能に影響を及ぼす

ことがあります。

・ 作業スペースから RNase、塩およびタンパク質などの混入物質を除去してください。

・ RNAサンプルの凍結融解回数をできるだけ減らし、可能であれば 1回にしてください。

・ RNAを-80℃で長期保管する場合は、スクリューキャップ式のチューブを使用してください。

・ ヌクレアーゼフリーのプラスチックおよび溶液を使用してください。

・ 遺伝子発現実験を行う前に、RNAの濃度および純度を確認してください。

・ 逆転写反応を行う前に、RNAサンプルをヌクレアーゼフリー水で希釈して質量を合わせてく

ださい。

Page 9: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 5

ゲノム DNAの混入を予防しモニターする

リアルタイムPCR実験中にゲノムDNA(gDNA)が混入すると、遺伝子発現の定量結果が不正確

になるおそれがあります。PrimePCR アッセイは、可能な限りイントロンをまたぐ領域をデザインし

ていますが、高品質なリアルタイムPCRの結果を得るには、gDNAの混入を排除するのが最も実

用的です。

・ RNA精製中に DNaseを用いて DNA分解ステップを実施する。

・ gDNAが存在するかどうかを確認するため、gDNA実験用コントロールを含める(第 2章「遺

伝子発現プロトコール」のステップ 3「DNA混入のコントロールアッセイ」を参照)。

適切なリファレンス遺伝子を選択する

サンプル間のメッセンジャーRNA(mRNA)添加量のばらつきを正規化するために適切なリファレ

ンス遺伝子を選択することは、正確な遺伝子発現解析を行うにあたって重要です。第 6章「リファ

レンス遺伝子の選択およびリファレンス遺伝子パネル」を読み、目的のサンプルに関して安定に

発現する遺伝子標的を決定する方法を確認してください。

色素および蛍光に対してリアルタイム PCR装置を較正する

リアルタイム PCR実験を開始する前に、そのリアルタイム PCR装置が使用する蛍光色素に適合

しているかどうかを確認し、選択した蛍光色素に対して正確に較正してください。CFX MaestroTM

ソフトウェアは、Dye Calibration Wizardが較正に関する簡単なガイドを提供しています(Tools >

Dye Calibration Wizard)。バイオ・ラッドの CFX 装置は、現在、PrimePCR の蛍光色素の選択

肢に対応するため、Pure Dye を用いて工場出荷時に較正されています。較正の設定について

は装置の取扱説明書を参照し、それに従って必要であれば較正を行ってください。

蛍光物質/色素 励起(nm) 蛍光(nm)

SYBR® Green 494 521

5' FAM 495 520

5' HEX 538 555

5' TEX615 596 613

5' Cy5 648 668

5' Cy5.5 685 706

Optical(光学分析用)PCRプレートシールを使用する

リアルタイム PCR データを収集する際には、正確性を期すため Optical シールを使用してくださ

い。粘着シールおよびヒートシール(熱接着シール)のいずれかが選択可能です。バイオ・ラッド

は光学分析用ヒートシールには、PX1TM PCRプレートシーラー(カタログ番号:1814000)を用いて、

PCR プレートを均一にシールすることを推奨しています。サーマルサイクリング中のウェルからの

蒸発を防ぐため、PCR プレートはシールで完全に密封しなければなりません。蒸発はデータのテ

クニカルリプリケートによって特定できます。具体的には、プレートの端寄りのウェルでデータのば

らつきがみられる場合は、蒸発が起こった可能性が高いと言えます。

Page 10: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

6 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

スレッショルド(閾値)設定を決定する

遺伝子発現レベルを正確に定量するには、スレッショルドライン(閾値線)をどこに設定するかが

重要です。サンプル間で遺伝子発現レベルを精確に比較するにはスレッショルドラインが分析対

象のすべてのサンプルに対して均一に規定されている場合にのみ、ある遺伝子に対する Cq値を

決定します。

閾値は装置のソフトウェアを用いてマニュアル設定も自動設定もできますが、すべてのサンプル

に対し、それらが同一のプレートにあるか、複数のプレートにまたがるかどうかに関係なく、同じ閾

値が使用されることが重要です。閾値は、PCR 反応で指数関数的増幅を行っている場合、通常

はベースラインの平均蛍光レベルの 10 SD(標準偏差)以上に設定します。一例ですが、CFX384

Touch リアルタイム PCR解析システムで行ったすべての PrimePCRアッセイのバリデーション実

験では、均一なスレッショルドラインとして 300 rfuを使用しました。

マルチプレックスアッセイの考慮事項

PrimePCR プローブアッセイが同じサーマルサイクラー条件下で成功するように最適化されてき

た結果、複数のアッセイを異なる蛍光色素を用いて同じウェル内で使用することができるように

なりました。マルチプレックス反応で得られたデータが、シングルプレックス反応で得られたデー

タと同等であることを保証するには、マルチプレックスおよびシングルプレックス反応の両方でア

ッセイ性能を評価することが必須となります。マルチプレックスの最適化方法に影響を及ぼすた

め、標的配列の発現レベルを把握することも重要です。マルチプレックス化に関する詳細は、

SsoAdvanced Universal Probes Supermixの使用説明書をご覧ください。

マルチプレックス反応を行う際の考慮事項を以下に簡単に挙げます:

・ 遺伝子標的の発現レベルを確認します。

・ 低発現の標的には輝度の高い蛍光色素を使用します。

・ シングルプレックス反応とマルチプレックス反応の検量線を比較します。

・ 増幅バイアスを最小限に抑えるため、マルチプレックス反応の効率は同等でなければなりま

せん。

・ マルチプレックスアッセイ間で標的の存在量が大きく違わないようにします。

Page 11: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 7

2 遺伝子発現解析プロトコール

本章では、RNA の単離、cDNA の合成、リアルタイム PCR 反応の設定(各 PrimePCRTMフォー

マットを用いた場合)およびリアルタイムPCR装置のランに関するプロトコールをご説明します。実

験のフォーマットについては適切なプロトコールに従ってください(チューブアッセイ、96または 384

ウェルプレート)。逆転写および PCR反応と並行してコントロールを設定することを忘れないでくだ

さい。

概要:リアルタイム PCRのワークフロー

ステップ 1:RNAの単離 ・AurumTM Total RNA Mini Kit

・Aurum Total RNA Fatty and Fibrous Kit

ステップ 2:cDNAの合成 ・逆転写試薬の iScriptTMシリーズ

オプション:プレアンプリフィケーション反応の準備

-PrimePCR PreAmpアッセイ

-SsoAdvanced PreAmp Supermix

ステップ 3:リアルタイム PCR反応の準備 ・PrimePCRアッセイおよびパネル

・SsoAdvancedTM Universal Supermix

ステップ 4:リアルタイム PCR実施 ・CFX リアルタイム PCR解析システム

ステップ 5:遺伝子発現データの解析 ・CFX MaestroTMソフトウェア

・PrimePCR Analysisソフトウェア

Page 12: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

8 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

ステップ 1:RNAの単離

1. Aurum RNA 精製キットまたは同等品を用いて RNA サンプルを単離精製します。Aurum

Total RNA Mini Kit(カタログ番号 7326820)および Aurum Total RNA Fatty and Fibrous

Tissue Kit(カタログ番号 7326830)を用いれば、多岐にわたる細胞および組織から RNAを

単離することができます。これには DNAフリーの Total RNAを確保するための DNase分解

ステップが含まれます。詳細なプロトコールについては使用説明書をご参照ください。

2. RNAサンプルの完全性および純度を解析します。

a. Agilent Bioanalyzerまたは同等品を用いて、RNAサンプルの完全性を評価します。遺

伝子発現解析にあたっては、RNA integrity number(RIN)値がサンプル間で同等であ

ることを確認し、正確なリアルタイム PCR の結果を得られるようにします。RIN 値 10 は

RNAが無傷であることを示すのに対し、1は RNAの劣化を示します。

b. 上記の装置が利用できない場合は、アガロースゲルを用いて RNA の完全性を評価し

ます。高品質の真核細胞 RNAでは、18Sおよび 28Sの明確なピークが 2つ得られます。

劣化した RNAはゲル上にスメアとして現れます。

c. 純度を評価するには、以下の分光光度計の測定値を評価します:

純粋 RNA(DNA混入の評価):A260/A280 > 2.0

純粋 RNA(タンパク質混入の評価):A260/A230 〜2.0

比率の低さは、塩、炭水化物、ペプチド、タンパク質、フェノールおよびグアニジンチオ

シアン酸塩といった混入物質の存在を示します。

3. 分光光度計を用いて Total RNAの濃度を評価します。

4. ヌクレアーゼフリー水で希釈し、サンプル間の RNA濃度を合わせます。

5. 同濃度の RNAサンプルを、1回分の使用量に分注して、-80℃で保管します。

ステップ 2:cDNAの合成

cDNA 合成用の逆転写試薬である iScript シリーズを使用します。PrimePCR アッセイの wet-lab

バリデーションには iScript Advanced cDNA Synthesis Kitが使用されています。一回の 20 µl反

応で、Total RNAの添加可能量最大 7.5 µgの 2チューブキットを使用すれば、データスループッ

トが増大し、可能な限り広いリニアダイナミックレンジが得られます。

1. キットの内容物および正規化された RNAサンプルを氷上で解凍します。成分をよく混合し、

スピンダウンして、チューブの底の溶液を採取して、氷上で保管します。

2. 各 cDNA合成反応に対し、同量の RNAを使用します。通常は total RNA 1〜5 µgで十分

ですが、標的の転写産物量に応じて調整することができます。 試薬 内容

5x iScript Advanced Reaction Mix

(赤色キャップ)

dNTP、oligo(dT)、ランダムプライマー、緩衝液、

MgCl2、エンハンサーおよび安定剤を含む 5x反応混合液

iScript Advanced Reverse Transcriptase

(オレンジ色キャップ) iScript MMLV-RT (RNase H+)および RNase阻害物質

ヌクレアーゼフリー水

Page 13: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 9

3. 各 RNAサンプルに対し、氷上で cDNA合成反応液を調製します。

4. PrimePCR RT コントロールアッセイを使用する場合は、凍結乾燥 RT コントロールアッセイ

テンプレートを、ヌクレアーゼフリーTE(pH7.5) 200 µlまたはRNAサンプルを希釈するのに

使用するのと同じ試薬で希釈します。テンプレートを氷上で保管します。テンプレートは

RNAサンプルと同様、凍結融解を複数回行ったり、室温で保管したり、RNaseに曝露すると、

分解します。cDNA 合成反応液を調製する場合は、希釈済みの RT コントロールプレート 1

µlを添加します。

組成 反応液あたりの容量

5x iScript Advanced Reaction Mix 4l

iScript Advanced Reverse Transcriptase 1l

RNA (100 fg〜7.5 µg)* 適宜

RT コントロールアッセイテンプレート 1l

ヌクレアーゼフリー水 適宜

合計量 20l

*標的遺伝子の発現レベルおよび用意できるサンプル量によっては、RNA の添加量を最適化する必要が

生じることがあります。算出例についてはステップ 6をご参照ください。

5. すべての反応混合液を以下のプロトコールを用いてサーマルサイクラー内でインキュベート

します:

逆転写(RT):42℃で 30分間

RT不活化:85℃で 5分間

6. cDNA 反応液を必要量まで希釈し、リアルタイム PCR 反応を行います。1 回のリアルタイム

PCR反応あたりの理想的な cDNA添加量は 1〜25 ngです。RNA添加量または cDNAの

希釈レベルを変更することにより、目的遺伝子群で得られる遺伝子発現の結果を最適化す

ることができます。以下は、96 種類のターゲット遺伝子が入った PrimePCR96 ウェルパネル

でリアルタイム PCR反応を 1回行うたびに必要となる、RNA添加量から cDNA量までの段

階的な算出例を示します。

RT反応液 20 µLあたり RNA添加量 1 µg = 50 ng/µL

cDNAを 100 µLに希釈 = 10 ng/µL

リアルタイム PCR 反応液 20 µL あたり希釈済み cDNA 1 µL を使用 = 反応ごとに

cDNA10 ng

プレアンプリフィケーション(プレアンプ:前増幅)反応液の調製およびラン(オプション)

少量の cDNAでバイアスのない増幅を行いたい場合は、リアルタイムPCR反応液の調製に進む

前に、プレアンプリフィケーションプロトコールを行います。

PrimePCR PreAmpアッセイを用いたプレアンプリフィケーションアッセイプールの調製

1. 各 PreAmpアッセイ(100アッセイまで)5 µLをマイクロチューブに添加します。

2. ヌクレアーゼフリー水を用いてアッセイプールの合計量を 500 µLにします。

3. よく混合し、スピンダウンして氷上で保管します。

4. 反応液 50 µLにつき、このアッセイプールを 5 µL使用します。

注意:アッセイプールは 4℃で最長 30 日、-20℃で最長 1 年間安定です。PrimePCR コントロー

ルアッセイは現在プレアンプリフィケーションに対応していません。

Page 14: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

10 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

プレアンプリフィケーション反応液の調製

1. SsoAdvanced PreAmp Supermixおよび cDNAサンプルを解凍します。転倒混和または 15

秒間のボルテックスによってよく混合します。スピンダウンして各チューブの溶液を採取し、

氷上で遮光しながら保管します。

2. プレアンプリフィケーション反応液を氷上で調製します。アッセイの精度および確度を保証

するために、慎重なピペッティングを行う必要があります。

組成 反応液あたりの容量 最終濃度

2x SsoAdvanced PreAmp Supermix 25 l 1x

PrimePCR PreAmp Pool 5 l 1x

cDNAサンプル 適宜 250 ng 〜 100 pg

ヌクレアーゼフリー水 適宜 -

合計量 50 l -

3. 反応液を均一になるまでよく混合し、PCR チューブまたは PCR プレートのウェルに分注しま

す。

4. PCR チューブまたはプレートをサーマルサイクラーに入れ、以下のサーマルプロトコールに

従って PCRを実行します。

ステップ 温度 時間 サイクル数

活性化 95C 3分 1

変性 95C 15秒 10-12

アニーリング/伸長 58C 4分 10-12

保持 4C 1

5. ランが終了したら、プレアンプリフィケーション反応液は-20℃で最長 12 ヶ月間、4℃で最長

72時間保存することができます。

6. 反応を終了したプレアンプリフィケーション反応液は、最低でも 1:5の割合でTE緩衝液にて

希釈する必要があります。ただし、その後のリアルタイムPCRで予定されるアッセイ回数およ

びレプリケート数によっては、さらに大きな希釈容量が必要になることもあります。たとえば、レ

プリケートを用い、1反応に 2 µlを使用してリアルタイムPCRアッセイを 100回行うのに十分

な量は、1:15の希釈となります。

トリプリプリケートでリアルタイム PCR アッセイを 100 回=100 回のアッセイ×3 つのレプリ

ケート×2 µl=必要量 600 µl

プレアンプリフィケーション反応液を 1:15で希釈=750 µl

150 µlの余り

7. 96または 384ウェルプレートに対し、それぞれリアルタイム PCR反応液 20 µlあたり希釈液 2

µl またはリアルタイム PCR反応液 10 µlあたり希釈液 1 µlを使用します。

注意:プレアンプリフィケーション後に SsoAdvanced Universal SYBR® Green Supermix for リ

アルタイムPCRを使用する場合、Cq値の遅延または効率の低下が認められる際には、活性化お

よび変性のステップを 98℃で実行してください。

Page 15: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 11

ステップ 3:リアルタイム PCR反応液の調製

フォーマットごと(96 ウェルプレート、384 ウェルプレートまたはチューブアッセイ)に、リアルタイム

PCR反応液の調製プロトコールをご紹介します。PrimePCRコントロールアッセイ用のプロトコール

は反応液のセットアップ方法に含まれています。実験コントロールアッセイの解釈については第 3

章をご覧ください。

疾患/代謝/パスウェイ等パネルまたはカスタムプレート - 96 ウェルフォーマット

プライマーは各ウェル内で凍結乾燥されています。したがって、他のすべての成分を PCR 反応

液に添加してください。

1. SsoAdvancedTM Universal SYBR® Green Supermix、cDNAサンプルおよびポジティブコ

ントロール DNA テンプレート(PCR コントロールアッセイがプレート上に存在する場合)を解

凍します。転倒混和または 15 秒間のボルテックスによってよく混合し、スピンダウンして各チ

ューブの溶液を採取し、氷上で遮光しながら保管します。

2. PrimePCR 96 ウェルプレートを室温になるまで静置してから、シールを外します。

3. ターゲットが入った 96 ウェルプレートを調製したい場合は、各 cDNA サンプルを合計容量

100 µl まで希釈します。

4. 必要な成分すべてを添加して、すべてのリアルタイム PCR 反応を行うのに十分な量の反応

液を(氷上または室温で)調製します。マルチプレックス反応を行いたい場合は、その比率

に応じてスケールアップを行なってください。CFX MaestroTM ソフトウェアには、希望の実験

に合わせたスケールアップ計算ができる Mastermix Calculator(計算機)が備わっていま

す。

組成 反応液あたりの容量 最終濃度

20x PrimePCRアッセイ ウェル内で乾燥 1x

2x SsoAdvancedTM Universal SYBR® Green Supermix 10 l 1x

cDNAサンプル 1-4 l* 100 ng 〜 100 fg*

ヌクレアーゼフリー水 適宜 -

合計量 20 l -

* ステップ 2の「cDNAの合成」で計算済み。PCR阻害物質の過度のキャリーオーバーを避けるため、反応液

容量の 20%(4 µl)を超える cDNAサンプルを添加しないでください。

5. PCR反応液 20 µlを各ウェルに移します。

6. オプション:PCRコントロールアッセイテンプレート 1 µlを適切なウェルに添加します(合計量

は 21 µl となります。追加した容量がリアルタイム PCR 反応に影響を及ぼすことはありませ

ん)。

7. Optical シールでプレートを密封します。オプション:スピンダウンして、反応溶液中の泡を

取り除きます(室温で 4,000 rpmにて 2分間)。

8. 96 ウェル PCRプレートをリアルタイム PCR装置に入れます。

Page 16: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

12 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

疾患/代謝/パスウェイ等パネルまたはカスタムプレート - 384 ウェルフォーマット

プライマーは各ウェル内に凍結乾燥されています。したがって、他のすべての成分を PCR 反応

液に添加してください。

1. SsoAdvancedTM Universal SYBR® Green Supermix、cDNAサンプルおよびポジティブコ

ントロール DNA テンプレート(PCR コントロールアッセイがプレート上に存在する場合)を解

凍します。転倒混和または 15 秒間のボルテックスによってよく混合し、スピンダウンして各チ

ューブの溶液を採取し、氷上で遮光しながら保管します。

2. PrimePCR 384ウェルプレートを室温になるまで静置してから、シールを外します。

3. ターゲットが入った 384 ウェルプレートを調製したい場合は、各 cDNA サンプルを合計容量

400 µl まで希釈します。

4. 必要な成分すべてを添加して、すべてのリアルタイム PCR 反応を行うのに十分な量の反応

液を(氷上または室温で)調製します。マルチプレックス反応を行いたい場合は、その比率

に応じてスケールアップを行なってください。CFX Maestro ソフトウェアには、実験に合わせ

たスケールアップ計算ができる Mastermix Calculator(計算機)が備わっています。

組成 反応液あたりの容量 最終濃度

20x PrimePCRアッセイ ウェル内で乾燥 1x

2x SsoAdvancedTM Universal SYBR® Green Supermix 5 l 1x

cDNAサンプル 0.5-2 l* 100 ng 〜 100 fg*

ヌクレアーゼフリー水 適宜 -

合計量 10 l -

* ステップ 2の「cDNAの合成」で計算済み。PCR阻害物質の過度のキャリーオーバーを避けるため、反応液

容量の 20%を超える cDNAサンプルを添加しないでください。

5. PCR反応混合液 10 µlを各ウェルに移します。

6. オプション:PCR コントロールアッセイテンプレート 0.5 µlを適切なウェルに添加します(合計

量は 10.5 µl となります。追加した容量がリアルタイム PCR反応に影響を及ぼすことはありま

せん)。

7. Optical シールでプレートを密封します。オプション:スピンダウンして、反応溶液中の泡を

取り除きます(室温で 4,000 rpmにて 4分間)。

注意:384 ウェルプレートから気泡を取り除くことは困難であるため、ピペッティング中に気泡

が入らないように注意してください。

8. 384 ウェル PCRプレートをリアルタイム PCR装置に入れます。

Page 17: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 13

チューブフォーマットのアッセイ

プライマーアッセイ、プローブアッセイおよびコントロールアッセイに関するプロトコールを以下に

記載します。チューブフォーマットの PrimePCR アッセイは 20x ストック溶液としてすぐに使えま

す。

SYBR® Greenアッセイ

1. SsoAdvancedTM Universal SYBR® Green Supermix、PrimePCRTM SYBR® Greenアッセ

イ、cDNA サンプルおよびポジティブコントロール(使用する場合)を室温まで解凍します。転

倒混和または 15 秒間のボルテックスによってよく混合し、スピンダウンして各チューブの溶

液を採取し、氷上で遮光しながら保管します。

2. 必要な成分すべてを添加して、すべてのリアルタイム PCR 反応を行うのに十分な量の反応

液を(氷上または室温で)調製します。PrimePCRTM SYBR® Greenアッセイは、20xストック

溶液として提供されています。レプリケートを使用する場合は、その比率に応じてスケールア

ップを行なってください。CFX MaestroTM ソフトウェアには、実験に合わせたスケールアップ

計算ができる Mastermix Calculator(計算機)が備わっています。

組成 反応液あたりの容量 最終濃度

96 ウェル 384 ウェル

20x PrimePCRアッセイ 1 l 0.5 l 1x

2x SsoAdvancedTM Universal SYBR® Green Supermix 10 l 5 l 1x

cDNAサンプル 1-4 l* 0.5-2 l 100 ng 〜 100 fg*

ヌクレアーゼフリー水 適宜 適宜 -

合計量 20 l 10 l -

* ステップ 2の「cDNAの合成」で計算済み。PCR阻害物質の過度のキャリーオーバーを避けるため、反応液

容量の 20%を超える cDNAサンプルを添加しないでください。

3. 適切な量のPCR反応混合液を各チューブまたはウェルに移します:96ウェルプレートには 20

µl、384 ウェルプレートには 10 µlを移してください。

4. オプション:コントロール反応液をセットアップし、サンプルの品質および PCR と RT の反応

性能を確認してください。

5. Optical シールでプレートを密封します。オプション:スピンダウンして、反応溶液中の泡を

取り除きます(室温で 4,000 rpmにて 2分間)。

6. PCRプレート(またはチューブ)をリアルタイム PCR装置に入れます。

Page 18: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

14 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

プローブアッセイ

1. SsoAdvanced Universal Probe Supermix、PrimePCRプローブアッセイ、cDNAサンプル

およびポジティブコントロール(使用する場合)を室温まで解凍します。転倒混和または 15秒

間のボルテックスによってよく混合し、スピンダウンして各チューブの溶液を採取し、氷上で

遮光しながら保管します。

2. 必要な成分すべてを添加して、すべてのリアルタイム PCR 反応を行うのに十分な量の反応

液を(氷上または室温で)調製します。PrimePCR プローブアッセイは、20x ストック溶液とし

て提供されています。レプリケートを使用する場合は、その比率に応じてスケールアップを

行なってください。CFX MaestroTMソフトウェアには、実験に合わせたスケールアップ計算が

できる Mastermix Calculator(計算機)が備わっています。

組成 反応液あたりの容量 最終濃度

96 ウェル 384 ウェル

20x PrimePCRアッセイ 1 l 0.5 l 1x

2x SsoAdvancedTM Universal Probes Supermix 10 l 5 l 1x

cDNAサンプル 1-4 l* 0.5-2 l* 100 ng 〜 100 fg*

ヌクレアーゼフリー水 適宜 適宜 -

合計量 20 l 10 l -

* ステップ 2の「cDNAの合成」で計算済み。PCR阻害物質の過度のキャリーオーバーを避けるため、反応液

容量の 20%を超える cDNAサンプルを添加しないでください。

3. 適切な量の PCR反応液を各チューブまたはウェルに移します:96ウェルプレートには 20 µl、

384 ウェルプレートには 10 µlを移してください。

4. オプション:コントロール反応液をセットアップし、サンプルの品質および PCR と RT の反応

性能を確認してください。

5. Optical シールでプレートを密封します。オプション:スピンダウンして、反応溶液中の泡を

取り除きます(室温で 4,000 rpmにて 2分間)。

6. PCRプレート(またはチューブ)をリアルタイム PCR装置に入れます。

実験コントロールアッセイ

ポジティブコントロール(PCR)、DNA コンタミネーションアッセイ(gDNA)、RNA クオリティーアッセ

イ(RQ1 および RQ2)の調製や結果の解釈については次章「3.実験コントロールアッセイの調製

と解釈」をご参照ください。

Page 19: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 15

ステップ 4:リアルタイム PCRシステムでのサイクリングプロトコール

PCRチューブまたはプレートをリアルタイムPCR装置に入れ、下表に従ってサーマルサイクリング

プロトコールを設定します。リアルタイム PCRのランを開始します。

ステップ 温度 時間 サイクル数

活性化 95C 2分* 1

変性 95C 5秒 40

アニーリング/伸長 60C 30秒 40

融解曲線** 65〜95℃

(0.5℃刻み) 5秒/ステップ 1

* 活性化は 30秒まで短縮することができます。バイオ・ラッドの Supermixでは 10分の活性化時間は使用しない

でください。

** 融解曲線ステップは SYBR® Greenの解析のみに使用します。

ステップ 5:遺伝子発現データの解析

得られたデータを処理し、CFX Maestro または他の解析ソフトウェアで結果を評価します。方法

の詳細については第 5章「CFX Maestro クイックガイド」を参照するか、装置またはソフトウェアの

取扱説明書をご覧ください。PrimePCR コントロールアッセイを使用した場合は、第 3章をご参照

の上、サンプルの品質および反応の性能を解釈してください。

Page 20: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

16 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

Page 21: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 17

3 実験コントロールアッセイの調製と解釈

PrimePCRTM実験コントロールアッセイは、サンプルの品質、逆転写およびリアルタイムPCR反応

の性能への影響を評価するためにデザインされています。どのようなアッセイでもサンプルでも併

用していただけます。本章では、コントロールアッセイの調製方法と解釈方法をご説明します。

ポジティブ PCR コントロールアッセイ(PCR)

目的:ポジティブPCRコントロールアッセイ(PCR)は、サンプルDNA中に、遺伝子発現の結果に

悪影響を及ぼす阻害物質や他の因子が含まれていないかどうかを確認するものです。本アッセ

イのテンプレートDNAにはヒトまたはマウスのゲノム中には存在しない配列の合成DNAが用いら

れています。

以下の品質評価のためにデザインされました:

・ 単一サンプルに関連するリアルタイム PCR反応の性能

・ 種々のサンプルに関連するリアルタイム PCR反応の相対的性能

フォーマット:

・ チューブ アッセイ - 200反応(20xストック溶液にプライマーと DNAテンプレートが含まれ

ます)

・ 96 ウェルまたは 384 ウェルプレート - プライマーは指定されたプレート上のウェル中に凍結

乾燥されており、DNAテンプレートは個別のチューブで提供されます。

組成および調製方法:

1. 各 cDNA サンプルにつき、ポジティブ コントロール反応液を調製します(テンプレートとアッ

セイを同じチューブ内で調製)。

組成 反応液あたりの容量 最終濃度

96 ウェル 384 ウェル

20x PrimePCRポジティブ PCR コントロールアッセイ 1 l 0.5 l 1x

2x SsoAdvanced Supermix 10 l 5 l 1x

cDNAサンプル 1-4 l* 0.5-2 l* 100 ng 〜 100 fg*

ヌクレアーゼフリー水 適宜 適宜 -

合計量 20 l 10 l -

* 前章ステップ 2の「cDNAの合成」で計算済み。PCR阻害物質の過度のキャリーオーバーを避けるため、反

応液容量の 20%を超える cDNAサンプルを添加しないでください。

2. PrimePCRサイクリングプロトコールに従ってください。

3. リアルタイム PCR反応の性能を評価します(次項「解釈」をご参照ください)。

Page 22: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

18 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

解釈:

・ 単一サンプル - Cq 〜 30は、PCRの反応性が不良であることを示します。遺伝子発現の

結果に影響を及ぼす可能性が高いといえます。

・ 2つ以上のサンプル - サンプルのうち1つをコントロールとして、コントロールサンプルと他の

サンプルとの間のΔCqを求めます。:

|(コントロールサンプルの Cq) 〜 (サンプルの Cq)| = ΔCq

ΔCq > 1は、サンプルがリアルタイム PCR性能に及ぼす影響に差があり、遺伝子発現

の結果に影響を及ぼす可能性が高いことを示します。

Page 23: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 19

逆転写コントロールアッセイ(RT)

目的:逆転写(RT)コントロールアッセイは、合成 RNA テンプレートを逆転写反応液に加えて、

RTの性能を評価するものです。この合成 RNAテンプレートの配列は、ヒトまたはマウスの

トランスクリプトーム中には存在しません。

以下の品質評価のためにデザインされました:

・ 単一サンプルに関連する逆転写反応の性能

・ 種々のサンプルに関連する逆転写反応の相対的性能

フォーマット:

・ チューブ アッセイ 〜 以下が含まれます。

20xストック溶液 PrimePCR逆転写コントロールプライマーアッセイ(200反応分)

凍結乾燥 RT コントロールアッセイ RNAテンプレート(200反応分)

・ 96 ウェルまたは 384 ウェルプレート - プライマーは指定されたプレート上のウェル中に凍結

乾燥されており、DNAテンプレートは個別のチューブで提供されます。

組成および調製方法:

1. 凍結乾燥 RTコントロールアッセイ RNAテンプレートをヌクレアーゼフリーの TE(pH7.5)200

µLまたはRNAサンプルを希釈するのに使用するのと同じ試薬で再懸濁します。テンプレー

トを氷上で保管します。テンプレートは RNA サンプルと同様、凍結融解を複数回行ったり、

室温で保管したり、RNaseに曝露すると、分解します。

2. 各 RNAサンプルにつき、コントロールの RNAテンプレート 1 µLを各 cDNA合成反応液 20

µLに含め、逆転写反応を進めます。

3. cDNAを合成・希釈後、逆転写コントロール反応液を調製します。

組成 反応液あたりの容量 最終濃度

96 ウェル 384 ウェル

20x PrimePCR RT コントロールアッセイ 1 l 0.5 l 1x

2x SsoAdvanced Supermix 10 l 5 l 1x

RT コントロールテンプレート入り cDNAサンプル 1-4 l* 0.5-2 l* 100 ng 〜 100 fg*

ヌクレアーゼフリー水 適宜 適宜 -

合計量 20 l 10 l -

* 前章ステップ 2の「cDNAの合成」で計算済み。PCR阻害物質の過度のキャリーオーバーを避けるため、反

応液容量の 20%を超える cDNAサンプルを添加しないでください。

4. PrimePCRサイクリングプロトコールに従ってください。

5. RT反応の性能を評価します(次項「解釈」をご参照ください)。

解釈:

・ 単一サンプル - Cq 〜 30 は、逆転写の反応性が不良であることを示します。遺伝子発現

の結果に影響を及ぼす可能性が高いといえます。

・ 2つ以上のサンプル - サンプルのうち1つをコントロールとして、コントロールサンプルと他の

サンプルとの間のΔCqを求めます。:

|(コントロールサンプルの Cq) 〜 (サンプルの Cq)| = ΔCq

ΔCq > 1 は、サンプルが逆転写性能に及ぼす影響に差があり、遺伝子発現の結果に

影響を及ぼす可能性が高いことを示します。

Page 24: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

20 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

ゲノム DNA コンタミネーション コントロールアッセイ(gDNA)

目的:ゲノム DNA コンタミネーション コントロールアッセイ(gDNA)は、ゲノムの非転写領域を標

的とする種特異的なコントロールアッセイです。

以下の品質評価のためにデザインされました:

・ サンプル中にゲノムDNA(gDNA)がリアルタイムPCRの結果に影響を及ぼす量で存在する

かどうかを評価します

・ 種々のサンプルに存在する混入 gDNAの相対量を評価して、リアルタイムPCRの結果に影

響が生じるかどうかを確認します

フォーマット:

・ チューブアッセイ 〜 200反応(20xストック溶液)

・ 96 ウェルまたは 384 ウェルプレート - プライマーは指定されたプレート上のウェル中に凍結

乾燥されています。

組成および調製方法:

1. 各 cDNAサンプルにつき、DNA コンタミネーションコントロール反応液を調製します。

組成 反応液あたりの容量 最終濃度

96 ウェル 384 ウェル

20x PrimePCR gDNA コントロールアッセイ 1 l 0.5 l 1x

2x SsoAdvanced Supermix 10 l 5 l 1x

RT コントロールテンプレート入り cDNAサンプル 1-4 l* 0.5-2 l* 100 ng 〜 100 fg*

ヌクレアーゼフリー水 適宜 適宜 -

合計量 20 l 10 l -

* 前章ステップ 2の「cDNAの合成」で計算済み。PCR阻害物質の過度のキャリーオーバーを避けるため、反

応液容量の 20%を超える cDNAサンプルを添加しないでください。

2. PrimePCRサイクリングプロトコールに従ってください。

3. RT 反応の性能を評価します(次項「解釈」をご参照ください)。→gDNA のコンタミネーショ

ンを評価します。

解釈:

単一サンプル:

・ Cq 〜 35:単一コピー未満の検出であり、gDNAの不在を示します。

・ Cq < 35:サンプルに gDNAが混入しており、遺伝子発現の結果に影響が生じる可能性を示

します。gDNA の混入がサンプルのシグナルに及ぼす相対的な寄与度は、以下の式を用い

て、目的遺伝子(GOI:Gene of Interest)の Cq値と DNA混入コントロールアッセイの Cq値を

比較することで決定することができます:

|(GOIの Cq) 〜 (gDNAの Cq)| = ΔCq

Page 25: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 21

ΔCq 寄与率

1 50%

2 25%

3 12.5%

4 6.25%

5 3.13%

6 1.56%

7 0.78%

2つ以上のサンプル:サンプルのうち 1つをコントロールとして、コントロールサンプルと他のサンプ

ルとの間のΔCqを求めます。:

|(コントロールサンプルの gDNA Cq) 〜 (サンプルの gDNA Cq)| = ΔCq

ΔCq < 1:サンプルに同程度の量の gDNAが存在しますが、gDNAの混入が結果に影響を及ぼ

すことはほぼ無いといえます。

ΔCq 〜 1:サンプル間に異なる量の gDNA が存在します。gDNA の混入が結果に影響を及ぼ

す可能性があります。

Page 26: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

22 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

RNA クオリティーアッセイ(RQ1および RQ2)

目的: RNA クオリティーアッセイは、同一の転写産物を標的とした一対(RQ1 および RQ2)のア

ッセイです。RQ1 および RQ2 アッセイの標的部位とアンプリコンサイズは異なっており、RQ1およ

び RQ2アッセイは各 cDNAサンプルに対して必ず一対で使用する必要があります。Cq値が異な

る場合は、RNA の分解によって遺伝子発現の結果に悪影響が生じる可能性があることを示しま

す。

以下の品質評価のためにデザインされました:

・ RNAの完全性が 1つのサンプルの PCR結果に悪影響を及ぼすかどうかを評価します

・ サンプル間の RNA の相対的な完全性を評価して、リアルタイム PCR の結果に影響が生じ

るかどうかを確認します

フォーマット:

・ チューブアッセイ 〜 以下が含まれます。

RQ1 RNA クオリティーアッセイの 200反応(20xストック溶液)

RQ2 RNA クオリティーアッセイの 200反応(20xストック溶液)

・ 96ウェルまたは 384ウェルプレート - RQ1および RQ2のプライマーは指定されたプレート上

のウェル中に凍結乾燥されています。

組成および調製方法:

1. 各 cDNAサンプルにつき、RQ1およびRQ2 RNAクオリティーアッセイ反応液を調製します。

組成 反応液あたりの容量 最終濃度

96 ウェル 384 ウェル

20x PrimePCR RQ1アッセイ 1 l 0.5 l 1x

2x SsoAdvanced Supermix 10 l 5 l 1x

cDNAサンプル 1-4 l* 0.5-2 l* 100 ng 〜 100 fg*

ヌクレアーゼフリー水 適宜 適宜 -

合計量 20 l 10 l -

組成 反応液あたりの容量 最終濃度

96 ウェル 384 ウェル

20x PrimePCR RQ2 アッセイ 1 l 0.5 l 1x

2x SsoAdvanced Supermix 10 l 5 l 1x

cDNAサンプル 1-4 l* 0.5-2 l* 100 ng 〜 100 fg*

ヌクレアーゼフリー水 適宜 適宜 -

合計量 20 l 10 l -

* 前章ステップ 2の「cDNAの合成」で計算済み。PCR阻害物質の過度のキャリーオーバーを避けるため、反

応液容量の 20%を超える cDNAサンプルを添加しないでください。

2. PrimePCRサイクリングプロトコールに従ってください。

3. リアルタイム PCR反応の性能を評価します(次項「解釈」をご参照ください)。

Page 27: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 23

解釈:

・ 単一サンプル - RQ1 および RQ2 アッセイ間のΔCqを決定するには、以下の式を用いてく

ださい:

|(RQ2の Cq) 〜 (RQ1の Cq)| = ΔCq

ΔCq 〜 3.0:RNA の分解はごくわずかであり、遺伝子発現の結果に影響を及ぼすこと

はほぼ無いといえます。

ΔCq > 3.0:RNA の完全性が、遺伝子発現の結果に悪影響を及ぼす可能性がありま

す。

・2 つ以上のサンプル:サンプルのうち 1 つをコントロールとして、コントロールサンプルと他のサン

プルとの間のΔΔCqを求めます。:

[ |(指定したコントロールサンプルの RQ2 Cq) 〜 (指定したコントロールサンプルの RQ1

Cq)| ] 〜 [ |(サンプルの RQ2 Cq) 〜 (サンプルの RQ1 Cq)| ] = ΔΔCq

ΔΔCq = 0〜1.0:サンプルの品質は同等です。遺伝子発現の結果に影響を及ぼすこと

はほぼ無いといえます。

ΔΔCq = 1.0〜2.0:RNAの完全性に差があります。遺伝子発現の結果に軽度から中等

度の影響が生じる可能性があります。

ΔΔCq > 2.0:RNAの完全性に差があります。遺伝子発現の結果に重大な影響が生じ

る可能性があります。

Page 28: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

24 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

Page 29: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 25

4 DNAテンプレート

PrimePCRTM DNAテンプレートは、対応する遺伝子特異的 PrimePCRアッセイに相補的な一本

鎖合成 DNAテンプレートです。各テンプレートは、固有のアッセイ IDが割り振られた PrimePCR

アッセイに使用されます。SYBR® Greenアッセイに使用するテンプレートは長さが 60塩基対で、

プローブアッセイに使用するテンプレートは長さが 90 塩基対です。正しい PrimePCR アッセイと

使用すると陽性のリアルタイム PCR 結果を示すようにデザインされており、検量線の作成に使用

することもできます。

フォーマット:個々のテンプレート-アッセイ特異的テンプレートの 200 反応(20x ストック溶液)

(20x106コピー/µl)

手順:

1. リアルタイム PCRのコントロールとして使用する場合は、反応液を調製します。

組成 反応あたりの容量 最終濃度

96 ウェル 384 ウェル

目的遺伝子用の 20x PrimePCRアッセイ 1 l 0.5 l 1x

2x SsoAdvancedTM Supermix 10 l 5 l 1x

目的遺伝子用の 20x PrimePCR cDNAテンプレート 1 l 0.5 l 20x106コピー/µL

ヌクレアーゼフリー水 8 l 4 l -

合計量 20 l 10 l -

2. PrimePCRプロトコールに従い、結果を評価してアッセイの性能を決定します。

解釈:リアルタイム PCRのコントロールとして使用する場合

・ Cq < 30:アッセイ性能に影響は生じません。

・ Cq > 30:PCR性能が不良であり、結果に影響が生じる可能性が高いといえます。

検量線:

2000 万コピーから 20 コピーへの 7 点 10 倍段階希釈により、検量線を作成します。tRNA 10

ng/mLを TE(pH8.0)に溶解したストック溶液の段階希釈液を調製します。

Page 30: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

26 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

Page 31: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 27

5 CFX Maestro ソフトウェアのクイックガイド

詳細な使用方法については、CFX機器取扱説明書またはCFX Maestroソフトウェア取扱説明書

をご参照ください。

PrimePCRTMランのセットアップ

1. PrimePCR プロトコールを開始するには、Startup Wizard から PrimePCR ボタンを選択し、

File > New > PrimePCR run と進むか、PrimePCRRunファイル*を CFX Maestroのメイン

ウィンドウにドラッグ&ドロップします。

2. Prime PCR ランが選択されたら、Start Run タブに Run Setup ウィンドウが開きます。

PrimePCRのデフォルトのプロトコールおよびプレートレイアウトが読み込まれます。

3. SYBR® Green または FAMを用いる実験の場合は、SYBR/FAMスキャンモードを選択しま

す。その他の蛍光色素(HEX および Tex615)を使用するプローブアッセイまたは多重実験

の場合は、Plateタブを開き、Edit Selectedオプションを用いて、特定の蛍光色素を選び、

All Channelsスキャンモードを選択します。

4. SYBR® Greenアッセイの場合は、Protocol タブで Include Melt Stepを選択します。プロー

ブアッセイの場合はこの選択を外してください。

5. プレートとプロトコールが読み込まれたら、Close Lid、Start Runの順でクリックします。

* PrimePCR プレデザインプレートおよびカスタムプレートの Run ファイルは、www.bio-rad.com/primepcr でダウンロードで

きます。ダウンロード時には Web サイトを英語表示にしてください。 カスタムプレートは、設定および購入後、「My

PrimePCR」に保存されます。 プレデザインパネルは、プレートレビューページの「Run File(.zip)」からダウンロード可能です。

Page 32: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

28 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

遺伝子発現実験のデータ解析

1. プロトコール実行の前または後に、プレデザインまたはカスタムプレートに PrimePCR ランフ

ァイルをドラッグ&ドロップし、データ解析用にアッセイ名を登録します。もしくは、File > Open

> Date file を選択してデータファイルを開きます。複数プレートのデータを解析する場合は、

ステップ 5に進み、Gene Studyの設定を行います。

2. プレートにはコントロールのほか、サンプルとターゲットの情報が含まれます。Experiment

Settingsでリファレンスとなる遺伝子を Referenceにチェックをつけて選択してください。

3. 正規化した遺伝子発現解析に関する上記の要件が満たされれば、Data Analysisウィンドウ

の Quantification および Quantification Analysis タブに、Cq値、平均値(Cq Mean)、標準

偏差(Cq Std. Dev)および正規化値の表が表示されます。

4. Gene Expression タブで棒グラフ (Bar Chart)、クラスタグラム (Clustergram)、散布図

(Scatter Plot)、Volcano plotおよびヒートマップ(Heat Map)を見ることができます。

5. Gene Studyを作成し、実験間の正規化を行うインターランキャリブレーターを使用して 1つ

以上のリアルタイム PCR実験から得られた遺伝子発現データを比較します。

a. File > New > Gene Study と進みます。

b. Gene Study ウィンドウが開きます。この gene studyにデータファイルを追加するには、

File > Add > Data File を選択し、分析したい.pcrdデータファイルを選びます。

c. CFX Maestro ソフトウェアが自動的にインターランキャリブレーション(IRC)を試み、異

なるプレート間の変動を正規化します。インターランキャリブレーターを使用する場合

は、プレート間でサンプルと標的を必ず同じにしておく必要があります。PrimePCR プレ

ート上にこうしたウェルが存在しない場合は、ポジティブな PCR コントロールウェルを

IRC に指定し、サンプルと標的のラベルを同じにするようにしてください(たとえば、サン

プル名を IRCに、標的名を Positive PCRに編集し直すなど)。

6. 遺伝子発現後、Tools > Reports を選択して解析報告書を作成するか、Export > Export

All Datasheets to Excelを選択してデータをMicrosoft Excelにエクスポートしてください。

注意:PrimePCR Analysis Software は、バイオ・ラッド社以外のリアルタイムプラットフォームで

利用できます。これにより、あらゆるリアルタイム PCR 装置で作成されたデータ(Cq 値)を有する

PrimePCR プレートファイルを簡単に登録することができます。ソフトウェアおよび使用説明書の

ダウンロードは www.bio-rad.com/PrimePCR から行えます。

Page 33: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 29

6 リファレンス遺伝子の選択およびリファレ

ンス遺伝子パネル

遺伝子発現実験で添加した RNAを正しく正規化するには、安定的に発現している検証済みのリ

ファレンス遺伝子を使用します。リファレンス遺伝子は、処理方法、サンプルまたは抽出方法に

関係なく、実験系内のすべてのサンプルで一貫して発現している必要があります。検出可能な発

現量の変化幅を決定するには、リファレンス遺伝子の使用する種類の数および選択法が重要な

因子となります。ターゲット遺伝子の発現の変化が大きい(4 倍以上)場合には、リファレンス遺伝

子は一つでも十分である可能性があります。発現の変化が小さい(4 倍未満)場合には、いずれ

か一つのリファレンス遺伝子の基礎的または非誘導的な発現量の変動によって生じる過誤を防

止するために、複数の検証済みのリファレンス遺伝子を使用します。また、以下の方法を使用し

てリファレンス遺伝子の安定性を検証します。

1. リファレンス遺伝子候補を選択する

発表された参考文献を指針にしてリファレンス遺伝子の一覧候補を選択します。評価にあたって

は 5 個以上のリファンレンス遺伝子を使用します。参考までに、バイオ・ラッドはバリデート済みの

リファレンス遺伝子パネルをご用意しています。各リファレンス遺伝子パネルには、遺伝子発現実

験で広く使用される 14 個のリファンレンス遺伝子が含まれます。96 ウェルプレートは最大 6 種類

のサンプル(または 3 種類のサンプルのデュプリケートまたは 2 種類のサンプルのトリプリケート使

用)に、384 ウェルプレートは 24 種類のサンプル(または 12 種類のサンプルのデュプリケートまた

は 8種類のサンプルのトリプリケート使用)に対応することができます。

2. 群を代表するサンプルを選択する

実験で使用するすべての条件(例:処理方法、組織、時間など)を代表するサンプルを選択し、

サンプル群内のすべての変数が評価されるようにします。

Page 34: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

30 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

3. RNAを単離する

全サンプルで同じプロトコールを用いて、サンプルから RNA を単離し、DNase で処理します。

RNAを定量し、同一濃度に調製します。

4. 逆転写によって cDNAを合成する

同じキットおよび同じ濃度を用いて、各サンプルで逆転写反応を行います。必要に応じて cDNA

を希釈しますが、各サンプルを同じ方法で処理し、サンプル間で容量および濃度の点で差が出

ないように注意します。

5. リアルタイム PCRを用いて発現を解析する

サンプルおよびリファレンス遺伝子パネルまたは選択したリファレンス遺伝子アッセイを用いてリ

アルタイム PCRを実施します。

6. 安定性を評価する

リファレンス遺伝子の安定性に関する統計学的バリデーションについては、ペアワイズ変動の反

復検定を用いた Vandesompele ら(2002)による試験に詳細が記述されています。CFX

MaestroTMソフトウェアには、この手法が自動ダイアローグとして盛り込まれています。試験対象の

各リファレンス遺伝子のM値を算出するには、Gene Expressionタブ内のデータファイルを開き、

Target Stabilityを選択します。M値は、ダイアローグボックスの表に示されます。最小M値は被

験サンプルにおける最も安定な発現に対応しており、M値の推奨カットオフ値は<0.5(均質なサン

プルセット)および<1(不均質なサンプルセット)です。リファレンス遺伝子の安定性は、Biogazelle

社の geNormPLUS または qbase+ソフトウェアを用いて算出することもできます。もしくは、変動係

数(CV)または分散分析(ANOVA)を用いて安定性を評価してください。

参考文献 Vandesompele J et al. (2002). Accurate normalization of real-time quantitiative RT-PCR data by genometric

averaging of multiple internal control genes. Biol 3, RESEARCH0034.

Page 35: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 31

7 MIQEへの準拠

定量的リアルタイム PCR 実験の発表に必要な最低限の情報(MIQE : The Minimum

Information of Quantitative real-time PCR Experiments)ガイドラインは、研究室間でのリアル

タイム PCR データの透明性を高めるためのものです。このガイドラインにより、科学者らは、発表

された結果の品質および実験の再現性を調査することができます。バイオ・ラッドの PrimePCRTM

アッセイを用いることで、MIQEへの準拠が簡単になります。各 PrimePCRアッセイには固有のア

ッセイ ID が振られているため、容易にトラッキングおよび論文への記載が行えます。これらの ID

は、注文時にウェブサイトで与えられ、発送時に製品に添付される仕様書に記載されます。また、

各 PrimePCR アッセイには、所定の遺伝子およびアンプリコン(増幅産物)に見出される配列に

関してどの転写産物が標的とされているかを含めた詳細なバリデーション報告書が添付されま

す。PrimePCRアッセイのMIQEガイドラインへの遵守に関するより詳細な情報は、Bulletin 6262

(www.bio-rad.com/primepcrの Documents タブに掲載)を参照するか、最初の論文(Bustin ら、

2009)をご参照ください。

参考文献 Bustin SA et al. (2009). The MIQE guidelines: Minimum information for publication of quantitative

real-time PCR experiments. Clin Chem 55, 611-622.

Page 36: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

32 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

Page 37: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 33

8 よくある質問(FAQ)

バイオ・ラッドの wet-labはどのように PrimePCRTMアッセイを検証したのですか。

すべてのプライマーペアは、ユニバーサル RNA を用いて増幅プロットを作成し、融解曲線解析

を実施し、合成テンプレート 20〜20,000,000 コピーを用いた 7点検量線から効率性およびダイナ

ミックレンジを算出することによって、実験的に検証されました。特異性は、アンプリコンの次世代

シーケンシングによって決定しました。

バリデーション報告書はどこで見られますか?

www.bio-rad.com/primepcrでは、各アッセイに、アッセイ情報、検出された転写産物、バリデー

ションのグラフおよび値およびデータ解釈のための重要事項をはじめとするバリデーションデータ

が記載された PDFが付いています。

PrimePCRプローブアッセイをマルチプレックスで実施してもよいですか。

PrimePCR プローブアッセイに選択した蛍光色素で、マルチプレックス実験を行うことはできます。

ただし、プローブアッセイのすべての組み合わせがバリデートされているわけではありません。シ

ングルプレックスおよびマルチプレックス反応を比較して、マルチプレックス実験の性能を確認し

てください。第 1章の「マルチプレックスアッセイの考慮事項」をご参照ください。

cDNAのプレアンプリフィケーションは必要ですか?

PrimePCR プロトコールでは、プレアンプリフィケーションは任意のステップです。プレアンプリフィ

ケーションを行うことで、ユーザーはより限定された量のサンプル(cDNA 10 pg〜100 ng)からより

多くのリアルタイム PCR反応を行うことができます。

バイオ・ラッドはプライマー配列情報を提供する予定はありますか?

いいえ。アンプリコンの MIQE コンテクスト配列はバリデーション情報に記載されています。正確

な配列は提供されません。

Page 38: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

34 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

バイオ・ラッドが提供している動物種は何ですか。

リアルタイム PCR のプレデザインアッセイはヒト(Human)、マウス(Mouse)、ラット(Rat)が検証済み

としてご提供しています。

さらに、シロイヌナズナ(Arabidopsis)、稲(Rice)、鶏(Chicken)、牛(Cow)、犬(Dog)、豚(Pig)、ウサギ

(Rabbit)、アカゲザル(Rhesus Monkey)、酵母(Yeast)、ゼブラフィッシュ(Zebrafish)についてもプ

レデザインアッセイ(未検証)をご提供しています。

また、ddPCRTMについてはヒトのみをターゲットとしています。

保証された性能とは何を意味しますか?

バイオ・ラッドの増幅試薬と十分な品質のサンプルを使用すれば、アッセイがうまく実施できると

いう意味です。

Page 39: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 35

9 トラブルシューティング

トラブルシューティングガイド

症状 原因 処置

gDNA実験コントロールで陽性が

示される gDNAがサンプル中に存在する RNA精製ステップで DNase分解を実施する

NTC(no template control)で陽

性が示される

ワークフロー中に DNA 混入があ

混入源を特定し排除する(プラスチック、試薬、作

業場など)

Cq値が予期しないほど高く、PCR

実験コントロール値が陽性を示

反応液中に PCR 阻害物質が存

在する可能性がある。

単離後クリーンアップキットを用いてサンプルを精

製することで、阻害物質を特定し排除する(次頁の

よくある阻害物質のリストを参照)

PCR プレートの端寄りのウェルが

技術的反復間でばらつきを呈す

PCR反応液の蒸発

サーマルサイクラーに入れる前にプレートをしっかり

と密封する。最良の結果を得るにはヒートシーラー

を用いる。

リファレンス遺伝子の Cq値にばら

つきがある

RNA サンプル中でリファレンス

遺伝子の発現が安定でない

すべてのサンプル/条件の組み合わせから複数のリ

ファレンス遺伝子の発現レベルを解析し、安定に発

現している標的を選択する

RNA品質コントロールアッセイが

許容範囲外の値を示す RNAが分解している

新たなRNAサンプルを調製・精製し、使用するまで

-80℃で保管する。

凍結解凍の回数を限定する。

作業場/試薬から RNaseを排除する。

増幅トレースの早期のサイクルに

スパイクを認める

ウェル内に泡がありサイクリング

中に跳ねている

サンプルをプレート、特に 384 ウェルプレートに添加

する際には注意する。サンプル中に小さな気泡が

入らないように、ピペットチップをほぼ底にあて、プッ

シュボタンが 2回目に止まる位置まで押さないように

注意しながらウェルにサンプルを分注する。

合成テンプレートを用いた検量

線が直線状にならない、または

効率性がバリデーションデータ

に記載のようなものに近づかない

段階希釈中に合成テンプレート

が減少した

テンプレートを希釈する際は、tRNA の TE(pH8.0)

溶液 10 ng/µLを使用する

Page 40: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

36 | リアルタイム PCR用 PrimePCR アッセイ、パネル、およびコントロール

よくある PCR阻害物質

混入源

サンプル 単離法

メラニン エタノール>1% v/v

多糖類 プロテイナーゼ K

ヘモグロビン DMSO >5%

クロロフィル EDTA >50 mM

ポリフェノール性物質 SDS >0.01% w/v

ヘパリン 酢酸ナトリウム >5 mM

フミン酸 メルカプトエタノール

ヘマチン グアニジウム

フェノール >0.2% v/v

DTT >1 mM

Page 41: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

PrimePCR Assays, Panels, and Controls for Real-time PCR | 37

10 Ordering Information

PrimePCR 製品を注文するには、www.bio-rad.com/PrimePCR にアクセスしてください。 本ペ

ージ右上の QR コードからもアクセスして頂けます。PrimePCR 製品については、希望のアッセイ

や正しい構成のパネルを確実に注文していただくために、オンラインでオーダーフォームを作成

する必要があります(代理店にご注文書と一緒にオーダーフォームをお渡しください)。

遺伝子をチェックし、目的のターゲットに基づいて最良のパネルを決定するには、

www.bio-rad.com/primepcr_lookupにアクセスし、簡単な検索ツールを使用してください。

関連製品

リアルタイム PCR のためのバイオ・ラッドの完全なソリューションの詳細については、

www.bio-rad.com/amplificationをご覧ください。

Page 42: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。
Page 43: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。
Page 44: リアルタイム PCR 用PrimePCRTM アッセイ、 パネル(アレ …...・製品をご使用になる前に、本取扱説明書をよくお読みください。 ・本書の注意事項は必ずお守りください。

バイオ・ラッド ラボラトリーズ株式会社 ライフサイエンス

www.bio-rad.com

本社 〒140-0002 東京都品川区東品川 2-2-24 Tel : 03-6361-7000 Fax : 03-5463-8480

大阪 〒532-0025 大 阪 市 淀 川 区 新 北 野

1-14-11

Tel : 06-6308-6568 Fax : 06-6308-3064

福岡 〒812-0013 福岡市博多区博多駅東

2-5-28

Tel : 092-475-4856 Fax : 092-474-5580

製品の学術的なお問い合わせは

Mail : [email protected] Tel : 03-6404-0331 Fax : 03-6404-0334

MNL10025636 M11849L 1811a