アーティクル uart開発20年の成果として登場した新ic デザイン ... ·...

22
Volume Thirty アーティクル UART開発20年の成果として登場した新IC 3 デザイン・ショーケース I 2 Cアドレスの競合を軽減する超小型アナログスイッチ 11 双方向スイッチを制御するトランスドライバIC 12 ホストシステムをウェイクアップするIRセンサ/モニタ 13 800kbp sまでの光ファイバデータを処理する小型フォトダイオードレシーバ 15 ニュープロダクト データコンバータ 4チャネルを同時にサンプリングする初めての2x4チャネル14ビットADC (MAX125/126) 17 16ピンQSOPに収まる 13/12/1 0ビット低電力デュアルDAC (MAX5152~ 5159) 17 アンプ/バッファ/コンパレータ 3V/5 Vアプリケーション用に最適化された高速低電力コンパレータ (MAX976/978/998) 17 10MHzでCMRが 90dB の高速差動ラインレシーバ (MAX4144/4145/4146) 18 レイルトゥレイル出力を提供する単一電源、 利得+2/-1V/V の閉ループバッファ (MAX4214/15/17/19/22) 18 ポータブル/バッテリ駆動アプリケーションに最適の低ノイズ、 低歪みアンプ (MAX4249~ 4257) 18 パワーマネジメントIC DAC制御ブースト/インバータLCDバイアス電源、内部スイッチ付 (MAX686) 19 28Vまでの入力を許容するノートブックコンピュータ用 マイクロパワーリニアレギュレータ (MAX1615/1616) 19 次世代のノートブックCPU用に最適化された 高精度PWMバックコントローラ (MAX1637) 19 高性能のCPU駆動用の高精度ステップダウンコントローラ (MAX1638) 20 絶対精度±1%のディジタル制御残量計インタフェース (MAX1660) 21 超小型QSOPに収まるステップアップ/ステップダウンDC-DCコンバータ (MAX1672) 20 SOT23に収まる効率98%の低電力スイッチドキャパシタ電圧ダブラ (MAX1682/1683) 20 低ノイズ30 μV RMS の低ドロップアウトリニアレギュレータ (MAX8867/8868) 21 μP監視回路 消費電流が僅か500nAのSO TリセットIC (MAX6326/6327/6328) 21 ワイヤレスIC 低ノイズアンプを備えた低価格、1.7GHz~2.05GH zのダウンコンバータ (MAX2406) 22 10ピン μMAXに収まる低ノイズ、2.5GHzのダウンコンバータミキサ (MAX2690) 22 インタフェースIC ハーフ/フルデュープレックス動作をソフトウェアで選択できる RS-485/RS-422 トランシーバ (MAX1481/84/85/86) 22 光ファイバIC 3.3V、622Mbp sレーザドライバ、自動電力制御付 ( MAX3667) 23 プログラマブル変調電流の622Mbps LAN/AT Mレーザドライバ (MAX3766) 23 ディレーライン 4ns~500nsの5 タップシリコンディレーライン (MXD1000/1005) 23

Upload: others

Post on 04-Mar-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Volume Thirty

アーティクル UART開発20年の成果として登場した新IC 3

デザイン・ショーケース I2Cアドレスの競合を軽減する超小型アナログスイッチ 11

双方向スイッチを制御するトランスドライバIC 12

ホストシステムをウェイクアップするIRセンサ/モニタ 13

800kbp sまでの光ファイバデータを処理する小型フォトダイオードレシーバ 15

ニュープロダクト データコンバータ

• 4チャネルを同時にサンプリングする初めての2x4チャネル14ビットADC (MAX125/126) 17

• 16ピンQSOPに収まる13/12/1 0ビット低電力デュアルDAC (MAX5152~ 5159) 17

アンプ/バッファ/コンパレータ

• 3V/5Vアプリケーション用に最適化された高速低電力コンパレータ (MAX976/978/998) 17

• 10MHzでCMRが 90dBの高速差動ラインレシーバ (MAX4144/4145/4146) 18

• レイルトゥレイル出力を提供する単一電源、利得+2/-1V/V の閉ループバッファ (MAX4214/15/17/19/22) 18

• ポータブル/バッテリ駆動アプリケーションに最適の低ノイズ、低歪みアンプ (MAX4249~ 4257) 18

パワーマネジメントIC

• DAC制御ブースト/インバータLCDバイアス電源、内部スイッチ付 (MAX686) 19

• 28Vまでの入力を許容するノートブックコンピュータ用マイクロパワーリニアレギュレータ (MAX1615/1616) 19

• 次世代のノートブックCPU用に最適化された高精度PWMバックコントローラ (MAX1637) 19

• 高性能のCPU駆動用の高精度ステップダウンコントローラ (MAX1638) 20

• 絶対精度±1%のディジタル制御残量計インタフェース (MAX1660) 21

• 超小型QSOPに収まるステップアップ/ステップダウンDC-DCコンバータ (MAX1672) 20

• SOT23に収まる効率98%の低電力スイッチドキャパシタ電圧ダブラ (MAX1682/1683) 20

• 低ノイズ30 µVRMSの低ドロップアウトリニアレギュレータ (MAX8867/8868) 21

µP監視回路

• 消費電流が僅か500nAのSO TリセットIC (MAX6326/6327/6328) 21

ワイヤレスIC

• 低ノイズアンプを備えた低価格、1.7GHz~2.05GH zのダウンコンバータ (MAX2406) 22

• 10ピン µMAXに収まる低ノイズ、2.5GHz のダウンコンバータミキサ (MAX2690) 22

インタフェースIC

• ハーフ/フルデュープレックス動作をソフトウェアで選択できるRS-485/RS-422 トランシーバ (MAX1481/84/85/86) 22

光ファイバIC

• 3.3V、622Mbp sレーザドライバ、自動電力制御付 (MAX3667) 23

• プログラマブル変調電流の622Mbps LAN/AT Mレーザドライバ (MAX3766) 23

ディレーライン

• 4ns~500nsの5 タップシリコンディレーライン (MXD1000/1005) 23

UART開発20年の成果として登場した新ICマキシム社から、今日のポータブル製品とコンパチブルな超小型ユニバーサル非同期レシーバ/トランスミッタ(UART)が発売されました。この新しいMAX3100は、既に市販されている定評あるUARTと比較すると、低価格、高速性(最大230kボー )、低電力低電圧動作(<3V)といった特長に加え、IR通信用のIrDAタイミング及び小型システムの処理荷重を軽減するFIFOバッファ等の特殊機能を備えています。

現在40機種以上の UARTが入手可能になっていますが、これらは今日のアプリケーションで要求される条件の一部を満たさないか、あるいは条件を満たすためにサイズ、電力又は速度を犠牲にしています。

マキシム社は、こうした制限なしで今日の速度及び電力の必要条件を直接満たし、最新の特別機能を提供する、新設計のUARTのニーズ(及び市場参入性)があるという認識に基づいて研究を重ね、新しいUARTであるMAX310 0の開発に至りました。

これだけ多くのUART があるにも関らず、現代の要求条件を完全に満たせずにいる理由は、UARTが少しずつ段階的に開発されてきたためです。本稿では、UARTの主な技術的開発内容、市場の発展及び現在の動向について説明します。

PCアプリケーションシステムにおけるUART

UARTは、最も早く(シングルチップ・マイクロプロセッサよりも数年前)に開発された大規模集積(LSI)チップの1つであり、1970 年代の初期から市販されています。常に改良され続けてはいるものの、大きな展開はないまま、ピンの名称、機能の名称、一般的な動作モード等も永年ほとんど変わっていません。 NationalSemiconductor 16550やZilog 8630 等の最新CMOSUARTでも、往年のIntel 8250や Intersil 6402 の面影を留めています。

1981 年、モデム及びシリアルプリンタとの通信を提供するために、オリジナルのIBM PCマザーボードに8250UARTが装備されました。このように、初期にPCのBIOSサポートと共に使用されたために、8250の構造及び機能セットがUARTの事実上の規格となりました。基本的な構造は、年々拡張されてきました。高速モデム及びアプリケーションソフトウェア(LaplinkTM等)の出現によりデータレートの高速化が必要となり、8250はバス

タイミングの改善及び高速化(まず115k ボー、次に230k ボー)によってそのニーズに対応してきました。その結果、8250を直接 拡張して高速化した16450 UARTが誕生しました。

しかし、高速化したために、PC内のソフトウェアバッファの応答時間及び割込みの待ち時間に関して弱点が出ました。例えば、115k ボーでは100 µs毎に1バイトが利用可能になります。割込み待ち時間が20 µsでバッファ時間が30 µsの場合は、このボーレートにおいてPCのCPU帯域幅の50%が横取りされてしまいます。このような性能では、低速、非リアルタイムのウィンドウ化されたオペレーティングシステムで実行される大きなアプリケーションにおいて実用性に欠けます。

このため、UARTの次の能力として、このオーバーヘッドを軽減するためにUARTそのものにハードウェアバッファが付加されました。基本的な8250に8ワードFIFO を付加することにより、16550 UARTが誕生しました。後の世代では、FIFOが32バイト(16C650)及び6 4バイト(16C750)になっています。しかし、FIFOが大きくなると、キャッシュメモリの場合と同様にリターン数対サイズ比が小さくなります。従って、UARTの今後の開発はスマート通信コプロセッサになると思われます。最近では、こうしたデバイスがアドオンPCカードとして出始めています。

コスト圧力及び1980 年後期にVLSIが可能になったことにより、PC UARTは「スーパーI/O」と呼ばれるVLSIに組み込まれるようになりました。このチップは、2つのUART、パラレルプリンタポート、フロッピーポート及びその他の標準PCのI/O関係のデバイスを含んでいました。1655 0と称することができる内部UARTは、コンパチブルなレジスタセットを持ち、オリジナルのPCと8250 UAR Tの子孫であることがわかります。

スーパーI/Oの最新型は構造が拡張され、IRシリアル通信用のIrDAタイミングモードを備えています。IrDA(赤外データアソシエーション)はパームトップコンピュータの機能として登場したのですが、今日ではプリンタ及び公衆電話へのシンプルなケーブルレスのインタフェースとして利用されています。その他の機能拡張としては、460kボー、さらに 920k ボーへの高速化が挙げられます。PC UART技術の次の段階は、興味深いものになるでしょう。ユニバーサルシリアルバス(USB)及びその他のより高速なインタフェースが出現しているものの、RS-232インタフェース付の標準UARTがPCから消えることは当分の間なさそうです。

大型工業用システムのUART

PCが主要市場に浸透して大量生産されるように

なったことが、UARTの開発を促進したのは明らかです。

非PC機器も、ほとんどの場合PCをホストにしているた

め、やはりPCに促進されています。従って、速度と機能

3

LaplinkはTraveling Softwar eの商標です。

については非PC機器の通信にもPCとコンパチブルな

UARTが必要になります。一方、非PCアプリケーション

には、しばしば電力、サイズ及びコストに制限が見られ

ます。マキシム社は、現在市販されているUARTが現

市場のニーズを満たしていないと判断しました。

テレコム、大型工業用施設及びその他の非PC機器用に

入手可能な数多くのICの中でも、標準PC UARTが最も

一般的です。これらの市場では、8250及び Phil ips

(Signetics) 265 1構造がデュアル、クワッド及び(最近で

は)さらにオクタルにまで拡張されています。Zi log

8630は、 数年前に当時の8250 よりもさらに高速に

動作できたことも手伝って、現在の市場でよく売れてい

ます。Motorola の高性能683X Xマイクロコントローラ

(µC)も、ある程度の市場シェアを持っています。一般的

に、このµCは6800 0コアに様々な周辺機能を付け

加えたもので、一部の製品は複雑な通信タスクを実行

する上できわめてフレキシブルです。

今日では、カスタムICにUART機能を含める傾向も見ら

れます。Verilog又はVHDL「メガセル」といった比較的

一般的な合成可能なロジック機能により、最新のEDA

ツールを使用してその他のシステム機能と共にシリコン

上でUARTを実現できます。この「チップ上のシステム」

モデルは、良質のツール及び低コストファウンダリサー

ビスが利用できるようになったために、大型ディジタル

システム用の解決法として支持を得つつあります。

小型工業用システムのUART

モデム、小型工業用ネットワーク及びその他の小型非PC機

器は、一般PCとの通信にUARTを必要とします。このため、

80186、8051、 68HC11及びZ8 等の完全機能マイクロ

コントローラは、1980年代の初期から UARTを内蔵してい

ます。この内部UART機能により、これらのアプリケー

ションの低速、中速通信の必要性がほぼ満たされています。

µCメーカがクロック速度、ROMサイズその他の機能の改善

を押し進めてきた中で、µC UARTの速度及び機能セットは

少数の例外を除いて比較的不変でした。

例外としては、高速8051系の Dallas Semiconductor

80C320 ファミリ(チップ当たり2つのUARTを内蔵)が挙げ

られます。完全機能8051系のIntel 80C51FA ファミリの

中には、9ビットネットワークアドレス指定用の機能を提供

する改良型UARTを備えたものもあります(後述)。

小型システムでは、高性能又は追加UARTを必要とするアプ

リケーションの場合、従来2つの解決法しかありませんで

した。シンプルで低性能のUARTが許容され、システムの

ROMサイズ及び帯域幅に余裕がある場合は、ソフトウェア

でUARTを実現することができます。(この場合に生じる様々

な妥協点については後述します。)これ以外の場合の殆どの

アプリケーションでは、外部UARTが追加されました。

この外部UARTは、通常8250 のような大型(28ピン以上)

の完全機能デバイスです。これは高価で、大電力及び大

プリント基板面積を必要とし、又、アプリケーションの

必要性を超越したものが一般的でした。さらに重要なこ

とは、不必要な機能を迂回して実際に必要な最小の機能

だけを実現するため、ソフトウェアが複雑になるという

難点がありました。

115kボー IrDAサポートといった高度な機能を提供する

には、PALの中でIrDAタイミング発生器を実現し、その

出力を標準UART(通常はµC外)に伝える必要がありまし

た。その後PALはIrDAタイミングチップに置き換わるよ

うになりましたが、殆どの場合に外部UARTを必要とす

るのが現状です。

超小型、超低電力システム(ハンドヘルド工業用機器、

バーコードリーダー、試験機器及びコンシューマ製品)

は非常に小さなµCを必要とすることが多々ありますが、

こうした超低コスト、超低電力µC(例えばMicrochip PIC

16C54又は Motorola 68HC05J2)は UARTを備えていま

せん。これらのシステムのための解決法として通常

ソフトウェアUARTが使用されますが、この場合シリアル

通信機能がアクティブの時にCPUの帯域幅のかなりの

部分が使用されてしまいます。

帯域幅又は性能の関係でこれよりも優れたUARTが必要

な場合は、UARTを内蔵した高性能µCを使用するのが

一般的でした。アプリケーションにおいてこの最低限の

UARTに含まれていない機能を必要とする場合は、やむ

を得ず大きな完全機能UARTを使用することになりまし

た。いずれの場合も理想的な設計とはいえません。製造

量が大きければカスタムUARTを作成することもできま

すが、そうでなければ希望の機能を妥協するか、除外す

るしかありませんでした。

この他に、現代のUARTでは最適にサポートされていな

いアプリケーションとして、DSPが挙げられます。多く

のDSP(Texas Instrumentsの TMS320C10等)には、

UARTは含まれていません。多くのDSPアプリケーション

はソフトウェアでUARTを実現していますが、これは

DSPシステムにおいては特に問題を生じます。こうした

システムは一般に大きな同期プログラムを実行している

ために、シリアルトラフィック及びその他の非同期入力

に応答するのが困難であるためです。

小型で新しいUARTの必要性

マキシム社では、上に述べた非PC必要条件を満たす新しい

UARTを市場が必要としていると認識しました。UARTは基

本的にディジタルで、マキシム社の主力はアナログ/ミック

スド信号ですが、マキシム社はMAX232及びMAX485等の

単一電源インタフェースICの開発を通してシリアルインタ

4

フェースの経験を豊富に積んでいます。マキシム社では、下記の特長を持ったUARTが必要であると見ています。

• 高速のサポート

• 低電圧(<3V)及び低電力動作のサポート

• ボーレート発生器その他全てのサポート回路も含めて超小型パッケージに内蔵

• ゼロパワーシャットダウン及び信号受信によるウェイクアップ

• IrDA通信タイミングのサポート

• 小型プロセッサの通信オーバーヘッドを軽減するFIFO受信バッファ

• 絶縁システムにおける直接フォトカプラインタフェース用のシュミットトリガ入力及び大出力ドライブを内蔵

• 価格競争力の保持

これらの必要条件をシリコンで実現することにより、マキシム社はMAX3100(後述 )と呼ばれる超小型完全機能UARTを開発しました。サイズ及びピン数を最小限にするため、通信には同期シリアル周辺インタフェース(SPI)を使用しています。シリアルインタフェースICのためのシリアルインタフェースというのは逆説的に聞こえますが、これにより8ピンSOPの面積(実際のパッケージは16ピンQSOP)に完全機能のUARTを収めることが実現されています。

多くのµCは、MAX3100 に内蔵されたシリアルインタフェースを備えています。これを備えていないµCについては、「ビットバングド」シリアルインタフェースを簡単に導入することができます。このように、MAX3100はサイズ、価格及び電力で大きな犠牲を払うことやソフトウェアUARTに伴う妥協を強いられることなく、殆どのシステムにおいて高性能通信を可能にしています。

ソフトウェアによるUARTの妥協点

内部UARTを持たないµCの場合、シリアル通信を実現するための簡単で一見妥当だと思われる方法はソフトウェアによるものがあります。余分なハードウェアを必要とせず、µCはそれ自体の通信を扱うことになります。ハードウェアUARTを排除してソフトウェアによってUARTを作ることは実際に可能ですが、この方法にはコストを含めて問題があります。つまり、最も単純な場合を除き、ソフトウェアUARTのコストにはCPUの計算時間の一部がそれに必要とされるという点を含める必要があります。実質的にソフトウェアUARTは、ハードウェアUARTよりもコスト高になります。

ソフトウェアUARTには、かなりの資源が必要となります。殆どの場合、シリアルビットセルのタイムスライスを発生するためのカウンタ/タイマ(µCのために必須)が必要になります。シリアル入力及び出力のために少なく

とも2つのI/Oポート(RX及びTX)が必要になり、RXは入ってくるスタートビットによって入ってくるデータを同期するための割込み能力を持たせる必要があります(図1)。(例えばCTS及びRTSターミナルを介する)ハンドシェーキングが必要な場合は、システムにこれ以外のポートピンを必要とする場合もあります。受信の信頼性を高くするために最大割込み待ち時間をビット間隔の1/2よりも大幅に短くする必要があるため、割込みの必要条件を満たすためのシステム設計が複雑になります(図2)。特にボーレートが高い場合は、小さなマイクロプロセッサ(µP)にとって荷が重すぎる場合があります(図3)。

5

図1. ソフトウェアUARTにするとCPUの計算負荷が重くなります。

図2. この詳細図は、ソフトウェアUARTのためにCPU時間が割り当てられる様子を示しています。

T 0 20ms 40 60

INTERRUPT ACTIVE/PENDINGINTERRUPT PRIORITY DETERMINATION (HARDWARE)LAST INSTRUCTION EXECUTEDPUSH RETURN ADDRESSPUSH ACCUMULATORPUSH OTHER REGISTERSVECTOR TO ISR ROUTINE ADDRESSREAD BYTE UART (RESET IRQ)

LOAD POINTER TO BUFFERSTORE BYTEINCREMENT POINTERCHECK OVERFLOW/LIMITS

80

≈ 86µs

100NEXTBYTE

CPUACTIVITY

"OVERHEAD"ENTRY

COMMIRQ

FROMUART

CPUACTIVITY"BUFFER"

POP REGISTERSPOP ACCUMULATORRETURN IRQMAIN TASK HAS CPU AGAIN

UART SERVICE

TOTAL TIME= 52%

CPUACTIVITY

"EXIT"

OVERALL45µs86µs

10 x 1

115k( )

9600 BAUD ~ 1msIDLE IDLE

SAMPLE

FINISH–SETREV FLAT

START

FIRST IRQ-SETUP TIMER TO SAMPLE AT CENTER

D0

TIMES ASSUMING

1ms/INSTRUCTIONIRQ LATENCY

% CPU AT 9600 = 16.8% AT 19.2k = 33.6% AT 115k = 201% ( >100%)

WOULD REQUIRE 2x CPU SPEED JUST FOR COMMUNICATION

6

6

6

/

20

15

10 x 9

25

CPU TIME26

21

96

25168µs

TOTAL

D2 D3 D4 D5 D6 D7 STOPD1

FIRST CENTER–IF LOW, THEN CENTER SAMPLE ALL

FIRST IRQ

FIRST CENTER

CENTER SAMPLE

FINISH

ソフトウェアUARTは、一般に200~50 0バイト(ソフトウェアの複雑さ及びµPの能力に依存)のコードを必要とします。多くの小型µCでは全コードスペースが500バイトしかないために、ソフトウェアUARTの導入が不可能になります。最後に、ソフトウェアUARTの電力消費はかなりのものになることが挙げられます。殆どの場合、µCのウェイクアップ時間はボー周期よりも長いため、シリアルトラフィックが予想される場合はµCを連続的に動作させる必要があります。

これとは対照的に、MAX3100 UART システムは数多くの利点を備えています。まず、僅か4本のポートラインで完全ハンドシェーキングインタフェースを実現します。5番目のライン(割込みライン)はオプションです。コードサイズは約50バイトです。 µP/UARTの組み合せでは、シリアルデータ伝送とシリアルデータ伝送の間をスリープモードにすることによって電力を大幅に節約できます。最後に、MAX3100 のタイミング必要条件はボーレートによって変化しません。小型システムにありが

ちなバーストモードのメッセージトラフィックに起因するリアルタイムの処理負荷は、内部FIFOスタックによって軽減されます。

MAX310 0の説明

MAX3100 UARTは、 (SPITM、QSPITM及びMicrowire TM

規格とコンパチブルな)同期シリアルデータポートとRS-232、RS-485又は IrDA等の非同期シリアルデータ通信ポートとの間のインタフェースを提供します。SPIの簡単な説明については、この記事の補足「シリアル周辺インタフェース」を参照してください。

MAX3100は、SP Iインタフェース及び割込み発生器に、シンプルなUART及びボーレート発生器を組み合わせています。内部レジスタへの書込みにより、UARTのボーレート、データワード長、パリティイネーブル及び8ワード受信FIFOのイネーブルが設定されます。この「書込み構成」レジスタは4つの割込みマスクビットを含むだけでなく、通常のUARTとIrDAタイミングの間の選択も行います。

プログラマブルボーレート発生器は、300ボー~ 230kボーのレートが可能となっています(図4)。書込み構成レジスタのビットB0~B3によって、ボーレート除数(BRD)を決定します。これにより、端子X1とX2の間のクリスタルの周波数が分周されます。MAX310 0の発振器は、1.8432MHz又は3.6864MHz のクリスタルを受け付けるほか、X1でデューティサイクル45%~55%の矩形波を使用することもできます。

トランスミッタ部はSPI/Microwireデータを受け付け、

それをフォーマット化してトランスミッタバッファレジ

スタにロードします。そして非同期シリアルフォーマット

でTX出力にシフトします。内部ロジックがスタート及び

図4. 旧式のUARTを新しくしたこのバージョンは、 8051マイクロコントローラがIrDAデータリンクを使用して通信することを可能にします。

X1

X2DOUT

BAUD-RATEGENERATOR

SPIINTERFACE BAUD-RATE

GENERATOR

DIN

SCLK

CS B0

Pt TX-SHIFT REGISTER

START/STOP-BIT DETECT

D0t–D7t

RX-SHIFT REGISTERD0r–D7r

SHDN

FE

RA

XTALB1

B2

B3

RX

TX

9

Pt TX-BUFFER REGISTER

9

Pr

RA/FE

(MASKS)

PrRT

RX-BUFFER REGISTER

Pr

Pr

RX-BUFFER REGISTER

9

9

I / O

CTS

RTS

IRQ INTERRUPTLOGIC

TRANSMIT-DONE (TM)

DATA-RECEIVED (RM)

PARITY (PM)

FRAMING ERROR (RAM)/RECEIVE ACTIVITY

(SOURCES)

ACTIVITYDETECT

6

図3. ボーレートが速くなると、ソフトウェアCPUが必要とするCPU時間の割合が急激に増加します。

200

0300

40

20

180

160

140

120

BAUD RATE

CPU

PER

ECEN

T

48001200 19,200

100

80

60

57,600

SPI及びQSPIはMotorola Inc.の商標です。Microwire及びMicrowire PlusはNational Semiconductor Corp .の商標です。

ストップビットを追加し、選択されたボーレートでデータ

をクロック出力します。レシーバ部はシリアル形式の

データを受け付け、ハイからローへの遷移においてスタート

ビットを検出します。このスタートビットの中心は、

内部16xボークロックの7番、8番及び9番目のサンプル

の後で多数決(3つのうちの最低2つ)で定義されます

(図5)。8ワードFIFOにより受信されたデータが保存され

ます。レシーバは、最初のストップビットの中心で次の

スタートビットの検索を開始します。

MAX3100 は入出力が光処理されているため、フォト

カプラ出力の受信及びフォトカプラ入力の駆動が直接

可能です。即ち、UARTのレシーバ入力(RX)はシュミット

トリガ回路になっており、トランスミッタ出力(TX)は

25mAをシンクできます。MAX3100は、 光処理された

2つの汎用ポート(RTS及びCTS)も備えており、これらは

ハンドシェーキングと制御に有用です(それぞれ

RS-232とRS-485 ドライバのイネーブル)。

MAX3100の8ワード FIFO及び割込みロジックにより、

CPUの計算時間を節約できます。毎回最大8文字まで

読取ることにより、CPUは受信アクティビティ割込み

(RA)へのサービスを行い、FIFOがUARTのシリアルデータ

レートからCPU転送レートへのバッファとして機能しま

す。MAX3100 は割込み入力を1つ備えていますが、こ

れは受信パリティ(Pr)、受信データ(R)、レシーバアク

ティビティ/フレーミングエラー(RA/FE)及び伝送バッファ

エンプティ(T)の4つのソースのうちのいずれかによって

設定できます。これらのソースのうちのどれかあるいは

全てをマスクすることができます。

このSPI UARTの追加機能として、MAX3100 はその他

のシリアル赤外(SIR)コンパチブルデバイスとの通信

又は光絶縁アプリケーションにおける電力の節減に適

したIrDAタイミングモードを提供しています(図6)。

MAX3100 は光アイソレータを直接駆動するように設計

されているため、HP HDSL-1000の ようなシリアル

IRモジュールを駆動するにはロジックを逆転する必要が

あります。IrDAモードではビット周期がボー周期の3/16

に短縮されます(115 kボーで1.6 µs)。TXがロジックローで

RXがロジックハイの場合は、データゼロが負のパルスとし

て送信されます。

受信モードのMAX3100 は、ハイレベル送信に半分入っ

たところでRX信号をサンプリングします。サンプリング

は、標準モードの場合の3回に対してここでは1回だけ

行われます。MAX3100 は、ボー周期の(約)1/16よりも

短いパルスを無視します。さらに、MAX310 0と通信し

ているIrDAデバイスは、ボー周期の3/16 でパルスを

送信するように設定されていることが必要です。

7

図6. IrDA通信で使用されるパルスは狭いため、電力が節約されます。

STAR

T

STO

P

STAR

T

STO

P

NORMALRX

UART FRAME

DATA BITS

0 1 1 1 1 10 0 0 0

NORMAL UARTTX 1 1 1 1 10 0 0 0

IrDARX

IrDATX

図5. MAX310 0は、3つのパルス中央のサンプルのうちの少なくとも2つがローである条件で入って来るスタートビットを識別します。

1

RX

BAUDBLOCK

2 3 4 5 6 7 8 9

ONE BAUD PERIOD

10 11

MAJORITYCENTER

SAMPLER

12 13 14 15 16

A

MAX3100 による新しいアプリケーションの実現

図7の回路を使用すると、8051 µC系の任意のデバイスにおいてIrDAにより規定されたシリアル赤外(SIR)フォーマットを使用して通信することが可能になります。通信は2段階で行われ、まず µCが最初に「ビットバングド」SPIシリアルインタフェースを通じてMAX3100(IC1)に送信し、次にIC1がメッセージをIrDAモードでフォーマット化します。多くの8051系デバイスの UARTはIrDAコンパチブルではなく、それをコンパチブルにすることも容易ではありません。しかし、図に示す回路は通信リンクを提供することができるうえ、最小限のコスト、電力及びソフトウェアコードで既存の8051 システムに付加できます。

MAX3100は 115k ボーまでの動作が可能ですが、図に示す光部品は最大データレートが4800 までに限られています。しかしこれらの部品は安価であり、また殆どのIrDAデバイスが最低2400 ボーのデータレートをサポートします。必要に応じて、HP-1000 IrDA モジュール等の高性能光部品を使用すると、最大115k ボーを容易に実現できます。このアプリケーションには殆どのIR LED及びフォトダイオードを使用することができますが、可視光による妨害を防ぐためにフォトダイオードはフィルタを備えていることが必要です。フィルタのないフォトダイオードの前には、必要に応じて外部周辺光フィルタを配置してください。

動作電圧は2.7V~6Vの範囲ですが、 8051による制限も適用されます。消費電流はIC1が約1mAで、殆どの8051 系デバイスではそれに1MHz当たり1mAが加わります。SPIインタフェースのタイミングは、重要ではありません。UARTが全てのリアルタイム処理を実行するため、プロセッサクロックは適当な任意の周波数にす

ることができます。殆どのシステムクロックとは異なり、これは時間及び温度の安定性を必要としません。

MAX3100-8051 ドライバコードは、マキシム社のホームページ(www.maxim-ic.com)で入手できます。見出し「その他のソフトウェア」の「MAX3100 UART-8051用のIrDAコード」を参照してください。MAX3100-8051ドライバコード中のサブルーチンUTLKで、MAX3100のドライバサポートが提供されています。このコードは、8051の内部 UARTをRS-232 側の通信に使用して、IrDAからRS-23 2への変換及びその逆(デモと試験用)を行います。詳細については、コードを参照してください。

ほかにも方法はありますが、それらは問題も抱えています。例えば、低データレートにおけるIrDA UART用のソフトウェアルーチンを書くという方法がありますが、このソフトウェアには難しいところがあります。つまり、アクティブ時にはCPUが100% 使用されてしまううえ、2400 ボー以上では実用的ではありません。IrDAタイミングをディスクリートロジック又はPALで発生させることもできますが、これは高価で消費電力が大きく、またクロックソース用の外部ボー発生器を必要とします。

9ビットネットワーク

MAX3100は、9 ビットモードとして知られる一般的なマルチドロップ通信技法に対応しています(図8)。これは、宛先アドレスを持ったヘッダを含むメッセージを区別するために、パリティビットを使用する方法です。MAX3100 のパリティマスクは、この状態で割込みを発生するように設定できます。ネットワークを9ビットモードで動作させると、スレーブコントローラがメッセージトラフィックの殆どを無視できるため、全てのノードにおけるプロセッサオーバーヘッドを低減できます。このため、リモートプロセッサはより多くの有用なタスクを処理できます。

9ビットモードの場合、MAX3100は8 ビットプラスパリティビット用に設定されます。このパリティビットは通常メッセージではクリアされ、アドレスタイプメッセージでは設定されます。MAX310 0ノードのパリティ割込みマスクは、ハイパリティで割込みを発生するように設定されています。この結果、標準メッセージはパリティビットがクリアされているために無視され、アドレスタイプメッセージは割込みをトリガすることで捕捉され、全てのMAX3100 によってチェックされます。そのメッセージの宛先であるMAX3100 はメッセージの残りを処理し、そのほか全てのMAX3100 はそれを無視します。

9ビットパリティ割込みは、FIFO内のデータではなく受信レジスタ内のデータで制御されるため、FIFOをディセーブルした方が効率が良くなります。FIFOをディセーブルしておくと、受信された非アドレスワードは無視でき、UARTから読取る必要もありません。

図7. MAX3100は、 様々な8051 マイクロコントローラ系デバイスによりIrDA通信を可能にします。

RX

CTS

RTS

TX

P1.1

P1.2

P1.3

P3.2

P1.0 DIN

DOUT

SPI/MICROWIRE RS-232

I/O

SCLK

CS

C2C1

MAX3100

IRQ

MAX3223µC8051

8

絶縁シリアルインタフェース(図9)においてMAX3100のシュミットトリガ入力はフォトカプラ出力により直接駆動されます。フォトカプラのスキューは非同期シリアル出力におけるタイミングに影響しないため、SPIインタフェースのセットアップ時間及びホールド時間を合わせることだけが必要になります。非同期側では、2つの光アイソレータ(RXとTXにそれぞれ1つずつ)だけで双方向性光絶縁インタフェースを実現できます。この場合、IrDA通信で使用される短いボー周期(3/16幅 )のために、電力を81%節約できます。

シリアル周辺インタフェースについては、10頁で別に説明します。

9

図8. 9ビットネットワークは、通信ネットワークの処理オーバーヘッドを軽減します。

CS

SCK

RX

TX

RTS

DINµP

DOUT

IRQIRQ

IRQ

SPIMASTER

SLAVE120Ω

120Ω

RX

TX

RTS

µP

IRQ

4

MAX3100MAX483

MAX483

IRQ

SPI

SLAVE

RX

TX

RTS

µP

IRQ

4

MAX3100MAX483

R0 A

BDIDE

A RO

DIBDE

A RO

DIBDE

図9. MAX3100 I/Oピンは 、フォトカプラへの直接インタフェース用に設計されています。

MAX3100

CS

ISO5V

SCLK

ISO +5V

TX

DIN

2k

6N136

6N136

6N136

6N136

2k

2k

2k

DOUT

CS

SCLK

DIN

DOUT

ISO +5V

VCC

VCC

+5V

MBR0520

HALOTGM-010P3

VCC

VCC

470Ω

RX

CTS

RTS

MAX253

MAX667

470Ω

470Ω

470Ω

LINEARREGULATOR

TRANSFORMERDRIVER

MAX3222

10

MAX3100 はシリアルにアクセスされる周辺デバイスであるため、パッケージピンの数が最小限になっています。MAX3100 の同期シリアルインタフェースは、MotorolaのSP I TM及びQSP ITM及びNationalSemiconductorのMicrowire TM規格とコンパチブルです。µCがハードウェアサポートを備えていないシステムでは、これらのシンプルなインタフェースを数行のコードで簡単に実現できます。以下のプロトコルファミリに記載されている最大クロックレートは、アプリケーションによってさらに制限される場合があることに注意してください。

Microwire及びMicrowire Plus

Microwireは、 National Semiconductor製のCOPコントローラ用の4線シリアルインタフェースであり、クロック、データイン、データアウト及びチップセレクトラインを含んでいます。最大クロックレートは250kH zで、対応する最小「ハイ」間隔は1µsです。

Microwire 周辺デバイスは任意のビット長のディジタルワードの使用を許容しますが、通常は16ビットワードで動作します。デバイスに入るデータはクロックの立上がりエッジで有効であるべきで、デバイスから出てくるデータはクロックのクロックの立下がりエッジと同期しています。チップセレクトは、非標準アクティブハイ極性を持っています。

National SemiconductorのHPC シリーズのコントローラで使用されているMicrowire Plus は、データイン及びデータアウトのクロック位相を逆転しているほか、インタフェースタイミングを高速化しています。

SPI及びQSPI

Motorola のコントローラで使用されるSP Iインタフェースは、National Semiconductorの Microwireに非常によく似ています。SPIは8ビット複数ディジタルワードに制限されているものの、やはりクロックライン、データイン及びデータアウトライン及びチップセレクトラインから構成されています(図を参照)。最大クロックレートはMicrowire の場合よりも速くなっており、SP Iは1Mbps~ 2Mbps(プロセッサに依存)、QSPIでは10Mbps 以上となっています。

QSPIとSPIは、外部スレーブデバイスとしては区別不可能です。QSPIは、コントローラに内蔵された16レベルハードウェアキュー及び自動チップセレクト発生器によってSPI処理を自動化しています。QSPIは又、データイン及びデータアウトのクロック動作をディジタル制御できるようになっています。即ち、CPHAビットがクロック位相を制御し、CPOLビットがマーキング極性を制御します。

このSPIシリアルインタフェースは、QSPI及びMicrowire規格と密接に関連しています。

• • •

• • •

• • •

• • •

CS

SCLK

DIN

DOUT

tCSH

tCSS

tCL

tDS

tDH

tDV

tCH

tDO tTR

tCSH

シリアル周辺インタフェース

11

アドレスの競合を避けるために、I2CTMバス上の各周辺デバイスはただ一つのアドレスを持っていることが必要です。しかし、複数の周辺デバイスに同じアドレスが割り当てられることもあります。図1の回路は、I2Cバスが同じアドレスを持つ2つの周辺デバイスの片方を選択できるようにしてアドレスの競合を解決しています。

よく使われているI2Cバスは、クロックライン及び双方向性データラインを含むオープンコレクタ、2線インタフェースです。I2Cバスにおいては、コントローラ(マスター)が最初にデータラインにシリアルアドレスを送り出しことで特定のデバイス(スレーブ)を選択し、そして適切なコマンドやデータを送り出します。マスター及びスレーブは、データラインをローに引き下げることにより両方向にデータを送ることができ、スレーブはクロックラインをローに引き下げることにより待機状態を発生できます。しかし、オープンコレクタ構造であるために、バスのスイッチングが複雑になっています。74HC157データセレクタやANDゲートのCMOS出力によってスイッチングを行うことはできません。

図1に示す周辺デバイスは、Philips I2Cリアルタイムクロック(PCF-8583) 及び大型I2C EEPROM (MicrochipM-24LC16) です。いずれも内部16進スレーブアドレスがA0です。(EEPROMがアドレス範囲全体を占拠するため、これは避けることはできません。)アナログスイッチはどちらか片方のデバイスを接続します。クロックがローになる前にSDA信号がローになることがI2Cスタート条件で要求されるため、この選択にはデータライン(SDA)のみが関係します。デバイスの選択を行うため、マスターデバイスはデュアルSPSTアナログスイッチの状態を制御するポートピンを設定します。

IC1は、この機能に最適な CMOS チップです。チップ内のノーマリオープンスイッチ及びノーマリクローズスイッチによって2:1セレクタ動作が実行されるため、インバータやポートラインを追加する必要がありません。IC1は低オン抵抗(33Ω)、低消費電流(1µA)で、しかも3V以下で動作する仕様になっています。又、パッケージは8ピンSOPの僅か半分の8ピンSOTパッケージ(µMAX)です。

図1. デュアルアナログスイッチ(IC1)及び単一のコントローラライン(SELECT)により、このI2Cバスは同じアドレスを持つ2つの周辺デバイスの片方を選択できます。

MAX325

IC1

SDAIC2

PCF-8583

5

8

7

123

6

V+

VCCVCCVCC

R210k

R347k

RTCIINT OUTPUT

R110k

R410k

SCL

SDA IC3M-24LC16

9

7

82

3

64

NC

NO

1SDA

SCL

SELECTH = 8583 RTCL = 24C16 EEPROM

5

10

V+

SCL

TEST

A0 X2 X1

INT

C122pF

Y132768

VCCVCC

VCC

A0

12

13

2 3 5 6

A1 A2 GND

DESIGN SHOWCASE

I2Cアドレスの競合を軽減する

超小型アナログスイッチ

I2CはPhilips Corporatio nの商標です。

12

図1の回路は、VSUPPLYを負荷に接続するオン/オフスイッチです。VSUPPLYは正、負又はACのいずれでも構わず、電圧の絶対値はMOSFETの最大VDS定格だけで制限されます。図示のデバイスでは、このリミットが50Vになっています。

トランスの一次巻線及びドライバICは5Vで動作し、二次側に絶縁された波形を生み出します。この波形がD1及びD2で整流され、nチャネルMOSFETのV GS

として10Vを生成します。V GSは絶縁された一定値であり、VDSがグランドに対して変化しても影響されません。単一のMOSFETと負のVGSという組み合わせの場合は、オフ状態で(内部寄生ダイオードの順方向バイアスに起因する)電流が流れるため、2つMOSFETのソースとソースを接続した形が採用されています。次に、これらの内部ダイオードが合い反するようになり、オフ状態のいずれかの極性の望ましくない方の電流の流れを遮断します。

ICをシャットダウンすると、MOSFETのVGSがなくなってスイッチはターンオフします (SD = 5Vでスイッチはターンオフし、SD = 0Vでターンオンします)。このターンオフの速度はR1の値に依存します。この値を小さくするとターンオフディレーは短くなりますが、消費電流が大きくなります。(R1 = 1kΩにおける消費電流は24mAです。)速度が問題にならない場合は、R1を大きくすることにより消費電流を5mAに低減できます。図2に、この回路が40V、1.2A負荷で動作している様子を示します。

その他のスイッチング技法は欠点を抱えています。例えば、リレーの場合はスイッチバウンスがあり、また消費電力が大きくなります(約0.5W) 。殆どのパワーMOSFETのVGS定格は標準デバイスで約20V、ロジックレベルデバイスで15V程度であるため、15V以上の電圧に耐えるのは困難です。ゲートをレベルシフトすることにより可能になりますが、そのようにすると電力が浪費されます。さらに、電圧が高いときはゲート抵抗を大きくする必要がありますが、そのためにスイッチング速度が遅くなります。

図1. この双方向性パワースイッチは比較的高い正、負及びAC電源電圧に対応できます。

MAX845

IC1

D1

D2

VCC

SD1

T1HALO IGM-010P3

6

8

4C10.1µF

OFF

+5VIN

GNDON

3

5

2

7

FS

N.C.

G1

G2

Q1MTP25N05E

SUPPLY

LOAD

C30.1µF

C20.1µF

R11k

D1A

CMPSH-3SSOT23

D1B

Q2MTP25NO5E

DESIGN SHOWCASE

双方向スイッチを制御する

トランスドライバIC

図2. このオシロスコーププロットは図1の回路が40V、 1.2A負荷で動作している様子を示しています。

100µs/div

5VSHDN

LOAD VOLTAGE20V/div

LOAD CURRENT1A/div

0V

40V

2

1A

0A

0V

13

図1のセンサ/モニタ回路は、赤外(IR)信号を検出するとホストシステムを「ウェイクアップ」します。消費電流が非常に小さいため、ノートブックコンピュータ又はPDAデバイスの中で連続的にオン状態にしておくことができます。この超低消費電流(4 µA max、2.5 µA typ) は、主にコンパレータ/リファレンスデバイスIC1が消費しています。

この回路は、赤外データアソシエーション(IrDA)アプリケーションにおいて一般的な、非キャリアシステム用として設計されています。TVリモートコントローラ及びNewton/Sharp ASK(シャープ社が開発してApple Newtonに使用されている振幅シフトキーイングプロトコル)等のキャリアプロトコルでも使用できます。115,000ボー IrDAのレンジは約15cmに限られていますが、2400ボー IrDAにおけるレンジは30cm以上に改善されます。

明るいフラッシュがあると誤ったトリガが発生しますが、周囲の光への耐性は非常に良好です。誤った

トリガが発生した場合、システムはウェイクアップした後でIRアクティビティを探し、何もなければスリープモードに戻ります。

図示のセンサ(D1)は、比較的大面積のフォトダイオードをIRフィルタ材質のパッケージに収めたもので、強い光に当たると約60 µAを生成します(オープン回路時には0.4V) 。こうしたフォトダイオードの殆どを、この回路に使用できます。動作は光起電力モードです(バイアスを印加しません)。このモードは遅いためフォトダイオード回路では一般に使用されませんが、ここでは速度は重要ではありません。光起電力モードは、回路がシンプルで、しかもかなりの電力を節約できます。普通の構成(即ち光電導)においては周囲の光に起因し、バイアスネットワークをソースとする光電流によって自己消費電流が約10倍に増加します。

図1. この低自己消費電流回路(4 µA max)はIR信号を検出するとホストプロセサに割込みをかけます。

IN-

IN+

HYST

4

5

6

3

REF

R3150k

C31.5nF

R410M

R24.7k

D1LT546

(Lite-On)

C20.1µF

GND1 2

REF

V+

OC

VCC VCC = 2.5V TO 11VI = 4µA

VCC

8

C1100pF

R1100k

74HC14

OUTPUTtf/tr = 100ns/10µs

"WAKE UP" = LOW

OUTPUTHC CMOS RISES/FALLS

7

MAX971

IC1

DESIGN SHOWCASE

ホストシステムをウェイクアップする

IRセンサ/モニタ

14

VREF及びR3/R4 分圧器により、コンパレータの両入力の間に18mVのバイアスがかかります。このバイアスはリファレンスを基にしているため、電源電圧からは独立しています。60Hz /120H zハム及びその他の低周波数の妨害を抑圧するため、C3及び R3/R4分圧器でハイパスネットワーク(カットオフ周波数700Hz )を形成しています。C3は通常V REFから18mVのバイアスを差し引いた電圧に充電されており、R2を通る光電流によって生成された電圧がC3の電圧に追加されます。

つまり、R2の両端のIR信号が 18mV のスレッショルドを超えるとコンパレータがトリップし、出力がローになります(18mVはレンジ、ノイズ耐性及びDC安定性を考慮した値です)。R2が低いため、周囲の光によるフォトダイオードの飽和を避けることができます。飽和が問題になる場合は、R2をさらに小さくすることもできます。その場合、感度が低下し、速度は速くなります。

コンパレータの入力オフセット電圧(10mV max)により、IRトリップスレッショルドのワーストケースとして6mV及び28mVが可能ですが、この開きはあまり問題になりません。標準的な開きは最大値と比較すると非常に小さく、標準的なIR信号は60mV以上を生成します。オフセットの違いはオーバードライブの大きさに変化をもたらすため、コンパレータの応答速度のみが影響を受けます。

この回路の出力は、セット・リセット・フリップフロップをトリップしたり、スリープ状態のプロセサに割込みをかけたりすることができます。オプションでHCMOSゲート(シュミットトリガタイプが好適)を使用すると、全体の自己消費電流にほとんど影響を与えることなく出力立上がり/立下がり時間を改善できます。

15

図1の回路は、フォトダイオードを2つのオペアンプ及び1つのコンパレータと組み合わせて、データレート800kbps までの光ファイバレシーバを形成しています。パッケージが小さいため(オペアンプは5ピンSOT23、コンパレータは8ピン µMAX)、PCボードやハイブリッド基板上の面積が最小限で済みます。

フォトダイオードは光伝導モードで動作して、IC1に信号電圧を与えます。IC1のトランスインピーダンスゲインは、R1の値(ここでは 4700Ω)に等しくなります。オペアンプ(IC1及びIC2) は各々利得が約25V/Vの非反転アンプとして構成されているため、回路の全トランスインピーダンスゲインは3MΩです(4700Ω x 25 x 25 = 2.99M Ω)。オペアンプの利得帯域幅により、最大実用データレート800kbpsになります。

IC1とIC2の間を容量性カップリングにすることにより、IC1のオフセット電圧の増幅を解消します。最適の信号振幅と対称性を達成するため、R6/R11分圧器がIC2のリファレンス電圧を2.5Vに設定します。R12/R13 分圧器は、コンパレータのリファレンスをやや高め(2.6V) に設定することによりシステムにノイズマージンを提供すると共に、「無信号」状態でコンパレータの出力がローに留まることを保証します。

図1. これら2つのオペアンプ及び1つのコンパレータが最大データレート 800kbp sの超小型フォトダイオードレシーバを形成します。

5V

R1100k

R24.7k

D1BPW34

C10.1µF

R3100k

R4115k

5V

C40.1µF

R710k

R54.7k

C20.1µF

C30.1µF

5V 5V

R9100k

R10240k

R111k

R61k

R810k

C50.1µF

C60.1µF

5V

R14100k

R135.1k

R124.7k

C70.1µF

OUT

5V

MAX4124

IC1

MAX4124

IC2

MAX985

IC3

DESIGN SHOWCASE

800kbps までの光ファイバデータを処理する

小型フォトダイオードレシーバ

16

容量性カップリングはDC信号を維持できませんが、信号のDC成分は図2に示すようにリファレンスレベルに向かって緩和していきます。長時間信号がなかった後に現れる信号の場合に特に目立つこの効果は、R7C3 の時定数によって直接影響を受けます。緩和効果を最小限に抑えるには、R7C3 をできるだけ大きくしてください。但し、R7は約10kΩに留めてください(これは、反転・入力ソース抵抗をマッチングさせることによってオフセット電圧を最小限に抑えるためです)。コンパレータは、入力がリファレンスレベル以下の時はスイッチングできないため、緩和が大きすぎると1又は0の長いストリングの最後の方でデータが失われる恐れがあります(図3)。

ここでも、無信号出力をロジックローにするために、IC3リファレンスをIC2リファレンスよりも少し高くしてください(あるいはIC3リファレンスを低めに設定してください)。このΔVREFはシステムノイズマージンを提供し、R12/R13 分圧器を通じて調節できます。但し、ΔVREFが低すぎると間違った出力遷移が生じ、高すぎると受信信号のタイミングが劣化することに注意してください。ΔVREFは、間違った遷移が生じない範囲でできるだけ低くし、IC2及びIC3のオフセット電圧のための余裕を確保してください。

本システムは5V動作用に設計されていますが、3.3V、あるいは3Vでもデータレートがやや劣化するだけで動作可能です。電源電圧を低くするとフォトダイオードの内部容量が増加します(印加されたバイアス電圧に反比例)。そしてこの容量とR2がローパスポールを形成してフォトダイオードの周波数応答を制限します。これより影響は少なくなりますが、電源電圧が低いとアンプの利得帯域幅積が小さくなるために応答が制限されるということもあります。本回路は、電源電圧の変化に対して僅か1箇所の調節で対応できるように設計されています。即ち、ΔVREFは電源電圧と共に変化するため、R12/R13 を必要に応じて調節し、望ましいノイズマージンを再び確立する必要があります。

図2. 図1のカップリングコンデンサ (C3)のために、IC2の出力及び非反転入力の波形に「信号緩和」が生じます。

IC2 REFERENCE(2.5V)

RELAXATION TIME

図3. この波形(図1のIC2出力)は、信号緩和がデータの喪失をもたらす可能性があることを示しています。(波形がリファレンスレベルをよぎるときにコンパレータ出力がローになります。)

IC3 REFERENCE(2.6V)

LONG STRING OF 1s

3V/5Vアプリケーション用に最適化された高速低電力コンパレータ

MAX998/MAX976/MAX978は、3V又は5Vの単一電源アプリケーション用に最適化されたシングル/デュアル/クワッド高速低電力コンパレータです。消費電流はコンパレータ当たり300 µAとなっており、伝播遅延は僅か20ns (40ns max )です。本製品は、業界における最良の速度対電力比を実現しています。MAX998 は、出力をハイインピーダンス状態にして消費電流を1nAに低減するシャットダウン能力を持っています。

MAX998/MAX976/MAX978 の入力は、いずれも同相電圧範囲がグランドの200mV

17

NEW PRODUCTS4チャネルを同時にサンプリングする初めての2x4チャネル14ビットADC

MAX125/MAX126 同時サンプリングADCは、電力監視及び3相モーター制御を行います。これらの2x4チャネル14ビットコンバータは、サンプリングされた入力の相対的な位相情報を保存しつつ、14ビットレベルで4チャネルを同時に監視できる唯一のデバイスです。

これらのデバイスは4つのトラック/ホールドを備え、各アナログ入力には2チャネルマルチプレクサが付いています。各入力は、±17Vまでの障害保護付です。内蔵マイクロシーケンサにより、ADCは1から4チャネル

NEW PRODUCTSを変換できます。4つのチャネル全てをサンプリングしている時の最大スループットはチャネル当たり75ksp sとなっており、変換結果はユーザがアクセスするまで内部4x14RAMに順次保存されます。

MAX125は ±5Vアナログ入力を受け付け、MAX126は ±2.5Vアナログ入力を受け付けます。いずれも内部2.5V リファレンス、低電力モード及び14ビットパラレルインタフェースを備えています。これらは±5V電源で動作し、36ピン SSOPパッケージで提供されています。価格については、¥1,710(1,000個以上)からとなっています。

16ピンQSOPに収まる13/12/10ビット低電力デュアルDAC

MAX5152~MAX5159 は、デュアルD/Aコンバータのシリーズです。偶数番号のDAC(MAX5152、MAX5154 等)は5V単一電源で動作し、奇数番号は3Vで動作します。いずれも3線シリアル入力、レイルトゥレイル電圧出力及び低自己消費電流(通常動作で500 µA、シャットダウン中は2µA)の特長を持っています。(各ICの中の2つのDACは、同時あるいは個別にシャットダウンできます。)

ダイナミックレンジを最大限にするため、10ビット MAX5158/MAX5159及び12ビットMAX5154/MAX5155はオフセットを調節する能力を備えており、利得は2に固定されています。13ビット MAX5152/MAX5153及び1 2ビット MAX5156/MAX5157 は各出力アンプの反転入力へのアクセスが提供されているため、ユーザは特定利得のフォース/センス接続及び最大出力電流を設定できます。これらの能力は、工業用プロセス制御及びディジタルプログラマブルの4~20mA電流ループにおける使用に適しています。

各ICは、12MHz、SP I TM、QSP ITM及びMicrowire TM同期シリアル規格とコンパチブルな3線シリアルインタフェースでプログラムされます。さらに、各デバイスはダブルバッファ付入力、パワーオンリセット、全てのDAC出力をゼロにリセットするCLEAR入力ピン及び複数デバイスをデイジーチェーンするためのシリアルデータ出力を持っています。

MAX5152~MAX5159 デバイスは16ピンDIP及びQSOPパッケージで提供されています。価格については、10ビットバージョンが¥560、12ビットバージョンが ¥760、13ビットバージョンが¥980 (1,000個以上)からとなっています。

SPI及びQSPIはMotorola Inc.の商標です。

MicrowireはNational Semiconductor Corp. の商標です。

下まで拡張されています。出力は外部プルアップ回路なしでレイルトゥレイル®動作が可能であるため、TTL/CMOSロジックとの使用に最適です。入出力は各電源電圧への連続短絡に耐え、内部ヒステリシスにより、入力信号がゆっくり変化してもクリーンな出力スイッチングが保証されています。

MAX998は6ピン SOT23又は8ピンSOP、MAX976は 8ピン S O P又は µM A X、MAX978は16ピン QSOP又はナローSOPパッケージで提供されています。価格については、¥210(1,000個以上)からとなっています。

レイルトゥレイルは日本モトローラの登録商標です。

MAX998(20ns *)

競合他社(40ns*)

競合他社(28ns*)

10mA 10mA

650 µA†

† †

*標準的な伝搬遅延 † コンパレータ当たりの最大消費電流

消費電流を15分の1に低減

18

NEW PRODUCTSポータブル/バッテリ駆動アプリケーションに最適の低ノイズ、低歪みアンプ

MAX4249~MAX4257 *シリーズは2.4V~5.5Vの単 一電源で動作し、アンプ当たりの自己消費電流が僅か400 µAの低ノイズ、低歪みアンプです。このシリーズは、低ノイズ及び(又は)低歪みを必要とするポータブル及びバッテリ駆動アプリケーションに最適です。出力はレイルトゥレイル®スイングで、入力同相範囲はグランドを含んでいます。

MAX4249~MAX4257 オペアンプはシングル、デュアル及びクワッドで提供されており、入力電圧ノイズ密(7.9nV/ √Hz)、入力電流ノイズ密度(0.5fA/√Hz )及び超低歪み (1k Ω負荷での全高調波歪みが0.0002%) という点で相当品の性能を上回っています。MAX4249、MAX4251、MAX4253及びMAX4256 は、消費電流を0.5 µAに低減して出力をハイインピーダンス状態にする低電力シャットダウンモードを持っています。MAX4250~MAX4254オペアンプは、ユニティゲイン安定です。MAX424 9及びMAX4255~MAX4257デバイスは、内部で利得10V/ V以上用に補償されています。

MAX4249~MAX425 7オペアンプは、省スペースの5ピンSOT23、8ピン µMAX、10ピン µMAX、8ピンSOP及び14ピンSOPパッケージで提供されています。価格については、¥110(1,000個以上)からとなっています。

*MAX4252/MAX4253/MAX4254 は開発中です。入手可能性についてはお問い合わせください。

レイルトゥレイル出力を提供する単一電源、利得+2/-1V/Vの閉ループバッファ

シングルMAX4214及びMAX4215、デュアルMAX4217、 トリプルMAX4219及びクワッドMAX4222は、 +3.15V~+11V の単一電源又は±1.575V~ ±5.5Vのデュアル電源で動作する固定閉ループ利得+2V/V又は-1V/Vの単一電源バッファです。レイルトゥレイル出力及び低消費電力の特長を持つこれらのバッファは、ポータブル及びバッテリ駆動アプリケーションに最適です。

MAX4214 ファミリのバッファは自己消費電流が僅か5.5mAですが 、スルーレート600V/ µs及び出力電流能力±120mAを実現しています。これらのバッファは、ビデオ通信、計測器及びその他の広帯域幅を必要とする低電力/低電圧機器に最適です。-3dB帯域幅はMAX4214/MAX4215/MAX4217

が230MHzで MAX4219/MAX4222が200MH zです。MAX421 5及びMAX4219は、消費電流を400 µAに低減して出力をハイインピーダンス状態にするディセーブルモードを備えているため、多重化アプリケーションに適しています。

反転入力及び非反転入力は、同じ電圧ノイズと入力電流ノイズ(10nV/ √Hzと1.3pA/ √Hz)を示します。その他の特長としては、0 . 1 d B 利得平坦性が90MHz(MAX4219/MAX4222)で 、微分利得/位相エラーが0. 02%/0.03゜と低く、低歪み(5MHz) でスプリアスフリーダイナミックレンジが-72dBc、全高調波歪みが-71dBとなっています。

パッケージは、省スペースの5ピンSOT23(MAX4214)、8ピンSOP又は µMAX(MAX4215及びMAX4217)及び14ピンSOP又は16ピンQSOP(MAX4219及び MAX4222) となっています。いずれも温度範囲は拡張工業用(-40~+85)のものが用意されており、価格については、¥180(1,000個以上)からとなっています。

10MHzでCMRが90dBの高速差動ライン

MAX4144/MAX4145/MAX4146は、差動ラインレシーバとして使用するように設計されたトリプルオペアンプ計測器アンプです。完全対称差動入力及び150Ω負荷を ±3.7Vまで駆動する能力を持ったシングルエンド出力を備え、±5Vで動作します。自己消費電流は11mAで、消費電流を800 µAに低減するシャットダウン機能を備えています。

内部薄膜抵抗のマッチング及びレーザトリミングによって、低歪みと10MHzで 90dBの同相除去比(CMR )を実現しています。MAX4145の歪みは、f C=10kHzで SFDRが-92dBcです。これらのアンプは微分利得/位相及びノイズ仕様が優れているため、広範囲のビデオ及びRF信号処理アプリケーションに最適です。MAX414 4は、電流フィードバック技法を使用して帯域幅130MHz とスルーレート1000V/ µ sを実現しています。MAX4145は、 閉ループ利得+1V/Vで帯域幅180MHz 及びスルーレート600V/ µsを実現

しています。MAX4146 は、閉ループ利得+10V/V で帯域幅70MHz 及びスルーレート800V/ µsを実現しています。

ディジタル加入者ライン(DSL)用の完全差動伝送リンクを形成するには、MAX4144/MAX4145/MAX4146 レシーバとMAX4147差動ラインドライバをツイストペアラインで接続してください(詳細については、MAX4147 データシートを参照してください)。これにより形成されるシステムは、複数の高速ハイパワーオペアンプを置き換えます。

MAX4144/MAX4145/MAX4146 レシーバは、14ピンSOPパッケージで提供されています。温度範囲は、拡張工業用(-40~+85)のものが用意されています。価格については、¥300(1,000 個以上)からとなっています。

HD2

HD3HD4

HD5

0

0

-20

-40

-60

-80

-100

-120

-140

-1605000 10000 15000 20000

Hz

dB

c

LOWDISTORTION

THD+N = 107dBcHD2 = -114dBcHD3 = -128dBcHD4 = -132dBcHD5 = 130dBc

SOT23

3.0m m x 3. 1mm

低歪み

19

NEW PRODUCTS

28Vまでの入力を許容するノートブックコンピュータ用マイクロパワーリニアレギュレータ

MAX161 5及びMAX1616 は、低電力リニアレギュレータです。全てのバッテリ駆動機器に利用できますが、主に高電圧バッテリ駆動のノートブックコンピュータのマイクロコントローラ及びCMOS RAMにキープアライブ電源(常にオン)を供給するために設計されています。いずれも広入力電圧範囲(4V~28V) 、低ドロップアウト電圧(最大負荷電流30mAで350mV)、初期出力精度±2%、低シャットダウン電流(1µA max)といった特長を持っています。

DAC制御ブースト/インバータLCDバイアス電源、内部スイッチ付

MAX686は、LCD バイアス発生用に設計されたブースト/インバータDC-DCコンバータです。2.7V~5.5V の正入力を許容し、内部6ビットDACで設定される0V~ +27V(0V~-27V)の安定化出力を生成します。本チップは、プログラマブル電流制限及び500mA、28V のnチャネルMOSFETスイッチも備えています。

MAX68 6のスイッチングは、広範囲の負荷条件にわたって高効率(最大90%)を可能にする電流制限パルス周波数変調によって制御されています。スイッチング周波数が高いため(最大300kHz) 、小型外部部品を使用できます。

内部パワーOKコンパレータの入力及びオープンドレイン出力(POKイン、LCDONアウト)は、ロジック電圧が除去された時にLCDを切り離して保護するための信号を提供します。MAX686 の消費電流は通常動作では約65 µAですが、シャットダウン中は僅か1.5 µAに低減します。MAX686は低消費電力、高効率及び小型パッケージという特長により、バッテリ駆動ポータブル機器に最適です。

MAX686はMAX629 と類似していますが、DACが追加されています。いずれのデバイスも設計作業を容易にする評価キットが入手可能です。MAX686は16ピン QSOPパッケージ(8ピンSOPと同サイズ)で提供されており、温度範囲は拡張工業用(-40~+85)のものが用意されています。価格については、¥370(1,000 個以上)からとなっています。

次世代のノートブックCPU用に最適化された高精度PWMバックコントローラ

低電圧MAX163 7パルス幅変調 (PWM)コントローラは、ノートブックコンピュータ用として高精度に安定化されたDC精度±2%のステップダウンCPU電源です。バッテリ電圧が5.5V を超える機器において、MAX1637 はバッテリとは別の電源で駆動されます(通常はメイン+5V電源から)。

外部MOSFETによる同期整流により、MAX1637 は最高95%の高効率を達成します。1000 倍の負荷電流範囲に渡って効率が80%以上であるため、システムサスペンド及びスタンバイモードにおけるバッテリ寿命が拡張されます。シャットダウン中の消費電流は、僅か1µAです。負荷過渡応答(300kHz クロックの5サイクル以内)が優れているため、ダイナミッククロックCPUに起因する出力トランジェントの生成を防ぐことができます。本チップは外部nチャネルMOSFETの高速スイッチングを保証する、強力な1Aゲートドライバを内蔵しています。

MAX1637 の固定周波数PWMは、ノイズ及びRF妨害を低減します。SKIP入力をローにすると、負荷電流が小さい時に内部IdleMode TM回路が自動的にスイッチング周波数を下げることによって効率を最適化します(負荷電流が増加するとデバイスは滑らかに

PWMモードに戻ります)。過電圧保護のため、フィードバック信号が7%以上高くなるとクローバ回路がローサイドMOSFETをターンオンします。予め設定された時間内に出力が安定化状態にならないと、低電圧ディテクタがPWMをシャットダウンします。内部ディジタルソフトスタートにより、スタートアップ時の入力サージ電流が低減されます。

MAX163 7の入力範囲は3.15V~5.5Vで、出力電圧は可変1.1V~5.5Vです。これと類似した低ドロップアウトのスタンドアロンデバイスであるMAX1636は、ローサイド外部MOSFETのゲートドライブ電源を供給する5V/25mA リニアレギュレータ(シャットダウン中はオフ、スタンバイ中はオン)を備えています。

MAX1637は1 6ピンQSOPパッケージで提供されており、温度範囲は拡張工業用(-40~+85)のものが用意されています。価格については、¥460(1,00 0個以上)からとなっています。

Idle Modeはマキシム社の商標です。

無負荷消費電流が僅か8µA(max)と小さいにもかかわらず、MAX1615/MAX1616は優れたAC-PSRR及びライントランジェント応答を備えています。MAX1615は、バッテリとACアダプタの間の切換え時に生じる電源電圧の高速変化にさらされても、クリーンな5V又は3.3V 出力を提供します。MAX1616 の出力は、1.24V~24Vの範囲で可変です。

障害保護機能として、内部フの字電流制限及びサーマルシャットダウン回路を備えています。MAX1615/MAX1616は、優れた熱特性により571mW の大電力消費が可能な超小型5ピンSOT23 パッケージで提供されています。価格については、¥100(1,000個以上)からとなっています。

MAX686

VCC

DACIN

INCREASE

DECREASE

OPTIONALCONNECTION

入力(0.8V~VOUT)

ロジック電源(2.7V~5.5V)

LX

DACOUT

出力最大0~+28V

又は0~-28V(50mA)

内部28Vスイッチ

SOT23 に収まる効率98%の低電力スイッチドキャパシタ電圧ダブラ

MAX1682/MAX1683は、 入力電圧範囲が2V~5.5Vで効率が98%以上のモノリシックCMOSチャージポンプ電圧ダブラです。高効率、低動作電流(MAX1682が110 µA)及び超小型5ピンSOT23 パッケージといった特長のため、バッテリ駆動及びボードレベルアプリケーションに最適です。いずれのデバイスも、標準的なアプリケーションとしてハンドヘルド電子手帳(PDA)のLCD用に3Vから6Vを生成します。

MAX1682は 12kHz で動作し、MAX1683は35kHz で動作します。いずれも発振器制御回路及び4つのパワーMOSFETスイッチを備えています。僅か2つの外部コンデンサ(僅か1µF)を必要とするだけで最大45mAの出力電流を供給し、標準出力ドロップアウトは30mAで僅か600mVです。

MAX1682/MAX1683 ダブラは5ピンSOT23 パッケージで供給されており、温度範囲は拡張工業用(-40~+85)のものが用意されています。価格については、¥160(2,500 個以上)からとなっています。

20

NEW PRODUCTS超小型QSOPに収まるステップアップ/ステップダウンDC-DCコンバータ

MAX1672 は、低ドロップアウトリニアレギュレータ及び高効率ステップアップDC-DCコンバータを16ピン QSOPパッケージ(8ピンSOPと同面積)に収めたモノリシックICです。出力電圧の上下に変動する入力(1.8V~11V )から、3.3V又は5V の安定化出力を生成します。2つの外部抵抗を使用して、1.25V~5.5V 間で出力電圧を設定することもできます。ブーストモードにおける標準効率は85%です。

このステップアップ/リニアレギュレータの組み合わせにはMOSFETパストランジスタが含まれており、SEPIC又はフライバック構成で通常見られるものよりも小型の単一インダクタを使用できます。ピークスイッチ電流リミットのディジタル選択(0.5A又は0.8A) が可能であるため、低電流アプリケー

高性能のCPU駆動用の高精度ステップダウンコントローラ

MAX1638は 、高性能コンピュータ機器のCPU電源を発生するためのステップダウンDC-DCコントローラです。出力電圧精度と良好なトランジェント応答が必須のアプリケーション用に設計されており、全ライン及び負荷精度±1%で1.3V~3.5V の安定化出力を提供します。また、5V ±10%の入力電源から35A以上の電流を供給します。アプリケーションとしては、Intel PentiumPro®、Pentium II®、PowerPCTM、AlphaTM

及びK6TMシステム等が挙げられます。

スイッチング周波数は、300kHz、600kHz又は1MHz をピン選択できます。周波数が高いために小型出力フィルタコンデンサ及び小型表面実装インダクタを使用

ションではさらに小さなインダクタを使用できます。リニアレギュレータが、出力リップル電圧を低減するフィルタの役割を果たします。

MAX1672は、 自己消費電流が85 µAと低く、ロジック制御のシャットダウンではさらに0.1 µAにまで低減します。シャットダウン中にリニアレギュレータは、出力を入力から切り離します。サーマル保護、短絡保護及びローバッテリディテクタ(PGI/PGO)も備えています。

実装済みの評価キット(MAX1672 EVキット)により、MAX167 2の設計をスピードアップできます。MAX1672はV IN = 2.5Vの時に5Vで300mA、V IN= 1.8Vの時は5Vで150mA を供給します。類似のデバイスで出力電流が大きなものについてはMAX710及びMAX711 を参照してください。MAX1672は1 6ピンQSOPパッケージで提供されており、価格については、¥330(1,000個以上)からとなっています。

HIGH-EFFICIENCYSTEP-UP DC-DC

入力1.8V~11V

ON

OFF

LBI

3/53.3V

5V

LOW-BATTERYDETECT INPUT

LOW-BATTERYDETECT OUTPUT

出力3.3V/5V又は可変最大300mA

P-CHANNELLDO LINEARREGULATOR

LBO

SHDN

MAX1672

300mAステップアップ/ダウンDC-DCコンバータ入力しても一定出力を維持

12

10

8

6

4

2

0TIME

入力電圧 (V)

VIN = 11V TO 1.8VBATTERY VOLTAGE

VOUT = 5V

VOUT = 3.3V

できるため、ボード面積を低減することができます。

MAX1638は動的応答が優れているため、最近のダイナミッククロックのCPUを駆動する電源で生じる出力トランジェントを防ぐことができます。内部フライングキャパシタブートストラップ回路により2A出力が可能であるため、MAX1638 は外部パワースイッチ及び同期整流器として、安価なnチャネルMOSFETを駆動できます。同期整流によって、MAX1638は90%以上の効率を達成できます。

その他の特長としては、ディジタルプログラマブル出力電圧、可変トランジェント応答、選択可能なAC負荷レギュレーション(0.5%、1 %又は2%)、内部ディジタルソフトスタート、パワーグッド出力、クローバー過電圧保護及び3.5V ±1%のリファレンス出力等が挙げられます。

GlitchCatcher TM電流ブースト回路は、一時的にインダクタとそのフィルタリング効果をバイパスすることにより、高速負荷変化によって生じる出力スパイクを防ぎます。ディジタル入力D0~D4は、 Intel VRM 8.2規格とコンパチブルです。

MAX1638は現在24ピン SSOPで提供されており、将来は24ピンの QSOPも提供されます。価格については、¥480(1,000個以上)からとなっています。

GlitchCatche rはマキシム社の商標です。

Pentium Pro及びPentium II はIntel Corp .の登録商標です。

PowerPCはIBM Corp .の商標です。

AlphaはDEC/Compaqの商標です。

K6はAMDの商標です。

21

NEW PRODUCTS消費電流が僅か500nAのSOTリセットIC

MAX6326~MAX6328は、 ディジタル機器の3V又は3.3V電源を監視するために設計された超低電力リセット回路です。消費電流が非常に小さいため(500nA typ)、ポータブル機器に最適です。外部部品及び調節が不要になっているため、信頼性が高く、低コストです。

各デバイスは、VCCが予め設定されたスレッショルドよりも低く下がると100ms(min)の間リセット信号を発生し、VCCがスレッショルドより高い値に戻った後も最低100msはリセットを維持します。これらのIC間の違いは出力構造だけとなっており、MAX6326はアクティブ/ローのプッシュ/プル、MAX6327はアクティブ/ハイのプッシュ/プル、MAX6328はアクティブ/ローのオープンドレインです。全ての出力は、VCCレベルが1Vに低下するまで有効であることが保証されています。内部コンパレータは、VCCの高速トランジェントを無視するように設計されています。

MAX6326~MAX6328 は、リセットスレッショルド電圧が2.20V~3.08V の範囲で約100mV ステップで提供されています。各デバイスに共通な5つの標準スレッショルド(2.20V、 2.32V、2.63V、2.93V及び3.08V) があるため、15種類の標準製品が最小注文量2,500 個で提供されています。非標準リセットスレッショルドについては、販売代理店又はマキシムジャパンまでお問い合わせください。(非標準製品の最小注文量は1万個です。) MAX6326~MAX6328は3ピンSOT23 パッケージで提供されており、温度範囲は拡張工業用(-40~+85)のものが用意されています。価格については、¥130(2,50 0個以上)からとなっています。

低ノイズ30 µVRMSの低ドロップアウトリニアレギュレータ

MAX8867/MAX8868は 、低ノイズ(10Hz~ 100kHzで30 µVRMS)、低ドロップアウト電圧(最大負荷電流150mA 165mV)及び超小型(5ピンSOT23 パッケージ)の特長を備えたリニアレギュレータです。この性能により、携帯電話及びその他のワイヤレス通信機器でベースバンドアナログ及びシンセサイザ/VCO部を駆動する際に信号雑音比を改善し、バッテリ寿命を拡張しています。

各デバイスは、負荷電流150mAまで低ドロップアウト電圧及び低消費電流(100 µA)を維持するpチャネルMOSFETパストランジスタを備えています。(pnpトランジスタレギュレータは、完全負荷時に数mAを消費することがあります。)さらに電力を節約するため、ロジック制御のシャットダウンににより消費電流を1µA以下にまで低減できます。シャットダウン中、MAX8868 は出力コンデンサを能動的にグランドに放電する自動放電機能を起動します。

各レギュレータの標準バージョンは、予め設定された一般的な出力電圧値(2.5V、2.8V、3.0V、3.15V、3.3V、3.6V及び5.0V)によって区別されます。2.5V~5.0Vの範囲で100mV ステップのカスタム出力レベルも提供されています。全ての出力は精度仕様が±1.4%となっています。その他の特長としては、短絡保護、高温保護(サーマルシャットダウン)及びバッテリ逆挿入保護等が挙げられます。

MAX8867/MAX8868 レギュレータは5ピンSOT23 パッケージで提供されており、温度範囲は拡張工業用(-40~+85)のものが用意されています。価格については、¥110(1,000個以上)からとなっています。

絶対精度±1%のディジタル制御残量計

MAX1660は 、充電式バッテリパックの管理に必要な残量測定及び保護機能を提供する残量計インタフェースです。MAX1660はホストマイクロコントローラと共に動作して、2つの独立な内部カウンタに積算「クーロンカウント」を保存することにより、充電及び放電電流を正確に監視します。任意の制御アルゴリズム及びバッテリタイプに対応できます。

カウンタの内容は、システムマネジメントバス(SMBusTM)とコンパチブルな2線シリアルインタフェースを通じてコントローラからアクセスできます。オプションの3番目の線はバッテリの電荷が設定された容量リミットに達した時、又は瞬間バッテリ電流が(設定された)リミットに達した時にコントローラに割込みをかけます。過電流又は短絡状態が発生すると、MAX1660 は負荷を切り離してコントローラに知らせます。

システムの部品点数を最小限に押さえるため、MAX1660 は負荷に最大200 µA供給できる2.0V の高精度リファレンス及び外部

0

0.6

0.4

0.2

0.8

1.0

-40 0-20 20 40 60 80

消費電流 対 温度

温度 (°C)

消費電流 (

µA)

VCC = 3V, VTH = 2.63V

コントローラ等の回路に5mAを供給できる3.3V リニアレギュレータを含んでいます。3番目の出力は、外部コントローラに信頼性の高いパワーオンリセットを提供します。MAX1660は4V~28 Vのバッテリ電圧で動作し、2つのマイクロパワーシャットダウンモードでバッテリ寿命を拡張しています。1つは1µAのハードシャットダウン、もう1つはシリアルインタフェースと3.3Vレギュレータをアクティブ状態に保つ18µAのソフトウェアシャットダウンです。

入力電流範囲は24,000 倍を超え、MAX1660は240 倍以上の電流範囲で優れた精度を保ちます。例えば、電流検出抵抗の推奨値30mΩを使用すると、17mA~4Aの範囲で±1%の絶対精度を実現できます。MAX1660は1 6ピンQSOPパッケージで提供されており、温度範囲は拡張工業用(-40~+85)のものが用意されています。価格については、¥370(1,000個以上)からとなっています。

SMBusはIntel Corp .の商標です。

80

00.001 0.01 0.1

出力ノイズ 対 バイパスコンデンサ

20

10

バイパスコンデンサ (µF)

出力ノイズ

(µV

RM

S)

30

50

60

40

70

MAX8877EUK33

VOUT = 3.3VCOUT = 10µFILOAD = 10mAf = 10Hz to 100kHz

22

NEW PRODUCTS10ピン µMAXに収まる低ノイズ2.5GHzダウンコンバータミキサ

MAX2690は 、ポータブルコンシューマ向け機器用に設計された低ノイズ低電力ダウンコンバータミキサです。アプリケーションとしては、2.45GHzのISM 無線機、ワイヤレスLAN、パーソナル通信機器(PCS)、CDMA機器、セルラ電話及び携帯電話、及びハンドヘルド無線機等が挙げられます。雑音指数が低く(10dB)、出力三次インターセプトが高いため(OIP3が15dBm)、同じRF利得及びシステム感度に対して消費電流が非常に小さくて済みます。

シングルエンドRF入力ポートは400MHz~2500MH zの範囲の信号を受け付け、シングルエンドLO(局部発振器)入力ポートは700MHz~2500MHz の範囲の信号を受け付けます。これらの信号は、ダブルバランスド・ギルバートセルミキサで混合

低ノイズアンプを備えた低コスト、1.7GHz~2.05GHzのダウンコンバータ

MAX2406は、 1.9GHz レンジで動作する通信機器用に最適化された広周波数範囲設計のダウンコンバータです。アプリケーションとしては、PWT/DCT1900、 DCT1800/PCS1900、PH S及びDECTが挙げられます。MAX2406は、 低ノイズアンプ(LNA)、ダウンコンバータミキサ及び局所発振器(LO)バッファを低コストのプラスチック表面実装パッケージに内蔵しています。

LNAは1.9GH zでの標準雑音指数が2.5dBで、入力三次インターセプトポイント(IIP3)が-9.5dBです。コンバータミキサは雑音指数が9dBと低く、IIP3は4.5dB mです。最大限の柔軟性を持たせるため、LO及びイメージ

周波数フィルタリングはチップ外で行います。

MAX2406は 、差動IFポートを備えています。このポートは、未使用側をVCCに接続するとシングルエンドモードでも動作します。LOバッファは、LOパワーが僅か-16dBmで差動モード又はシングルエンドモードの駆動が可能です。消費電力は動作モードで僅か60mW となっており、シャットダウンモードでは1.5 µWまで低減します。

トランシーバアプリケーション用として、MAX2411A及び MAX2410 がトランスミッタ及びMAX2406 に類似したレシーバを提供します。MAX2406は2 0ピンQSOPパッケージで提供されており、温度範囲は拡張工業用(-40~+85)のものが用意されています。価格については、¥300(1,000個以上)からとなっています。

ハーフ/フル・デュープレックス動作をソフトウェアで選択できるRS-485/RS-422トランシーバ

MAX1481/MAX1484/MAX1485/MAX1486は、高速性(12Mbps)及び1/8ユニット負荷特性を備えたハーフ又はフルデュープレックスのソフトウェア選択が可能な、スルーレート制限RS-485/RS-422インタフェースを必要とする低コスト省スペースアプリケーションに最適なデータトランシーバです。これら全ての機能は、10ピン µMAXパッケージ(8ピンSOPの僅か半分のボード面積)に集積化されています。

MAX1485/MAX1486( ソフトウェア選択可能なハーフ又はフルデュープレックス)は、大きくて高価な従来の解決法(送信ラインと受信ラインの間のハードウェアジャンパで設定する14ピンのフルデュープレックストランシーバ、又はソフトウェア選択用のロジックゲートを付加した2つの8ピンのハーフデュープレックストランシーバ)を置き換えます。MAX1481及びMAX1484は工業標準のMAX491及び 75180 と機能的に等価であり、省スペースアプリケーションにおいてフルデュープレックスRS-422/RS-48 5通信を提供します。

MAX1481/MAX1485 トランシーバはEMIを最小限に抑え、不適切に終端処理されたケーブルによって生じる反射を低減するスルーレート制限ドライバを備えているため、250kbps までのエラーフリー通信が可能です。MAX1484/MAX1486トランシーバのドライバスルーレートは制限されていないため、12Mbps 動作が可能です。いずれもレシーバ入力インピーダンスが1/8ユニット負荷であるため、1つのバスに最大256個のトランシーバを接続できます。

MAX1481/MAX1484/MAX1485/MAX1486 トランシーバは10ピン µMAXパッケージで提供されており、価格については、¥160(1,000個以上)からとなっています。

されて、10MHz~500MHz の範囲の差動IF出力を生成します。この差動出力は直線性が良好でLO放射が小さく、CDMAセルラ電話及びその他の差動IFフィルタ付アプリケーションとのコンパチビリティが保証されています。

MAX2690は2.7V~5.5V の単一電源で動作し、3V電源で消費電流が16mAです。バッテリ駆動機器用に、消費電流を1µA以下に低減するロジック制御シャットダウンも備えています。RF入力が900MHzでLO入力が1.1GHzの場合、 MAX2690 の利得は7.7dB 、入力三次インターセプト(IIP3)が7.6dBmとなり、この結果OIP3は15dBmとなります。

MAX2690 は超小型10ピンµMAXパッケージで提供されており、価格については、¥270(1,000 個以上)からとなっています。

BIASSHDN

GND IFOUT+

RFIN IFOUT-

RFBYP GNDLO

VCC LD

LGND

MAX2690

超小型ダウンコンバータIIP3 : 7.6dBm

23

NEW PRODUCTS

プログラマブル変調電流の622MbpsLAN/ATMレーザドライバ

MAX3766 は光ファイバLANトランスミッタ用に設計され、622Mbps 動作用に最適化されたレーザドライバです。レーザ変調器、自動電力制御(APC)回路及びラッチ付シャットダウンを伴う故障インジケータを備えています。

外部抵抗により、レーザの変調電流(622Mbps における最大値が60mA)を設定します。別の抵抗でレーザのバイアス電流を0.5mAと80mA の間に設定します。変調電流が小さい場合、MAX3766は最大1.25Gbps

自動電力制御付の3.3V、622Mbpsレーザドライバ

MAX3667は、完全 3.3V(又は5V)レーザダイオードドライバです。最大622MbpsまでのSDH/SONETアプリケーション用に設計されており、温度効果及び老朽化によるレーザ効率の変化を補償する自動電力制御(APC)回路を備えています。

MAX3667 は差動PECL入力を受け付け、レーザダイオード用のシングルエンドバイアス及び変調電流を提供します。内部温度安定化リファレンス電圧により、これらの電流の外部プログラミングが容易です。変調電流範囲は5mAp-p~60mAp-p、バイアス電流範囲は5mA~90mAです。

外部回路でレーザドライバ機器の性能を監視できるように、2つの内部モニタがバイアス電流及び変調電流に直接比例する高速アナログ電流を提供しています。その他の特長としては、イネーブル/ディセーブル制御及び最小ターンオン時間50ns のスロースタート機能等が挙げられます。MAX3667は32ピンTQPFパッケージで提供されており、温度範囲は拡張工業用(-40~+85)のものが用意されています。価格については、¥1,220(1,000個以上)からとなっています。

4ns~500nsの5タップシリコンディレーライン

MXD1000/MXD1005 は、それぞれ5つのタップを持ったシリコンディレーラインです。最大ディレーの20%きざみで5つのディレー値が可能です。この最大値は、製品番号の拡張子にナノ秒単位で表示されています。MXD1000は8 バージョン、MXD1005は1 6バージョンが用意されています。各タップにより、最大10個の 74LS負荷が駆動されます。

MXD1000及びMXD1005は5Vで動作し、TTL/CMOSコンパチブルなディジタル入力を備えています。各ディレー値は、公称精度が±2ns又は ±3%(いずれか大きい方)となっています。ハイブリッドディレーラインと比較すると、これらはより高性能、高信頼性及び低コストを実現しています。MXD1000/MXD1005は、 Da l l a sSemiconductorのDS1000/DS1005の改良型セカンドソースです。MXD1000の消費電流は20mA(DS1000は 35mA)となっており、MXD1005 の消費電流は17mA(DS1005は 40mA)です。

MXD1000及びMXD1005は8ピンDIP、SOP又はµMAXパッケージ、14ピンDIPパッケージ及び16ピンナローSOPパッケージで提供されており、価格については、MXD1000が¥230、MXD1005が¥280 (1,000個以上)からとなっています。

MAX3667

MAX3681

+3.3V+3.3V +3.3V+3.3V +3.3V+3.3V +3.3V

完全な3.3Vトランスミッタ/レシーバチップセット - クロック発生器及びシリアライザを内蔵

MAX3691

MAX3664

MAX3675

クロック発生器及び4:1シリアライザ

レーザドライバ

0km 60kmプリアンプ クロック&データ

リカバリ及びリミティングアンプ

1:4デシリアライザ

のデータレートで動作できます。変調の温度係数を設定することにより、トランスミッタの消滅比を広い温度範囲でほぼ一定に保つことができます。APC回路は、レーザのモニタフォトダイオードからのフィードバックを使用してレーザのバイアス電流を調節することにより、レーザの温度又は使用時間に関係なく出力を一定に保ちます。

トランスミッタ出力が危険なレベルに達しないように、MAX3766 にはラッチ付シャットダウンを伴う故障インジケータ及びスムーズスタートアップバイアス発生器等の幅広いレーザ安全対策が施されています。MAX3766は20ピン QSOPパッケージで供給されており、価格については、¥1,490(1,000 個以上)からとなっています。

45

0

5

1k 10k 100k 1M 10M 100M

アクティブ電流 対 周波数(MXD1000__075対DS1000-75)

周波数 (Hz)

アクティブ電流

(mA)

30

35

25

20

15

10

40

DS1000-75

MXD1000__075