情報システム論文執筆ワークショップ · 2010-09-15 ·...

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情報処理学会創立 50 周年記念全国大会 情報システム論文執筆ワークショップ ~情報システムの論文を書こう~ 配付資料 2010 3 10 15:3017:30 5 イベント会場

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Page 1: 情報システム論文執筆ワークショップ · 2010-09-15 · 情報処理学会論文誌は会員の研究成果の発表お よびこれに関連する討論の場を提供するために発

情報処理学会創立 50 周年記念全国大会

情報システム論文執筆ワークショップ

~情報システムの論文を書こう~

配付資料

2010 年 3 月 10 日 15:30~17:30

第 5 イベント会場

Page 2: 情報システム論文執筆ワークショップ · 2010-09-15 · 情報処理学会論文誌は会員の研究成果の発表お よびこれに関連する討論の場を提供するために発

1. プログラム

[1] 講演(1):特集号の総括(IS) 阿部 昭博 15:30-15:45

[2] 講演(2):特集号の総括(CE) 中森 眞理雄 15:45-16:00

[3] 講演(3):論文作成の課題 神沼 靖子 16:00-16:40

[4] パネル討論:検討課題の議題 16:40-17:30

2. 配付資料

[1] 「情報処理学会論文誌」原稿執筆案内資料

[2] 永田守男:情報システム論文の書き方と査読基準の提案,2001-IS-77-4

[3] 神沼靖子:特集「情報システム論文」の編集にあたって,情処学論 Vol.46, No.3

[4] 金田重郎:特集「新たな適用領域を切り開く情報システム」の編集にあたって,情処学論 Vol.47, No.3

[5] 辻秀一:特集「情報社会の基礎を築く情報システム」の編集にあたって,情処学論 Vol.48, No.3

[6] 阿部昭博:特集「社会的課題に挑む情報システム」の編集にあたって,情処学論 Vol.49, No.2

[7] 樋地正浩:特集「組織における情報システム開発」の編集にあたって,情処学論 Vol.50, No.2

[8] 刀川眞:特集「身近になる情報システムー理論と実践ー」の編集にあたって,情処学論 Vol.51, No.2

[9] 神沼靖子:情報システム論文の特質と評価,情処学論,Vol.48,No.3

[10] 論文作成の課題と査読者の悩み

[11] 情報処理学会論文誌投稿用キーワード表

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「情報処理学会論文誌(IPSJ Journal)」原稿執筆案内

2002 年 9 月改訂

2004 年 4 月改訂

2005 年 5 月改訂

2006 年 4 月改訂

2007 年 3 月改訂

2007 年 12 月改訂

2008 年 9 月改訂

2.1.発行の目的

情報処理学会論文誌は会員の研究成果の発表お

よびこれに関連する討論の場を提供するために発

行される。

2.2.掲載記事

(1)掲載記事は会員が自発的に執筆し投稿するも

ので、論文、テクニカルノートおよび誌上討論の3

種類がある。

・論文

学術、技術上の研究あるいは開発成果の記述で

あり、新規性、有用性などの点から、会員にとっ

て価値のあるもの。

・テクニカルノート

新しい研究開発成果の速報または技術上の新し

い提案。

・誌上討論

掲載された論文またはテクニカルノートに対す

る質問および回答。

(2)学会等が発行する論文審査を伴う刊行物に投

稿中の論文および学会等が発行する学術雑誌にす

でに掲載あるいは採録された論文と内容が同一の

投稿原稿は採録しない。なお同一性の判断はその

内容によって行い、記述言語、文体、体裁等の差

異は問わない。採録後に二重投稿の事実が判明し

た場合は、採録取消もあり得る。

(3)投稿者は原則として本学会会員に限る。寄稿

者が連名の場合は、少なくとも 1 名は本学会会員

でなければならない。

(4)掲載記事の内容についての最終責任は著者が

負うものとする。

2.3.投稿手続

(1)投稿原稿は日本語で、表-1 に示す刷上標準

ページ数に収まるように記述することが望ましい。

(2)投稿原稿の形式は、2.8 記載の「原稿形式」

に従わなければならない。ただし,誌上討論に関

しては、形式は自由とし、投稿する際はあらかじ

め editt@ipsj.or.jp に申し出ること。

(3)投稿原稿に対し学会は、受付日と受付番号

を付した原稿受領書を発行する。投稿原稿の問合

せなどは、以後、この受付番号で行うものとする。

2.4.投稿原稿の取扱い

(1)論文とテクニカルノートは、査読委員によ

るブラインド査読を行う。論文の場合、著者に照

会し回答を求めた上で、改めて審査を行い、採否

を決定することがある。

(2)採録が決定した論文、テクニカルノートは、

委員会開催後に Web 上でその旨を発表する。また、

論文誌に掲載する際には、末尾に、原稿受付日お

よび採録決定日を付記する。

(3)条件付採録の場合は、部分的に論旨が不明

な点、あるいは錯誤と思われる個所について、照

会を行う。照会は原則として 1 回とする。採録の

条件に関連して原稿に手を加えることができる。

この場合、変更個所と変更理由を明示しなければ

ならない。回答期限は 2 カ月以内で、これを経過

した場合は、取り下げたものとみなす。

(4)不採録と決定した原稿は、不採録理由を著

者に返却する。

(5)投稿論文およびテクニカルノートは、次の

場合に不採録とする。

資料1

1

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-2-

a. 本学会で扱う分野と大きくかけ離れている。

b. 本質的な点で誤りがある。

c. 本質的な点が公知・既発表のものに含まれて

おり、新規性が不明確であり、かつ本学会関連の

学術や技術の発展のための有効性が不明確である。

d. 内容に信頼できる根拠が示されていない。

e. 書き方、議論の進め方などに不明確な点が多

く、内容の把握が困難である。

f. 条件付採録で示した条件が満たされていない。

(再投稿論文のみ適用)

g. その他編集委員会が不適当と判定したもの。

(6)著者は投稿原稿を取り下げることができる。

この場合、書面で論文誌編集委員会に申し出なけ

ればならない。

2.5.掲載決定通知,別刷等

(1)投稿原稿の採録が決まると、採録決定通知を

投稿者に送付する。

(2)採録原稿の掲載号が決まると、掲載決定通知

を投稿者に送付する。同時に電子入稿のための案

内を送付するので、その指示に従い、最終原稿を

提出すること。原稿の送付先および問合せ先は下

記の学会事務局とする。

〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台 1-5

化学会館 4F

(社)情報処理学会 論文誌担当

電子メール editt@ipsj.or.jp

Tel (03)3518-8372 Fax (03)3518-8375

(3)誤植防止のために著者に校正刷りを送る。校

正の際の原稿および図面の変更は認めない。

(4)著者から誤謬訂正の申し出があった場合、正

誤表を掲載する。事情により有料となることがあ

る。

(5)論文誌に掲載された論文、テクニカルノート

の著者は、掲載料を支払わなければならない。掲

載料は表-2 による。

(6)提出された原稿および媒体は返却しない。

(7)論文は、情報処理学会電子図書館の論文誌に

掲載される。

2.6 著 作 権

別に定める「情報処理学会著作権規程」に従う。

特別な事情によりこれに添えない場合は、投稿時

に必ず書面で申し出ること。

(1)図・写真などを引用する場合は、その所有

者に必ず了解を得た上で、その出典を明記する。

(2)商標もしくは登録商標を使用する場合は該

当個所にその旨を明記する。

(3)学会 Web サイトから取得できる Copyright

Transfer Form に署名し提出すること。

2.7.個人情報の取り扱い

論文に掲載された氏名・電子メールアドレス・

略歴等は、以下でも公表される。不都合がある場

合は、最終原稿送付時に必ず申し出ること。

* 情報処理学会が発行する CD-ROM 等のメディア、

情報処理学会が許諾した外部サイト

2.8.原稿形式

2.8.1 原稿の構成

論文誌の原稿は、次の i.~x.により構成する

(i.~x.でオリジナル原稿一式とする)。

i. 標 題:和英両文で書く。原稿の種別を標題

の左肩に明記すること。

ii.著者名・所属:氏名、所属を和英両文で書く。

共著の場合、著者と所属機関の対応を明示するこ

と。また、会員・非会員の別(会員の場合は会員

番号も)、著者連絡先(住所、電話番号(内線)、

E-mail 等。複数著者の場合は連絡担当者に*印を

付すこと)、ワープロ等の場合論文作成手段(機

種およびソフト名)を用紙の下部に明記すること

(2.8.2 参照)。

iii.和文アブストラクト:600 字(テクニカル

ノートは 300 字)以内。

iv.英文アブストラクト:200 語(テクニカル

ノートは 100 語)以内。

v.本 文:

vi.謝 辞:必要ならば付けてもよいが、できる

だけ簡単なものとする。

vii.参考文献:研究内容に関連して文献を引用

する場合、関連する本文中の個所の右肩に参考文

献番号を書き、末尾にその文献をまとめて記述す

る(2.8.4 参照)。引用文献は、すでに刊行物に掲

載されているか、あるいは掲載が確定している文

資料1

2

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献に限る。

viii.付 録:長い数式の誘導の過程や、実験装

置などの詳細な説明を本文に挿入すると論旨が不

明瞭になる場合、付録を設けてよい。

ix.図(2.8.4 参照)

x.表(2.8.4 参照)

なお、オリジナル原稿は、採録決定後提出する最

終原稿の形式であり、投稿時の原稿については、

2.8.3 記載の「投稿原稿の提出方法」を参照のこ

と。

2.8.2 原稿の様式

情報処理学会論文誌 LaTeX スタイルファイルに

は投稿用(draft)スタイルファイルと掲載用

(final)スタイルファイルがある。投稿には投稿

用スタイルファイル(以下、単にスタイルファイ

ルという)を用い、それに従って LaTeX で書式付

けされた原稿を基本とする。その他のワープロ等

で作成した原稿も受け付ける。

(A)LaTeX で作成する場合には、スタイルファイル

に付属した説明書に従って i.~x.を記述し、注意

事項を守ること。使用できるフォントや組み込む

ことのできるポストスクリプトファイル(図表

等)の形式には制限がある。注意事項が守られて

いない場合には処理ができずやむを得ず返却する

ことがある。

スタイルファイルの入手方法は学会ウェブサイ

ト 内 http://www.ipsj.or.jp/08editt/journal/

shippitsu/wabun.html で案内されている。

(B)MS-Word で作成する場合には、テンプレート

ファイルの説明に従って作成すること。

テンプレートファイル入手方法は学会ウェブサイ

ト 内 http://www.ipsj.or.jp/08editt/journal/

shippitsu/wabun2.html で案内されている。

(C)その他のワープロ等で作成する場合は、用紙サ

イズは A4 判に設定し、字詰は次による。

和文:24 字×26 行(A4 判の場合、上下左右各

45mm 程度の余白をとる)

英文:ダブルスペースで、1 ページあたり約 250

語。

大見出しは 2行どりとする。

i.,ii.,iii.+iv.,v.+vii.+viii.+ix.+x.,vi. は

それぞれ別用紙に、必ず用紙を改めて記述するこ

と。

2.8.3 投稿原稿の提出方法

(1)新原稿を投稿する際は、学会サイト下記 URL

のオンライン論文査読管理システム(Paper

Review Management System:PRMS)より電子投稿

を行う。

https://www.ipsj.or.jp/prms/author_pre_submit.do

必要事項を入力したうえで、オリジナル原稿から

ii. 著者名・所属および vi. 謝辞を除き PDF 化し

たもの(LaTeX スタイルファイルには著者情報と

謝辞の出力を抑止するオプションあり)をアップ

ロードする。

(2)再投稿する際は、改訂原稿の PDF と回答書

(書式自由。ただし著者名および所属は記入しな

い。)の PDF をアップロードする。

なお、論文審査を円滑に行えるよう、上記(1)、

(2)においてアップロードする PDF ファイルに、

印刷やテキストのコピー等の制限をかけないよう

ご配慮願いたい。

2.8.4 原稿執筆上の一般的注意事項

(1)専門用語については、簡単な用語解説を添

付することが望ましい。また本文中に使用する記

号には必ず説明をつける。

(2)参考文献は原則として、雑誌の場合には、

著者、標題、雑誌名、巻、号、ページ、発行年を、

単行本の場合には、著者、書名、ページ数、発行

所、発行年を、この順に記す。次の例を参照にさ

れたい。

4)山田太郎:偏微分方程式の数値解法,情報

処理,Vol.1, No.1, pp.6~10(1960).

5)Feldman, J.and Gries, D.: Translater

Writing System, Comm. ACM, Vol.11, No.2,

pp.77-113(1968).

7)大山一夫:電子計算機,p.300,情報出版,

東京(1991).

8)Wilkes, M. V: Time Sharing Computer

Systems, p.200, McDonald, New York(1990).

(3)図(モノクロ写真およびカラー写真を含む)

および表には、図 1 および表 1 のような通し番号

と名称を和文と英文でつける。英文はその図や表

の内容が本文を参照しなくても理解できるよう配

慮する。

資料1

3

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-4-

LaTeX による場合、図表は、ポストスクリプト

ファイル等を組み込むことも可能。組み込むファ

イルの形式はスタイルファイルの説明を参照のこ

と。

図・表のできあがり寸法と行数または枚数の換

算は次のとおりである。

(4)日本語記事の場合、句読点は全角の"."および

","を用いる。

寸法(mm) ワープロ原稿の場合の行数(24字×26行)

A.50×34 6 行 B.67×50 13 行 C.100×67 26 行 D.134×100 39 行

LaTeX で使用できるフォントの種類はスタイル

の説明を参照すること。それ以外のフォントを使

用したときには,予期しないできあがりとなるこ

とがある。

以上

表-1 論文誌の投稿記事種目

種 目 内 容 刷上標準ページ数

ワープロによる 和文記事原稿枚数

(1)論文 学術,技術上の研究あるいは開発成果の記述であり,新規性,有用性などの点から,会員にとって価値のあるもの。

8 24

(2)テクニカルノート 新しい研究開発成果の速報または技術上の新しい提案。

4 12

(3)誌上討論 掲載された論文またはテクニカルノートに対する質問および回答。

1 3

原稿枚数,語数はタイトルや図表などすべてを含めた数値 ワープロの場合の原稿用紙(24×26 行=624 字)

表-2 論文誌掲載料

(単位:円/消費税込み)

ページ数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

価格 13,650 27,300 40,950 54,600 68,250 81,900 95,550 109,200 132,825 156,450

なお,8ページを越えるときは,1ページにつき23,625円(消費税込み)加算する。 カラーでも料金は変わらない。

資料1

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付録 参考文献の記載方法

2007/05/31

参考文献は,次の形式に従って記述すること.

●著 者:

・3名以内の場合は,全員記載する.英文の場合は

___,___ and ___

と記載する.

・4名以上の場合は,下記のように省略して記載してもよい.和文の場合は

___,___,___ほか

と記載する.英文の場合は

___, ___, ___, et al.

と記載する.

●姓 名:

・姓・名の順に記載する.和文の場合は,フルネームで記載する.英文の場合は,次の形式に略する.

Barry Blesser → 略 Blesser, B.

Takashi Yoshino → 略 Yoshino, T.

●雑誌名:

・和文雑誌は,原則として略記せず,完全誌名を記述する.

・英文雑誌は,国際的な慣行に従って略記表記してもかまわない.

●標 題:

・標題の大文字・小文字は,原稿のまま記載する.

●コンマおよびピリオドの使い方:

・ 和文には,全角コンマ,全角コロン,全角ピリオドを用いる. ・ 英文には,半角コンマ,半角コロン,半角ピリオドを用いる.半角コンマの直後には半角スペースを入れる.

●各参考文献の記載例を示す.

○和文雑誌

1) 著者名:標題,雑誌名,Vol.をつけて巻,No.をつけて号,pp.をつけて始めのページ-おわりのページ(西暦年).

1) 荒金陽助,下川清志,金井 敦:音声対話システムにおけるスケーラビリティ評価モデルの検討,情報処理学会論文誌,Vol.46,

No.9,pp.2269-2278 (2005).

○英文雑誌

1) 著者のFamily nameのあとに","(コンマ)をつけて, Middle Name, Given nameのイニシャルのあとに"."(ピリオド)をつける: 標題,雑誌

名(雑誌名は,略称でイタリックにする),Vol.をつけて巻,No.をつけて号,pp.をつけて始めのページ-おわりのページ(西暦年).

例1

1) Tan, T.R. and Ikeuchi, K.: Illumination Color and Intrinsic Surface Properties-Physics-based Color Analyses from a Single Image, IPSJ

Trans. CVIM, Vol.46, No.SIG9 (CVIM 11), pp.56-59 (2005).

例2

2) Rivest, R.L., Shamir, A. and Adleman, L.M.: A method for obtaining digital signatures and public-key cryptosystems, Comm. ACM,

Vol.21, pp.258-261 (1978).

○国際会議プロシーディング

1)著者: 論文名, Proc.をつけてプロシーディング名(プロシーディング名は,イタリックにする.略称で記載してもよい.また,完全名を記

載し,さらに括弧内に略称を付記してもよい.なお,括弧はイタリックにしないこと.),編者名(編者名が不明の場合は不要), pp.をつけて

始めのページ-おわりのページ, 版元(版元が不明の場合は不要)(西暦年).

資料1

5

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例1

1) Ichiro, S.: A Component Framework for Document Centric Network Processing, Proc. IEEE International Conferences on Symposium

on Applications and the Internet (SAINT 2007), IEEE Computer Society, p.7 (2007). 䈊

例2

2) Tang, C.J. and Minneman, L.S.: VideoDraw: a video interface for collaborative drawing, Proc. CHI'90, pp.313-320, ACM (1990).

○単行本

1) 著者:タイトル,pp.をつけて始めのページ-おわりのページ(書籍全体を参照する場合は不要),版元(西暦年).

2) 編者(Eds.)(英文の場合): 書名, 著者: タイトル(イタリックにする), pp.をつけて始めのページ-おわりのページ, 版元(西暦年).

3) 編者(編)(和文の場合):著名,著者:タイトル,pp.をつけて始めのページ-おわりのページ,版元(西暦年).

例1

1) 伊藤和人:LATEX トータルガイド,秀和システムトレーディング (1991).

例2

2) Okada, K., Hoshi, T. and Inoue, T. (Eds.): Communication and Collaboration Support Systems, Grudin, J.: Communication and

Collaboration Support in An Age of Information Scarcity, pp.13-23, IOS Press (2005).

例3

3) 阪田史郎(編著):センサネットワーク,河野隆二:UWB高速センサネットワーク,pp.79-132,オーム社(2006).

○訳本

1) 原著記載.(ピリオドで一旦終了) 訳者名(訳):訳本タイトル,pp.をつけて始めのページ-おわりのページ,版元(西暦年). 2) 原著者(著),訳者名(訳):訳本タイトル,pp.をつけて始めのページ-おわりのページ,版元(西暦年).

1) Chang, C.L. and Lee, R.C.T.: Symbolic Logic and Mechanical Theorem Proving, Academic Press, New York (1973). 長尾 真,辻井

潤一 (訳):計算機による定理の自動証明,日本コンピュータ協会(1983).

○ 電子雑誌 1) 著者名:標題,雑誌名,Vol.をつけて巻,No.をつけて号,pp.をつけて始めのページ-おわりのページ(媒体表示),DOI(DOIの利用を推奨)(西暦年).

2) 著者名:標題,雑誌名,Vol.をつけて巻,No.をつけて号,pp.をつけて始めのページ-おわりのページ(媒体表示),入手先〈URL〉(西暦年).

例1

1) Yamakami, T.: Exploratory Session Analysis in the Mobile Clickstream, IPSJ Digital Courier, Vol.3, pp.14-20 (online), DOI: 10.2197/ipsjdc.3.14 (2007).

例2

2) 波多野賢治,絹谷弘子,吉川正俊,植村俊亮:XML文書検索システムにおける文書内容の統計量を利用した検索対象部分文書の

決定,電子情報通信学会論文誌D,Vol.J89-D,No.3,pp.422-431(オンライン),入手先〈http://search.ieice.org/〉(2006)

○Webサイト,Webページ

著者名:Webページの題名,Webサイトの名称(著者と同じ場合は省略してもよい),入手先(媒体表示),入手先〈URL〉(参照

日付).

例1

情 報 処 理 学 会 : コ ン ピ ュ ー タ 博 物 館 設 立 の 提 言 , 情 報 処 理 学 会 ( オ ン ラ イ ン ), 入 手 先

〈http://www.ipsj.or.jp/03somu/teigen/museum200702.html〉(参照2007-02-05).

例2

Alan Kay: Welcome to Squeakland, Squeakland (online), available from

〈http://www.squeakland.org/community/biography/alanbio.html〉 (accessed 2007-04-05).

以上

資料1

6

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情報システムと社会環境 77-4(2001. 6 26)

特別餞題

情報システム瞼文の書き方と査議墓率の提案

永 田 守男・

慶應義彙大学 理工学部 管理工学科大学院 理工学研究科 開放環境科学専攻

〒223-8522 横浜市港北区日音 3-■ 4-1コ」嗜口」由

`LttL』“』o」田麟|ュ、 httpJム

「¬"Lnagata.●

omp.ao.■eio.●●.IP′

要旨 :

現実的な情報システムに関する研究成果への要望が学会の内外で増 している。 しか し、学術ジャーナルの査読基準が適合 しづらいことと、この分野で仕事をしている人たちが論文の執筆に慣れていないことから、この種の研究論文は相変わらず少ない。 ここでは、本研究会の運営委員会で筆者が提案 して議論 してきた内容の中間報告を行ない、いろいろな意見を取 り入れて査読基準と論文執筆の指針を具体化 していく材料を整えたい。提案の要点は、研究として取 り上げるものが、要素技術ではなくシステムとしてまとめるとい う観点に重点を置 くことにある。ただし、これまでの研究論文 と同様に、内容の新規性、有効性、信頼性は不可欠であると考える。これ らの詳細 と、それに合 う情報システム論文の書き方について述べる。

A Proporal for Writilg ead Reviewing Papsr: o! hfornatio! gystoD.

""",",T113"T,11filL",,""Faculty of Scielce ald Tachaology, Keio Uuiverrity8-14-1 Eiyo.hi, Yolohama, taga;a 229-8622

Abgtract :There have been few research papers on practical informatio! systems iD traditional aca.

denic journala. BaEed oa fiscussioae of writilrg and reviewing such papers at the opera.tional coDmittee of tbe epecial interest group o{ Informatioq Systems and Social Envirou.nente in IPSJ, this article proposes criteria of reviewing papera on idoroatiolr systems.Moreover, we ehow guiilelinee of writing papers on ilformation oystems. Difrerent froehafitioial Ecientific or t€chnological papere, the papere of this type colceutrate the ways tointogxat€ the technological elemente. All papere should satiB& those origin'lity, effective.nese anil reliability.

1.はじめに

しばらく前から、アカデミズムの中だけで

閉じた「研究」に対してさまざまな批判があ

る[1】 。こうした時代の流れの中で、アメリ

カのNSFの研究費配分や日本の文部科学省

や経済産業省などの最近の多くの研究公募で

‐25-

資料2

7

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は、実際の役に立つことを示すように求めて

いるものが増えた。

私たちの研究分野に限つても、現実的な情

報システムに関する論文への要望が増してい

る。しかし、情報処理学会をはじめとする伝

統的な理工系学会における論文の形式、内容、「

査読基準などが、こうした論文に対して十分

に適合しているとはいえない。また、この分

野で働いている人たちがソフ トウェアを作成

する日常業務に忙 しく、論文を書くことに慣

れていないことが多い。その結果、特にジャ

ーナル論文としては、この分野の論文は相変

わらず数が少ない`ここでは、情報処理学会の r情報システム

と社会環境」研究会の運営委員会の要請で筆

者が提案し、委員会で議論 してきた内容の中

間報告を行なう。これから多くの意見を取り

入れて内容を深め、具体的なものにして学会

や社会に発信 したいと考えている。

この論考では、まず伝統的な理工系の研究

論文とこの分野の論文の違いを明確にして、

ここで対象とする論文の特徴を整理する|その後で、査読の基準と書き方の提案を行なう。

さらに。他学会での動きについても考える。

なお、ここでいう「情報システム論文」と

は、現実の社会や企業で使われるために開発

された情報システム、もしくはこうしたシス

テムを開発するための開発手法を研究対象に

している論文を指すものとする。

提案の要点は、次のようになる。まず、研

究として取り上げるものが、要素技術ではな

く、企業や社会にとつて意味のある情報シ不

テムとしてまとめるという観点に重点を置く

ことが伝統的な論文と大きく違 うことを確認

する:ただし、これまでの研究語文と同様に、内容の新規性、有効性、信頼性は不可欠であ

ると考える:それらの内容と示し方などは、

従来のものと異なることはもちろんである。

これらの詳細と、それに合う情報システム論

文の書き方について、ここで述べる。

2.科学技術における伝綺的な研究書文

情報システムに関する論文についての具体‐的な提案をする前に、科学技術の分野におけ

る伝統的な論文の特徴を整理しておく。ここ

では、歴史的な背景を交えて考察し、それに

対していまどのような動きが起こっているの

かをまとめておこう。

多くの学問が「科学技術」とか「理工系J

と一括りで扱われることが多い。そして、こ

の中では、物理学のようなサイエンスにおけ

る研究論丈が手本とされているようである。

たとえば、物理学者の書いた「理科系の作文

技術」というようなロングセラ‐12〕 が存在

する。この本は、いまの私たちにも示唆に富

んでいるが、やはり物質科学についての研究

論文の書き方が中心に書かれている。

科学が大学で研究されはじめたのは19世紀だが【31、 工学が伝統的な大学で扱われる

ようになつたのはもつと新しい141。 1873年に英国人ダイアーによつて作られた日本

の工学寮 (後の東大工学部)は、世界でも初

の工学の高等教育機関だといえよう。

さちに、今のように工学の研究や教育でサ

イエンスを手本とするようになつたのは、せ

いぜいここ五十年くらいの話だと私は考えて

いる。

第二次世界大戦中にレニダー、コンピュー

タなどの革新的な技術が生まれたが、これら

は当時の伝統的な工学分野ではなく、サイエ

ンスの知識が素になつている。そこで、本当

ヽ革新的な撃術を開発する平学の研究と教育

のためには、科学の知識が重要だと考えられ

るようになつた。その結果、アメリカのMITが「エンジニアリング・サイエンスJと いう

考え芳を1950年に提唱した15]。

この考え方は、世界中の工学の研究と教育

に影響して、たとえば日本でも岩波書店から「基礎工学講座Jが 1970年代前半に公刊

された。私どもの摩應義塾大学でも、 197

-26-

資料2

8

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1年に 子ェ学基礎教室」を設置した。

こうして、「理学的な基礎理論に基づき、

データと確実な論理の積み重ねに,よ って、工

学的な意味を持つ新しい結果を導く」という

科学的な工学論文の形式ができあがつたので

はないかと思 う。いまや、このことが「常識J

となっている。この常識に従つて、同じ専門

分野の研究者が論文を査読 しあう「ピアレビ

ューJが普通に行なわれている。

情報処理学会の論文の査読基準でも、「新

しい結果であるかJと い う新規性、「工学的

に意味があるか」という有効性、「きちんと

した理論やデータに基づいた論理展開がされ

ているか」という信頼性がうたわれている。

物質を対象どした研究であれば、何が意味

のある新 しい結果であるかは、同じパラダイ

ムの下で働いている研究者間では共通の認識

がある。また、物理学などの理論に基づき、

客観的な実験デ‐夕を求めることも可能だ。

こうして、確実な研究成果の品質を保証す

る仕組みができたので、世界中の大学や大学

院の教員の研究評価に利用された。 日本の大

学と大学院の設置審査でも、理工系では所属

する教授や功教授が公刊したジャ=ナ

ル論文

の数が問題にされてきた。

しかし、物質を相手にする分野と異なり、

人間、企業t社会が複雑に関係 しあう情報シ

ステムに関する研究では、新規性、有効性、

信頼性の評価は難 しい。この点を整理 しなが

ら、情報システムに関する論文の問題に入 り

たい。

なお、1工学の研究と教育がもつと現実の間

題と密接であるべきだという現在の社会的要

請の下で、前述の設置審査での評価法にも変

化が見られるようである:公刊論文以外の実

務的な成果も、最近は考慮されるようになつ

たのではないかと感 じている。|

3.情報システムに関する籠文の特徴

現実に使われる情報システムや、それを考

慮した方法論を扱 う研究では:それがどのよ

うに意味があるのかを説明することが難しい。

たとえば、ある企業における特定の業務を改

革するための情報システムについての研究で

は、その企業や業務を知らない人たちに「有

効性」を説明するのは困難である。研究の周

囲にある膨大な「文脈」を抜きにしては|そのシ不テムや研究の価値は説明|で きない。

また、たとえばアルゴリズムのように明確

に定義できるものと違い、これまでのものと

何が違うのかも説明しにくぃ。すなわち、「新

規性」を問うのも難 しい。さらに、基礎とな

る理論があることも少なく、客観的なデータ

を取ることは、なお難 しいoその結果、「信

頼性」も保証しにくくなる。

それでも、ここでは学術論文の執筆と査読

を扱うので、論文の内容と記述における新規

性、有効性、信頼性は不可欠であると考えて

いる。ただ、情報処理学会では、これまで研

究論文の中心が情報処理の「要素技術Jにあ

つたといえよう。このような技術はt周囲に

ある文脈から切り離して考えやすいものが多

かった。

たとえば、ある性質を持つデ‐夕をソー ト

する新 しい技術を考えたとしよう。この技術

は、対象となるデータの性質さえ満たせば、

いろいろな丈脈で使えるはずであるも したが

って、この技術を説明するのに複雑な文脈を

持ち出す必要がない。ところが、いわゆる「情

報システム論文」は、こうしたものと趣を異

にすることを強調したい。

すなわち、ここでは、現実の社会や企業で

使われるために開発された情報システム、も

しくはこうしたシステムを開発するための開

発手法を研究対象にしている。したがつて、「情報システム論文」の新規性、有効性、信

頼性などの基準と評価方法を改めて明確にす

る必要がある。この素案を小論でこの後示す。

また、ここでは工学系の論文として「情報

システム論文」を考えているが、社会や企業

=27-

資料2

9

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との関わりでは、理系とも文系とも言えない

分野である1611こ の点についても、この後

で考察する。

4.システムの文脈 と統合化技術

具体的な情報システムを取 り上げたり、

実際的なシステムを作るための方法を論じ‐

る場合に、それが使われるべき文脈を明ら

かにする必要がある。論文を読む立場に立

てば分かることだが、読者が抱えている課

題のどこに役立つ論文なのかが分からない

と、読む価値があるかどうかを決められな

い。

要素技術の論文でも、この点は同じなの

だが、その説明のしやすさが大きく異なる。

ここでは、論文で示すアイデアの有効な範

囲を明示するわけだが、要素技術は「要素J

というだけあつて、これを独立に取 り出す

ことが容易である。 ところが、既存の要素

技術を統合 した論文では、この範囲を取 り

出して説明することが難 しい。

たとえば、営業支援システムに関する輸

文であれば、営業プロセス全体の説明が必

要になる可能性がある。さらにそこで扱 う

商品やその会社の営業のや り方も関係する

かもしれない。必要最小限にとどめながら,

論文の読者である第二者に明確に説明する

には工夫が必要である。

また、要素技術や独立性の高いアルゴリ

ズムの場合には、新規性を他の類似のもの

と比べて述べることは比較的容易である。

しかし、既存の技術を統合 したシステムと

なると、工夫や新 しさが見えにくく、「当

,前Jの ことだと思われてしまうことが多

い。前に述べた文脈の説明と合わせて、統

合するときの工夫やメリットをきちんと示

す必要がある:

5.新規性、有効佳、信頼性について

私たちが対象としている分野に限つて、研

究と論文の新規性、有効性、信頼性について

考えてみよう。

(1) 新規性

新たな研究として発表するからには、新規

性を含むことは必須条件である。なだし、「情

報システム論文Jでは、すでに述べたように、

要素技術としての新規性は必ずしも要求しな

い。ここでは、既存の要素技術の組み合わせ

や使い方の新しさも含むものとする。

こうした論文では、関連するシステムや要

素技術のサーベイ、それらと当該研究との比

較を論文に詳しく記述する必要がある。

(2) 有効性

f情報システム論文」では、この部分が最

も重要である。有効性は、情報システムが使

われる社会あるいは企業活動などの文脈のも

とで十分に検討し、論理的にかつ理解しやす

く記述する必要がある。従来の要素技術の論

文に比べて、理論的あるいは定量的な評価に

よつて有効性を示すことは困難なことが多い

が、こうしたことを指向する姿勢は持つべき

である。

したがつて、部分的であらても、可能なら

ば、このような方法で有効性を示すほうがよ

い。また、ここに述べられた情報システムま

たはその開発手法を使おうとする技術者、同

様のシステムを開発 しようとする技術者に対

して、研究全体を通して得られた知見を正確

かつ理解できる形で記述することが必要であ

る。

ただし、ここでの評価は、物質科学におけ

るものとは異なり、 f人 間J、「組織 J、

「社

会」などが関係するので、客観性を示すこと

が難しいことが多い。完全に客観的にはでき

ないが、人文科学や社会科学での研究方法が

参考になることもある。

(3)信 頼性

信頼性には、研究内容そのものの信頼性と

論文の記述の信頼性の二つがある。前者につ

いては(要素技術の論文に比べて客観的な説

-28-

資料2

10

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明が難しいが、情報システムまたはその開発

手法が使われる文脈との関係を正確かつ論理

的に説明するように努める●きである。後者

の論文の記述の信頼性は、論理的で正確な日

本語 (ま たは英語)で論文を書くことである。

このような書き方が、要素技術の論文より

も難しいことは確かだが、論文を書こうとす

る人は、一般的な論文作成技術を習得してお

く必要がある。また、この分野の研究者によ

る良い情報システム論文を積み重ねることで、

事態の改善が期待できる。

6.餞文の構成 と記述

論文の構成を大きく「研究の背景と目的」、「研究の内容」、「研究の有効性、知見」の三

つに分けて、それぞれで記述すべきことをま

とめると次のようになる。

「背景と目的」で、情報システムの使われ

る社会または企業活動などの文脈との関係を

きちんと記述する。その情報システムをなぜ

作るのか、その開発手法をなぜ使 うのかとい

うことと共に、新規性の要点も説明しておく`

既存のシステムや技術のサーベイ、それらと

の比較も必要である。

「内容」では、どのように実現しているの

かを可能な限り客観的に記述する。とくに、

新規性を主張したいところは詳しく述べてお

く。

「有効性、知見」で、有効性の主張と、ど

のようにして有効な機能を実現しているのか

を記述する。また、研究を通して得られた知

見について、そのシステムまたは開発手法を

使おうとする読者、同様のシステ■を開発し

ようとする読者に対して、有益な情報を与え

るようにまとめる。理論的あるいは定量的評

価も可能な限り行 う。

● これからの戦略

まず、ここで議論 している内容を「情報シ

ステム論文の作成と査誘基準」としてまとめ

直す必要がある。次に、論文誌編集委員会な

どの承認を得てこれを公表し、この基準に基

づく論丈誌特集号を企画、発行する。

できれば、こうした論文のまとめ方の文書

を作る。また、なるべく多くこの分野の論文

を発表して実績を積むことが不可欠である。

そのために,ま、本研究会メンパ■の一層の研

鍍が必要であろう。

なお、電子情報通信学会の情報・システム

ソサエティーでは、「システム論文Jと 称し

てハードウェアや通信などのシステムを含む

論文を扱 う特集号を既に企画し、間もなく発

行されることになつている。この特集号では、

要素技術でないものも取り上げる点は我々と

同じである。

ただ、「実際的Jであることを「開発者以

外も使つているシステムであること」と考え、

それを採否の基準の一つにしたという話を編

集委員の一人から伺つた。これは、やや単純

な割り切り方であり、実用的なシステムのた

めの開発の手法に関する成果などが抜けてし

まう恐れがある。小綸では、もう少し深くこ

の点を考えたつもりである。

8.ま とめ

従来の要素技術を扱う論丈と比べながら、

客観的な記述や有効性を示すことが難しい

「情報システム論文」の査読基準について考

えた。現状では、要素技術の論文よりも「情

報システム論文Jを望んでいる学会員のほう

が多いと考えられる。一刻も早くこの案を精

緻化し、正式な基準として広く知らせ、実績

を積むことが急務であろう。

なお、少し視点は異なるが、ソフトウェア

研究について、例を挙げながら研究の進め方

と論文の書き方を雑誌に連載したことがある

171の で、興味のある方は参照暉いたい。

筆者が提出した論文査読案に対して御意見

-29-

資料2

11

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をお書せぃただぃた情報システムと社会環境 |研究会の運営委員の方々に感謝する。また、 | ‐

私の話を聞き、現実の情報システム作成の体 : :験からの具体的な感想をお寄せいただいた企 ‐

業経営者各位とシ不テムョンサルタント諸兄 :姉、各社の情報システ

^担当者各位にも深謝

したい。 |

参考文獣 ‐

111村上陽一郎 :科学者とは何か、新潮選書、

新潮社、1994 `121木 下是雄 :理科系の作文技術、中公新書、

中央公論社、1981

〔31エ リック・アシユピー (島 口雄次郎訳):科学革命と大学、玉川大学出版部、1996

[41三 好信浩 :明治のエンジニア教育、中公新

書、中央公論社、1983

151フ レッド・ハプグッド (鶴岡雄二訳):マ サ

チュ‐セツツエ科大学、新潮社、1995

16Jネ 田守男 ;ソ フトウェアの挑戦、選書メチ

■、講談社、19%[71泉 田守男 :ソ フトウ

=アの研究つて何だろ

う (1)~ (3)、 ビット、第28号 8巻~ 1

0巻、 1996

-30,

資料2

12

Page 15: 情報システム論文執筆ワークショップ · 2010-09-15 · 情報処理学会論文誌は会員の研究成果の発表お よびこれに関連する討論の場を提供するために発

特集「情報システム論文」の編集にあたつて

情報システム論文は,研究方法論,開発方法論など

基礎的な理論に関するもの,情報システム開発・運用・

利用・評価など現実フィール ドに関係深い実践的なも

の,情報システムの環境や対象に注目したものなど多

彩である しかも,組織・社会といった人的視点や基

盤・応用といった科学・技術的視点との関わりの中で

さらに複雑化している

このような情報システム論文の書き方について,IS

研究会は数年にわたって議論を繰り返してきた その

成果は,「情報システム論文の書き方と査読基準の提案

(永田守男,情報システムと社会環境 7卜4,20016)」

という形で公開している 特に論文評価と関連して,

要素技術の適用における新規性,情報システム環境に

おける有効性,会員に対する有用性,研究そのものの

信頼性,論文記述の信頼性などが重要であることを明

示している

本特集号では,情報システムの分析・設計・構築・

運用と利用,情報ニーズ,情報・データの管理などの

理論と実際,情報システムと人間・組織・社会との相

互関係,現実の情報システム開発事例,情報システム

構築手法などに関して,利用者の視点を重視した実証

研究や人文・社会科学との学際的分野などを対象範囲

として公募した

投稿された論文は,科学・技術からビジネスまで多

岐にわたり,学際的な内容もかなり含まれていた そ

の対象も,医療,福祉,マルチメディアデータベース,

教育・学習支援,地域コミュニティと多彩であった

投稿論文数は 45件あり, うち採録された論文は 12

件であった 辞退論文が 2件あったため,採択率は

約 28%である 採択率の低かった主たる理由として,

サーベイや評価の不十分さ,信頼できる根拠や議論の

進め方の不明確さなどがあるが,こ れらの詳細につい

ては近く学会誌にて総括する予定である 不採択論文

にも大変興味深いテーマが多かったため,完成度を高

めて再度投稿されることを期待している

採録された論文は,「情報システムの理論」,「情報シ

ステムの開発と運用」,「社会 。人間系の情報システムJ

とに分けて整理している 理論には,情報システム連

携に注目したアーキテクチャをテーマとした 1件があ

ヽ́o1 46 N0 3 情報処理学会論文誌 Mar 2005

る 開発・運用には,Wめ サービスの自動化・統合化 ,

Vヽebアプリケーションの動的解析手法などWeb支援

に関するもの,ウ ェアラブルコンピューティング環境

でのナビゲーションプラットフオームの実現,ユース

ケースを用いた進捗管理の情報提供など,システム支

援環境と手法に注目した 4件がある

社会・人間系の情報システムは,さ らに ① 情報・

データ・知識の管理をテーマとしたもの,② 地域情報

システムをテーマとしたもの,③ 組織活動を支える

情報システムをテーマとしたものとにわけた その内

訳として,① には,オーサリングシステム,学習支

援システム,医療支援システムなど,ユーザ視点を重

視した 3件,② には,地域支援に特化した 2件,③には,組織活動に特化したシステム開発の 2件がそれ

ぞれ含まねている

今回初めて,情報システム関連の特集号を実現する

ことができた 本特集号の発行を機にして,情報シス

テム論文への関心がさらに高まることを期待したい

最後に,本特集号を出版する上でご協力いただいた

編集委員,タイトなスケジュールの中で丁寧にまた公

平に査読をしていただいた匿名の査読者,スケジュー

ル管理をはじめ適切な支援をしていただいた学会担当

者の方々に感謝の意を表します

「情報システム論文J特集編集委員会

・ 編集長

神沼 靖子 (埼玉大学)

・ 編集委員 [50音順]

阿部 昭博 (岩手県立大学)

市りII 照久 (静岡大学)

魚田 勝臣 (専修大学)

金田 重郎 (同志社大学)

竹林 洋一 (静岡大学)

辻 秀一 (東海大学)

刀川 員 (NTTデータ)

樋地 正浩 (日 立東日本)

細野 公男 (慶應義塾大学)

三子|靖沼神

十埼玉大学

資料3

13

Page 16: 情報システム論文執筆ワークショップ · 2010-09-15 · 情報処理学会論文誌は会員の研究成果の発表お よびこれに関連する討論の場を提供するために発

Vo1 47 No 3 情報処理学会論文誌 lヽar 2006

特集「新たな適用領域を切り開く情報システム」の

編集にあたつて

工貝重田金

情報処理学会が扱う技術を集約し,具体的に世の中

に「恵みJと して提供するものこそ,「情報システム」

である また,わが国の情報処理技術者の大半が,情報システムの開発・運用に従事していることから見れ

ば,情報処理学会にとって,情報システムに関する技

術の蓄積と,一般社会への普及はきわめて重要な課題

であると言わぎるをえない 学会論文誌が掲載する情

報システムの論文は,技術を広く公知のものとして,

わが国の社会経済的発展に資するための重要な礎 (い

しずえ)である

一方,情報システムに関する論文については,「書き

にくい」「論文が通 りにくいJといったご意見がある

のも確かである 情報システム論文の書き方について

は,IS研究会 ぐ情報システムと社会環境研究会)にお

いて議論を繰り返してきた その成果は,「情報システ

ム論文の書き方と査読基準の提案 (永田守男,情報シ

ステムと社会環境 7卜4,20016)Jと いう形で公開し

ている 特に論文評価と関連して,要素技術の適用に

おける新規性,情報システム環境における有効性,会員に対する有用性,研究そのものの信頼性,論文記述

の信頼性などが重要であることを明示している

特集号「新たな適用領域を切り開く情報システム」

は,昨年 2005年 3月 の「情報システム論文」特集に

引き続き,企画されたものである 本特集号では,現実の社会環境における適合性や有用性を高めるため,

効果的な情報システムの実現方法に関する研究成果を

広く募ることとした

投稿された論文は,技術からビジネスアプリケーショ

ンまで多岐にわたり,社会科学との境界に位置する内

容も含まれていた 投稿論文数 30件 (当初は 31件で

あつたが,1件 は分野外として処置)に対して 11件採

録である この採択率は,当初の予定採択率 50%に比

すると低い 扱っているテーマは興味深いものの「 情

報システム開発事例報告」にとどまっている論文が存

在したことが一因と思われる ただし,不採択論文に

も大変興味深いテーマが多かったため,完成度を高め

て再度投稿されることを期待している

採録された論文は,「社会・人間系の情報システム」,

「情報システムと社会J「 コンテンツ処理Jの 3分野に

整理した 人間・社会系の情報システム分野は 7件と

最も採録数が多かった分野であるが,特に今回は,個人情報保護の視点を持つ論文が 3件あったことが特徴

的である さらに,企業内で利用することを目的とす

る論文が 2件 と,ユビキタス技術に関係した論文が 2

件ある 一方,情報システムと社会分野の論文は2件

であり,いずれも社会科学と工学の境界に属するもの

であり,社会科学系学会に流れがちなこの種の論文が

投稿されていることは望ましい 最後に,コンテンツ

処理分野の論文は 2件である コンテンツの重要性が

叫ばれて久しいが,こ の種の論文もさらに投稿が増加

することを期待したい

今回,2回 目の情報システム関連の特集号を実現す

ることができた 昨年に引き続く情報システム論文特

集号の発行を機として,情報システム論文への関心が

さらに高まることを期待したい

最後に,本特集号を出版する上でご協力いただいた

特集号編集委員,タイトなスケジュールの中で丁寧に

また公平に査読をしていただいた匿名の査読者,スケ

ジュール管理をはじめ適切な支援をしていただいた学

会担当者の方々に感謝の意を表します

「新たな適用領域を切り開く情報システム」特集号

編集委員会

・ 編集長

金田重郎 (同志社大)

・ 編集委員 (五十音I償)

浅井達雄 (長岡技科大),阿部昭博 (岩手県立大),

市川照久 (静岡大),魚田勝臣 (専修大),大場

みち子 (日 立),神沼靖子 (埼玉大大学院ほか非

常勤),刀川 員 (NTTデータ),辻 秀一 (東

海大),樋地正浩 (日 立東日本),細野公男 (慶応

大),弓場敏嗣 (電通大)

十同志社大学

資料4

14

Page 17: 情報システム論文執筆ワークショップ · 2010-09-15 · 情報処理学会論文誌は会員の研究成果の発表お よびこれに関連する討論の場を提供するために発

Vo1 48 N。 3 情報処理学会論文誌 lヽar 2007

特集「情報社会の基礎を築く情報システム」の編集にあたつて

―一 |秀辻

情報システムは,情報社会の進展によりその重要性

がますます強まっている これにともない現実の社会

環境における適合性や有用性を高めるための情報シス

テムの実現方法に関する研究の重要性が高まっている

一方,情報システム論文の書き方については「書き

にくいJ,輪文が通りにくいJといった声が聞かれてお

り,IS研究会 (情報システムと社会環境研究会)にお

いてこの問題について議論を繰り返してきた その成

果は「情報システム論文の書き方と査読基準の提案 (永

田守男,情報システムと社会環境 77-4,2001626)」

の形で公開している 特に論文評価と関連して,要素

技術の適用における新規性,情報システム環境におけ

る有効性や会員に対する有用性,研究そのものの信頼

性や論文記述の信頼性などが重要であることを示して

いる

特集号「情報社会の基礎を築く情報システム」は,

2005年 3月 .2006年 3月 の特集号に引き続き企画さ

れたものである 本特集号では,情報システムの分析・

設計・構築・運用と利用,情報化ニーズ,情報・デー

タの管理などの理論と実際,情報システムと人間・組

織・社会との相互関係,現実の情報システム開発事例 ,

情報システム構築手法の研究だけでなく,利用者の視

点にたった実証研究や人文・社会科学との学際的分野

などを対象範囲とする論文を広く募ることとした

投稿された論文は,科学・技術からビジネスや社会

まで多岐にわたり,学際的な内容もかなり含まれてい

た 投稿論文は 19件あり,う ち採録された論文は 6

件となり採択率は 31%である 予定採択率の 50%よ

り低くなった主な理由として,扱っているテーマはみ

な興味深いものの,「情報システム開発事例報告」に

とどまっている論文が少なくなく,情報システム論文

として具備すべき新規性や有用性が示せていないこと

や,新規性や有用性は有していても,論文言己述の信頼

性や分かりやすさに関して不十分なものが見られたこ

とをあげることができる ただし,不採択論文にも大

変興味深いテーマが多かったため,完成度を高めて再

度投稿されることを期待している

このように採択率が低くなったこれまでの原因を分

析して論文の質を高めるための指針を整理し,こ れら

の原因と指針をより広く理解してもらうために,編集

委員メンバであり2005年特集号の編集委員長でもあっ

た神沼靖子氏にこれらの点をまとめていただき,招待

論文 P情報システム論文の特質と評価Jと して掲載す

ることとした

採択された論文は,「 情報システムの開発と運用」,

「社会・人間系の情報システムJに分けて整理した 情

報システムの開発と運用は 3件あり,テーマはプロ

ジェクトマネージャ育成支援,サーバアクセス手法と

評価,オープンソースの再利用によるソフトウェア開

発である また,社会 。人間系の情報システムでは,

農産I12の トレーサビリティ支援システム,地震災害時

活動支援システム,属性認証システムがテーマである

今回,情報システム関連の 3回目の特集号を実現す

ることができた 昨年,一昨年にり|き続く情報システ

ム論文特集号の発行を機として,情報システム論文ヘ

の関心がさらに高まることを期待したい

最後に本特集号を出版する上でご協力いただいた編

集委員,タ イトなスケジュールの中で丁寧にまた公平

に査読していただいた匿名の査読者,スケジュール管

理をはじめ適切な支援をしていただいた学会担当者の

方々に感謝の意を表します

「情報社会の基礎を築く情報システム」特集編集委員会

・ 編集長

辻 秀一 (東海大)

・ 編集委員 (五十音順)

浅丼達雄 (長岡技科大),阿部昭博 (岩手県立大),

市川照久 (静岡大),魚田勝臣 (専修大),大場

みち子 (日 立),金田重自F(同志社大),神沼靖子

(埼玉大大学院非常勤),刀川 員 (NTTデータ),

冨澤員樹 (前橋工科大),樋地正浩 (日立東日本),

山口高平 (慶応大),弓場敏嗣 (電通大)

十東海大学

資料5

15

Page 18: 情報システム論文執筆ワークショップ · 2010-09-15 · 情報処理学会論文誌は会員の研究成果の発表お よびこれに関連する討論の場を提供するために発

Vo1 49 No 2 情報処理学会論文誌 Feb 2008

特集「社会的課題に挑む情報システム」の編集にあたつて

阿 部 昭 博11

本学会に限らず,我が国の理工系学会論文誌におい

ては,実社会の情報システムを扱った研究論文の採録

数が非常に少ない この状況に対して,情報システム

と社会環境研究会 (以下,lS研究会)では情報システ

ム論文の書き方について議論を重ね,2005年 3月 に

初の情報システム論文特集号を実現するに至った 以

来,情報システム関連の特集号が毎年刊行され,10件前後の論文が一括掲載されている

このことは情報システム論文定着に向けて大きな前

進であるが,特集号の採択率は 30%前後と低迷して

おり,継続的な普及啓蒙による投稿論文の質向上が求

められている IS研究会では「情報システム論文の

特質と評価 (神沼靖子,論文誌 Vo1 48,No3)」 等を

教材としながら,情報システム論文の意義と特質を理

解し,投稿論文の質を高めてもらうための「論文執筆

ワークショップ」を 2006年から計 4回開催し,採択

率向上に向けた地道な活動を続けている

本特集号は,過去 3回の特集号に引き続き企画され,

情報システムの分析・設計・構築・運用と利用,情報

ニーズ,情報 。データの管理などの理論と実際,情報

システムと人間・組織・社会との相互関連などの観点

から,実社会の情報システムを扱った論文を広く募る

こととした

投稿された論文の研究対象は,防災・行政・教育等

の公共分野からeコマースや企業活動まで多岐にわた

り,その専門性は情報システムの分析・設計・開発,運

用・評価などの応用技術や構築手法の研究,さ らには

品質管理やプロジェクト管理,人材育成まで広範囲で

あつた 投稿論文数は 41件 (取下げ 1件)あ り,う

ち採録された論文は 8件で,採択率 20%で あった

採択率が低くなった主たる理由は,過去 3回の特集

号と同様に,① 扱っているテーマはみな興味深いもの

の「情報システム開発事例報告」にとどまっている論

文が少なくなく,情報システム論文として具備すべき

新規性や有用性が示せていないこと,② 新規性や有

用性は有していても,論文記述の信頼性や分かり易さ

に関して不十分なものがみられたことに集約される

くわえて,前述の情報システム論文普及啓蒙によって,

投稿者層が拡大したことも一因と思われる ただし,

不採択論文にも大変興味深いテーマが多く,完成度を

高めて再度投稿されることを期待している

採録された論文は,「社会 。人間系の情報システムJ,

「情報システムの開発と運用」,「情報システムの教育」

の 3分野に整理した 社会 。人間系の情報システムに

は,列車経路選択支援システムの受容性評価,ネ ット

ショッピングにおける購買行動,属性認証方式をテー

マとした 3件がある 開発と運用には,生産管理シス

テムの一般モデル,情報システム運営モデル,情報シ

ステム開発成果物の品質管理法を扱った 3件がある

教育には,近年注目されている PBL(Project B¨ ed

Learning)に 関する 2件がある

今回,情報システム関連の 4回 目の特集号を実現す

ることができた 情報システムの研究領域は要素技術

や社会環境の変化にともなって常に新しい課題を提供

する分野であることから,一層関心が高まることを期

待したい

最後に本特集号を出版する上でご協力いただいた編

集委員,タイトなスケジュールの中で丁寧にまた公平

に査読していただいた匿名査読者,スケジュール管理

をはじめ適切な支援をしていただいた学会担当者の

方々に感謝の意を表します

「社会的課題に挑む情報システム」特集号編集委員会

・ 編集長

阿部昭博 (岩手県立大)

・ 編集委員 (五十音I員)

浅丼達雄 (長岡技科大),市川照久 (静岡大),魚田

勝臣 (専修大),大場みち子 (日 立),金田重郎

(同志社大),神沼靖子 (本学会フェロー),刀川

員 (室蘭工業大),辻 秀一 (東海大),冨澤員樹

(前橋工科大),南波幸雄 (産業技術大学院大),

樋地正浩 (日 立東日杓 ,山口高平 (慶応大),弓場

敏嗣 (電通大)

11岩手県立大学

資料6

16

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情報処

理学会論

文誌 Vo1 50 No 2 587(Feb 2009)

特集

「組織

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(以下,IS研

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と略記)で

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報シス

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報シス

テム論

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報シス

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報シス

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日本

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岡大

),

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田重

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).

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フェロー),亀

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業大

),

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大),富

澤員樹

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大),南

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大),弓

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日立東

日本

ソリュー

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Hitachi East Japan Solutions.Lta

587

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Info

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cess

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Soc

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of

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n

資料7

17

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情報

処理

学会

論文

誌 Vo1 51 No 2 574(Feb 2010)

特集

「身近

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理論

と実卜

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テム

と社

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報シス

テム

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運用段

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択され

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文は

4件とな

り,採

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野は,業

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る必

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特集

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号編

集委

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担当者

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ムー

理論

と実践―

」特集

号編

集委

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集長

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業大

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・編

集委

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久(静

岡大

),

魚田勝

臣(専

修大),大

場み

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冨澤

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大),南

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正浩

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大),

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(本学会

フェロー

)

11日

立大学法人室南工業大学

Muroran institute of Technology

574

@ 2

010

Info

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ion

Pro

cess

ins

Soc

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of

Japa

n

資料8

18

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Vo1 48 No 3 情報処理学会論文誌 Mar 2007

招待論文

情報システム論文の特質と評価

神 沼 靖 子|

情報システム (IS:Information Systems)|ま 社会や企業のさまざまな場面において人間活動を支援する重要な役割を担っている このためIS領域の課題は多面的であり,その研究は広範囲にわたっている そのうえ.ISの問題解決は,技術的な側面から社会的な側面まで幅広く,研究方法も多様である 一方で,IS論文をいかに書くかに関する悩みをかかえている研究者や実践者も多い このような状況のもと,本論文では,IS領域における論文の特質について分析し,さ らに IS視点での論文の書き方および有用性評価について考察する

On Characteristics and Evaluation of the Paperin the Information Systems Domain

YASUKo KAMINUMAI

The information system supports va ous human a.tiviti€s in society and enterprise. There-fore, the problem concerning the information system is v?rious, a.nd the research is also carriedout in the wide domain. In addition, technical problem and social problem will be included forthe theme in the information systerrs research, and the research method is also various. Onthe other hand, there are many practitioners and researchers who worry on how the informa'tion systems paper should be written. In this paper, under such background, chara.teristicsof the paper in the information systemB field are analyzed. In addition, writing method andusefulness elaluation of the DaDer are considered.

1.は じめ に

海外の主要なジャーナフレでは,1990年 代からlS関

連の論文が増えている しかし,情報処理学会 (以下,

「本学会」と略す)をはじめとする我が国の理工系学

会のジャーナルに採択されるIS論文は非常に少ない

本学会の P情報システムと社会環境研究会 (以下,「lS

研究会」と略す)」 では,この状況を問題視し,IS論

文の書き方について議論を重ねてきた

表 ■ IS特集号の採択状況

以下,2章では IS論文の必要性と特質について考

その成果をふまえて,本学会のジャーナルに「情報 察し,IS論文の受け皿である海外の主要なジャーナル

システム論文」つの特集が組まれた (20053)さ らに に言及する 3章では lS特集への投稿論文における

1年後に,「新たな適用領域を切り開く情報システム」の 問題点を分析し,lS論文の書き方について提言を述べ

と題した特集が出されている これらの特集のエディ る 4章では査読の視点から IS論文の評価について

夕が総括しているように3)~51,Is論文の書き方には 述べ,5章で IS論文のあり方についてまとめる

課題があり,採択率は低迷状態にある (表 1)2.IS論文の特質 と重要性

そこで,特集号への投稿論文に注目して採択率低迷

の理由を分析し,論文の質を高める指針としたい 2.l IS論 文の重要性

ISは,社会活動,組織の業務活動,研究活動,教育

活動,個人の情報活動など,そのライフサイクルのす

べての場面で人間を巻き込み,人間と一体となって機

Table I The adoption rate of some IS special numbers.

ヤb146, N。 3 Vo1 47, N03

投積数 46イ牛 31件

採択数 12件 11件

採択率 27% 35%

発行年月 2005 3 2006 3

|11報処コ1学会フェロー

A Fe1low of the IPSJ

資料9

19

Page 22: 情報システム論文執筆ワークショップ · 2010-09-15 · 情報処理学会論文誌は会員の研究成果の発表お よびこれに関連する討論の場を提供するために発

Vo1 48 No 3 情報システム論文の特質と評価

工学や諸科学の

フィール ド

図 ■ IS研究フィールド

Fig l The image ofthO IS research neld

能する このため,IS研究は技術の枠を越えて,社会

的な関心を強く反映したものとなる

さらに,IS論文には技術的なアプローチと,人間や

組織や社会の視点からのアプローチとがある それゆ

え,IS論文は多面的であり,複雑な側面を有すること

になる

欧米では 1960年代からIS研究に関する議論がなさ

れ,それらの成果は論文として公開されている 我が

国では,IS開発者たちが IS問題に関する議論を 20年

来繰り返してきたが,それらの内容は組織や時代を超

えた形で共有できていない

金田。は,「情報産業における技術者の大半が ISに

関わることを考えると,ISに 関する技術を蓄積し流

通することは,情報産業界の発展のためにも重要であ

るJと述べているが,IS論文は,ISを取り巻く課題

とその解決のための知見を蓄積し継承するための有用

な手段である

IS論文の特集では,ISの理論 (基礎理論,方法論 ,

技法など)のほか,ISの 開発と運用 (ISの分析,モデリング 計画,設計,構築,運用,保守,利用,プロジェクト管理など)に関係する諸問題,社会や人間

系を重視したテーマを広く取り上げた。 そこでは新

しい要素技術のほかに,開発・運用に役立つ要素技術

の組合せも有効としている

研究成果は実社会に適用され,社会で活用された成

果が再び研究に還元されることに意義がある それは

スパイラルに進展される そこに貢献するのが IS論

文である

2.2 1S研究フィール ドと論文の特質

IS研究の対象として,基礎理論,技術応用,およ

び学際的研究などがある 基礎理論には,新しい要素

技術,研究方法論,開発方法論などが含まれる 技術

応用には,ISの開発や構築における要素技術の応用,

ISフ ィール ドにおける調査と分析,ISのモデリング

やデザインなどに関する問題解決がある 学際的研究

とは,組織や社会における ISの課題,IS環境と人間

の情報行動に関する課題,経営に関わる ISの課題な

ど,他の学問分野と密接に関わる研究をいう これら

の IS研究フィールドは図 1のようにイメージできる

このようなフィール ドにおける論文は,実証主義的

または解釈主義的な研究の成果,経験主義的/非経験

主義的な研究の成果としてまとめられることが多い

サーベイやケーススタディ,フ ィーフレド実験や研究室

内の実験に基づく論文もある また,評価の視点では,

量的または質的な切り口がある ISフイールドにおけ

る諸問題を横断的に扱う論文,あるいは縦断的に扱う

論文,それらを複合的に扱う論文もある

23 1S論文の受け皿

我が国におけるIS論文の受け皿としては,情報処理

学会,電子情報通信学会,経営情報学会,情報システム

学会などのジャーナルがあるが,欧米のジャーナルと

比べると採択されている論文数は少ない 採択率が高

い国際的な主要なジャーナルはIS worldの ranking 6)

で調べることができる

このランキングは,ジャーナルに関する異なる視点

からのサーベイ.‐A文 (現時点では 1995年から2005年

に発表された 9件)を基に点数化されたものである

資料9

20

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つねに上位にランクされているジャーナルとして次の

ものをあげることができる

O MISQ(Management lnformation Systems

Qualterサ )

● ISR(InfOrma,。 n Systems Research)

● CACM(Communication ofthe Association fOr

Computing Machinery)

o lヽS (ヽ lanagement Science)

● JMIS(Journa1 0f Management lnformation

Sがtems)

● DSI(D∝ ision Sclence)

● HBR(Hawad Business Re■ 7iew)

● EJIS(European Journal of lnformation Sys‐

tems)

・ I&M(InfOrmation&Managemellt)

● CAIS(Communication of the Association for

lnformation Sy"ems)

● ACS(ACM Computing Su口 oys)

● JAIS(Journa1 0f the Association for lnform}

tion Systems)

o lSJ(InfOrmation Systems Journal)

● DttABASE(The DATA BASE for Adwances

in lnformation Systems)

これらのジャーナルは先行研究の調査対象 となる .

ジャーナルではないが,ICIS(International Confe「

ence oflnformation Systems)の プロシーディングも

重要な対象である

3. IS特集の分析

本学会において,IS論文は書きにくい,採択されに

くいといわれてきた原因がどこにあるかについて,IS

特集を基に分析する 以下では,「採否判定の基本項

目」を次のように a~gの記号で示す

a 新規性 (新 しい結果であるか)

b 有用性 (学術や技術の発展のための有効性が認め

られるか)

c 信頼性 (正 しい理論やデータに基づいた論理の展

開がなされているか)

d 正確さ (本質的な点で誤 りはないか)

e 構成と記述 (書 き方,議論の進め方などに不明確

な点はないか)

f 読みやすさ (内容把握は容易か)

g 内容の修正 (採択条件を 1回でクリアできるか)

3.l IS特集号投稿論文の分析

IS特集の投稿論文における主な問題点を表 2に示

すことができる

Mar 2007

表 2 投積論文に見られる主な問題点

Tbble 2 Some problems on the contribut€d papers.

観点 (採否判定の

基本項目)

問題の状況

新規性 la) サーベイが不十分である

関連研究の記述がない

有用性 (b) 対象環境での評価がない

正確さ(d) 論理の展開に飛躍が見られる

信頼できる論理の展開がない

表現が曖味である

論文構成 (o) カタログ的な記述に終始している

複文,重文が多く論理の矛盾がある

表層的な記述に終始している

その他 (c,f,g) 利用データが現実とTE離 している

論文の目的や論点が曖味である

論理の展開に一貫性がない

仮説に対する検証ができていない

情報処理学会論文誌

表 2の問題がなぜ生じるのかについて分析した結

果,IS論文固有の原因とそうでないものとが浮かび上

がつた IS論文固有の原因として次の ①,② がある

① 評価・考察ができていない

これには,評価・考察がないもの,自分の考え

を一方的に主張するのみで考え方の妥当性や信頼

性に触れていないもの,公知 。既発表の内容のみ

でデータやプロセスに新たな知見が見られないも

のなどが該当する これらは,新規性,有効性 ,

信頼性の評価が得られないケースであり,不採択

理由は「採否判定の基本項目」の (a,b,d,o)に該当する IS論文における新規性,有効性,信

頼性の考え方については 32節で述べる

② 論文の構成と展開が拙い

テーマを見る限りでは多くの知見が得られそう

な lSの事例研究であるが,展開方法が拙いため

に単なる事例紹介か解./m記事になっているケース

である なぜそのように考えたか,その考えは妥

当かに関する論理的な記述がないため,不採択理

由は「採否判定の基本項目」の (b,d,e)に該

当する

次の ③ から⑤ は,ジャーナル論文を書き慣れて

いないことによる原因と考えられる

③ ジャーナル投稿論文と研究報告論文の違いを理解

していない

これには,研究会で好評を得た研究成果がジャー

ナルで不採択となったケースが該当する 予稿集

の論文では曖昧な部分や不完全な部分があっても

回頭発表でネ甫完できるが,ジャーナル論文ではネ甫

資料9

21

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Vo1 48 N0 3 情報システム論文の特質と評価

完の機会がない このことを認識することは必

要である 「採否半」定の基本項目」の (e)に関係

する

④ 文章表現が拙く解読困難である

表現が曖味であるため誤った解釈が生じうる.

複文のケースで主語と述語の関係に矛盾がある.

修飾語と被修飾語のつながりにねじれが生じてい

るなどが該当する H/t詞や助動詞の使い方が不適

切で意味が通じない文もある 長文にこのような

ケースが多いため,文を分割するか,単文で処理

することで曖昧性をりF除することが望ましい 腺

否判定の基本項目」の (e)に関係する

⑤ 先行研究の調査が不十分である

先行研究の調査が偏っているもの,サーベイ論

文でありながら調査が不十分なもの,現実社会と

乖離した古い先行研究のみを取り上げているもの

などが該当する 「採否半J定の基本項目Jの (a)

に関係する

先行研究の調査対象としては,2章に述べた

ジャーナルのほかに,技術報告や大会予稿集など

も含まれる

32 1S論文における新規性,有効性′信頼性

IS研究では,基礎医学と臨床医学との関係に類似す

る切り口がある データの処理と情報の活用の基礎研

究と,実社会の ISを診断し改善する臨床的な側面と

が対応する 基礎研究の新規性や有用性については他

の領域と同等と考えてよい これに対して臨床的な間

題解決に車由足をおく研究では,永田論文つの新規性と

有効性の観点が重視される

(1)IS論文の新規性

永田つは,「新たな研究として発表するからには,新

規性を含むことは必須条件である ただし,IS論文で

は要素技術としての新規性は必ずしも要求しない 既

存の要素技術の組合せや使い方の新しさも含む」と述

べている

ただし,要素技術を形式的に組み合わせただけでは,

新規性を示したとはいえない 適用する要素技術を正

しく理解しないまま,手法を組み合わせて使っている

ケースがある 形式的に模倣し間違った使い方をして

いる例もある 少なくとも,当該研究で活用するため

の有効性を明らかにし,そのうえで組合せの妥当性を

示すことが必要である

(2)IS論文の有効性

有効性について永田つは,ISが使われる社会ある

いは企業活動などの文脈のもとで論理的に記述するこ

とを勧めている 環境の文脈に目を向ける方法は有効

である

しかし一方で,x× システムを組織に設置したら,

業務の効率化ができたので,有効性が証明されたとい

う論文が散見される このような論文は,読者に有用

な知見を与えているとはいえず,有効性を示したこと

にならない

IS研究では,方法論や技法,あるいは採取したデー

タなどに関する有効性を定量的に述べるのが困難な場

合が多い 新たな ISの開発や技法に関する評価は,一

定期間運用した後でなければ示すことができないから

である このようなケースでは,定性的な評価を併用

することが考えられる

(3)IS論文の信頼性

「本質的な誤りがあるJとす旨摘されるケースには,既

存の研究方法の前提条件を間違えて適用している例が

多い 一見論理的に記述されているように見えても,

信頼できる論文とはいえない 論文では正しい前提を

おいて,論理的に展開することが必要である そうす

ることで信頼性が得られる

実験結果を論文化する例では,従来方法と提案方法

の違いを明確に示し,提案方法に関する実証実験の評

価を行い,その実験方法の妥当性や採取したデータの

有効性などを論理的に示すことになる

3.3 事例研究のまとめ方

IS論文の書き方の難しさは,技術的視点と社会的な

視点が複雑に絡まっていることに起囚している 「x×

システムの構築」というテーマで投稿され不採択にな

るケースでは,「業務内容の説明 → 作業プロセスの

説明 → 開発システムの構成と使い方説明 → 利用者

の感想Jという展開のものが多い そこで,事例研究

に共通する主な問題点をあげ,その改善指針を示す

① 論文の構成に関する問題点

開発した ISの機能説明または仕様説明になっ

ているものが多い そこには,製品の説明といか

に使うかの視点が述べられているだけである そ

こからはシステム開発の目的や理由,あるいは環

境における文脈などは見えてこない 製品紹介で

はなく,論文であるためには,こ のような視点に

注目した状況分析や,解決方法を論理的に述べる

ことが必要である

② 論文の質の低さに関する問題点

実験報告書または実験レポー トにすぎない文章

がある レポー トならば, 与えられた課題に対す

る解を記せばよいが,論文では新しい知見を述べ

ることが重要である 再投稿を繰り返しても不採

択となる論文には,レポー トの範疇のものが多い

資料9

22

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③ 新規性の問題

システム開発に適用する要素技術が対象システ

ムに適合しているかを吟味していないものが多い

仮に吟味していたとしても,そのことが記されて

いないものが多い システム構築においていかに

新たな工夫をしたかを示すことが重要である

④ 評価と考察の欠落

評価や考察はなく,禾」用者の感想のみを述べて

いるケースが多い 少なくとも他の類似の仕組み

と比べて,どのような利点があるかを客観的に述

べることが必要である 事例研究であっても,当

該システムの課題を解決するために得られた知見

を述べることが必要である また,先行研究の調

査は必須であり当該論文の位置付けを明記すべき

である

事例研究の論文であるからといって,システム

開発の全過程を述べる必要はない 特に主張した

い知見を抽象化することで汎用性を高めることが

できる たとえば,システムで扱うデータに注目

することができるし,モデリングに注目すること

もできる それは,技術的視点であってもよいし,

社会的視点であってもよい

4.IS論文の査読基準

IS領域の論文の新規性,有効性,信頼性をいかに評

価すればよいかの認識を合わせるために,永田論文つ

を参考にしている

新規性の評価は,新しいアイデアを提案しているれ

既存アイデアでも自明ではない新しい利用法を提案し

ているか,あるいは読者に新しい知見を与えるもので

あるかなどの観点から行われる その際,正しさは前

提となる

有効性評価では,投稿内容が学術的に (ま たは産業

の発展に)役立つことを客観的に示しているかが間わ

れる たとえば,提案手法の有効性が性能評価などに

よつて示されているか,あるいは製品化などによる他

者評価が客観的に明示されているかなどの観点から判

断される

信頼性に関しては,投稿内容が読者から見て信用で

きるものであるかという形で間われる たとえば,システム構築において既存技術の適用方法が適正である

か,論理の展開が妥当であるか,根拠が説得力のある

形で記述されているかなどで判断される

IS論文では,要素技術としての新規性は必須ではな

く,新しい利用法の提案,有効な評価などが客観的に

示されていることが間われる 新規性を示すには既出

Mar 2007

論文の十分なサーベイが必要であり,類似のものがあ

る場合には,それらと比較し分析することが不可欠で

ある また,有効性の評価では,読者の以後の研究に

有用な知見を提供できているかという点が重視される

査読者は,条件付き採択の「条件」や不採択の理由

を述べる場合に,「評価が十分ではないJ,「何ページ

何行目の x× という記述は理解し難いJと いう対症

療法的なコメントをすることが多い しかし,事例研

究のケースではこのようなコメントの意図を執筆者が

どこまで理解できているのかが定かでない だからと

いって,「カタログ的な記述であり,このままでは採

択できない」と述べても,執筆者はどうすればよいか

困惑するであろう どのような形でどこまでコメント

するのがよいかという問題は,査読システムの課題で

あり,編集委員会で議論が繰り返されている

IS特集号に限らず,論文査読全般にいえることで

あるが,ボーダラインにある論文を条件付き採択とす

るか不採択とするかの判断で査読者は悩む 最終的に

は,「大幅な修正が必要か」,「1回でクリアできるか」

という観点で判断することになる

不採択と判定される論文の中には,時間をかければ

完成度を高め採択される可能性の高いものがかなり含

まれている 正確さの点で不十分,あるいは論理の展

開に飛躍がある場合には,ネ甫完することによって論文

の質が向上するケースが多い しかしIS論文では,題

材は良いがカタログ的な原稿であるとか,文章表現で

多くの問題をかかえている原稿などがあり,1回の修

正でクリアできるケースは少ない

執筆者の中には,未完成のまま投稿し査読者のコメ

ントをもらってから論文を完成しようという不心得者

もいる 不採択になった論文の改善がほとんどなされ

ないまま,再投稿されてくるケースもあり問題になっ

ている 査読はすべて手弁当のボランティア活動に頼っ

ているのが現状である 質の悪い論文の査読を依頼さ

れるのは迷惑であるという意見も少なくない これら

の意見はいずれももっともであり,査読方法に関する

今後の課題である

5。 お わ り に

本論文では,本学会で取り上げられた IS特集への

投稿論文を基に問題点を分析した IS論文を良くする

ための方策については,編集委員会のたびに議論した

内容を反映した これらの議論では,新規性と有用性

の評価について多くの時間を費やした

本学会の査読基準には,両方が高い評価であること

が必須ではなく,いずれか一方が非常に高い評価であ

情報処理学会論文誌

資料9

23

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Vo1 48 N0 3 情報システム論文の特質と評価

ればよいという話もある しかしIs論文では,新規

性だけが高くて有用性が低いという論文の採択は難し

いという議論がなされている

論理の進め方が不明確な論文や信頼できる根拠が示

されていない論文は難解である 査読者は「なぜその

ように考えられるのか,その理論の展開は信頼に足る

ものであるか」などに注目しながら,何回も論文に目

を通している 投稿者はこのことも心得ていてほしい

良い論文を書くために,他者の論文を査読するつも

りで読んでみることを勧めたい そうすることによっ

て,どのような論文が有用で理解しやすいかが見える

であろう

IS研究会では,IS論文の意義を理解し,投稿論文

の質を高めてもらうために,「論文執筆に関するワー

クショップ」を始めた このような活動が実を結ぶこ

とを期待している

謝辞 本論文は,IS論文特集号編集委員会の委員

(浅丼達雄,阿部昭博,市川照久.魚田勝臣,大場

みち子,金田重郎,辻秀一,刀川員,冨澤員樹,樋地

正浩,細野公男,山口高平,弓場敏嗣)に よる議論を

基にまとめたものである ここに感謝の意を表す

参 考 文 献

1)特集 :「情報システム論文」,情報処理学会論文

誌,Vo1 46,No3(2005)2)特集 :「新たな適用領域を切り開く情報システ

ム」,情報処理学会論文誌,Vo1 47,N03(2006)3)神沼靖子 :「情報システム論文」特集号の総括 ,

情報処理,Vo1 46,No 4,pp 447 448(2005)4)神沼靖子 :ジャーナル IS特集号の総括と次ヘ

の期待,情報処理学会研究報告,2005‐ lS‐ 91(10),

pp 63“ 9(2005)5)金田重郎 :論文誌「新たな適用範囲を切り開く

情報システムJ特集号の総括,情報処理学会研究報告,20061S95(8),pp 53-58(2006)

6)IS ⅧЛldの ranking httpブ /wwW iSWOrld org/csaunders/rankings htm

7)永田守男 :情報システム論文の書き方 と査読基

準の提案,情報処理学会研究報告,2001-lS-77(4),pp 2530(2001)

(平成 18年 9月 8日 受付)

(平成 18年 12月 7日採録)

神沼 靖子 (フ ェロー)

1961年東京理科大学理学部数学科

卒業 博士 (学術)日本鋼管 (株 ),

横浜国立大学,埼玉大学,帝京技科

大学を経て,2003年前橋工科大学

を定年退職 研究分野 :情報システ

ム学 主な著書 :『情報システムの分析と設計』 (共

訳,培風館,1995年 ),P情報システム学へのいざな

い』(共著,培風館,1998年 ),『基礎情報システム論』

(共著,共立,1999年 ),『情報社会を理解するための

キーワード2』 (共著,培風館,2002年),『問題形成

と問題解決』(共著,共立,2005年 ),『情報システム

演習 II』 (共立,2006年 ).『情報システム基礎』 (共

著,オーム社,2006年 )電 子情報通信学会,日本応

用数理学会,情報システム学会,経営情報学会,AIS,

ACM等各会員

資料9

24

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1

論文作成の課題と査読者の悩み

よい論文作成のために

1

よい論文作成のために

神沼靖子

情報システム論文と教育論文

どちらも人的要素が大きい

事例的なテーマが多い

2

要素技術的な研究よりも実フィールドでの応用

執筆における課題

– 新規性を如何に主張するか

– 有効性・有用性を如何に証明するか

– 信頼性を如何に確保するか

IS論文の特質

「技術的なアプローチ」と「人間・組織・社会の視点からのアプローチ」がある

IS論文はISを取り巻く課題とその解決のための知見

3

IS論文はISを取り巻く課題とその解決のための知見を蓄積し継承するための手段である

「研究成果を実社会に適用し、再び研究に還元される」過程に貢献する

「ISの理論、IS開発・運用に関わる技術、社会・人間・組織に関するテーマ」など多面的で複雑である

工学・科学の研究要素技術

IS研究フィールド

4

ISの研究

技術の適用

IS環境と文脈現場の課題

研究と論文の違い

研究のすべてを論文にまとめるわけではない– 論文の対象範囲は明確に述べられているか(先行研究と当該論

文での主張の区別 論文の位置づけなど)

5

文での主張の区別、論文の位置づけなど)

論文のまとめ方– 研究の枠組によって論文の構成が変わる(要素技術研究、実証

的研究、サーベイ研究、事例研究、・・)

研究のスタイルと論文の種別(新しい理論・技法の提案、仮説・検証、データの収集・提供、・・)– それぞれのケースによって、査読における注目点が異なる

「研究の信頼性」と「論文の信頼性」は別のもの

研究会論文とジャーナル論文の違い

主たる違い– 研究会論文集:論文が未熟でも発表で補完できる

– ジャーナル:投稿論文だけで採録がきまる

6

査読者– 研究会:仲間内から

– ジャーナル:専門分野から広く

ジャーナル論文の査読– 学会メンバーを超えて依頼することあり

– 「タイトルと概要」のみを示して査読依頼

– 公平性・安全性・信頼性の確保が重要

資料10

25

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2

ジャーナル論文の種別想定される読者(受益者)

種別– 新規性論文(新奇性論文)– 進歩性論文

サ ベイ論文

7

– サーベイ論文– 事例研究論文– テクニカルレポート

主たる読者– 情報システム/教育の研究者– 情報システム/教育システムの開発者– 情報システムの運用者・利用者– 教育実践者

査読者決定プロセス(研究対象に注目)

基礎理論:新しい要素技術、研究方法論、開発方法論

技術応 素技術 応

8

技術応用:システム開発における要素技術の応用、実社会における調査と分析、問題解決のためのモデリング・デザイン

学際的研究:組織や社会におけるISの課題、システム環境と人間の情報行動に関する課題、他の学問分野との接点

査読者決定プロセス(研究方法に注目)

実験研究、フィールド研究、サーベイ研究、ケーススタディ、現象学的/解釈学的研究、未来予測研究 シミュレーション アクションリサーチ

9

測研究、シミュレ ション、アクションリサ チ、グラウンデッドセオリーなど

問題への横断的な対応、縦断的な対応、複合的な対応など

査読者が対応できる範囲は限られている

オールマイティではないので、研究対象に関しても、研究方法に関しても配慮が必要

査読者が注目すること(1)

新規性、有効性は満たされているか

内容は信頼できるか、正確かデ タの採取方法 条件 分析方法は妥当であるか

10

– データの採取方法・条件、分析方法は妥当であるか

– 研究のプロセス、先行研究との関係(位置づけ)は明瞭か

読者にとって(有用か、理解しやすい構成か、読みやすい文章か)

客観的な評価・考察ができているか– 一方的な主張や感想になっていないか

査読者が注目すること(2)

論旨に矛盾はないか、論理は明瞭か、何故そう考えたか、修正による不整合はないか

内容の正確さは客観的に保証されているか

11

容 確 客観 保証

論文の目的に対して妥当な考察が述べられているか

実践報告(または解説)のみになっていないか 事例論文の一般化・抽象化ができているか

評価は客観的に述べられているか(一方的な主張や単なる感想になっていないか)

査読者が注目すること(3)

先行研究について 調査は偏っていないか

国内外の調査をしたか

12

国内外の調査をしたか

都合のよい論文のみを採用していないか

孫引きはないか

引用と参考文献の対応がとれているか

引用内容は分かりやすく述べているか

参考文献の入手は可能か

資料10

26

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3

サーベイ対象のISジャーナル(例)

情報処理学会の論文誌、研究会誌 電子情報通信学会の論文誌、研究会誌 情報システム学会誌 経営情報学会誌

13

CACM(Communication of the Association for Computing Machinery) db(The DATA BASE for Advances in Information Systems) EJIS(European Journal of Information Systems) JMIS(Journal of Management Information Systems) I&M(Information & Management) ISJ(Information Systems Journal) ISR(Information Systems Research) MISQ(Management Information Systems Quarterly) JAIS(Journal of the Association for Information Systems) ICIS(International Conference of Information Systems)

不採録となる主たる理由

新規性の論拠が不明確である

有用性/有効性の明示が不十分である

14

有用性/有効性の明示が不十分である

正確さ/信頼性に問題がある

– 記述が曖昧/論理が飛躍している

論文ではなく、紹介記事になっている

論文構成/展開が読者に分かりにくい

文章表現が拙い

不採録理由の例示文とその割合

①書き方,論理の進め方などに不明確な点が多く,内容把握が困難である(74%)

②内容に信頼できる根拠が示されていない

15

②内容に信頼できる根拠が示されていない(65%)

③本質的な点が公知・既発表のものに含まれており,新規性が不明確である(35%)

④本学会の学術や技術の発展のための有効性が不明確である(35%)

拙いと指摘される具体例

事例研究論文が実践報告になっていないか

– ××システムを作りました、△△教育を実施しました

– 論点が曖昧(何をどこまで解決するのか、目的は何かなど)

論理の展開に矛盾がないか

16

論理の展開に矛盾がないか– 同じことが繰り返し書かれている

– タイトル、要旨、本文の間に一貫性がない

理解しがたい文章

– 用語の不統一である

– 用語の解釈の違いがある(定義されていない)

採録条件をみたしていない(対応が不十分)

査読における悩み(1)

査読者と投稿者の文化のちがい 「論文の意図」と「査読者の理解」にずれが発生している

1回の照会で改善できるか

17

1回の照会で改善できるか 条件付採録にするか,再投稿を促すか

入手困難な参考文献 論文を正しく評価するためには文献入手は必須である

不採録論文へのコメントの書き方 何が問題であるか,何故問題であるかを明瞭に述べる

査読における悩み(2)

曖昧な採録条件は執筆者の誤解を招く 査読者は分かりやすく述べる必要があるが、執筆者も「条件の意

味が分かり難い」場合には問い合わせることも必要

18

一般に、指摘した採録条件をクリアしたら採録となる 条件付採録でも、修正結果をみて判断することあり

査読者の価値観を押し付けないためにコメントを書く 何が問題であるか、何故問題であるかを明瞭に述べる

コメントと採録条件は違う

資料10

27

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4

査読における悩み(3)

対症療法的な指摘には、部分的な修正に止まらず、全体の見直しを!

19

××の説明を追加せよといわれたら、ただ追加するだけでなく、全体に矛盾が発生しないように見直すことが必要

新規性を問われた場合には 要素技術のような新規性が求められているとは限らない

既存の要素技術の統合における新しさ、統合における工夫やメリットなどを客観的に述べるのもよい

データが新しいだけではダメ

よい論文にするために(新規性、有用性/有効性、信頼性)

新規性– 新しい技術の提案/新しい考え方の提案があるか

有効性

20

有効性– 提案は有効なものか

有用性– 読者(学会員)の役に立つか、新たな知見が得られるか

信頼性– 内容の正確さは客観的に保証できるか

– 論理的に明瞭に記述できているか

– 研究内容の信頼性、論文記述の信頼性

有用性/有効性を高めるために

提案する方法論は有効か

組み合わせた方法論は他者にも有用か

21

既存の方法と比較して有用性は高いか

読者にとって有用な論文か

方法論の信頼性をどのように示せるか

データの信頼性をどのように示せるか

新規性を高めるために

何が新しいか

新たな方法論を提案したか

22

既存の方法論を適切に組み合わせたか

如何に新奇性(新規性)を示すか

新規性がわかるように表現を工夫したか

信頼性を高めるために

論文構成の分かりやすさ– 構成が悪いと同じことが何回も出現する(冗長)

論理の展開の分かりやすさ章立 が影響する

23

– 章立てが影響する– 先行研究と自分の主張を区別する– 論旨の矛盾を排除する– 論旨は本文と整合がとれているか

理解容易な文章表現– 自分の主張を一方的に述べるのではなく、考え方の妥当性を論

理的に記述すること– 誰が読んでも同じように解釈できること

要注意

二重投稿と盗作への対応

複数学会への二重投稿は許されない

24

– 複数学会への二重投稿は許されない

編集委員会にて事実を確認し処置する

– 盗作の疑いがある場合には

不採録にするのみならず、対応処置をとることになる

資料10

28

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5

問題事例「条件付採録→不採録」のケース(1)

テーマは期待できたが、箇条書きに近い原稿であった→「論文構成が拙く、理解し難い文章が多いので 構成を見直し 文章を推敲し直してくだ

25

いので、構成を見直し、文章を推敲し直してくださいと指摘した(その際、例えば××と、条件に付記した→××の箇所のみ修正して再提出をした。

どう改善すべきであったか

問題事例「条件付採録→不採録」のケース(2)

新規性があり、論理的な展開がなされていたが、理論が難しかったために査読者に理解できなかった→査読者は「理解が困難なので具体的な

26

かった→査読者は「理解が困難なので具体的な事例を取り上げ、易しく述べてください」と求めた→具体的な事例を中心に書き直した

何が問題であったか

問題事例「条件付採録→不採録」のケース(3)

複数の査読者が異なる視点で条件を述べた→採録条件は相反する内容のものであった→執

筆者はそれぞれの査読者の要求に対し 個別

27

筆者はそれぞれの査読者の要求に対し、個別に反映した→論旨の矛盾が発生した

査読者の立場、担当編集委員の立場、執筆者の立場から、どう対応すべきであったか

問題事例「条件付採録→不採録」のケース(4)

査読者の思いを「・・・すべきである」と採録条件に述べた→執筆者は、論文の意図とずれるが、

指摘された条件を満たすために 関係箇所にか

28

指摘された条件を満たすために、関係箇所にかなり加筆した→論文の構成が変わり、論文の目的も曖昧になった

どう対応すべきであったか

資料10

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情報処理学会論文誌投稿用キーワード表(2010年3月5日現在)

大項目 中項目 小項目 基礎理論(証明付きの理論に関するもの) [基盤グループ]

情報数学 2010101 グラフ理論 2010102 組合せ理論 2010103 符号理論 2010104 オペレーションズリサーチ 2010105 確率・統計 2010106 記号論理(形式論理) 2010107 非線形力学 2010108 複雑系数学(カオスとフラクタル等) 2010109 情報理論 2010110 その他

アルゴリズ ム理論 2010201 グラフアルゴリズム 2010202 データ構造 2010203 並列・分散アルゴリズム 2010204 確率的アルゴリズム 2010205 近似アルゴリズム 2010206 計算幾何学 2010207 発見的アルゴリズム(メタ・ヒューリスティックス、 ニューラルネット、遺伝アルゴリズム等) 2010208 数値計算と数値解析 2010209 数式処理 2010210 その他

計算理論 2010301 オートマトン・形式言語理論 2010302 計算可能性の理論 2010303 計算複雑性の理論 2010304 計算論的学習理論 2010305 新しい計算パラダイム(量子計算や分子計算) 2010306 その他

プログラムの理論 2010401 計算モデル 2010402 意味論 2010403 プログラム変換・合成

論理 2010501 非標準論理(非単調論理、ファジイ推論、不確実性 処理等) 2010502 定理自動証明 2010503 推論メカニズム 2010504 論理設計理論

その他の基礎理論 2010601 知識獲得と発見科学 2010602 理解・識別論 2010603 分散・協調AI 2010604 その他

計算機アーキテクチャとハードウェア [基盤グループ]

計算機アーキテクチャ 2020101 プロセッサアーキテクチャ(スーパ ースカラ、VLIW、マルチスレッド、投機実行、分岐予測、シングルチップマル チプロセッサ、ベクトルプロセッサ、マルチメディア 支援等) 2020102 メモリアーキテクチャ(キャッシュメモリ、共有メモ リ、分散共有メモリ、DRAM混載、仮想記憶、プリフェッチ、データ転送コント ローラ、 共有レジスタ、インターリーブ等) 2020103 I/Oアーキテクチャ 2020104 特定用途向けアーキテクチャ(シグナルプロセッサ、 グラフィックプロセッサ、ネットワークプロセッサ等) 2020105 その他

並列・分散処 理技術 2020201 並列アーキテクチャ(マルチプロセ ッサ、相互結合網、プロセッサアレイ、SIMD 等) 2020202 分散アーキテクチャ(クラスタコンピューティング、 グローバルコンピューティン グ等) 2020203 並列化コンパイラ 2020204 負荷分散、スケジューリング 2020205 並列化拡張言語(OpenMP、MPI等) 2020206 性能チューニング、性能評価(PAPI) 2020207 その他

アーキテク チャとソフトウェアの協調技術

2020301 OS/コンパイラ/言語に対するアーキ テクチャ支援(同期、スケジューリング、デー タ転送等に対するサポート) 2020302 アーキテクチャのためのソフトウェア最適化(ソフト ウェアによるレジスタ最適化、プリフェッチ、キャッシュ最適化等) 2020303 アーキテクチャ・エミュレーション 2020304 オブジェクトコード・トランスレーション 2020305 その他

イノベーティ ブ計算方式 2020401 量子コンピューティング 2020402 DNAコンピューティング 2020403 バイオコンピューティング 2020404 リコンフィギュアラブルコンピューティング 2020405 その他

計算機システ ム化技術 2020501 実装技術 2020502 高信頼化技術 2020503 低消費電力化技術 2020504 リアルタイム処理技術 2020505 システムオンチップ 2020506 その他

設計技術と設 計自動化 2020601 設計環境 2020602 記述言語 2020603 論理合成 2020604 配置配線 2020605 設計検証 2020606 テストパタン生成 2020607 ハードウェア・ソフトウェア・コデザイン 2020608 その他

資料11

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論理回路とデ バイス 2020701 論理設計理論 2020702 非同期回路 2020703 論理デバイス 2020704 高速デバイス 2020705 メモリデバイス 2020706 FPGA 2020707 多値論理 2020708 その他

各種計算機応用 2020801 各種計算機応用プログラミング [基盤グループ]

プログラミング言語の設計 2030101 従来言語の改良, 拡張, 融合 2030102 汎用アルゴリズム記述言語 2030103 アプリケーションに特化した言語 2030104 教育用および初心者用言語 2030105 メタ言語 2030106 言語の普遍原理, 構成要素 2030107 その他

プログラミン グ言語の実装技術

2030201 コンパイラ 2030202 インタプリタ 2030203 ローダとリンカ 2030204 実行時システム 2030205 メモリ管理 2030206 組込システム向け実装技術 2030207 並列分散システム向け実装技術 2030208 その他

プログラミン グ環境・支援系

2030301 デバッグ支援 2030302 モニタリング、プロファイリング 2030303 ソフトウェア可視化 2030304 統合環境 2030305 ライブラリ、フレームワーク 2030306 その他

プログラミン グ方法論とパラダイム

2030401 ソフトウェアパターン 2030402 自然言語プログラミング 2030403 証明・検証つきプログラミング 2030404 非デスクトップ環境でのプログラミング 2030405 プログラムの検証・解析 2030406 その他

オペレーティングシステム [基盤グループ]

システムソフトウェア設計・ 構成論

2040101 カーネル設計・構成論 2040102 分散システム設計・構成論 2040103 並列システム設計・構成論 2040104 広域ネットワークシステム設計・構成論 2040105 マルチメディアシステム設計・構成論 2040106 連続メディアシステム設計・構成論 2040107 システム開発環境設計・構成論 2040108 その他

オペレーティ ングシステム機能実装論

2040201 セキュリティ 2040202 リアルタイム 2040203 耐故障性 2040204 可用性 2040205 適用性 2040206 拡張性 2040207 その他

システムソフ トウェア要素技術

2040301 スケジューリング 2040302 プロセス管理 2040303 記憶管理 2040304 ファイルシステム 2040305 I/O管理 2040306 通信管理 2040307 ネットワークプロトコル 2040308 デバイスドライバ 2040309 マルチプロセッサ 2040310 その他

組み込みシ ステム技術 2040401 モバイル 2040402 ウェアラブル 2040403 情報家電 2040404 アプライアンスサーバ 2040405 その他

ソフトウェア工学 [基盤グループ]

要求工学 2050101 要求獲得 2050102 要求分析 2050103 要求定義 2050104 その他

分析・設計技法 2050201 分析・設計方法論 2050202 オブジェクト指向分析・設計 2050203 再利用技術 2050204 ソフトウェアアーキテクチャ 2050205 ソフトウェアパターン 2050206 コンポーネント技術 2050207 フレームワーク技術 2050208 プロダクトライン 2050209 リアルタイムシステム設計 2050210 リアクティブシステム設計 2050211 方法論工学 2050212 その他

形式的手法 2050301 仕様記述モデル・言語 2050302 形式的手法の適用 2050303 その他

資料11

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テスト技法・ 保守技術 2050401 テスト工程 2050402 テストデータ・テストスイート 2050403 プログラム解析・理解 2050404 その他

システム評価 ・管理技術 2050501 システムメトリクス・見積り 2050502 プログラムメトリクス 2050503 品質評価・管理 2050504 工程・進捗管理 2050505 構成・版管理 2050506 その他

開発支援環境 ・自動化技術

2050601 自動生成技術 2050602 シミュレーション技術 2050603 モデル化支援 2050604 管理支援(構成管理,プロジェクト管理など) 2050605 作業支援(コミュニケーション支援も含む) 2050606 設計情報表現・設計情報交換 2050607 その他

ソフトウェアプロセス2050701 プロセスのモデル化と記述 2050702 プロセスのモニタリングと制御 2050703 プロセス改善 2050704 その他

システム運用技術 2050801 システムの運用、利用 2050802 システムの保守 2050803 その他

データベース [基盤グループ]

データモデルとデータベース設計

2060101 概念モデル 2060102 データモデル 2060103 データベース操作と言語 2060104 一貫性制約 2060105 データベース設計 2060106 質問・トランザクション処理 2060107 信頼性・障害時回復・安全性 2060108 クラスタリング・インデキシング 2060109 複製管理 2060110 その他

データベース システム 2060201 並列・分散・マルチデータベース 2060202 主記憶データベース 2060203 アクティブデータベース 2060204 モバイル・コンピューティングとデータベース 2060205 マルチメディアデータベース 2060206 履歴データベース・版管理 2060207 地理データベース・空間データ管理 2060208 時間・時相データ管理 2060209 放送型情報システム 2060210 情報資源管理とリポジトリ 2060211 データウェアハウス・OLAP 2060212 その他

ハイパフォーマンスコンピューティング [基盤グループ]

計算科学と数値シミュレー

シ ョンの理論と実践2070101 離散数学とアルゴリズム(計算量、 計算幾何学を含む) 2070102 メディアとネットワークのアルゴリズム(自然言語、 圧縮、暗号を含む) 2070103 離散最適化とヒューリスティクス(学習理論を含む) 2070104 並列・分散処理アルゴリズム 2070105 シミュレーション・応用計算のアルゴリズム(チュー ニング、並列化を含む) 2070106 シミュレーション・応用計算のハードウェア構成 2070107 シミュレーション・応用計算の実装と評価 2070108 その他

数値計算アル ゴリズム 2070201 近似と離散化 2070202 線形計算 2070203 非線形方程式と最適化 2070204 常・偏微分方程式の解法(FFT、積分変換を含む) 2070205 解析と統計(微分、積分、乱数、モンテカルロ法) 2070206 代数方程式の解法 2070207 性能評価と高性能化(チューニング、並列化を含む) 2070208 数値計算ライブラリとベンチマークデータセット 2070209 その他

高性能計算機 アーキテクチャ

2070301 プロセッサアーキテクチャ 2070302 メモリアーキテクチャ 2070303 計算機接続ネットワーク 2070304 I/Oシステム 2070305 クラスタシステム 2070306 その他

並列処理ソフ トウェア 2070401 並列オペレーティングシステム 2070402 クラスタソフトウェア 2070403 並列プログラミングインタフェース 2070404 並列処理ランタイムシステム 2070405 並列化コンパイラ 2070406 並列処理支援ツール 2070407 その他

HPC利用技術 2070501 計算結果可視化 2070502 運用システム 2070503 その他

性能評価技術 2070601 並列処理性能モデリング 2070602 ベンチマークと性能測定手法 2070603 性能とトレースの分析手法(可視化を含む)

資料11

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2070604 計算・通信時間のモデリング 2070605 実行時間予測とその応用(シミュレーションを含む) 2070606 性能指標(LINPACK、Spec、 計算量、スケーラビリティ等) 2070607 性能保証と実時間処理 2070608 その他

広域分散計算 システム 2070701 セキュリティとユーザ管理 2070702 スケジューリングと資源管理 2070703 メタコンピューティングシステム 2070704 広域分散プログラミングモデルとミドルウェア 2070705 広域分散大規模データ処理技術 2070706 広域分散処理アプリケーションと事例 2070707 その他

組み込みシステム [基盤グループ]

アーキテクチャ 2080101 システムアーキテクチャ 2080102 コアプロセッサ 2080103 DSP 2080104 IPコア 2080105 演算回路 2080106 ソフトウェアアーキテクチャ 2080107 低消費電力アーキテクチャ 2080108 並列化コンパイラ 2080109 負荷分散、スケジューリング 2080110 並列化拡張言語(OpenMP、MPI等) 2080111 性能チューニング、性能評価(PAPI) 2080112 その他

設計手法 2080201 開発プロセス 2080202 設計手法 2080203 システム記述言語 2080204 HW-SWコデザイン 2080205 HW-SW分割 2080206 組込ソフトウェア開発手法 2080207 設計プラットフォーム 2080208 その他

開発環境 2080301 開発環境/開発ツール 2080302 EDAツール 2080303 コンパイラ 2080304 CASEツール 2080305 シミュレーション環境 2080306 ラピッドプロトタイピング環境 2080307 その他

検証/テスト とデバッグ 2080401 検証/テスト手法と環境 2080402 デバッグ手法/デバッグツール 2080403 コベリフィケーション 2080404 コシミュレーション 2080405 テスト容易化設計 2080406 安全性と信頼性 2080407 その他

OSとネットワーク 2080501 組込OS 2080502 リアルタイムOS 2080503 ミドルウェア 2080504 ネットワークとの接続 2080505 通信機構と標準化 2080506 その他

開発事例 2080601 開発事例 2080602 応用事例 2080603 新しい応用分野への適用 2080604 性能評価 2080605 その他

バイオインフォマティクス [基盤グループ]

データベース 2090101 塩基配列・アミノ酸配列 2090102 ゲノム 2090103 立体構造・物性 2090104 相互作用 2090105 遺伝子発現 2090106 生物資源 2090107 生態 2090108 統合 2090109 その他

配列・構造解析 2090201 相同性検索 2090202 多重整列(アラインメント) 2090203 遺伝子領域予測 2090204 制御領域予測 2090205 局在予測 2090206 構造予測 2090207 機能予測 2090208 その他

ゲノム解析 2090301 比較ゲノム 2090302 遺伝子発現 2090303 遺伝子ネットワーク 2090304 多型情報 2090305 医療 2090306 その他

モデリング 2090401 細胞 2090402 発生

資料11

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2090403 代謝 2090404 免疫 2090405 脳・神経系 2090406 進化 2090407 その他

情報科学への応用 2090501 遺伝的アルゴリズム 2090502 人工生命 2090503 DNAコンピューティング 2090504 その他

ネットワーク・インターネット基礎 [ネットワークグループ]

ネットワークアーキテクチャ 2100101 高速・広帯域通信方式 2100102 LAN/WAN 2100103 ブロードバンドインターネット 2100104 クライアントサーバ 2100105 ディレクトリ 2100106 ルータ・スィッチ 2100107 マルチメディア符号化 2100108 アクティブネットワーク 2100109 その他

ネットワーク プロトコル 2100201 データ通信プロトコル 2100202 経路制御プロトコル 2100203 資源予約プロトコル 2100204 マルチキャスト通信 2100205 マルチメディア通信プロトコル 2100206 分散協調プロトコル 2100207 プロトコル設計 2100208 プロトコル検証 2100209 プロトコル高速処理 2100210 その他

分散処理 2100301 同期制御 2100302 排他制御 2100303 分散資源管理 2100304 分散アルゴリズム 2100305 負荷分散とマイグレーション 2100306 その他

分散システム 運用・管理 2100401 Internet/LAN運用管理技術 2100402 セキュリティ/危機管理 2100403 障害管理 2100404 トラフィック解析/管理 2100405 分散システム構築運用技術 2100406 次世代通信技術 2100407 その他

無線・モバイ ルネットワーク

2100501 モバイルコンピューティング環境 2100502 携帯端末 2100503 セキュリティ 2100504 モバイルネットワークアーキテクチャ 2100505 アドホックネットワーク 2100506 モバイルネットワークプロトコル 2100507 モバイルネットワーク管理運用 2100508 無線LAN 2100509 衛星通信 2100510 パーソナルコミュニケーションネットワーク 2100511 その他

ネットワーク 品質・制御 2100601 トラフィック理論 2100602 トラフィック制御・解析 2100603 QoS 2100604 資源予約 2100605 高品質ネットワーク 2100606 ネットワークシミュレーション 2100607 ネットワーク性能解析 2100608 その他

ネットワーク・インターネット応用 [ネットワークグループ]

ネットワークサービス基礎 2110101 電子メールシステム 2110102 WWW 2110103 インスタントメッセージとプレゼンスサービス 2110104 ネットワークサービスインフラ 2110105 インフォミディアリシステム技術 2110106 その他

ネットワー クサービス 2110201 Webサーチエンジン 2110202 E-コマース 2110203 社会/行政サービス 2110204 遠隔教育サービス/Web ベーストレーニング 2110205 ネットワークエンタテイメント 2110206 WWWのデザイン 2110207 WWWの応用サービス 2110208 ホームネットワーク 2110209 放送サービス 2110210 その他

モバイルコン ピューティング

2110301 位置情報サービス 2110302 モバイルエージェント 2110303 モバイルアプリケーション 2110304 ユビキタスコンピューティング 2110305 ウェアラブルコンピューティング 2110306 その他

資料11

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ITS 2110401 交通管理 2110402 運転支援 2110403 画像処理 2110404 通信方式 2110405 ネットワーク技術 2110406 情報提供・地図情報 2110407 インターモダリティ 2110408 アプリケーション 2110409 その他

ミドルウェア 2110501 ミドルウェアアーキテクチャ 2110502 クライアントサーバアーキテクチャ 2110503 分散オブジェクト 2110504 ネットワークミドルウェア 2110505 その他

分散システム 運用・管理 2110601 Internet/LAN運用管理技術 2110602 障害管理 2110603 トラフィック解析/管理 2110604 分散システム構築運用技術 2110605 その他

セキュリティ [ネットワークグループ]

セキュリティ基盤技術 2120101 共通鍵暗号 2120102 公開鍵暗号 2120103 暗号用ハッシュ関数・乱数 2120104 量子暗号 2120105 情報ハイディング 2120106 秘密分散 2120107 デジタル署名 2120108 その他

ネットワーク セキュリティ 2120201 コンピュータウィルス 2120202 ファイアウォール 2120203 セキュリティプロトコル 2120204 侵入検出・検知 2120205 アクセス制御・認証 2120206 鍵配送・管理 2120207 その他

セキュリテ ィと社会 2120301 電子公証 2120302 電子政府 2120303 電子投票・入札 2120304 電子商取引 2120305 情報通信倫理 2120306 ソフトウェア保護 2120307 著作権保護 2120308 その他

危機管理とリ スク管理 2120401 リスク分析・評価 2120402 意思決定・戦略 2120403 システム評価・監査 2120404 不正・異常検出 2120405 災害対策・管理 2120406 その他

信頼性 2120501 信頼性・保全性理論 2120502 信頼性・安全性評価 2120503 信頼度設計 2120504 故障診断・故障解析 2120505 フォールトトレランス 2120506 その他

知能と認知 [知能グループ]

知識処理 2130101 知識表現 2130102 機械学習 2130103 探索と推論 2130104 ニューラルネット 2130105 ファジィ理論 2130106 進化的計算 2130107 複雑系 2130108 知識発見 2130109 知識ベース 2130110 分散・協調AI 2130111 その他

認知科学 2130201 思考モデル 2130202 知覚 2130203 分散認知 2130204 学習過程 2130205 コミュニケーション 2130206 その他

知識コミュ ニティ 2130301 情報と知識の管理 2130302 マルチエージェント 2130303 相互理解 2130304 仮想コミュニティ 2130305 その他

応用分野・領域 2130401 データマイニング 2130402 テキストマイニング 2130403 感性情報 2130404 ロボット 2130405 ゲーム 2130406 エデュテインメント 2130407 その他

資料11

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言語メディア処理と情報コンテンツ [知能グループ]

自然言語 2140101 言語解析 2140102 意味処理 2140103 文脈/談話処理 2140104 コーパス/言語資源 2140105 辞書/語彙意味 2140106 機械翻訳 2140107 テキスト処理 2140108 その他

音声言語 2140201 音声分析・符号化・強調 2140202 音声認識・理解 2140203 音声合成・テキスト音声変換 2140204 音声対話・翻訳 2140205 話者・言語識別 2140206 言語モデル・音声言語コーパス 2140207 その他

情報検索 2140301 文書・全文・マルチメディア情報検索 2140302 情報の分類・組織化と視覚化 2140303 ベンチマーク・テストコレクション 2140304 シソーラス・辞書/用語・オントロジー 2140305 その他

Webインテリジェンス 2140401 Web検索 2140402 パーソナライゼーション・ナビゲーション 2140403 利用者・コミュニティ分析 2140404 Webマイニング 2140405 その他

コンテンツ処理 2140501 構造化文書記述と文書データベース 2140502 複合メディアコンテンツの記述・創作・編集・管理 2140503 情報抽出・要約・再構成 2140504 その他

視聴覚メディア処理 [情報システムグループ]

音楽情報 2150101 音響分析・合成 2150102 電子楽器・演奏インタフェース 2150103 統合的音楽システム・音楽利用支援システム 2150104 音楽情報の表現・音楽記述言語 2150105 楽譜処理(認識・生成) 2150106 音楽分析・音楽認知 2150107 作曲・編曲(アルゴリズミック作曲、自動作曲) 2150108 自動演奏/伴奏/合奏 2150109 音楽データベース、音楽情報検索 2150110 他メディアとの融合(マルチメディアとしての音楽) 2150111 音楽における感性情報処理 2150112 その他

画像情報 2150201 画像補整・幾何補正・画像推定 2150202 画像特徴抽出 2150203 画像分類 2150204 画像符号化 2150205 画像認識・理解 2150206 動画像認識・理解 2150207 アクティブビジョン 2150208 3次元形状・反射特性 推定・計測 2150209 その他

コンピュータグラフィックス 2150301 情報可視化 2150302 形状モデリング 2150303 CAD 2150304 画像生成 2150305 仮想/人工/拡張現実 2150306 アニメーション 2150307 応用システム 2150308 その他

複数モダリティ 2150401 メディア変換 2150402 統合 2150403 その他

身体情報・物 理世界への働きかけ

2150501 身体情報・物理世界への働きかけ

インタラクション [情報システムグループ]

ヒューマンインタフェース基礎

2160101 感性情報処理 2160102 インタフェースデザイン 2160103 ユーザモデル 2160104 ユーザビリティ 2160105 メディアアート 2160106 認知モデル 2160107 その他

ユーザインタフェースとイン タラクティブシステム

2160201 グラフィカルユーザインタフェース 2160202 パーセプチュアルユーザインタフェース 2160203 入出力デバイス 2160204 協調インタフェース 2160205 マルチモーダルインタフェース 2160206 携帯端末インタフェース 2160207 没入型インタフェース 2160208 ウェアラブルコンピューティング 2160209 タンジブルコンピューティング 2160210 その他

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Page 39: 情報システム論文執筆ワークショップ · 2010-09-15 · 情報処理学会論文誌は会員の研究成果の発表お よびこれに関連する討論の場を提供するために発

知的創造作業支援 2160301 創造性/発想支援 2160302 学習支援 2160303 設計/デザイン支援 2160304 オーサリング支援 2160305 創作支援 2160306 その他

グループインタラクション支 援とグループウェア

2160401 協調基礎 2160402 コミュニケーション支援 2160403 協調作業支援 2160404 グループ意思決定支援 2160405 グループ発想支援 2160406 協同学習支援 2160407 会議支援 2160408 組織知とナレッジマネージメント 2160409 ビジネスプロセスとワークフロー 2160410 グループウェアフレームワーク 2160411 モバイルグループウェア 2160412 電子メール応用システム 2160413 情報共有システム 2160414 共有仮想環境 2160415 その他

情報と人文・社会科学 [情報システムグループ]

教育 2170101 情報教育 2170102 情報技術者教育 2170103 教師教育 2170104 特別支援教育 2170105 教育支援 2170106 教育の設計、測定、評価 2170107 教材開発 2170108 学習 2170109 その他

学習支援 2170201 チュータリングシステム 2170202 語学学習(CALL) 2170203 協調学習 2170204 遠隔学習 2170205 生涯学習 2170206 学習支援モデル 2170207 その他

医療・福祉支援 2170301 医療・福祉支援社会活動支援 2170401 組織活動支援

2170402 コミュニティ支援 2170403 ユ ニバーサルデザイン 2170404 電子政府 2170405 ネットワークコミュニティの理論とモデリング 2170406 コミュニティ形成支援システムの開発と運用 2170407 その他

社会・人間系の情報システム

2170501 情報、データ、知識の管理 2170502 情報ニーズ 2170503 社会基盤としての情報システム 2170504 地域情報システム、環境情報システム 2170505 組織活動を支える情報システム(経営システム、非営利活動) 2170506 個人を支える情報システム(情報サービス、自己責任、倫理と法 等) 2170507 エンドユーザコンピューティング 2170508 情報と情報技術 2170509 組織の変革と情報技術 2170510 アプリケーションフレームワーク 2170511 情報システムの社会や企業への適用 2170512 eビジネス 2170513 その他

情報システムと社会 2170601 情報システムの個人、組織、社会との関わり 2170602 情報システムと法、倫理 2170603 情報システム技術者の専門性 2170604 リスク管理と情報システム 2170605 その他

人文科学への応用 2170701 モデル構成 2170702 数値処理 2170703 テキスト分析 2170704 イメージ処理 2170705 デジタルアーカイブ 2170706 メタデータ 2170707 復元と再構成 2170708 博物館・美術館・図書館 2170709 芸術 2170710 その他

倫理と法制 2170801 標準化(国際化、地域化) 2170802 情報倫理 2170803 知的財産権 2170804 その他

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