ミニテスト 2級 - 日本語検定...25 2級 2級 24 次 の 文章 は、「夫 は 外 で 働...

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調内閣府っている「男女共同参画社会する世論調査」,全国20 歳以上日本国籍する男女,「夫,妻家庭るべきであるというについてどううかをねるものがある図1のグラフは,2012 年 10 月ったときのその回答結果全体,男女 とをしたものである。「賛成」という回答どちらかといえば賛成」という 回答わせて「賛成派」ととらえ,同様「反対」という回答どちらかと いえば反対」という回答わせて「反対派」ととらえると,全体では「賛成派」 割合51.6%,「反対派」割合45.1%という結果になっている。従来から あるいわば「古」夫婦観,21 世紀って 10 年以上経過した現在でも これだけの支持ているというのは意外じがする。男女別にこれをたと きに,男性賛成派55.1%っていることはともかくとして,女性「賛成派」 48.4%「反対派」割合かに下回ってはいるものの,( のをるとなおさらであるこうしたとらえずしも( ことをしているのが図2 であるこのグラフは,上記男女合わせた回答結果1997 年以降,調査われたごとにたものである。1997 年には「賛成派」割合57.8%,「反対派」割合37.8%かなり「賛成派」上回っていたのが,2002 年両者2004 年にはついに逆転しているその2007 年,2009 年反対,賛 傾向いていたのであるところが 2012 年,2009 年までの逆行する結果となっているこの世論調査継続してっている内閣府には「男女共同参画局」かれて おり,10 年以上にわたって「男女共同参画社会基本法」(1999 年施行)いた施策めてきている。「基本法」ではあるべき「男女共同参画社会」「男 ,社会対等構成員として,自らの意思によって社会のあらゆる分野にお ける活動参画する機会確保されもって男女均等政治的,経済的,社会 的及文化的利益享受することができかつ,共責任うべき社会」であ るとうたっている。当該設問まさにこの理念にかかわる象徴的いだと ってよいだろう。1997年から 2009 年まではこの理念国民意識( わけであるがここにきてこの理念相反する方向結果れたことになる前回調査(2009 年)今回(2012 年)きな出来事としては2011 年東日本大震災があるこの大災害,人々意識らかの影響えたということは当然考えられるがそれがどのようなものであるかについては ( ない。人々,家族家庭大切気持ちがまったであろう ことは推測できてもそれが,「夫外,妻家」支持率上昇とつながるのかど うかむしろ,景気低迷,妻「外」選択肢まっていることや場所があってもべてますますない収入しかられなくなっているこ とが影響しているともえられる2,3年後われるはずの世論調査どういう結果れるかこの「逆 行」今回だけの一時的現象となるのかそれともたな傾向としてくのか基本政策つにきくわる問題だけに,注目してちたい1

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Page 1: ミニテスト 2級 - 日本語検定...25 2級 2級 24 次 の 文章 は、「夫 は 外 で 働 き、妻 は 家庭 を 守 るべきである 」 という 考 え 方 についての

2 級● 2425● 2級

 

次の文章は、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方についての調査結果を見て、Aさんが書い

たものです。それぞれの質問に番号で答えてください。

アに入る言い方として最も適切なものはどれでしょうか。

1半数には満たない

2ほぼ半数を占めている

3半数の支持しか得ていない

4少しずつ増加している

イに入る言い方として最も適切なものはどれでしょうか。

1的を射ていない

2的を抜いていない

3的を外れてはいない

4的を絞れていない

ウに入る言い方として最も適切なものはどれでしょうか。

1結び付いていた

2離れはじめていた

3寄り添いつつあった

4飲まれつつあった

エに入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。

[

1憶測の幅

2想像の域

3推定の内

4予想の枠]

この文章の内容と合っているものを一つ選んでください。

1「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方は古いが、

優れているところがある。

2「男女共同参画社会」は、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」

と考える人が多いと実現しない。

3「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方は、「男

女共同参画社会」の理念にそぐわない。

4世論調査の結果から、日本では「男女共同参画社会」を実現

するのは難しい。

 内閣府が行っている「男女共同参画社会に関する世論調査」の中で,全国の 20歳以上の日本国籍を有する男女に,「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方についてどう思うかを尋ねるものがある。 図1のグラフは,2012年10月に行ったときのその回答結果の全体と,男女別とを示したものである。「賛成」という回答と「どちらかといえば賛成」という回答を合わせて「賛成派」ととらえ,同様に「反対」という回答と「どちらかといえば反対」という回答を合わせて「反対派」ととらえると,全体では「賛成派」の割合が 51.6%,「反対派」の割合が 45.1%という結果になっている。従来からある,いわば「古い」夫婦観が,21世紀に入って 10年以上を経過した現在でもこれだけの支持を得ているというのは意外な感じがする。男女別にこれを見たときに,男性の賛成派が 55.1%に上っていることはともかくとして,女性の「賛成派」も 48.4%と「反対派」の割合を僅かに下回ってはいるものの,( ア )のを知るとなおさらである。 こうしたとらえ方が必ずしも( イ )ことを示しているのが,図2である。このグラフは,上記の男女合わせた回答結果を 1997年以降,調査が行われた年ごとに見たものである。1997年には「賛成派」の割合が 57.8%,「反対派」の割合が 37.8%と,かなり「賛成派」が上回っていたのが,2002年に両者が並び,2004年にはついに逆転している。その後も 2007年,2009年と反対が増え,賛成が減る傾向は続いていたのである。ところが 2012年は,2009年までの流れと逆行する結果となっている。 この世論調査を継続して行っている内閣府には「男女共同参画局」が置かれており,10年以上にわたって「男女共同参画社会基本法」(1999年施行)に基づいた施策を進めてきている。「基本法」では,あるべき「男女共同参画社会」を,「男女が,社会の対等な構成員として,自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され,もって男女が均等に政治的,経済的,社会的及び文化的利益を享受することができ,かつ,共に責任を担うべき社会」であるとうたっている。当該の設問は,まさにこの理念にかかわる象徴的な問いだと言ってよいだろう。1997年から2009年までは,この理念に国民の意識が( ウ )わけであるが,ここにきてこの理念と相反する方向の結果が現れたことになる。  前回の調査(2009年)と今回(2012年)の間の大きな出来事としては,2011年の東日本大震災がある。この大災害が,人々の意識に何らかの影響を与えたということは当然考えられるが,それがどのようなものであるかについては( エ )を出ない。人々の,家族や家庭を大切に思う気持ちが高まったであろうことは推測できても,それが,「夫は外,妻は家」の支持率上昇とつながるのかどうか。むしろ,景気の低迷が続き,妻が「外」で働く選択肢が狭まっていることや,働き場所があっても夫に比べてますます少ない収入しか得られなくなっていることが影響しているとも考えられる。 2,3年後に行われるはずの次の世論調査で,どういう結果が現れるか。この「逆行」が今回だけの一時的な現象となるのか,それとも新たな傾向として続くのか。国の基本政策の一つに大きく関わる問題だけに,注目して待ちたい。

17

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

2006

2005

2004

2003

2002

2001

2000

1999

1998

1997

1996

1995

60

55

50

45

40

35

0

57.8

37.8

47.0

48.9

55.1

52.1

45.145.244.8

41.3

51.6

(%)

(年)

賛成派

反対派

図1 「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方について

図2 「賛成派」と「反対派」の割合の変遷

全体(該当者数 3,033 人)

女性(該当者数 1,601 人)

男性(該当者数 1,432 人)

賛成  どちらかと わからない どちらかと   反対いえば賛成       いえば反対

賛成派 51.6 反対派 45.1

* 単位は%

38.7 27.9 17.2

3.3

36.0 30.4 18.4

2.8

41.8 25.2 15.8

3.8

12.9

12.4

13.3

2 級● 2425● 2級

次の文章は、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方についての調査結果を見て、Aさんが書い

たものです。それぞれの質問に番号で答えてください。

アに入る言い方として最も適切なものはどれでしょうか。

1半数には満たない

2ほぼ半数を占めている

3半数の支持しか得ていない

4少しずつ増加している

イに入る言い方として最も適切なものはどれでしょうか。

1的を射ていない

2的を抜いていない

3的を外れてはいない

4的を絞れていない

ウに入る言い方として最も適切なものはどれでしょうか。

1結び付いていた

2離れはじめていた

3寄り添いつつあった

4飲まれつつあった

エに入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。

[

1憶測の幅

2想像の域

3推定の内

4予想の枠]

この文章の内容と合っているものを一つ選んでください。

1「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方は古いが、

優れているところがある。

2「男女共同参画社会」は、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」

と考える人が多いと実現しない。

3「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方は、「男

女共同参画社会」の理念にそぐわない。

4世論調査の結果から、日本では「男女共同参画社会」を実現

するのは難しい。

 内閣府が行っている「男女共同参画社会に関する世論調査」の中で,全国の 20歳以上の日本国籍を有する男女に,「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方についてどう思うかを尋ねるものがある。図1のグラフは,2012年10月に行ったときのその回答結果の全体と,男女別とを示したものである。「賛成」という回答と「どちらかといえば賛成」という回答を合わせて「賛成派」ととらえ,同様に「反対」という回答と「どちらかといえば反対」という回答を合わせて「反対派」ととらえると,全体では「賛成派」の割合が 51.6%,「反対派」の割合が 45.1%という結果になっている。従来からある,いわば「古い」夫婦観が,21世紀に入って 10年以上を経過した現在でもこれだけの支持を得ているというのは意外な感じがする。男女別にこれを見たときに,男性の賛成派が 55.1%に上っていることはともかくとして,女性の「賛成派」も 48.4%と「反対派」の割合を僅かに下回ってはいるものの,( ア )のを知るとなおさらである。こうしたとらえ方が必ずしも( イ )ことを示しているのが,図2である。このグラフは,上記の男女合わせた回答結果を 1997年以降,調査が行われた年ごとに見たものである。1997年には「賛成派」の割合が 57.8%,「反対派」の割合が 37.8%と,かなり「賛成派」が上回っていたのが,2002年に両者が並び,2004年にはついに逆転している。その後も 2007年,2009年と反対が増え,賛成が減る傾向は続いていたのである。ところが 2012年は,2009年までの流れと逆行する結果となっている。この世論調査を継続して行っている内閣府には「男女共同参画局」が置かれており,10年以上にわたって「男女共同参画社会基本法」(1999年施行)に基づいた施策を進めてきている。「基本法」では,あるべき「男女共同参画社会」を,「男女が,社会の対等な構成員として,自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され,もって男女が均等に政治的,経済的,社会的及び文化的利益を享受することができ,かつ,共に責任を担うべき社会」であるとうたっている。当該の設問は,まさにこの理念にかかわる象徴的な問いだと言ってよいだろう。1997年から2009年までは,この理念に国民の意識が( ウ )わけであるが,ここにきてこの理念と相反する方向の結果が現れたことになる。  前回の調査(2009年)と今回(2012年)の間の大きな出来事としては,2011年の東日本大震災がある。この大災害が,人々の意識に何らかの影響を与えたということは当然考えられるが,それがどのようなものであるかについては( エ )を出ない。人々の,家族や家庭を大切に思う気持ちが高まったであろうことは推測できても,それが,「夫は外,妻は家」の支持率上昇とつながるのかどうか。むしろ,景気の低迷が続き,妻が「外」で働く選択肢が狭まっていることや,働き場所があっても夫に比べてますます少ない収入しか得られなくなっていることが影響しているとも考えられる。 2,3年後に行われるはずの次の世論調査で,どういう結果が現れるか。この「逆行」が今回だけの一時的な現象となるのか,それとも新たな傾向として続くのか。国の基本政策の一つに大きく関わる問題だけに,注目して待ちたい。

17

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

2006

2005

2004

2003

2002

2001

2000

1999

1998

1997

1996

1995

60

55

50

45

40

35

0

57.8

37.8

47.0

48.9

55.1

52.1

45.145.244.8

41.3

51.6

(%)

(年)

賛成派

反対派

図1 「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方について

図2 「賛成派」と「反対派」の割合の変遷

全体(該当者数 3,033 人)

女性(該当者数 1,601 人)

男性(該当者数 1,432 人)

賛成  どちらかと わからない どちらかと   反対いえば賛成       いえば反対

賛成派 51.6 反対派 45.1

* 単位は%

38.7 27.9 17.2

3.3

36.0 30.4 18.4

2.8

41.8 25.2 15.8

3.8

12.9

12.4

13.3

問1

問2の正答:一 … 専行,二 … 3,三 … 2,四 … 3,五 … 4,六 … 1

Page 2: ミニテスト 2級 - 日本語検定...25 2級 2級 24 次 の 文章 は、「夫 は 外 で 働 き、妻 は 家庭 を 守 るべきである 」 という 考 え 方 についての

2 級● 2425● 2級

 

次の文章は、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方についての調査結果を見て、Aさんが書い

たものです。それぞれの質問に番号で答えてください。

一 

ア に入る言い方として最も適切なものはどれでしょうか。

    

1 

半数には満たない      

2 

ほぼ半数を占めている

    

3 

半数の支持しか得ていない  

4 

少しずつ増加している

二 

イ に入る言い方として最も適切なものはどれでしょうか。

    

1 

的を射ていない    

2 

的を抜いていない 

    

3 

的を外れてはいない  

4 

的を絞れていない

三 

ウ に入る言い方として最も適切なものはどれでしょうか。

    

1 

結び付いていた    

2 

離れはじめていた

    

3 

寄り添いつつあった  

4 

飲まれつつあった

四 

エ に入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。

  

[

1 

憶測の幅  

2 

想像の域  

3 

推定の内  

4 

予想の枠 

]

五 

この文章の内容と合っているものを一つ選んでください。

    

1 

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方は古いが、

優れているところがある。

    

2 

「男女共同参画社会」は、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」

と考える人が多いと実現しない。

    

3 

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方は、「男

女共同参画社会」の理念にそぐわない。

    

4 

世論調査の結果から、日本では「男女共同参画社会」を実現

するのは難しい。

 内閣府が行っている「男女共同参画社会に関する世論調査」の中で,全国の 20歳以上の日本国籍を有する男女に,「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方についてどう思うかを尋ねるものがある。 図1のグラフは,2012年10月に行ったときのその回答結果の全体と,男女別とを示したものである。「賛成」という回答と「どちらかといえば賛成」という回答を合わせて「賛成派」ととらえ,同様に「反対」という回答と「どちらかといえば反対」という回答を合わせて「反対派」ととらえると,全体では「賛成派」の割合が 51.6%,「反対派」の割合が 45.1%という結果になっている。従来からある,いわば「古い」夫婦観が,21世紀に入って 10年以上を経過した現在でもこれだけの支持を得ているというのは意外な感じがする。男女別にこれを見たときに,男性の賛成派が 55.1%に上っていることはともかくとして,女性の「賛成派」も 48.4%と「反対派」の割合を僅かに下回ってはいるものの,( ア )のを知るとなおさらである。 こうしたとらえ方が必ずしも( イ )ことを示しているのが,図2である。このグラフは,上記の男女合わせた回答結果を 1997年以降,調査が行われた年ごとに見たものである。1997年には「賛成派」の割合が 57.8%,「反対派」の割合が 37.8%と,かなり「賛成派」が上回っていたのが,2002年に両者が並び,2004年にはついに逆転している。その後も 2007年,2009年と反対が増え,賛成が減る傾向は続いていたのである。ところが 2012年は,2009年までの流れと逆行する結果となっている。 この世論調査を継続して行っている内閣府には「男女共同参画局」が置かれており,10年以上にわたって「男女共同参画社会基本法」(1999年施行)に基づいた施策を進めてきている。「基本法」では,あるべき「男女共同参画社会」を,「男女が,社会の対等な構成員として,自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され,もって男女が均等に政治的,経済的,社会的及び文化的利益を享受することができ,かつ,共に責任を担うべき社会」であるとうたっている。当該の設問は,まさにこの理念にかかわる象徴的な問いだと言ってよいだろう。1997年から2009年までは,この理念に国民の意識が( ウ )わけであるが,ここにきてこの理念と相反する方向の結果が現れたことになる。  前回の調査(2009年)と今回(2012年)の間の大きな出来事としては,2011年の東日本大震災がある。この大災害が,人々の意識に何らかの影響を与えたということは当然考えられるが,それがどのようなものであるかについては( エ )を出ない。人々の,家族や家庭を大切に思う気持ちが高まったであろうことは推測できても,それが,「夫は外,妻は家」の支持率上昇とつながるのかどうか。むしろ,景気の低迷が続き,妻が「外」で働く選択肢が狭まっていることや,働き場所があっても夫に比べてますます少ない収入しか得られなくなっていることが影響しているとも考えられる。 2,3年後に行われるはずの次の世論調査で,どういう結果が現れるか。この「逆行」が今回だけの一時的な現象となるのか,それとも新たな傾向として続くのか。国の基本政策の一つに大きく関わる問題だけに,注目して待ちたい。

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2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

2006

2005

2004

2003

2002

2001

2000

1999

1998

1997

1996

1995

60

55

50

45

40

35

0

57.8

37.8

47.0

48.9

55.1

52.1

45.145.244.8

41.3

51.6

(%)

(年)

賛成派

反対派

図1 「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」   という考え方について

図2 「賛成派」と「反対派」の割合の変遷

全体(該当者数 3,033 人)

女性(該当者数 1,601 人)

男性(該当者数 1,432 人)

賛成  どちらかと  わからない どちらかと   反対    いえば賛成       いえば反対

賛成派 51.6 反対派 45.1

* 単位は%

38.7 27.9 17.2

3.3

36.0 30.4 18.4

2.8

41.8 25.2 15.8

3.8

12.9

12.4

13.3

2 級● 2425● 2級

 

次の文章は、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方についての調査結果を見て、Aさんが書い

たものです。それぞれの質問に番号で答えてください。

一 

ア に入る言い方として最も適切なものはどれでしょうか。

    

1 

半数には満たない      

2 

ほぼ半数を占めている

    

3 

半数の支持しか得ていない  

4 

少しずつ増加している

二 

イ に入る言い方として最も適切なものはどれでしょうか。

    

1 

的を射ていない    

2 

的を抜いていない 

    

3 

的を外れてはいない  

4 

的を絞れていない

三 

ウ に入る言い方として最も適切なものはどれでしょうか。

    

1 

結び付いていた    

2 

離れはじめていた

    

3 

寄り添いつつあった  

4 

飲まれつつあった

四 

エ に入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。

  

[

1 

憶測の幅  

2 

想像の域  

3 

推定の内  

4 

予想の枠 

]

五 

この文章の内容と合っているものを一つ選んでください。

    

1 

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方は古いが、

優れているところがある。

    

2 

「男女共同参画社会」は、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」

と考える人が多いと実現しない。

    

3 

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方は、「男

女共同参画社会」の理念にそぐわない。

    

4 

世論調査の結果から、日本では「男女共同参画社会」を実現

するのは難しい。

 内閣府が行っている「男女共同参画社会に関する世論調査」の中で,全国の 20歳以上の日本国籍を有する男女に,「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方についてどう思うかを尋ねるものがある。 図1のグラフは,2012年10月に行ったときのその回答結果の全体と,男女別とを示したものである。「賛成」という回答と「どちらかといえば賛成」という回答を合わせて「賛成派」ととらえ,同様に「反対」という回答と「どちらかといえば反対」という回答を合わせて「反対派」ととらえると,全体では「賛成派」の割合が 51.6%,「反対派」の割合が 45.1%という結果になっている。従来からある,いわば「古い」夫婦観が,21世紀に入って 10年以上を経過した現在でもこれだけの支持を得ているというのは意外な感じがする。男女別にこれを見たときに,男性の賛成派が 55.1%に上っていることはともかくとして,女性の「賛成派」も 48.4%と「反対派」の割合を僅かに下回ってはいるものの,( ア )のを知るとなおさらである。 こうしたとらえ方が必ずしも( イ )ことを示しているのが,図2である。このグラフは,上記の男女合わせた回答結果を 1997年以降,調査が行われた年ごとに見たものである。1997年には「賛成派」の割合が 57.8%,「反対派」の割合が 37.8%と,かなり「賛成派」が上回っていたのが,2002年に両者が並び,2004年にはついに逆転している。その後も 2007年,2009年と反対が増え,賛成が減る傾向は続いていたのである。ところが 2012年は,2009年までの流れと逆行する結果となっている。 この世論調査を継続して行っている内閣府には「男女共同参画局」が置かれており,10年以上にわたって「男女共同参画社会基本法」(1999年施行)に基づいた施策を進めてきている。「基本法」では,あるべき「男女共同参画社会」を,「男女が,社会の対等な構成員として,自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され,もって男女が均等に政治的,経済的,社会的及び文化的利益を享受することができ,かつ,共に責任を担うべき社会」であるとうたっている。当該の設問は,まさにこの理念にかかわる象徴的な問いだと言ってよいだろう。1997年から2009年までは,この理念に国民の意識が( ウ )わけであるが,ここにきてこの理念と相反する方向の結果が現れたことになる。  前回の調査(2009年)と今回(2012年)の間の大きな出来事としては,2011年の東日本大震災がある。この大災害が,人々の意識に何らかの影響を与えたということは当然考えられるが,それがどのようなものであるかについては( エ )を出ない。人々の,家族や家庭を大切に思う気持ちが高まったであろうことは推測できても,それが,「夫は外,妻は家」の支持率上昇とつながるのかどうか。むしろ,景気の低迷が続き,妻が「外」で働く選択肢が狭まっていることや,働き場所があっても夫に比べてますます少ない収入しか得られなくなっていることが影響しているとも考えられる。 2,3年後に行われるはずの次の世論調査で,どういう結果が現れるか。この「逆行」が今回だけの一時的な現象となるのか,それとも新たな傾向として続くのか。国の基本政策の一つに大きく関わる問題だけに,注目して待ちたい。

17

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

2006

2005

2004

2003

2002

2001

2000

1999

1998

1997

1996

1995

60

55

50

45

40

35

0

57.8

37.8

47.0

48.9

55.1

52.1

45.145.244.8

41.3

51.6

(%)

(年)

賛成派

反対派

図1 「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」   という考え方について

図2 「賛成派」と「反対派」の割合の変遷

全体(該当者数 3,033 人)

女性(該当者数 1,601 人)

男性(該当者数 1,432 人)

賛成  どちらかと  わからない どちらかと   反対    いえば賛成       いえば反対

賛成派 51.6 反対派 45.1

* 単位は%

38.7 27.9 17.2

3.3

36.0 30.4 18.4

2.8

41.8 25.2 15.8

3.8

12.9

12.4

13.3

問1

問2の正答:一 … 専行,二 … 3,三 … 2,四 … 3,五 … 4,六 … 1

Page 3: ミニテスト 2級 - 日本語検定...25 2級 2級 24 次 の 文章 は、「夫 は 外 で 働 き、妻 は 家庭 を 守 るべきである 」 という 考 え 方 についての

2 級● 2627● 2級

 

Aさんが書いた次の文章を読んで、後の問いに答えてください。

一 

ア 「センコウ」を楷書の漢字で書いてください。

二 

イ に入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

  

[

1 

弾劾  

2 

連弾  

3 

指弾  

4 

弾幕 

]

三 

ウ に入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

  

[

1 

クール  

2 

サイクル  

3 

ルール  

4 

モード 

]

四 エ・オ・カ に入る言葉の組み合わせとして最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

    

1 

エ … 独立的  

オ … 独立的  

カ … 協調的

    

2 

エ … 独立的  

オ … 協調的  

カ … 協調的

    

3 

エ … 協調的  

オ … 独立的  

カ … 協調的

    

4 

エ … 協調的  

オ … 協調的  

カ … 独立的

五 

キ に入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

  

[

1 

否める  

2 

託ける  

3 

強いる  

4 

頷ける 

]

六 

この文章の内容と合っているものはどれでしょうか。一つ選んで番号で答えてください。

    

1 

人がどういう生き方を評価しているのかは、他人には簡単に分からない。

    

2 

現実の自分の生き方と、理想の自分の生き方はくいちがうのが当然である。

    

3 

周囲から嫌われないように配慮しながら生きる姿勢が大切である。

    

4 

集団や組織のなかで単独行動をとるのは、「わがまま」である。

 

私たちはふだん、自分の気持ちや考えに基づいて行動します。そして、その行動がある集団や組織のなかでなされる場合に、時として、

人から「マイペース」だとか「わがまま」だとか評されることがあります。

 

独断アセンコウ、何でも自分勝手に決めて突き進み、まわりの人を悩ませるならば、それは「わがままだ」と( 

イ 

)されても仕

方ないでしょう。逆に、だれかが一人で突き進んでも、それが共通の目的にかなっていて、まわりの人に悪い印象を与えなければ、「マイ

ペース」だと言われても「わがまま」だとは言われません。

 

ここでの鍵は、「協調性」にあります。この協調性が強調されすぎると、集団や組織への同調ばかりが重視され、だれかが単独行動を取っ

ただけで、「和を乱す」とか「はた迷惑だ」などと非難されるようなことも起こります。

 一般に日本人は、自分本位を嫌い、まわりの人々に合わせる姿勢を重んじる、つまり、協調性をだいじにする傾向があるとよく言わ

れます。このことに関連して、最近読んだ話を思い出しました。

 

ある大学の研究グループが、日本人の協調性について調べることを目的に、市民を対象にアンケートを行ったそうです。まず、「協調

的な生き方」と「独立的な生き方」のどちらが今の自分に当てはまるかを尋ねたら、人々は、どちらかというと「独立的な生き方」

よりも「協調的な生き方」をしていることが分かりました。次に、「理想の自分」の生き方はどちらかと尋ねたら、「独立的な生き方」

という答えが多かった。さらに、「他の人たち」がどちらの生き方をより評価すると思うかを尋ねたら、「協調的な生き方」という答

えが断然多かったというのです。

 

こうした結果を踏まえて、次のような( 

ウ 

)が考えられると言います。①多くの人が、「自分の理想である独立的な生き方をすると

周囲から嫌われる」と考える。↓②多くの人が、「周囲から嫌われないよう協調的な生き方をしよう」と心がける。↓③多くの人が( 

エ 

に生きるようになる。↓④多くの人に、「自分の周囲の人々は協調的な生き方を好んでいる」という思いが強まる。(↓①に戻る。)

 

この話で興味深かったのは、自分は「( 

オ 

)な生き方」をすることを理想としながら、自分以外の人はそうした生き方を評価し

ていないと思い込み、その人たちに配慮して自分も「( 

カ 

)な生き方」をしようとする、というところです。

 

かなり単純化された議論ではありますが、( 

キ 

)ところがあります。確かに、ある種の錯誤とでも言うべきものが、日本人の「協

調性」を増幅しているのかもしれません。

 

私の身近にいる多くの人も、実は「独立的な生き方」を欲しているのかもしれない。そう思うと、私が身を置く組織のなかの知人たちが、

何だかこれまでとは違って見えてきました。

18

2 級● 2627● 2級

 

Aさんが書いた次の文章を読んで、後の問いに答えてください。

一 

ア 「センコウ」を楷書の漢字で書いてください。

二 

イ に入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

  

[

1 

弾劾  

2 

連弾  

3 

指弾  

4 

弾幕 

]

三 

ウ に入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

  

[

1 

クール  

2 

サイクル  

3 

ルール  

4 

モード 

]

四 エ・オ・カ に入る言葉の組み合わせとして最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

    

1 

エ … 独立的  

オ … 独立的  

カ … 協調的

    

2 

エ … 独立的  

オ … 協調的  

カ … 協調的

    

3 

エ … 協調的  

オ … 独立的  

カ … 協調的

    

4 

エ … 協調的  

オ … 協調的  

カ … 独立的

五 

キ に入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

  

[

1 

否める  

2 

託ける  

3 

強いる  

4 

頷ける 

]

六 

この文章の内容と合っているものはどれでしょうか。一つ選んで番号で答えてください。

    

1 

人がどういう生き方を評価しているのかは、他人には簡単に分からない。

    

2 

現実の自分の生き方と、理想の自分の生き方はくいちがうのが当然である。

    

3 

周囲から嫌われないように配慮しながら生きる姿勢が大切である。

    

4 

集団や組織のなかで単独行動をとるのは、「わがまま」である。

 

私たちはふだん、自分の気持ちや考えに基づいて行動します。そして、その行動がある集団や組織のなかでなされる場合に、時として、

人から「マイペース」だとか「わがまま」だとか評されることがあります。

 

独断アセンコウ、何でも自分勝手に決めて突き進み、まわりの人を悩ませるならば、それは「わがままだ」と( 

イ 

)されても仕

方ないでしょう。逆に、だれかが一人で突き進んでも、それが共通の目的にかなっていて、まわりの人に悪い印象を与えなければ、「マイ

ペース」だと言われても「わがまま」だとは言われません。

 

ここでの鍵は、「協調性」にあります。この協調性が強調されすぎると、集団や組織への同調ばかりが重視され、だれかが単独行動を取っ

ただけで、「和を乱す」とか「はた迷惑だ」などと非難されるようなことも起こります。

 一般に日本人は、自分本位を嫌い、まわりの人々に合わせる姿勢を重んじる、つまり、協調性をだいじにする傾向があるとよく言わ

れます。このことに関連して、最近読んだ話を思い出しました。

 

ある大学の研究グループが、日本人の協調性について調べることを目的に、市民を対象にアンケートを行ったそうです。まず、「協調

的な生き方」と「独立的な生き方」のどちらが今の自分に当てはまるかを尋ねたら、人々は、どちらかというと「独立的な生き方」

よりも「協調的な生き方」をしていることが分かりました。次に、「理想の自分」の生き方はどちらかと尋ねたら、「独立的な生き方」

という答えが多かった。さらに、「他の人たち」がどちらの生き方をより評価すると思うかを尋ねたら、「協調的な生き方」という答

えが断然多かったというのです。

 

こうした結果を踏まえて、次のような( 

ウ 

)が考えられると言います。①多くの人が、「自分の理想である独立的な生き方をすると

周囲から嫌われる」と考える。↓②多くの人が、「周囲から嫌われないよう協調的な生き方をしよう」と心がける。↓③多くの人が( 

エ 

に生きるようになる。↓④多くの人に、「自分の周囲の人々は協調的な生き方を好んでいる」という思いが強まる。(↓①に戻る。)

 

この話で興味深かったのは、自分は「( 

オ 

)な生き方」をすることを理想としながら、自分以外の人はそうした生き方を評価し

ていないと思い込み、その人たちに配慮して自分も「( 

カ 

)な生き方」をしようとする、というところです。

 

かなり単純化された議論ではありますが、( 

キ 

)ところがあります。確かに、ある種の錯誤とでも言うべきものが、日本人の「協

調性」を増幅しているのかもしれません。

 

私の身近にいる多くの人も、実は「独立的な生き方」を欲しているのかもしれない。そう思うと、私が身を置く組織のなかの知人たちが、

何だかこれまでとは違って見えてきました。

18問2

問1の正答:一 … 2,二 … 3,三 … 3,四 … 2,五 … 3

Page 4: ミニテスト 2級 - 日本語検定...25 2級 2級 24 次 の 文章 は、「夫 は 外 で 働 き、妻 は 家庭 を 守 るべきである 」 という 考 え 方 についての

2 級● 2627● 2級

 

Aさんが書いた次の文章を読んで、後の問いに答えてください。

一 

ア 「センコウ」を楷書の漢字で書いてください。

二 

イ に入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

  

[

1 

弾劾  

2 

連弾  

3 

指弾  

4 

弾幕 

]

三 

ウ に入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

  

[

1 

クール  

2 

サイクル  

3 

ルール  

4 

モード 

]

四 エ・オ・カ に入る言葉の組み合わせとして最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

    

1 

エ … 独立的  

オ … 独立的  

カ … 協調的

    

2 

エ … 独立的  

オ … 協調的  

カ … 協調的

    

3 

エ … 協調的  

オ … 独立的  

カ … 協調的

    

4 

エ … 協調的  

オ … 協調的  

カ … 独立的

五 

キ に入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

  

[1 

否める  

2 

託ける  

3 

強いる  

4 

頷ける 

]六 

この文章の内容と合っているものはどれでしょうか。一つ選んで番号で答えてください。

    

1 

人がどういう生き方を評価しているのかは、他人には簡単に分からない。

    

2 

現実の自分の生き方と、理想の自分の生き方はくいちがうのが当然である。

    

3 

周囲から嫌われないように配慮しながら生きる姿勢が大切である。

    

4 

集団や組織のなかで単独行動をとるのは、「わがまま」である。

 

私たちはふだん、自分の気持ちや考えに基づいて行動します。そして、その行動がある集団や組織のなかでなされる場合に、時として、

人から「マイペース」だとか「わがまま」だとか評されることがあります。

 

独断アセンコウ、何でも自分勝手に決めて突き進み、まわりの人を悩ませるならば、それは「わがままだ」と( 

イ 

)されても仕

方ないでしょう。逆に、だれかが一人で突き進んでも、それが共通の目的にかなっていて、まわりの人に悪い印象を与えなければ、「マイ

ペース」だと言われても「わがまま」だとは言われません。

 

ここでの鍵は、「協調性」にあります。この協調性が強調されすぎると、集団や組織への同調ばかりが重視され、だれかが単独行動を取っ

ただけで、「和を乱す」とか「はた迷惑だ」などと非難されるようなことも起こります。

 一般に日本人は、自分本位を嫌い、まわりの人々に合わせる姿勢を重んじる、つまり、協調性をだいじにする傾向があるとよく言わ

れます。このことに関連して、最近読んだ話を思い出しました。

 

ある大学の研究グループが、日本人の協調性について調べることを目的に、市民を対象にアンケートを行ったそうです。まず、「協調

的な生き方」と「独立的な生き方」のどちらが今の自分に当てはまるかを尋ねたら、人々は、どちらかというと「独立的な生き方」

よりも「協調的な生き方」をしていることが分かりました。次に、「理想の自分」の生き方はどちらかと尋ねたら、「独立的な生き方」

という答えが多かった。さらに、「他の人たち」がどちらの生き方をより評価すると思うかを尋ねたら、「協調的な生き方」という答

えが断然多かったというのです。

 

こうした結果を踏まえて、次のような( 

ウ 

)が考えられると言います。①多くの人が、「自分の理想である独立的な生き方をすると

周囲から嫌われる」と考える。↓②多くの人が、「周囲から嫌われないよう協調的な生き方をしよう」と心がける。↓③多くの人が( 

エ 

に生きるようになる。↓④多くの人に、「自分の周囲の人々は協調的な生き方を好んでいる」という思いが強まる。(↓①に戻る。)

 

この話で興味深かったのは、自分は「( 

オ 

)な生き方」をすることを理想としながら、自分以外の人はそうした生き方を評価し

ていないと思い込み、その人たちに配慮して自分も「( 

カ 

)な生き方」をしようとする、というところです。

 

かなり単純化された議論ではありますが、( 

キ 

)ところがあります。確かに、ある種の錯誤とでも言うべきものが、日本人の「協

調性」を増幅しているのかもしれません。

 

私の身近にいる多くの人も、実は「独立的な生き方」を欲しているのかもしれない。そう思うと、私が身を置く組織のなかの知人たちが、

何だかこれまでとは違って見えてきました。

18

2 級● 2627● 2級

 

Aさんが書いた次の文章を読んで、後の問いに答えてください。

一 

ア 「センコウ」を楷書の漢字で書いてください。

二 

イ に入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

  

[

1 

弾劾  

2 

連弾  

3 

指弾  

4 

弾幕 

]

三 

ウ に入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

  

[

1 

クール  

2 

サイクル  

3 

ルール  

4 

モード 

]四 エ・オ・カ に入る言葉の組み合わせとして最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

    

1 

エ … 独立的  

オ … 独立的  

カ … 協調的

    

2 

エ … 独立的  

オ … 協調的  

カ … 協調的

    

3 

エ … 協調的  

オ … 独立的  

カ … 協調的

    

4 

エ … 協調的  

オ … 協調的  

カ … 独立的

五 

キ に入る言葉として最も適切なものはどれでしょうか。番号で答えてください。

  

[

1 

否める  

2 

託ける  

3 

強いる  

4 

頷ける 

]

六 

この文章の内容と合っているものはどれでしょうか。一つ選んで番号で答えてください。

    

1 

人がどういう生き方を評価しているのかは、他人には簡単に分からない。

    

2 

現実の自分の生き方と、理想の自分の生き方はくいちがうのが当然である。

    

3 

周囲から嫌われないように配慮しながら生きる姿勢が大切である。

    

4 

集団や組織のなかで単独行動をとるのは、「わがまま」である。

 

私たちはふだん、自分の気持ちや考えに基づいて行動します。そして、その行動がある集団や組織のなかでなされる場合に、時として、

人から「マイペース」だとか「わがまま」だとか評されることがあります。

 

独断アセンコウ、何でも自分勝手に決めて突き進み、まわりの人を悩ませるならば、それは「わがままだ」と( 

イ 

)されても仕

方ないでしょう。逆に、だれかが一人で突き進んでも、それが共通の目的にかなっていて、まわりの人に悪い印象を与えなければ、「マイ

ペース」だと言われても「わがまま」だとは言われません。

 

ここでの鍵は、「協調性」にあります。この協調性が強調されすぎると、集団や組織への同調ばかりが重視され、だれかが単独行動を取っ

ただけで、「和を乱す」とか「はた迷惑だ」などと非難されるようなことも起こります。

 一般に日本人は、自分本位を嫌い、まわりの人々に合わせる姿勢を重んじる、つまり、協調性をだいじにする傾向があるとよく言わ

れます。このことに関連して、最近読んだ話を思い出しました。

 

ある大学の研究グループが、日本人の協調性について調べることを目的に、市民を対象にアンケートを行ったそうです。まず、「協調

的な生き方」と「独立的な生き方」のどちらが今の自分に当てはまるかを尋ねたら、人々は、どちらかというと「独立的な生き方」

よりも「協調的な生き方」をしていることが分かりました。次に、「理想の自分」の生き方はどちらかと尋ねたら、「独立的な生き方」

という答えが多かった。さらに、「他の人たち」がどちらの生き方をより評価すると思うかを尋ねたら、「協調的な生き方」という答

えが断然多かったというのです。

 

こうした結果を踏まえて、次のような( 

ウ 

)が考えられると言います。①多くの人が、「自分の理想である独立的な生き方をすると

周囲から嫌われる」と考える。↓②多くの人が、「周囲から嫌われないよう協調的な生き方をしよう」と心がける。↓③多くの人が( 

エ 

に生きるようになる。↓④多くの人に、「自分の周囲の人々は協調的な生き方を好んでいる」という思いが強まる。(↓①に戻る。)

 

この話で興味深かったのは、自分は「( 

オ 

)な生き方」をすることを理想としながら、自分以外の人はそうした生き方を評価し

ていないと思い込み、その人たちに配慮して自分も「( 

カ 

)な生き方」をしようとする、というところです。

 

かなり単純化された議論ではありますが、( 

キ 

)ところがあります。確かに、ある種の錯誤とでも言うべきものが、日本人の「協

調性」を増幅しているのかもしれません。

 

私の身近にいる多くの人も、実は「独立的な生き方」を欲しているのかもしれない。そう思うと、私が身を置く組織のなかの知人たちが、

何だかこれまでとは違って見えてきました。

18問2

問1の正答:一 … 2,二 … 3,三 … 3,四 … 2,五 … 3