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文法

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文法 Ⅰ

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コトとムード

話し手の捉え方、考え方を表す分類。 ムードは一般的に文末の述語の形式を変えることによって表現される。 コミュニケーションに使われる文 →2つの要素を含む(コト+ムード) ※ コト=客観的な話題 ムード=話し手の心的態度 「先生はこの本を読むだろう」 =「先生はこの本を読む」+「だろう」 先生はこの本を読む←「先生が本を読む」という客観的な事実。事実なので、話し手がどう思っているかは関係ない。 だろう←「先生が本を読む」ということを話し手が推量している。話し手がどう思っているかであって、事実は関係ない。

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文の種類

日本語の文は3種類に分けられる。 Ⅰ 名詞文-述語が名詞(+ですorだ) 例 私は学生です。 Ⅱ 動詞文-述語が動詞 例 先月日本に来ました。 Ⅲ 形容詞文-述語が形容詞 例 日本語は難しいです。

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必須補語と副次補語

必須補語…文末の述語にとってなくてはならない補語

例 太郎が新宿で映画を見る(「見る」が述語)

→必須補語=太郎が(主語)、映画を(目的語)

副次補語=新宿で

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テ形の作り方 その1

五段活用

「く・ぐ」→いて 例 書く→書いて

「う・つ・る」→って 例 買う→買って

「む・ぶ・ぬ」→んで 例 死ぬ→死んで

※例外 行く→行って

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テ形の作り方 その2

一段活用

語尾の「る」をとって「て」をつける

不規則活用

来る→来て

する→して

※「名詞+する」も動詞と考える

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タ形の作り方

基本的にどの動詞もテ形と同じ。

テをタに変えれば良い。

ただしテが濁音になるものはタも濁音になる。

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バ形(仮定形)の作り方

五段動詞 最後の母音をeに変えてバをつける 例 書く(kaku)→書けば(kakeba) 一段動詞 最後の「ル」をとってレバをつける 不規則活用 すれば くれば ※不規則動詞は2つしかないので、暗記させる

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可能形の作り方

五段動詞 最後の母音をeに変えて「ル」をつける 例 書く(kaku)→書ける(kakeru) 一段動詞 最後の「ル」をとって「られる」をつける 不規則活用 できる ※「する」の可能形はないので、「できる」を使う 来られる

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命令形の作り方

五段動詞 最後の母音をeに変える 例 書く(kaku)→書け(kake) 一段動詞 最後の「ル」をとって「ロ」に変える 不規則動詞 しろ こい ※命令形は普段の会話であまり使われない(特に女性)ので、教える際には実際の言語使用においての注意が必要

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文体

日本語の文体には主に2種類ある。

・丁寧体…「です」「ます」で終わる文体

・普通体…「だ」「である」で終わる文体

初級では基本的に丁寧体で教えるが、接続の際に普通体を導入する必要がある(「行くと思います」など)。この場合の「行く」は普通形と呼ばれる。

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体言

名詞のこと。

※名詞と代名詞を別の品詞とする考え方もある

・格助詞(を・に・が・と・より・で・から・の・へ)が付く

・助詞と組み合わせることで補語の働きをする

・「名詞+だ」で述語になる

・連体修飾の際に助詞「の」を伴う

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名詞とナ形容詞の見分け方

1 連体修飾の際に「の」が付くか「な」が付くかを考える 例 静か ○静かな街 ×静かの街 →ナ形容詞 外国 ×外国な街 ○外国の街 →名詞 2 「~だ」と言った際に、「とても」をつけられるかを考える 例 ○ここはとても静かだ。→ナ形容詞 ×ここはとても御徒町だ。→名詞 ※名詞とナ形容詞の両方として使える語もある。 例:平和 平和な街。(ナ形容詞) 平和を求める。(名詞)

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名詞の副詞的な用法 その1

時を表す名詞

「今日」「明日」など、時間を表す名詞に格助詞をつけることができない場合、それは副詞的に使われていると考える

今日から学校が始まる。(名詞)

今日(は)新宿に行った。(副詞)

※「は」は格助詞ではないので注意

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名詞の副詞的な用法 その2

数詞

動詞の前にあり、助詞を伴わない場合、副詞的に使われていると考える。

ビールを3本飲みました。

「3本のビールを飲みました。」も間違いではないが、不自然。(この「3本」は名詞)

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指示詞

コソアの指示範囲 1 コ=近称 ソ=中称 ア=遠称 2 コ=話し手に近い範囲 ソ=聞き手に近い範囲 ア=話し手と聞き手両方から遠い範囲 ※心理的に近い or 遠い状態にあれば、たとえ自分や他人の体の一部であろうとソコやココを使うこともある。

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指示詞の文脈指示用法

・コの用法

話し手が「自分に属する」「自分に近い」と判断したものに対してはコを使う ・ソの用法

会話相手などが自分のわからないことを話した場合などに使う ・アの用法

話し手が「聞き手も知っている」と判断した内容などに使う。

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格助詞

体言について、「名詞+格助詞」で補語になる。

ある言葉の品詞が名詞かナ形容詞かを判断する際に、格助詞をつけることができればその言葉は名詞であると言える。

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注意が必要な意味・用法 その1

・が

対象を表す。特に欲求や願望などを表すときは、※ インターカルトでは「が」を使う。

・を

出発点、通過点を表す。

出発点・・・「学校を出る」「電車を降りる」等

通過点・・・「角を曲がる」「空を飛ぶ」等

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注意が必要な意味・用法 その2

・に

帰着点と出どころ・・・「生徒が先生にあげる」vs「先生が生徒にあげる」など、全く逆の意味をもる用法

・「に」と「へ」

「に」は帰着点、「へ」は方向を表す。

※インターカルトでは「行く・来る」などは「へ」で統一している。

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注意が必要な意味・用法 その3

・と

動作をともにする相手・・・「友達と勉強する」「家族とご飯を食べる」等。この「と」はなくても動詞の意味は完成する。

相互動作・・・特定の動詞と使う。「親とけんかする」「高校のクラスメイトと結婚する」等。この「と」がないと、動詞の意味が不完全になる。

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注意が必要な意味・用法 その4

・場所を表す「に」と「で」 「に」・・・存在を表す。「ある」「いる」などとともに使う。

「で」・・・動作が行われる場所を表す。動作性のある動詞とともに使われる。 ・の 様々な意味を持つ。文脈によってどの意味なのかを判断する。 例 「これは子供の本です。」 →子供が書いた本 →子供が所有している本 →子供について書かれた本

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に vs で

・庭に花壇を作る。

花壇が存在する場所を示している。場所が話題の中心であるので、花壇を作るのは話者じゃなくてもいい。

・庭で花壇を作る。

動作が行われる場所を示す。動作が話題の中心になるので、「話者が作る」という意味になる。

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を vs で

・川を泳ぐ

川を渡るなど、通過点を示す。線のイメージ。

・川で泳ぐ。

川遊びなど、その場で泳いでいる。面のイメージ。

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から vs を

・舞台から降りる

具体的な場所を表す。

・舞台を降りる。

抽象的な意味も含む。比喩的な表現など。

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に vs と

・友達に相談する

話し手が自分側の問題点などを友達に持ちかける。問題と感じているのは主に話者となる。

・友達と相談する

話し手と友達がある事柄について相談する相互作用。相談するのは、話し手側だけでなく、友達側にとっても問題となっている事柄について。

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が vs を

・水が飲みたい

「飲みたいものが水である」ということが強調される感じがする。

・水を飲みたい

「飲む」という「水分を摂る」ことに焦点が当てられている。特に水でなければ行けない理由はない。

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に vs へ

・新宿へ行く

方向を表す。「新宿がある方向へ向かう」という意味なので、「新宿に到着する」というイメージは含まない。

・新宿に行く

帰着点を表す。目的地が新宿であり、たとえば新宿駅で降りるなど、「新宿に到着する」イメージを含む。

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「は」の用法

1 主語

2 取り立て(「他のものではなく」のニュアンスを含む)

3 対比

4 主題

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は vs が

1 従属節の主語は「が」、主節の主語は「は」

2 初出の主語は「が」、既出の主語は「は」

3 存在は「が」、所在は「は」

4 主語が疑問詞のときは「が」

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形容詞

・イ形容詞・・・体言の前にくるとき「い」で終わる

※ 元々の日本語のイ形容詞は数が少ない →外来語を形容詞として使う場合はほとんどがナ形容詞。

→動詞+ているで形容詞の代用ができる。

・ナ形容詞・・・体言の前にくるとき「な」で終わる

※ インターカルトではイ形、ナ形とも否定は「~ありません」の形を採用しているので注意

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指導の際の注意点

現在を表す場合、以下の3つは全て「~です」の形をとる イ形容詞叙述用法・・・~です ナ形容詞叙述用法・・・~です 名詞+コピュラ・・・~です ただし、過去になった場合、イ形容詞のみ「~っかったです」の形となる。 イ形容詞叙述用法・・・~かったです →「~いでした」「~かったでした」などの誤用が出やすい ナ形容詞叙述用法・・・~でした 名詞+コピュラ・・・~でした

※「です」は代述語であるため、活用しない。もともとのイ形容詞の活用語尾である「~い」の部分のみ活用させる。

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複合形容詞

二つ以上の語句が合わさって一つの形容詞として働くもの。「背が高い」「髪が長い」など。

「背が高い」を「背+高い」に分解してしまうと、「あの本はおもしろい」と同じように使えると判断されるため「あの人は背は高い」などの誤用が考えられる。

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その他よく見られる誤用

おもしろいの本・・・連体修飾の「の」を追加してしまう。

健康の人・・・ナ形容詞と名詞の混同。特に「病気(名詞)ー健康(ナ形)」のような組み合わせのある語句に注意

慎重する・・・ナ形容詞と動詞の混同。

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特殊な形容詞

同じ・・・体言の前にくるときに「い」も「な」もつけない。(「同じ人」など)

多い・・・限定用法がない。(「多い人がいる」などの誤用に繋がる)

連用形が名詞となる形容詞・・・「遠い→遠くへ行く」など。

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感情形容詞

客観的な性質ではなく、話し手の感情を述べる形容詞。

・人称制限がある・・・一人称でしか使えない(「彼は悲しい」などは言えない)。その他の人称で使う場合は「~そうだ」などをつける。

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副詞(未習項目)

副詞の種類

・状態を表す・・・「どのように」を表す。(ゆっくり歩く等)

・程度を表す・・・「どのくらい」を表す。(とてもおもしろい等)

・陳述の副詞・・・決まった語と一緒に使う。(「決して~ない」「もし~なら」等)

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動詞の分類 その1

活用の観点から

五段動詞(Ⅰグループ)

一段動詞(Ⅱグループ)

不規則動詞(Ⅲグループ)

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動詞の分類 その2

状態性・動作性の観点から

・状態動詞・・・そのものの状態を表す。「~ている」「~てある」などの形がない。(ある、いる、できる等)

・動作動詞・・・そのものの動作を表す。

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動詞の分類 その3

意志性の有無

・意志動詞・・・人が意志を持って行う動作。(歩く、見る、読む等)

・無意志動詞・・・自然現象など、人の意志が介在しない動作。(落ちる、光る、間に合う等)

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意志動詞 vs 無意志動詞

意志性によって、意向形、命令形、可能形に活用させたときに意味に違いが出る。 例 意向形・・・歩く→歩こう(意志)、 降る→降ろう(推量)

「~よう」は意志だけでなく、本来推量などの意味も持つ。昔話などには「時が経てば霧も晴れよう」などの形で「よう」が残る。 可能形・・・歩く→歩ける(歩くことができる)、 ×降る→降れる 無意志動詞は可能形にすることができない。 命令形・・・歩く→歩け(命令)、降る→降れ(願望)

意志動詞の命令形は「命令」を表し、無意志動詞の命令形は「願望」を表す。(「雨よ降れ」など)

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動詞の金田一分類

「~ている」をつけたときの意味の違いによる分類

状態動詞・・・「~ている」をつけることができない。(ある、いる等)

継続動詞・・・「~ている」をつけたときに、動作の進行を表す。

瞬間動詞・・・「~ている」をつけたときに、結果状態を表す。

第四種動詞・・・常に「~ている」をつけて使われる。

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アスペクトとは

一つの動作・行為を考えるとき、その動作・行為が、 1)開始前か 2)開始したところか 3)最中なのか(=継続) 4)終了したところか 5)終了した後の状態 など、どの段階にあるのかを示すために、言い分ける文法形式のこと。 「食べる」という動作・行為を考えると、 1)開始前・・・「食べるところだ」「食べかける」、 2)開始したところ・・・「食べはじめる」「食べだす」 3)最中・・・「食べている」 4)終了・・・「食べ終わった」 5)終了した後・・・「食べたばかり」「食べてしまった」 などと言い分けることができる。

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「~ている」の意味

継続・進行

今ご飯を食べている。(現在進行中)

毎日料理をしています。(習慣)

結果状態

電気がついている。(結果状態)

あの人はとてもやせている。(属性を表す形容詞的用法)

私はやっていません。(経験)

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「~てある」の意味

・準備性の高い用法

「特定の目的を持って準備をした」というニュアンス。

「予約してある」等。

・状態を表す用法

特定の目的がなく、ただその状態を表す。

「机に落書きが書いてある」等。

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自動詞・他動詞

自動詞・・・目的語「を」をとらない。

他動詞・・・目的語「を」をとる。

自他対応のある動詞

意味的に対応している自動詞と他動詞の組み合わせがある動詞。

開くー開ける、つくーつける、閉まるーしめる、等

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「~てある」 vs 「~ている」

自他対応のある動詞は、自動詞と他動詞で「~てある」と「~ている」の意味が異なる。

~ている ~てある

自動詞 (開く)

結果状態 (開いている)

(使わない) (開いてある)

他動詞 (開ける)

現在進行 (開けている)

準備 (開けてある)

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テンス(時制)

過去・・・過去のある時点での行為・状態。現在との関係はない。

現在・・・現時点での行為・状態。

未来・・・未来のある時点において起きうる行為・状態。

完了・・・現時点までに完了した動作。現在との関わりの中で使われることが多い。

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過去と完了

Q (昼時に会った友達に対して)もうご飯食べた? A 食べた。

この「~た」は完了である。「食べた」の答えの否定は、現在の状態を表す「~ている」を使用した「食べていない」となり、完了形を使って「現在の状態」を述べているとわかる。 Q 昨日の弁当、多すぎるって言ってたけど、全部食べたの? A 食べた。

この「~た」は過去である。「食べた」の答えは「食べなかった」となる。これは食べたかどうかが現在と関係なく、過去の弁当を食べていた一部分を切り取って話題として取り上げているため。 Q お父さんはいますか? A 出かけました。

「いますか?」という質問に対して「出かけた」と言っているため、形だけ見ると質問に答えていないように見える。しかし、「出かける」という行為が現時点までに完了して、その状態がまだ残っている、つまり父親は今いない、という意味にとらえられる。このように、完了形は現在との関わりを持つものが多い。