ププッてなることを真剣にやると、かっこ良くなるんですよププッてなることを真剣にやると、かっこ良くなるんですよ...
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ププッてなることを真剣にやると、かっこ良くなるんですよ
2作連続シングル『神髄-FRONTIER-』、『神髄-THE POWER-』の魅力に迫る!わってからですね。
-シングルとはいえ、2枚立て続けに出すのは大変じゃないですか?
団長:だから、ミニ・アルバムを作る感覚で動いてました。
Kyrie:大変だけど、終わってしまうと、そうでもないっすね。
団長:個人的には気持ちが切り替えやすいシングルでした。『V』と今回はモードが違って、
『V』はとにかく自由にやったけど、シングルはガチガチにやったから。真逆のものだった
ので、切り替えも楽でした。一度ツアーから帰って、スイッチのオン/オフみたいで感じ
で切り替えられた。今回が『V』と似た感じの作風だったら、頭がごっちゃになってた
かもしれない。
-今回はテーマをガッチリ決めていたと?
Kyrie そうですね。テーマがあるからこそやりやすい人と、やりにくかった人はいます
けど。『V』を出して、今僕らが好きな音楽というより、僕らが好きになったきっかけの
音楽はどんなものだったかなと思って。すごくわかりやすくて、今聴いたらちょっと恥ず
かしい気もするけど、あの頃の音楽は輝いていたなと。それをやってみたくて。
-なぜやってみたかったんですか?
Kyrie:“昔はどんなことをやってみたかったんだろう?”と思って。あの頃はきっとこう
いうことをやりたかった……それをできなかったのか、やらなかったのか、わからない
けど。あの頃にできなかったことを、今ならできるんじゃないかと。今回はインスパイア
されたネタを目指したというか。例えば通常ならパンクな曲を作るときに、パンクの要素
はあるべきだけど、そのジャンルである必要はない。けど、今回はそのジャンルになりた
かったというか。
団長:もうどんなジャンルでもNoGoDにできることが『V』でわかったから。それとは
真逆のアプローチで、1つのジャンルにNoGoDが寄れるかどうか、試したかったんですよ。
-『V』は純粋に縛りがなくやりたいことをやった。今回はあえて縛りを設けて曲を作った。
ほんとに真逆のアプローチですね。
団長:我々、同じことをやると飽きちゃうんです。昔からコンセプトを決めてやることも
あったけど、その時々でやれていたつもりでも、まだ足りない部分がある気もして。今回
の作品も10年後の自分たちが見たら、いやいや、メタルって!みたいな感じになるかも
しれない。だけど、今年はバンドのポテンシャルがものすごく高いので……昔できなかった
ことが今はできるんじゃないかなって。Kyrieさんも若い頃に「THE POWER」みたい
団長 (Vo) Kyrie (Gt) インタビュアー:荒金 良介
-今年2月にメジャー3rdアルバム『V』を完成させて、今回は2作連続シングル『神髄
-FRONTIER-』、『神髄 -THE POWER-』が発売となったわけですが、凄まじいリリー
ス・ラッシュですね。こういう流れになった理由から教えてもらえますか?
団長:それは契約上の問題ですかね(笑)?
Kyrie:いやいや。実は『V』を発表したときに、そのツアー・ファイナル辺りには新しい
作品を発表したくて。僕ら大体アルバムを作り終えると、ちょっと燃え尽きるんですよ。
メジャー2ndアルバム『現実』から4thシングル「STAND UP!」を出すまでに1年近
く経ってるし、その代わり、ライヴはずっとやったんですけどね。ただ、今回のツアー・
ファイナルが終わる頃には、次の楽しみをお客さんに提供したくて。ただ、それをやろう
とすると、ツアー前に次の音源の制作に着手しなければいけない。今回のように2月に
アルバムを出して、7月にシングルを出そうとすると、ファイナル前には音源を作らなけ
ればいけないんですよ。そうするためには、気持ちの切り替えをうまくやらないと、形に
ならないんですよね。今回は事前にテーマが決まっていたので、そこに向けてやりました。
-以前からツアー後にすぐ音源を出したい気持ちはあった?
Kyrie:何となくですけどね。
-では、なぜ今回それができたんでしょうか?
Kyrie 無理矢理やりました(苦笑)。
-そうでしたか。
団長:我々はライヴを重視してるし、ライヴをやるために曲を作るところもあるので。
今回は無理して気持ちを切り替えましたね。……勢いを殺したくなかったんですよ。『V』
は自分たちが思う以上に好評価を得られたし、ツアーもすごく良かったんです。ツアー
の始まりから感触も良くて、この流れを途絶えさせてはいけないなと。『V』良かったね、
で終わらせるにはあまりにも惜しい作品だし。そこからわかりやすい動きを見せたい、
という気持ちはありました。ファイナルもいいライヴができたし、次はこれ!って何か
新しい作品を見せれたら、最高だなと。
-ちなみに、曲はいつ頃に作ったんですか?
Kyrie:「神髄-FRONTIER-」はツアー前で、「神髄-THE POWER-」はツアーが終
な曲をやるバンドをやっていたし、俺もやっていたんですよ。でもやらなくなったんです。
バンドも固まりつつある今、あの頃にできなかった音楽を今追求したらどうなるんだろう、
という単純な好奇心が生まれたんですよね。
-「神髄-FRONTIER-」はクラシカルな様式美メタル、もう一方の「神髄-THE POWER-」
は80年代のハード・ロックまで遡った作風で、色合いも分けてますよね。ただ、この
2作品に共通するのはベタでわかりやすいメタルですが、そこもあえてトライした感覚
ですか?
Kyrie:うん、トライというより、そうなるべき音楽として作りました。細かく変えたら、
同じ曲でも全然違うジャンルになると思うんですよ。そうじゃなくて、こういう風にした
かった。
-こういう風にしたかった?
Kyrie:例えば「THE POWER」に関して言えば、もう少しモダンなサウンドや質感に
しても、曲としては成り立つんですよ。それよりも、今回の形にした方がより魅力的に
映る曲にしたくて。
-この2枚のシングルは“神髄”と銘打たれてますけど、まさに物事の本質にあるものを
表現しようと。自分が多感な時期に聴いた音楽って、時を経てもワクワクする感覚って
あるじゃないですか。それを取り戻したかった?
団長:そこまで歳を取ってるわけじゃないけど、自分たちよりずっと若い、楽器を始める
か始めないかのキッズたちがこんな素敵な音楽聴いたことがないって、あの時に僕たち
が感じたものを感じてほしくて。ハード・ロック、ヘヴィ・メタルはひょっとしたら、そんな
にスタイリッシュじゃないかもしれない。でも激ロックに出てるアーティストで同じバック
ボーンを持っている方々は意外と多いと思うんですよ。それをうまく消化して、時代に
合った音楽をやってると思うけど、我々はもっと古い音楽を愛してしまっているから。
もっと純然とした古臭さを持ち続けていたいんですよね。我々もモダンな音楽はできる
けど、あまりにもモダンが溢れすぎてて、もうお腹いっぱいなんです。じゃあ、なぜ80年
代にジャパニーズ・メタルがあれだけ流行ったかと言うと、日本人にしかできないハード・
ロック、ヘヴィ・メタルをやっていたからだと思うんですよ。俺はそれがしたいんですよね。
それを濃く、より偏った方向で出したのがこの2作なんですよ。聴く耳を持たない人もいる
かもしれないけど……ヘヴィ・ロックにメッセージ性を求めている人もいるだろうし。
モダン・ロックに飽き飽きした人に、もともとこういう音楽があったことを忘れないで
ほしい。過去を遡ってくれてもいいし、過去を遡らなくても、俺たちがやることで知って
もらえたらいいなと。自分も90年代ラウドも大好きだけど、80年代を忘れずに、00年代
を生きてるバンドがいてもいいのかなと。
-なるほど。『V』は型にハマらずにやることでNoGoDらしさが出てた。今回は型にハメて
表現したにも関わらず、バンドの色や魅力がまた前に出てるところが素晴らしいなと。
団長:それがやっとできるようになったのが今なのかなと。まあ、2作ともいい意味で
ダサいですね。我々はダサい=かっこ悪いとは思ってないですからね。
-「THE POWER」の“we got the power!”のコーラスとか最高じゃないですか!
RAMONESの“Hey Ho,Let's Go”(「Blitzkrieg Bop」)並みの破壊力ですよ。
誰もがすぐ口ずさめて、半端ないパンチがあるという。
団長:はははは。俺らはHELLOWEENでそれを知ったんですよ。ただ、「THE POWER」
は自分の中でHELLOWEENのフレーズよりも、SHOW-YAさんの「限界LOVERS」
の中にある“Back to the fire”の歌詞なんですよ。
-ははははは、そこですか!
団長:“Back to the fire”-後ろに火があるぜ!って何って。でもあの方が歌うとかっこ
いい。あの有無を言わせない凄まじいパンチ力ですよ。
-どんどん出てきますね(笑)。
団長:今の人たちはスタイリッシュにスタイリッシュにまとめようとして、悪くはないけど、
引っかかりがない。「Welcome To The Jungle」(GUNS N' ROSES)って、引っか
かりますもん。ハード・ロックの良さって、ああいうインパクト、パンチ力だと思うんです
よね。ププッてなることを真剣にやると、かっこ良くなるんですよ。それをやってみた
かったんですよ。
-曲作り自体はスムーズに進んだんですか?インタビューの続きは激ロックウェブサイトをチェック!!>>GEKIROCK.COM
Kyrie:すごく大変でした。作り出せば大変ではないけど、作り出すまでが大変でしたね。
ツアー中に曲作りしているので、ツアーでは常にライヴをどう良くしようか考えている
わけで、作曲どころではなくなってくるんですよ。この2作ともそうだけど、「FRONTIER」
だと、ああいうジャーマン・メタル的なものを本当にかっこいいと思える精神状態に
ならないと、出てこなくて。ちょっとダサいと自分が思ってしまうと、のめり込めなくなる
んですよ。で、自分がしっくりくる無難な方向に流れてしまうと……今回やりたいことと
変わってくるから。でも『V』のツアーは今のNoGoDがかっこいいと思える状態でやってる
わけじゃないですか。その間を行ったり来たりしてるわけですよ。
-それは大変そうですね。
Kyrie:だから、自分がメタルがかっこいいと思う精神状態にならないと、前に進まない
んですよ。この2作で言うと、一度スピード・メタル的なものをかっこいいと思うモードに
入った後、今度は手数の少ないミドル・テンポの曲調をかっこいいと思う状態にならない
と、曲が書けないんですよね。最終的に、なんだかよくわからない状態に陥って(笑)。
実際に曲を書いてる時間なんて、この2作を合わせて3、4日なんですよ。でもパソコン
に向かっていた時間は3週間以上ですね。構想はあるけど、それが何度も崩れて、堂々
巡りをするという。
団長:そういうときはTwitterのつぶやきが増えるんですよ。意味もなく猫の写真ばかり
アップされるという(笑)。
-はははは。ヘンな言い方かもしれませんが、自分が青春時代に聴いてきた血肉になった
音楽と、今の自分との闘いみたいな感じなんですかね?「Carnival」は「Enter Sandman」
(METALLICA)に対するNoGoDの回答と受け取りましたが。
団長:はははは、バレバレですね。
-いや、そのわかりやすさが面白いし、逆に勇気がいることだと思うんですよ。確固たる
自分たちらしさがないと、ただのモノマネで終わってしまう。NoGoDのルーツ音楽と
今がうまく融合しているなと。
団長:ギリギリのラインで、メンバー全員バックボーンが微妙に違うのが強みなんです
よね。俺はMETALLICAを通ってないし、ハード・ロック、ヘヴィ・メタルが好きと言って
も、この2人の間でも微妙に違いますから。メンバーによってはメタルを全く通ってない
奴もいますからね。その辺がうまく混ざり合って、NoGoDらしさが出るんでしょうね。
だから、大本にある音楽に寄っても120%模倣品にはならないんですよ。それができる
のがウチらなのかなと。洋楽っぽさと本土っぽさがうまく混ざるという。
-「愛する者に薔薇を」もメタルが持つクサさと、NoGoDの中にある歌謡曲臭が絶妙に
混ざり合ってるなと。
団長:いまだにそうだけど、自分たちってヘンな音楽をやってると思うんですよ。ハード・
ロック、ヘヴィ・メタルですと言いつつも、誰に似てるんだろうって考えると、ピンと来ない
んですよね。
Kyrie:じゃあ、言うなよ(笑)。
団長:いや、ハード・ロック、ヘヴィ・メタルはしてるんじゃん。明らかにPANTERAみたい
なバンドはいるかもしれないけど……ウチらはそうじゃないし。
Kyrie:海外はわからないけど、国内はいろんな音楽がクロスオーバーしてるバンドは
多いと思うよ。
団長:まあね……いろんな音楽を聴いてしまっているから、いろんなスタイルをやれる。
でも核にあるのは激しい音楽ですからね。唯一メンバー全員、歌とメッセージは大事と
いう部分で繋がってますからね。メタルってメッセージ性があるのに意外と本質は伝わ
らないじゃないですか。特にジャーマン・メタルは伝承系が多いから、鷹が飛びばいい、
鍵を守ればいいみたいな……。
-(笑)
団長:洋楽のメタルを聴いてるときにかっこいいと思うのは、単純に演奏と曲の構築美、
あとメロディの流れとか……。洋楽を聴いても俺は日本人なので、何を言ってるかわか
らないんですよ。自分はJ-POPも聴くし、その中でいいメッセージの曲にも出会うわけ
ですよ。もともとNoGoDを始めたときにメッセージ性のあるヘヴィ・メタル、泣ける
メタル、幸せになるメタルをやりたかったんです。Jポップのようにスッと心に入ってくる
ヘヴィ・メタルをやれば、ヘヴィ・メタルの地位がもっと上がるんじゃないかと。そう思って
NoGoDを作りましたからね。今回8年越しで、やっとそれができたんじゃないかなと
思ってます。
今年2月にリリースした5thアルバム『V』も出色の出来だったが、早くも新音源が到着。今回は2作品連続リリースの第1弾シングルとなり、新曲3曲+ライヴ音源2曲の全5曲入り。表題の神髄とは“そのものの本質”、サブ・タイトルは“未開拓の分野”、“新分野”という意だが、己を信じて未開の地へ切り拓いていけ、と聴き手を鼓舞する熱きメッセージが込められているようだ。団長のパワフルかつ伸びやかなヴォーカル、クリアに伝わる歌詞の鮮明度も魅力的で、夾雑物なしのストレートなハード・ロック/メタルの壮大さに心が晴れ渡る思いだ。特に表題曲のサビの抜け具合は抜群で、5分超えの長尺曲にも関わらず、疾走感抜群のドラマ性で一気に聴かせる。ライヴ音源は「STAND UP!」、「パンドラ」が収録され、こちらも熱い! 荒金 良介
5th Single『神髄 -FRONTIER-』
[KING RECORDS]NOW ON SALE!!KICM-1462 \1,680(税込)
[KING RECORDS]2013.9.18 ON SALE!!KICM-1463 \1,680(税込)
2作連続リリース第2弾シングル。前作『神髄-FRONTIER』は煌びやかな様式美メタルを追求した作品だったが、今回の表題曲はオーセンティックなハードロック路線に回帰している。わかりやすいリフやコーラスは実にキャッチーだし、メッセージ性を含めて歌も丁寧に届けようという意志が伝わってくる。2曲目「Carnival」は重厚なヘヴィネスでじわじわ攻め、コール&レスポンスを意識した掛け合いもいい。3曲目「浮世ROCKS」は妖艶なメロディに引き込まれるお祭りチューン。さらに「机上の空論」、「敬虔」のライヴ・バージョンを含む5曲入り。この“神髄シリーズ”で彼らは自らの音楽ルーツを赤裸々に開示することで、NoGoDの奥にある本質や魅力に触れてほしいと願っているのだろう。先人たちへの愛を感じる。 荒金 良介
6th Single『神髄 -THE POWER-』