マイクロナノ構造による表面機能諸貫信行首都大 …1 tokyo metropolitan...

1

Tokyo MetropolitanUniversity

N. Moronuki

表面工学特論

―マイクロナノ構造による表面機能―

諸貫信行

首都大学東京


N. Moronuki目に見える大きさでの「自然」のお手本

自然界に見られる合理的な構造と機能（軽くて強い）

– 貝殻や昆虫の外骨格

– 蜂の巣（ハニカム）

（Landesmuseum fuer Technik und Arbeit in Mannheim, Bionik, Siemens Forum, 1998.）


N. Moronuki軽くて強い構造

(左：Landesmuseum fuer Technik und Arbeit in Mannheim, Bionik, Siemens Forum, 1998，右：ピーターフォーブス著，吉田三知世訳「ヤモリの指」早川書房）

薄肉表面の凹凸構造人間の骨


N. Moronuki折りたたみ構造

必要な時に容易に広げられ，かつ軽量


ミウラ折りは1方向の動作で

展開が可能であり，地図や宇宙構造物でも用いられている


N. Moronuki目に見える大きさでの「自然」のお手本

運動性能を向上する構造

– 鳥や昆虫の飛翔

（ウィングレット）

– エネルギの使い方

（昆虫の関節はバックリン

翼先端部の流れの乱れ

昆グ利用？）



N. Moronuki目の見えないコウモリの飛翔

超音波のエコーを利用したガイダンス（針金も避ける）


2


N. Moronuki

– 蛇，魚の鱗（鮫肌他）

抵抗を生じたり（駆動力），減少したりする機能を有する

魚の不思議

– ウナギ・ナマズ・ドジョウの「ヌルヌル」がもつ機能

流体に高分子材料を混ぜた場合，その流動抵抗が低下することが知られており（トムズ効果），ドジョウが分泌するヌルヌルした液体もそのような効果を有することが知られている


N. Moronuki引っ掛かり構造とその応用

植物の種子には，他の動物に付いて移動するための構造がある

（ピーターフォーブス著，吉田三知世訳「ヤモリの指」早川書房）


N. Moronuki究極のエコハウス

シロアリの巣は自然の換気機能を有するとともに，日射を避けるような方位をとっている．



N. Moronuki目に見えない大きさでの「自然」のお手本

• 濡れ特性

– ハスの葉，昆虫の肌（羽毛）

• 摩擦特性

– ヤモリの指

ナノメートルレベルの寸法は肉眼では「見えない」

– ハエの足

• 光学機能

– 無反射面（moth eye）– 構造色（モルフォ蝶，孔雀，）

• 強度機能

– 蜘蛛の糸


N. Moronuki自然に学ぶ表面機能：はすの葉

別の写真を追加



N. Moronuki1-② ハスの葉の表面構造（再掲）

（中島：固体表面の濡れ制御，内田老鶴圃，2007）

3


N. Moronuki1-① カタツムリの殻は水も油もはじく

（赤池，金谷：カタツムリが教えてくれる！，ダイヤモンド社，2004）

表面の微細構造と材料の問題


N. Moronuki鮫が速く泳げる理由は？

（http://red.ap.teacup.com/applet/moto4/msgcate3/archive）


N. Moronuki鮫肌の機能的な意味Tokyo Metropolitan

UniversityN. Moronuki

カワセミの羽根

左：ウィキペディアより引用，右：水に潜って魚を捕まえる時，まるで空気をまとったように見える


N. Moronukiイルカの皮膚構造

内板

緩衝層

外板表皮

真皮粗質( )

油

構造材

肉

真皮硬質( )


N. Moronuki競泳用水着の機能

英・スピード社のレーザーレーサー

日本メーカのアプローチ（ミズノ，デサント，アシックス，山本化学工業）

4


N. MoronukiMoth eye（蛾の目）無反射面

蛾の目は無反射面



N. Moronuki


N. Moronuki構造色：モルフォ蝶

Referred from http://www.jst.go.jp/kisoken/seika/zensen/08matsui/

鱗粉

帝人Webページより

Morphotex®


N. Moronuki


N. Moronuki鱗粉の構造



N. Moronuki構造色

回折干渉

（http://mph.nb.fbs.osaka-u.ac.jp/~ssc/より引用）

玉虫の色孔雀の色


N. Moronuki遊色現象

（http://chihara.aist-nara.ac.jp/public/research/thesis/master/2003/abe0151003.pdf）


N. Moronuki蜘蛛の糸の構造

複数の機能を持つ糸が撚り合わされたような構造

↓↓機能分担


5


N. Moronuki蜘蛛の糸の粘球

縦糸と横糸の違い


N. Moronukiアワビの殻が持つ複合構造



N. Moronukiヤモリは何故，壁を歩ける？


N. Moronukiヤモリの指は階層的な構造を持つ


N. Moronukiヤモリの指：付着力

ヤモリの足と付着力（ピーターフォーブス著，吉田三知世訳「ヤモリの指」早川書房）


N. Moronukiヤモリテープの製作例

6


N. Moronuki工業的に生産できる？



N. MoronukiK. Eric Drexlerのアイデア（1981）

原子間力顕微鏡の応用（左）と，分子から構成されるナノスケール・ベアリング（右）

（K・エリック・ドレクスラー著，相澤益男訳，創造する機械，パーソナルメディア，1992）


N. Moronuki６おまけ（鞭毛モータ）

（中西貴之：人を助けるへんな細菌すごい細菌，技術評論社， 2007 ）


N. Moronuki

m 形状

代表寸法と特性加工方法応用

hp

形状精度粗さ･･表面エネルギ

テクスチャ設計の問題点

mm

μm

nm

うねり

粗さ

マイクロフネスラ

テクスチャ

機械加工( 削

削切 ,研 )

エネルギーム

( ーザオン他

ビレ ,

イ )

機械部品構造）（

表面機能( 擦学他摩 ,

光 )

↑これらの関係を一般化できていない

マイクロナノ構造による表面機能 諸貫信行 首都大 …1 tokyo metropolitan...

Documents

マイクロナノ構造による表面機能諸貫信行首都大 …1 tokyo metropolitan...