【レポート】身の回りのリスクに対する意識調査...aig 総研インサイト #06...

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AIG 総研インサイト #06 2020 5 1 【レポート】身の回りのリスクに対する意識調査 AIG 総合研究所 主任研究員 藤居 1. 調査の背景 “リスク”とは、使われる場面によっていくつかの異なった意味をもつ多義語ですが、日常生活で は主として、確率的に発生し、私たちに何らかの損害を与える事象のことを指します。具体的には、 地震や台風などによる自然災害、がんや交通事故などの疾病や傷害、失業や老後資金の不足によって 生活費が賄えなくなることなどが、私たちにとって身近な「リスク」だといえるでしょう。 ところで、これらのリスクを評価する際に考慮すべきこととして、定量的に評価されるリスクと主 観的リスクの違いがあげられます。たとえばあるリスクの大きさは、そのリスクの発生確率と発生し た際の被害の大きさを調べることで定量的に評価することができます。しかしながら、さまざまなリ スクに対して人々がどのように反応し、意思決定するのかということは、必ずしも定量的なリスク評 価とは相関しません。実態よりも過大に評価され、人々の意思決定に大きな影響を与えるようなリス クもあれば、過小評価されて見逃されてしまう(その結果として、実際に被害が生じたときに大きな 損害が生じる)リスクも存在します。 リスクに対する人々の実際の行動を決定するのは、定量的リスクではなく主観的リスク、つまりさ まざまなリスクに対する人々の認識です。効果的なリスクマネジメントを実現するためには、定量的 なデータによってリスクを評価するだけでは不十分で、そのリスクを人々がどのように認識し、意思 決定しているのかという主観的側面からのリスク評価をあわせて行うことが不可欠です。 AIG 総研では、これまでもリスクに対する人々の主観的な認識、態度、意思決定に着目することの 重要性を強調してきました 1 。今回の意識調査は、このような問題意識のもと、私たちの身近に存在す るさまざまなリスクについて、人々の意識や意思決定についてのデータを取得することを目的として 実施したものです。 調査のなかでは、私たちの身の回りに存在するさまざまなリスクについて、主観的なリスクの大き さの評価に加え、リスクに対する私たちの意思決定に大きな影響を与えると言われている「リスクに 対する恐怖心」や「リスクについて経験があるか・よく知っているか」、さらには回答者のリスク全般 に対する態度や行動傾向についても尋ねました。 さらに、さまざまなリスクに対する社会的リソースの最適化という観点から、それぞれのリスクに 対しどのような備えを現に講じているか、また社会のありかたとして「自助・共助・公助」をどのよ うにバランスしていくべきだと考えているのか、といったこともあわせて調査しています。 1 AIG 総研コラム#01 「リスクと身体性」http://www-510.aig.co.jp/assets/documents/institute/column/institute-co lumn-001.pdf AIG 総研コラム#02 「新たな時代の理性主義と「安全・安心」(書評 “哲学の最新キーワードを読む”) http://www-510.aig.co.jp/assets/documents/institute/column/institute-column-002.pdf など

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AIG総研インサイト #06 2020年 5月

1

【レポート】身の回りのリスクに対する意識調査

AIG総合研究所 主任研究員

藤居 学

1. 調査の背景

“リスク”とは、使われる場面によっていくつかの異なった意味をもつ多義語ですが、日常生活で

は主として、確率的に発生し、私たちに何らかの損害を与える事象のことを指します。具体的には、

地震や台風などによる自然災害、がんや交通事故などの疾病や傷害、失業や老後資金の不足によって

生活費が賄えなくなることなどが、私たちにとって身近な「リスク」だといえるでしょう。

ところで、これらのリスクを評価する際に考慮すべきこととして、定量的に評価されるリスクと主

観的リスクの違いがあげられます。たとえばあるリスクの大きさは、そのリスクの発生確率と発生し

た際の被害の大きさを調べることで定量的に評価することができます。しかしながら、さまざまなリ

スクに対して人々がどのように反応し、意思決定するのかということは、必ずしも定量的なリスク評

価とは相関しません。実態よりも過大に評価され、人々の意思決定に大きな影響を与えるようなリス

クもあれば、過小評価されて見逃されてしまう(その結果として、実際に被害が生じたときに大きな

損害が生じる)リスクも存在します。

リスクに対する人々の実際の行動を決定するのは、定量的リスクではなく主観的リスク、つまりさ

まざまなリスクに対する人々の認識です。効果的なリスクマネジメントを実現するためには、定量的

なデータによってリスクを評価するだけでは不十分で、そのリスクを人々がどのように認識し、意思

決定しているのかという主観的側面からのリスク評価をあわせて行うことが不可欠です。

AIG 総研では、これまでもリスクに対する人々の主観的な認識、態度、意思決定に着目することの

重要性を強調してきました1。今回の意識調査は、このような問題意識のもと、私たちの身近に存在す

るさまざまなリスクについて、人々の意識や意思決定についてのデータを取得することを目的として

実施したものです。

調査のなかでは、私たちの身の回りに存在するさまざまなリスクについて、主観的なリスクの大き

さの評価に加え、リスクに対する私たちの意思決定に大きな影響を与えると言われている「リスクに

対する恐怖心」や「リスクについて経験があるか・よく知っているか」、さらには回答者のリスク全般

に対する態度や行動傾向についても尋ねました。

さらに、さまざまなリスクに対する社会的リソースの最適化という観点から、それぞれのリスクに

対しどのような備えを現に講じているか、また社会のありかたとして「自助・共助・公助」をどのよ

うにバランスしていくべきだと考えているのか、といったこともあわせて調査しています。

1 AIG総研コラム#01「リスクと身体性」http://www-510.aig.co.jp/assets/documents/institute/column/institute-co

lumn-001.pdf 、AIG総研コラム#02「新たな時代の理性主義と「安全・安心」(書評 “哲学の最新キーワードを読む”)

http://www-510.aig.co.jp/assets/documents/institute/column/institute-column-002.pdf など

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なお、本調査は、新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言が発令される直前の時期に実施さ

れたものとなります。

2. 関連する先行研究・調査

今回の調査の目的は、定量的なリスクの評価と対置し検討されるべき人々の主観的リスク評価につ

いての定量的なデータを得ることですが、主観的リスクの大きさについての古典的な研究として、リ

ヒテンシュタイン他(1978)2の米国死亡者数推定の研究があげられます。

この研究からは、「めったに起こらないリスク」の大きさ(発生頻度)は実態よりも過大に評価され、

逆に「ありふれたリスク」は過小に評価されるという傾向がみられます。

図 2-1. リヒテンシュタイン他(1978)より、実際の死亡者数(横軸)と回答者が予測

した死亡者数(縦軸)の関係を示したグラフ

また、さまざまなリスクに対する主観的な評価の背後にある因子の分析としては、スロヴィック

(1987)3があげられます。この研究によると、人々はリスクを主に「恐ろしさ」と「未知性」とい2次

元の尺度で主観的に評価していると考えられています。

今回の調査においては、本研究もふまえ調査対象となる各種リスクに対して、「どのくらい恐怖を感

じるか」と「どのくらいよく知っているか」という2つの質問を実施しています。これによって、調

査対象とするそれぞれのリスクの主観的評価をマッピングし、それぞれの関係性などについて分析を

2 Lichtenstein, S., Slovic, P., Fischhoff, B., Layman, M. & Combs, B. (1978). Judged Frequency of Lethal Events.

Journal of Experimental Psychology Human Learning and Memory 4(6):551-578 3 Slovic, p., (1987). Perception of risk. Science, 236, 280-285

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行います。

図 2-2. スロヴィック(1987)より、リスクへの主観的評価を「恐ろしさ」と「未知性」の二因子によりプロットした図

次に、自然災害などに対する社会の支援体制として、国や地方自治体が主体となって備えるべきか、

地域や隣人といったコミュニティが中心となるべきか、あるいは本人や家族が自ら備えるべきか、と

いう、いわゆる「自助・共助・公助」のあり方に関する意識をとりあげます。

このような意識調査の最近のものとして、内閣府の「防災に関する意識調査」(H29)4があります。

4 “防災に関する世論調査” https://survey.gov-online.go.jp/h29/h29-bousai/index.html (visited on Apr 10, 2020)

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AIG総研インサイト #06 2020年 5月

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図 2-4. 内閣府の「防災に関する意識調査」(H29)より、自助・共助・公助に対する意識

この調査によると、女性よりも男性のほうが、また回答者の年齢があがるにつれ、「自助」を重視す

べきだという考えが強まる傾向にあるという傾向が見られます。

今回の調査ではこの、公助・共助・自助のあるべきバランスについての人々の意識を、属性別・リ

スク別などにより細分化し、さまざまなリスクに対して、人々が社会としてどのような支援体制をと

るべきと考えているのかについて分析します。

最後に、今回の調査の対象としているものとして、リスク全般に対する態度や行動傾向があります。

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AIG総研コラム#01でとりあげた行動プロファイル5でも示されているとおり、日本人は全般的にリ

スクに対して保守的であり、リスクテイクよりも確実性を好むといわれています。俗に「ゼロリスク

志向」と呼ばれるような、経済合理性を犠牲にしてでも徹底的なリスクの軽減を望む傾向も強いとい

われています。

本調査では、このような傾向が実際にどの程度みられるのかを、属性別に分析していきます。

3. 調査概要

(1) 調査対象 20代から 60代の男女

(2) 調査方法 ネット調査モニター会員に対するオンライン調査

(3) 調査期間 2020年 3月 26日から同 4月 2日

(4) 調査項目 本稿添付の調査票参照

(5) 有効回答件数 1,361件

4. 結果の概要

(1) 主観的リスク評価について

今回、調査の対象としたリスクは、地震や風水害といった自然災害リスクから家計の破綻といった

経済的リスクまで、身の回りの身近なリスク、全 10項目(それぞれの項目は下図に示すとおり)です。

まずは、それぞれのリスクに対して感じる主観的なリスクの大きさについて尋ねました。

図 4-1. リスクごとの主観的リスクの大きさについての評価

5 AIG総研コラム#01「リスクと身体性」http://www-510.aig.co.jp/assets/documents/institute/column/institute-co

lumn-001.pdf

53.4%

38.6%

43.6%

35.9%

41.1%

40.7%

33.9%

27.8%

45.4%

46.8%

30.7%

37.6%

33.1%

37.3%

35.0%

35.9%

39.8%

32.3%

30.6%

28.3%

10.7%

15.1%

17.0%

19.3%

17.4%

17.3%

19.5%

25.6%

17.6%

17.0%

3.4%

6.8%

5.1%

6.2%

5.2%

4.8%

5.5%

10.0%

4.6%

5.7%

1.8%

1.8%

1.1%

1.4%

1.2%

1.2%

1.3%

4.3%

1.8%

2.3%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

地震(地震による津波を含む)

水害・風災(台風や豪雨による災害)

火災(放火・失火・類焼)

犯罪にあうこと(盗難・テロ・暴力事件等)

がん

心疾患・脳卒中・感染症・その他の疾病

交通事故等によるケガ

メンタルヘルス不調(うつや過労死など)

自分や家族が要介護状態になること

失業、家計の破綻、老後の生活費不足など

下記のそれぞれの「リスク」について、あなたはどのくらい自分の生活において大きなリスクだと感じていますか?

大きなリスクだと感じる やや大きなリスクだと感じる どちらでもない

やや小さなリスクだと感じる 小さなリスクだと感じる

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上記リスクのなかで、最もリスクが大きいと評価した割合が多かったのは地震で、「大きなリスクだ

と感じる」「やや大きなリスクだと感じる」との回答割合の合計は、84.1%にのぼりました。それ以外

のリスクについても軒並み 75%程度の高い割合で「大きなリスク」と評価されています。相対的にリ

スクとして小さく評価されたのはメンタルヘルス不調のリスクですが、それでも「大きな(+やや大

きな)リスク」との回答は約 60%と過半数を超えています。

(2) リスク相互の関係性について

それぞれのリスクについて、「恐怖尺度」と「未知性の尺度」についての主観的評価に基づきプロッ

トした結果は、以下のとおりとなりました。

図 4-2. 「恐怖」と「知識」についての主観的評価に基づくリスクマップ。バブルの大きさは図 1.でも示した主観的リス

クの大きさ(視覚的に分かりやすいよう大きさについて加工)による。

この図からは、地震やそれに伴う津波のリスクは特によく知っていて強い恐怖を感じる別格のもの

として評価され、水害・風災は「よく知っている」リスクとして、火災は「恐怖を感じる」リスクと

して固有の位置を占めているのに対し、犯罪やがんをはじめとする疾病、ケガ、介護や家計の破綻と

いったリスクはまとめて「その他のリスク」として特段の特異性なく認識されていることが伺えます。

それらと比較すると、メンタルヘルス不調のリスクは相対的にリスクとして強く認知されてはいない

と判断されます。

地震・津波

水害・風災

火災

犯罪

がん

その他疾病ケガ

メンタル不調

介護家計破綻

↑既知

↓未知

強い恐怖→← 弱い恐怖

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(3) リスクの顕在化(被害)の経験について

リスクは、将来に向かってはいまだ発生していない確率的事象ですが、過去に向かってはすでに発

生(リスクの顕在化)し被害を発生させている確定的事象です。

それぞれのリスクについて、身近な人のなかに実際に被害を経験したことがあるかどうかを聞いた

結果は、以下の図のとおりとなりました。

図 4-3. それぞれのリスクについて、身近な人に実際に被害があったという経験者の割合(複数回答)

身近な人が被害を経験したとの回答が最も多かったのは「がん」で、半数近い 45.8%が「経験した

人が身近にいる」と答えました。地震(33.7%)がそれに続き、それ以外で回答者の割合が 25%以上

となったものが、メンタルヘルス不調(29.7%)、介護(29.1%)、その他の疾病(28.1%)、ケガ(27.0%)、

水害・風災(25.5%)などでした。

メンタルヘルス不調のリスクについては、先に触れたとおり、相対的にあまり大きなリスクではな

いと評価され、またリスクの評価尺度プロットにおいても「恐怖を感じる程度は弱い」「あまりよく知

らない」の象限に位置づけられていましたが、こちらの調査では第 3 位と高く位置づけられました。

メンタルヘルス不調になった人の話は聞いたことがあっても、それ以上の知識には乏しいために、メ

ンタルヘルス不調のリスクに対する意識が喚起されていない可能性を示唆しています。

(4) リスクへの備えの現状について

身の回りのリスクに対して私たちができる備えとしては、リスクに対応する保険を契約することに

加え、リスクを軽減する事前策(防災、防犯、健康の維持など)、リスクが現実化した際の損害を防止・

軽減する事後策の準備(避難訓練、防災グッズ準備、備蓄など)などがあげられます。

これらリスクの備えをどの程度実施しているのかについて聞いたところ、以下のような結果となり

ました。

0% 10% 20% 30% 40% 50%

地震(地震による津波を含む)

水害・風災(台風や豪雨による災害)

火災(放火・失火・類焼)

犯罪にあうこと(盗難・テロ・暴力事件等)

がん

心疾患・脳卒中・感染症・その他の疾病

交通事故等によるケガ

メンタルヘルス不調(うつや過労死など)

自分や家族が要介護状態になること

失業、家計の破綻、老後の生活費不足など

あてはまるものはない

わからない・答えたくない

33.7%

25.5%

14.3%

13.9%

45.8%

28.1%

27.0%

29.7%

29.1%

14.3%

12.9%

6.6%

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図 4-4-1. リスクに対する備えの現状 ※保険の契約、事前策、事後策の最低1つでも準備していれば「備

えあり」、いずれも準備がなければ「備えなし」として集計したもの。

「備えあり」との回答が過半数を超えたのは、地震、水害・風災、火災といった災害リスクと、が

んやその他の疾病、ケガといった傷病リスクで、それ以外のリスクでは「備えあり」の回答は 3~4割

に留まりました。

これら「備えあり」の回答が多かったリスクは、いずれも個人向けの保険が普及しているものです

ので、対策のうち「保険の契約」のみを抽出して集計したところ、次の図のような結果となりました。

図 4-4-2. リスクに対する保険による備えの現状 ※青塗部分がリスクに対する備えとして「保険の契約」と回答したもの。

身近なリスクに対する備えとして、保険が広く活用されている実態が示されています。災害リスク

に対しては「火災保険」や「地震保険」が、傷病リスクに対しては「医療保険」「傷害保険」「生命保

険」などが対応していると言えるでしょう。対して、民間の「介護費用保険」などの活用は一般的で

はない現状にある現状が伺えます。

68.6%

59.0%

69.8%

37.3%

61.3%

58.9%

62.5%

29.7%

33.3%

35.5%

31.4%

41.0%

30.2%

62.7%

38.7%

41.1%

37.5%

70.3%

66.7%

64.5%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

地震(地震による津波を含む)

水害・風災(台風や豪雨による災害)

火災(放火・失火・類焼)

犯罪にあうこと(盗難・テロ・暴力事件等)

がん

心疾患・脳卒中・感染症・その他の疾病

交通事故等によるケガ

メンタルヘルス不調(うつや過労死など)

自分や家族が要介護状態になること

失業、家計の破綻、老後の生活費不足など

備えあり 備えなし

41.7%

30.1%

54.3%

8.6%

43.6%

37.8%

48.6%

6.5%

12.6%

9.8%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

地震(地震による津波を含む)

水害・風災(台風や豪雨による災害)

火災(放火・失火・類焼)

犯罪にあうこと(盗難・テロ・暴力事件等)

がん

心疾患・脳卒中・感染症・その他の疾病

交通事故等によるケガ

メンタルヘルス不調(うつや過労死など)

自分や家族が要介護状態になること

失業、家計の破綻、老後の生活費不足など

保険による備えあり

「備えあり」全体

主に「火災保険・地震保

険」でカバーされるリスク

主に「医療・傷害保険」で

カバーされるリスク

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(5) 自助・共助・公助に対する意識について

私たちの身の回りのリスク、特に自然災害等を中心とするリスクへの備えとして、自助・共助・公

助という3つの区分が想定されています。自助とは、リスクに対して個人が自ら備え、被害が発生し

た場合も自ら損害回復を行うこと、共助とは隣人や友人が助け合ってリスクに備え、また被害発生時

に支えあうこと、公助とは政府や自治体がリスクに備え、被害発生時に税金や公的リソースを投入し

て救済することを指します。たとえば、先に触れた保険の契約や防災・健康維持、備蓄といった「リ

スクに対する備え」は、自らのコスト負担と行動によって準備することを前提としていますので、区

分としては「自助」にあたります。

自助・共助・公助はどれか1つだけで備えるというものではなく、すべてをバランスよく組み合わ

せることで安心して暮らせる社会を実現するものですが、そのバランスのなかで特にどの体制が重要

だと考えているのかについて聞いた結果は、以下のとおりとなりました。

図 4-5-1. リスクに対する自助・共助・公助の「どれが重要だと思うか」という問いに対する回答(複数回答)

図 4-5-2. 自助・共助・公

助に対する意識のプロット

図 。横軸が公助、縦軸が

自助、円の大きさが共助

の重要性を表す。

自助 共助 公助

地震(地震による津波を含む) 44.6% 48.6% 59.4%

水害・風災(台風や豪雨による災害) 42.4% 47.0% 59.0%

火災(放火・失火・類焼) 55.9% 39.5% 30.5%

犯罪にあうこと(盗難・テロ・暴力事件等) 50.4% 32.4% 38.1%

がん 69.4% 14.8% 19.0%

心疾患・脳卒中・感染症・その他の疾病 68.5% 15.5% 20.0%

交通事故等によるケガ 64.4% 21.5% 24.8%

メンタルヘルス不調(うつや過労死など) 61.3% 25.2% 24.5%

自分や家族が要介護状態になること 57.8% 31.1% 40.4%

失業、家計の破綻、老後の生活費不足など 58.9% 18.8% 39.5%

地震・津波

水害・風災

火災

犯罪

がんその他疾病

ケガ

メンタル不調

介護家計破綻

40%

45%

50%

55%

60%

65%

70%

15% 25% 35% 45% 55% 65%

↑自助が重要

公助が重要→

自然災害

傷病リスク

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自助よりも公助が重要だと認識されているリスクは、地震(津波)および水害・風災となりました。

これらの自然災害リスクは、被害が発生した場合の規模が甚大であり、自助だけでは十分に備えるこ

とができないことから、公助が必要だと考えている人が多いのだと推測されます。

それに対して、公助よりも自助のほうがずっと重要だと考えられているリスクが、がん・その他の

疾病・ケガ・メンタル不調などの傷病リスクカテゴリであり、自然災害リスクカテゴリとは対照的な

結果となっています。興味深いことは、日本にはこれらの傷病リスクについての大きな備えとして皆

保険制度があり、実際には自助というよりはむしろ公助によって支えられているという点です。多く

の回答者は、公助である皆保険制度を当たり前に存在するものとして強く認識せず、そのうえで「自

助」の重要性を意識していると想定されます。

続いて、属性ごとの回答傾向についてみていきます。自助・共助・公助の問題が特に議論となる自

然災害としての地震および風水害と、その比較対象として火災や犯罪被害といった人為災害について、

各種属性ごとの回答傾向をみた結果は以下のとおりとなりました。

自助 共助 公助

42.4% 47.0% 59.0%

42.8% 48.5% 57.2%

42.0% 45.6% 60.7%

25.2% 38.3% 42.2%

41.8% 40.4% 54.9%

43.1% 47.4% 58.3%

50.7% 56.7% 72.8%

52.0% 50.0% 64.4%

43.6% 52.9% 67.1%

37.6% 44.6% 52.9%

39.9% 46.8% 60.1%

47.0% 49.1% 63.7%

53.5% 46.5% 62.0%

44.6% 45.9% 63.5%

41.5% 45.7% 60.7%

44.3% 47.9% 55.2%

36.8% 49.3% 57.7%

40.6% 43.5% 59.4%

42.3% 46.2% 57.7%

50.5% 50.5% 55.3%

水害・風災(台風や豪雨による災害)

自助 共助 公助

全体 44.6% 48.6% 59.4%

男性 45.0% 48.8% 57.5%

女性 44.2% 48.3% 61.3%

18歳~29歳 26.6% 37.6% 41.5%

30歳~39歳 42.3% 44.1% 55.9%

40歳~49歳 43.1% 51.7% 58.3%

50歳~59歳 55.8% 55.3% 73.7%

60歳~69歳 55.0% 53.0% 65.1%

70歳以上 47.1% 52.9% 68.6%

未婚 40.1% 44.4% 53.1%

既婚・子どもなし 42.0% 46.3% 61.2%

既婚・子どもあり 49.1% 52.6% 64.1%

北海道 53.5% 42.3% 62.0%

東北地方 44.6% 45.9% 66.2%

関東地方 44.0% 49.3% 60.9%

中部地方 46.9% 50.0% 55.2%

近畿地方 40.4% 48.9% 59.6%

中国地方 37.7% 46.4% 58.0%

四国地方 46.2% 50.0% 57.7%

九州地方 52.4% 48.5% 54.4%

性別

年齢

婚姻・

子ども

地域

地震(地震による津波を含む)

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AIG総研インサイト #06 2020年 5月

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図 4-5-3. 自助・共助・公助のバランスについての回答を各種属性別に比較したもの

こちらの結果からは、地震や風水害といった典型的な自然災害については、先に触れた内閣府の調

査で見られたような年齢が上がるほど自助を重視するといった傾向は必ずしもはっきりしません。確

かに「自助」が重要だとの回答は年齢とともに上昇傾向が見られます(それでも、高齢者の大きな割

合を占める 70歳以上の世代ではそれより下の世代よりも割合が下がっています)が、それと同等以上

に、共助・公助も重要だという回答も増加しています。内閣府の調査では、自助・共助・公助・バラ

ンスの4つの選択肢から1つを選択する回答様式であったのに対し、今回の調査では自助・共助・公

助の中から複数回答させる回答様式であったことも、結果に影響したと考えられます。

一方、「火災」のような人為的な要素の強い災害については、年齢とともに「自助」を重視する傾向

が明確に現れています。また、ここで取り上げた4つのリスクのうち、「犯罪被害」のみ、男性よりも

女性のほうが「自助」を重視している点も注目されます。

年齢をはじめとする回答者の属性と「自助・共助・公助」についての意識の傾向については、後で

述べる因子分析・クラスタ分析においても改めて触れます。

自助 共助 公助

50.4% 32.4% 38.1%

48.6% 32.7% 41.1%

52.1% 32.1% 35.1%

37.9% 30.9% 27.7%

46.0% 28.6% 35.7%

50.2% 35.5% 38.9%

57.6% 33.6% 47.9%

58.1% 30.9% 40.9%

55.0% 37.9% 40.0%

46.1% 31.8% 36.3%

49.5% 31.9% 38.8%

54.2% 33.1% 39.3%

52.1% 32.4% 40.8%

56.8% 31.1% 40.5%

50.7% 34.6% 38.4%

49.0% 31.4% 34.0%

51.8% 30.1% 37.5%

50.7% 29.0% 43.5%

57.7% 30.8% 42.3%

39.8% 32.0% 36.9%

犯罪にあうこと(盗難・テロ・暴力事件等)

自助 共助 公助

全体 55.9% 39.5% 30.5%

男性 56.8% 39.9% 29.6%

女性 55.1% 39.0% 31.4%

18歳~29歳 33.0% 32.3% 32.6%

30歳~39歳 47.9% 35.7% 36.2%

40歳~49歳 56.9% 39.3% 29.4%

50歳~59歳 66.4% 42.4% 34.1%

60歳~69歳 69.5% 44.0% 26.5%

70歳以上 67.9% 45.7% 22.1%

未婚 47.6% 36.5% 32.7%

既婚・子どもなし 54.8% 39.4% 33.5%

既婚・子どもあり 63.0% 41.9% 27.8%

北海道 67.6% 39.4% 28.2%

東北地方 67.6% 39.2% 23.0%

関東地方 53.4% 40.6% 32.8%

中部地方 56.7% 37.6% 25.8%

近畿地方 53.3% 38.2% 30.9%

中国地方 58.0% 34.8% 26.1%

四国地方 57.7% 46.2% 38.5%

九州地方 56.3% 41.7% 34.0%

地域

性別

年齢

婚姻・

子ども

火災(放火・失火・類焼)

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(6) リスクに対する態度・行動傾向について

次に、リスクに対する態度や行動傾向について調査しました。結果は以下のとおりです。

図 4-6-1. リスクに対する態度・行動傾向(全体集計)

最初の2項目は、リスクテイクに関する質問です。先に触れた過去の調査結果などから、メリット

の代償としてであればリスクをとってもよいと考える(リスクテイク志向)人は少なく、ゼロリスク

を目指すためのコストは高くついても許容する(ゼロリスク志向)人が多いと想定していましたが、

今回の結果では必ずしもそのような傾向は見られませんでした。

また、リスクコミュニケーションの主体に対する信用度としては、「専門家」が最も信用され、以下、

メディア、政府、ネット(SNS)という順になりました。

福祉・支援体制により多くの公金を投入すべきという「大きな政府志向」についての質問には、6

割を超える人々(61.9%)が賛意を示していますが、これは、続く「社会をとりまくリスクが増えてき

ている」と考える人が圧倒的に多い(74.7%)こととも関係していると思料されます。

さらに、どのような属性の人がリスクに対してどのような態度・行動傾向を示すかを分析するため

に、本設問に対する回答傾向を属性別に分解し、比較してみたところ、次のような結果を得ました。

10.9%

9.6%

7.6%

8.9%

7.0%

5.8%

8.8%

19.3%

33.2%

5.6%

38.2%

33.8%

28.0%

40.4%

33.7%

19.9%

30.9%

42.6%

41.5%

25.0%

24.6%

29.7%

30.9%

28.8%

31.9%

33.8%

28.3%

21.0%

14.3%

34.1%

16.9%

16.5%

22.1%

11.8%

16.3%

28.9%

17.7%

6.2%

3.7%

23.2%

9.4%

10.5%

11.4%

10.1%

11.1%

11.6%

14.3%

10.9%

7.3%

12.1%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

大きなメリットが得られる可能性があるなら、

相応のリスクは積極的に受け入れる

どんなにコストをかけても、

リスクは限界までゼロに近づけるべきだ

災害や病気のリスクや対策などについて、

政府がいうことは信用できる

災害や病気のリスクや対策などについて、

専門家がいうことは信用できる

災害や病気のリスクや対策などについて、

TVや新聞の解説は信用できる

災害や病気のリスクや対策などについて、

SNSやネットの情報は信用できる

犯罪や事故などの被害にあう人には、

被害にあう理由や原因が何かしらあると思う

社会福祉や弱者支援、セーフティネット整備に、

政府はもっと税金を投じるべきだ

私たちの社会をとりまく「リスク」は、

最近、増えてきていると思う

私たちの社会は、さまざまな「リスク」に対し、

うまく対処していると思うそう思う ややそう思う ややそう思わない そう思わない わからない

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図 4-6-2. リスクに対する態度・行動

傾向(属性別集計)

サンプル

大きなメリットが

得られる可能

性があるなら、

相応のリスクは

積極的に受け

入れる

どんなにコストを

かけても、リスク

は限界までゼロ

に近づけるべき

災害や病気のリ

スクや対策など

について、政府

がいうことは信

用できる

災害や病気のリ

スクや対策など

について、専門

家がいうことは

信用できる

災害や病気のリ

スクや対策など

について、TVや

新聞の解説は

信用できる

災害や病気のリ

スクや対策など

について、SNS

やネットの情報

は信用できる

全体 1,361 49.1% 43.4% 35.6% 49.3% 40.7% 25.7%

男性 666 55.1% 41.0% 35.5% 47.0% 40.0% 24.5%

女性 695 43.3% 45.6% 35.7% 51.5% 41.4% 26.9%

18歳~29歳 282 57.8% 58.9% 45.7% 53.6% 48.2% 40.1%

30歳~39歳 213 48.4% 46.9% 36.6% 49.3% 37.5% 29.1%

40歳~49歳 211 41.2% 36.5% 33.7% 47.4% 34.6% 24.7%

50歳~59歳 217 41.1% 34.5% 27.6% 45.6% 37.8% 16.1%

60歳~69歳 298 49.3% 40.6% 32.9% 49.7% 39.6% 20.8%

70歳以上 140 56.5% 36.5% 34.3% 48.6% 46.5% 18.5%

未婚 529 48.4% 48.7% 40.1% 51.5% 43.1% 30.4%

既婚・子どもなし 188 46.2% 38.9% 29.8% 44.7% 33.6% 21.8%

既婚・子どもあり 644 50.4% 40.2% 33.6% 48.9% 40.9% 23.0%

北海道 71 42.2% 35.2% 31.0% 43.7% 31.0% 9.8%

東北地方 74 36.5% 40.5% 37.9% 52.7% 41.9% 24.3%

関東地方 552 53.2% 44.9% 37.4% 52.7% 44.4% 29.0%

中部地方 194 42.8% 35.1% 33.0% 45.3% 40.2% 26.3%

近畿地方 272 48.2% 46.4% 29.8% 42.3% 34.9% 21.7%

中国地方 69 50.7% 42.0% 46.3% 53.6% 46.4% 28.9%

四国地方 26 50.0% 46.2% 26.9% 42.3% 34.6% 30.8%

九州地方 103 53.4% 50.5% 42.7% 57.3% 40.8% 26.2%

性別

年齢

婚姻・

子ども

地域

サンプル

犯罪や事故な

どの被害にあう

人には、被害に

あう理由や原

因が何かしらあ

ると思う

社会福祉や弱

者支援、セーフ

ティネット整備

に、政府はもっ

と税金を投じる

べきだ

私たちの社会を

とりまく「リスク」

は、最近、増え

てきていると思う

私たちの社会

は、さまざまな

「リスク」に対し、

うまく対処してい

ると思う

全体 1,361 39.7% 61.9% 74.7% 30.6%

男性 666 41.1% 61.7% 72.3% 31.1%

女性 695 38.5% 62.0% 77.0% 30.1%

18歳~29歳 282 51.5% 54.6% 65.9% 44.7%

30歳~39歳 213 35.2% 53.5% 64.3% 31.5%

40歳~49歳 211 36.5% 55.5% 73.0% 28.0%

50歳~59歳 217 35.0% 66.4% 80.2% 24.9%

60歳~69歳 298 35.9% 70.8% 81.8% 23.9%

70歳以上 140 43.6% 72.9% 87.2% 27.8%

未婚 529 41.6% 59.3% 70.7% 35.7%

既婚・子どもなし 188 38.3% 58.0% 72.3% 22.9%

既婚・子どもあり 644 38.6% 65.1% 78.8% 28.5%

北海道 71 21.1% 60.6% 76.1% 23.9%

東北地方 74 35.1% 55.4% 68.9% 31.1%

関東地方 552 40.8% 60.3% 74.6% 33.5%

中部地方 194 39.2% 58.2% 70.6% 27.8%

近畿地方 272 40.8% 65.8% 79.1% 24.2%

中国地方 69 46.4% 69.5% 78.2% 42.0%

四国地方 26 38.4% 57.7% 65.4% 23.1%

九州地方 103 44.7% 68.0% 74.7% 35.0%

性別

年齢

婚姻・

子ども

地域

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AIG総研インサイト #06 2020年 5月

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横棒のパーセンテージは、「そう思う」「ややそう思う」いずれかに回答した人の割合です。

この結果からは、下記のような傾向が読み取れます。

女性よりも男性のほうが、リスクテイク傾向(設問 1)が強い。

ネット(SNS)の情報に対する信用度が年齢層によって大きく異なり、若年層では他の情報ソ

ースと同等程度以上に信用されているのに対し、高齢者層では信用しない人が非常に多い。

それ以外の多くのリスクに対する意識・態度も、年齢とともに大きく変化していく傾向が見ら

れる。たとえば、ゼロリスク志向(設問2;年齢とともに現象)、大きな政府志向(設問8;年

齢とともに増加)、リスクが増加しているとの認識(設問9;年齢とともに増加)など。

5. リスクに対する意識と行動傾向の類型化について

ここまで、個々の質問項目について集計した結果に基づき分析を進めてきました。

続いて、調査結果についてさらに深い洞察を得るべく、人々のリスクに対する意識、態度、行動傾

向の類型化を目的として、本調査の結果に対する因子分析ならびにクラスタ分析を実施しました。

最初に、多岐にわたる今回の設問の構造を単純化するため、全設問について回答傾向に基づく因子

分析を行い、以下の 19 因子を得ました。(対応する質問項目等、因子抽出の詳細については添付の参

考資料を参照願います。)

表 5-1. 因子分析により得られた 19の因子の概要

これらの因子の因子得点に基づき、各回答者に対するクラスタ分析を実施したところ、下記のよう

な4つのクラスタを得ました。(クラスタ数の選定等、詳細については添付の参考資料を参照願います。)

因子番号 因子名 説明

Factor-A1 恐怖を感じる さまざまなリスクに対して「恐怖を感じる」傾向が強い

Factor-A3 災害・事故リスク意識 災害や事故のリスクを大きいと感じている

Factor-A4 疾病リスク意識 がんやその他の疾病のリスクを大きいと感じている

Factor-A6 家計リスク意識 家計破綻や介護のリスクを大きいと感じている

Factor-A2 リスク知識あり 各種リスクについて「よく知っている」と自認している

Factor-A5 リスク経験あり 各種リスクについて経験のある知人などが身近にいる

Factor-B5 自然災害公助 地震や風水害への備えとして公助が重要だと感じている

Factor-B3 自然災害共助 地震や風水害への備えとして共助が重要だと感じている

Factor-B8 自然災害自助 地震や風水害への備えとして自助が重要だと感じている

Factor-B4 自然災害以外公助 自然災害以外への備えとして公助が重要だと感じている

Factor-B6 自然災害以外共助 自然災害以外への備えとして共助が重要だと感じている

Factor-B1 自然災害以外自助 自然災害以外への備えとして自助が重要だと感じている

Factor-B10 火災保険契約 火災保険を契約してリスクに備えている

Factor-B9 医療系保険契約 医療・傷害保険を契約してリスクに備えている

Factor-B2 事前策実施 事前策を講じることでリスクに備えている

Factor-B7 事後策実施 事後策を講じることでリスクに備えている

Factor-C2 リスク意識高 リスクに対して強く意識を持ち、ネットからも情報収集する

Factor-C1 政府・メディア信頼 政府・専門家・メディアのリスク情報を信頼している

Factor-C3 大きい政府志向 増大するリスクにもっと税金を投じるべきと考えている

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図 5-2. クラスタ分析によって得られた 4クラスタの概要。上部の表では因子得点プラス・マイナスそれぞれについ

て絶対値の大きいものが列挙されており、赤字はその中でも絶対値の大きいもの、赤字かつ太字は特に大きいもの

を示している。

リスクに対して能動的な関与の傾向がうかがえるのが「リスク全般への備え」および「災害意識」

クラスタ名 リスク全般への備え 保険で自助 災害意識 受動諦念

該当者数 457 424 302 178

自然災害以外公助 自然災害以外自助 恐怖を感じる

自然災害以外共助 火災保険契約 災害・事故リスク意識

事前策実施 疾病リスク意識

事後策実施 家計リスク意識 災害・事故リスク意識

リスク意識高 リスク知識あり 疾病リスク意識

政府・メディア信頼 リスク経験あり リスク知識あり

自然災害公助 リスク経験あり

自然災害共助 自然災害公助

自然災害自助 自然災害共助

自然災害公助 自然災害共助 自然災害以外公助 自然災害自助

自然災害自助 自然災害自助 自然災害以外共助 自然災害以外公助

自然災害以外自助 自然災害以外公助 自然災害以外自助 自然災害以外共助

火災保険契約 自然災害以外共助 医療系保険契約 自然災害以外自助

事前策実施 事前策実施 火災保険契約

事後策実施 大きい政府志向 医療系保険契約

事前策実施

事後策実施

政府・メディア信頼

大きい政府志向

説明

自然災害以外のリスクを強

めに意識している。政府や

メディアに信頼を寄せ、リス

クに対し事前・事後策で備

えている。

リスクに対する関心があまり

高くなく、保険を契約するだ

けで事前策・事後策などの

備えが手薄になっている。

リスク、特に自然災害につ

いて非常に強い関心があ

り、あらゆる方策により被害

が軽減されることを望んで

いる。

リスクに対し諦めの境地に

達し、関心も持たず、何も

備えず、何も期待しない状

況に陥っている。

-1.5

-1

-0.5

0

0.5

1

1.5

リスク全般への備え 保険で自助 災害意識 受動諦念

恐怖を感じる 災害・事故リスク意識 疾病リスク意識 家計リスク意識 リスク知識あり

リスク経験あり 自然災害公助 自然災害共助 自然災害自助 自然災害以外公助

自然災害以外共助 自然災害以外自助 火災保険契約 医療系保険契約 事前策実施

事後策実施 リスク意識高 政府・メディア信頼 大きい政府志向

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AIG総研インサイト #06 2020年 5月

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クラスタであり、受動的・消極的な態度がみられるのが「保険で自助」および「受動諦念」クラスタ

となっています。加えて、「リスク全般への備え」と「保険で自助」がそれぞれ全体の平均像に比較的

近い中で対照的なクラスタとなっており、「災害意識」と「受動諦念」については全体の平均像から大

きく外れている中で対照的なクラスタとなっています。

これらクラスタの分布を属性別にみると、きわめて興味深い傾向が見られます。年齢層ごとのクラ

スタの偏りが明確に現れ、年齢が上がるにしたがって「リスク全般への備え」および「受動諦念」ク

ラスタの割合が大きく減少し、「保険で自助」クラスタの割合が上昇していくのです。「災害意識」ク

ラスタについては、50代までは増加し、60代以降は逆に減少するという傾向が見られます。男女別で

は、「リスク全般への備え」クラスタで若干男性が多いことを除けば、あまり大きな偏りは見られませ

ん。

それ以外では、「受動諦念」クラスタは東日本で、「リスク全般への備え」クラスタは西日本でやや

多い傾向がみられるほか、職業別では学生、専業主婦、経営者・自営業、公務員などでクラスタ分布

にやや偏りがみられます。

図 5-3. 属性ごとのクラスタ分布。属性ごとに 4つのクラスタそれぞれに属する人の割合(構成比)を示している。

サンプル数 リスク全般への備え 保険で自助 災害意識 受動諦念

全体 1,361 33.6% 31.2% 22.2% 13.1%

性別 男性 666 35.4% 30.6% 21.5% 12.5%

女性 695 31.8% 31.7% 22.9% 13.7%

年齢 18歳~29歳 282 56.4% 14.2% 9.2% 20.2%

30歳~39歳 213 36.6% 23.0% 20.7% 19.7%

40歳~49歳 211 32.2% 28.4% 24.6% 14.7%

50歳~59歳 217 26.7% 30.9% 32.3% 10.1%

60歳~69歳 298 20.1% 47.3% 26.8% 5.7%

70歳以上 140 24.3% 47.9% 21.4% 6.4%

婚姻・子ども 未婚 529 44.2% 19.8% 18.5% 17.4%

既婚・子どもなし 188 34.0% 29.8% 21.8% 14.4%

既婚・子どもあり 644 24.7% 40.8% 25.3% 9.2%

地域 北海道 71 28.2% 29.6% 26.8% 15.5%

東北地方 74 32.4% 32.4% 21.6% 13.5%

関東地方 552 33.9% 30.1% 22.5% 13.6%

中部地方 194 27.8% 32.0% 25.3% 14.9%

近畿地方 272 38.6% 32.7% 18.4% 10.3%

中国地方 69 34.8% 29.0% 21.7% 14.5%

四国地方 26 34.6% 30.8% 23.1% 11.5%

九州地方 103 33.0% 33.0% 22.3% 11.7%

職業 公務員 39 33.3% 28.2% 30.8% 7.7%

経営者・役員 46 23.9% 41.3% 30.4% 4.3%

会社員(事務系) 175 40.0% 29.7% 16.6% 13.7%

会社員(技術系) 138 33.3% 26.1% 26.1% 14.5%

会社員(その他) 134 35.1% 26.1% 23.1% 15.7%

自営業 92 34.8% 34.8% 21.7% 8.7%

自由業 38 39.5% 18.4% 34.2% 7.9%

専業主婦(主夫) 251 23.5% 39.8% 24.3% 12.4%

パート・アルバイト 180 31.7% 30.0% 21.1% 17.2%

学生 106 63.2% 12.3% 9.4% 15.1%

その他 162 24.7% 40.1% 23.5% 11.7%

やや男性

が多い

西日本

でやや多

い傾向

圧倒的に学

生に多い

経営者・自

営・専業主

婦に多い

公務員・自

由業・経営

者に多い 経営者・

専業主

婦で少な

全体的にマイ

ナーだが、経

営者・自由

業・公務員・

自営業などで

特に少ない。

学生の中では

2番目に多

いクラスタ

北日本・

東日本

でやや多

い傾向

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AIG総研インサイト #06 2020年 5月

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年齢によるクラスタの偏りが強く現れたことをふまえ、その偏りを説明する因子とは何なのかを確

認するべく、改めてクラスタ分析の元となっている因子分析の結果に立ち戻り、因子得点と属性の相

関をみたところ、以下のような関係性が明らかになりました。

図 5-4. 因子得点と属性の相関分析。年齢については相関係数を、その他の属性についてはカテゴリカル相関分析の結果

を参照。水色に塗られた項目が相関が強い(相関分析の結果の絶対値が大きい)属性を示している。

上図のとおり、年齢と正の相関のある(年齢が上がるほど強まる)因子は、「リスク知識あり」「リ

スク経験あり」「大きい政府志向」のほか、「自然災害公助」「自然災害以外自助」「火災保険契約」な

どであることが示されています。一方、負の相関のある(年齢が上がるほど弱まる)因子としては、「自

然災害以外共助」「事後策実施」「リスク意識高」などがあげられます。

先のクラスタ分析の結果とあわせて整理すると、人は加齢とともに、以下のようにリスクに対する

意識や態度を変化させていく傾向がある、と想定されます。

リスクに対する知識や経験が豊富になったと感じるようになり、

自然災害については公助の重要性を強く感じるようになる一方、

自然災害以外については自助による備えこそが重要だと感じるようになり、

そのための備えとして、保険を契約する一方で、

それ以外の事前策・事後策の備えはやや手薄になる。

ただし、このような年齢による意識・行動の変化の違いが、加齢によって生じるものではなく、世

Factor-A1 Factor-A3 Factor-A4 Factor-A6 Factor-A2 Factor-A5

恐怖を感じる災害・事故リ

スク意識

疾病リスク意

家計リスク意

識リスク知識あり リスク経験あり

相関係数 年齢 -.051 .035 .100 -.137 .228 .178

性別 .283 .185 .161 .183 -.024 .033

地域 .021 .010 -.042 -.037 .025 .031

職業 .009 .067 -.034 -.018 .000 -.007

婚姻・子ども .010 .018 .139 -.070 .182 .109

カテゴリカル相

関分析

Factor-B5 Factor-B3 Factor-B8 Factor-B4 Factor-B6 Factor-B1

自然災害公

自然災害共

自然災害自

自然災害以

外公助

自然災害以

外共助

自然災害以

外自助

相関係数 年齢 .232 .164 .131 -.096 -.188 .363

性別 .040 -.013 -.021 .015 -.034 .032

地域 -.047 .008 -.024 .025 .033 -.020

職業 .000 -.017 -.039 -.016 -.039 -.011

婚姻・子ども .156 .116 .081 -.108 -.142 .261

カテゴリカル相

関分析

Factor-B10 Factor-B9 Factor-B2 Factor-B7 Factor-C2 Factor-C1 Factor-C3

火災保険契

医療系保険

契約事前策実施 事後策実施 リスク意識高

政府・メディア

信頼

大きい政府志

相関係数 年齢 .241 .156 -.052 -.178 -.183 -.110 .205

性別 -.101 -.065 -.018 -.040 .001 .050 .059

地域 .046 .022 -.012 -.031 .021 -.005 .036

職業 -.030 -.137 -.040 -.067 -.028 .011 .066

婚姻・子ども .218 .217 -.021 -.069 -.095 -.056 .098

カテゴリカル相

関分析

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AIG総研インサイト #06 2020年 5月

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代間の相違である(あるいは、その両者が複合している)可能性もあります。今回の分析は1回の縦

断的な調査に基づいているため、両者の影響を切り分けることは困難です。

なお、属性と因子得点との相関について、年齢以外の属性の傾向をみてみると、性別については、

男性よりも女性のほうがほとんどのリスクについて「より影響が大きく」「より恐怖を感じる」傾向が

あるという主観的評価の違いが示されています。

また、「婚姻と子どもの有無」については、概ね年齢と同じ傾向を示していますが、一点だけ、「医

療保険契約」だけが年齢以上に強い相関を示しており、「結婚して子どもができると生命保険や医療保

険に加入する」という傾向があることを示唆しています。

6. おわりに

今回、身の回りのリスクに対する意識について、さまざまな角度から多面的な知見を得ることがで

きました。

なかでも、主観的リスクの大きさ(感じる恐怖)について、男性よりも女性のほうが強く感じる傾

向があること、また年齢が上がるにつれて、リスクに対する意識、とりわけリスクへの備えについて

の自助・共助・公助に対する意識が、自然災害とそれ以外とで大きく変化していく傾向が明確に示さ

れたことは、どのような世代に対してどのようなリスクコミュニケーションを行うべきであるのかと

いった課題に対する大きなヒントを与えるものになっていると思料します。

しかしながら、私たちをとりまくリスクは常に変化しており、また、巨大自然災害をはじめとする

さまざまなリスクイベントによって、私たちのリスクに対する意識や行動は大きな影響を受けます。

そのような変化を的確にとらえるためには、今回の調査を定期的に継続して実施し、「定点観測」を

行い、横断的な分析を展開していく必要があります。そのような分析によって、リスクに対する社会

全体の意識の変化だけでなく、たとえば今回の調査でみられた「回答者の年齢の上昇に伴う回答傾向

の変化」が、個人の加齢によって起こっていくものなのか、世代の違いによって生じているものなの

かといった疑問についても、より明確になっていくことが期待されます。

※本ドキュメントは保険もしくはその他一切の金融商品の販売、勧誘を意図したものではありません。 また、本ドキュメントは具体的な特定の取引をご提案するものではなく、その実現性を保証するものでもありません。

※AIG総合研究所(以下「AIG」と呼びます。)は、本ドキュメントの利用あるいは利用の結果に関して、その正確性、精度、信頼性などについていかなる表明および保証も行うものではなく、その利用の結果については責任を負いません。 AIGは、本ドキュメントがいかなる場所においても適切であり利用可能であることを表明するものではありません。 AIGは、正確かつ最新の情報を本ドキュメントで提供するよう合理的な努力をしていますが、誤差・脱漏が生じる場合があります。

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AIG総研インサイト #06 2020年 5月

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参考資料1:調査票(抜粋)

(1) 下記のそれぞれの「リスク」について、あなたはどのくらい自分の生活において大きなリスクだと感じて

いますか?

【選択肢群】大きなリスクだと感じる やや大きなリスクだと感じる どちらでもない やや小さなリスクだと

感じる 小さなリスクだと感じる

① 地震(地震による津波を含む)

② 水害・風災(台風や豪雨による災害)

③ 火災(放火・失火・類焼)

④ 犯罪にあうこと(盗難・テロ・暴力事件等)

⑤ がん

⑥ 心疾患・脳卒中・感染症・その他の疾病

⑦ 交通事故等によるケガ

⑧ メンタルヘルス不調(うつや過労死など)

⑨ 自分や家族が要介護状態になること

⑩ 失業、家計の破綻、老後の生活費不足など

(2) 下記のそれぞれの「リスク」を頭の中でイメージしたとき、あなたはどれくらいの「恐怖」を感じますか?

【選択肢群】強い恐怖を感じる 恐怖を感じる どちらでもない あまり恐怖を感じない まったく恐怖を感

じない

※リスク項目は問(1)と同じ

(3) 下記のそれぞれの「リスク」の実態や詳細について、あなたは、報道その他の情報などを通じて、どの

くらいよく知っている(理解している)と感じていますか?

【選択肢群】とてもよく知っている よく知っている どちらでもない あまり知らない ほとんど知らない

※リスク項目は問(1)と同じ

(4) 下記のそれぞれの「リスク」について、友人や身近な人が実際に被害を経験したことがあるものにすべ

てチェックを入れてください。【複数回答】

① 地震(地震による津波を含む)

② 水害・風災(台風や豪雨による災害)

③ 火災(放火・失火・類焼)

④ 犯罪にあうこと(盗難・テロ・暴力事件等)

⑤ がん

⑥ 心疾患・脳卒中・感染症・その他の疾病

⑦ 交通事故等によるケガ

⑧ メンタルヘルス不調(うつや過労死など)

⑨ 自分や家族が要介護状態になること

⑩ 失業、家計の破綻、老後の生活費不足など

⑪ あてはまるものはない

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AIG総研インサイト #06 2020年 5月

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⑫ わからない・答えたくない

(5) 下記のそれぞれの「リスク」について、あなたは現在、どのような「備え」を講じていますか?あてはまる

ものすべて、もしくは「あてはまるものはない」にチェックしてください。【複数回答】

【選択肢群】【保険】保険を契約している

【事前策】リスクを減らす対策を講じている(防災・防犯・健康維持など)

【事後策】被害が発生したときのために備えている(避難訓練・防災グッズ・備蓄等)

あてはまるものはない

※リスク項目は問(1)と同じ

(6) さまざまなリスクについて、私たちの社会はどのような体制で対処していくべきでしょうか?下記のそれ

ぞれの「リスク」について、重要だと思う支援の体制をそれぞれ1つもしくは複数、お選びください。【複

数回答】

自助=本人や家族で備え、自らの力で被害回復する

共助=近所や友人間で備え、互いに助け合う

公助=政府や自治体が備え、救助・救済・支援に公費を投入する

【選択肢群】自助 共助 公助 わからない

※リスク項目は問(1)と同じ

(7) リスクやその備え全般に対する下記の意見について、あなたはどう思うか、それぞれお聞かせくださ

い。

【選択肢群】そう思う ややそう思う ややそう思わない そう思わない わからない

① 大きなメリットが得られる可能性があるなら、相応のリスクは積極的に受け入れる

② どんなにコストをかけても、リスクは限界までゼロに近づけるべきだ

③ 災害や病気のリスクや対策などについて、政府がいうことは信用できる

④ 災害や病気のリスクや対策などについて、専門家がいうことは信用できる

⑤ 災害や病気のリスクや対策などについて、TVや新聞の解説は信用できる

⑥ 災害や病気のリスクや対策などについて、SNSやネットの情報は信用できる

⑦ 犯罪や事故などの被害にあう人には、被害にあう理由や原因が何かしらあると思う

⑧ 社会福祉や弱者支援、セーフティネット整備に、政府はもっと税金を投じるべきだ

⑨ 私たちの社会をとりまく「リスク」は、最近、増えてきていると思う

⑩ 私たちの社会は、さまざまな「リスク」に対し、うまく対処していると思う

(8) あなたの身の回りの「リスク」、そのリスクへの「備え」、自助・共助・公助のバランスなどについて、感じ

ていることをご自由に記入ください。

(フリー回答)

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AIG総研インサイト #06 2020年 5月

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参考資料2:因子分析結果

※質問項目を3カテゴリ(A,B,C)に分け、それぞれにつき最尤法・プロマックス回転(Power=4)、

カイザーの基準化あり、反復回数 6~8回の因子分析を行ったもの。ました。先に全設問をまとめ

て分析したところ、質問カテゴリごとに因子が集約される傾向がきわめて強かったため、設問を

質問カテゴリごとに3つのグループに分けたうえでそれぞれ因子分析を実施することとした。

質問項目のカッコ内の番号については参考資料1の質問番号に対応している。

カテゴリ A:質問(1)~(4)

因子名恐怖を感じ

リスク知識

あり

災害・事故

リスク意識

疾病リスク

意識

リスク経験

あり

家計リスク

意識

項目 因子番号 Factor-A1 Factor-A2 Factor-A3 Factor-A4 Factor-A5 Factor-A6 共通性

因子寄与 9.674 7.484 7.223 5.168 3.977 3.761

信頼性α 0.931 0.942 0.874 0.897 0.744 0.836

q3s6 (2)-6 恐怖-その他疾病 0.844 0.020 -0.218 0.330 -0.022 -0.074 0.822

q3s7 (2)-7 恐怖-ケガ 0.799 0.004 0.025 0.030 -0.016 0.018 0.694

q3s5 (2)-5 恐怖-がん 0.796 -0.018 -0.197 0.379 -0.001 -0.115 0.789

q3s8 (2)-8 恐怖-メンタル 0.719 0.003 -0.067 -0.105 -0.056 0.328 0.629

q3s9 (2)-9 恐怖-介護 0.682 0.052 -0.145 -0.044 0.023 0.380 0.658

q3s4 (2)-4 恐怖-犯罪 0.673 0.011 0.245 -0.057 0.012 -0.010 0.673

q3s3 (2)-3 恐怖-火災 0.653 -0.023 0.366 -0.092 0.030 -0.076 0.745

q3s2 (2)-2 恐怖-風水害 0.622 -0.024 0.356 -0.181 0.017 -0.041 0.645

q3s10 (2)-10 恐怖-家計破綻 0.602 0.011 -0.047 -0.112 0.011 0.461 0.646

q3s1 (2)-1 恐怖-地震・津波 0.535 0.006 0.304 -0.021 0.050 -0.128 0.539

q4s3 (3)-3 既知-火災 -0.039 0.847 0.147 -0.027 -0.092 -0.087 0.719

q4s6 (3)-6 既知-その他疾病 0.033 0.837 -0.165 0.124 -0.010 0.003 0.707

q4s4 (3)-4 既知-犯罪 0.024 0.816 0.070 -0.016 -0.085 -0.068 0.657

q4s5 (3)-5 既知-がん 0.027 0.805 -0.102 0.133 0.042 -0.051 0.700

q4s7 (3)-7 既知-ケガ 0.020 0.798 -0.038 0.027 0.016 -0.022 0.645

q4s10 (3)-10 既知-家計破綻 0.027 0.780 -0.086 -0.059 0.007 0.179 0.624

q4s9 (3)-9 既知-介護 0.012 0.776 -0.080 -0.033 0.059 0.134 0.636

q4s2 (3)-2 既知-風水害 -0.103 0.767 0.244 -0.051 0.021 -0.134 0.688

q4s1 (3)-1 既知-地震・津波 -0.086 0.711 0.204 0.006 0.068 -0.133 0.625

q4s8 (3)-8 既知-メンタル 0.120 0.704 -0.132 -0.111 0.025 0.197 0.543

q2s3 (1)-3 大きさ-火災 -0.005 0.002 0.739 0.137 -0.022 0.154 0.689

q2s4 (1)-4 大きさ-犯罪 0.061 0.044 0.672 0.140 -0.058 0.184 0.689

q2s2 (1)-2 大きさ-風水害 0.071 -0.011 0.672 -0.011 0.020 0.112 0.555

q2s1 (1)-1 大きさ-地震・津波 -0.000 -0.010 0.621 0.101 0.065 0.039 0.471

q2s7 (1)-7 大きさ-ケガ 0.181 0.007 0.376 0.332 -0.059 0.208 0.619

q2s6 (1)-6 大きさ-その他疾病 0.134 0.019 0.199 0.683 -0.014 0.128 0.822

q2s5 (1)-5 大きさ-がん 0.199 -0.010 0.180 0.660 -0.003 0.073 0.791

q5c7 (4)-7 経験-ケガ 0.015 -0.063 0.070 -0.021 0.564 -0.015 0.315

q5c9 (4)-9 経験-介護 -0.048 0.025 -0.022 0.078 0.525 0.037 0.303

q5c6 (4)-6 経験-その他疾病 -0.045 0.039 -0.059 0.108 0.520 -0.025 0.297

q5c8 (4)-8 経験-メンタル 0.052 -0.058 -0.053 0.002 0.517 0.080 0.269

q5c5 (4)-5 経験-がん -0.026 -0.026 -0.015 0.192 0.473 -0.057 0.271

q5c10 (4)-10 経験-家計破綻 0.075 -0.036 -0.010 -0.040 0.472 0.090 0.240

q5c3 (4)-3 経験-火災 -0.015 0.027 0.021 -0.046 0.437 -0.023 0.193

q5c4 (4)-4 経験-犯罪 0.011 0.017 0.017 -0.075 0.414 0.056 0.180

q5c2 (4)-2 経験-風水害 -0.060 0.048 0.071 -0.091 0.414 0.010 0.187

q5c1 (4)-1 経験-地震・津波 0.002 0.073 0.037 -0.053 0.374 -0.052 0.162

q2s10 (1)-10 大きさ-家計破綻 0.165 -0.033 0.276 0.080 0.022 0.583 0.678

q2s9 (1)-9 大きさ-介護 0.166 -0.004 0.216 0.214 0.055 0.493 0.654

q2s8 (1)-8 大きさ-メンタル 0.324 -0.019 0.195 0.082 -0.024 0.445 0.591

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AIG総研インサイト #06 2020年 5月

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カテゴリ B:質問番号(5)~(6)

因子名自然災害

以外自助

事前策

実施

自然災

害共助

自然災害

以外公助

自然災

害公助

自然災害

以外共助

事後策

実施

自然災

害自助

医療系保

険契約

火災保

険契約

項目 因子番号 Factor-B1 Fac-B2 Fac-B3 Factor-B4 Fac-B5 Factor-B6 Fac-B7 Fac-B8 Factor-B9 Fac-B10 共通性

因子寄与 7.329 5.992 5.778 5.403 4.991 4.948 4.655 4.607 4.308 2.173

信頼性α 0.928 0.866 0.808 0.867 0.916 0.841 0.816 0.913 0.760 0.621

q7s6c1 (6)-6 その他疾病-自助 0.993 0.020 -0.005 -0.031 -0.032 -0.034 -0.023 -0.118 0.044 -0.063 0.873

q7s5c1 (6)-5 がん-自助 0.969 -0.010 0.001 -0.028 -0.011 -0.033 0.006 -0.115 0.061 -0.074 0.854

q7s7c1 (6)-7 ケガ-自助 0.813 0.005 -0.022 0.000 0.019 0.011 -0.013 0.012 -0.000 -0.002 0.672

q7s8c1 (6)-8 メンタル-自助 0.791 -0.001 -0.048 0.006 0.015 0.049 0.040 -0.006 -0.026 0.015 0.589

q7s10c1 (6)-10 家計破綻-自助 0.715 -0.036 -0.029 -0.040 0.058 0.054 0.049 0.070 -0.024 0.050 0.576

q7s9c1 (6)-9 介護-自助 0.694 -0.039 -0.004 -0.014 0.066 0.030 0.031 0.093 0.001 0.029 0.601

q7s4c1 (6)-4 犯罪-自助 0.537 0.032 0.021 0.045 -0.021 0.040 0.005 0.189 -0.089 0.054 0.425

q7s3c1 (6)-3 火災-自助 0.494 0.018 0.016 -0.027 0.033 -0.002 -0.034 0.365 -0.044 0.053 0.575

q6s6c2 (5)-6 その他疾病-事前策 0.019 0.801 0.001 0.010 0.002 -0.042 -0.062 0.003 -0.171 0.083 0.563

q6s5c2 (5)-5 がん-事前策 0.038 0.800 -0.024 0.005 -0.027 -0.021 -0.073 -0.001 -0.138 0.065 0.552

q6s9c2 (5)-9 介護-事前策 -0.018 0.689 0.006 -0.015 -0.011 -0.026 0.038 -0.031 -0.044 0.141 0.467

q6s7c2 (5)-7 ケガ-事前策 -0.061 0.682 -0.026 0.045 0.010 0.035 -0.009 -0.015 -0.040 0.024 0.466

q6s10c2 (5)-10 家計破綻-事前策 -0.004 0.666 -0.025 -0.060 0.084 0.004 -0.041 -0.038 -0.015 0.094 0.403

q6s8c2 (5)-8 メンタル-事前策 0.018 0.656 -0.055 0.018 -0.012 0.083 -0.056 -0.075 0.011 0.035 0.410

q6s4c2 (5)-4 犯罪-事前策 0.056 0.629 -0.044 0.009 0.004 0.051 -0.073 -0.042 0.023 -0.004 0.374

q6s3c2 (5)-3 火災-事前策 -0.050 0.517 0.021 0.012 -0.040 0.037 0.034 0.020 0.121 -0.150 0.373

q6s2c2 (5)-2 風水害-事前策 -0.023 0.451 0.045 -0.032 -0.040 -0.030 0.104 0.040 0.118 -0.073 0.305

q6s1c2 (5)-1 地震・津波-事前策 -0.093 0.396 0.070 -0.071 0.025 -0.022 0.147 0.073 0.134 -0.104 0.309

q7s2c2 (6)-2 風水害-共助 -0.011 -0.034 0.940 0.036 -0.111 0.014 0.037 -0.003 -0.062 0.059 0.776

q7s1c2 (6)-1 地震・津波-共助 -0.044 -0.034 0.924 0.004 -0.051 0.052 0.011 0.038 -0.076 0.038 0.783

q7s3c2 (6)-3 火災-共助 0.055 0.028 0.423 0.000 0.084 0.239 -0.002 -0.065 -0.011 0.054 0.365

q7s6c3 (6)-6 その他疾病-公助 0.045 0.008 -0.047 0.945 -0.183 -0.033 0.060 -0.045 -0.052 0.021 0.758

q7s5c3 (6)-5 がん-公助 0.013 -0.011 -0.062 0.929 -0.164 -0.010 0.037 -0.029 -0.012 0.054 0.735

q7s8c3 (6)-8 メンタル-公助 -0.031 -0.006 0.009 0.644 0.058 0.030 -0.046 0.020 0.034 0.002 0.465

q7s7c3 (6)-7 ケガ-公助 -0.038 0.002 0.019 0.617 0.010 0.063 -0.027 0.013 0.037 -0.012 0.428

q7s9c3 (6)-9 介護-公助 -0.044 0.010 0.072 0.487 0.272 -0.036 -0.068 0.076 0.005 0.000 0.459

q7s10c3 (6)-10 家計破綻-公助 0.001 0.035 0.090 0.467 0.214 0.040 -0.111 -0.009 0.005 -0.056 0.424

q7s3c3 (6)-3 火災-公助 -0.077 -0.091 -0.002 0.420 0.265 0.038 0.117 0.071 0.002 -0.024 0.355

q7s4c3 (6)-4 犯罪-公助 0.018 0.020 0.058 0.390 0.206 0.006 -0.034 0.050 0.056 -0.045 0.342

q7s2c3 (6)-2 風水害-公助 0.047 0.015 -0.089 0.122 0.908 0.008 0.013 -0.056 -0.025 0.011 0.865

q7s1c3 (6)-1 地震・津波-公助 0.105 -0.004 -0.052 0.159 0.834 -0.023 0.051 -0.057 -0.057 0.039 0.818

q7s6c2 (6)-6 その他疾病-共助 -0.063 -0.012 -0.123 -0.020 0.045 0.870 0.011 0.084 0.016 0.006 0.720

q7s5c2 (6)-5 がん-共助 -0.088 0.002 -0.090 -0.066 0.033 0.845 0.035 0.063 0.008 0.015 0.679

q7s7c2 (6)-7 ケガ-共助 0.011 -0.015 0.027 0.039 0.023 0.621 0.033 -0.037 0.036 0.017 0.429

q7s10c2 (6)-10 家計破綻-共助 0.104 -0.024 0.057 0.060 -0.104 0.595 -0.006 -0.063 0.075 -0.055 0.395

q7s8c2 (6)-8 メンタル-共助 0.062 0.054 0.079 0.075 0.001 0.556 -0.054 -0.057 0.012 -0.062 0.399

q7s9c2 (6)-9 介護-共助 0.109 0.033 0.167 0.034 -0.067 0.516 -0.056 -0.048 0.046 -0.063 0.380

q7s4c2 (6)-4 犯罪-共助 0.072 0.079 0.219 -0.014 0.042 0.375 0.021 -0.017 -0.001 -0.011 0.320

q6s5c3 (5)-5 がん-事後策 0.006 -0.068 0.007 -0.017 -0.009 0.017 0.726 0.029 -0.049 0.033 0.484

q6s6c3 (5)-6 その他疾病-事後策 0.030 -0.053 0.011 -0.013 0.009 0.006 0.721 -0.036 -0.059 0.042 0.464

q6s7c3 (5)-7 ケガ-事後策 -0.040 -0.011 0.023 -0.006 -0.013 0.013 0.711 -0.015 -0.044 0.035 0.497

q6s8c3 (5)-8 メンタル-事後策 -0.016 -0.011 -0.003 -0.020 0.057 0.027 0.684 -0.040 -0.072 0.091 0.440

q6s9c3 (5)-9 介護-事後策 0.017 -0.050 -0.006 0.002 0.069 -0.016 0.672 -0.040 -0.003 0.035 0.407

q6s10c3 (5)-10 家計破綻-事後策 0.061 -0.010 0.058 0.034 -0.027 -0.088 0.601 -0.039 -0.005 0.022 0.336

q6s4c3 (5)-4 犯罪-事後策 0.022 0.029 -0.025 -0.041 0.017 0.065 0.527 -0.032 0.035 -0.050 0.315

q6s3c3 (5)-3 火災-事後策 0.000 0.113 0.007 0.060 -0.039 -0.027 0.327 0.038 0.153 -0.191 0.259

q7s2c1 (6)-2 風水害-自助 0.164 -0.052 -0.002 0.010 -0.045 -0.005 -0.031 0.872 -0.033 0.031 0.862

q7s1c1 (6)-1 地震・津波-自助 0.155 -0.031 0.018 0.052 -0.073 -0.024 -0.071 0.827 0.007 0.020 0.810

q6s6c1 (5)-6 その他疾病-保険 -0.038 -0.095 0.002 0.006 -0.009 -0.006 -0.128 -0.023 0.840 0.071 0.669

q6s5c1 (5)-5 がん-保険 -0.036 -0.109 0.041 -0.007 0.025 -0.022 -0.083 -0.067 0.818 0.074 0.651

q6s7c1 (5)-7 ケガ-保険 0.038 -0.030 0.023 0.008 0.043 -0.046 -0.097 -0.018 0.578 0.183 0.440

q6s9c1 (5)-9 介護-保険 0.042 0.060 -0.116 -0.012 -0.063 0.124 0.047 0.006 0.463 0.049 0.249

q6s10c1 (5)-10 家計破綻-保険 -0.024 0.010 -0.130 0.029 -0.047 0.132 0.081 0.061 0.392 0.004 0.187

q6s8c1 (5)-8 メンタル-保険 0.005 0.044 -0.113 0.049 -0.106 0.091 0.136 0.019 0.368 0.086 0.207

q6s2c1 (5)-2 風水害-保険 -0.024 0.077 0.029 0.008 0.022 -0.031 0.052 0.034 0.170 0.719 0.610

q6s1c1 (5)-1 地震・津波-保険 0.003 0.104 0.089 -0.008 0.009 -0.033 0.043 0.049 0.169 0.654 0.552

q6s3c1 (5)-3 火災-保険 0.166 0.022 0.068 -0.002 0.087 -0.099 0.033 -0.022 0.201 0.538 0.498

q6s2c3 (5)-2 風水害-事後策 0.037 0.235 0.077 0.022 0.044 -0.120 0.200 0.062 0.157 -0.296 0.325

q6s4c1 (5)-4 犯罪-保険 -0.045 0.091 -0.053 -0.003 -0.085 0.008 0.156 0.063 0.239 0.288 0.225

q6s1c3 (5)-1 地震・津波-事後策 0.047 0.184 0.038 0.036 0.069 -0.104 0.103 0.140 0.191 -0.285 0.283

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AIG総研インサイト #06 2020年 5月

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カテゴリ C:質問番号(7)

因子名政府・メディ

ア信頼

リスク意識

大きい政府

志向

項目 因子番号 Factor-C1 Factor-C2 Factor-C3 共通性

因子寄与 2.730 2.687 1.033

信頼性α 0.803 0.689 0.613

q8s4 (7)-4 -専門家を信用 0.884 -0.129 0.074 0.658

q8s5 (7)-5 -マスコミを信用 0.726 0.042 0.073 0.594

q8s3 (7)-3 -政府を信用 0.537 0.307 -0.161 0.608

q8s10 (7)-10 -リスク対処を評価 0.066 0.613 -0.129 0.436

q8s7 (7)-7 -被害には原因あり -0.117 0.613 0.093 0.304

q8s6 (7)-6 -ネット情報を信用 0.163 0.542 -0.033 0.442

q8s1 (7)-1 -リスクテイク志向 -0.053 0.507 0.127 0.249

q8s2 (7)-2 -ゼロリスク志向 0.065 0.407 0.105 0.230

q8s9 (7)-9 -リスク増加を意識 0.051 -0.030 0.681 0.472

q8s8 (7)-8 -大きな政府志向 0.021 0.149 0.621 0.436

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AIG総研インサイト #06 2020年 5月

24

参考資料3:クラスタ分析結果

※各回答者の因子得点を対象として、マハラノビス距離(尤度)による k-means法 (異質分散)によ

る非階層型クラスタ分析を行った(因子数 19、サンプル数 1,361)。

それぞれクラスタ数を変えて AIC、BICを評価した結果は下図のとおり。

概ねクラスタ数 9 で AIC、BIC の最適化が達成され、またクラスタ数をさらに削減する場合の目安

としてはクラスタ数 5 程度が示唆される。しかしながらクラスタ数 5 での分析結果をみると、所属回

答者数の最も少ない 2 クラスタの特徴が似通っており、ナラティブな区別が困難であった。次にクラ

スタ数 4 での分析を行ったところ、当該 2 クラスタが統合され、すっきりとした解釈が可能となった

ため、本稿ではクラスタ数 4での分析を採用することとした。

クラスタ数 4および 5でのクラスタ分析結果:各クラスタの特徴(因子の標準化得点、並び順は所属サンプル数降順)

45000

50000

55000

60000

65000

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16

AIC/BIC

クラスタ数

AIC

BIC

Factor

-A1

Factor

-A3

Factor

-A4

Factor

-A6

Factor

-A2

Factor

-A5

Factor

-B5

Factor

-B3

Factor

-B8

Factor

-B4

Factor

-B6

Factor

-B1

Factor

-B10

Factor

-B9

Factor

-B2

Factor

-B7

Factor

-C2

Factor

-C1

Factor

-C3

Org

No

恐怖を感じ

災害・事故

リスク意識

疾病リスク

意識

家計リスク

意識

リスク知識

あり

リスク経験

あり

自然災害公

自然災害共

自然災害自

自然災害以

外公助

自然災害以

外共助

自然災害以

外自助

火災保険契

医療系保険

契約

事前策実施

事後策実施

リスク意識

政府・メディ

ア信頼

大きい政府

志向

クラスタNo.

リスク全般への備え -0.04 -0.04 -0.08 0.00 0.03 -0.02 -0.22 -0.07 -0.24 0.20 0.39 -0.48 -0.13 -0.10 0.42 0.49 0.21 0.14 -0.04 1

保険で自助 -0.02 -0.01 0.06 -0.12 0.01 -0.04 0.01 -0.27 -0.23 -0.54 -0.51 0.55 0.18 0.12 -0.41 -0.41 -0.10 -0.07 0.09 4

災害意識 0.15 0.29 0.23 0.18 0.25 0.49 0.94 1.19 1.21 0.74 0.50 0.90 0.05 0.48 0.41 0.07 -0.12 -0.02 0.42 2

受動諦念 -0.09 -0.36 -0.32 -0.03 -0.54 -0.69 -1.04 -1.20 -0.89 -0.47 -0.64 -1.59 -0.18 -0.84 -0.79 -0.40 -0.09 -0.17 -0.82 3

  因子名

クラスタ名

Factor

-A1

Factor

-A3

Factor

-A4

Factor

-A6

Factor

-A2

Factor

-A5

Factor

-B5

Factor

-B3

Factor

-B8

Factor

-B4

Factor

-B6

Factor

-B1

Factor

-B10

Factor

-B9

Factor

-B2

Factor

-B7

Factor

-C2

Factor

-C1

Factor

-C3

Org

No

恐怖を感じ

災害・事故

リスク意識

疾病リスク

意識

家計リスク

意識

リスク知識

あり

リスク経験

あり

自然災害公

自然災害共

自然災害自

自然災害以

外公助

自然災害以

外共助

自然災害以

外自助

火災保険契

医療系保険

契約

事前策実施

事後策実施

リスク意識

政府・メディ

ア信頼

大きい政府

志向

クラスタNo.

リスク全般への備え -0.09 -0.08 -0.07 0.00 0.09 0.02 -0.23 -0.01 -0.26 0.17 0.58 -0.45 -0.19 -0.08 0.62 0.67 0.26 0.19 -0.06 4

保険で自助 0.37 0.38 0.37 0.21 0.33 0.20 0.02 -0.17 -0.19 -0.54 -0.49 0.57 0.24 0.31 -0.24 -0.35 0.07 0.11 0.33 1

災害意識 0.15 0.30 0.22 0.17 0.27 0.49 0.94 1.19 1.21 0.75 0.52 0.90 0.06 0.49 0.42 0.08 -0.10 -0.01 0.42 2

平静? -0.45 -0.51 -0.44 -0.47 -0.62 -0.47 -0.09 -0.53 -0.34 -0.01 -0.52 -0.26 0.02 -0.36 -0.70 -0.44 -0.33 -0.35 -0.34 5

受動諦念? -0.14 -0.42 -0.34 -0.01 -0.51 -0.75 -1.31 -1.25 -0.90 -0.84 -0.66 -1.61 -0.21 -0.92 -0.81 -0.40 -0.07 -0.16 -0.91 3

  因子名

クラスタ名