リレーエッセイ 21 12産業技術総合研究所四国センター 利便性向上施設...

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http://www.kagawa-isf.jp 12 【トップニュース】 TOP NEWS 香川県産の農水産物を活用した 機能性食品開発の取り組み 【かがわ発!元気創出企業】 COMPANY REPORT 「モノづくり」の 真ん中には、 いつも人がいる。 オリエンタルモーター株式会社 かがわ 21 2012 vol.46 健康関連製品開発の 展開と香川地域企業の 可能性 December

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  • 産業技術総合研究所四国センター

    利便性向上施設(駐車場)

    香川大学工学部

    県立図書館・文書館

    サンメッセ香川

    (公財)かがわ産業支援財団(総務部、企業振興部)香川産業頭脳化センタービル1階・2階

    (公財)かがわ産業支援財団(地域共同研究部)RISTかがわ

    サンシャイン通り

    (公財)かがわ産業支援財団(技術振興部)FROM香川

    (公財)かがわ産業支援財団(総務部)ネクスト香川

    http://www.kagawa-isf.jp

    田尾 龍治プロジェクトディレクター

    12【トップニュース】 TOP NEWS

    香川県産の農水産物を活用した機能性食品開発の取り組み

    【かがわ発!元気創出企業】COMPANY REPORT

    「モノづくり」の真ん中には、いつも人がいる。オリエンタルモーター株式会社

    屋島寺

    栗林公園

    屋島

    ●田村神社

    三郎池

    久米池

    屋島木太町

    春日川

    沖松島

    今橋

    高松 高松築港

    至瀬戸大橋・坂出

    片原町

    瓦町

    花園

    栗林公園

    栗林公園北口

    林道

    木太東口

    元山

    高田

    三条

    太田

    仏生山一宮

    円座

    岡本

    高松西I.C

    高松檀紙I.C

    さぬき三木I.C

    高松東I.C

    高松中央I.C

    鬼無

    香西

    栗林

    昭和町 松島二丁目

    古高松潟元 屋島

    西前田

    香川インテリジェントパーク

    水田

    県道高松丸亀線 JR予讃線

    国道32号

    国道11号国道11号さぬき夢街道

    四国横断自動車道

    四国横断自動車道

    ことでん琴平線

    国道11号ことでん志度線

    JR高徳線

    高松港

    至徳島

    至徳島至琴平

    高松空港

    至塩江

    国道193

    国道193号(

    空港通り)

    ことでん長尾線

    県道三木国分寺線

    至長尾

    県道高松長尾大内線

    さぬき浜街道

    Kagawa Intelligent Park

    空港通り

    ●JR高松駅より、 車で約25分(約9km) 定期路線バスで約30分 [サンメッセ・川島・西植田線 サンメッセ香川 下車]●高松中央インターチェンジより、車で約2分(約1km)●高松空港より、車で約25分(約12km)

    交通アクセス

    Access Map

    KagawaIntelligent

    Park

    かがわ 212012vol.46経営者の皆さんに、危機意識を持ってもらうための比喩として、『ゆでガエル』の寓話が使われる。この喩えで伝えたいことは、現状に満足して環境変化に対応できないと、“どえりゃぁーことになるぞ”(名古屋弁で、大変な事態になること)、である。さて、カエルがゆであがる湯温はどれくらいか、ご存知ですか。私は、これまで“ちんちん”(名古屋弁で、火傷するくらいの熱さ)になったときにゆだると思っていた。ところが実際は、意外と低いのである。『ゆでガエル』の寓話を調べてみると、“煮立った湯の中にカエルを入れたら、カエルは瞬時に外へ飛び出す。だが室温の水の中にカエルを入れ、そっとしておくと、じっとしたままだ。温度をじわじわ上げていくと、非常に興味深いことが起こる。温度が21℃から27℃に上がっても、カエルには何の変化も起こらない。しかし、さらに温度が上がると、カエルは意識がもうろうとして、ついには鍋から脱出できなくなる” 『̶学習する組織』(ピーター M センゲ)より引用。ここから、私のこじつけ理論にお付き合いください。カエルが気持ちよく湯につかっていた温度、21℃から27℃、これを平成21年度から27年度に置き換えて、話を進めます。忘れもしないリーマンショックは、平成20年の秋のことでした。確かにあれは、熱湯のような出来事でした。ビックリした私たちカエルは、瞬間的に右往左往した。ところが、現時点の平成24年において、私たちは個人として企業として『ゆでガエル』とならないように、意識して行動できているだろうか。まさか、のんきにぬるま湯につかっているのではないか。いま、21℃(平成21年度)のぬるま湯から跳び出たカエルとの差は、大きく開いている。それを悔やんだり妬んだりしても、意味がない。中期3年後(平成27年度)に目を向ければ、多くの課題と、求められるスピードが具体的になってくる。これは、私自身においても、まったく同じ状況であり、ゆであがるまえに心技体ともカエル(変える)ことを心がけている。最後に、2つ付け加えておきます。一つは、さらに寓話『裸の王様』を合わせた『裸のゆでガエル』の事例が余りにも多いこと。2つ目は、ぬるま湯をでたカエルが必ずしも生き延びるとは限らないということ。実社会では、跳び出して次に入った鍋がもっと熱いこともあるのです。皆様、矛と盾をうまく使い分けて、チャレンジング&セーフティーで。

    リレーエッセイ

    「カエルは、何℃でゆだる?」

    (名古屋在住)村田芳信

    発注開拓コーディネーター

    印刷:香川印刷株式会社この印刷製品はグリーン基準に適合した印刷資材を使用し、グリーンプリンティング認定工場が印刷した環境配慮製品です。http://www.kagawa-isf.jp

    2012年12月 vol.46 発行(年4回発行)かがわ 21

    ●総務部総務課TEL(087)840-0348 FAX(087)869-3710企画情報課TEL(087)868-9901 FAX(087)869-3710ファンド事業推進課TEL(087)868-9903 FAX(087)869-3710施設管理課(1階)TEL(087)869-3700 FAX(087)869-3703ネクスト香川(施設管理課・EMC試験施設受付)〒761-0301 香川県高松市林町2217番地44TEL(087)864-5311 FAX(087)864-5331

    ●企業振興部企業支援課・海外展開支援室TEL(087)840-0391 FAX(087)869-3710取引支援課TEL(087)868-9904 FAX(087)869-3710

    ●技術振興部産学官連携推進課・健康産業プロジェクトチームTEL(087)840-0338 FAX(087)864-6303〒761-0301 香川県高松市林町2217番地16FROM香川1階FROM香川TEL(087)840-0338 FAX(087)864-6303

    ●地域共同研究部研究管理課・研究開発課〒761-0301 香川県高松市林町2217番地43RISTかがわ1階TEL(087)869-3440 FAX(087)869-3441

    〒761-0301 香川県高松市林町2217番地15香川産業頭脳化センター1階・2階

    健康関連製品開発の展開と香川地域企業の可能性

    December

  • TOPNEWS

    T O P N E W S

    K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21 2

    C o n t e n t s 2012年12月 vol.46 発行(年4回発行)トップニュース香川県産の農水産物を活用した機能性食品開発の取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1健康関連製品開発の展開と香川地域企業の可能性 ・・・・・ 3財団からのお知らせファンド事業成果発表会を開催しました!! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5希少糖含有シロップ(レアシュガースウィート)を使った商品が続々…、発売! ・・・・・ 6かがわ健康関連製品開発フォーラム第1回セミナーを開催しました ・・・・・・・・・・・・・・・ 6食品商談会を開催 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7兵庫県内の先進企業を見学しました~ かがわ産業振興クラブ ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8ラオス国からうちわの研修に来ました!~ FUNFAN実行委員会 ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8製造業の皆様へ 平成24年 工業統計調査のお知らせ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8「香川県新技術・新工法展示商談会」 in TOYOTAを開催しました~ 香川のものづくり企業の新技術・新工法をトヨタ自動車㈱に直接アピール ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

    香川で初の新型マイクロEVプロジェクトを発表!~ 第4回次世代自動車関連技術開発研究会を開催 ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10平成24年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)に採択~ 財団と㈱レクザムが半導体製造に使用する高性能真空ロボットを開発 ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10かがわのものづくり企業10社が、新製品・技術を関西の製造業者にアピールしました!~ 第15回関西機械要素技術展の出展成果 ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11デザイナーズ・フリーマーケット、ブランディングセミナーを開催しました ・・・・・・・・・・・・・・ 11インドビジネス連続セミナー&個別相談会を開催 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12来たれ!!起業家「かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ2012」「かがわ発! 先進的ビジネスモデル2012」~ かがわを元気にするビジネスモデル・チャレンジコンペを開催します!! ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

    かがわ発!元気創出企業「モノづくり」の真ん中には、いつも人がいる。 オリエンタルモーター株式会社 ・・・・・・ 13

    K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 211

    21

    香川県産の農水産物を活用した機能性食品開発の取り組み機能性食品とは、生体調整機能(免疫、分泌、神経、循環、消化)を充分に発現できるよう設計加工された食品です。栄養やおいしさが満たされた飽食の現代、消費者の関心は食物やその食べ方を通して生活習慣病などの病気予防に移ってきており、食品産業界では機能性食品の商品開発が盛んに行われるようになっています。

     主として非可食部位、非出荷品などの未利用バイオマスを原料として、柑橘果皮、オリーブ圧搾滓、米糠、金時人参、ニンニク、ワカメ、オカラから、機能性成分を含有する素材の回収を目的として、超臨界抽出、マイクロ波抽出、水熱抽出の効果を検証しました。検証の結果、抗酸化性を有する成分が抽出可能であることが分かりました。抽出法としては、超臨界抽出法は、脂溶性の機能性成分の抽出に適しており、原料からの成分の抽出効率は低いが抗酸化性が高い素材が得られ、機能性成分によっては、有機溶剤を使用しない二酸化炭素のみによる抽出が可能でした。マイクロ波抽出法は、水及びエタノールに可溶な機能性成分の抽出に適しており、かつ、一般的な溶媒抽出法に比べて短時間で機能性成分の含有率が高い素材を得ることができました。水熱抽出法は、水溶性の機能性成分の抽出を目的として、水熱分解によって効率的に抗酸化性の高い成分を含有する水溶液を得ることができました。

     平成24年9月24日(月)、サンポートホール高松で開催したシンポジウムでは、各研究員が機能性成分の抽出技術と機能性評価について、研究成果の発表を行いました。このほか、香川大学農学部田村啓敏教授の基調講演並びに県内企業の(有)井上誠耕園園主井上智博氏及び(株)イヅツみそ代表取締役久保將人氏から機能性に着目した新製品の開発について事例を発表していただきました。県内の食品企業や大学試験研究機関等から100名を超す出席者があり、熱心にメモを取りながら聴講するなど盛況のシンポジウムとなりました。

    基調講演 「香川の農産物の活用と健康食品開発の試み」 香川大学農学部の田村啓敏教授は、予防医学の観点から香川の農産物の機能性と高付加価値商品(機能性食品)開発の可能性につき、携わった研究課題の実例を挙げ、講演されました。瀬戸内の食材には多くの諸機能が知られており、香川の食材として、オリーブ(抗酸化作用等)、ブロッコリー及びヤーコン(発がん抑制成分)が紹介され、特に、抗発ガンプロモーター物質について出席者から興味が示されるなど機能性食品開発に多くの示唆を与える講演でありました。事例発表1 「柑橘オリーブの開発秘話とそれを利用した

    商品展開について」 オリーブオイル製品と柑橘の生絞りジュースが主力商品である(有)井上誠耕園の井上智博園主は、名前の由来「自然と大地の恵みに感謝を込めて、誠意を持って大地を耕す園でありたい」並びに企業理念「健康増進のこだわり」「自然環境との調和」「実感できる商品の提供」のもと、「柑橘オリーブ開発」のきっかけ、かがわ産業支援財団のサポート、10年に及ぶ試行錯誤と紆余曲折の結果、商品化に到達した経緯などを分かりやすく紹介されました。事例発表2 「大豆煮汁成分の有効利用に関する取り組み」 (株)イヅツみその久保將人代表取締役からは、大豆加工食品の製造現場で発生する大豆煮汁の有効利用について発表がありました。この煮汁は有用な大豆由来成分を多く含むが、活用されることなく廃水処理されている。新たな煮汁濃縮乾燥法の確立により、大豆由来成分の分離回収が可能になり、多様な商品への活用が可能になったとの話しがありました。

     財団ではこれまでの研究の成果をもとに、今後、具体的な取り組みに移行することしており、香川県産の農水産物を原料とした機能性食品のビジネスプランを策定した後、原料素材の確保の見通しを立てるとともに、目的とする機能性成分と適切な抽出法の決定、最適な抽出要件の確立、機能性食品等への利用方法の検討など、試作品の製造にいたる計画的な取り組みを開始することとしています。 シンポジウムの感想等について尋ねたアンケートの中でどのような分野の製品開発に取り組みたいかの質問では58人の参加者から回答があり、54人の方が食品分野に取り組みたいとの回答でした。  財団では、機能性食品を開発される県内企業の皆様の取り組みを積極的にサポートして参りたいと考えておりますので、共同研究や受託研究で機能性食品の開発に取り組む予定や関心のある方は是非ご連絡をお待ちしております。

    研究開発の概要

     研究開発の概要は図-2に示したように、香川の安全・安心な食品素材(農水産物)を活用した機能性食品の開発を目的として、農水産物の加工工程から発生する未利用資源や規格外農水産物の有効利用を中心に検討を行いました。未利用資源として柑橘果皮、オリーブ圧搾滓、米糠、金時人参、ニンニク、ワカメ、オカラの7つの素材を対象として、超臨界、マイクロ波抽出、水熱抽出、溶媒抽出の抽出技術を比較検討することにより、機能性成分の性状に合わせた抽出技術を選定しました。そして、香川県産業技術センターとの共同研究により、抽出物の抗酸化性を評価しました。

    これまでの研究成果の概要

    今後の取り組み

    香川の地域資源を活用した機能性食品開発シンポジウム(第1回)の開催

     かがわ産業支援財団地域共同研究部では、これまで高温高圧流体技術やマイクロ波応用技術を活用して、機能性食品等に係る県内企業の研究開発や商品開発の取り組みを支援してきました。そして、さらに一層県内企業の取り組みを支援する必要があると考え、平成23年度から、図-1に示した機能性食品開発支援事業を開始し、高温高圧流体やマイクロ波技術を活用して、香川県産業技術センターとともに、県産農水産物に含まれる機能性成分の利用に関する調査研究に着手しました。

    シンポジウムでの田村教授の基調講演

    図-1

    図-2

    •高血圧防止食品•糖尿病防止食品•先天性代謝異常障害防止食品•抗腫瘍食品

    •中枢神経系調整食品•末梢神経系調整食品•摂取機能調整食品•吸収機能調整食品

    •コレステロール制御食品•血小板凝固防止食品•造血機能調整食品

    •アレルギー低減化食品•免疫賦活食品•リンパ系刺激食品

    生体防御

    疾病の防止

    疾病の回復

    体調リズムの調整

    老化抑制

    機能性食品

    •過酸化脂質生成抑制食品

    機能性食品開発支援事業の取り組み

    機能性食品開発支援事業

    ◎未利用資源の有効活用◎“次世代ものづくり産業振興プラン”の重点支援産業◎技術支援のニーズが最も多い産業分野

    生体調整機能 対象となる食品の例

    平成23年度 平成24年度 平成25年度

    食品企業

    ●食品加工技術

    事業化支援の専門家

    ●高温高圧流体技術

     (超臨界抽出、水熱分解など)

    ●マイクロ波技術 (マイクロ波抽出・乾燥など)

    地域共同研究部

    ●対象素材(米糠、おから、柑橘果皮、オリーブ圧搾粕、金時人参、ニンニク、ワカメ等)

    ●成分の抽出・分析(フィチン酸、イソフラボン、リモネン、オレウロペイン、リコピン、アリシン、フコキサンチン等)

    ●機能性の評価

    ●開発準備

    ●商品化

    ●新規機能性食品素材開発

    ●新規機能性食品開発のための共同研究

    共同研究開発

    ●新規機能性食品開発のための共同研究

    データ提供

    データ提供

    ●製造設備の整備指導●工業規模の製造技術指導●販売戦略指導

    オリーブ(オレウロペイン、ヒドロキシチロソール)

    米糠(フィチン酸)

    金時人参(リコピン)

    柑橘果皮

    (         )リモネン、ヘスペリジンヘスペレチン

    おから(ダイゼイン、ゲニスチン)

    ニンニク(アリイン、アリシン)

    ワカメ(フコキサンチン)

    ●高温高圧流体技術 (超臨界抽出、水熱分解など)●マイクロ波技術 (マイクロ波抽出・乾燥など)

    ●機能性評価試験 (抗酸化性)

    機能性食品(カロテノイド、ビタミン、植物ステロール)

    香料・医薬品(フラボノイド、油脂、薬用成分)

    化粧品(テルペノイド/テルペン、

    芳香族エステル)

    高付加価値素材として有効活用を

    お 問 い合わせ先

    公益財団法人かがわ産業支援財団地域共同研究部TEL.087-869-3440 FAX.087-869-3441

    ●新規機能性食品開発の企業への提案

  • TOPNEWS

    T O P N E W S

    K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21 2

    C o n t e n t s 2012年12月 vol.46 発行(年4回発行)トップニュース香川県産の農水産物を活用した機能性食品開発の取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1健康関連製品開発の展開と香川地域企業の可能性 ・・・・・ 3財団からのお知らせファンド事業成果発表会を開催しました!! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5希少糖含有シロップ(レアシュガースウィート)を使った商品が続々…、発売! ・・・・・ 6かがわ健康関連製品開発フォーラム第1回セミナーを開催しました ・・・・・・・・・・・・・・・ 6食品商談会を開催 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7兵庫県内の先進企業を見学しました~ かがわ産業振興クラブ ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8ラオス国からうちわの研修に来ました!~ FUNFAN実行委員会 ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8製造業の皆様へ 平成24年 工業統計調査のお知らせ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8「香川県新技術・新工法展示商談会」 in TOYOTAを開催しました~ 香川のものづくり企業の新技術・新工法をトヨタ自動車㈱に直接アピール ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

    香川で初の新型マイクロEVプロジェクトを発表!~ 第4回次世代自動車関連技術開発研究会を開催 ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10平成24年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)に採択~ 財団と㈱レクザムが半導体製造に使用する高性能真空ロボットを開発 ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10かがわのものづくり企業10社が、新製品・技術を関西の製造業者にアピールしました!~ 第15回関西機械要素技術展の出展成果 ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11デザイナーズ・フリーマーケット、ブランディングセミナーを開催しました ・・・・・・・・・・・・・・ 11インドビジネス連続セミナー&個別相談会を開催 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12来たれ!!起業家「かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ2012」「かがわ発! 先進的ビジネスモデル2012」~ かがわを元気にするビジネスモデル・チャレンジコンペを開催します!! ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

    かがわ発!元気創出企業「モノづくり」の真ん中には、いつも人がいる。 オリエンタルモーター株式会社 ・・・・・・ 13

    K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 211

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    香川県産の農水産物を活用した機能性食品開発の取り組み機能性食品とは、生体調整機能(免疫、分泌、神経、循環、消化)を充分に発現できるよう設計加工された食品です。栄養やおいしさが満たされた飽食の現代、消費者の関心は食物やその食べ方を通して生活習慣病などの病気予防に移ってきており、食品産業界では機能性食品の商品開発が盛んに行われるようになっています。

     主として非可食部位、非出荷品などの未利用バイオマスを原料として、柑橘果皮、オリーブ圧搾滓、米糠、金時人参、ニンニク、ワカメ、オカラから、機能性成分を含有する素材の回収を目的として、超臨界抽出、マイクロ波抽出、水熱抽出の効果を検証しました。検証の結果、抗酸化性を有する成分が抽出可能であることが分かりました。抽出法としては、超臨界抽出法は、脂溶性の機能性成分の抽出に適しており、原料からの成分の抽出効率は低いが抗酸化性が高い素材が得られ、機能性成分によっては、有機溶剤を使用しない二酸化炭素のみによる抽出が可能でした。マイクロ波抽出法は、水及びエタノールに可溶な機能性成分の抽出に適しており、かつ、一般的な溶媒抽出法に比べて短時間で機能性成分の含有率が高い素材を得ることができました。水熱抽出法は、水溶性の機能性成分の抽出を目的として、水熱分解によって効率的に抗酸化性の高い成分を含有する水溶液を得ることができました。

     平成24年9月24日(月)、サンポートホール高松で開催したシンポジウムでは、各研究員が機能性成分の抽出技術と機能性評価について、研究成果の発表を行いました。このほか、香川大学農学部田村啓敏教授の基調講演並びに県内企業の(有)井上誠耕園園主井上智博氏及び(株)イヅツみそ代表取締役久保將人氏から機能性に着目した新製品の開発について事例を発表していただきました。県内の食品企業や大学試験研究機関等から100名を超す出席者があり、熱心にメモを取りながら聴講するなど盛況のシンポジウムとなりました。

    基調講演 「香川の農産物の活用と健康食品開発の試み」 香川大学農学部の田村啓敏教授は、予防医学の観点から香川の農産物の機能性と高付加価値商品(機能性食品)開発の可能性につき、携わった研究課題の実例を挙げ、講演されました。瀬戸内の食材には多くの諸機能が知られており、香川の食材として、オリーブ(抗酸化作用等)、ブロッコリー及びヤーコン(発がん抑制成分)が紹介され、特に、抗発ガンプロモーター物質について出席者から興味が示されるなど機能性食品開発に多くの示唆を与える講演でありました。事例発表1 「柑橘オリーブの開発秘話とそれを利用した

    商品展開について」 オリーブオイル製品と柑橘の生絞りジュースが主力商品である(有)井上誠耕園の井上智博園主は、名前の由来「自然と大地の恵みに感謝を込めて、誠意を持って大地を耕す園でありたい」並びに企業理念「健康増進のこだわり」「自然環境との調和」「実感できる商品の提供」のもと、「柑橘オリーブ開発」のきっかけ、かがわ産業支援財団のサポート、10年に及ぶ試行錯誤と紆余曲折の結果、商品化に到達した経緯などを分かりやすく紹介されました。事例発表2 「大豆煮汁成分の有効利用に関する取り組み」 (株)イヅツみその久保將人代表取締役からは、大豆加工食品の製造現場で発生する大豆煮汁の有効利用について発表がありました。この煮汁は有用な大豆由来成分を多く含むが、活用されることなく廃水処理されている。新たな煮汁濃縮乾燥法の確立により、大豆由来成分の分離回収が可能になり、多様な商品への活用が可能になったとの話しがありました。

     財団ではこれまでの研究の成果をもとに、今後、具体的な取り組みに移行することしており、香川県産の農水産物を原料とした機能性食品のビジネスプランを策定した後、原料素材の確保の見通しを立てるとともに、目的とする機能性成分と適切な抽出法の決定、最適な抽出要件の確立、機能性食品等への利用方法の検討など、試作品の製造にいたる計画的な取り組みを開始することとしています。 シンポジウムの感想等について尋ねたアンケートの中でどのような分野の製品開発に取り組みたいかの質問では58人の参加者から回答があり、54人の方が食品分野に取り組みたいとの回答でした。  財団では、機能性食品を開発される県内企業の皆様の取り組みを積極的にサポートして参りたいと考えておりますので、共同研究や受託研究で機能性食品の開発に取り組む予定や関心のある方は是非ご連絡をお待ちしております。

    研究開発の概要

     研究開発の概要は図-2に示したように、香川の安全・安心な食品素材(農水産物)を活用した機能性食品の開発を目的として、農水産物の加工工程から発生する未利用資源や規格外農水産物の有効利用を中心に検討を行いました。未利用資源として柑橘果皮、オリーブ圧搾滓、米糠、金時人参、ニンニク、ワカメ、オカラの7つの素材を対象として、超臨界、マイクロ波抽出、水熱抽出、溶媒抽出の抽出技術を比較検討することにより、機能性成分の性状に合わせた抽出技術を選定しました。そして、香川県産業技術センターとの共同研究により、抽出物の抗酸化性を評価しました。

    これまでの研究成果の概要

    今後の取り組み

    香川の地域資源を活用した機能性食品開発シンポジウム(第1回)の開催

     かがわ産業支援財団地域共同研究部では、これまで高温高圧流体技術やマイクロ波応用技術を活用して、機能性食品等に係る県内企業の研究開発や商品開発の取り組みを支援してきました。そして、さらに一層県内企業の取り組みを支援する必要があると考え、平成23年度から、図-1に示した機能性食品開発支援事業を開始し、高温高圧流体やマイクロ波技術を活用して、香川県産業技術センターとともに、県産農水産物に含まれる機能性成分の利用に関する調査研究に着手しました。

    シンポジウムでの田村教授の基調講演

    図-1

    図-2

    •高血圧防止食品•糖尿病防止食品•先天性代謝異常障害防止食品•抗腫瘍食品

    •中枢神経系調整食品•末梢神経系調整食品•摂取機能調整食品•吸収機能調整食品

    •コレステロール制御食品•血小板凝固防止食品•造血機能調整食品

    •アレルギー低減化食品•免疫賦活食品•リンパ系刺激食品

    生体防御

    疾病の防止

    疾病の回復

    体調リズムの調整

    老化抑制

    機能性食品

    •過酸化脂質生成抑制食品

    機能性食品開発支援事業の取り組み

    機能性食品開発支援事業

    ◎未利用資源の有効活用◎“次世代ものづくり産業振興プラン”の重点支援産業◎技術支援のニーズが最も多い産業分野

    生体調整機能 対象となる食品の例

    平成23年度 平成24年度 平成25年度

    食品企業

    ●食品加工技術

    事業化支援の専門家

    ●高温高圧流体技術

     (超臨界抽出、水熱分解など)

    ●マイクロ波技術 (マイクロ波抽出・乾燥など)

    地域共同研究部

    ●対象素材(米糠、おから、柑橘果皮、オリーブ圧搾粕、金時人参、ニンニク、ワカメ等)

    ●成分の抽出・分析(フィチン酸、イソフラボン、リモネン、オレウロペイン、リコピン、アリシン、フコキサンチン等)

    ●機能性の評価

    ●開発準備

    ●商品化

    ●新規機能性食品素材開発

    ●新規機能性食品開発のための共同研究

    共同研究開発

    ●新規機能性食品開発のための共同研究

    データ提供

    データ提供

    ●製造設備の整備指導●工業規模の製造技術指導●販売戦略指導

    オリーブ(オレウロペイン、ヒドロキシチロソール)

    米糠(フィチン酸)

    金時人参(リコピン)

    柑橘果皮

    (         )リモネン、ヘスペリジンヘスペレチン

    おから(ダイゼイン、ゲニスチン)

    ニンニク(アリイン、アリシン)

    ワカメ(フコキサンチン)

    ●高温高圧流体技術 (超臨界抽出、水熱分解など)●マイクロ波技術 (マイクロ波抽出・乾燥など)

    ●機能性評価試験 (抗酸化性)

    機能性食品(カロテノイド、ビタミン、植物ステロール)

    香料・医薬品(フラボノイド、油脂、薬用成分)

    化粧品(テルペノイド/テルペン、

    芳香族エステル)

    高付加価値素材として有効活用を

    お 問 い合わせ先

    公益財団法人かがわ産業支援財団地域共同研究部TEL.087-869-3440 FAX.087-869-3441

    ●新規機能性食品開発の企業への提案

  • T O P N E W S

    TOPNEWS

    ■ はじめに筆者は香川県や香川大学など香川県内の15団体が平成23年度に設立した「かがわ健康関連製品開発地域」のプロジェクトリーダーとして、これまでに香川地域で取り組んできた健康関連の研究開発の成果を、地域の資源を効果的に活用することで成長市場である健康関連分野での事業化へと展開する活動に従事している。医療機器や半導体製造装置などの事業を行う企業で長年にわたり製品開発や事業開発に従事してきた経験を活かして、香川のシーズを地域企業が携わるグローバル事業に育てることが目標である。これまでの活動によりいくつかの知見を得ることができた。本稿では福祉機器や医療機器の業界への新規参入についての私見を述べてみたい。

    ■ 福祉機器業界への新規参入福祉機器は医療機器よりは新規参入が容易であるように見

    える。福祉機器は高度な技術をベースにしたものとは限らないし、福祉施設などでの日々の介護活動などから福祉機器に関する改良や新機能のアイデアは生まれやすい。また、市場がグローバル化しにくい構造であることも特徴であり、日本国内だけでも、あるいは香川や周辺地域だけを市場としても事業が成り立つようにも見える。そのために新機能や機能の改良のアイデアが生まれれば容易に製品化して事業を始められるものと考えがちである。しかし、実際にはアイデアを製品化して事業化することはむずかしいことが多く、福祉機器業界に新規参入するためには多くの障害を乗り越えなくてはならない。

    そのひとつは知的財産権の確立である。福祉機器のアイデアは容易にまねられるものが多い。従って、特許権により排他的権利を確立しなければ他社との競合には勝てない。アイデアには特許として認められる新規性・進歩性が求められるし、十分な権利範囲を確保できる明細書を作らなくてはならない。加えて、商品化についても十分な配慮が求められる。福祉機器だからといって商品化設計に手を抜くことはできない。使い勝手もよくコストも低減できるように構造や製造方法にも十分な検討が必要である。デザインにも気を配らなくてはならない。このような多くの課題に立ち向かって新規に福祉機器業界に参入することには技術、事業、経営のすべての点で大きなリスクがあるといえる。

    では、リスクを最小限に抑えつつ福祉機器業界に新規参入するにはどうしたらよいであろうか。その答えのひとつが「既存福祉機器の改良」である。すでに事業として成り立っている既存福祉機器を画期的に改良するアイデアを生み出し特許として権利化する。その権利を活用して、既存の企業との連携で業界への新規参入を図るというものである。この場合には最初からある程度のシェアを確保できるので、事業立ち上げ時点でのキャッシュフロー上のリスクがない。もうひとつは「ICT機能と市販ハードウエアで実現できる福祉機器」である。高度に発達してきたスマートフォン、タブレット型コンピュータ、ネットワークなどと市販機器を組み合わせるだけでも新しく有用な福祉機器を生み出すことはできる。このような福祉機器であれば、製造設備もほとんど不要である。ネット通販などでの販売もできるので、販売網も構築しなくて済む。

    ■ かがわ健康関連製品開発地域の取組みもっとも、よいアイデアがないことには成り立たない。「かがわ健康関連製品開発地域」では地域企業の福祉機器業界への新規参入を支援する目的で、福祉の現場からニーズを探す活動を開始した。現場で働く介護士、看護師、理学療法士などの方々から日々の活動で気がついた不便な点や改善すべき点などのニーズをお聞きする。福祉機器として製品化と事業化の可能性があると考えられれば、ニーズに応える福祉機器のアイデアを生み出し、さらに製品コンセプトにまで創り上げることが狙いである。始めて間もないので、まだ十分な成果を得るに至っていないが、継続して地道にアイデアと製品コンセプト創りを進めることで、地域企業が福祉機器業界に新規参入することを支援できればと考えている。もうひとつは、「かがわ健康関連製品開発フォーラム」活動である。健康関連分野に関する人的ネットワークを構築して付加価値が高い健康関連製品の研究開発や地域企業の技術者育成に取り組むために、「かがわ健康関連製品開発フォーラム」を設立した。後述する医療機器業界への新規参入のためには、香川の地域企業が協力して販路開拓や製品開発を進めることが大きく功を奏すると考えられる。本フォーラムが地域企業の連携を推進するための母体になるように、地域企業に役立つ情報発信やセミナー開催などを鋭意進める予定である。

    K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21 4K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 213

    かがわ健康関連開発地域プロジェクトディレクター 田尾 龍治

    ■ 医療機器業界への新規参入医療機器の研究開発には膨大な資金を必要とする。投下し

    た資金を回収するためには、全世界を市場としたグローバルな事業で十分な事業規模を確保しなくてはならない。これが地域企業の医療機器業界への新規参入をむずかしくする。香川県地域の医療機器産業は医療機器企業に部品やユニットを提供するか、相手先ブランドの製品供給(OEM)が主になっている。一方、医療機器業界にも新しい波が押し寄せている。それは、受託開発・受託製造専門のグローバル企業の台頭である。診断や治療には薬剤や試薬を用いる。その際にも医療機器を必要とするが、薬剤や試薬を専門とする企業は必ずしも自社で医療機器の研究開発や製造を行っているとは限らない。そのような企業の多くは医療機器企業に医療機器の研究開発・製造を委託していた。しかし、このスキームには問題がある。医療機器企業も自社ブランドの医療機器を研究開発・製造・販売しているために、知的財産権などの点や事業の競合の点で委託元との間での利害が相反することも多い。一方、受託開発・受託製造専門企業はOEMに徹していて自社ブランドは持たず、受託した開発時に生まれた知的財産権は受託元の帰属としているので、知的財産権や事業そのもので利害が相反することはない。このような背景から、現在では製薬・試薬企業が受託開発・受託製造専門企業に医療機器の開発・製造を委託することが増えてきた。現時点では受託開発・受託製造専門企業は既存の医療機器企業にくらべると十分な実力を持っていないかもしれないが、世界中の依頼元からの受託を経験することで、このような受託専門グローバル企業は既存企業より進化する速度が速い。5年もすると受託専門企業が既存医療機器企業のシェアを奪う

    事態も決してありえないことではない。受託専門企業が大きなシェアを奪ったときには、半導体産業同様に、グローバル受託専門企業数社で全世界の医療機器の大半を生産するようになる。このような新しい波が医療機器業界にも押し寄せていること

    を考えると、香川県地域の医療機器産業もその戦略を再検討することが必要であろう。グローバル市場を相手にする企業体質に変換することは不可欠である。

    ■ まとめ既存の大企業もチャレンジ精神を失い内向き指向になると将来はない。地域企業も現状の延長線に満足し、グローバル市場に乗り出すチャレンジ精神を失ってはならない。過去のしがらみを切り、成長ビジョンを描いてグローバルモデルでの事業展開に果敢に取り組むことで福祉機器・医療機器業界にはじめて新規参入できる。

    ■ 筆者紹介

    平成23年10月1日「かがわ健康関連製品開発地域」プロジェクトディレクター(公益財団法人かがわ産業支援財団)就任、元㈱日立ハイテクノロジーズ研究開発本部主管技師長、香川大学客員教授

    県内企業で開発中の「大きく使って小さく畳める」世界最小の車いす

    かがわ健康関連製品開発フォーラム設立記念シンポジウムH24.7.26

    田 尾 龍 治

    健康関連製品開発の展開と香川地域企業の可能性

    かがわ健康関連製品開発地域構想

    「健康関連産業創出支援事業」医療機器や福祉用具などの健康関連分野で、県内企業の製品開発を支援●香川ものづくり産業振興計画●地域再生計画(MEMS技術等を生かした香川ものづくり産業成長戦略)

    香川県「県の施策で進めてきた基盤技術開発」●微細構造デバイス(MEMS)技術●かがわ遠隔医療NW(K-MIX)●糖質バイオ(希少糖、糖鎖)●光、画像計測技術/人間支援技術

    (公財)かがわ産業支援財団「総合調整機関」

    ●構想全体の推進●大学シーズと企業ニーズのマッチングによる事業化支援

    香川における健康関連産業の創出

    研究開発 製品開発 商品化

    香川大学地域産学官共同研究拠点医工情報領域融合による新産業創出拠点

    香川県産学官の共同研究施設香川県科学技術研究センター(FROM香川)など

    研究開発施設

    施設開放 技術支援

    ●香川大学(工・農・医)●徳島文理大学●県立保健医療大学●香川高等専門学校●香川県産業技術センター

    香川大学産学官の共同研究により創出した微細構造デバイスの実用化を目指す微細構造デバイス統合研究センター

    共同研究 人材育成

    研究シーズ・技術

    ●無侵襲血糖値センサー

    ●階段昇降が可能な義足

    ●K-MIXを活用した画像診断支援システム

    ●医療機器の部品、部材

    ●福祉用具

    ●特定健康用食品など

    事業化マネジメントQOLを高める高付加価値な製品

  • T O P N E W S

    TOPNEWS

    ■ はじめに筆者は香川県や香川大学など香川県内の15団体が平成23年度に設立した「かがわ健康関連製品開発地域」のプロジェクトリーダーとして、これまでに香川地域で取り組んできた健康関連の研究開発の成果を、地域の資源を効果的に活用することで成長市場である健康関連分野での事業化へと展開する活動に従事している。医療機器や半導体製造装置などの事業を行う企業で長年にわたり製品開発や事業開発に従事してきた経験を活かして、香川のシーズを地域企業が携わるグローバル事業に育てることが目標である。これまでの活動によりいくつかの知見を得ることができた。本稿では福祉機器や医療機器の業界への新規参入についての私見を述べてみたい。

    ■ 福祉機器業界への新規参入福祉機器は医療機器よりは新規参入が容易であるように見

    える。福祉機器は高度な技術をベースにしたものとは限らないし、福祉施設などでの日々の介護活動などから福祉機器に関する改良や新機能のアイデアは生まれやすい。また、市場がグローバル化しにくい構造であることも特徴であり、日本国内だけでも、あるいは香川や周辺地域だけを市場としても事業が成り立つようにも見える。そのために新機能や機能の改良のアイデアが生まれれば容易に製品化して事業を始められるものと考えがちである。しかし、実際にはアイデアを製品化して事業化することはむずかしいことが多く、福祉機器業界に新規参入するためには多くの障害を乗り越えなくてはならない。

    そのひとつは知的財産権の確立である。福祉機器のアイデアは容易にまねられるものが多い。従って、特許権により排他的権利を確立しなければ他社との競合には勝てない。アイデアには特許として認められる新規性・進歩性が求められるし、十分な権利範囲を確保できる明細書を作らなくてはならない。加えて、商品化についても十分な配慮が求められる。福祉機器だからといって商品化設計に手を抜くことはできない。使い勝手もよくコストも低減できるように構造や製造方法にも十分な検討が必要である。デザインにも気を配らなくてはならない。このような多くの課題に立ち向かって新規に福祉機器業界に参入することには技術、事業、経営のすべての点で大きなリスクがあるといえる。

    では、リスクを最小限に抑えつつ福祉機器業界に新規参入するにはどうしたらよいであろうか。その答えのひとつが「既存福祉機器の改良」である。すでに事業として成り立っている既存福祉機器を画期的に改良するアイデアを生み出し特許として権利化する。その権利を活用して、既存の企業との連携で業界への新規参入を図るというものである。この場合には最初からある程度のシェアを確保できるので、事業立ち上げ時点でのキャッシュフロー上のリスクがない。もうひとつは「ICT機能と市販ハードウエアで実現できる福祉機器」である。高度に発達してきたスマートフォン、タブレット型コンピュータ、ネットワークなどと市販機器を組み合わせるだけでも新しく有用な福祉機器を生み出すことはできる。このような福祉機器であれば、製造設備もほとんど不要である。ネット通販などでの販売もできるので、販売網も構築しなくて済む。

    ■ かがわ健康関連製品開発地域の取組みもっとも、よいアイデアがないことには成り立たない。「かがわ健康関連製品開発地域」では地域企業の福祉機器業界への新規参入を支援する目的で、福祉の現場からニーズを探す活動を開始した。現場で働く介護士、看護師、理学療法士などの方々から日々の活動で気がついた不便な点や改善すべき点などのニーズをお聞きする。福祉機器として製品化と事業化の可能性があると考えられれば、ニーズに応える福祉機器のアイデアを生み出し、さらに製品コンセプトにまで創り上げることが狙いである。始めて間もないので、まだ十分な成果を得るに至っていないが、継続して地道にアイデアと製品コンセプト創りを進めることで、地域企業が福祉機器業界に新規参入することを支援できればと考えている。もうひとつは、「かがわ健康関連製品開発フォーラム」活動である。健康関連分野に関する人的ネットワークを構築して付加価値が高い健康関連製品の研究開発や地域企業の技術者育成に取り組むために、「かがわ健康関連製品開発フォーラム」を設立した。後述する医療機器業界への新規参入のためには、香川の地域企業が協力して販路開拓や製品開発を進めることが大きく功を奏すると考えられる。本フォーラムが地域企業の連携を推進するための母体になるように、地域企業に役立つ情報発信やセミナー開催などを鋭意進める予定である。

    K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21 4K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 213

    かがわ健康関連開発地域プロジェクトディレクター 田尾 龍治

    ■ 医療機器業界への新規参入医療機器の研究開発には膨大な資金を必要とする。投下し

    た資金を回収するためには、全世界を市場としたグローバルな事業で十分な事業規模を確保しなくてはならない。これが地域企業の医療機器業界への新規参入をむずかしくする。香川県地域の医療機器産業は医療機器企業に部品やユニットを提供するか、相手先ブランドの製品供給(OEM)が主になっている。一方、医療機器業界にも新しい波が押し寄せている。それは、受託開発・受託製造専門のグローバル企業の台頭である。診断や治療には薬剤や試薬を用いる。その際にも医療機器を必要とするが、薬剤や試薬を専門とする企業は必ずしも自社で医療機器の研究開発や製造を行っているとは限らない。そのような企業の多くは医療機器企業に医療機器の研究開発・製造を委託していた。しかし、このスキームには問題がある。医療機器企業も自社ブランドの医療機器を研究開発・製造・販売しているために、知的財産権などの点や事業の競合の点で委託元との間での利害が相反することも多い。一方、受託開発・受託製造専門企業はOEMに徹していて自社ブランドは持たず、受託した開発時に生まれた知的財産権は受託元の帰属としているので、知的財産権や事業そのもので利害が相反することはない。このような背景から、現在では製薬・試薬企業が受託開発・受託製造専門企業に医療機器の開発・製造を委託することが増えてきた。現時点では受託開発・受託製造専門企業は既存の医療機器企業にくらべると十分な実力を持っていないかもしれないが、世界中の依頼元からの受託を経験することで、このような受託専門グローバル企業は既存企業より進化する速度が速い。5年もすると受託専門企業が既存医療機器企業のシェアを奪う

    事態も決してありえないことではない。受託専門企業が大きなシェアを奪ったときには、半導体産業同様に、グローバル受託専門企業数社で全世界の医療機器の大半を生産するようになる。このような新しい波が医療機器業界にも押し寄せていること

    を考えると、香川県地域の医療機器産業もその戦略を再検討することが必要であろう。グローバル市場を相手にする企業体質に変換することは不可欠である。

    ■ まとめ既存の大企業もチャレンジ精神を失い内向き指向になると将来はない。地域企業も現状の延長線に満足し、グローバル市場に乗り出すチャレンジ精神を失ってはならない。過去のしがらみを切り、成長ビジョンを描いてグローバルモデルでの事業展開に果敢に取り組むことで福祉機器・医療機器業界にはじめて新規参入できる。

    ■ 筆者紹介

    平成23年10月1日「かがわ健康関連製品開発地域」プロジェクトディレクター(公益財団法人かがわ産業支援財団)就任、元㈱日立ハイテクノロジーズ研究開発本部主管技師長、香川大学客員教授

    県内企業で開発中の「大きく使って小さく畳める」世界最小の車いす

    かがわ健康関連製品開発フォーラム設立記念シンポジウムH24.7.26

    田 尾 龍 治

    健康関連製品開発の展開と香川地域企業の可能性

    かがわ健康関連製品開発地域構想

    「健康関連産業創出支援事業」医療機器や福祉用具などの健康関連分野で、県内企業の製品開発を支援●香川ものづくり産業振興計画●地域再生計画(MEMS技術等を生かした香川ものづくり産業成長戦略)

    香川県「県の施策で進めてきた基盤技術開発」●微細構造デバイス(MEMS)技術●かがわ遠隔医療NW(K-MIX)●糖質バイオ(希少糖、糖鎖)●光、画像計測技術/人間支援技術

    (公財)かがわ産業支援財団「総合調整機関」

    ●構想全体の推進●大学シーズと企業ニーズのマッチングによる事業化支援

    香川における健康関連産業の創出

    研究開発 製品開発 商品化

    香川大学地域産学官共同研究拠点医工情報領域融合による新産業創出拠点

    香川県産学官の共同研究施設香川県科学技術研究センター(FROM香川)など

    研究開発施設

    施設開放 技術支援

    ●香川大学(工・農・医)●徳島文理大学●県立保健医療大学●香川高等専門学校●香川県産業技術センター

    香川大学産学官の共同研究により創出した微細構造デバイスの実用化を目指す微細構造デバイス統合研究センター

    共同研究 人材育成

    研究シーズ・技術

    ●無侵襲血糖値センサー

    ●階段昇降が可能な義足

    ●K-MIXを活用した画像診断支援システム

    ●医療機器の部品、部材

    ●福祉用具

    ●特定健康用食品など

    事業化マネジメントQOLを高める高付加価値な製品

  • 財団からのお知らせ財団からのお知らせ

    K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21 6

    お問い合わせ先 公益財団法人かがわ産業支援財団 総務部 ファンド事業推進課〒761-0301 高松市林町2217-15香川産業頭脳化センタービル2F TEL.087-868-9903 FAX.087-869-3710

    ファンド事業成果発表会を開催しました!!

    K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 215

    (公財)かがわ産業支援財団は、「かがわ中小企業応援ファンド」や「かがわ農商工連携ファンド」を活用して、中小企業者や農林漁業者等が実施する研究開発や販路開拓、人材育成等の事業に対し助成を行ってきました。その事業成果を広く公開するため、成果発表会を開催し、昨年度、特に優れた成果を上げた4社1団体の担当者が研究成果や今後の事業展開等について発表を行い、約120名が聴講しました。また、成果展示会も開催し、成果品、パネルの展示のほか、ファンド事業で開発した食品が試食できる「さぬきものづくりカフェ」も設けられ、当日は大いに賑わいました。

    希少糖含有シロップ(レアシュガースウィート)を使った商品が続々…、発売!

    レアシュガースウィートを使い試作・開発された商品が続 と々発売され始めています。現在までに県内の洋菓子屋さんを中心に40社を越える企業から、100アイテム余りの商品が販売されました。今回は少し変わった商品をご紹介します。県内の醤油屋さんで作られた調味料です。高橋商店の『にんにく醤油』は国産のにんにくを粒のまま、国産丸大豆醤

    油、米発酵調味料、醸造酢が入った調味液にじっくり漬け込みました。醤油は調味料として、焼肉のたれ、かけ醤油等としてお使いください。にんにくはうすくスライスしたり、刻んでチャーハン、野菜炒めなどに使うことができます。マルムラサキ醤油の『個性派醤油・ごちそうトリオ』。「旨酢醤油」は良質の醸造酢の酸味にショウガのキレのある苦みと 風味のよいイリコがベストマッチ!「女子会醤油」は品の良いゆずの風味とバニラの甘い香りが新鮮なハーモニーを奏でています。「男醤油」は「ガツン」とパンチの効いたクラッシュガーリックとコクのあるゴマ油の香りが食欲をそそります。 皆さんも、ぜひご賞味ください。

    かがわ健康関連製品開発フォーラム第1回セミナーを開催しましたかがわ健康関連製品開発フォーラムは、健康関連分野に関する人的ネットワークを構築することにより、付加価値の高い製品の研究開発を促進し、イノベーションを創出することを目的として、各種セミナーの開催等を行ってまいります。今回のセミナーでは、「福祉(看護・介護)ニーズから製品化までを考える。」をテーマに、3名

    の講師をお招きし、健康関連製品の開発に取組む県内企業担当者など50名近い関係者のご参加をいただきました。

    日時場所

    内  容

    8月27日(月)~29日(水) 香川産業頭脳化センタービル1階ロビー

    ●成果品展示 ●パネル展示 ●さぬきものづくりカフェ(試食会8/29)

    【展示会】

    日時場所

    発表内容

    8月29日(水) 香川産業頭脳化センタービル2階一般研修室【発表会】

    事業者 テーマ廃棄うどんを原料としたバイオエタノール生産技術の開発赤外線カメラを利用した高信頼侵入監視センサーの開発車両の安全・安心を確保!前後左右高さの偏荷重測定システム希少糖含有異性化糖を用いた新スイーツの開発と事業化フルーツ王国三豊“ボイセンベリー”等を使ったベーグルの新商品開発

    ㈱ ちよだ 製 作 所㈱ パ ル 技 研鎌 長 製 衡 ㈱㈱ ル ー ヴマコーズファクトリー㈱大 地と語り合う会

    貴 社 の 製 品 開 発 や 販 路 開 拓 を 応 援 し ま す !!

    中小企業向け公的助成事業 かがわ中小企業応援ファンド 平成25年度事業募集

    募集期間:平成24年11月12日㈪~12月21日㈮

    新分野進出のための商品開発や試作品作成等の支援【①新分野等チャレンジ支援事業】新技術シーズを活用した製品実用化のための研究開発の支援【②先端的技術シーズ実用化支援事業、③地域企業研究開発小規模助成事業】ものづくり基盤技術産業や食品産業等を研究開発から販路開拓、人材育成まで総合的に支援【④食品産業総合支援事業、⑤ものづくり基盤技術産業総合支援事業】海外や首都圏などで開催される見本市への出展支援【⑥県外見本市出展支援、⑦海外見本市出展支援】製造技術や技能向上を目的に実施する人材育成研修の支援【⑧ものづくり産業スキルアップ助成事業】製造現場におけるコスト削減等のための改善活動の支援【⑨ものづくり産業生産性向上支援事業】地場産品等のブランド確立、経営革新計画の事業展開の促進、新規創業者等への支援【⑩特定地場産業活性化ブランド確立支援事業、⑪経営革新事業 ⑫⑬創業ベンチャー・地域密着型ビジネス支援事業】

    支援メニュー

    新分野チャレンジ

    研究開発

    総合支援

    販路開拓

    人材育成

    生産性向上

    その他

    詳しくはコチラ かがわ中小企業応援ファンド → http://www.kagawa-isf.jp/

    成果発表会の様子

    成果展示会の様子

    さぬきものづくりカフェの様子

    ■株式会社高橋商店 (TEL 0879-82-1101) にんにく醤油(840円)

    ※①新分野等チャレンジ支援事業、⑥地域企業国内販路開拓支援事業(県外見本市出展支援)の募集期間は、 平成24年11月12日㈪~平成25年2月15日㈮とします。

    開催日時 平成24年10月17日(水)14:00~17:00

    開催場所

    講演内容

    かがわ総合リハビリテーションセンター(高松市田村町1114番地)

    ●演題3 福祉用品の現状と動向 講 師:㈱トーカイ (福祉用具専門相談員)北川 昌彦 氏

    現在の介護保険制度においてレンタル・購入する際の個人負担が1割となる介護保険対象レンタル品13品、介護保険対象購入商品を紹介した。また、注目の福祉用品として「ユニバーサルサイクル・クークルS」(4輪で高さ調節可能な自転車)、かがわ発の「Camitool(紙トール)」(株式会社シコク、電動トイレットペーパーホルダー)、「Profhand」(足こぎ車椅子)を紹介した。

    ●演題1 売れるユニバーサルデザイン商品開発のヒント 講 師:㈱フェロー 会長 古市 努 氏ユニバーサルデザイン化する前の商品(バリアフリー商品)、ユニバーサルデザイン商品について実例(「大文字ん」等)を紹介した。障がい者、高齢者などの生活・仕事環境にある「困った」を解決するヒントからユニバーサルデザイン化して一般消費者に用途を広げることが重要である。

    ●演題2 福祉介護現場のニーズ 講 師:香川大学医学部看護学科助教 片山 陽子 氏療養者、介護者、介護・看護ケア提供者のニーズとして認知症高齢者の薬の内服管理、排泄処理、体位変換などを紹介した。日常の「少しだから」「仕方ないから」「介護は大変なもの」に潜むニーズから既製品を改良すること、療養者、介護者、介護・看護ケア提供者の安全・安心・安楽を高めることが重要である。

    次回のセミナーでは、医療機器の開発に焦点を当て、次のとおり開催予定です。

    平成24年12月13日(木) 14:00~サンメッセ香川2階特別会議室(高松市林町2217-1)医療機器開発事始-薬事、連携、そして医療現場ニーズ-

    お知らせ(次回セミナー)

    日時

    場所

    テーマ

    お問い合わせ先 公益財団法人かがわ産業支援財団 技術振興部 産学官連携推進課 健康産業プロジェクトチーム〒761-0301 高松市林町2217-16FROM香川1F TEL.087-840-0338 FAX.087-864-6303

    ■マルムラサキ醤油有限会社 (TEL 0877-46-6258) 個性派醤油・ごちそうトリオ 「旨酢醤油」 「女子会醤油」 「男醤油」 (3本セット 1,750円)

  • 財団からのお知らせ財団からのお知らせ

    K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21 6

    お問い合わせ先 公益財団法人かがわ産業支援財団 総務部 ファンド事業推進課〒761-0301 高松市林町2217-15香川産業頭脳化センタービル2F TEL.087-868-9903 FAX.087-869-3710

    ファンド事業成果発表会を開催しました!!

    K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 215

    (公財)かがわ産業支援財団は、「かがわ中小企業応援ファンド」や「かがわ農商工連携ファンド」を活用して、中小企業者や農林漁業者等が実施する研究開発や販路開拓、人材育成等の事業に対し助成を行ってきました。その事業成果を広く公開するため、成果発表会を開催し、昨年度、特に優れた成果を上げた4社1団体の担当者が研究成果や今後の事業展開等について発表を行い、約120名が聴講しました。また、成果展示会も開催し、成果品、パネルの展示のほか、ファンド事業で開発した食品が試食できる「さぬきものづくりカフェ」も設けられ、当日は大いに賑わいました。

    希少糖含有シロップ(レアシュガースウィート)を使った商品が続々…、発売!

    レアシュガースウィートを使い試作・開発された商品が続 と々発売され始めています。現在までに県内の洋菓子屋さんを中心に40社を越える企業から、100アイテム余りの商品が販売されました。今回は少し変わった商品をご紹介します。県内の醤油屋さんで作られた調味料です。高橋商店の『にんにく醤油』は国産のにんにくを粒のまま、国産丸大豆醤

    油、米発酵調味料、醸造酢が入った調味液にじっくり漬け込みました。醤油は調味料として、焼肉のたれ、かけ醤油等としてお使いください。にんにくはうすくスライスしたり、刻んでチャーハン、野菜炒めなどに使うことができます。マルムラサキ醤油の『個性派醤油・ごちそうトリオ』。「旨酢醤油」は良質の醸造酢の酸味にショウガのキレのある苦みと 風味のよいイリコがベストマッチ!「女子会醤油」は品の良いゆずの風味とバニラの甘い香りが新鮮なハーモニーを奏でています。「男醤油」は「ガツン」とパンチの効いたクラッシュガーリックとコクのあるゴマ油の香りが食欲をそそります。 皆さんも、ぜひご賞味ください。

    かがわ健康関連製品開発フォーラム第1回セミナーを開催しましたかがわ健康関連製品開発フォーラムは、健康関連分野に関する人的ネットワークを構築することにより、付加価値の高い製品の研究開発を促進し、イノベーションを創出することを目的として、各種セミナーの開催等を行ってまいります。今回のセミナーでは、「福祉(看護・介護)ニーズから製品化までを考える。」をテーマに、3名

    の講師をお招きし、健康関連製品の開発に取組む県内企業担当者など50名近い関係者のご参加をいただきました。

    日時場所

    内  容

    8月27日(月)~29日(水) 香川産業頭脳化センタービル1階ロビー

    ●成果品展示 ●パネル展示 ●さぬきものづくりカフェ(試食会8/29)

    【展示会】

    日時場所

    発表内容

    8月29日(水) 香川産業頭脳化センタービル2階一般研修室【発表会】

    事業者 テーマ廃棄うどんを原料としたバイオエタノール生産技術の開発赤外線カメラを利用した高信頼侵入監視センサーの開発車両の安全・安心を確保!前後左右高さの偏荷重測定システム希少糖含有異性化糖を用いた新スイーツの開発と事業化フルーツ王国三豊“ボイセンベリー”等を使ったベーグルの新商品開発

    ㈱ ちよだ 製 作 所㈱ パ ル 技 研鎌 長 製 衡 ㈱㈱ ル ー ヴマコーズファクトリー㈱大 地と語り合う会

    貴 社 の 製 品 開 発 や 販 路 開 拓 を 応 援 し ま す !!

    中小企業向け公的助成事業 かがわ中小企業応援ファンド 平成25年度事業募集

    募集期間:平成24年11月12日㈪~12月21日㈮

    新分野進出のための商品開発や試作品作成等の支援【①新分野等チャレンジ支援事業】新技術シーズを活用した製品実用化のための研究開発の支援【②先端的技術シーズ実用化支援事業、③地域企業研究開発小規模助成事業】ものづくり基盤技術産業や食品産業等を研究開発から販路開拓、人材育成まで総合的に支援【④食品産業総合支援事業、⑤ものづくり基盤技術産業総合支援事業】海外や首都圏などで開催される見本市への出展支援【⑥県外見本市出展支援、⑦海外見本市出展支援】製造技術や技能向上を目的に実施する人材育成研修の支援【⑧ものづくり産業スキルアップ助成事業】製造現場におけるコスト削減等のための改善活動の支援【⑨ものづくり産業生産性向上支援事業】地場産品等のブランド確立、経営革新計画の事業展開の促進、新規創業者等への支援【⑩特定地場産業活性化ブランド確立支援事業、⑪経営革新事業 ⑫⑬創業ベンチャー・地域密着型ビジネス支援事業】

    支援メニュー

    新分野チャレンジ

    研究開発

    総合支援

    販路開拓

    人材育成

    生産性向上

    その他

    詳しくはコチラ かがわ中小企業応援ファンド → http://www.kagawa-isf.jp/

    成果発表会の様子

    成果展示会の様子

    さぬきものづくりカフェの様子

    ■株式会社高橋商店 (TEL 0879-82-1101) にんにく醤油(840円)

    ※①新分野等チャレンジ支援事業、⑥地域企業国内販路開拓支援事業(県外見本市出展支援)の募集期間は、 平成24年11月12日㈪~平成25年2月15日㈮とします。

    開催日時 平成24年10月17日(水)14:00~17:00

    開催場所

    講演内容

    かがわ総合リハビリテーションセンター(高松市田村町1114番地)

    ●演題3 福祉用品の現状と動向 講 師:㈱トーカイ (福祉用具専門相談員)北川 昌彦 氏

    現在の介護保険制度においてレンタル・購入する際の個人負担が1割となる介護保険対象レンタル品13品、介護保険対象購入商品を紹介した。また、注目の福祉用品として「ユニバーサルサイクル・クークルS」(4輪で高さ調節可能な自転車)、かがわ発の「Camitool(紙トール)」(株式会社シコク、電動トイレットペーパーホルダー)、「Profhand」(足こぎ車椅子)を紹介した。

    ●演題1 売れるユニバーサルデザイン商品開発のヒント 講 師:㈱フェロー 会長 古市 努 氏ユニバーサルデザイン化する前の商品(バリアフリー商品)、ユニバーサルデザイン商品について実例(「大文字ん」等)を紹介した。障がい者、高齢者などの生活・仕事環境にある「困った」を解決するヒントからユニバーサルデザイン化して一般消費者に用途を広げることが重要である。

    ●演題2 福祉介護現場のニーズ 講 師:香川大学医学部看護学科助教 片山 陽子 氏療養者、介護者、介護・看護ケア提供者のニーズとして認知症高齢者の薬の内服管理、排泄処理、体位変換などを紹介した。日常の「少しだから」「仕方ないから」「介護は大変なもの」に潜むニーズから既製品を改良すること、療養者、介護者、介護・看護ケア提供者の安全・安心・安楽を高めることが重要である。

    次回のセミナーでは、医療機器の開発に焦点を当て、次のとおり開催予定です。

    平成24年12月13日(木) 14:00~サンメッセ香川2階特別会議室(高松市林町2217-1)医療機器開発事始-薬事、連携、そして医療現場ニーズ-

    お知らせ(次回セミナー)

    日時

    場所

    テーマ

    お問い合わせ先 公益財団法人かがわ産業支援財団 技術振興部 産学官連携推進課 健康産業プロジェクトチーム〒761-0301 高松市林町2217-16FROM香川1F TEL.087-840-0338 FAX.087-864-6303

    ■マルムラサキ醤油有限会社 (TEL 0877-46-6258) 個性派醤油・ごちそうトリオ 「旨酢醤油」 「女子会醤油」 「男醤油」 (3本セット 1,750円)

  • 財団からのお知らせ財団からのお知らせ

    K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21 8K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 217

    ●演題1 売れるユニバーサルデザイン商品開発のヒント 講 師:㈱フェロー 会長 古市 努 氏ユニバーサルデザイン化する前の商品(バリアフリー商品)、ユニバーサルデザイン商品について実例(「大文字ん」等)を紹介した。障がい者、高齢者などの生活・仕事環境にある「困った」を解決するヒントからユニバーサルデザイン化して一般消費者に用途を広げることが重要である。

    ●演題2 福祉介護現場のニーズ 講 師:香川大学医学部看護学科助教 片山 陽子 氏療養者、介護者、介護・看護ケア提供者のニーズとして認知症高齢者の薬の内服管理、排泄処理、体位変換などを紹介した。日常の「少しだから」「仕方ないから」「介護は大変なもの」に潜むニーズから既製品を改良すること、療養者、介護者、介護・看護ケア提供者の安全・安心・安楽を高めることが重要である。

    食品商談会を開催(公財)かがわ産業支援財団は、香川の基幹産業の一つである食品産業の販路開拓支援を目的に、県内外のバイヤー等を招聘しての食品商談会を開催しました。当日は、県内外の20社のバイヤーと54社の県内食品加工業者等が参加し、過去最大の規模となりました。商談は、事前予約により、バイヤーの席へ売り込み企業が面談するもので、延べ276件の商談に臨み、商談成立見込が56件、商談継続が181件となりました。本商談会以後、バイヤーとお互いに商談を継続することで、新たな販路開拓に繋がることが期待されます。

    お問い合わせ先 公益財団法人かがわ産業支援財団 企業振興部 企業支援課〒761-0301 高松市林町2217-15 TEL.087-840-0391 FAX.087-869-3710

    開催日時

    開催場所

    平成24年9月26日(水)10:00~17:00 商談形式 参加企業がバイヤーブースに出向く予約制の個別商談 20分間JRホテルクレメント高松

    主  催 香川県、(公財)かがわ産業支援財団㈱百十四銀行、㈱香川銀行、高松信用金庫、観音寺信用金庫

    参加企業 54社(うち新規参加 28社)

    ■ バイヤーの声○セラー企業の熱意を感じます○実際の工場、施設規模を確認してからになりますが、何品か気に入った商品が見つかりました。○セラー企業にお願い。サンプル(現物)を持ち込まずに話をする方が結構多い。現物が無ければ評価のしようがない。時間の無駄。試食用と販売用の現物サンプルが欲しい。○初めて参加させて頂きましたが、自分自身、香川エリアの地域産物の掘り起こしが弱く、大変勉強になりました。○うどん、素麺が多いように感じます。

    ■ 経営相談事業まずは、ご相談ください! 発想が優れていても、一人の視点には限りがあります。中小企業支援の経験豊富な専門家の助言を受けることにより、視点が広がり成功の可能性が高まります。下記のような問題や課題など、経営に関する様 な々ご相談に無料で応じておりますので、お気軽にご利用下さい。●創業・事業化 ●新事業・新分野への進出 ●販路開拓 ●知的資産の活用 ●経営改善 ●経営革新計画の申請 ●情報システムの構築 等

    ■ セラー企業の声○強化したい媒体先とタイムリーに商談ができました。○通販向けのパッケージ提案等々について宿題となりました。○商材のブランド化と、選別や規格についての将来像をもっと詳しく伝え、メーカーとしての印象を強く出すべき。○初めての参加でしたので、今後の販路の切り口としては、参考になりました。○新規のお客様と大変いい商談ができました。もう少し商談時間が(あと10分でも)あればありがたいです。

    【無料相談】●平日 9時~17時(予約制)。(毎月第2・4木曜日を除く)●経験豊富な中小企業診断士が経営全般のご相談に応じます。

    【無料相談会】●毎月第2・4木曜日 9時~16時(予約制)。●中小企業診断士など専門分野の異なる複数の専門家(経営、IT、販路、知財、技術等)が多面的にアドバイスします。

    開会あいさつ 浜田香川県知事

    商談風景

    商談会場

    【 百 貨 店 】【総合スーパー】【高級スーパー】【地域スーパー】【通信販売】【コンビニ 】【 食 品 卸 】【ホテル産業】【サービス業】

    ㈱大丸松坂屋百貨店、㈱高松天満屋、㈱高松三越、㈱井筒屋㈱ハローズ、㈱フジ、㈱近商ストア㈱成城石井㈱サニーマート㈱セシール、ダイキン福祉サービス㈱、リッキービジネスソリューション㈱サークルケイ四国㈱、㈱ファミリーマート、㈱ローソン大丸興業㈱、㈱ファーム・ソレイユ、㈱四国リョーショク㈱阪急阪神ホテルズ穴吹エンタープライズ㈱

    がんばる企業を応援します! 中小企業経営者の皆様、お気軽にご相談ください。

    兵庫県内の先進企業を見学しました~ かがわ産業振興クラブ ~

    財団では、今後の企業経営の向上に役立ててもらうため、かがわ産業振興クラブの事業として、「県外企業見学会」を11月13日(火)に実施しました。企業経営者ら33名が参加し、兵庫県内のSPring-8、川崎重工業株式会社明石工場を訪問しました。●SPring-8SPring-8とは、世界最高性能の放射光(電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波)を生み出すことができる大型放射光施設であり、この放射光を用いてナノテクノロジーやバイオテクノロジーをはじめ、産業利用まで幅広い研究が行われています。当日は、SPring-8やX線自由電子レーザー施設SACLAの仕組みや研究成果の展示と、実験施設の見学をしました。●川崎重工業株式会社明石工場川崎重工業株式会社は、船舶・鉄道車両・航空機・モーターサイクル・ガスタービン・ガスエンジン・産業

    プラント・油圧機器・ロボットなどの多彩な事業を展開する総合エンジニアリングメーカーで、明石工場では、モーターサイクル、作業用ロボット、ジェットエンジン、ガスタービンを製造しています。当日は、明石工場の概要の説明と、世界に誇れる「Kawasaki」ブランドの大型モーターサイクルの製造ラインの見学をしました。

    ラオス国からうちわの研修に来ました!~ FUNFAN実行委員会 ~

    ラオス国から丸亀うちわの技術とノウハウを習得するために、研修生4名が来県して、香川県うちわ協同組合連合会が実施している「丸亀うちわ技術技法講座」に参加して11月10日(土)から25日(日)まで製作研修を行いました。この事業は、JICA草の根技術協力事業の採択を受けて、財団や県、丸亀市、うちわ組合などで構成するFUNFAN実行委員会が実施しているもので、竹の扱いに慣れたラオスの人 が々新たな竹製品を製作し、所得の向上と生活の安定化につながることが期待されています。

    お問い合わせ先 公益財団法人かがわ産業支援財団 総務部 企画情報課〒761-0301 高松市林町2217-15 TEL.087-868-9901 FAX.087-869-3710

    お問い合わせ先 公益財団法人かがわ産業支援財団 総務部 企画情報課〒761-0301 高松市林町2217-15 TEL.087-868-9901 FAX.087-869-3710

    Spring-8

    川崎重工業株式会社明石工場

    お問い合わせ先香川県政策部統計調査課〒760-8570 高松市番町4-1-10 TEL.087-832-3148 FAX.087-806-0224県内各市町統計調査担当課

    製造業の皆様 へ

    平成24年 工業統計調査のお知らせ~ ご回答をお願いします ~

    平成24年工業統計調査が、本年12月31日現在で実施されます。本調査は、製造業を営む事業所を対象として、その活動実態を明らかにすることを目的として行われます。調査の結果は、我が国の製造業の実態把握や産業構造の分析だけでなく、県・市町ごとに集計し、景気対策や中小企業対策、都市計画など様々な計画や施策の基礎資料として利用されるとともに、企業、大学などでの研究資料、小・中・高等学校の教材としても広く利用されています。調査員が12月中旬頃お伺いしますので、ご回答をお願いします。なお、調査票に記入していただいた内容については、統計法に基づき秘密が厳守されますので、正確なご記入をお願いします。

    ラオスからの研修生

    ■ 招聘バイヤー 20社(下線は新規招聘バイヤー7社)

  • 財団からのお知らせ財団からのお知らせ

    K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21 8K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 217

    ●演題1 売れるユニバーサルデザイン商品開発のヒント 講 師:㈱フェロー 会長 古市 努 氏ユニバーサルデザイン化する前の商品(バリアフリー商品)、ユニバーサルデザイン商品について実例(「大文字ん」等)を紹介した。障がい者、高齢者などの生活・仕事環境にある「困った」を解決するヒントからユニバーサルデザイン化して一般消費者に用途を広げることが重要である。

    ●演題2 福祉介護現場のニーズ 講 師:香川大学医学部看護学科助教 片山 陽子 氏療養者、介護者、介護・看護ケア提供者のニーズとして認知症高齢者の薬の内服管理、排泄処理、体位変換などを紹介した。日常の「少しだから」「仕方ないから」「介護は大変なもの」に潜むニーズから既製品を改良すること、療養者、介護者、介護・看護ケア提供者の安全・安心・安楽を高めることが重要である。

    食品商談会を開催(公