フルハーネス型 墜落制止用器具 特別教育安衛法、安衛令及び安衛則中...

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フルハーネス型 墜落制止用器具 特別教育 労働安全・労働衛生コンサルタント 椎野由裕 墜落制止用器具 1.関係法令

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Page 1: フルハーネス型 墜落制止用器具 特別教育安衛法、安衛令及び安衛則中 の関係条項 1.関係法令 今回の改正等のポイント ⇒基本3点 1

フルハーネス型墜落制止用器具特別教育

労働安全・労働衛生コンサルタント椎野由裕

墜落制止用器具1.関係法令

Page 2: フルハーネス型 墜落制止用器具 特別教育安衛法、安衛令及び安衛則中 の関係条項 1.関係法令 今回の改正等のポイント ⇒基本3点 1

安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項

1.関係法令

今回の改正等のポイント ⇒基本3点

1. 名称を安全帯から「墜落制止用器具」に変更。2. 墜落制止用器具は「フルハーネス型」を使用することが原則。3. フルハーネスを使用するなら「安全衛生特別教育」が必要。

但し、これは原則であり、例外と猶予期間があります。

注)現場等において従来からの呼称である「安全帯」「胴ベルト」「ハーネス型安全帯」といった用語を使用することは差し支えありません。(厚労省パンフ)本講習でも『安全帯』と呼びます。

肩ベルト

着脱式連結ベルト

胸ベルト

胴ベルト

腿ベルト

D環

骨盤ベルト

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安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項

1.関係法令

施行と経過措置(猶予期間)

• 改正法令は2019年2月1日から施行• 現行の構造規格に基づく安全帯(胴ベルト型・フルハーネ

ス型)を使用できるのは2022(平成34)年1月1日まで

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安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項

1.関係法令

墜落制止用器具はフルハーネス型が原則となりますが、フルハーネス型の着用者が墜落時に地面に到達するおそれのある場合(高さが6.75m以下)は「胴ベルト型(一本つり)」を使用できます。胴ベルト型が使用可能な高さの目安は、建設作業等におけるフルハーネス型の一般的な使用条件 (ランヤードのフック等の取付高さ:0.85m、ランヤードとフルハーネスを結合する環の高さ:1.45m、ランヤード長さ:1.7m、ショックアブソーバ(第一種)の伸びの最大値:1.2m、フルハーネス等の伸

び:1m程度。)を想定すると、 5m以下 とすべきであること。これよりも高い箇所で作業を行う場合は、フルハーネス型を使用すること現行の構造規格の胴ベルトも経過措置として性能要件を満たすとされるので6.75m以上の高所でも2022(平成34)年1月1日まで使用できる。すなわち、胴ベルトを使用し続けるのであれば特別教育も2022(平成34)年1月1日まで猶予される。

施行と経過措置(猶予期間)

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安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項

1.関係法令

安全衛生規則改正

第XX条 変更 内容

36 高さが2メートル以上の箇所であつて作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務

特別教育に41番を追加

130の5 食品加工機械の粉砕機などへの転落等における危険の防止

記述を安全帯から要求性能墜落制止用器具

142 粉砕機及び混合機の転落などの危険の防止

194の22 高所作業車

247 型枠支保工の組立て 作業主任者の職務

360 地山の掘削作業主任者の職務

375 土止め支保工 作業主任者の職務

383の3 ずい道などの掘削等作業主任者の職務

383の5 ずい道などの覆作業主任者の職務

404 採石のための掘削作業主任者の職務

517の5 建築物などの鉄骨の組立て等作業主任者の職務

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安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項

1.関係法令

安全衛生規則改正第XX条 変更 内容

517の9 鋼橋架設など作業主任者の職務 記述が安全帯から要求性能墜落制止用器具

517の13 木造建築物の組立て等作業主任者の職務

517の18 コンクリート造りの工作物の解体など作業主任者の職務

517の23 コンクリート橋架設など作業主任者の職務

518 墜落などによる危険防止作業床の設置等

519・520 墜落などによる危険防止開口部などの囲い等

521 2m以上の高所での使用、取付具

532の2 ポッパーなどの内部における作業の制限

533 煮沸槽などへの転落による危険の防止

532の2 ポッパーなどの内部における作業の制限

533 煮沸槽などへの転落による危険の防止

552 架設通路(取付具)

563 作業床(取付具)

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安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項

1.関係法令

安全衛生規則・ボイラー規則・クレーン規則・ゴンドラ規則・酸欠規則改正

第XX条 変更 内容

564 足場の組み立てなどの作業 記述が安全帯から要求性能墜落制止用器具

566 足場の組立てなど作業主任者の職務

575の6 作業構台(取付具)

ボ則16 ボイラー据え付け工事

ク則27 クレーンの吊具に労働者を乗せる作業

ク則33 クレーン組み立て・解体作業

ク則73 移動クレーンの吊具に労働者を乗せる作業

ク則75の2 移動クレーンのジブの組み立て・解体作業

ク則118 デリックの組み立て・解体

ク則153 屋外設置エレベーターの組み立て・解体作業

ク則191 建設用リフトの組み立て・解体作業

ゴ則17 ゴンドラの作業床における作業

酸欠則6 酸欠になって転落するおそれのある作業

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安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項

1.関係法令

8

法律: 国会両院の議決で成立します。なお、法律案について参議院が衆議院と異なった議決をしたときは、衆議院が出席議員の3分の2以上の多数で再び可決すれば法律となります。法律は、主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署し、天皇がこれを公布します。政令: 憲法及び法律の規定を実施するために内閣が制定する法令で、閣議によって決定し、主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とし、天皇が公布します。省令: 各省大臣が、主任の行政事務について、法律若しくは政令の特別の委任に基づいて発する法令です。厚生労働大臣が定めるものを厚生労働省令といいます。省令は、主に「○○○規則」という法令名となっています。告示: 公の機関が法令に基づいて指定、決定等の処分その他の事項を一般に公に知らせる行為又はその行為の形式の一種で、法令としての性格をもつことになります。通達: 各大臣、各委員会及び各庁の長が、その所掌事務について、所管の諸機関や職員に示達する形式の一つで、執務上依拠しなければならない法令の解釈や運用方針等を内容としています。

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安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項

1.関係法令

安全衛生法

1. 管理体制:事業者の責務(3条)、労働者の協力(4条)、労働災害防止計画の策定(6-9条)、総括安全衛生管理者(10 条)、安全管理者(11 条)、安全衛生推進者(12条の 2)、作業主任者(14 条)、安全委員会(17、19 条)

2. 具体的措置:事業者の講ずべき措置(20-25 条の 2)、労働者の順守事項(26 条)、事業者の行うべき調査など(28条の 2)→RA、機械等貸与者の講ずべき措置(33 条)、建設物貸与者の講ずべき措置(34 条)、重量表示(35 条)

3. 教育:安全衛生教育(59 条):→雇入・作業内容変更・特別教育(則 36 条)、職長教育(60、60 の 2 条)、就業制限(61 条)→特別教育より危険有害、登録教習機関で実施、特別安全衛生改善計画(78 条) →改善措置が必要な事業場、

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安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項

1.関係法令

安全衛生法

1. 届出申告:計画届(88 条)→一定規模又は危険有害な工事・設備の設置時に監督署長・厚労大臣に届け出、OSHMS で一部免除、労働者の申告(97 条)→申告を理由に対する不利益待遇の禁止

2. 建設業関連:建設業のジョイントベンチャー(5 条)、統括安全衛生責任者(15条)、元方安全衛生管理者(15 条の 2)、店社安全衛生管理者(15条の 3)、安全衛生責任者(16 条)、

3. 元請けと請負関係:元方事業者の講ずべき措置(29条)~請負人の講ずべき措置(32条)

4. 設備・器具の安全装置・安全基準:技術上の指針(28 条)、製造の許可(37-40 条)→特定機械(8 種)、譲渡の制限(42-45 条)→個別検定・型式検定

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安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項

1.関係法令

墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン(平成 30 年6月 22 日付け基発 0622 第2号)

<安衛則第518条>高さ2メートル以上の箇所で作業を行う場合には、作業床を設け、その作業床の端や開口部等には囲い、手すり、覆い等を設けて墜落自体を防止することが原則であるが、こうした措置が困難なときは、労働者に安全帯を使用させる等の措置を講ずることが事業者に義務付けられている。

<基本的な考え方>墜落制止用器具は、フルハーネス型を原則とすること。ただし、

墜落時にフルハーネス型の墜落制止用器具を着用する者が地面に到達するおそれのある場合は、胴ベルト型の使用が認められること。一般作業で6.75m以下、一般的建築作業は5m以下は胴ベルトも使用可能。

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安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項

1.関係法令

フルハーネス型安全帯使用作業特別教育カリキュラム(安全衛生特別教育規程 昭和47年労働省告示第92号)

科目 範囲 時間

学科

作業に関する知識

①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法②作業に用いる設備の点検及び整備の方法③作業の方法

1時間

4.5時間

墜落制止用器具(フルハーネス型のものに限る。以下同じ)

に関する知識

①墜落制止用器具のフルハーネス及びランヤードの種類及び構造②墜落制止用器具のフルハーネスの装着の方法③墜落制止用器具のランヤードの取付け設備等への取付け方法及び選定方法④墜落制止用器具の点検及び整備の方法⑤墜落制止用器具の関連器具の使用方法

2時間

労働災害の防止に関する知識

①墜落による労働災害の防止のための措置②落下物による危険防止のための措置③感電防止のための措置④保護帽の使用方法及び保守点検の方法⑤事故発生時の措置⑥その他作業に伴う災害及びその防止方法

1時間

関係法令 安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項0.5時間

実技

墜落制止用器具の使用方法等

①墜落制止用器具のフルハーネスの装着方法②墜落制止用器具のランヤードの取付け設備等への取付け方法③墜落による労働災害防止のための措置④墜落制止用器具の点検及び整備の方法

1.5時間

1.5時間

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確認テスト 問題1.関係法令

1. 名称を安全帯から「墜落制止用器具」に変更。2. 墜落制止用器具は「フルハーネス型」を使用することが原則。3. フルハーネスを使用するなら「安全衛生特別教育」が必要4. U字吊り専用の胴ベルトも墜落制止用器具に認められる。5. 一般作業で5m以下、一般の建設業務では6.75m以下で地面に到達す

る危険がある作業は胴ベルトも使用可能。6. 改正法令は2019年2月1日に施行されるが、それ以降でも2022年1月

1日まで旧規格の安全帯の販売、使用は可能。7. 2022年1月2日から古い構造規格の安全帯の販売・使用は全面的に

禁止される。8. 安全帯着用の法令義務のある業務は安全衛生法・関連規則で規定

されている。9. 労災防止の責任は安全衛生法の第3条により、労働者にある。10. 安全衛生法第4条で労働者は事業者が講じる労災防止策や法令を遵

守するように協力する。

以下の設問の内容の正誤を〇✕で回答してください。

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フルハーネス型墜落制止用器具特別教育

労働安全・労働衛生コンサルタント椎野由裕

墜落制止用器具2.作業に関する知識

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①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

2.作業に関する知識

• 左は全産業における死亡災害を業種別に表示したグラフです。右が建設業における死亡災害、死傷災害を型別に表したグラフです。もっとも多いのは群を抜いて、「墜落・転落」になっています。

墜落による災害

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①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

2.作業に関する知識

• 平成24年度(2012年度)から平成28年度(2016年度)まで20%減少を実現していますが、「第13次労働災害防止計画」」では、さらに15%の減少が目標となっています。目標を達成するためには、「墜落・転落」の対策が有効だという判断が、今回のフルハーネス型安全帯の着用義務化の背景にあります。

• 胴ベルト型は、腰に1本のベルトを装着するため、墜落阻止時に体が抜け出すリスクや、、墜落阻止時に体が「くの字」になり、胸部や腹部を圧迫してしまう危険があります。厚生労働省の統計によると、平成18~27年(2006~2015年)の10年間で、安全帯で宙吊りになった際に胴ベルトが胸部にずり上がって圧迫され、死亡する事例が6件ありました。その点、フルハーネス型ですと、胴だけではなく、肩や腿にもベルトを装着しますので、抜ける心配もありませんし、衝撃も分散することができます。

墜落による災害

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2.作業に関する知識

• 現在の建設業では、フルハーネス型安全帯ではなく胴ベルト型安全帯が主流となっています。下記の表の通り、まだまだ現段階では、フルハーネス型安全帯が普及しているとは言い難い状況です。

ハーネス型が主

胴ベルトが主

半々

【土木】足場の組立・解体作業 5.60% 80.60% 13.90%【土木】足場の手すりを取り外して行う作業 2.80% 86.10% 11.10%【土木】その他、高さ2m以上の適所の作業で作業床が設置できない

8.30% 88.90% 2.80%

【建築】足場の組立・解体作業 22.90% 54.30% 22.90%【建築】足場の手すりを外して行う作業 14.30% 57.10% 28.60%【建築】ビルその他の建築物の鉄骨骨組み 37.10% 37.10% 25.70%【建築】その他、高さ2m以上の適所の作業で作業床が設置できない

22.90% 77.10% 0.0%

①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

墜落による災害

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

墜落制止用器具の基礎知識

墜落の危険について理解することは、高所で作業する上でとても重要です。墜落の重大さを決める要素には以下のものがあります• ユーザーの重さ(着用している器具を含む):ユーザーの重さ

が重いほど墜落によって生じるエネルギーは大きくなります• 墜落距離:墜落する距離が長いほど墜落によって生じるエネル

ギーは大きくなります。障害物に衝突する危険性も高くなります。

• 支点との位置関係:作業者が支点(安全帯の設置位置)よりも高い位置にいると、墜落した場合の危険は大きくなります。作業者と支点との位置関係及び墜落の重大さを表すために、落下率という考え方が用いられることがあります。ダイナミックロープ製ランヤードを使用したクライミング、レストレイン、ワークポジショニングに対して適用されます。

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

墜落制止用器具の基礎知識

• レストレイン (制限):ロープ等で作業範囲を制限し、作業者が墜落の危険がある場所に 侵入するのを防ぎます。(危険個所までの水平距離>ランヤードの長さ)

• ワークポジショニング:U字吊り安全帯のようにユーザーが体重を預けた状態または吊り下がった状態で、適切な位置で作業姿勢がとれるようにします。ワークポジショニングシステムは、必ずフォールアレストシステムと併用されなければなりません。

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

墜落制止用器具の基礎知識

• フォールアレスト(墜落防止器):フォールアレストシステムは、フルハーネスの環に接続するビレイシステム(ロープ等で安全を確保する仕掛け)です。作業システムやワークポジショニングシステムとは独立したシステムです。

• フォールアレストシステムは墜落を防止するものではありません。その役割は墜落した際に墜落状態を止め、ユーザーにかかる衝撃を抑えることです。墜落の距離を考え、クリアランスを十分にとった状態で使用する必要があります。

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

墜落制止用器具の基礎知識

• フォールアレストシステムは、ユーザーにかかる衝撃荷重を 6 kN 以下に抑えなければなりません。

• フォールアレストシステムには、通常エネルギーアブソーバーが含まれます。取扱説明書で定められた条件において、墜落による衝撃荷重を抑えることができます。

• ダイナミックロープ製ランヤードの衝撃吸収能力は高くありません。使用には十分な注意が必要です

• 墜落距離を抑え、支点よりも低い位置を維持しなければなりません。

• 衝撃吸収能力のないスリングやケーブルは墜落を止めるためには使用できません。

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

墜落制止用器具の基礎知識

アブソーバー無しランヤード落下率=「墜落した距離÷ランヤードの長さ」

アブソーバー付ランヤード

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

墜落制止用器具の基礎知識

• 墜落を止めるための距離とクリアランス:クリアランスとは、墜落時に障害物や地面に衝突することを回避するため、フォールアレストシステムの下に確保されるべき空間のことを言います。

• 必要なクリアランスは使用するシステム(エネルギーアブソーバー付ランヤードを使用しているか、モバイルフォールアレスター(ロリップ、ペツル等)を使用しているか等)やユーザーの重さ、墜落開始時のユーザーと支点の位置関係によって変わります。

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

墜落制止用器具の基礎知識

• 墜落を止めるための距離とクリアランス:クリアランスとは、墜落時に障害物や地面に衝突することを回避するため、フォールアレストシステムの下に確保されるべき空間のことを言います。必要なクリアランスは使用するシステム(エネルギーアブソーバー付ランヤードを使用しているか、モバイルフォールアレスター(下降を制御する機器を使用しているか等)やユーザーの重さ、墜落開始時のユーザーと支点の位置関係によって変わります。

Page 25: フルハーネス型 墜落制止用器具 特別教育安衛法、安衛令及び安衛則中 の関係条項 1.関係法令 今回の改正等のポイント ⇒基本3点 1

2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

墜落制止用器具の基礎知識

クリアランスの計算には以下の要素が含まれます:• モバイルフォールアレスターが墜落を止めるまでの距離または

ランヤードの長さ(A)• エネルギーアブソーバーの伸長(B)• ユーザーの身長(C)• 安全マージン(D)• ロープの伸び等(E)

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

作業床

安全衛生規則第563号では、事業者は、足場(一側足場を除く。)における高さ2メートル以上の作業場所には、作業床を設けなければならない、とされている。墜落危険がある箇所については高さ85㎝以上の手すり、高さ35 ㎝ から50 ㎝ の中桟を設けることが義務付けられている

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

足場作業床や支柱などを全てまとめた設備のことを、一般に足場と言います。単管足場と枠組足場があります。

単管足場

枠組足場

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

枠組み足場

• 管を門型に溶接された建枠にジャッキベース・交差筋違・鋼製布板等の基本部材を組合わせ、積上げて構成する仮設足場の事です。主に建設現場のビルの外壁面に沿って設置されます。

• 特徴は、文字通り「建枠(ビティ)」を必要な高さまで積み重ねて組み立て、さらに、横の長さも「ブレース(交差筋違)」や「鋼製布板」で必要な長さまで繋ぐことができることにあります。

• 床の幅は40 ㎝ 以上、枠と床の隙間は12 ㎝以下であることが必要です。

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

枠組み足場

• 枠組足場 ジャッキ

• ベース 交差筋違

• 鋼製布板 階段手摺

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

単管足場

• 直径48.6mmの単管と呼ばれる鉄パイプを組み合わせて建てる足場のこと。

• パイプ同士はクランプ(金具)をかみ合わせ、ボルトを締めて接合する。小規模な工事、作業現場や狭いビル間での足場に用いられることが多い。

• 足場を曲線的にかけなければならない場合や斜面上に設置する場合など不定形の足場を組む際に重宝します。

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

単管足場

• ジョイント

• 単管

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

昇降設備

• 昇降設備には階段、傾斜路、はしごがあります。• 階段は固定され、踏板を登ります。手摺が望まれます。• 傾斜路は勾配角度が30°までの傾斜面の道。• はしごには移動はしごと固定はしごがあります。

• 踏桟(ふみざん)で垂直に昇降する固定はしごを使った通路ははしご道と言います。

• 移動はしごは、踏板は25~35㎝間隔で幅は30cm 以上。• はしご道は、上端を床から60センチメートル以上突出させ

る。• 移動はしごとは、はしごを移動するときに持ち運びできる

タイプのはしごのことです。• 固定はしごとは、ビルやタンク、マンホール、鉄塔、倉庫、

風力発電設備、煙突、橋梁などに取り付けられた、移動することのできないはしごのことです。

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

昇降設備

はしご道移動はしご

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

高所作業車

• 高所作業車構造規格により、高所作業車は機能を定義しています。①2m以上の高さに上昇できる作業床(作業員が作業時に乗る場所)を持ち、昇降装置、走行装置等により構成される。②動力で作業床の上昇、下降できる。③不特定の場所に自走できる。

• 構造によりブーム式と垂直昇降式。走行方式で、トラック搭載式、自走式に分類できる。

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

ローリングタワー

• 建枠等をタワー状に組んで最上層に作業床をもうけた作業台。脚部にキャスターが取り付けられていて人力で移動させられことが特徴です。作業床までの昇降は作業床に開口部を設けて階段枠で昇降できるようになっています。ローリングタワー上での移動はしごや脚立は禁止、資材は転倒防止のために中央に載せる、 同一面に2名同時に昇降しないなどの安全技術基準がある。

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

作業台

• ローリングタワーと脚立の中間的な器具。梯子状の脚部と作業床となる天板が一体となったか可搬式の作業台でアルミ合金製のものなどがあります。昇降時に捕まるための手がかり棒や天板の補助手すりなども設置可能です。

• 作業台を連結してステージ上の作業床を形作り作業を行う場合には専用の部材を使用し、足場になるので足場組立等作業主任者技能講習や特別教育修了した者が行う。

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2.作業に関する知識①作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

脚立・うま

• 脚立やうまは、2本のはしごを連結し自立させて使用できるようにしたもので一般に天板と踏桟で構成されたものは脚立、パイプで構成されたものはうまと呼ばれ、主に高さ2m 以下の作業で使用されます。

• 昇降器具ですが、複数を連結して足場板をかけ連結して脚立足場、うま足場として使用するならば、組立は作業主任者や特別教育講習修了者が行う。

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②作業の方法2.作業に関する知識

足場1. 幅、床材間の隙間及び床材と建地との隙間は、①幅は、40㎝以上

とすること。②床材間の隙間は、3㎝以下。③床材と建地との隙間は、12㎝未満とすること。

2. わく組足場はいずれかの設備:①交さ筋かい及び高さ15㎝以上40㎝以下の桟、②若しくは高さ15㎝以上の幅木又はこれらと同等以上の機能を有する設備

3. わく組足場以外の足場は手すり等及び中桟等4. 物体が落下の危険予知の場合は、高さ10㎝以上の幅木、メッシュ

シート若しくは防網又同等設備

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②作業の方法2.作業に関する知識

はしご

はしごを立て掛けるとき1. 立て掛ける角度は 75 度2. 不安定なものに立て掛けない3. ドアの前に立て掛けない4. 梁などに立て掛けない5. 台や箱の上に乗せない6. 支柱から乗り出さない7. はしごの先端の突き出し長さは屋根軒先より60㎝

以上とすることはしごを昇降するとき1. 物を持って昇降しない2. はしごを背にして昇降しない3. 接点より上の踏ざんを踏まない

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②作業の方法2.作業に関する知識

高所作業車

1. 作業計画作成・作業指揮者の選任・運転資格者の確保2. 運転席から離れる場合の措置

• 作業床を最低降下位置に置く• エンジンを停止する。ブレーキを確実にかける

3. トラック搭載式は走行時に、作業床に搭乗禁止。4. トラック搭載式・作業床操作式が、平坦堅固場所の場合で、

次の措置を講じたときは、搭乗可能。• 誘導者を配置し、誘導させる• 一定の合図を定め、誘導者に合図を行わせる• 制限速度を定め、それにより運転させる

5. 安全装置を解除して操作、走行するは絶対禁止。6. 安全帯の使用(安衛則194条の22 垂直移動除く)

• 作業床上では安全帯を使用する• 作業床搭乗後直ちに安全帯フックを掛ける習慣重要。