『損保ジャパン』の新しいビジネス基盤に...

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「損保ジャパン」発足に向け 統合作業に全力を尽くす 創業以来、113年の歴史を積み重ねてきた 安田火災。国内損保大手として揺るぎない地 位を確立してきた同社だが、2002年4月には 大成火災海上保険株式会社、日産火災海上 保険株式会社と合併。「損保ジャパン」として 新たなスタートを切る。 最近は金融業、製造業を中心として、それ ぞれの特性を生かした企業同士の合従連衡 を図る動きが強まっている。こうした際には、お 互いのシステムをどう統合するかが問題とな る。合併の効果を最大限に生かすためには、 顧客に対してより充実した商品やサービスを提 供することが重要。しかしいくら会社が一つ になっても、その活動を支える情報システムが バラバラではメリットは得られない。 そこで同社では、合併の効果をできるだけ 早く挙げるために、IP-VPNを利用したネット ワークインフラを構築するなど最先端の標準 技術の採用に積極的に取り組んでいる。 安田火災 情報システム部 システム調査役 服部 浩憲氏は「当社では常々スピードの速さ を重視しています。今回の合併についても3社 のシステム統合に全力を尽くし、損保ジャパン の発足と同時に新しいシステム環境でビジネス が展開できるようにしています」と力強く語る。 スピード経営を支えるシステムを Windows ® /IAサーバで構築 もともと同社は、情報システムに対して意欲 的なチャレンジを行う企業としても知られてい る。2000年には4,000万件以上の顧客データ を扱う「総合金融サービス用顧客情報データ ベースシステム」をWindows ® とSQL Server で構築。このシステムはその先進性が各方面 から高く評価され、日経コンピュータ誌主催の 「第5回 情報システム大賞 大規模部門 グラン プリ」や政府主催の平成13年度情報化月間 で「情報化促進貢献情報処理システム表彰」 を受賞するという快挙も成し遂げている。 こうした重要なシステムを、Windowsプラッ トフォーム/IAサーバで構築しようと考えた 理由は何だったのだろうか。この点について 服部氏は「ポイントは二つあります。まず一つ は、これからの情報システムは、経営のスピー ドに追従できるものでなくてはならないというこ と。市場環境がどんどん変化するというのに、 1年も2年も掛けてシステムを作っていたのでは 遅過ぎる。その点IAサーバなら、システムを柔 軟に発展させていくことができます。もう一つは コストの問題です。IAサーバを利用すれば、 システム構築や運用に掛かるコストを飛躍的 に下げることが可能です」と説明する。 業務の効率化を実現し、高品質なサービス 損保大手の安田火災海上保険株式会社(以下、安田火災)では、 「経営が要求するスピード に追随できるシステムを実現する」をコンセプトに、新しい情報システム環境作りに取り組ん できた。 『市場の変化に柔軟に対応し、顧客に最適なサービスを迅速に展開する』―この条件 を満たすために、同社ではマイクロソフトのWindows NT ® 系プラットフォーム(以 下、 Windowsプラットフォーム)を採用。さらにミッション・クリティカルな業務にも耐え得るパ フォーマンス・信頼性・可用性を備えたIA(Intel ® Architecture)サーバとして、日立のアド バンストサーバ「HA8000」を選択した。新しいシステム環境は、2002年4月に誕生する「株式 会社損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)」の情報インフラとしても活用される予定である。 安田火災海上保険株式会社 『損保ジャパン』の新しいビジネス基盤に Windows ® 2000 Advanced Serverを 全面的に採用。高信頼性・高可用性を備えたシステムを 日立アドバンストサーバ「HA8000」で実現 USER PROFILE 『損保ジャパン』の新しいビジネス基盤に Windows ® 2000 Advanced Serverを 全面的に採用。高信頼性・高可用性を備えたシステムを 日立アドバンストサーバ「HA8000」で実現 安田火災海上保険株式会社 億円( 億円( として など、 保 ける ほか、 一 との など サービス む。 し、 トップク スの ジャパ として まれ変わる。 安田火災海上保険株式会社 情報システム部 システム調査役 服部 浩憲 2002年4月1日、大成火災、日産火災、安田火災は ひとつになって「株式会社 損害保険ジャパン」になります。

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Page 1: 『損保ジャパン』の新しいビジネス基盤に …...「損保ジャパン」発足に向け 統合作業に全力を尽くす 創業以来、113年の歴史を積み重ねてきた

「損保ジャパン」発足に向け統合作業に全力を尽くす

創業以来、113年の歴史を積み重ねてきた

安田火災。国内損保大手として揺るぎない地

位を確立してきた同社だが、2002年4月には

大成火災海上保険株式会社、日産火災海上

保険株式会社と合併。「損保ジャパン」として

新たなスタートを切る。

最近は金融業、製造業を中心として、それ

ぞれの特性を生かした企業同士の合従連衡

を図る動きが強まっている。こうした際には、お

互いのシステムをどう統合するかが問題とな

る。合併の効果を最大限に生かすためには、

顧客に対してより充実した商品やサービスを提

供することが重要。しかしいくら会社が一つ

になっても、その活動を支える情報システムが

バラバラではメリットは得られない。

そこで同社では、合併の効果をできるだけ

早く挙げるために、IP-VPNを利用したネット

ワークインフラを構築するなど最先端の標準

技術の採用に積極的に取り組んでいる。

安田火災 情報システム部 システム調査役

服部 浩憲氏は「当社では常々スピードの速さ

を重視しています。今回の合併についても3社

のシステム統合に全力を尽くし、損保ジャパン

の発足と同時に新しいシステム環境でビジネス

が展開できるようにしています」と力強く語る。

スピード経営を支えるシステムをWindows®/IAサーバで構築

もともと同社は、情報システムに対して意欲

的なチャレンジを行う企業としても知られてい

る。2000年には4,000万件以上の顧客データ

を扱う「総合金融サービス用顧客情報データ

ベースシステム」をWindows®とSQL Server

で構築。このシステムはその先進性が各方面

から高く評価され、日経コンピュータ誌主催の

「第5回 情報システム大賞 大規模部門グラン

プリ」や政府主催の平成13年度情報化月間

で「情報化促進貢献情報処理システム表彰」

を受賞するという快挙も成し遂げている。

こうした重要なシステムを、Windowsプラッ

トフォーム/IAサーバで構築しようと考えた

理由は何だったのだろうか。この点について

服部氏は「ポイントは二つあります。まず一つ

は、これからの情報システムは、経営のスピー

ドに追従できるものでなくてはならないというこ

と。市場環境がどんどん変化するというのに、

1年も2年も掛けてシステムを作っていたのでは

遅過ぎる。その点IAサーバなら、システムを柔

軟に発展させていくことができます。もう一つは

コストの問題です。IAサーバを利用すれば、

システム構築や運用に掛かるコストを飛躍的

に下げることが可能です」と説明する。

業務の効率化を実現し、高品質なサービス

損保大手の安田火災海上保険株式会社(以下、安田火災)では、「経営が要求するスピードに追随できるシステムを実現する」をコンセプトに、新しい情報システム環境作りに取り組んできた。『市場の変化に柔軟に対応し、顧客に最適なサービスを迅速に展開する』―この条件を満たすために、同社ではマイクロソフトのWindows NT®系プラットフォーム(以下、Windowsプラットフォーム)を採用。さらにミッション・クリティカルな業務にも耐え得るパフォーマンス・信頼性・可用性を備えたIA(Intel® Architecture)サーバとして、日立のアドバンストサーバ「HA8000」を選択した。新しいシステム環境は、2002年4月に誕生する「株式会社損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)」の情報インフラとしても活用される予定である。

安田火災海上保険株式会社

『損保ジャパン』の新しいビジネス基盤にWindows® 2000 Advanced Serverを全面的に採用。高信頼性・高可用性を備えたシステムを日立アドバンストサーバ「HA8000」で実現

USER PROFILE

『損保ジャパン』の新しいビジネス基盤にWindows® 2000 Advanced Serverを全面的に採用。高信頼性・高可用性を備えたシステムを日立アドバンストサーバ「HA8000」で実現

安田火災海上保険株式会社設  立 : 1888年10月資 本 金 : 584億円(平成13年3月末)総 資 産 : 40,667億円(平成13年3月末現在)従業員数 : 11,106名(平成13年3月末現在)事業概要 :日本初の火災保険会社として明治21年に設立。火災、海上、自動車など、損保事業を幅広く手掛けるほか、第一生命保険相互会社との提携など顧客サービスの充実にも積極的に取り組む。2002年4月には大成火災海上保険株式会社、日産火災海上保険株式会社と合併し、国内トップクラスの損保企業「株式会社損害保険ジャパン」として生まれ変わる。

安田火災海上保険株式会社情報システム部システム調査役

服部浩憲氏

2002年4月1日、大成火災、日産火災、安田火災はひとつになって「株式会社損害保険ジャパン」になります。

Page 2: 『損保ジャパン』の新しいビジネス基盤に …...「損保ジャパン」発足に向け 統合作業に全力を尽くす 創業以来、113年の歴史を積み重ねてきた

をスピーディーに提供するためには、Windows

プラットフォーム/IAサーバの組み合わせが

最適だったというわけだ。

メインフレーム並みの信頼性・可用性を実現した「HA8000」

ミッション・クリティカルな業務にIAサーバを

用いることをためらうユーザーも多い。その原

因の多くは、信頼性・可用性に疑問を感じる

というものだ。しかし服部氏はこうした不安を

一蹴する。「IAサーバは本当に信頼性・可用

性が低いのか、当社ではこの問題を検証す

るために日立とマイクロソフト株式会社と協力

して調査を実施しました。その結果、IAサー

バでメインフレーム並みの信頼性・可用性が実

現できるという結論を得られました」(服部氏)。

この検証作業では、総合金融サービス用

顧客情報データベースシステムの稼働状況を

一定期間にわたって調査。アプリケーション、

システム、運用、サーバ/OSの4分野につい

て、それぞれ稼働率を算出している。この調

査を3回行った結果、サーバ/OSの稼働率

について得られたデータはそれぞれ100%、

100%、99.98%という驚くべきものであった。

この結果を見れば、「Windows®とIAサー

バはミッション・クリティカルなシステムに向かな

い」という評価がいかに的外れなものである

かがわかる。服部氏は「ユーザーアプリケー

ションや運用を含めても、最終的な稼働率は

99.80%にまで達しています。現実にはメイン

フレームでもなかなかここまでの数値を出す

のは大変ですから、この結果には十分に満足

していますね」とにこやかに語る。

こうした高信頼性・高可用性を実現する上

で大きく貢献しているのが、日立アドバンスト

サーバ「HA8000」だ。

HA8000を導入した背景について、服部氏

は「当社はインテル株式会社が主催するECA

(Enterprise Computing Association)に

参画していますが、そこでHA8000を利用し

て高信頼システムを構築した事例があると聞

き、当社にも協力してくれないかと日立に打診

したのです」と説明する。

IAサーバに対しては「パソコンをサーバ用

途向けに拡張したもの」というイメージを持つ

ユーザーも多い。しかしこうした意見は

HA8000には全くあてはまらないと語る服部

氏。「HA8000には、長年メインフレームを作り

続けてきた日立の技術が凝縮されています。

多くの企業の基幹業務を支えてきた日立だか

らこそ、これほど信頼性・可用性の高いサー

バが作り得たのではないでしょうか。当社で

はストレージについても「RAID 300」やテー

プライブラリ装置などの日立製品を活用して

おり、製品の品質については全幅の信頼を寄

せています」と続ける。

新しいシステム基盤にもHA8000を積極的に活用

2001年9月には、損保ジャパンの情報インフ

ラとなる新しいシステム基盤の構築が完了。

この基盤には大規模なサーバ環境による集

中処理、Webベースのオンライン採用など新

しい機能・特長が多数盛り込まれている。

安田火災では新しいシステム基盤の構築に

あたって、システムアーキテクトを新たに任命、

今後のシステム開発にあたって準拠すべきシ

ステム構造のガイドラインを作成させた。この

システム構造に準拠すれば、アプリケーション

資産の保護・有効利用やサービス時間の長

期化への対応が可能になる。さらには、新し

いデバイスやチャネルへの柔軟な対応、多種

多様なデータやサービスをシームレスに利用

することもできるようになる。

この独自なシステム構造は、マイクロソフト

のシステムアーキテクチャーの考え方を多く取

り入れており、その結果開発期間をそれまで

の12分の1、開発費用を10分の1まで最大で

圧縮することができるようになる。

実はシステムアーキテクトを中心とした新しい

システム構造のプロジェクトは、今回の合併の

ために作られたわけではない。1999年に、金融

自由化・IT革命という二つの大きな波の中で、

経営の要求するスピードにシステム開発を追従

させることを目的に着手されたものであった。

「それが今回の損保ジャパンの設立の流れと

ピッタリ合った」(服部氏)とのこと。まさに同社

の先見性の高さを感じさせるエピソードである。

2002年4月以降は、このシステム基盤の上で

顧客や代理店、社内向けのさまざまな業務が

稼働することになる。もちろんここでも、OSは、

Windows® 2000 Advanced Serverをはじめ

とするマイクロソフトWindowsプラットフォー

ムとHA8000を導入して構築中だ。

「日立にはハードウェアの面だけでなく、

『HAサポートサービス』を通じてシステムのラ

イフサイクル全体をサポートしてもらっています。

今後もしっかりと我 を々バックアップして欲しい

ですね」と期待を語る服部氏。HA8000は、

次世代の損保ビジネスを支える重要な役割

を果たしながら、顧客システムの機能向上と

安定稼働を強力に支援していくのである。

株式会社日立製作所インターネットプラットフォーム事業部マーケティング部〒140-8572 東京都品川区南大井6-27-18 日立大森第二別館

TEL.03-5471-8943 FAX.03-5471-8941http://www.hitachi.co.jp/ha8000/

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