ルネサステクノロジ社純正フラッシュrom書き込みソフト「fdt...

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1 ルネサステクノロジ社純正フラッシュROM書き込みソフト「FDT」を使用した 弊社CPUボード内蔵フラッシュROM書き込み、動作 2005.11.03 ここではHEWで作成したプログラムをCPU内蔵フラッシュROMに書き込み、動作させてみます。 「フラッシュ開発ツール」をダウンロードしてインストゥールすると以下の2つのプログラムが使用できます。 ◎FlashDevelopmentToolKit3xx ◎FlashDevelopmentToolKit3xx BASIC インストゥール時に自動的に作成される2つのショートカットを表画面に移しておけば起動が簡単です。(下図参照) 先のBASICが付かないほうはルネサステクノロジ社の純正ハードウエアデバッカE8を経由してCPU内蔵のフラッシュROMに プログラムを書く方法をサポートしています。後のBASICのほうは従来通リ、RS232Cを使用して書き込むことが出来ます。E8 は必要としません。以下ではこのBASICを用いて「BCH83052」「BCH83048ONE」「BCH83672」にHEWで作 成した*.motファイルの書き込み方法を示します。 書き込むデバイスの選択はBASICなしのほうでないとできないようなので以下の手順で進行します。 1.「FlashDevelopmentToolKit3xx」 を使用して書き込みデバイス選択 2.「FlashDevelopmentToolKit3xx BASIC」 を使用してEケーブルで書き込み 始めにBASICがつかない「FlashDevelopmentToolKit3xx」を立ち上げます。まるでHEWのような画面 が出てきますが、よく読むとHEWではないようです。「新規プロジェクトワークスペースを開く」を選択し、ワークスペース名を適当に 書き込みます。リターンを入れるとデバイスとカーネルの選択画面が表示されます。

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■ルネサステクノロジ社純正フラッシュROM書き込みソフト「FDT」を使用した

弊社CPUボード内蔵フラッシュROM書き込み、動作 2005.11.03

ここではHEWで作成したプログラムをCPU内蔵フラッシュROMに書き込み、動作させてみます。

「フラッシュ開発ツール」をダウンロードしてインストゥールすると以下の2つのプログラムが使用できます。

◎FlashDevelopmentToolKit3xx

◎FlashDevelopmentToolKit3xx BASIC

インストゥール時に自動的に作成される2つのショートカットを表画面に移しておけば起動が簡単です。(下図参照)

先のBASICが付かないほうはルネサステクノロジ社の純正ハードウエアデバッカE8を経由してCPU内蔵のフラッシュROMに

プログラムを書く方法をサポートしています。後のBASICのほうは従来通リ、RS232Cを使用して書き込むことが出来ます。E8

は必要としません。以下ではこのBASICを用いて「BCH83052」「BCH83048ONE」「BCH83672」にHEWで作

成した*.motファイルの書き込み方法を示します。

書き込むデバイスの選択はBASICなしのほうでないとできないようなので以下の手順で進行します。

1.「FlashDevelopmentToolKit3xx」 を使用して書き込みデバイス選択

2.「FlashDevelopmentToolKit3xx BASIC」 を使用してEケーブルで書き込み

始めにBASICがつかない「FlashDevelopmentToolKit3xx」を立ち上げます。まるでHEWのような画面

が出てきますが、よく読むとHEWではないようです。「新規プロジェクトワークスペースを開く」を選択し、ワークスペース名を適当に

書き込みます。リターンを入れるとデバイスとカーネルの選択画面が表示されます。

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Select Deviceで

◎BCH83052の場合、H8/3052BF

◎BCH83048ONEの場合、H8/3048BF

◎BCH83672の場合、H8/3672

を指定します。本バージョンはH8Tiny、H8/300H、、、SHまで全てのデバイスがOtherキーを使用しないで選択できます。

前のバージョンに比べると非常に使いやすくなりました。

(画面上のコメントはインストゥール時にJapaneseを選択して展開すると日本語で表示されます。例図は英語版。)

●「次へ」をクリックすると使用するCOMポートを設定する画面です。COMポートの詳細については別記の「COMポート設定につい

て」をご参照ください。ここではこのパソコンに合わせCOM1に設定しました。

●「次へ」をクリックするとCPUボードのクロックを設定する画面です。

◎BCH83052、BCH83048ONEは25.0000MHz

◎BCH83672は16.0000MHz

です。違っていると正常な書き込みができませんので、書き換えてください。

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設定したら「次へ」をクリックしてください。

●通常はBOOTモードを選択します。デホルトより書き換えることなく「次へ」をクリックできると思います。

●この画面もAutomaticを選択、デホルトに対して特に書き換えることなく「完了」をクリックできると思います。完了後、終了

させます。

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ここまで設定しますと、次はいよいよROMの書き込みです。CPUボード、COMケーブル、電源等ハードウエアの用意が必要です。

●「BCH83052」「BCH83048ONE]CPUボードの設定

動作モード設定 +5V バックアップ電源

外部RAM使用/不使用選択

リセットスイッチ

LK=OFF ここにEケーブルを挿入

トグルスイッチ右

●パソコンとCPUボード間の接続を確認します。

前提条件として、

1.先に指定したパソコンのCOMポートからCPUボードにケーブルが接続されている必要があります。

2.CPUボードはブートモードに設定されていて、電源が投入されている必要があります。

あ)トグルスイッチは右に倒してください。

い)本例ではSW1オールオフ、JP1=DISショート(外部RAM不使用)でモード7、シングルチップモードに設定し

ます。

う)LKスイッチ(フラッシュROM書き込みロックスイッチ)=OFFです。

え)EケーブルをCN5に挿入してください。

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●「BCH83672」 CPUボードの設定

電源+5V 「ブートモード」スイッチ ON

Eケーブルをつなげる。

JP1 1-2,3-4のショートバーを抜く

●パソコンとCPUボード間の接続を確認します。

前提条件として、

1.先に指定したパソコンのCOMポートからCPUボードにEケーブルが接続されている必要があります。

2.「BCH83672」CPUボードはブートモードに設定されていて、電源が投入されている必要があります。具体的には

あ)JP1のショートピン 4つありますが、1-2、3-4間のショートバー2つを抜いてください。5-6、7-8間は

ショートのままです。

い)ブートモードスイッチをONにしてください。

う)上記までできましたら電源を入れてください。赤いLEDが点灯します。しない場合上記を再度確認してください。

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●新たにFlashDevelopmentToolKit3xx BASIC を立ち上げます。以下のような画面が出ます。

Device:に先に設定したデバイスが表示されていると思います。書き込むファイルをここを操作して選択します。例では

C:¥WorkSpace¥test3672¥Debug¥test3672.mot

です。書き込むファイルはあらかじめHEWで作成しておいてください。

●スタートを押してtest3672.motを書き込みます。

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上記のように赤字で:ブートの合わせ込みに失敗しました と表示されると接続等がうまくいっていません。

失敗する原因として上記設定の誤り以外に以下のことが考えられます。再確認してみてください。

●電源が入っていますか?

●パソコン側COMx番号の違い

●ケーブルの異常

●CPUボードがブートモードに入っていない

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●書き込みに成功すると緑文字で「Image successfully written to device」と表示されます。パ

ソコンとCPUボード間の通信ができ、プログラムが書き込めたことを示します。

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以下は「BCH83052」と「BCH83672」の動作、観測例です。作成し書き込んだプログラムのドキュメントは別pdfファイ

ルです。ファイル名は以下で、ダウンロードできます。

◎「HEW4による「BCH83052」プログラム開発 Vxxx」

◎「HEW4による「BCH83672」プログラム開発 Vxxx」

●「BCH83052」の動作確認

CPUボードの動作モードを「ブート」モードより「シングルチップ動作」モードに切り替えて動作させてみます。具体的にはトグルス

イッチを左に倒し、リセットスイッチを押します。正常であればP6のポート、例えばP60の信号がハイ、ロウしているのが確認できる

でしょう。なお、このポートのハイ、ロウは1MHz以上の高速になりますので、オシロスコープ等、専用の測定器がないと確認できませ

ん。そこで、ウエイトを入れて約100msecでハイ、ロウを繰り返すプログラムに変更すると回路図のように抵抗1本、LED 1個

で動作を眼で確認できるようになります。正常であれば点滅します。

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●ウエイトを入れたプログラム

17行、35、37行、41から51行までが新規に追加されています。

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●P60観測波形(上のオレンジ色の波形、下の青の波形は本件には関係ありません)

㊤:ウエイトなし 1.38927MHzの波形が得られている。

㊦:ウエイトあり 10Hz以下の波形になった。人間の眼等で確認できる。

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●「BCH83672」の動作確認

CPUボードのBMスイッチをOFFにします。リセットスイッチを押してください。正常であればP1のポート、例えばP10の信号

がハイ、ロウしているのが確認できるでしょう。ポートのハイ、ロウはウエイト500で約26Hzの繰り返しになりました。以下の接続

でLEDのON、OFFを眼で確認することもできます。

デバック、動作中「BCH83672」の基板上の赤いLEDは点灯しっぱなしです。Eケーブルを抜くと通電中LEDは消灯します。

●P10観測波形(上のオレンジ色の波形、下の青の波形は本件には関係ありません)

㊤:ウエイト(500) 26.1437Hzの波形が得られている。LED等でも確認できる。

㊦:ウエイトなし 約1MHzの波形が得られている。本ボードにおけるソフトウエア(C言語)で作れる発振周波数の限

界付近。

㊦ウエイトなし

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ご注意

■HEW、FDTは株式会社ルネサステクノロジ社の商標登録です。

■Windowsは米国マイクロソフト社の登録商標です。

■GCC(GNU Compiler Collection)C はGNUプロジェクトによるフリーCコンパイラです。

■「フォースⓇ」機能、「フォースⓇライタ」「フォースⓇビュー」は弊社にて知的財産権申請、登録されています。

1.本文章に記載された内容は弊社有限会社ビーリバーエレクトロニクスの調査結果です。

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