特集２ICT地域活性化大賞２０２０　受賞事例地域情報化地域情報化

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■「ICT地域活性化大賞２０２０」優秀賞　受賞事例

１ ．目的と概略平成３0年 ７ 月豪雨の被災地、倉敷市真備地区で被災者の生活支援情報提供を行った経験を生かし、平

時のオープンデータの備えで地域防災力向上を支援する取組みを行っています。

２ ．先進的な優良事例紹介２．1　事業概要

平成３0年 ７ 月豪雨の被災地、倉敷市真備地区で立ち上げた被災者支援情報ポータルサイト「まびケア」を全国どこでも利用できる「まちケア」として機能拡充し、令和元年に発生した台風15号、台風1９号の被災地での活用など広域展開を図りました。

また、平常時から防災に活用できるオープンデータの整備を支援するため、倉敷市真備地区の浸水被害を事例として防災（水害）に役立つオープンデータを調査・整理して必要なデータセットを定義し、「中国地域オープンデータMAP」サイトで公開しました。

２．２　コラム⑴　サービスイメージやシステム構成　★「まちケア」

「まちケア」は、被災地における病院、薬局、飲食店、コンビニエンスストアの開業時間や緊急支援など「暮らしと健康に必要な情報」を提供する情報サイトです。

オープンデータ活用防災ポータル「まちケア」【一般社団法人データクレイドル】〈岡山県倉敷市〉

まびケア運用チーム（高知県立大学、一般社団法人EpiNurse、特定非営利活動法人岡山NPOセンター）

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非常時には、被災地からの依頼を受け無料でサービスを提供しています。

車中泊や神社、公園など指定避難所以外で生活する被災者の方もスマートフォン等で必要な情報が参照できるように、避難所に貼ってあるポスターや役立つ口コミ情報を集めてデータ化し、位置情報付きで提供するものです。

情報登録は、管理者が行う方法と、利用者が現場で情報投稿する方法の 2 通りありますが、混乱した現場で避難所に貼ってあるポスターや役立つ口コミ情報を集めてデータ化し公開する作業は大変です。非常時に正確な情報をスピーディに提供するためにも、医療機関やトイレ、店舗などの施設情報はオープンデータとして平時から準備しておくことを提案いたします。

なお、「まちケア」のデータ項目や分類は、真備地区被災者の情報ニーズをベースにプリセットしています。千葉県館山市ではWi-Fiスポットと充電スポットを追加するなど、各被災地の状況に応じて編集することもできます。

オープンデータ活用防災ポータル「まちケア」　https://machicare.jp/

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★防災オープンデータセット（倉敷市真備地区モデル）作成情報登録できる範囲（市町村など）を限定しない広域

のマップを実現するためには、広域でデータの様式をそろえることが重要となります。

平常時から防災に活用できるオープンデータの整備を支援するため、倉敷市真備地区の浸水被害を事例として防災（水害）に役立つオープンデータを調査・整理して、データ項目を定義しました。データセット定義書とサンプルデータ、そのデータの活用例として「中国地域オープンデータMAP」を公開しています。

　　中国地域オープンデータMAP　　https://bousai-map.datacradle.jp/

⑵　事業展開による効果・成果　★「まちケア」を令和元年台風1５号、台風1９号被災地に提供

令和元年台風15号、1９号の被災地では、現地に入ったボランティアツールとして、支援情報の提供に「まちケア」を利用いただきました。停電が長く続いた館山市では充電スポットやWi-Fiスポット情報、丸森町では風呂、トイレ等の情報が多く投稿されました。

長野市の「まちケア」では、私たちもリモートで情報を登録するお手伝いをしました。医療機関情報はホームページで公開されていたデータを活用したため、約３00件の情報を 2 ～ ３

時間で公開できました。真備で復旧に役立ったホームセンターとドラッグストア情報は、ホームページから情報収集してデータ作成したため数日かかりました。民間のオープンデータ化はこれからですが、今後店舗情報などはぜひオープンデータ化していただきたいと思います。

なお、高知県立大学には教育用として提供し、災害看護学の講義で活用いただいています。　・まちケア提供地域数　　　 5 件（被災地 ４ 地域、教育用 1 地域）　・まちケア投稿情報数　 1 ，８66件（被災地1065件、教育用８01件）　　　　　被災地：スポット９5９件、お知らせ８９件、お役立ち情報1７件　1065件　　　　　教育用：スポット７９5件、お知らせ 0 件、お役立ち情報1７件　　８01件

　★防災オープンデータセット（倉敷市真備地区モデル）を展開定義したデータセットは、自治体オープンデータ研修や、中国地域オープンデータ利活用ラウン

ドテーブルで事例として紹介し、中国 5 県への展開をすすめています。

⑶　事業展開のポイント　【独創性・先進性・効果的な ICT 利活用】

「まちケア」は必要な被災者生活支援情報を位置情報付きで提供する身近なGIS（地理情報シス

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テム）です。GISを活用することによって非常時においてもわかりやすい情報提供が可能となります。一般に、自治体が提供するハザードマップやアプリは当該自治体区域内を対象にしたもので、隣接するエリアは白地図となっています。広域避難や想定外地域への避難、避難先を移動するケースに対応できるよう「まちケア」はエリアの中心点を設定するだけで、情報登録できる範囲（市町村など）を限定しない仕組みとしました。

また、APIでオープンデータ連携、更新データのタイムリーな反映を実現します。　【住民等との連携・協力】

「まちケア」のデータ項目や分類は、真備地区の支援団体、避難場所でのヒアリングから、水・食糧・生活環境、健康に関わるものを把握・分類し、 ３ 日、 1 週間、 2 週間、 1 ヶ月の時系列ごとに整理して定義しました。

　【継続性・横展開・波及効果】オープンデータ活用防災ポータル「まちケア」は全国で利用可能なサービスとして提供いたします。非常時には被災地域からの開設依頼を受け「まちケア〇〇（被災地域名）」を無料提供いたします。

※依頼から開設までの所要期間 1 ～ 2 日（令和元年台風15号、台風1９号対応で実績有）

平時には住民主体の事前防災やBCP策定などに活用いただけます。

２．３　サービス利用者の声「まちケア」を提供した令和元年台風の被災地からお礼のご連絡をいただきました。また、被災地にボランティアとして入る災害支援団体、オープンデータ活用推進を計画する自治

体から複数お問合せをいただいております。

２．４　今後の課題と展開今後は、複数自治体の共同利用型または地域官民利用型のサービスモデル検討、条件や規模が異

なる災害に対応した防災データセットへの拡充、非常時に支援が必要な方の役に立つデータセット研究、平時の活用支援に取り組んでいきたいと考えています。

また、どこでもデータを活用できるよう、全国で防災オープンデータの整備を行うことが急務です。皆様のご参画とご協力を期待しています。

２．５　導入費・維持経費非常時（被災地域）　無料平常時　　　　　　　サービス基本利用料120，000円 年・ 1 自治体 （税別）カスタマイズ等については、ご要望に応じてご対応させて頂きます。

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〔問い合わせ先〕・団体　一般社団法人データクレイドル　　　　岡山県倉敷市阿知 1 丁目 ７ − 2 　くらしきシティプラザ西ビル７06・電話番号／0８6−４2７−0８８5・e-mail：info＠d-cradle.or.jp・HP：オープンデータ活用防災ポータル「まちケア」　https://machicare.jp/　　　　中国地域オープンデータMAP　https://bousai-map.datacradle.jp/