中小企業におけるイノベーション経営...skydrive( 7gb無料)、 dropbox...
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特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会
ITコーディネータはIT経営を実現するプロフェッショナルです
中小企業におけるイノベーション経営
播磨 崇 2014年 3月 6日
IT経営カンファレンス 2 014 IN 中部
1 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
~ お話の内容 ~ 1.ITの新潮流 2.ITの進展による市場と経営環境の変化 3.経営課題解決にIT活用の必要性とIT導入状況 4.事例から見たイノベーションへの挑戦(価値発見) 5.事例からの気付き 6.経営トップの一言 7.支援策 8.まとめ
ITコーディネータ及び協会について
2 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
◆ ITコーディネータ協会(ITCA)
2001年2月、中小企業の発展と成長を目指した国家プロジェクトから生まれた
ITコーディネータ資格者(経済産業省推進資格)の育成・普及のために創設されました
◆ ITコーディネータ(ITC) 経済産業省 推進資格 経営とITの融合(IT経営)により、経営の革新(イノベーション)を目指す経営者のために、
「IT経営の実現を支援するプロフェッショナル」です
559
1,501
3,194
4,847
5,902
6,681
7,4728,113
8,6959,208
9,58310,020
-1,000
1,000
3,000
5,000
7,000
9,000
11,000
01年10月 03年3月末 05年3月末 07年3月末 09年3月末 11年3月末
10020人
特徴 ● ITコーディネータ資格と同時に中小企業診断士、税理士、情報処理資格 等を保有する多彩な人材集団
● 毎年の資格更新を通じて、常にスキル向上を実践
12年3月末
1.ITの新潮流
3 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
Copyright: IT Coordinators Association, 2013 4
ITの新潮流
◆所有から利活用へ アプリケーション SkyDrive(7GB無料)、 Dropbox(15GB無料)
3Dプリンター
◆現在のスマホの性能は約15年前の スーパーコンピュータ並み
◆高速化 : LTE 受信速度 75MB/秒(一部地域150MB) 次世代LTE 1.5GB/秒
ビッグデータ
スマホ タブレット
インターネット
クラウド
3Dプリンターで作成された アウディのコンセプトカー
SNS ◆Facebook、ブログ、Twitter
総務省情報通信白書より
例: 企業紹介
◆3Dプリンターと切削加工の組み合わせ で新しい製造技術研究開発
◆今後 産業・医療機器、車載など、センサー ex.京都の老舗茶屋がビッグデータ
が発生するデータを主に 急速に増加 を活用し、酒販に参入
2. ITの進展による市場と経営環境の変化
5 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
企業規模別の新ITの普及に伴う市場や経営環境の変化
(複数回答)
個への「モノ」から「コト」ビジネスへ
グローバル化
業務スピードの要求増大
同業他社との競争激化
個別の顧客ニーズへの
対応の要求増大
海外生産等による
低価格化の進展
現場の変化への 対応力強化
3. 経営課題解決にIT活用の必要性と IT導入状況
7 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
65.7 63.4 59.7
52.5 48
39.7 46.3
41.4
31.7
41.6
32.4 37.2 34.4
28.4 29.1 24
20.4 14.2
19.5 17.9 10.3 13.2 10 9.6
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
コストの削減、業務効率化
営業力・販売力の維持・強化
新規顧客の開拓
商品・サービスの高付加価値化
技術力の維持・強化
人材の確保・育成
新商品・新サービスの開発力の維…
財務基盤・資金調達力の維持・改善
後継者の育成・決定
企業連携・産学連携
海外展開
知的財産権の活用
海外展開
(%)
85.2
74.3 69.2
64.6 61.6 61.4 54.9
58.8
42.5 50.5
40.6 45.4
57.3
43.3 40.6 35.8
32.4 31.3 28.2
38.2
19.8 21.1 16.6 18.2
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
コストの削減、業務効率化
営業力・販売力の維持・強化
新規顧客の開拓
商品・サービスの高付加価値化
技術力の維持・強化
人材の確保・育成
新商品・新サービスの開発力の維…
財務基盤・資金調達力の維持・改善
後継者の育成・決定
企業連携・産学連携
海外展開
知的財産権の活用
海外展開
海外展開
経営課題別の中小企業のIT導入の状況
8
(%) 経営課題別のIT活用が必要と考えている企業の割合とITを導入した企業の割合
出展:中小企業白書2013年
中規模企業
:ITの活用が必要 :ITの活用が必要
:ITを導入した :ITを導入した
小規模企業
コストを負担できない
規模別の中小企業のIT導入の現状
9
ITを導入した企業の割合 (①)
ITの活用が必要と考えている企業の割合
(②)
IT導入した企業 IT必要と考えている企業
(①/②)
小規模事業者 (n=735)
29.3% 61.1% 47.9%
中規模企業 (n=1,182)
46.7% 78.7% 59.4%
■ 規模別のITの活用が必要と考えられている企業の割合と ITを導入した企業の割合(企業全体での総合評価)
出典:中小企業白書2013年
ITの活用が必要と考えている企業の半数が未導入
未導入企業の半数以上が、導入の効果が分らない、
評価できない
4. 事例から見たイノベーションへの挑戦 (価値発見)
10 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
プロダクトイノベーション
11 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
現場の変化への 対応力強化
個への「モノ」から 「コト」ビジネスへ
グローバル化
コストの削減・効率化
営業力・販売力の維持強化
新規顧客開拓
技術力の維持強化
人材の育成・確保
海外展開
プロセスイノベーション
サービスイノベーション
ビジネスイノベーション
経営環境の変化 イノベーション 経営課題
イノベーションと経営課題
商品・サービスの高付加価値化
新商品・サービスの開発力の維持強化
12 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
①高付加価値サービス(コトづくり)
□市場ニーズを捉え、新サービスビジネスモデル創出 八面六臂(株)
□企業間連携による新市場・新商品開発 コーディネートハブ企業による企業間連携
②観察力(もったいない) □資源の活用による新たなビジネスモデル創出 旬材(株)
③経営危機への対応 □分り易い経営情報の見える化と活用による事業拡大 芝園開発(株) (2014年度経済産業大臣賞受賞)
④グローバルのお客様の要求への対応 □グローバルビジネスの納期短縮に、商社経由から直販へ (株)メトロール
⑤社員の意識改革によるイノベーション □意識改革(自律的行動)によりイノベーション創出 共栄電業(株)
⑥経営環境変化への対応力の強化 □日次決算(リアルタイム決算)を実現してスピード経営体質へ変革 (株)クロスエフェクト
⑦予知的変革(平常時に将来の課題を予測) □市場の変化をとらえて、ビジネスモデル改革 (株)沖縄美健
⑧経営理念の可視化
□経営理念に基づく計画実践 宮本農園
⑨企業間連携による下請け構造からの脱却 ネオマルスコーポレーション
□全国の企業との業務提携ネットワーク構築 (2014年度経済産業大臣賞受賞)
⑩ビッグデータ活用による業績拡大 北の達人コーポレーション
□顧客生涯価値分析による業績拡大 (2014年度経済産業大臣賞受賞)
イノベーションへの挑戦(価値発見)
主に中小企業経営力大賞受賞企業より
敬称略
13 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
①-1 高付加価値サービス(コトづくり)
八面六臂(株) 様 鮮魚に特化した食品卸売販売 会社
①市場環境と課題
○飲食店の経営者が魚を仕入れる手段が限られている
②着眼点と取組
◆地域の食文化を担う飲食店と共に、人々に「おいしい魚を食べる幸せ」を 提供したい
○仕入れの為の情報端末「iPad」を利用したASPサービス「八面六臂™」を独自開発
○販売促進メニューの提案、翌月の旬の入荷情報、売れ筋情報の提供
○関東を中心にした200店舗 からさらなる拡大(300店舗(計画))
③ポイント
◆鮮魚の買い付けから、納品、飲食店へのメニュー提案
◆少量の手配も可能(ex. 鰹、鰤は1/4の発注可能)
◆利用者のITレベルに合わせた仕組みの提供
・飲食店はキー入力以外に手書きもサポート
・漁師、産地市場からは、電話、FAXでも受付
◆ 高い目標へのチャレンジ: 全国展開、さらに海外展開へ(鮮魚流通のAmazonを目指す)
14 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
チーム入間 6㎜のギアボックス 部品点数 30
(2)チーム入間(5社) 様
○ソリューション型協業受注集団
○とんがった高い技術で、ワンストップソリューション(金型、プレス、成形、加工) (3)ファイブテックネット(広域強者連合 5社)
○強みを補完し、高付加価値製品サービスの創出
○新しい共同提案、協同受注
③ポイント
◆経営者間の危機意識
◆経営者のリーダシップ
□企業間連携による新市場・新商品開発
チタンクリエータ福井様、チーム入間様、ファイブテックネット様
①市場環境と課題
○大企業からの提案、ワンストップソリューションへの要求、下請け構造からの脱却
②着眼点と取組
◆企業間連携による提案力強化、および市場開拓
(1)チタンクリエータ福井(7社) 様
○チタン加工技術専門の「小さな巨人集団」
○メガネ業種から異業種へのビジネス展開
○チタンに関する駆け込み寺(素材選定から製品開発まで提案)
チタンクリエータ福井 宇宙コマ
①-2 高付加価値サービス(コトづくり)
ファイブテクネット 共同開発の成果:歯茎切削用ドリル(インプラント用)
□ 資源の活用による新たなビジネスモデル創出
(株)旬材様 生鮮鮮魚卸販売事業、通販事業、水産加工事業
①市場環境と課題
○ 魚市場で、同じサイズが揃わない、漁獲量が少ない魚や突発的に水揚げ、量が少ない希少魚が廃棄されている
②着眼点と取組 ◆全国の生産者から直接水産物を購入し、買い手(大手量販店、外食チェーン、流通業者)に届けする
○動画・音声で水揚げ状況を見ながら、全国産地市場の規格外の鮮魚や突発水揚げした鮮魚をリアルタイムで 買い付け出来る産地直送システム(SCSS)
(漁協100箇所以上にカメラ配布 撮影画像をアップロード)
○バイヤーが希望の注文量を漁港に予約注文することで、漁業生産者は事前に量と価格を確定して出漁する事を可能にする 水産物予約販売システム(SCORE)
③ポイント
◆有力市場から遠い漁協、漁師の水産物の販売(過去約半数が廃棄)
◆漁師が量と価格を確定して出漁が可能に
15 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
② 観察力(もったいない)
芝園開発株式会社様 駐車場・駐輪場の管理運営
①市場環境と課題
○平成18年道交法改正による民間の駐車違反取締り開始に伴い、駐車場事業に参入する事業者が増加し、競争激化
リーマンショック後価格競争になり、駐車事業も赤字に転落
○駐車場・駐輪場の個別の収益管理が出来ておらず、対策が後手に
②着眼点と取組
◆個別の収支管理の徹底と情報の共有化による業務改革
○ネットワーク化による改善 ◆各施設の清算機からの売上の自動収集
◆コールセンターからの報告データに対する対応の進捗状況の見える化
○地図上に他社情報をマッピングし、より競争力のある運営管理・サービスの提供 ③ポイント
○経営者のIT経営推進への情熱
○地理情報(GIS)とクラウドの活用で、情報の見える化(土地と収支の関係)
と情報共有・活用
○業務改革により体制を見直し、営業力強化
○アジャイルによる短期間開発
2013/4 Copyright: IT Coordinators Association, 2013 16
③ 経営危機
クラウドシステム
SHIP
□分り易い経営情報の見える化と活用による事業拡大
Copyright: IT Coordinators Association, 2013 17
④ グローバルのお客様の要求への対応
□グローバルビジネスの納期短縮に、商社経由から直販へ (株)メトロール様 機械式精密位置決めスイッチ(工作機械、産業機械に組み込まれ、世界各国に輸出)
①市場環境と課題 ○海外の利用者から、保守用のスイッチの取得までの納期が長い、そして価格が高いとの指摘
②着眼点と取り組み ◆商社経由の販売を直販へ改革 ○既存の仕組みを活用し、短期間で直接販売の仕組みを構築(世界各国へ受注後7日間で納入) ・BtoBビジネスの代金回収にクレジットカード利用 ・配送は国際宅急便 ・海外支店との情報共有はブログ活用(5か国の販売子会社) ○海外の現場の職工さんとの情報交換(FACEBOOK)により、現場のニーズを早く把握し、対応 ○統合基幹業務PKGの導入(7000種以上の部品で700種類以上の製品を提供) ③ポイント ◆顧客のためにグローバルビジネスへの挑戦 ◆観察力による、短期間でのイノベーションの実現 ◆経営者のイノベーションへの強いリーダシップ ◆PKG導入に関する第三者支援(ITC) メトロール社長
☆会議は情報共有する為のモノではなく、いい製品を創るために、 アイデアを 出し合う融合、創造の場
海外の加工技術者(数千人)とFacebookにより情報交換
Copyright: IT Coordinators Association, 2013 18
⑤ 社員の意識改革によるイノベーション
□意識改革(自律的行動)によりイノベーション創出
共栄電業(株)様 電気・電気通信設備設計・施工・保守(交通管制システム、道路照明など)
①市場環境と課題
○二度の危機(談合、公共事業投資削減)により、利益率悪化し,赤字に転落
翌年度は社員の努力で赤字脱出するも、課題(社員は受け身意識)は未解決 ②着眼点と取組
◆社員と経営理念を共有する事の重要性を認識し、社員の自律意識の醸成
○事業エリア拡大及び新規事業立ち上げ(基地局設置工事事業)
○経営者と社員とのコミュニケーション(業績評価、コミュニケーションの場作り)
○合宿でより議論を推進するために、外部支援者(ITC)の登用
・ リーダークラスによる、中期計画、事業計画策定を繰り返し実施(アクションプランの策定)
・ 議論を通じて、社員意識が自律意識へ変化し、事業推進への取り組みに変化(社員による短期・中期計画策定)
社員意識変化 : 受け身意識 ⇒ 受け身意識ながら頑張る意識 ⇒ 自立意識
○全社システムの再構築(あるべき姿へ変革する仕組み・・外部支援者(ITC))
・ 脱どんぶり勘定IT ⇒ 業務プロセス標準化IT ⇒ 業務改革促進IT(他社の追随を許さないIT)
○経営情報の見える化
③ポイント
○経営者が社員と経営理念の共有化の必要性を認識
○経営者の異業種から学ぶ姿勢
○新規事業からの撤退の決断(組織風土になじまない)
○経営者が意識改革を推進するために、外部支援者の活用
○社員意識が変わり、各部署でイノベーションが起こる組織風土へ
実践
理解
共感
共栄電業社長: 経営理念が共感を強め、自律意識が育つ
光造形 CTスキャン
Copyright: IT Coordinators Association, 2013 19
⑥ 経営環境変化への対応力の強化
□日次決算(リアルタイム決算)を実現してスピード経営体質へ変革 (株)クロスエフェクト様 光造形による3D開発試作モデルの製作 、真空注型品製作、
その他新製品開発にかかわるトータルサービス
①市場環境と課題
○試作品開発の短納期への要求と開発案件のコスト把握の課題(どんぶり勘定的経営)
②着眼点と取り組み
◆スマホを活用した「徹底した案件ごとの時間管理」と「リアルタイム原価管理」
○不採算案件の洗い出しを即座に行い、素早い経営判断
○超短納期案件や飛び込み緊急案件を、スマホにより瞬時に情報共有し対応
○Webを通して海外市場も開拓 ③ポイント
◆世界最速の開発支援企業を目指す(ビジョン)
◆経営情報の公開による社員との目的目標の共有化
◆新ITの活用(スマホを活用し、リアルタイム原価管理)
Copyright: IT Coordinators Association, 2013 20
□市場の変化をとらえて、ビジネスモデル改革 (株)沖縄美健 健康食品(ウコン、フィコダイン、ノニジュースなど)の製造販売 ①市場環境と課題 ○健康ブームに乗り、商品を大手販売会社に提供し、業績はすごい勢いで成長。 しかし 急成長する市場に 多くの企業が参入し、競争も激しくなり、ブームが去ると一気に売上減少する危機感
②着眼点と取組
◆将来を見据えて、売り上げは大幅に減少するが、利用者に直接アプローチする商流へシフトを決断
○取扱い商品カテゴリ(得意分野)を活かしたネット販売を開始 ・対応履歴も含めた顧客管理で、温もりのある顧客対応 (顧客を10パターンに別け、顧客に合ったプロモーション) ・定期購入型単品販売のビジネスモデルを立ち上げ、高いリピート率を確保(97%)
○取引先を巻き込んだITの活用により大幅なコストダウン実現(過剰在庫削減、梱包・発送のBPO)
③ポイント
◆経営者の平常時での危機意識
◆顧客を知り、顧客視点での取り組み
⑦ 予知的変革(平常時に将来の課題を予測)
ノニ:ハーブフルーツ (沖縄・小笠原諸島)
Copyright: IT Coordinators Association, 2013 21
⑧ 経営理念の可視化
□経営理念に基づき、計画実践 宮本農園様 八代トマト栽培 ①市場環境と課題 ○農業を発展させ、地域を活性化し、6次産業化を含めて雇用を創出し、地域の貢献したい
そのために事業拡大するには、属人的な管理から、情報の見える化及びマネジメントの
仕組み導入が必須
②着眼点と取組 ◆規模拡大に向けた、暗黙知の形式知への転換と、リアルタイムマネジメント
○データの見える化による経験と勘からの事業転換
○作業環境の見える化によって、経験と勘に頼る栽培から、データに基づいた栽培管理へ転換
○IT及び設備導入の積極的展開(スマホ監視、24Hリアルタイムセンサー、二酸化炭素発生器など)
③ポイント ◆1年間農業経営塾参加による経営者自身の意識改革
◆経営理念により、社員も含めた目標の共有化と社員の意識改革
◆ビッグデータによる生産性向上への取組
環境監視 システム
環境制御 システム
自動選果システム
圃場ごとの1個1個のトマトの 大きさと個数把握、品質向上 納期予測 リアルタイムに環境把握し、 早期対策
即日出荷
体制整備
2013/4 Copyright: IT Coordinators Association, 2013 22
⑨企業間連携による下請け脱却
□ 全国の企業との業務ネットワーク構築(コーディネートハブ企業)
(株)ネオマルスコーポレーション様 電気通信工事業
①市場環境と課題
○通信キャリアの競争激化に伴い、工事業者への発注は価格低下を招き、かつ多重下請け構造のため低収益工事の受注 となり、工事品質の低下と言う課題を抱えていた。
②着眼点と取組
◆全国の小規模工事会社と業務提携し、全国に工事技術者を派遣できる体制を整備(全国600社、3000人)し、 一次請けとして大型案件の受注と収益改善 ○作業員単位まで登録管理 ex.全国の作業員がどの工事現場に到着しているかも全て把握
○業務提携会社へのシステムサービスの提供(工事手配や仕様書提供、問い合わせ、工事報告書提出、請求のサポート)により 提携会社の拡大(STELLAシステム)
○受注から工事手配、現場作業、報告までの「現場管理を見える化」による効率化
○プロジェクト毎の進捗管理、収益管理により赤字プロジェクトへの早期対応(Ceresシステム)
③ポイント
◆業務提携会社のメリットあるサービスの提供により、Win-Win関係の構築
◆社員満足度向上への取組(目標の共有化、業務の見える化、利益の見える化、評価の見える化)
◆経営者のIT経営に対する強い思い(3年間IT経営塾で学び)
◆外部支援者の支援による新たな気付き
2013/4 Copyright: IT Coordinators Association, 2013 23
⑩ビッグデータ活用による業績拡大
□ 顧客生涯価値分析(LTV)による業績拡大
(株)北の達人コーポレーション様 インターネットによる健康美容商品販売
①市場環境と課題
◆顧客の動向は変化が激しく、商品やサービスの差異化を行うには、顧客の動向を
把握し、正しい対策を講じる事が必須
◆ネットでビジネスを立ち上げ、成功すると、他者がすぐ同じビジネスを立ち上げ、事業継続が難しい
②着眼点と取組
◆顧客価値分析による顧客フォローと効果的な広告宣伝の推進
○商品送付と共に、お客様に合った宣伝資料送付による顧客フォロー
○顧客の購買履歴情報の把握と分析(リピートノ期間、購買ルートなど)
○広告媒体ごとの効果の把握と分析(広告の投資効果を、短期でなく少し長く見る)
○LTV分析による売上急拡大のため、物流効率化(物流出荷管理システム構築) ○「誰にも真似されない」「びっくりするほど良い」商品作りへの挑戦(現在8種) ③ポイント
◆お客様が満足されるまで徹底フォロー : 「本当に薦められる商品・サービスだけを売る」
◆経営者の強いリーダシップ(一人で立ち上げ 上場へ)
◆成功・失敗を何度も経営経験され、学びを最大活用
・事業はリピートが無ければ成立しない。 リピートは顧客の満足による ・本当に進められる商品・サービスの提供
◆経営情報の活用
5. 事例からの気付き
24 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
Copyright: IT Coordinators Association, 2012
★ビジョンの共有化による改革促進(経営者と社員の一体化)
★経営情報の共有化で改革が促進(情報の見える化に工夫)
★強みを再認識し、強みを磨きイノベーション
★企業間連携で新たな付加価値の創出、競争力の強化
★社員意識が自律的になるとイノベーションは継続
★イノベーションは人材育成の場
★グローバルビジネスは身近に(既存技術と最新ITの組み合わせ)
★Webは優秀な営業マン
★新ITの活用で、スピード改革
★新ITの活用でコスト低減
★イノベーションを起こされる経営者は、熱い思いを持たれ、
あらゆる時間を使い、また時間を作りだし、悩み考えられている
事例から得られた気付き
25
6. 経営トップの一言
26 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
27 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
中小企業が経営革新を実践できない訳 ~そんな大きな事なんて中小企業にはできない~ ~大きな事を失敗するわけにはいかない~ 「経営革新 = 大きな事、大変な事」 と言う先入観が、経営革新を阻害する最大の障壁 経営革新は小さな改善の集合体だ。 小さな会社が大きな革新をするには、 小さな改善を蓄積するだけ Y社 社長
イノベーションへの実践に向けて(経営トップの一言)
経営者と社員の経営理念、ビジョンの共有化から、社員が自律意識を持ち 行動し、イノベーションを起こすように成る H社 社長 K社 社長
問題意識を常にもち、その問題の解決に向けて常に行動する そこから新たな道が開かれる(幸運がもたらされる) S社 社長
28 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
イノベーションへの実践に向けて(経営トップの一言)
企業が好調のときこそ、常に危機感を持ち、事業に取り組むことが重要である 危機感を持つ事で、早く改革を推進でき、企業の成長を持続させる事が出来る M社 社長
強みを更に磨き、その強みを元にこそ、新事業展開が出来る K社 社長 他
改革を進めるにはまず、小さな改革を繰り返す事 その積み重ねがあってこそ、より大きな改革に取り組めるようになる
「Repeat Small Wins」
GE 元会長 ジャック ウエルチ
・リーダーは火種だ しかしそれだけではマッチのようにすぐ消える。 その火を 消さないためには一体感が必要であり、そのためには共感を得る事こそ大切
・先入観を変えろ I社 社長
7. 支援施策について
29 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
30 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
1.ミラサポによる中小企業・小企業支援
ITC関係 認定支援機関: 72機関 専門家登録 : 52名 2013.11.6現在
2013/4 Copyright: IT Coordinators Association, 2013 31
2. 信金中央金庫とITコーディネータ協会、業務連携
信金中央金庫
西武信用金庫
信用金庫
信用金庫
信用金庫
ITコーディネート協会
専任チーム
6名
中小企業経営者
業務提携
支援依頼
ITC紹介
各地ITC組織
人選
◆信用金庫の中央バンク 信金中央金庫様とITコーディネータ協会が、信金顧客の支援 にITコーディネータを活用するスキームで業務連携を発表(2013.9.12) ◆西武信金様との業務提携を発表(2014.12.6) ◆信用金庫様は全て経営革新など支援機関として認定されています
支援依頼
Copyright: IT Coordinators Association, 2013 32
3.新成長戦略(首相官邸HPより)と補正予算
・開業率・廃業率10%台(現状4.5%(2004年から2009年までの平均値))を目指す
・2020年までに黒字企業・小規模事業者を70万社から140万社に増やす
・今後5年間で新たに1万社の海外展開を実現する
「平成25年度補正予算中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業」
■公募期間:平成26年2月17日(月)~5月14日(水) ※一次締切り:3月14日(金)、二次締切り:5月14日(水) ■補助対象:日本国内に本社及び開発拠点を現に有する中小企業者。 ■補助対象事業: (1)成長分野型 (2)一般型 (3)小規模事業者型 上記三つの型に対してそれぞれ「ものづくり技術」と「革新的サービス」部門が有ります。 ■補助率:2/3 ■補助上限額:(1)成長分野型1,500万円 (2)一般型1,000万円 (3)小規模事業者型700万円 ■詳細内容: http://www.chuokai.or.jp/josei/25mh/koubo20140217.html ※ITCへの経費およびその他の支出基準については、以下のとおりです。 (東京都地域事務局策定) □専門家謝金(ITコーディネータ等):1日につき、40,000円を限度とする。 □雑役務費:1時間1,000円かつ、1日7,500円を限度とする(交通費は別途実費を支給)。
2014/10/1 Copyright: IT Coordinators Association, 2013 33
4.協会のイノベーション関連の取組み
価値実現フェーズ
イノベーションの姿勢と方向性の認識
イノベーション経営の認識とプロデュース
持続的イノベーションの認識
イノベーション環境・体質構築プロセス
イノベーション認識プロセス
イノベーション実現プロセス
経営者のリーダーシップイノベーティブ人財の育成・活用
柔軟なイノベーティブ組織環境の構築コミュニケーションと知の経営
価値発見フェーズ
価値設計フェーズ
価値実証フェーズ
価値創出プロセス
イノベーションの姿勢と方向性の確認フェーズ
◆イノベーション関連セミナ -経営者が語るイノベーション(シリーズ化) ⇒第一回:ハレックス 越智社長 ⇒順次企画中 ◆イノベーション研修
-経営者のためのイノベーション経営気づき研修 -企画者(ITC)のためのイノベーションの進め方
◆イノベーション関連研修 -ビジネスモデル構築演習 -アイデア発想法(実施中) -デザイン思考 -ファシリテーション -イノベーション経営ロセスガイドライン解説
⇒上記研修は現在開発中で3月末に完了予定
◆イノベーション人材(融合IT人材)の検討を産官学 連携で実施(IPA/ITCAが事務局) ⇒3月末に最終報告書 ⇒5月20日報告会:東京「渋谷区民文化センタ」
◆イノベーション経営プロセスガイドライン ⇒5月末に日経BP殿から発刊予定
8. まとめ
34 Copyright: IT Coordinators Association, 2013
■発想の転換・・・新ITによりビジネスモデルが大きく 変わる
■スピードと情熱・・・生き残りをかけた 経営革新が求められている ■組織風土改革・・・社員の意識を自律意識へ
■Repeat Small Wins・・・小さな成功を 繰り返す
まとめ
Copyright: IT Coordinators Association, 2013 35
ITコーディネータはIT経営を実現する プロフェッショナルです