イースターマット - jacic...自然侵入促進型植生マット イースターマット...

4
自然侵入促進型植生マット 平成 22 12 建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術) 概要書 イースターマット 建技審証第 1008号

Upload: others

Post on 13-Aug-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: イースターマット - JACIC...自然侵入促進型植生マット イースターマット 技術の概要 『イースターマット』は,無播種で施工し,周辺に自生する植物の自然侵入で緑化を行う植生マットです。

自然侵入促進型植生マット

平成 22 年 12 月

建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)概要書

イースターマット

本概要書は、財団法人土木研究センター(PWRC)が行った「建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)」の結果を、広く関係各位に紹介する目的で作成したものであります。財団法人 土木研究センター(PWRC)企画・審査部 TEL03-3835-3609 http://www.pwrc.or.jp/shinsa.html

建技審証第1008号

自然侵入促進型植生マット イースターマット

平成 22年 12月 6日~平成 27年 12月 5日

審査証明有効期間

日新産業株式会社 〒501-6002 岐阜県羽島郡岐南町三宅3丁目224番地 品質管理部 TEL:058-247-7529 FAX:058-247-7359

技術保有会社/お問合せ先

審査証明の範囲

本審査証明は,依頼者より提出された開発の趣旨および開発の目標に対し,設定した方法により確認した範囲とし,法面(斜面を含む)の緑化工において,『イースターマット』により自然侵入促進工を行う場合に適用する。

審査証明の結果

『イースターマット』は,以下の性能を有することが確認されました。

(1)法面保護機能法面保護機能を有し,緑化が進行するまでの期間(施工後3年程度),その機能を維持できる。

(2)周辺植物の侵入・定着機能種子を捕捉し,周辺植物を侵入・定着させる機能を有する。

(3)環境に対する安全性土壌の汚染に関わる環境基準に適合し,環境に対する安全性を有する。

(4)施工性従来の自然侵入促進工と同等の施工性を有する。

【 3年目:植被率 90~100% 】【 2年目:植被率 60~70% 】

植被率の推移に関する標準的な事例

【 1年目:植被率 0~10% 】

<参考> 『イースターマット』の標準的な植生推移    (全国の施工実績65件の追跡調査結果より)

『イースターマット』の標準的な植生推移

経過年数

1年目2年目3年目

15 種25 種35 種

5 %65 %95 %

植被率(侵入種)

種 数(侵入種)

(3)周辺植物の侵入・定着機能に優れています。種子を捕捉する能力が高いので,周辺植物を侵入・定着させる機能に優れています。

○寸法:幅1m×長さ1.8m ○勾配:45°

種子の捕捉能力 試験結果直径6mmの擬似種子を自然落下させた時の捕捉率(%)

Page 2: イースターマット - JACIC...自然侵入促進型植生マット イースターマット 技術の概要 『イースターマット』は,無播種で施工し,周辺に自生する植物の自然侵入で緑化を行う植生マットです。

自然侵入促進型植生マット イースターマット技術の概要

 『イースターマット』は,無播種で施工し,周辺に自生する植物の自然侵入で緑化を行う植生マットです。 このように施工時に植物材料(種子や苗木等)を使用せず,生育環境を整えることによって周辺植物の侵入・定着を促す緑化手法を,一般的に自然侵入促進工と呼称しています。自然侵入促進工は無播種で施工を行うことから,緑化が進行するまでの期間,法面保護機能を継続的に維持するとともに,周辺植物が侵入・定着しやすい環境を作ることが必要です。 『イースターマット』は,自然侵入促進工に必要な「法面保護機能」と「周辺植物の侵入・定着機能」の両立を目的として開発した自然侵入促進型植生マットです。

(1)生物多様性に配慮した緑化が可能です。外部から植物材料(種子や苗木等)を持ち込まずに,周辺自生植物による群落を形成するので,生物多様性に配慮した緑化を行うことができます。

【製品の標準仕様】『イースターマット』には,装着する植生袋の大きさと本数によって,L-1型,L-2型,M-2型,M-4型の製品タイプがあります。Lサイズの植生袋を使用したL-1型とL-2型の生育基盤量は,それぞれ24㍑/㎡と12㍑/㎡,Mサイズを使用したM-2型とM-4型は6㍑/㎡と3㍑/㎡です。

(2)法面保護機能に優れています。耐侵食性(耐降雨侵食性,現場における耐侵食性)に優れるので,法面の安全性を確保しながら自然侵入促進工を行うことができます。

技術の特徴

【施工4ヶ月後】

【施工1年6ヶ月後】

○寸法:幅1m×長さ1.5m ○勾配:45° ○土壌:山砂 ○寸法:幅1m×長さ5m ○勾配:45° ○土壌:マサ土

耐降雨侵食性 試験結果 現場における耐侵食性 試験結果人工降雨試験機により,100mm/hの降雨強度を30分間継続した時の侵食土量

平成18年9月28日~平成19年6月4日の期間,自然条件下に放置した時の侵食土量

無播種で施工し,周辺に自生する植物の自然侵入で緑化を行う植生マットです。

『イースターマット』の概念図

<『イースターマット』に侵入した周辺自生植物>

『イースターマット』の施工例(岩手県,法面地質:礫質土,十和田八幡平国立公園内)

【施工時】『イースターマット』の施工は,アンカー類を用いて法面に設置・固定するだけで完了します。

施工時・降雨後の状況と飛来種子の捕捉

少量の降雨で植生袋の外袋が解け,飛来種子が定着しやすい平場部を形成します。

侵入木本種 (施工1年6ヶ月後)

『イースターマット』の構造

印内が平場部に飛来・捕捉した種子です。

【降雨後】 【飛来・捕捉した種子】

Page 3: イースターマット - JACIC...自然侵入促進型植生マット イースターマット 技術の概要 『イースターマット』は,無播種で施工し,周辺に自生する植物の自然侵入で緑化を行う植生マットです。

自然侵入促進型植生マット イースターマット技術の概要

 『イースターマット』は,無播種で施工し,周辺に自生する植物の自然侵入で緑化を行う植生マットです。 このように施工時に植物材料(種子や苗木等)を使用せず,生育環境を整えることによって周辺植物の侵入・定着を促す緑化手法を,一般的に自然侵入促進工と呼称しています。自然侵入促進工は無播種で施工を行うことから,緑化が進行するまでの期間,法面保護機能を継続的に維持するとともに,周辺植物が侵入・定着しやすい環境を作ることが必要です。 『イースターマット』は,自然侵入促進工に必要な「法面保護機能」と「周辺植物の侵入・定着機能」の両立を目的として開発した自然侵入促進型植生マットです。

(1)生物多様性に配慮した緑化が可能です。外部から植物材料(種子や苗木等)を持ち込まずに,周辺自生植物による群落を形成するので,生物多様

性に配慮した緑化を行うことができます。

【製品の標準仕様】『イースターマット』には,装着する植生袋の大きさと本数によって,L-1型,L-2型,M-2型,M-4型の製品タイプがあります。Lサイズの植生袋を使用したL-1型とL-2型の生育基盤量は,それぞれ24㍑/㎡と12㍑/㎡,Mサイズを使用したM-2型とM-4型は6㍑/㎡と3㍑/㎡です。

(2)法面保護機能に優れています。耐侵食性(耐降雨侵食性,現場における耐侵食性)に優れるので,法面の安全性を確保しながら自然侵入

促進工を行うことができます。

技術の特徴

【施工4ヶ月後】

【施工1年6ヶ月後】

○寸法:幅1m×長さ1.5m ○勾配:45° ○土壌:山砂 ○寸法:幅1m×長さ5m ○勾配:45° ○土壌:マサ土

耐降雨侵食性 試験結果 現場における耐侵食性 試験結果人工降雨試験機により,100mm/hの降雨強度を30分間継続した時の侵食土量

平成18年9月28日~平成19年6月4日の期間,自然条件下に放置した時の侵食土量

無播種で施工し,周辺に自生する植物の自然侵入で緑化を行う植生マットです。

『イースターマット』の概念図

<『イースターマット』に侵入した周辺自生植物>

『イースターマット』の施工例(岩手県,法面地質:礫質土,十和田八幡平国立公園内)

【施工時】『イースターマット』の施工は,アンカー類を用いて法面に設置・固定するだけで完了します。

施工時・降雨後の状況と飛来種子の捕捉

少量の降雨で植生袋の外袋が解け,飛来種子が定着しやすい平場部を形成します。

侵入木本種 (施工1年6ヶ月後)

『イースターマット』の構造

印内が平場部に飛来・捕捉した種子です。

【降雨後】 【飛来・捕捉した種子】

Page 4: イースターマット - JACIC...自然侵入促進型植生マット イースターマット 技術の概要 『イースターマット』は,無播種で施工し,周辺に自生する植物の自然侵入で緑化を行う植生マットです。

自然侵入促進型植生マット

平成 22 年 12 月

建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)概要書

イースターマット

本概要書は、財団法人土木研究センター(PWRC)が行った「建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)」の結果を、広く関係各位に紹介する目的で作成したものであります。財団法人 土木研究センター(PWRC)企画・審査部 TEL03-3835-3609 http://www.pwrc.or.jp/shinsa.html

建技審証第1008号

自然侵入促進型植生マット イースターマット

平成 22年 12月 6日~平成 27年 12月 5日

審査証明有効期間

日新産業株式会社 〒501-6002 岐阜県羽島郡岐南町三宅3丁目224番地 品質管理部 TEL:058-247-7529 FAX:058-247-7359

技術保有会社/お問合せ先

審査証明の範囲

本審査証明は,依頼者より提出された開発の趣旨および開発の目標に対し,設定した方法により確認した範囲とし,法面(斜面を含む)の緑化工において,『イースターマット』により自然侵入促進工を行う場合に適用する。

審査証明の結果

『イースターマット』は,以下の性能を有することが確認されました。

(1)法面保護機能法面保護機能を有し,緑化が進行するまでの期間(施工後3年程度),その機能を維持できる。

(2)周辺植物の侵入・定着機能種子を捕捉し,周辺植物を侵入・定着させる機能を有する。

(3)環境に対する安全性土壌の汚染に関わる環境基準に適合し,環境に対する安全性を有する。

(4)施工性従来の自然侵入促進工と同等の施工性を有する。

【 3年目:植被率 90~100% 】【 2年目:植被率 60~70% 】

植被率の推移に関する標準的な事例

【 1年目:植被率 0~10% 】

<参考> 『イースターマット』の標準的な植生推移    (全国の施工実績65件の追跡調査結果より)

『イースターマット』の標準的な植生推移

経過年数

1年目2年目3年目

15 種25 種35 種

5 %65 %95 %

植被率(侵入種)

種 数(侵入種)

(3)周辺植物の侵入・定着機能に優れています。種子を捕捉する能力が高いので,周辺植物を侵入・定着させる機能に優れています。

○寸法:幅1m×長さ1.8m ○勾配:45°

種子の捕捉能力 試験結果直径6mmの擬似種子を自然落下させた時の捕捉率(%)