クラウドファンディング等の小口資金を活用した 小 …ministry of land,...
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Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
クラウドファンディング等の小口資金を活用した小規模不動産特定共同事業について
国土交通省 土地・建設産業局
不動産市場整備課 不動産投資市場整備室
不動産特定共同事業とは ー基本的なスキームー
(テナント)
1号事業者
③取得
⑤賃貸収益
投資家
投資家
不動産特定共同契約締結の代理・媒介
2号事業者
⑥配当
:不動産取引等
①出資(1)任意組合型(2)匿名組合型(3)賃貸型
②代金
④賃貸
:金銭の流れ
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◆小松駅南ブロック複合施設(Komatsu A × Z Square) 石川県小松市(10.6万人)
小松駅前公有地を活用した不動産証券化によるホテル・大学等の官民複合施設整備
小松駅南ブロック複合施設(Komatsu A × ZSquare)
所 在 地 石川県小松市(小松駅前)
用 途官民複合施設(ホテル、公立小松大学、子育て支援施設、ブック・カフェ、英会話教室)
敷地/ 延床面 積 約3,942㎡ / 約9,420㎡
事 業 手 法官民連携、公的不動産活用、不動産証券化(不動産特定共同事業SPC型特例事業)
事 業 費 約45億円
資 金 調 達融資(金融機関)、出資(投資家、民都機構まち再生出資等)、補助金(国・市)等
小松駅前の遊休市有地(百貨店跡地)を活用し、ホテル・大学・子育て支援施設等の官民複合施設を、不動産特定共同事業(SPC型特例事業スキーム)により整備。地方創生に資する事業への貢献のための投資家からの出資や、地域金融機関による融資など、地元資金も活用した資金調達を実現。市有地を建物譲渡特約付定期借地(50年間)により民間事業者に賃貸し、民間事業者が建設・所有する施設について、テナント賃貸借に市が積極的に関与するなどの官民連携手法により、事業の安定性・信用力向上に寄与。
(出典)株式会社柿本商会HP
■小松駅南ブロック複合施設
不動産特定共同事業による公的不動産を活用したホテル・大学施設整備
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小松駅南ブロック事業スキーム
建設会社
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◆湯河原町 富士屋旅館再生事業 神奈川県湯河原町(2.5万人)
温泉街にある廃業した老舗旅館を不動産証券化により再生し、まち全体を活性化
不動産特定共同事業による老朽旅館施設の再生
湯河原温泉郷に位置し、明治時代よりまちのシンボルであった富士屋旅館が廃業。この老舗旅館の再生を通じてまちの活性化に貢献するため、地域金融機関と地域経済活性化支援機構(REVIC)が連携し、不動産特定共同事業(SPC型特例事業スキーム)により物件を取得・改修し、公募した旅館運営事業者に運営委託することにより、減少し続ける観光客の呼び戻しを目指している。富士屋旅館の再生を核として、温泉郷の活性化を図るため、湯河原町と湯河原温泉まちづくり協議会、民間事業者等による地域活性化に向けた連携協定が締結され、新たな賑わいづくりが期待されている。
湯河原町 富士屋旅館再生事業
所 在 地 神奈川県湯河原町(湯河原温泉)
用 途 宿泊施設(旅館)敷地/ 延床面 積 4,890㎡/2,189㎡
事 業 手 法 不動産証券化(不動産特定共同事業SPC型特例事業)
事 業 費 10.1億円
資 金 調 達 融資(地域金融機関)、社債投資・出資(かながわ観光活性化ファンド)
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湯河原 富士屋旅館再生スキーム
改装工事業者(運営会社の系列会社)
改装工事請負契約
従前の制度の課題 許可要件
① (融資ではなく)出資を募って② 不動産の賃貸・売買等を行い③ その収益を配当する場合、
不動産特定共同事業に該当(例)出資を募って・・・・ 空き店舗をリノベして賃貸したい・ リノベした古民家のうち1部屋を賃貸用として活用したい・ リノベした飲食店を別のオーナーに売却したい
→ 空き店舗・古民家改修等の小規模な事業であっても不動産特定共同事業法の許可を取得する必要がある 6
従前の制度の課題 許可要件
第1号事業 第2号事業 第3号事業 第4号事業
資本金(法第7条第1号・令第4条) 1億円 1000万円 5000万円 1000万円
純資産(法第7条第2号) 純資産≧(資本金×90/100)
約款(法第7条第5号・政令第5条)
法令に適合していること
- 法令に適合していること
-
役員等の属性(法第7条第3号)
欠格事由に該当しないこと役員・使用人(事務所の代表者)が5年以内に不正・著しく不当な行為をしていないこと
業務管理者(法第7条第4号・規則第17条)
以下の(1)~(2)の要件を全て満たす従業者(1) 宅地建物取引士であること(2) 以下のいずれかを満たすこと① 不動産特定共同事業に係る3年以上の実務経験② 国土交通大臣が指定した講習の受講③ 登録証明事業による証明(ビル経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター・不動産証券化協会認定マスターのいずれか)
財産的基礎及び人的構成(法第7条第6号・施行規則第8条の3)
財産的基礎① 許可の申請の日を含む事業年度の前事業年度における財産及び損益の状況が良好であること② 財産及び損益の状況が許可の申請の日を含む事業年度以降良好に推移することが見込まれること
人的構成① 不動産特定共同事業を公正かつ適確に遂行できる組織構成を有すること② 役員が他の法人で常務している場合等に、そのことにより不動産特定共同事業の公正かつ適確な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと
③ 【対象不動産変更型契約の場合】対象不動産変更型契約に係る業務に従事する者が当該業務を遂行するに足りる十分な知識及び経験を有すること
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500
1,000
1,500
2,000
2,500
2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度(見込)
不動産特定共同事業法の一部を改正する法律
クラウドファンディングに対応した環境整備小規模不動産特定共同事業に係る特例の創設出資総額等が一定規模以下の小規模事業のみを行う事業者の参入を可能とし、空き家・空き店舗等の再生・活用事業を促進。事業者の資本金要件を緩和するとともに、5年の登録更新制とする等、投資家保護を確保。(資本金要件:1000万円)投資家保護の観点から、投資家一人あたりの出資額及び投資家からの出資総額がそれぞれ原則100万円、1億円を超えないことを求める。
古民家を宿泊施設に改装して運営(明日香村おもてなしファンド)
【空き家等の再生・活用事業の例】
舟屋をカフェ・宿に改装して運営(伊根 油屋の舟屋「雅」 )
従前は紙で投資家に交付することとなっていた書面を、電子的に交付することを可能とするなど、クラウドファンディングが活用できる環境を整備。
【国内クラウドファンディングの市場規模推移】
改正法の概要
【目標・効果】地方の小規模不動産の再生により地方創生を推進するとともに、成長分野での良質な不動産ストックの形成を推進し、都市の競争力の向上を図る。(KPI) 地方の不動産会社等の新たな参入 800社 (2017~2022年)
空き家・空き店舗等の再生による新たな投資 約500億円(2017~2022年)
平成29年6月2日公布、12月1日施行
出典:ミュージックセキュリティーズ(株) セキュリテHP
5年で約9倍
背景・必要性
空き家・空き店舗等が全国で増加する一方で、リターンよりも地域への貢献を目指す投資家の資金を活用して不動産ストックを再生し、地方創生につなげる取組が拡大しているが、不動産特定共同事業に該当する場合には、許可要件が地方の事業者にとってはハードルが高く、見直しが必要。地方創生に資する事業での資金調達方法として、クラウドファンディングの活用が広がる中、不動産特定共同事業では書面での取引しか想定しておらず、電子化への対応が必要。
(億円)
出典:矢野経済研究所「国内クラウドファンディング市場の調査(2018年)」 2018年12月3日発表(注)資金を必要とするプロジェクト等がインターネットを介して不特定多数の人々から比較的少額な資金を調達する手段で、「購入型」「寄付型」「ファンド型」「貸付型(ソーシャルレンディング)」「株式型」を対象とし、各年度の新規プロジェクト支援額を市場規模として算出。
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小規模不動産特定共同事業の創設
○ 投資家一人あたりの出資額及び投資家からの出資総額がそれぞれ原則100万円、1億円を超えないこと○ 資本金(小規模第1号事業者:1000万円、小規模第2号事業者:1000万円)○ 純資産要件:純資産≧(資本金×90/100)○ 宅建業の免許○ 事業を適確に遂行するために必要な財産的基礎、人的構成○ 基準を満たす契約約款○ 事務所ごとの業務管理者配置○ 5年ごとの登録更新
主な登録要件等主な登録要件等
小規模第1号事業 小規模特例事業
テナント
小規模第1号事業者
売買益
賃貸収益
契約締結の代理・媒介
第2号事業者
テナント
特例事業者売買益
賃貸収益
契約締結の代理・媒介
第4号事業者
不動産取引
小規模第2号事業者
委託 委託
出資・配当
< 小規模不動産特定共同事業(登録制)>
出資・配当
出資額に上限設定
出資額に上限設定
オンライン契約を行う場合業務管理体制を整備
投資家
オンライン契約を行う場合業務管理体制を整備
投資家
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他業(不動産事業など)
借入
出資
借入
出資
地方創生に向けた小規模不動産特定共同事業の活用イメージ
空き家・空き店舗等の遊休不動産
再生不動産を活用した地域活性化事業
銀行等
融資
・古民家を活用した旅館・観光事業
・空き家を活用したUIJターン、二地域居住
・空き店舗を再生した地域活性化事業
クラウドファンディング等による資金調達
小規模不動産特定共同事業者(地域の不動産業者、まちづくり会社等)
・ 出資が入ることで、空き家・空き店舗等担保価値の低い不動産にも融資を行いやすくなる。
借入
出資
・所有と経営の分離による地域活性化
・ 出資金を活用して既存の借入の償還や新たな投資を行い、事業展開を加速
取得・賃借
賃貸・売却
地域のニーズに合わせて改修・リノベーションを実施
出資
・ 志ある資金による地方創生事業への参画が容易になる
配当
賃料等の収入
空き家・空き店舗等の再生を通じた地方創生事業の展開を加速
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不動産クラウドファンディングによる小規模不動産再生
【株式会社 エンジョイワークス(本社:神奈川県鎌倉市)】 <第1号案件>
資本金1,375万円。葉山・鎌倉・湘南エリアを中心とした設計・不動産事業者。クラウドファンディングによる募集を2018年6月から行い、予定金額600万円の調達を達成した。
【改修後】
【改修前】
所 在 地 神奈川県三浦郡葉山町用 途 宿泊施設(簡易宿所営業))敷 地 / 延 床面 積
敷地(約100㎡)、蔵(1F・2F共に/約19.8㎡)
事 業 手 法 小規模不動産特定共同事業(小規模1号事業)
事 業 費 リノベーション工事費用(約1,400万円)賃貸借契約等の諸費用(約200万円)
資 金 調 達 金融機関からの借入れ(約1000万円)クラウドファンディング(約600万円)
【概要】※会計期間は4年2ヶ月
不動産特定共同事業法に基づいたクラウドファンディング(不動産クラウドファンディング)で調達した資金を活用し、現在使われていない「空き蔵」を宿泊施設『The Bath & Bed Hayama』に改修。
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事業者が中心となって、再生事業に係るワークショップ等を開催。事業の計画初期段階から事業の運営段階までに、湘南エリアの様々な専門家を招き、SNSやホームページの告知等によって集まった人々が全11回の宿づくりイベントに参加。得られたアイデアをその後の宿の運営に反映し、投資を募る「参加型クラウドファンディング」
クラウドファンディングを活用した蔵再生への取り組み
投資家匿名組合
契約
【資金フロー】
賃貸借契約
・一口金額 5万円・参加人数 37名
土地・建物所有者(元居住者)
金融機関(信金)
(サブリース)
(マスターリース期間 7年)賃貸借契約
宿泊施設営業者
Good Neighbors(子会社)
簡易宿所営業
小規模1号事業者
(株)エンジョイワークス(親会社)
神奈川県知事登録
融資契約
(出典:株式会社 エンジョイワークスより情報提供)
モデル約款・実務手引書について
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小規模不動産特定共同事業契約約款のモデル約款業務委託先の(株)価値総合研究所より、小規模不動産特定共同事業契約のモデル約款を
公表。
<掲載先>株式会社価値総合研究所【URL】https://www.vmi.co.jp/jpn/news/2017/h29stock-biz.html
業務委託先の(株)価値総合研究所より、小規模不動産特定共同事業実務手引書を公表。申請書の記載例、事業化検討におけるポイントや、投資家保護を図るための留
意点等を記載。<掲載先>株式会社価値総合研究所【URL】https://www.vmi.co.jp/jpn/news/2018/h29stock-biz-hb.html
※ 小規模不動産特定共同事業者は登録申請時に「約款」を提出し、投資家と不動産特定共同事業契約を締結する際に当該約款に基づいて契約を締結しなければならない。なお、約款は法令に定められた一定の基準に基づかなければならない。
小規模不動産特定共同事業実務手引書
本ガイドラインは、不動産特定共同事業法の一部を改正する法律(平成29年法律第46号)の施行により電子取引業務に係る規定が整備される中で、自らのホームページ等で契約の締結の申込みをさせる電子取引業務を行う不動産特定共同事業者等が整備すべき業務管理体制の一層の明確化等を行うことにより、電子取引業務の適正な運営の確保と投資家の利益の保護を図ることを目的とする。(適用時期:2019年4月15日、既存許可・登録事業者への適用は同年7月15日)
○ 電子情報処理組織の管理(規則第54条第1号関係)①基本方針・取扱規程等の整備電子情報処理組織の管理に係る基本方針を策定・公表、規程を整備する。②体制整備(組織/人的/物理・技術的)【組織】管理責任者の設置、定期的な点検・監査の実施、個人情報保護法
等で示されるレベルと同様の管理体制整備 等【人的】電子情報処理組織取扱者との非開示契約締結、教育・訓練、管理
責任者等への適切な知識・経験を有する者の任命【物理・技術的】アクセス者の識別・認証、適切なアクセス制御、不正アクセ
スの検知・分析等によるセキュリティの確保、定期的な見直し③システム障害時への対応適切な人員配置、重要なシステムのバックアップ・復旧体制の構築、再発防止、当局への報告等システム障害時に対応する内部管理体制を整備する。④外部委託先管理電子情報処理組織の管理を外部委託する場合には、自らが講ずべき措置と同等の管理体制の先を選定する等、必要かつ適切な監督を実施する。⑤顧客財産への被害防止等出金先口座の指定・変更手続きにおいて、転送不要郵便等により顧客口座と名義が異なる口座への振込を防止する措置を講じる。○ 適切な審査(規則第54条第2号関係)①人的構成等営業部門から独立した審査部門の設置等、審査の独立性を確保する 等②審査項目等(主なもの)【事業計画の内容】事業計画が合理的な根拠に基づいて作成されているか 等【資金使途】事業計画に照らし合理的か、不動産価値に照らし過大でないか 等【その他】利害関係の状況(利害関係の有無をホームページ等にて開示) 等③審査結果の公表等審査結果の概要等をホームページ等において閲覧できる状態に置く 等
1.目的
2.概要
○ 定期的な情報提供(規則第54条第4号関係)・財産管理報告書を提供する体制を確認する等し、事業の状況について定期的に情報提供されることを確保する。・事業の状況等に不正又はその疑いがあることを知ったときは、調査等を行い、必要に応じて顧客への通知を行う。
不動産特定共同事業法の電子取引業務ガイドラインの概要
○ クーリング・オフ(規則第54条第3号関係)・契約成立時書面を受領した日から8日を経過するまでの間、契約解除できることを確認するための措置を講じる。・契約成立時書面を電磁的方法により提供する場合、当該データが顧客にダウンロードされた際の通知機能を利用する等して、クーリング・オフ期間の起算日となる日を特定する。
○ 重要事項の閲覧(規則第55条関係)・投資家の判断に重要な影響を与える事項は、電子取引業務及び事業の期間中、ホームページ等で閲覧できる状態に置く必要がある。ⅰ.ホームページ等における閲覧・情報提供事項商号等/貸借対照表及び損益計算書の要旨/取引内容/価格及び算定方法/出資/財産管理/契約解除/報酬/損失発生要因/損失負担/権利義務の譲渡/審査概要・審査結果概要/利害関係/出資額の上限ⅱ.ホームページ等における表示方法等閲覧者にとって見やすい箇所に明瞭かつ正確に表示する。
○ 分別管理の徹底及び金銭の預託(規則第49条第2項関係)①分別管理の徹底(預託は電子取引業務を行う第二号事業者又は第四号事業者に限る)預託を受けた金銭と自己の固有財産とを分別管理する。②金銭の預託に当たって契約等に定める事項預託を受ける金銭の範囲/送金手続/支払手続/預託状況の通知方法③投資意思の確認預託を受けている場合は、少なくとも3ヶ月に一度は投資意思を確認する。
クラウドファンディングを活用するなど地域振興に資する先進事例の形成促進
施策の概要
背景・課題背景・課題
○不動産の最適活用を通じた地方創生・東京一極集中の是正を推進するためには、小規模不動産特定共同事業等の不動産証券化手法を活用した先進的事業を地域においても促進していくことが有効である。
○しかしながら、特に地方における不動産証券化に関するノウハウは依然として不足していることが課題となっている。
○このため、新規参入予定者の人材育成やクラウドファンディング等を活用した先進的事業の普及促進に向けた事例集の作成を行う。
新規事業者の人材育成
○事例集の作成
クラウドファンディングを活用する事業や、対象不動産変更型を活用する事業、PRE・所有者不明土地等の遊休不動産を活用した先進事例を収集し、事例集を作成して普及啓発を行う。
先進的事業の促進
小規模不動産特定共同事業の普及・登録に向けた人材育成
○小規模不動産特定共同事業に関する正しい理解に向けたセミナーの開催(各地域)
○主務大臣が指定する小規模不動産特定共同事業に関する実務についての講習の開催(※事業者ごとに必置の業務管理者となるための要件の選択肢の一つ)
不動産証券化手法を活用した地域振興のためのネットワークの形成促進
継続H31年度予算額:20,286千円
H30年度予算額:58,402千円
業務管理者
業務管理者
業務管理者 (小規模不特限定)
・該当者を新たに雇用するのは高コストで、小規模事業者が参入するには高いハードル
講習の受講
・主務大臣が指定する講習を実施→内容の質は確保しつつ、従来のものに加え、業務管理者となれる新たなオプションを提示
従来 H31年度
セミナーや講習を通じて事業者同士のネットワークの形成も促進
先進的事例を横展開することで、更なる先進的取組を促す
小規模不動産特定共同事業等の活用促進について
・業務管理者の資格要件を満たすためには、原則として、登録証明事業(ARESマスター、不動産コンサルティングマスター、ビル経営管理士試験)による証明を受ける必要がある。
・小規模不動産特定共同事業者にとっては、かかる要件を満たす業務管理者を新たに雇用等することはコスト等の面からハードルが高い。
・特例事業者(小規模特例事業者を含む)は宅建業者とみなされ、特例事業者ごとに営業保証金を1000万円供託する必要がある。・一方、実務上、様々な課題があったため、保証協会への加入ができず、代替措置が存在しなかったため、特例事業の活用が難しい要因の一つとなっていた。
〇2017年12月に創設された小規模不動産特定共同事業の活用を促進するため、小規模不動産特定共同事業者等について一部の要件等に係る運用改善を実施する。
業務管理者の資格要件に係る課題 営業保証金に係る課題
小規模不動産特定共同事業について、主務大臣が指定する講習を実施し、業務管理者となれる新たな道を拓く。(不特法施行規則第21条第1項第2号)
主務大臣が指定する講習の実施
特例事業者について、保証協会への加入を解禁し、営業保証金の供託に変わる新たなオプションを提示。(宅建業法第64条の13)
特例事業者の保証協会への加入解禁
小規模不動産特定共同事業等への参入を促進し、地方創生を一層推進
2019年度より実施
【2019年4月~2020年2月頃まで】株式会社価値総合研究所(※国土交通省業務委託先)担当:北川、室TEL: 03-5205-7903 FAX:03-5205-7922e-mail: [email protected]
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小規模不動産特定共同事業に関するお問い合わせ先
国土交通省不動産市場整備課不動産投資市場整備室小規模不動産特定共同事業係03-5253-8111(内線:25-160)
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【参考】
不動産流通税の特例措置の延長・拡充(平成31年度税制改正) 【平成31年4月1日~】
不動産特定共同事業を活用した民間不動産投資を一層推進するため、特例事業者等が取得する不動産に係る現行の特例措置を2年間延長するとともに一部の要件の見直しを行う。
施策の背景
要望の結果
結 果○現行の措置を2年間(平成31年4月1日~平成33年3月31日)延長するとともに、以下の要件の見直しを行う。【登録免許税】 特例事業者及び適格特例投資家限定事業者に係る特例措置の要件のうち、
「対象不動産に係る工事の竣工後10年以内の譲渡」の要件の撤廃、「土地及び建物」の取得要件の見直し(借地上の建物の追加)
<不動産特定共同事業の概要>不動産特定
共同事業者※ 金融機関
投資家出資
融資
賃貸 ※不動産の再生等を行う。
不動産の取得
取得に係る税負担の軽減
特例措置の内容不動産特定共同事業法上の特例事業者等が取得する不動産について以下の措置を講じる。【登録免許税】 税率軽減(移転登記 : 2%→1.3% 、保存登記 : 0.4%→ 0.3 %)【不動産取得税】 課税標準から1/2控除
都市機能の向上及び地域活性化を図るため、またデフレからの脱却のためには、不動産特定共同事業法の仕組みを一層活用し、さらなる民間不動産投資を誘発することが必要
○ 建築物の耐震化や老朽不動産の再生、豊富な資金と目利き力を活かした物件の開発やバリューアップ等を図るとともに、そこで営まれる事業における雇用創出を通じて、地域経済の活性化や国際競争力の強化にも資する優良な都市ストックの形成を促進
○ 全国各地域において空き家や空き店舗等が増加しているところ、地域における小規模不動産の再生等を促進し、地域における資金の好循環を構築
<地方都市での活用例>石川県小松市が遊休市有地(百貨店跡
地)を事業者に賃貸し、ホテル・大学・子育て施設等の官民複合施設を不動産特定共同事業(特例事業スキーム)により整備。
<空き家等再生の例>奈良県明日香村の古民家を宿泊施
設(外国人旅行者向けゲストハウス)に改装したもの。クラウドファンディングにより資金調達を行った。
(参考)日本政策金融公庫の空き家対策融資制度(~H31年度末)
融資制度の概要
貸付対象
入居者確保を目的として、空き家・空き店舗等や入居率の低い賃貸物件※の改修を行う、不動産賃貸業を営む者
※次の要件を満たす物件に限定する。(1)耐用年数の1/2を経過していること(2)空家等対策計画を策定した市町村の区域内にあること(※空家等対策計画において対策として除去のみを定めている市町村は除く。)
(3)一定の空室が生じていること(※入居戸数(月末時点)÷対象物件の総戸数=入居率が75%以下の月が、最近6か月のうち3か月以上であるもの)
資金使途
貸付対象に掲げる者が賃貸に供する空き家等に係る改修費用等の設備資金
貸付利率
日本政策金融公庫が設定する基準金利
空き家・空き店舗等の再生の課題
• リフォームローンなどの商品が供給されつつあるが、特に地方等で土地の担保価値が低い場合、十分なリフォームを行うだけの借入れができない。
• 商店街では、老朽化した空き店舗の改修や新規出店者の誘致等が課題となっており、行政の支援が求められている。
○ 日本政策金融公庫の特別貸付制度として「空き家対策融資制度」を創設(平成29年度財政投融資)、平成31年度要求において1年延長(~平成32年3月31日まで)。
○ 空き家・空き店舗等や入居率の低い賃貸物件の改修を行う不動産賃貸業者に対して、改修費用等を融資することで空き家対策を推進する。
○ 平成30年度末時点の貸付実績額は226,550千円、貸付件数は20件。
概要
日本政策金融公庫
空家対策特措法に基づく空き家等対策計画を策定した市町村の区
域内
賃貸
不動産賃貸業者
・入居者・事業者等
テナント
改修特別融資
事例1
業種 貸家業
所在地 北海道函館市
耐用年 20年
築年 21年
入居率 75%
貸付額 700万円
自己資金 45万円
利率 1.81%
使途 改修工事費
事例2
業種 貸家業
所在地 海南市 和歌山市
耐用年 34年 47年
築年 42年 45年
入居率 0% 50%
貸付額 380万円
自己資金 76万円
利率 2.06%
使途 内装工事費
活用事例