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62 Cyclone V SoC搭載最新ボード“DE10-Nano”登場!(Linux起動編) サンプル・デザインの入手先から開発環境の構築手順まで  Cyclone V SoC 搭載最新ボード “DE10-Nano”登場!(Linux起動編) 齊藤 嘉朗 Yoshiaki Saito ARMコア内蔵FPGAであるCyclone V SoC(Intel社,旧Altera社)を搭載した最新ボードとして,DE10-Nano(Terasic社)が登 場しました.本誌前号(No.18)に掲載した DE10-Nano の紹介と開発環境の構築手順の解説に引き続き,今回は実際に DE10-Nano で Linux を起動させるまでを詳しく解説します. すると図2 のようにOverviewページが表示されま す.ハードウェア・デザインをコンパイルすると,4 種類のファイル群が生成されます.SOPC(system-on- a-programmable-chip) Info File は FPGA 内 に 実 装 し た 周 辺 機 器(PIOや タ イ マ な ど )の 情 報 フ ァ イ ル, Handoff FolderはPreloaderを生成するためのファイ ル群(I/O,クロック,リセット,DDR-SDRAM 設定 など),SRAM Object File(SOF)は FPGA のコンフィ グレーション・ファイルで,Raw Binary File(RBF) に変換して使用します.System View DescrはDS-5 のデバッグ時のレジスタ・ビューに周辺機器情報を表 示するためのファイルです. 開発ツールなどのインストールは既に済んでいるの で,図2 の上にある Procedure をクリックします. ハードウェア・デザインのコンパイル手順 今回コンパイルするデザインはDE10のものなの で,Open Quartus Projectに ~/DE10_Nano/ Demonstrations/SoC_FPGA/DE10_NANO_SoC_ 本誌前号(No.18)では,ARMコア内蔵 FPGA であ るCyclone V SoC(Intel社,旧Altera社)を搭載した 安価な評価ボードDE10-Nano(Terasic社)について紹 介しました(写真1).今回は,DE10-NanoでLinuxを 起動させるまでを詳しく解説します. DE10-Nanoハードウェア・ デザイン・コンパイル 1 rocketboards.org からスタート ま ず は,rocketboards.org(http://www.rocket boards.org/)のGetting Startedに従ってDE10ハー ドウェア・デザインをコンパイルします.トップペー ジのSTARTボタンをクリックし,図1 のように3つ の選択を選んで,Continue ボタンをクリックします. HDMI 表示 にも対応! 写真 1 Cyclone V SoC 搭載最新ボード DE10-Nano Kit (Terasic 社) HDMI 表示対応 Cyclone V SoC 図 1 Cyclone V SoC Board/17.0std/3 Compiling Hardware Design を選択 ターゲット・ボード ツール・バージョン タスク内容 図2 Overview ページの表示

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  • 62 Cyclone V SoC搭載最新ボード“DE10-Nano”登場!(Linux起動編)

    サンプル・デザインの入手先から開発環境の構築手順まで Cyclone V SoC搭載最新ボード

    “DE10-Nano”登場!(Linux起動編)齊藤 嘉朗 Yoshiaki Saito

     ARMコア内蔵FPGAであるCyclone V SoC(Intel社,旧Altera社)を搭載した最新ボードとして,DE10-Nano(Terasic社)が登場しました.本誌前号(No.18)に掲載したDE10-Nanoの紹介と開発環境の構築手順の解説に引き続き,今回は実際にDE10-NanoでLinuxを起動させるまでを詳しく解説します.

     すると図2のようにOverviewページが表示されます.ハードウェア・デザインをコンパイルすると,4種類のファイル群が生成されます.SOPC(system-on-a-programmable-chip)Info FileはFPGA内 に 実 装 した周辺機器(PIOやタイマなど)の情報ファイル,Handoff FolderはPreloaderを生成するためのファイル群(I/O,クロック,リセット,DDR-SDRAM設定など),SRAM Object File(SOF)はFPGAのコンフィグレーション・ファイルで,Raw Binary File(RBF)に変換して使用します.System View DescrはDS-5のデバッグ時のレジスタ・ビューに周辺機器情報を表示するためのファイルです. 開発ツールなどのインストールは既に済んでいるので,図2の上にあるProcedureをクリックします.● ハードウェア・デザインのコンパイル手順 今回コンパイルするデザインはDE10のものなので,Open Quartus Project に ~/DE10_Nano/Demonstrations/SoC_FPGA/DE10_NANO_SoC_

     本誌前号(No.18)では,ARMコア内蔵FPGAであるCyclone V SoC(Intel社,旧Altera社)を搭載した安価な評価ボードDE10-Nano(Terasic社)について紹介しました(写真1).今回は,DE10-NanoでLinuxを起動させるまでを詳しく解説します.

    DE10-Nanoハードウェア・ デザイン・コンパイル1

    ● rocketboards.orgからスタート  ま ず は,rocketboards.org(http://www.rocket boards.org/)のGetting Startedに従ってDE10ハードウェア・デザインをコンパイルします.トップページのSTARTボタンをクリックし,図1のように3つの選択を選んで,Continueボタンをクリックします.

    HDMI表示にも対応!

    写真1 Cyclone V SoC搭載最新ボードDE10-Nano Kit(Terasic社)

    HDMI表示対応

    Cyclone V SoC

    図 1 Cyclone V SoC Board/17.0std/3 Compiling Hardware Designを選択

    ターゲット・ボード

    ツール・バージョン

    タスク内容

    図2 Overviewページの表示