スーパーサイエンスハイスクール 研究開発実施報告書...

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平成 27 年度 文部科学省指定 スーパーサイエンスハイスクール 研究開発実施報告書 第 2 年次 平成 29 年 3 月 大分県立大分舞鶴高等学校

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平成 27 年度 文部科学省指定

スーパーサイエンスハイスクール

研究開発実施報告書 第 2 年次

平成 29 年 3月

大分県立大分舞鶴高等学校

平成二十七年度指定

スーパーサイエンスハイスクール

研究開発実施報告書・第二年次

平成二十九年三月

大分県立大分舞鶴高等学校

平成 27 年度 文部科学省指定

スーパーサイエンスハイスクール

研究開発実施報告書 第 2 年次

平成 29 年 3月

大分県立大分舞鶴高等学校

平成二十七年度指定

スーパーサイエンスハイスクール

研究開発実施報告書・第二年次

平成二十九年三月

大分県立大分舞鶴高等学校

平成 27 年度 文部科学省指定

スーパーサイエンスハイスクール

研究開発実施報告書 第 2 年次

平成 29 年 3月

大分県立大分舞鶴高等学校

平成二十七年度指定

スーパーサイエンスハイスクール

研究開発実施報告書・第二年次

平成二十九年三月

大分県立大分舞鶴高等学校

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はじめに

昨年の10月、細胞内の不要なタンパク質などを分解する「自食作用」である「オート

ファジー」の仕組みを解明したことが評価され、東京工業大学栄誉教授の大隅良典先生

が、ノーベル医学生理学賞を受賞されました。その際の記者会見で、基礎研究の重要性を

訴えられていました。また、11月には、理化学研究所の研究チームが、原子番号113

番の新元素を発見し、「ニホニウム」という名称がつけられました。アジアの研究者が新

元素を発見し、命名権を得たのは初めてという快挙でした。その陰には、9年で約400

兆回もの衝突実験を繰り返したという並々ならぬ努力がありました。一見華やかに見える

科学技術の世界ですが、その発展を支えているのは「基礎」と「努力」であることに、あ

らためて気づかされます。

本校では、平成17年から文部科学省より「スーパー・サイエンス・ハイスクール」

(SSH)の指定を受け、本年度で12年(第3期2年目)となります。この間、科学的探

究力と論理的思考力を備えた国際的に活躍できる人材の育成を目指し、様々な指導を実践

してきました。その中で、今期は特に理数科「課題研究」の深化発展をテーマとして、学

校設定科目「SSH 国際情報」との相互乗り入れによる十分な研究時間の確保や「スキルア

ップ班別研修」での研究テーマに沿った高いレベルの科学実習を行ってきました。その結

果、生徒の科学への興味関心を高め、研究の基礎的手法を身に付けさせることができ、研

究内容は昨年を凌ぐものとなり、多くの方から高い評価をいただきました。このような課

題研究の手法はまさにアクティブラーニングそのものであり、生徒の主体的な学びがそこ

にあります。今後は、普通科「SSH 探究」への普及だけでなく、授業改善にも活用しなが

ら、活力ある学びの場を創造していきたいと考えています。

県下21校へと広がりを見せた「大分スーパー・サイエンス・コンソーシアム」(OSS コ

ンソ)は、「OSS フェスタ」を始めとした各活動を通じて、参加した生徒に様々な刺激を与

えてきました。学校の枠を越えた OSS コンソの取り組みは、今後ますますそのレベルを上

げ、「大分からノーベル賞科学者を!」の実現に全県一丸となって進んでいくものと期待

しています。

最後になりましたが、本校 SSH の取り組みに対しご支援いただいた、立命館アジア太平

洋大学・大分大学・日本文理大学・別府大学・京都大学・大分県立看護科学大学・崇城大

学・九州大学をはじめとする諸大学、西日本電線・大分県産業科学技術センターなどの企

業や研究機関、大分市高崎山自然動物園等の地元施設、文部科学省、科学技術支援機構

(JST)ならびに関係機関の方々に衷心より感謝申し上げますとともに、引き続きご指

導・ご助言を賜りますよう、お願い申し上げます。

平成29年3月

大分県立大分舞鶴高等学校

校長 長 田 文 生

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◇ ◇ 目 次 ◇ ◇

はじめに 目次

平成28年度SSH研究開発実施報告(要約) ・・・・・・・・・・・・・・ 1

平成28年度SSH研究開発の成果と課題 ・・・・・・・・・・・・・・

実施報告書(本文)

Action Ⅰ 学校設定科目「SSH探究」 ・・・・・・・・・・・・・・

Action Ⅱ 学校設定科目「SSH国際情報」 ・・・・・・・・・・・・・・

Action Ⅲ 学校設定科目「SS科学」 ・・・・・・・・・・・・・・

Action Ⅳ 課題研究スキルアップ研修 ・・・・・・・・・・・・・・

Action Ⅴ 課題研究発表 ・・・・・・・・・・・・・・

Action Ⅵ SSH特別講演会 ・・・・・・・・・・・・・・

Action Ⅷ SSH科学クラブ ・・・・・・・・・・・・・・

- 科学技術人材育成重点枠 -

平成28年度科学技術人材育成重点枠実施報告(要約) ・・・・・・・・・・・・・・

平成28年度科学技術人材育成重点枠の成果と課題 ・・・・・・・・・・・・・・

科学技術人材育成重点枠実施報告書(本文) 【1】開始式 ・・・・・・・・・・・・・・

【2】OSSフェスタ ・・・・・・・・・・・・・・

【3】県外科学研修(関西方面 ・・・・・・・・・・・・・・

【4】班別課題研究 ・・・・・・・・・・・・・・

【5】台湾海外研修 ・・・・・・・・・・・・・・

【6】成果発表会 ・・・・・・・・・・・・・・

【7】OSSコンソサポートネットワーク ・・・・・・・・・・・・・・

【8】教材開発(授業改善) ・・・・・・・・・・・・・・

- 関係資料 -

校内におけるSSHの組織的推進体制 ・・・・・・・・・・・・・・

教育課程表 ・・・・・・・・・・・・・・

運営指導委員会議事録 ・・・・・・・・・・・・・・

SSH探究講座名・課題研究テーマ・講演会テーマ ・・・・・・・・・・・・・・ SSHニュース ・・・・・・・・・・・・・・

◇ ◇ 目 次 ◇ ◇

はじめに 目次

平成28年度SSH研究開発実施報告(要約) ・・・・・・・・・・・・・・ 1

平成28年度SSH研究開発の成果と課題 ・・・・・・・・・・・・・・

実施報告書(本文)

Action Ⅰ 学校設定科目「SSH探究」 ・・・・・・・・・・・・・・

Action Ⅱ 学校設定科目「SSH国際情報」 ・・・・・・・・・・・・・・

Action Ⅲ 学校設定科目「SS科学」 ・・・・・・・・・・・・・・

Action Ⅳ 課題研究スキルアップ研修 ・・・・・・・・・・・・・・

Action Ⅴ 課題研究発表 ・・・・・・・・・・・・・・

Action Ⅵ SSH特別講演会 ・・・・・・・・・・・・・・

Action Ⅷ SSH科学クラブ ・・・・・・・・・・・・・・

- 科学技術人材育成重点枠 -

平成28年度科学技術人材育成重点枠実施報告(要約) ・・・・・・・・・・・・・・

平成28年度科学技術人材育成重点枠の成果と課題 ・・・・・・・・・・・・・・

科学技術人材育成重点枠実施報告書(本文) 【1】開始式 ・・・・・・・・・・・・・・

【2】OSSフェスタ ・・・・・・・・・・・・・・

【3】県外科学研修(関西方面 ・・・・・・・・・・・・・・

【4】班別課題研究 ・・・・・・・・・・・・・・

【5】台湾海外研修 ・・・・・・・・・・・・・・

【6】成果発表会 ・・・・・・・・・・・・・・

【7】OSSコンソサポートネットワーク ・・・・・・・・・・・・・・

【8】教材開発(授業改善) ・・・・・・・・・・・・・・

- 関係資料 -

校内におけるSSHの組織的推進体制 ・・・・・・・・・・・・・・

教育課程表 ・・・・・・・・・・・・・・

運営指導委員会議事録 ・・・・・・・・・・・・・・

SSH探究講座名・課題研究テーマ・講演会テーマ ・・・・・・・・・・・・・・ SSHニュース ・・・・・・・・・・・・・・

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6121617212627

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平成 28年度 SSH 研究開発実施報告(要約)

平成 28年度 SSH 研究開発の成果と課題

実施報告書(本文)

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別紙様式1-1 大分県立大分舞鶴高等学校 指定第3期目 27~31

❶ 平成28年度スーパーサイエンスハイスクール研究開発実施報告(要約)

① 研究開発課題

科学的探究力と論理的思考力を備えた国際的に活躍できる人材の育成

② 研究開発の概要

理数科2年の課題研究を1単位から2単位に増やし、さらに、学校設定科目「SSH国際情報」と相互乗り入

れをすることで3時間連続の活動時間を可能にするなど研究期間を十分に確保することで、効果的な課題研究

を行った。また、これまで2コースで実施してきた研修を9コースの班別研修とし、研究テーマに沿った高い

レベルの科学実習を体験することで、課題研究の技能を向上させた。 普通科生に対しては、学校設定科目「SS 科学」、「SSH 探究」、「SSH 国際情報」の内容を深化・発展させ

ることで、科学的探究力・論理的思考力・国際的コミュニケーション力を身につけさせる指導を実践した。 大分スーパーサイエンスコンソーシアムの課題研究や体験研修等の活動を継続することで、県内の高校生の

科学への興味・関心を高めるとともに、活動内容を広く発信し、県全体の理数教育の充実を図った。

③ 平成28年度実施規模

全校生徒を対象に実施する。

学科名生 徒 数

1年 2年 3年 計 普通科

319 278 270 867

理数科 40 39 79 計 319 318 309 946

④ 研究開発内容 ○研究計画

1年次

(H27)

・課題研究の単位増、12月末に日本語発表会、3月に英語発表会で研究期間を確保。

・課題研究研修を再編した。「スキルアップ基礎」→「スキルアップ班別Ⅰ」→「スキルアップ班別Ⅱ」

・SSH探求でディベート等を実施し、IT活用力、プレゼン力を育成。

・OSSコンソの中心校に日田高校(SSH校)を加え、コア4校での運営。

2年次

(H28)

・1年次に実施した企画を評価し、研究開発に必要な修正を加える。

・ロッブリー科学高校(タイ)との交流等で国際力を養成。

・2年生で全生徒参加の英語ポスター発表会を実施

・OSSコンソに対する他のSSH校、SGH校の関与体制について協議

3年次

(H29)

・学会やシンポジウム等で課題研究発表を行う。

・SSH探求において、普通科においても理数科の課題研究の手法を導入した指導を行う。

・SSH国際情報の資料集を作成する。

・OSSコンソサポートネットワークのweb上での運用を開始する。

・卒業生アンケートを実施し、2年次までの反省と合わせて全企画に必要な修正を行う。

4年次

(H30)

・中間評価を受けて事業内容を改善して実施する。

・未達成の課題を明確にし、その理由を明らかにして必要な資源を集中する。

・3年生探究で科学小論文および科学英語講座を試行

- 1 -

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5年次

(H31)

・SSHの研究開発成果を冊子にまとめて刊行する。

・研究開発の成果を通常の教育活動に生かす。

○教育課程上の特例等特記すべき事項

教育課程の特例として、以下の学校設定教科および学校設定科目を設けた。 (1)学校設定教科「SSH」科目名「SSH探究」

普通科・・・3単位(各年次1単位で実施) 理数科・・・5単位(1・2年次2単位、3学次1単位で実施)

(2)学校設定科目「SSH国際情報」 普通科・理数科・・・2単位(1・2年次各1単位で実施) (3)学校設定科目「SS科学」 普通科・・・1単位(1年次1単位で実施)

○平成28年度の教育課程の内容

「SSH探究」

普通科・・・「総合的な学習の時間」に替え、自然科学や社会・人文科学に関する探究講座の実施により、

幅広い科学的・社会的素養と科学的探究力・論理的思考力を育成するとともに、将来の目標

や自己像を確立させる。 理数科・・・「総合的な学習の時間」と「課題研究」を統合して豊富な時間を確保し、科学の基礎知識や

科学的要素を身につけさせ、大学等の研究機関と連携した高いレベルの課題研究を行う。 「SSH国際情報」

「情報社会と人間」に替え、国際的な視点に立ち、国際情報並びに社会に関する様々な情報を分析し、活

用できるスキルを育成する。その際に基本となるコンピュータの技能、科学英語を中心とするコミュニケ

ーション能力、プレゼンテーション能力などの実践的スキルの習得を目指す。 「SS科学」

生活の中の科学や我々を取り巻く環境科学の学習を通して、科学を学習する意欲と探求心の喚起を図る。

また、国際的視野に立って最新の科学を理解し、自己表現できるように科学的な態度や方法の育成を図る。

○具体的な研究事項・活動内容

〔各企画〕

ActionⅠSSH探究

SSH探究講座、 未来設計、 科学ディベート講座 ActionⅡSSH国際情報

IT基礎講座、 プレゼンテーション講座、 マルチメディア講座、 異文化理解講座

ActionⅢSS科学

物理・化学・生物・地学の全分野の内容を含んだ授業

ActionⅣ課題研究スキルアップ研修

スキルアップ基礎研修、 スキルアップ班別研修

ActionⅤ課題研究発表

課題研究発表会、 海外研究発表、 OSSコンソ成果発表会、 SSH成果発表会

ActionⅥSSH特別講演会

「日本列島の自然」 尾池和夫氏(京都造形芸術大学 学長)

ActionⅦSSH評価

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各SSHアンケート(学校生活アンケート)

ActionⅧ科学クラブ

各種科学コンクール、 子ども科学体験O-Labo、 水辺生き生きふれあい学級

〔SSH運営指導委員会の開催〕 ・本校のSSH事業への指導・助言を頂き、教育研究課題のとりくみを推進する

〔評価および報告書のとりまとめ〕

・SSH校成果発表会事業の評価および研究成果のとりまとめを行い、「研究開発実施報告書」「生徒課題

研究報告書」「科学技術人材育成重点枠実施報告書」を作成する。

⑤ 研究開発の成果と課題

○実施による成果とその評価

課題研究活動にかける時間を増やし、スキルアップ基礎研究、班別研修を実施したことによって、研究内容

の充実を図ることができ、さらに、探究活動の充実感や達成感が発表技術の向上にも繋がっている。 普通科SSH探究講座は、2期11年の実績から、各教師での指導方法を確立できており、生徒が論理的思考

力や科学的探究力をこの講座で身につけることができていると考える。

SSH国際情報では、膨大な情報の中から信憑性のある必要な情報を取捨選択・処理・加工した上で有効に

活用する能力や、日本語・英語による発表会を行うことによりプレゼンテーション能力の育成が図られている。

また、SS科学で1年次に地学を含む幅広いサイエンスの分野にふれることは、将来のコースや進路の選択に

役立っているものと考える。

海外での研究発表では、海外の高校生の英語コミュニケーション能力の高さ知ることで、強い刺激を受

け、今後の学習意欲の向上を促している。台湾・タイ王国のサイエンス校との海外交流については、今後も

積極的に交流を継続したい。 OSSコンソについては、各活動の参加校数は、発足当初5校であったが現在21校まで増加しており、

活動の県下への普及は進んでいるものと考える。

○実施上の課題と今後の取組

物理的に課題研究に取り組む時間を確保したが、さらに研究内容を深化させるためには、研究テーマの早期

決定と適切な研修が望まれる。また、課題研究指導教員の連絡会を増やすなどし、指導力の向上をさらに図り

たい。 1年SSH探究講座は、3時間から6時間へと調査・研究期間を長くすることや過去の教材を発展させただけ

でなく、新たな教材の開発も行い、学校の財産となる教材を増やすことが必要である。2年普通科SSH探究講

座では、理数科が現在実施している課題研究の方法を導入し、各生徒が自ら課題テーマを発見し、調査・研究

を1年通じて行い、最終的に報告書とポスター発表会実施する手法へと発展させたい。

SS科学については、理科4科目履修の実現を通して科学的な興味・関心および思考力・読解力を高めるた

めの教材や、1単位での運用方法について、今後もさらに研究を重ねる必要がある。

特別講演会は、引き続き第一線の研究者の講演を企画し、生徒の視野を広げ、科学への挑戦・創造の意欲の

向上およびキャリア観の確立を目指していきたい。また、今後も地域の大学・企業関係者と連絡を取りながら、

有意義な講演会を企画していきたい。

OSSコンソについては、種課題研究活動において、分析等の依頼など指導助言を受ける場面は増えてきた

が、研究テーマに適した研究機関・施設との最適なマッチングには、いたっていない。大学や県の施設だけで

はなく、研究テーマとのマッチングを見据えた企業へのネットワーク登録の働きかけを進めことが必要であ

る。

- 3 -

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別紙様式2-1

大分県立大分舞鶴高等学校 27~31

❷ 平成28年度スーパーサイエンスハイスクール研究開発の成果と課題

① 研究開発の成果 理数科課題研究では、第3期目から、課題研究活動にかける時間を増やし、研究の開始時と中間期にスキルア

ップ班別研修を実施することによって、各研究班とも研究の内容をさらに深化させることができた。

課題研究発表会では、課題設定の独自性と着眼点、高い研究レベル、優れた発表態度、活発な質疑応答などが

参加者から高い評価を受けている。1年生を発表会に参加させることで、1年3学期からスタートする課題研究

活動の1年後の姿をイメージさせることができ、研究活動に対する意欲の向上に効果的に働いている。

スキルアップ班別研修Ⅱは、各班の研究テーマに対して最適な指導助言を受けられる研修先を、全国の大学・

研究機関から生徒自らが探し出し、研修依頼・旅行計画作成・活動内容選定等を行うことで研修の自立性を高め

ることができ、特に効果があった。

大学の研究室で高いレベルの実験・実習を行い、各分野の研究者に直接指導助言を受けることによって、研究

活動に対するモチベーションが高められ、研究内容の深化に確実に繋がっている。

SSH 探究講座は、3期11年の実績から、3時間の講座と6時間の講座を設け、それぞれの担当教師が各自の

専門分野を活かした指導方法を確立できており、生徒が論理的思考力や科学的探究力をこの講座で身につけるこ

とができていると考える。

1年 SSH探究の「科学ディベート」は、大学進学・就職しても必須なスキルであり、近年では大学入学試験で

も取り上げられているため、昨年度から導入しており、生徒の満足感も高い。基本的な事項から指導を行い、ク

ラス内でのディベート練習を経て、「校内ディベート大会」に臨ませた。大会においては、調べたデータや資料

を紹介しながら堂々と発言している姿が目立った。

SSH 国際情報では、1年生は、プレゼンテーション能力を育成するために、前半は「自分の興味のある学部・

学科、大学もしくは将来の夢について、その魅力を友達に伝える個人プレゼン」をテーマに、日本語によるプレ

ゼンを行い、「聴衆に伝わるプレゼン」について理解を深めた。後半では、各個人が興味・関心をもったテーマ

を見つけて「個人プレゼン」を行った。

2年生では、日本・東南アジアの文化を紹介する英語でのプレゼンテーション発表会を実施した。日本文化に

ついては個人プレゼンテーションと英語によるレポートのまとめと発表を行い、東南アジア(ベトナム・カンボ

ジア)文化については、日本語での調べ学習、発表に続き、1年を聴衆に14会場に分かれて英語プレゼン発表

会を実施した。

SS 科学において、1年次に地学を含む幅広いサイエンスの分野にふれることは、将来のコースや進路の選択

に役立っているものと考える。地学分野では地震や火山がもたらす自然災害のしくみにもふれており、災害が頻

発する日本列島にあって防災教育としての意義も大きい。

講演会は好評であり、生徒の感想からも科学への興味・関心や、将来への職業観の高まりが感じられる。また、

アンケート調査でも、約80%の生徒が講演会を「有益であった」としている。今後も第一線の研究者の講演や

地域の大学・企業関係者と連絡した講演を企画し、生徒の視野を広げ、科学への挑戦・創造の意欲の向上および

キャリア観の確立を目指していきたい。

また、海外研修は、現地の高校生との科学交流を通じ、より国際的な視野で研究や学びを意識する機会とな

った。海外での発表機会も増え、現地の高校生との科学交流を通じ、より国際的な視野で研究を意識する機会

とっている。台湾やタイの高校生の英語コミュニケーション能力の高さを肌で感じることで、その後の学習意欲

が高まっているようである。

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② 研究開発の課題

物理的に課題研究期間を確保したが、さらに活動にかける時間を増やすためには、研究テーマの2年次早期の

決定が望まれる。5月までに研究テーマを決定し、6月に予備実験・観察を行って研究の方向性を検討、7月か

ら8月に適切な研修先を選定してスキルアップ班別研修Ⅱ(大学・研究所訪問)を実施するのが望ましい。

早期テーマ設定に向けて、1年次の課題研究に対する意識付けと文献検索等の環境整備を進めて行きたい。

さらに、校内の課題研究指導者研修会を行い、研究班担当教員の指導力の向上を図るとともに、他校の成果発

表会や各種学会への積極的参加を勧めていく。

理数科研修の課題は、生徒の研究スキルに合った適切な講師の選定と実施する時期である。今年度は、研修の

実施時期が夏休み期間であったため、大学訪問が実現しなかった班があったが、講師招聘という方法で専門家と

の直接対話を可能にすることができた。 1年のSSH探究講座については、これまでの教材を活かして、担当教員の協力のもと、さらなる教材研究、教

材開発を行うことが必要である。新たな教材の開発も行い、学校の財産となる教材を増やすことである。

2年の SSH探究講座につては、理数科が現在実施している課題研究の手法を導入し、各生徒が自ら課題テーマ

を設定し、調査・研究を1年通じて行い、3年のSSH探究講座での科学論文作成、ポスター発表会へと発展させ

る。

具体には、文系・理系クラスの枠を超えて、同じ研究対象に興味・関心をもつ生徒を60班(1班5人程度)

に分け、教職員20人程度で指導する(指導者1名が3班を担当)。1学期末に中間発表会、2学期末に日本語

レポート作成、3学期にプレゼンテーションの発表会を実施し、課題解決能力を育成したい。

1年次の「科学ディベート」に関しては、ディベート後の振り返りに多くの時間を割くことができなかったこ

とが今後の検討課題となった。どういった主張がなされたか、それに対してどのような反論がなされたかを確認

し、メリット・デメリットの比較をする時間を意識して多く取れば、さらに生徒の批判的思考力を高めることが

できたと考えられる。また、審判の聞く態度についても十分時間をかけて指導する必要がある。

「IT基礎講座」、「プレゼンテーション講座」については、膨大な情報の中から信憑性のある必要な情報を取

捨選択・処理・加工した上で有効に活用する能力や、日本語・英語によるプレゼンテーション力の育成を図って

いる。さらに、発表練習にも多くの時間をかけて、プレゼン能力を上げるさらなる工夫が必要となる。

SS科学では、文系・理系を問わず全生徒に物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎の講座を実施する。こ

のため、ワークシートは、これらの科目と重複しないように指導内容を検討する。「理科4科目履修の実現を通

して科学的な興味・関心および思考力・読解力を高める」ための教材や、1単位での運用方法について、今後も

さらに研究を重ねる必要がある。

- 5 -

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探究講座(家庭科) 身近な食材で実験

科学ディベート講座 大会の様子

ACTIONⅠ 学校設定科目「SSH探究」

1 1年普通科(1 単位)

(1)仮説

各教科・科目が開設する「SSH探究講座」、様々な科学分野の第一線で活躍する研究者などによる講演

会の内容を参考に自分の人生設計に取り組む「未来設計」、科学技術をはじめとする社会の諸問題をテーマ

にした「科学ディベート講座」に取り組むことによって、①科学や学問に対する興味・関心が高揚し学ぶ意

欲が向上し、②論理的な思考力や科学的な見方、考え方の基礎が身につき、③科学の分野に求められる使命

感、倫理観が見につく。

(2)研究内容・方法・検証

<SSH探究講座>

生徒の興味・関心を深め、探究の手法や論理的思考力および表現力を身に

つけることを目標としている。本校職員によってオリジナル教材を開発し、

実施している。各講座は原則として探究活動2時間、レポート作成1時間の

3時間を1セットとして構成されている。生徒が年間で6つの希望する講座

を選択できるようにしている。また、国語、英語、数学、体育は、より深い

探究活動ができるように、6時間を1セットとした。評価については、取り

組みの意欲・態度、プレゼンテーションやレポートの完成度を総合的に評価

することとした。

<未来設計>

年間を通じ、進路指導部主催のキャリア教育と連携し、自らの適性を探り、

社会と自分とのつながりを考えることで、つきたい職業から自分自身の進路

を模索する活動を実施した。6月にはアフリカンサファリの獣医師である神

田岳委先生に講演をいただいた。科学的視野を広げるだけでなく、獣医師と

しての責任や仕事にかける情熱について思いを語っていただいたことで、生

徒にとって自分の将来や人生を考える貴重な機会となった。8月後半の文化

祭準備期間中には、生徒の保護者を講師に迎え「フューチャー・ファクトリ

ー(職業分野別講演会)」を行い生徒の職業観を広めた。並行して、文理選

択を念頭に置き、自分の希望する学問内容と将来への結びつきについて、大

学研究を行った。10月中旬から「SSH国際情報」の時間と連動し、個別

に大学の学部学科研究を行い、クラス内で発表会を行った。11月にはクラスの代表者が発表をした。プレゼ

ンテーション能力の育成とともにキャリア観育成の機会とした。

<科学ディベート講座>

11月から12月にかけて、「代替発電への切り替え」「遺伝子組み換え食品」等の4つのテーマについて、

SSH探究の3時間、国際情報の1時間を準備に使い、SSH探究の2時間をクラス対抗ディベート大会に使

用した。「批判的思考力」「論理的思考力」「表現力」を養うよい機会となった。

(3)実施の効果とその評価

1年間取り組んできた諸活動を通して、2月にとったアンケートをもとに、効果の検証を行った。

「学問に対する興味・関心が増した」と回答した1年生の割合(とても+まあ)は、77.4%、「論理的思考力

や科学的探究力が増した」と回答した1年生の割合(とても+まあ)は74.7%であった。昨年度より、肯定

的評価をしている生徒が増えた。SSH3期目という経験から、各探究講座で指導方法を確立できており、

生徒が論理的思考力や科学的探究力を探究講座やディベートなどで身につけることができたと思われる。

導入2年目である「科学ディベート講座」に対しても、表現力の項目に示されるように、生徒の満足感は

高かった。生徒のアンケートからも「またディベートをやりたい」という前向きな意見が多くあった。今回

Action Ⅱ 学校設定科目「SSH国際情報」

1 1年普通科・理数科(1単位)

(1)仮説

「IT基礎講座」、「プレゼンテーション講座」に取り組ませることで、膨大な情報の中から信憑性のあ

る必要な情報を取捨選択・処理・加工した上で有効に活用する能力や、日本語・英語によるプレゼンテー

ション能力の基礎を身につかせることができる。

(2)研究内容・方法・検証

国際的な視野での情報活用能力や日本語・英語によるプレゼンテーション能力の育成をめざして、SSH

国際情報を「情報教育」と「英語教育」の融合と捉えて実践を行ってきた。

1学期から2学期にかけて、情報機器やワード・エクセルといった基本的なソフトウエアの操作技術を習得

させ、日本語教材はもちろんのこと、英語の授業と連携した英語教材を活用し、ワードを使って自分の将来

の夢や志望を英訳させ、加えてパワーポイントによる日本語でのプレゼンテーション作成、およびクラス内

発表会を実施し、自分の考えを人前で分かりやすく伝える技能の育成を行ってきた。

また、発表内容に関する質疑応答の時間を設定することで、発表会が双方向となりより実践的なプレゼン

テーション能力の育成につながるように工夫した。

今年度は、SSH探究の時間と連動し、10月から11月に行われた「学部学科研究発表会」と12月に

行われる「校内ディベート大会」に向けて、インターネットで情報を検索し信憑性のある情報を取捨選択す

る時間を設けた。また、授業用クラウドシステムを充分に活用した。レポートの提出や配付資料等を自宅の

パソコンやスマートフォンからも提出および閲覧ができるように指導・実践した。

<1年生SSH国際情報実施内容>

月 学習内容 到達目標 4月

5月

6月

7月

○オリエンテーション

○IT基礎講座Ⅰ

(1)タッチタイピングの基礎・演習

(2)ワードの基礎・演習

(3)エクセルの基礎・演習

・科学的なトピックを活用

(4)パワーポイントの基礎・演習

(5)授業用クラウドを活用

○SSH国際情報の意義や1年間の流れを理解する

○情報を活用する上での基本的な操作技能を習得する

・ タッチタイピングの基礎を習得する

・ ワードの操作技能の基礎を習得する

・ エクセルの操作技能の基礎を習得する

・ パワーポイントの操作技術の基礎を習得する

・ 聴衆が分かりやすいプレゼンテーションについて理解

する

・ 授業用クラウドの操作技能を習得する

8月

9月

10 月

11 月

12 月

○IT基礎講座Ⅱ

(1)インターネット検索演習

○プレゼンテーション講座Ⅰ

(1) プレゼンテーション演習①

【日本語によるプレゼンテーション】

クラス「学部学科研究発表会」全員

学年 「学部学科研究発表会」代表

○科学ディベート講座

(1) 情報モラルの基礎

・ 必要な情報のインターネット検索できる

「自分の興味のある学問分野の内容について、その魅力を友

達に伝えるプレゼンテーション(学部学科研究)」を日本

語で行う

・ テーマを決定する

・ 自分の伝えたい内容を焦点化し、スライドイメージを作

成することができる

・ 発表しようとする内容を的確に紹介するスライドを作

成することができる

・ 聴衆を意識したプレゼンテーションができる

・ 他人の発表を聞き、質問・助言・評価等ができる

・ 必要な情報のインターネット検索できる

・ ネット社会を安全・快適に過ごすための情報モラルを身

に付けることができる

・ 情報社会について、その問題点を理解できる

- 6 -

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の経験は生徒の批判的思考力や社会に対する課題設定能力を高めることができたであろう。

フューチャー・ファクトリー(分野別講演会)は、夏休み以降の生徒の来年度のコース選択および進路選

択の一助となったといえる。科学講演会も含め、1年の前期で生徒にさまざまなことを考えさせる機会を与

えることができた。科学の分野に求められる使命感や倫理観の育成にも役立ったと考えられる。

2 1年理数科(1単位)

(1)仮説

生徒の科学に関する興味・関心が高揚し、学ぶ意欲が向上する。さらに論理的思考力や科学的探究力、お

よび表現力の基礎が身につくとともに、正しいキャリア観の基礎が身につく。

(2)研究内容・方法・検証

理数科はくくり募集のため、2年次に理数科へ進級が決定している推薦入学生14名を対象に「1年探究

理数科講座」を実施している。3学期からは、対象生徒を理数科への進級予定生徒41名とし、課題研究の

準備活動を開始した。 講座の指導は、1年理数科担任を含めた物理・化学・生物の理科教員が担当した。

▲は普通科と合同で実施

月 活動内容 方 法 4 月 ▲未来設計1

理数科オリエンテーション 基礎実験講座①(ミニ課題研究)

・計画的に探究活動に取り組むために、理数科の活動

や研修について理解する。 ・課題解決のための科学的探究活動を体験する。

5 月 基礎実験講座②(物理) ▲未来設計 2

・身近な題材から科学の基礎を学びながら、実験・観

察の基礎的技能を習得する。 ・高校生活の目標や卒業後の夢などについて考える。

6 月 基礎実験講座③・④(物理) ▲SSH探究講演会 スキルアップ基礎研修事前学習 1

・身近な題材から科学の基礎を学びながら、実験・観

察の基礎的技能を習得する。 ・科学の分野で活躍する講師の講演を通して、将来の

キャリアについて考える。 ・体験研修の目的と内容を知る。

22

22.2

33.1

48.5

55.4

52.5

48.5

46.9

19.3

23

16.7

3.6

3.3

2.3

1.6

1

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

ディベートや「探究講座」を通して、学問に対する興味・

関心が増した。

ディベートや「探究講座」を通して、「論理的思考力」や

「科学的探究力」が増した。

ディベートや「探究講座」、「国際情報」を通して、プレ

ゼンテーションや論述などの「表現力」が増した。

「未来設計」進路HR、「フューチャーファクトリー(分

野別講演会)」を通して、以前より「進路や職業に対する

意識」が増した。

そう思う どちらかといえばそう思う どちらかといえばそう思わない そう思わない

ACTIO

N Ⅰ

SSH探

- 7 -

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8 月 O-Labo(小学生実験教室指導)

・地域の小・中学生に高校生が科学実験を指導し、S

SHの取り組みの普及を図る。

9 月 スキルアップ基礎研修事前学習 2・3

・体験研修に関する知識を自主的に調べることで、よ

り充実した研修を目指す。 10 月 スキルアップ基礎研修事前学習 4・5

スキルアップ基礎研修 スキルアップ基礎研修事後学習 1 ▲未来設計 3

・自然調査の技法を事前に学習する。 ・自然体験を通して、科学的素養を身につける。 ・研究レポートの書き方を習得する。 ・将来の進路を具体的にイメージする。

11 月 スキルアップ基礎研修事後学習 2・3▲未来設計 4(ディベート 1・2)

・研修報告ポスターを作成し、発表会を行う。 ・SSH 国際情報で作成した学部学科研究のプレゼンを

発表する。 12 月 ▲未来設計 5・6(ディベート 3・4) ・ディベートを経験する。

1 月 理数科課題研究発表会見学 課題研究オリエンテーション 1・2 スキルアップ班別研修Ⅰ事前学習 1

・先輩たちの研究発表から、次年度の自分たちの活動

をイメージする。 ・課題研究の意義と活動の概要を理解する。 ・研修の探究活動に必要な化学的な基礎知識を学ぶ。

2 月 スキルアップ班別研修Ⅰ事前学習 2・3 スキルアップ班別研修Ⅰ

・研修に必要な化学的実験技術を学習する。 ・ミニ課題研究を通して、探究活動の流れと取り組み

方を理解する。 3 月 課題研究の準備

▲一年間の振り返り

・課題研究のテーマを探すために、興味関心がある分

野の情報を集める。 ・一年間の探究活動を振り返り、2年次の課題研究活

動に備える。

(3)実施の効果とその評価

基礎実験講座で実験器具の基本的な扱い方や実験データの記録の仕方などを学習した後、10 月に実施する

スキルアップ基礎研修の事前学習を4時間行った。屋久島の自然や地理、生態系の保全活動などについてイ

ンターネットなどを活用して調べ学習を行い、各自が研修のしおりの 1 ページずつを担当して原稿を作成し

た。さらに、調べ学習の内容を研修事前学習会でも発表することによって、研修への興味関心を高め、研修

課題を理解させることができた。 研修事後学習では、研修全体から各自の最も興味を持った内容を選び、自由テーマのポスター発表会を実

施した。ポスター製作の方法からポスターセッションの仕方まで、研究成果の発表方法の基礎を学ばせるこ

とができた。 3学期からは、2年理数科に進級予定の41名が講座に参加し、課題研究に向けた準備を進めた。課題研

究オリエンテーションの中で、研究計画の立て方、研究活動の進め方等を学ぶことで、2月のスキルアップ

班別研修をスムーズに開始することができた。 課題は、課題研究テーマ設定のための時間の確保と、テーマの絞込みのための文献検索を行う検索環境で

ある。これまでよりも早いテーマ決定に向けて、課題研究の準備を進める必要がある。

3 2年普通科(1 単位)

(1)仮説

①科学に対する興味・関心や学ぶ意欲を一層高めることができ、②論理的思考力や科学的探究力及び表現力

を身につけさせることができるとともに、③正しいキャリア観や国際感覚を身につけさせることができる。

- 8 -

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(2)研究内容・方法・検証

「SSH探究講座」

1年次に高めた生徒の興味・関心をさらに深め、論理的思考力や科学的探究力を身につけさせることを目

標とする講座を実施した。本校の職員が開発した教材を使用し、1講座は3回で完結するもの、6回で完結

するもの、および、今年度新たに1年間を通して調査や実験を行い、科学的に分析し結論を導いていく個人

探究型の講座が設定された。講座数は 10 講座あり、生徒は自分の興味関心のある講座を選択する。

評価については、提出したレポートの内容に加え、取り組みの意欲や態度、生徒の自己評価を総合的に判

定している。

「SSH分野別講演会」

8講座を開設し、生徒が希望する講座を受講する形式で実施した。各分野の専門の方と直接話すことで、

生徒の進路決定に役立った。

(3)実施の効果とその評価

1年間取り組んできた諸活動を通して、仮説の達成度を生徒アンケートで評価した。

仮説②を「論理的思考力・科学的探究力」と「表現力」に分け、仮説③を「正しいキャリア観(進路意識)」

と「国際感覚」に分けて5項目で評価とした。

昨年度は全項目で8割以上の生徒が「そう思う」「ややそう思う」を選択していたが、今年度はQ1・2・

5の項目で8割を切る結果となった。興味関心の落ち込みの原因は、講座数が昨年度より減少したことと、

1講座あたりの授業回数が3回のもの・6回のもの・1年間を通してのものが混在し、選ぶ講座に制限があ

り、希望する講座を受講することができなかった生徒が多数でたからだと考えられる。Q3の表現力は昨年

度より約9ポイント上昇した。昨年度の反省から、各講座とも発表する機会を多く取り入れた授業展開を行

ったことや、班活動を通して調べたことや考えたことを相手にきちんと伝える表現するスキルの指導に力を

入れた結果が出たものと考えられる。

16.4

37.3

29.1

17.2

20.1

52.6

48.5

60.1

60.1

59.0

27.6

14.2

10.4

20.5

19.4

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

05.国際感覚

04.進路意識

03.表現力

02.思考力

01.興味関心

そう思う ややそう思う あまりそう思わない そう思わない

【生徒アンケートの質問項目】 ※アンケートは普通科268名が回答

Q1.「探究講座」を通して、学や学問に対する興味・関心が増した。

Q2.「探究講座」を通して、「論理的思考力」や「科学的探究力」が増した。

Q3.「国際情報発表会」「探究講座」を通して「表現力」が増した。

Q4.「未来設計」「分野別講演会」を通して、以前より「進路や職業に対する意識」が増した。

Q5.「国際理解」の諸活動を通して、以前より「国際感覚」が身についた。

ACTIO

N Ⅰ

SSH探

- 9 -

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4 2年理数科(2単位)

(1)仮説

科学への興味・関心がいっそう高まり専門性が身につくとともに、論理的思考力や科学的探究力および日

本語・英語によるプレゼンテーション能力が身につく。

(2)研究内容・方法・検証

第 3 期目より、2 年生課題研究を 1 単位から 2 単位に増やした。さらに、国際情報を含めた 3 時間連続の

活動時間を確保し、内容面でも相互乗り入れをすることでより効果的な課題研究活動を実施した。研究発表

の期日も課題研究発表会を 1月に、英語ポスターセッションを目的とした語学研修を 3月に実施することで、

より長い課題研究活動期間を実現した。

月 活動内容 方 法

4 月 研究テーマ探し ・課題研究に必要な文献を集めるために、論文検索の方

法を習得する。

5 月 研究活動 スキルアップ研修事前準備

・予備実験などから、研究の方向性を探る。 ・大学等の研究者と連絡をとり、研修の受け入れを依頼

する方法を学ぶ。

6 月 研究活動 スキルアップ研修事前学習

・研究テーマについて再考し、課題研究としてふさわし

いテーマであるかどうかを検証する。 ・大学等の訪問に必要な予備知識を集約する。

7 月

プレゼン・ポスター作成 課題研究中間発表会 ポスター発表会参加

・スライドやポスターの作成方法を学ぶ。 ・研究の中間報告としての発表を通して、研究活動前半

を振り返り、改善点を明らかにする。 ・校外のポスター発表会に参加し、実践的なポスターセ

ッション技術を学ぶ。

8 月 スキルアップ班別研修Ⅱ [7~9 月] プレゼン・ポスター発表練習

・大学等の研究機関と連携し、高いレベルの研究活動を

行う。 ・プレゼンテーションの基本的技能を習得する。

9 月 文化祭課題研究ポスター発表会 ・研究に対する指導・助言を受ける。

10 月 研究活動

・班別研修の成果を活用して、研究内容をさらに深化さ

せる。 11 月 研究活動 ・実験データを分析し、科学的に考察する手法を学ぶ。

12 月 日本語研究論文・プレゼン作成 台湾海外研修(班代表者)

・研究論文の書き方を習得する。 ・課題研究英語発表会に向けて、英語コミュニケーショ

ン力を向上させる。

1 月 課題研究発表会 英語研究論文作成

・研究成果を発表することにより、効果的なプレゼンテ

ーションの技能を習得する。 ・科学的な英語表現を習得する。

2 月 APU 英語プレゼン講座 英語ポスター作成・発表練習

・英語プレゼンテーションの方法を学ぶ。 ・研究発表における効果的な英語表現を身につける。

3 月 APU 語学研修 一年間の振り返り

・実践的な英語コミュニケーション力を向上させる。 ・課題研究の取り組みや成果を振り返ることで、自らの

進路意識を向上させる。

- 10 -

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(3)実施の効果とその評価

課題研究活動にかける時間を増やし、研究活動の中間期にスキルアップ班別研修Ⅱを実施することによっ

て、各班とも研究内容をさらに深化させることができた。課題研究発表会では、審査員や参加した保護者な

どから課題設定の面白さと高い研究レベル、優れた発表態度、活発な質疑応答が高い評価を受けた。今後の

課題は、以下の3点である。

① 5月までに研究テーマを決定し、6月に予備実験・観察を行って研究の方向性を検討、7月から8月に

適切な研修先を選定してスキルアップ班別研修Ⅱ(大学・研究所訪問)を実施する。

② 早期の研究テーマ設定に向けて、1年次の課題研究に対する意識付けと文献検索等の環境整備を進めて

いく。

③ 校内の課題研究指導者研修会を行い、研究班担当教員の指導力の向上を図るとともに、他校の成果発表会

や各種学会への積極的参加を勧めていく。

5 3年普通科・理数科

(1)仮説

各分野への興味関心と理解が更に深まり、講座内に生じた疑問を解決する過程で論理的思考力を身につけ

ることができるとともに、自分の考えをレポートにわかりやすくまとめることで表現力を身につけることが

できる。

(2)研究内容・方法・検証

1・2年次に行った探究講座の成果を生かし、3年次はより発展的な内容の講座を行い、レポートにまと

めるなど、3年次はより応用的な講座を目指し、科目ごとに論理的な思考力の伸長を図る講座を行った。 文系、理系・理数科に分かれて探究講座を実施し、文系では英語、国語、数学(私立文系クラスでは小論文)

地歴公民の4講座、理系・理数科では数学、英語、化学、物理/生物の4講座をそれぞれローテーションで

行った。

各講座の教材開発・実施は,以下の点に留意して行い、評価は各講座担当者で行った。 ・論理的思考力を育成するため、思考・考察する機会を設けること

・科学的専門性を育成するため、普段の授業では扱わない専門的な内容で行うこと

・客観的な評価ができるように、ワークシートを作成すること

(3)実施の効果とその評価

担当教員の協力のもと、昨年度の内容と評価を踏まえた上で教材研究、教材開発を行うことができた。昨

年の教材を発展させただけでなく、新たな教材の開発も行われており、今年も学校の財産となる教材を増や

すことができた。

3年生は受験勉強で多くの知識を整理することに追われているが、そのような中で日常の学習とは異なる

視点で物事を考えることができる探究講座は有意義であったと考えられる。

ACTIO

N Ⅰ

SSH探

- 11 -

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Action Ⅱ 学校設定科目「SSH国際情報」

1 1年普通科・理数科(1単位)

(1)仮説

「IT基礎講座」、「プレゼンテーション講座」に取り組ませることで、膨大な情報の中から信憑性のあ

る必要な情報を取捨選択・処理・加工した上で有効に活用する能力や、日本語・英語によるプレゼンテー

ション能力の基礎を身につかせることができる。

(2)研究内容・方法・検証

国際的な視野での情報活用能力や日本語・英語によるプレゼンテーション能力の育成をめざして、SSH

国際情報を「情報教育」と「英語教育」の融合と捉えて実践を行ってきた。

1学期から2学期にかけて、情報機器やワード・エクセルといった基本的なソフトウエアの操作技術を習得

させ、日本語教材はもちろんのこと、英語の授業と連携した英語教材を活用し、ワードを使って自分の将来

の夢や志望を英訳させ、加えてパワーポイントによる日本語でのプレゼンテーション作成、およびクラス内

発表会を実施し、自分の考えを人前で分かりやすく伝える技能の育成を行ってきた。

また、発表内容に関する質疑応答の時間を設定することで、発表会が双方向となりより実践的なプレゼン

テーション能力の育成につながるように工夫した。

今年度は、SSH探究の時間と連動し、10月から11月に行われた「学部学科研究発表会」と12月に

行われる「校内ディベート大会」に向けて、インターネットで情報を検索し信憑性のある情報を取捨選択す

る時間を設けた。また、授業用クラウドシステムを充分に活用した。レポートの提出や配付資料等を自宅の

パソコンやスマートフォンからも提出および閲覧ができるように指導・実践した。

<1年生SSH国際情報実施内容>

月 学習内容 到達目標 4月

5月

6月

7月

○オリエンテーション

○IT基礎講座Ⅰ

(1)タッチタイピングの基礎・演習

(2)ワードの基礎・演習

(3)エクセルの基礎・演習

・科学的なトピックを活用

(4)パワーポイントの基礎・演習

(5)授業用クラウドを活用

○SSH国際情報の意義や1年間の流れを理解する

○情報を活用する上での基本的な操作技能を習得する

・ タッチタイピングの基礎を習得する

・ ワードの操作技能の基礎を習得する

・ エクセルの操作技能の基礎を習得する

・ パワーポイントの操作技術の基礎を習得する

・ 聴衆が分かりやすいプレゼンテーションについて理解

する

・ 授業用クラウドの操作技能を習得する

8月

9月

10 月

11 月

12 月

○IT基礎講座Ⅱ

(1)インターネット検索演習

○プレゼンテーション講座Ⅰ

(1) プレゼンテーション演習①

【日本語によるプレゼンテーション】

クラス「学部学科研究発表会」全員

学年 「学部学科研究発表会」代表

○科学ディベート講座

(1) 情報モラルの基礎

・ 必要な情報のインターネット検索できる

「自分の興味のある学問分野の内容について、その魅力を友

達に伝えるプレゼンテーション(学部学科研究)」を日本

語で行う

・ テーマを決定する

・ 自分の伝えたい内容を焦点化し、スライドイメージを作

成することができる

・ 発表しようとする内容を的確に紹介するスライドを作

成することができる

・ 聴衆を意識したプレゼンテーションができる

・ 他人の発表を聞き、質問・助言・評価等ができる

・ 必要な情報のインターネット検索できる

・ ネット社会を安全・快適に過ごすための情報モラルを身

に付けることができる

・ 情報社会について、その問題点を理解できる

- 12 -

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1月

2月

3月

プレゼンテーション講座Ⅱ

(1) プレゼンテーション演習②

【日本語と英語によるプレゼンテーシ

ョン】

・スライドの英語化、原稿の翻訳

・英語による発表練習

・クラス内発表、質疑応答

「自分の興味のある内容について、その魅力を友達に伝える

プレゼンテーション」を日本語と英語で行う

・ 日本語と英語によるスライドや原稿を作成できる

・ 日本語と英語によるプレゼンテーションの練習を行い、

クラス内発表ができる

・ 日本語と英語でのプレゼンテーションを聞き、質問・評

価・助言等ができる

① IT基礎講座

社会人、および大学生・大学院生として必須ソフトと思われるワード・エクセル・パワーポイントの3大ソ

フトの操作技能の習得を確実に行わせたいと考えている。これらのソフトについては、高校入学時点でのアン

ケートで個人差がかなりあった。これを踏まえて、1年生の国際情報の授業では、これらの基本ソフトの操作

技能がまだ身についていない生徒のペースに合わせて授業を進めている。既に操作技能をマスターしている生

徒については、授業時間内で、学習内容が早めに終わるので、応用的な操作をプラスアルファの内容として取

り組ませ、生徒の上達レベルに合わせた指導を行った。

② プレゼンテーション講座

プレゼンテーション能力の基礎を育成するために、本年度は2学期から3学期にかけて「自分の興味のある

学問分野の内容について、その魅力を友達に伝えるプレゼンテーション(学部学科研究)」と「自分の興味の

ある内容について、その魅力を友達に伝えるプレゼンテーション」の2つのテーマに対して、日本語によるプ

レゼンテーション作成(一部英語のスライドを含む)を行った。3分間という短い発表時間で、自分の伝えた

い内容を聴衆に分かりやすく簡潔に伝えるために、生徒はスライドや発表原稿の作成において様々な工夫をこ

らした。クラス内発表会において、級友の発表を聴き、質問や評価を行うことによって、「聴衆に伝わるプレ

ゼンテーション」についての理解とはどういうものかを学んだ。

(3)実施の効果とその評価

1年次の SSH国際情報について2月にアンケートを行った。

12月の国情英語プレゼン発表会や2月のSSH成果発表会では、発表側・聴衆側の双方ともに大いに刺激

になったようである。来年度さらなるプレゼンテーションスキルの向上につながるように、年間計画を練り

直すことで、生徒の情報リテラシーの技量を高めていきたい。

2 2年普通科(1単位)

(1)仮説

今日の国際化・情報化社会において、理系・文系に関わらず、たくさんの情報の中から信憑性のある必要

な情報を取捨選択し、処理・加工した上で、他へ分かりやすく表現・発信する能力がますます必要になって

きた。この能力育成のためには、①情報を処理するマルチメディア技能、②情報を国際的に表現・発信して

いくコミュニケーション能力、③異文化を理解し尊重する態度―の3点の習得・育成を促進することが必要

である。「SSH国際情報」において、普通科ではマルチメディア講座、異文化理解講座、国際プレゼンテ

そう

思う

どちらかと

いえばそう

思う

どちらかと

いえばそう

思わない

そう思

わない

コンピュータ操作のスキルが上達した。 61.5 31.3 5.2 2.0

プレゼンテーションや論述などの表現のスキルが上達し

た。

66.6 30.5 1.9 1.0

英語の必要性を認識した。 51.2 23.5 22.0 3.3

国際社会に興味を持つようになった。 17.2 35.8 22.3 24.7

ACTIO

N Ⅱ

SSH国

際情

- 13 -

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ーション講座を実施することで、これら3つの技能・能力・態度を育成できる。 (2)研究内容・方法・検証

本校のSSH国際情報は、「情報教育」と「英語教育」との融合と捉え、情報教育に内容中心型(コンテン

ト・ベース)英語教育を融合させている。 普通科では、ベトナム・カンボジアへの修学旅行を題材に、国際理解・英語プレゼン技術・情報機器操作

能力の育成をすすめており、英語でのプレゼンテーション発表会を実施している。 以下の実施計画に基づき、上記研究仮説の検証を行った。

①普通科2年生

月 学習内容 到達目標 4月 ~5月

○オリエンテーション ○マルチメディア講座Ⅱ-1 【日本文化の紹介】(日本語) ・ワード演習

・1年間の流れ・SSH国際情報について理解する ・必要な情報をインターネット等から取得し、ワードを用い

てまとめることができる ・日本文化をわかりやすく伝えることができる。

6月 ~8月

○マルチメディア講座Ⅱ-2 【日本文化の紹介】(英語) ・ワード演習 ・英訳 ・発表練習 ・クラス内発表

・英語で伝えたい内容を適切に表現することができる。 ・聞き手を意識して、わかりやすいプレゼンテーションがで

きる。

9月 ~10月

○異文化理解講座Ⅰ-1 【ベトナム・カンボジアの文化を

紹介するプレゼンを作成する】 (日本語) ・プレゼン演習 ・パワーポイント演習 ・クラス内発表

・必要な情報をインターネットなどから取得し、パワーポイ

ントのスライド・原稿にまとめることができる。 ・魅力あるスライドを作成し、聞き手を意識してわかりやす

いプレゼンテーションを行うことができる。

11月 ~12月

○異文化理解講座Ⅰ-2 【ベトナム・カンボジアの文化を

紹介するプレゼンを作成する】 (英語) ・プレゼン演習 ・パワーポイント演習 ・クラス内発表

→SSH国際情報英語発表

・英語プレゼンテーションの基本的な言い回しや留意事項

を理解し、それを意識した発表ができる ・人の発表を聞き、内容把握・評価・助言などができる ・プレゼンテーションの発表会で質疑応答を英語で行うこ

とができる。

1月 ~3月

○国際プレゼンテーション講座Ⅰ-1 (個人プレゼン)(英語) ・パワーポイント演習 ・プレゼン演習 ・クラス内発表

・自ら興味・関心のあるテーマを設定し、必要な情報を取得

し、まとめることができる。 ・パワーポイントを駆使し、わかりやすいスライド作りがで

きる。 ・英語で伝えたい内容を適切に表現することができる ・聞き手を意識した、わかりやすいプレゼンテーションを行

うことができる。

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(3)実施の効果とその評価 ① マルチメディア講座Ⅱ

1年生の国際情報の授業で、身につけた操作スキルを生かし、「日本文化の紹介」の作成を行った。日

本文化を複数のテーマに分けて班ごとに調べ、日本語でレポートを作成した。また、それを英語に翻訳し、

クラス内でプレゼンテーションを行った。レポート作成の過程で、身近な日本文化の魅力に改めて気づき、

わかりやすく伝えようと努力をしていた。英訳では英語科の先生やALTの先生に添削をしてもらうことで、

英語の表現力を向上させることができた。プレゼンテーション作成や英語への翻訳に想定していた以上に

時間がかかった。

② 異文化理解講座Ⅰ

修学旅行先であるベトナム・カンボジアに関するテーマを設定し、その調査を行い、修学旅行で実際に

得た情報や経験を元に検証をして、英語によるプレゼンテーション作成と発表を行った。プレゼンテーシ

ョンを作成することで、役割分担をしたり、内容を議論したり、研究を行う上で重要なチームワークを育

むことができた。ベトナム・カンボジアについて、図書館の関連書籍やインターネットを駆使して情報を

収集することで様々な情報の中から、必要な情報を選択し、パワーポイントを用いてわかりやすいプレゼ

ンテーションを作成しようという工夫を行うことができた。

調査前は調査対象に対してあまり知識を持っていない生徒が多かったが、プレゼンテーション作成の過

程で知識を深め、興味を持って異文化を理解しようとする意識を高めることができた。プレゼンテーショ

ンはスライドの作成や発表も英語で行うことで、英語によるコミュニケーション力を向上させることがで

きた。

また、1・2年生合同発表会では、原稿を見ることなく発表内容を発表し、質疑応答では、1年生から

も積極的に英語での質問があり、2年生の発表者たちも一生懸命に英語で答えようとする姿が見られたが、

修学旅行帰国後から発表会まで準備期間が短かったため、検証や実際に感じた内容を十分に深めることが

できなかった。

③ 国際プレゼンテーション講座I

3学期には、与えられた問題やテーマに取り組むのではなく、生徒が自ら興味・関心のあるテーマを設

定し、調査・研究を実施した内容に関して、英語によるプレゼンテーションを実施した。2学期に実施し

た異文化理解講座での班活動とは違った個人としてのプレゼンテーション能力向上と達成感を感じても

らうことを期待した。

自ら設定したテーマであるため、生徒は積極的にプレゼンテーション作成に取り組むことができ、知識

を深めることができた。また、なぜその内容を聴衆に伝えたいのかも考えさせ、プレゼンテーション内容

に含めることで、聴衆に自分の考えをどのようすればうまく伝えることができるかというコミュニケーシ

ョン伝達方法についても工夫することができた。

英語のよるプレゼンテーションを個人で作成することで、それぞれの生徒の英語によるコミュニケーシ

ョン能力や情報発信力を高めることができた。マルチメディア講座Ⅱ、異文化理解講座Ⅰを経験したこと

で、スライド内容や発表原稿作成においてわかりやすさを意識した上達が見られ、クラス内発表会におい

て、互いに発表を相互評価することで、自分の努力に対してフィードバックを得ることができ、達成感・

自信を持つことができたと考える。

マルチメディア講座Ⅱの様子 異文化理解講座Ⅰ 合同発表会の様子

ACTIO

N Ⅱ

SSH国

際情

- 15 -

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Action Ⅲ 学校設定科目「SS科学」

1年普通科・理数科

(1)仮説

物理・化学・生物・地学の全分野の内容を含んだ授業をおこなうことで、生徒の科学に対する興味・関心

を高めるとともに、科学的な思考力や読解力を養うことができる。

(2)研究内容・方法・検証

科学的視点を広げるため、1年生全員を対象として、学校設定科目「SS科学」を設置した。これは、地

学を含めた理科4科目で構成され、本校理科の教員を中心にオリジナル教材集「SS科学ワークシート」を作

成し、平成25年度入学生から、1単位時間で運用している。

SS 科学ワークシートの構成は、次の通りである。各単元とも、できるだけ生徒にとって身近な内容を含ん

だ構成とし、また、Ⅴ~Ⅶの単元を通じて従来の科目の枠を超えた指導をおこなうようにした。

Ⅰ 身の回りの科学~生物~ Ⅱ 身の回りの科学~地学~ Ⅲ 身の回りの科学~化学~

Ⅳ 身の回りの科学~物理~ Ⅴ 新聞記事を読もう Ⅵ 英語論文を読もう

Ⅶ レポートの書き方

(3)実施の効果とその評価

1年次は物理基礎・生物基礎の授業が行われる。このため、今年度は化学分野→物理分野→生物分野→地

学分野の順に授業を行った。物理分野や生物分野については物理基礎や生物基礎の授業内容と重複しないよ

うに指導内容を選定した。また、今年度は地学分野の「地球温暖化」「オゾン層の破壊」「森林破壊」につい

て、図書館で調べ学習という形で行った。県立図書館や近隣の高校図書館から本を借りるなどして、できる

だけ多くの蔵書を準備した。

生徒は自分で選んだテーマについて、「テーマ設定の理由」「問題を取り巻く背景や原因、メカニズム、現

状」「問題に対する取り組みや今後期待される解決方法」「問題に対するあなた自身の考え」の観点でレポー

トを作成した。この活動を通して、多くの知識や情報を収集すると共に自己の考えを表現する力を付けるこ

とができた。

ACTIO

N Ⅲ

SS科

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Action Ⅳ 課題研究スキルアップ研修

1 スキルアップ基礎研究

(1)仮説

2年次から取り組む課題研究の事前活動として、貴重な生態系を誇る屋久島をフィールドとした

自然体験を伴う調査研究活動を行うことで、将来の科学系人材としての次の能力や態度を育成する

ことができる。 ① 2年次の課題研究や将来の研究活動で必要とされる実践的な基礎調査技能

② 自ら課題を設定して解決の方策を探究しようとする研究に取り組む基本的態度

③ 人間と自然の共生について深く考えようとする姿勢や、環境問題に対処する素養

(2)研究内容・方法・検証

期 間 平成 28年 10月 8日(土)~10日(月) 2 泊 3日

場 所 鹿児島県熊毛郡 屋久島

(宿泊所)屋久島環境文化研修センター ( 鹿児島県熊毛郡屋久島町安房2739 番地 3 )

対象生徒 1年生理数科推薦入学者 14名

研修講師 屋久島環境文化研修センター職員、屋久島森林環境保全センター研究員

京都大学霊長類研究所修士課程 中村泉、株式会社建設環境研究所 田中敦司

研修日程

10/ 8(土)

大分駅出発7:13―10:50 鹿児島駅、鹿児島港12:00―13:50 宮之浦港―14:30 神之川林道

14:30~16:30 研修1「照葉樹林毎木調査」(神之川林道)

19:00~21:30 研修2「照葉樹林毎木調査報告レポート作成」

10/ 9(日) 9:40~16:00 研修3「グループ別野外自然調査」(ヤクスギランド、西部林道)

19:00~22:00 研修4「野外自然調査報告会」

10/10(月) 9:15 センター出発―宮之浦港10:45―鹿児島港 12:35、鹿児島駅 13:34―17:58 大分駅

・事前学習として、屋久島の自然や地理、歴史等を調べ、生徒の自主編集による研修のしおりを制作する。

・野外実習では、フィールドノートを活用する。

・研修1では、屋久島で実際に森林保全に関わっている専門調査員の指導の下、毎木調査を実施する。

・研修2では、研究レポートの書き方を学び、研修1のレポートを作成する。

・研修3では、3班に分かれて、テーマ別の野外調査を行う。

・研修4では、ポスターセッションについて学びながら、研究班ごとに研修3の調査内容を報告するポス

ターを作製して、ポスター発表会を行う。

・事後学習として、生徒各自が自由テーマの研修ポスターを製作し、ポスター発表会を行う。

「照葉樹林毎木調査」

屋久島森林生態系保全センターの研究員の指導の下、神之川林道沿いの照葉樹林で、実際に森林生

態調査を行う際に用いられる毎木調査の実習を行った。実習の後、保全センター所長よりレクチャー

を受け、屋久島の森林資源の保護とその活用、シカ被害の対策、希少種の保全対策等について説明を

聞いて、森林環境保全の取り組みにおける毎木調査結果の活用について学習した。さらに、当日の夜、

実際に調査したデータを用いて、各自が毎木調査レポートを作成した。

「グループ別野外自然調査」

テーマ別のグループを編成し、屋久島の森林を研究フィールドとした調査活動を行った。研修後は、

ACTIO

N Ⅳ

スキ

ルア

ップ

研修

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調査活動の成果を各班でふりかえり、調査の成果を整理して研究ポスターを作製して研究発表会を行

った。各研究班の調査内容は、以下のとおりである。

・コケ植物班 蘚苔類・地衣類等の生育調査とともに、森林内の環境や天然更新する林床の状態を調

べ、蘚苔類の多様な生育環境を考察した。

・ヤクスギ班 倒木更新によって世代交代が繰り返されるヤクスギ林帯を代表するヤクスギ等の生息

状況を調査し、ヤクスギ林が維持されている屋久島の自然の特性を考察した。

・動物班 おもにヤクザル・ヤクシカについて、それらの生態と植生との関係を探った。特に、

ニホンザルについては、森林内における実際の行動調査を実施し、大分県高崎山に生

息する餌付け群との比較を行った。

研修1

照葉樹林毎木調査

研修3(ヤクスギ班)

ヤクスギの生態調査

研修3 (コケ班)

蘚苔類・地衣類調査

研修3 (動物班)

西部林道ヤクザル調査

(3)実施の効果とその評価

生徒アンケートより

項 目 とても まあまあ あまり まったく

充実した研修だった 100% 0% 0 0

自然や環境への関心は深まった 69% 31% 0 0

2 年次の課題研究の活動に役立つと思う 92% 8% 0 0

・事後アンケートでは、参加した生徒全員が「とても充実していた」と回答しており、次年度の課題研

究活動に向けて、大変有意義な研修となった。

・特に、今年度で4年目となる屋久島森林環境保全センター職員の指導による毎木調査実習は、高い専門

性を要する野外調査にも関わらず1年生の取り組み状況が非常によく、今年度も体験実習として内容の

充実したものとなった。

・今年度は京都大学霊長類研究センターからニホンザルの研究者を、また、屋久島のコケ植物と環境の

研究者を招聘し、野外調査の内容の充実を図った。期待通り、生徒たちは実際の研究者から野外にお

ける調査技術や研究者としての態度を学ぶことができた。今後の課題研究への応用が期待できる。

・研修全体を通して、理数科1年生の体験研修としては、次年度課題研究に関わるスキルアップの効果が

非常に高いと考えられた。今後の課題は、テーマ別調査の全ての班において、生徒の興味関心に応じ

た指導ができる講師を招聘することである。

生徒の感想

入学時からとても期待していた研修だったが、実際に行ってみると、予想していた以上の姿をした

島で、座学だけでは到底学べない事柄を多く目にすることができた。たとえば、コケ一つをとってみ

ても、気候や土壌で種類が違っていたり、他の植物との複雑な関係を持っていたり、興味深いことを

数多く知ることができて感動し、自然の雄大さを肌で感じた。高校生で世界遺産という特別な場所で

研修できたことに感謝し、理数科生としての期待を裏切らないよう、これからもさらに努力していき

たいと思った。今回の経験で得たことを来年度から始まる課題研究に活かし、研究活動の中心的存在

になるようさらに探究心を磨きたい。次は自分の力で、再び屋久島を訪れてみたいと思っている。

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2 スキルアップ班別研修Ⅱ

(1)仮説

1年次10月に実施した「スキルアップ基礎研修」、1年次2月に実施した「スキルアップ班別

研修Ⅰ」に引き続き、課題研究のテーマに沿った生徒自主企画による研究機関への研修を実施する

ことによって、高いレベルの科学研究を体験し、課題研究における研究技能を向上させることがで

きる。

(2)研究内容・方法・検証

期 間 平成 28年 7月~9月

場 所 大阪市立大学、福岡教育大学、大分大学、東京理科大学、日本文理大学 等

対象生徒 2年生理数科 課題研究 8班

引 率 者 課題研究の各班校内指導者

研修日程 生徒が作成した各班の研修計画のとおり

実施方法

4~5月 ・研究テーマ(仮)を設定する。

・文献調査・予備実験等を行う。

6月 ・各班の研究テーマに関係する研修先を探し、研修受け入れのアポイントをとる。

・各班で自主的に研修計画を立案し、旅行の手配をする。

7~9月 ・大学等の研究室等を訪問して、課題研究に対するアドバイスを聞く。

・大学等の実験室において課題研究テーマに関係する実験・実習を行う。

・県内外の海や森林で、課題研究テーマに関わるフィールドワーク(調査等)を行う。

9~11月 ・研修で経験したことや学んだ知識を整理して、研究計画を見直す。

・研修の成果を課題研究後半の研究活動に活かす。

分野 班名 研修時の研究テーマ 実施日 大学・講師

物理学 物理班 発射時の仰角がもたらす飛行

距離への影響 8月 21日

日本文理大学

河邉博康教授

化学 セッケン班 石けんと金属イオンの価数の

関係 8月 29日

東京理科大学工学部

近藤行成教授

生物学 ニホンザル班

高崎山のサルはヒトをどう見

ているのか? 餌付けされたニホ

ンザルのヒトに対する行動分析

9月 9~11日

京都大学野生動物研究

センター幸島観察所

鈴村崇文技官

生物学 ナツヅタ班 ナツヅタの壁面付着 8月 27日 福岡教育大学

福原達人教授

地学 ヒートアイランド班 保水性舗装 8月16~17日大阪市立大学工学部

西岡真稔教授

医学 がん細胞班 シメチジンによる がん細胞の

転移の抑制 8月 19日

大分大学医学部

菓子野元郎准教授

数学 議席配分班 理想的な議席配分方法 8月26~27日マス・フェスタ参加

(京都大学)

情報学 OPS 班 OPSと得点率の関係 8月16~17日 鳥越規央 氏

ACTIO

N Ⅳ

スキ

ルア

ップ

研修

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[物理班] 日本文理大学工学部

流体力学の基礎と紙飛行機応用

[ニホンザル班]京都大学野生動物研究

センター幸島観察所 現地調査

[がん細胞班] 大分大学医学部

細胞周期の講義と外科手術見学

(3)実施の効果とその評価

生徒アンケートより

項目 とても まあまあ ふつう あまり まったく

研修先は研修の目的に合っていた 85% 10% 5% 0 0

研修は課題研究の後半の活動に役立った 93% 3% 5% 0 0

研修の主な目的は?

・課題研究に関わる専門的な話を聞く (5班)

・課題研究を深めるための研究方法を指導してもらう (5班)

・課題研究の内容に対するアドバイスをもらう (3班)

・普段できない実験や調査を行う (3班)

・高校ではできない高度な実験を行う (1班)

・その他 [ 全国レベルのポスター発表を見るため。]

全国の大学・研究機関から、各班の研究テーマに対して最適な指導助言を受けられる研修先を探し

出し、研修依頼・旅行計画作成・活動内容選定等を生徒が自立的に行い、課題研究班別の研修を行う

ことができた。各班とも、大学の研究室で高いレベルの実験・実習を行うとともに、各分野の研究者

に指導助言を受けることができた。

この研修は、生徒の自立的な研究活動の取り組みの一環として行っているため、研修実施機関は各

班の話し合いによって決定している。全体としては、各分野の研究者に直に話を聞き、先端的実験機

器に触れることで、研究活動に対するモチベーションが高められ、課題研究の内容をさらに深化させ

る効果は大きかったと考えられる。また、課題研究を担当している引率をした教員にとっても、専門

分野の最先端の研究手法を学ぶ研修となった。

今後の課題は、具体的な研究テーマの設定と研究内容に合った研究者や研修機関の選定のために生

徒の論文検索を徹底させること、適当な研修実施時期を検討すること、研修の成果を研究活動後半に

活かすために校内担当教員の指導力を向上させることである。

生徒の感想

講師の先生に準備していただいた講座でヒートアイランド現象の形成要因の詳細を学び、実際に研

究に使われている高性能の機器を使うことができて、とても貴重な経験となった/これまで自分たち

だけでは分からなかった公式が理解できるようになり、新たな思考が可能になった。また、実験デ

ータの分析方法の誤りがわかり、その後の実験が適切に行えるようになった/講師の先生に直接話し

を聞くことで、これまでの不明な点を解決できて本当によかった。さらに、この研修で経験した実

験を応用することで実験データを取ることが容易になった/調査地に行くまで時間はかかったが、実

際に違う場所で行動調査ができて多くのことを学べた/他校がどのような数学の研究をしているの

かがよく分かった。一見数学とは関係がなさそうなことでも、数学が用いられており、身近なとこ

ろに数学が使われていることに驚かされた。

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Action Ⅴ 課題研究発表

1 課題研究発表会

(1)仮説

理数科課題研究の集大成として研究活動の成果を伝える研究発表を行うことで、研究内容をさらに

深化させるとともに、実践的なプレゼンテーション能力の育成を図ることができる。

(2)研究内容・方法・検証

日 時 平成 29年 1月 14日(土)13:30~16:30

会 場 大分県総合社会福祉センター 4階大ホール

参加者 理数科2・1年生、本校教職員 県内中・高校生、中学校教員、県内大学関係者、保護者

日 程 (進行係:理数科1年生)

13:30~13:40 開会式

13:40~15:55 研究発表(発表10分、質疑応答5分)×8班

15:55~16:15 審査

16:15~16:30 閉会式(審査結果発表、講評、表彰)

研究班・研究テーマ

発表順 研究班 研究テーマ

1 がん細胞班 苦み、辛みによるがん細胞の増殖の抑制

2 ナツヅタ班 ナツヅタの吸盤の付着力と葉について

3 ヒートアイランド班 ヒートアイランド現象の抑制

4 OPS班 OPSと得点率の関係 ~打率重視の打順とOPS重視の打順の平均得点差~

5 ニホンザル班 高崎山のサルはヒトをどう見ているのか?

~餌付けされたニホンザルのヒトに対する行動分析~

6 物理班 縦横比がもたらす飛行距離への影Ⅱ

7 セッケン班 温泉における石鹸の泡立ちの改善

8 議席配分班 理想的な議席配分方法 ~各議席配分方法により配分される議席数の比較~

会場の様子

多くの中・高校生が参加

工夫された自作スライ

ドによる発表

熱意がこもったプレゼ

ンテーション

生徒による活発な質疑

応答

(3)実施の効果とその評価

研究内容を分かりやすく伝えるプレゼン技術、発表態度、活発な質疑応答など、年々、発表技術が

向上している。研究中間期にスキルアップ班別研修Ⅱを実施することによって、各班とも研究内容を

深化させることができた。1年生は、この発表会に参加することで、1年生3学期からスタートする課

題研究活動の1年後の目標である姿をイメージすることができ、研究活動に対する意欲の向上に効果

的にはたらいている。また、土曜日に校外で開催することで、多くの保護者や中学生・高校生にも参

加してもらうことができた。

ACTIO

N Ⅴ

課題

研究

発表

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参加者アンケート

どの班もとても面白い内容に注目し、しっかり研究できていた。理数科では、このような取り組みを

していることを初めて知り、プレゼンの能力が身につくと思いました。舞鶴高校の素晴らしさを感じま

した/難しい内容が多い中、教え込まれたのではなく、自分の言葉で説明しようとする姿が多く見られ

感動しました/与えられた研究ではなく、自分たちの興味ある課題を選び研究していたので、内容がよ

かった/生徒さんひとり一人、みんなイキイキとした表情で発表していてすばらしかった/学年に関係な

く、一年生が二年生に積極的に質問していて、素晴らしいと思いました。

2 普通科3年課題研究発表

(1)仮説

理数科が実施している課題研究を普通科文系にも実践することで、実践的プレゼンテーション能力

の育成を図る。

(2)研究内容・方法・検証

3年私立文系クラスの理科「科学と人間生活」において探究型の発展学習を行った。主題は、平成

28年4月に発生した熊本・大分大震災とし、自主避難中ライフラインが途絶えた場合、「救援物資

が完全に行き渡るまでどのような工夫ができるかをカップラーメンで実験をした食品班」と、震災に

よるストレスなどの理由による震災関連死が目立つニュースから、「恐怖心や日頃の運動負担によっ

て、唾液量にどのような変化がおこるかを実験した運動班」に分かれて研究を行った。さらに1月に

2年1組を聴衆に発表会を行った。

(3)実施の効果とその評価

生徒は、研究やプレゼンテーションを通じて、科学的探究力や論理的思考力が高まっただけではな

く、自分の意思を伝える力や解決方法を身につける態度、班員との意見交換をすることで自己を表現

する力、他の班の発表や質問の受け答えを聞くことによって知識の幅も広がり自分なりの考え方が広

がったと思われる。 SSH運営指導委員等、発表会参加者から「身近なテーマを上手くまとめ、発表も平易でわかりや

すかった」などと高い評価を得ることができた。来年度から、2年普通科に導入する課題研究の布石

としたい。

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3 海外研究発表

(1)仮説

姉妹校であるタイのロッブリー科学高校を訪問し、タイ高校生と合同発表会や合同実験教室などを

行うことで、課題研究についての理解や今後の研究意欲を深め、英語コミュニケーション力を向上さ

せるとともに、同世代の高校生との交流を通じて国際感覚を養う。

(2)研究内容・方法・検証

日 時 平成28年2月8日(水)~12日(日)

参加者 理数科2年生9名 引率3名(長田校長・黒田・加藤)

2 / 8(水) 大分駅 → 福岡空港 → スワンナプーム国際空港 → アユタヤ

2 / 9(木) ロッブリー

フィールドワーク(メニベア社・マルリプロダクト社・ロッブリー真鍮工芸村 ・ナライ宮殿・モンキータウン )

2 /10(金) ロッブリー科学高校

(課題研究プレゼン → 課題研究ポスター発表 → 歓迎セレモニー(夕食)

2 /11(土) アユタヤ

フィールドワーク( 世界遺産センター・日本人村 )→スワンナプーム国際空港着

2 /12(日) スワンナプーム国際空港発 → 福岡空港 → 大分駅

(3)実施の効果とその評価

姉妹校であるタイのロッブリー科学高校での合同研究発表会(PCSL Science Fair 2017)に理数科

2年生9名で参加した。生徒は課題研究の成果をパワーポイントを用いて英語発表し、タイの高校生

と活発な意見交換を行うなど、大変貴重な体験ができたようだ。

文化交流会においては浴衣姿で本校生徒たちが披露した「盆踊り」が大好評で、最後は彼らを囲み

会場が一つとなり全員で踊るなど、国を超えた大きな絆を感じた。生徒も英語を使って積極的に交流

していたが、タイの高校生の英語コミュニケーション能力の高さに強い刺激を受け、英語に対する

学習意欲が向上したようである。

親日国であるタイの人々に全行程を通じて心から歓迎していただいた。4月にロッブリー校の生徒

が本校を訪問する際には全校生徒で彼らを歓迎し、有意義な研究発表会や文化交流にしたい。

生徒感想(一部抜粋)

タイの生徒たちの英語力と物事に対する積極的な姿勢やパソコンやスマートフォンを活用した授

業に驚いた。/ 彼らの研究内容はかなりの高水準で説明も簡潔でわかりやすかった。/ 現地の日本

企業訪問を通して世界に進出するにはやはり英語が必要だと感じた。/ 日本にいるだけでは感じら

れない日本の良さを実感するとともに、その国の人や文化を受け入れる国際感覚が身についた。 / 現地の人の心遣いに感動し、日本の高校は勉強や生活環境がとても恵まれていると思い、この環境

に見合うようにもっと学習しなければと思った。

ポスターセッション 課題研究英語発表・文化交流 フィールドワーク

ACTIO

N Ⅴ

課題

研究

発表

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4 SSH成果発表会

(1)仮説

SSH事業における研究開発の成果を学校内外に発信することにより、今後の研究開発の改善及び

成果の各教育分野への還元を図る。

(2)研究内容・方法・検証

期 日 平成29年2月1日(水) 11:40~15:00

場 所 大分市ホルトホール「大ホール」

参加者 大分舞鶴高校の1年・2年(生徒及び教職員)

大分上野丘高校・大分豊府高校・日田高校のOSSコンソ参加1年生(計30名)

OSSコンソ関係職員、県内の高校・中学校関係者、 県教委関係者、SSH運営指導委員、支援大学関係者、JST関係者

全国のSSH指定校関係者、保護者 合計約850名

日 程

11:40~11:50(10) 開会行事

・校長あいさつ ・来賓紹介

11:50~13:05(75) 特別講演

京都造形芸術大学 学長 尾池 和夫 氏

演題 「 日本列島の自然 」

講演 60分+質疑 15分(講演後:生徒会長謝辞)

13:05~13:20(15) 休憩、発表会準備

13:20~13:25( 5) 大分舞鶴高校SSHの概要

13:25~13:30( 5) 課題研究発表(日本語)(普通科3年課題研究)

13:30~13:45(15) 課題研究発表(日本語)(理数科2年:ニホンザル班)

13:45~13:55(10) 課題研究発表(英語) (理数科2年:地学班)

13:55~14:05(10) 国際情報発表(英語)(普通科 2年 2組:代表班)

14:05~14:15(10) 休憩

14:15~14:25(10) OSS コンソの取り組みの概要説明+台湾研修報告

14:25~14:40(15) OSS コンソ1年生発表(日本語:物理班)

14:40~14:55(15) 閉会行事

・来賓あいさつ ・諸連絡

(3)実施の効果とその評価

今年1年間の総括として、課題研究を中心に発表会を実施した。課題研究の発表は、日本語による

発表3本と英語での発表2本を行った。特に今年度は、普通科の課題研究の取り組みとして、3年1

組の「科学と人間生活」の授業で実施されたプレゼンテーションを発表した。普通科の授業でも、全

員の先生が担当している「SSH探究」(各学年1単位で合計3単位を実施)での課題研究の方法を各教

科の授業に取り入れた。

さらに、普及活動も兼ねて、大分舞鶴高校のSSH活動の取り組みの概況説明やOSSコンソの取り

組みの概況説明も行った。

来年度については、時間を延長し終日行うことにより、多くのレポートを発表したいと考えている。。

今後の適正な日程を早めに設定し、運営にあたる体制を築く必要がある。

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▲課題研究日本語発表(普通科3年:課題研究) ▲大分舞鶴高校SSHの取り組みの概要

▲課題研究日本語発表(理数科2年:ニホンザル班) ▲課題研究英語発表 (理数科2年:地学班)

▲国際情報発表(英語) (普通科2年:2-2代表班) ▲OSS コンソ1年生発表(日本語:物理班)

ACTIO

N Ⅴ

課題

研究

発表

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ActionⅥ SSH 特別講演会

(1)仮説

科学分野の第一線で活躍している研究者や地域に密着した研究を行っている研究者等を招聘し、最

先端の研究内容や、その研究が身の回りにどのように利用されているのか等の講演を聴講することに

より、科学への興味・関心や科学への挑戦・創造の意欲を高揚させ、生徒自身の将来へのキャリア観

(自己像)を確立させることができる。

(2)研究内容・方法・検証

学年 講演テーマ 講師 期日

全学

年 日本列島の自然

尾池 和夫 氏

(京都造形芸術大学 学長) 2月1日

生徒の感想

〇地震についての講演が、地震の被害がどれだけ

のものか知っているため、より現実的に聞こえま

した。数々の研究により割り出された 2038 年と

いう数字を知り、今日の科学技術のすばらしさを

知るとともに、もっと正確に日付を特定させるた

めの研究にも興味がわきました。今まで知らなか

った、日本列島における地震の真実、例えば大地

震が起きた土地は安全であることや本地震の前

に小さな地震が起きることなども知ることがで

き自分の知識につながりました。そして、未来に

恥じないような資源の使い方、国同士のつながりを大切にし、『美しい化石』を残したいです。

〇今回の講演は、数々の成績を残している。とても素晴らしい教授で、とても内容の深い講演でした。

特に印象に残っているのは、月と地球のお話で、太陽の 1 日の光エネルギーは、人間が1年過ごせる

エネルギーの大きさに等しいことが、とても驚きでした。また、地球が、なぜ地軸を23.4度傾いた状

態で公転、自転をしているのかという、まだ解明されていない謎を知ることができて、とても勉強に

なりました。そして、日本は、とても少量の真水をたくさん消費しており、そこも考えるべきことだ

と思いました。自分の目指している学部とは違うものだけれども、自分の中でしっかりと考えて、少

しでも勉強しようと思いました。

〇今日の講演では科学とは日常の「なぜだろう」という気持ちから始まるというところに凄く驚き、

そして納得しました。学問は自分から好奇心を持って向上させていくものだと考えさせられました。

だから、普段学校から課されているものでも、自分から解決しようという気持ちで取りくもうと思い

ました。本当に講演を聞けて良かったと思いました。

(3)実施の効果とその評価

講演会では、講演内容のメモを取り要約および感想を記入するワークシートを配布・回収した。生

徒の感想文によると、講演会もたいへん好評であり、科学への興味・関心や、将来への職業観の高ま

りが感じられる。また、「学校生活アンケート」でも、約80%の生徒が講演会を「有益であった」

としている。研究や教育の最先端で活躍する方々の講演には、生徒の心に直接、強く訴えかけるもの

があると考えられる。

ACTIO

N Ⅵ

特別

講演

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Action Ⅷ SSH科学クラブ

(1)仮説

高度な科学的専門性や探究力・表現力が身につき、科学への興味・関心がいっそう高揚する。

(2)研究内容・方法・検証

a) 科学部の活動 本校科学部は、物理・化学・生物・地学・数学の 5 班に分かれて活動している。今年度は、次

の科学コンクール等に参加した。 ・高文連第57回科学クラブ研究発表会

・第 60回日本学生科学賞大分県審査 ・第 14回高校生科学技術チャレンジ

・サイエンスインターハイ@SOJO

・平成 28年度九州高等学校生徒理科研究発表大会熊本大会

・日本哺乳類学会2016 年度大会高校生ポスター発表会 ・第 32 回日本霊長類学会鹿児島大会

b) 子ども科学体験 O-Labo 期日 平成 28年 8月 19日(金) 場所 少年少女科学体験スペース オーラボ

主催 大分市社会教育課 対象 小学生 40名 内容 科学部化学班の生徒 6 名が同顧問とともに、アントシアニンの色変化の実験を指導し

た。講座には、小学生中低学年 40 名とその保護者が参加し、紫キャベツから抽出し

た色素の色の観察を行った後、酸性・アルカリ性の色の変化を実験した。 c) 裏川「水辺生き生きふれあい学級」

期日 平成 28年 7月 30日(土) 場所 大分市裏川、津留公民館 主催 津留地区公民館 対象 小学生 30名 内容 小学生が、本校近くを流れる裏川で生物を採集し、川の環境とそこに生息する生物の

生態を考える観察会を実施した。本校科学部生物班の生徒 8 名が生物採集や水質調査、

微生物観察の指導を行った。

(3)実施の効果とその評価

a) 科学部の活動の成果 科学部生物班2年生

・高文連第57回科学クラブ研究発表会研究発表生物部門 最優秀賞

ポスター発表部門 優秀賞

・第 60回日本学生科学賞 大分県審査 優秀賞

・平成 28年度九州高等学校生徒理科研究発表大会研究発表生物部門 優秀賞

ポスター発表部門 優秀賞・奨励賞

・日本哺乳類学会2016 年度大会高校生ポスター発表大会 最優秀賞

b) 子ども科学体験 O-Labo

今年度の内容は、身近な材料を用いた体験型講座が好評を得た。科学部員たちの熱心な指導も高

く評価された。この講座は小学生に合わせて夏休みに実施されるが、夏休みの補習日や科学部の活

動と開催期日の調整が課題である。 c) 裏川「水辺生き生きふれあい学級」 この自然観察会は、本校SHH活動の成果を地域の小学生に広めるよい機会となっている。

ACTIO

N Ⅷ

科学

クラ

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平成 28年度科学技術人材育成重点枠実施報告(要約)

平成 28年度科学技術人材育成重点枠の成果と課題

科学技術人材育成重点枠実施報告書(本文)

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別紙様式1-2 大分県立大分舞鶴高等学校 27~31

❺ 平成28年度科学技術人材育成重点枠実施報告(【①中核拠点】)(要約)

① 研究開発のテーマ

OSSコンソを核とする大分県科学技術人材育成プログラムの構築 ② 研究開発の概要

OSSコンソの活動を中心に、本校の SSH 活動の成果を大分県内に普及し、県内理数教育の充実と発展を

図る。OSSコンソの活動の継続、深化により、科学的探究力と論理的思考力を備えた、国際的に活躍でき

る科学系人材の育成を行う。このために必要な科学技術人材育成プログラムを開発して、地方でも高い志を

もった科学技術人材が育つ環境を創造する。さらに活動の充実、発展のため、OSSコンソサポートネット

ワークを有効活用し、学校・県教委・大学・企業など大分県全体で科学人材を育成する。 ③ 平成28年度実施規模

① 対象生徒:大分舞鶴高校、大分上野丘高校、大分豊府高校、日田高校(以下コア4校)に在籍する生徒で、

将来科学研究を志す者の中から、各学校1・2年生合計70名を主たる活動の対象とする。

さらに、連携校として、県内の普通科高校全校(23校)や中学校や小学校の生徒の参加も積極的に促す。

② 対象教員:コア4校に勤務する理数教員を中心に各グループに2名ずつの計11名。さらに上記の連携高校

等の理数教員も参加する。

④ 研究開発内容

実 施 日 参加対象

行 事 実施場所など 1年 2年

5月14日(土)

午後

第1回【H28 OSSコンソ開始式】

科学講演会:明治大学 杉原 厚吉 氏

開始式、グループ別会議

大分県教育センター

7月23日(土) ● ● 第2回【OSSフェスタ】

・科学実験教室

※OSSコンソ教員による実験講座(1年)

…教員研修①

※大学などの講師による実験講座(2年)

・考えるOSS …教員研修②

・科学実験競技

大分県教育センター

参加生徒数:165名

参加校数 : 21校

7月26日(火)

7月28日(木)

第3回【県外科学研修(関西方面)】

・SPring-8

・大阪大学

・班別研修

・科学講演会

・京都大学地熱研究所

[班別企業等研修先]

物理:大阪府立産業技術総合研究所

化学:パナソニック先端技術研究所

生物:(独)医薬基盤研究所

地学:宇宙開発共同組合SOHLA

数学:(独)計算化学研究機構化学

参加者 コア4校 35名

連携校 5名

9月10日(土)

午後

第4回【班別課題研究】(班別)

課題研究開始(テーマ決定)

※課題研究は班別に9~1月で実施

会場は担当者の在籍校

大分上野丘高校

大分豊府高校

大分舞鶴高校

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10月 8日(土) ◎ ◎ 第5回【有機化学高校生講座2016 】 ホルトホール大分

参加者 県下より255名

12月14日(水)

12月17日(土)

第6回【OSS台湾研修】

・第6期生個人・グループ研究の優秀者参加

・研究交流(研究を英語で発表)

・合同実験教室

台湾花蓮市 花蓮女子高級中学

新竹市 國立交通大學

生徒:コア4校11名

連携校生徒1名

1月 9日(月) ○ ○ 第7回【数学オリンピック受験 】

2月1日(水) ○ 第8回【大分舞鶴高校SSH成果発表会】

・科学講演会

・OSSコンソ1年生集会

大分市 ホルトホール大分

2月5日(日)

午後

第9回【OSSコンソ成果発表会】

課題研究発表、個人・グループ研究発表

OSSフェスタ報告、台湾研修報告等

大分県教育センター

※大分県内の高校生、

保護者も参加あり

●…コア4校(大分舞鶴・大分上野丘・大分豊府・日田)+県内連携校の全員参加、 ◎…コア4校+県内連携校の一部参加、 ○…コア4校のみの参加 ⑤ 研究開発の成果と課題

○実施による成果とその評価 最先端の研究を行っている研究者の講演や研究施設の訪問等を体験することでOSSコンソに参加した生

徒は、科学技術への興味・関心を高めるとともに、将来の目標設定に活かすなど高い志をもつことができてい

る。また、実際に課題研究の活動を通して、科学的探究力を育成するとともに、他の研究施設等の協力を得な

がら研究を進めるコミュニケーション力も身につける事ができた。更に、それらの成果の普及に関しては、研

究成果を県内連携校の生徒へ発表することで、連携校生徒の意識を高めることができ、さらに、OSSフェス

タ参加者が中心となって、在籍高校で理数科学の魅力を他の生徒たちに発信することができている。アンケー

ト結果からも、関係者・保護者等から高い評価を受けるとともに、年々、このOSSコンソの各種活動への参

加希望者が増加しており、内外から評価を受けている。

○実施上の課題と今後の取り組み 成果の中でも触れたが、各種活動への参加希望者数が増加しており、人選が難しくなってきている。可能な

だけ多くの高校生に、本活動に参加し、科学的探究力や興味関心を高めてもらいたいと考えているが、活動の

規模や内容の充実をどのように調整していくのかが課題となる。また、サポートネットワークの利用に関して

は、課題研究を実施する際の生徒の研究テーマと協力頂ける研究機関や企業とのマッチングが課題として残

る。生徒の幅広い興味関心に対して指導助言頂ける方のネットワークを今後さらに拡大するための工夫が必要

と考える。

今年度は、研究活動を指導する教員の研修会も実施した。参加した教員には好評であったが、継続実施と更

なる参加呼びかけを行うとともに、研修内容を深めていきながら、理数系教員の指導力向上を目指していきた

い。

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別紙様式2-2

大分県立大分舞鶴高等学校 27~31

❻ 平成28年度科学技術人材育成重点枠の成果と課題(【①中核拠点】)

① 研究開発の成果

【人材育成】

今年度も、昨年度実施した取り組みを継承し実施し、以下のような成果をあげることができた。 ・[OSSコンソ開始式] 生徒は、科学講演会などを通じて生徒科学技術に関する興味関心、研究に対する意

欲の向上を図ることができた。また、教員、大学、連携企業においては、ネットワークと今後の活動の確認を

行う中で、OSSコンソの活動に対するサポート体制の強化が図られた。

・[OSSフェスタ] 昨年度の反省に基づき、会場を大分県教育センターに移して実施した。十分な施設で

生徒、教員ともに科学に対する興味関心を高める活動を行うことができた。

・[県外科学研修] 参加した生徒は、最先端の技術に直に触れ、また第一線で研究を進める方の思いや研究

者としての心構えを聴き、将来の自分を思い描くことができた。2泊3日の共同生活を行う中で、協力の大切

さを学ぶと共に、夢を語り合うことで、OSSコンソグループ全体の意識が向上した。また、参加教員もこの

研修を各教科の教材開発につなげ、各高校及び地域の学校教育に還元することができた。 ・[グループ課題研究]1年生がグループで課題研究に取り組みOSSコンソ成果発表会にて研究内容を発表

することで、自主的・積極的な研究活動に対する姿勢を身に着けるとともに同じ高校生に対して探究活動の素

晴らしさを広めた。その結果、課題研究をしてみたいと考える連携校の生徒が増えた。2年生には、個人また

はグループでの課題研究を通して、科学的探究力を育成し、科学に対する意識をさらに高めることができた。

・[サポートネットワークの活用]課題研究や科学クラブの活動などで大学や企業の研究機関と連携し指導・

助言を得ながら課題研究を行うことで、地域の研究機関との関係を一層深めることができた。

今年度は、上記の他に以下の活動を実施することができ、参加した生徒・教員に好評であった。

・[有機化学高校生講座2016]県教育委員会、高教研理科部会と連携し、県下の化学に興味ある高校生を集

めて、一流の化学研究者の講演を聴くことができた。参加生徒から「化学をもっと深く学んでみたい」「社会

における化学の重要さがわかった」等の声が聞かれたことは、興味関心が喚起されたことを示している。

・[教員研修会]研修会では、生徒の課題研究を指導する上でのデータ整理の方法や、実験ノート作成の指導

方法について講義をしてもらった。参加した教員からは、実験ノートの作成について学ぶことができ、高校の

授業で活かせるという感想を聞くことができた。

② 研究開発の課題

開始式は、遠方を含む大分県内各地から多くの生徒が集まるため、時間の制約がある。その中で、効果的に

人材育成を行っていく上でも開始式行事の内容の精選をしていく必要がある。連携校に関しては、昨年度より

2校増加できたが、今後は、コアの活動自体も活動可能な行事について広げていく計画を立てていきたい。

OSSフェスタは、時間的な制約があり、現在行っているプログラムが最も適した状態といえ県内の高校生

の科学への興味・関心を高める目的は十分達成されたといえる。今後は、参加者が実際に各高校で課題研究活

動を行い、発表会等へ、積極的に参加していくよう働きかけを行う必要がある。更には、OSSコンソサポート

ネットワークを活用する中で、課題研究の深化と、自身の進路選択や日々の学校生活へ生かすことができる生

徒像をめざしたい。

県外研修への参加希望は、年々増加している。研修を企画する立場としては、うれしい反面、人選には苦労

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をする。今後は、可能な限り参加生徒の枠を広げ、県内全体に成果が普及するように努めていくとともに、充

実した県外研修になるよう、早期に準備に取りかかり日頃体験できない感動体験を得られるよう計画を立てる

ことが重要である。

1年生のグループ別課題研究では、成果発表会を2月初旬に設定し、少しでも研究活動期間を長くできるよ

うにした。そのため成果発表会での研究内容や発表の様子は、年々向上していると考えられる。しかし、学校

行事等の関係で、9月からの期間だけで、参加者全員にとって十分な研究活動ができていたかという点につい

ては、まだまだ改善工夫の余地が残る。今後は、研究活動の期間を延長し、生徒がじっくりと活動できる期間

や体制づくりを考えたい。また、OSSコンソサポートネットワークの活用については、生徒が研究テーマを決

定する段階で、サポートネットワークとの連携も視野にいれた内容も提示するなど更なる工夫が必要である。

課題研究活動の拡がりについては、OSSコンソ発足以来、1年生の班別課題研究は大分舞鶴、大分豊府、

大分上野丘の3校の生徒で実施してきた。コア校である日田高校の生徒からも、できればコア3校の生徒と合

同で研究活動をしたいという希望が寄せられたが日程的地理的に今年度は実現できなかった。連携校の生徒の

中にも課題研究をしてみたいと考えている生徒が増えており、これらの生徒に対し、研究活動や発表活動の機

会を提供することは科学人材の育成に大きな意味をもつと考えられる。今後、県下の隣接する高校間で、同様

の研究活動の交流が進めることができないか検討したい。

2年生の個人・グループ研究では、計画通りに実施でき、生徒の研究内容も深まりのあるものになってきて

いると感じる。ただ、各校で個人・グループ研究に対する教員側の指導の在り方について課題が残る。生徒の

自主的な研究活動としての位置づけを確認するとともに、構成グループ人数の制限や、研究活動実施のサポー

ト体制の在り方など検討する必要があると考える。次年度の実施には、グループの人数制限を設けたり、教員

内でのサポートの在り方に関する方向性を協議できる機会を設けたりすることを工夫したい。

海外研修に関しては、今年度は国立交通大学を訪問し、科学技術の研究施設を見学することができた他、科

学交流や各研修地での英語による説明を通して、英会話力の重要性を認識することができた。英語の指導に関

しては担当教員に一任されており、プレゼンテーションの指導が行われている。今後は、連携校間での指導が

より統一的なものになるよう、教員間で指導前の協議をより綿密におこなうなど、統一した指導フォーマット

の作成の必要性を感じた。理科と英語科の教員の連携も重要である。それぞれが互いの分野への理解を深め協

力を深めることで、生徒へより充実した指導を実現できると考える。また、花蓮女子高級中学の発表は素晴ら

しかったが、そのための準備を十分に行っていることが感じられた。準備期間など時間的な制約がある中で充

実した指導と準備を行うためにスケジュールや指導法の改善も今後の課題である。

数学オリンピックにおいては、地区の優秀者の表彰は受けたが、今年度も本選への出場をすることができず、

有効な手段を見いだせていない。今後もコア4校にとどまらず、機会あるごとに県下の連携校への数学オリン

ピック受験の呼びかけを行っていきたい。

成果発表会はOSSコンソコア4校を中心に連携校のOSSコンソ生が集まる発表会であるが、各校でOSS

コンソ生に登録していない生徒が、本大会に参加したいという声や、題研究活動をしたいと希望する声などが

年々増加しており、課題研究にあり方も含めて、この成果発表会への参加体制、規模の見直しあり方も考える

必要がある。会場や時間的制約があるが、多くの生徒の発表の場とするためにも、口頭発表だけでなく、ポス

ター発表の実施も検討していきたい。

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【1】 開始式

(1)仮説

・OSS コンソ参加生徒としての自覚と、今後の活動に対する意欲の向上を図り、理数科学への興味・

関心を喚起する。

・最先端の研究者の講演を通して、研究としての心構えを感じ取らせる。

・大学、企業、公的研究機関が一同に集うことで、高校、大学、企業等地域で理数教育を推進するネ

ットワーク形成の一助とする。

(2)研究の内容・方法・検証

平成28年5月14日(土)13:30~17:00、大分県教育センター(大分市)

13:30~15:00

科学特別講演会

演 題:「『 不可能立体の不条理の世界

~ 脳はなぜだまされるのでしょうか ~ 』

講演者:明治大学 先端数理科学インスティテュート 特任教授 杉原厚吉 氏

15:00~15:10 休 憩

15:10~16:30

開始式 1 開式のことば

2 生徒代表挨拶

3 事務局校校長あいさつ 大分舞鶴高校校長

4 大分県教育委員会あいさつ

5 来賓あいさつ

6 参加校紹介

7 平成27年度の取組概要紹介

8 平成28年度の企画内容説明

9 OSSフェスタについて

10 科学の甲子園出場報告

11 高校生アイディアソンについて

12 九州大学・世界に羽ばたく

未来創成科学者育成プロジェクト紹介

13 閉式のことば

(閉会後)

OSS コンソコア4校グループ別会議 (7期生が初めて全員そろった中で、各グループで自己紹介を行い、6

期生が年間の活動に対してのアドバイスを行う。)

(3)実施の効果とその評価

科学講演会では、3 時間の会ではあるが、不可能立体とよばれるだまし絵を立体造形として再現す

るメカニズムについて、そして、ものを見るとはどういうことなのかといった内容について講演を聴

くことができた。参加した生徒は、ただ物を作るということではなく、背景に、造形可能かどうかの

判断を数学的処理によって、コンピュータが分析することに驚き感じていた。また会に先立っての杉

原先生との懇談会では、先生の歩んでこられた一つ一つの経験やものの見方に対する考えを詳しく聞

くことができ、今後の個人研究を進めるにあたっての姿勢を学ぶことができた。今年度、初めて行っ

た取り組みであるが、有意義な会となった。

OSSコンソ

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開始式では代表校校長や来賓にご挨拶を頂いた後、大分スーパーサイエンスコンソーシアムの概要

説明や昨年度の活動報告、今年度の計画などの説明を行った。多くの方の激励をいただき、OSS コン

ソの活動に参加する新たな意欲が喚起できた。特にOSSフェスタでの事前課題にどのように取り組む

かについて参加生徒間で話がなされるなど、科学に対する意欲が高まった。

OSS コンソ4校によるグループ別会議では、7期生が6期生のアドバイスを聞くとともに、今後の

活動について話し合う時間をもつことでき、参加者全員が共通の目的意識を持ちよい活動のスタート

きることができた。

▲科学特別講演会の様子 ▲杉原先生に質問する生徒

▲学校紹介の様子 ▲OSS コンソ 昨年度の活動報告

【2】 OSSフェスタ

(1)仮説

・科学への興味・関心を高め、「感動する心」「探究する態度」の大切さを学ぶことで、自ら意欲を

持って自主的・積極的な学習を行うきっかけとなる。

・フェスタ参加者が中心となって、在籍高校で理数教育の魅力を他の生徒たちにも発信することで、

県内の理数教育の充実・発展を図る。

(2)研究内容・方法・検証

参加生徒 OSSコンソコア4校(1・2年生)

大分上野丘、大分豊府、日田、大分舞鶴 計 70名

県内の普通科高校15校(1・2年生)

高田、中津南、宇佐、安心院、杵築、別府鶴見丘、臼杵、佐伯鶴城、竹田、大分西

大分鶴崎、大分雄城台、国東、中津北、玖珠美山高校、津久見高校 計 95名

大分県教育庁 高校教育課長をはじめ4名

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参加教員 コア 4校:大分上野丘 4名、大分豊府 4名、日田 1名、大分舞鶴 14名

連携校 :21名 計 46名

平成28年7月23日(土)・大分県教育センター

時 間(分)

内 容

(場 所)

1年生 2年生

10:00 ~

10:20 (20)

開会行事

(講 堂・3F)

10:30 ~

12:30 (120)

科学実験教室A 考えるOSS

本館・3F

(物:実験室1/化:実験室2/生:実験室3

地学:家庭科/数学:中研修室4)

本館・2F

(中研修室1/中研修室2)

12:30 ~

13:10 (40)

昼食・休憩

(1年:小研修室1・2/2年:中研修室1・中研修室2)

13:20 ~

15:20 (120)

科学実験模擬競技 科学実験教室B

(講 堂・3F)

本館・3F

(物:実験室1/化:実験室2/生:実験室3

地学:家庭科/数学:中研修室4)

15:30 ~

16:00 (30)

閉会行事

(講 堂・3F)

16:00 ~ 第6・7期生集会(「個人・グループ研究」・「課題研究」について)

(講 堂・3F)

※ 13:30~15:00の時間帯で 松下 琢 教授(崇城大学 生物生命学部)を講師に教員研修会を実施

<科学実験教室A(1年生対象)>

実験教室 担当者 内容

物理 門脇 秀文 教諭(大分舞鶴) コイルを作り誘導起電力を調べよう

化学 中島 学 教諭(大分豊府) 中和滴定で調べよう

生物 藤原 秀彦 准教授(別府大学) 遺伝子組み換え実験を体験してみよう

地学 仲野 誠 教授(大分大学) 恒星の明るさと色の関係を調べよう

数学 楢木 一郎 教諭(大分豊府)

瓜生田 浩司 教諭(大分舞鶴) 思考錯誤しながら近似値を求めよう

<科学実験教室B(2年生対象)>

実験教室 担当者 内容

物理 木内 勝 准教授(九州工業大学) 超伝導による浮上実験

化学 大上 和敏 准教授(大分大学) CODの測定

生物 藤原 秀彦 准教授(別府大学) 酵母バイオリアクターの作成とアルコール発酵

地学 柴田 智郎 教授(京都大学) 地層中の水の流れを考える

数学 濱名 裕治 教授 (熊本大学) 知識がなければアイデアと腕力で乗り切ろう

参加教員 コア 4校:大分上野丘 4名,大分豊府 4名,日田 1名,大分舞鶴 14名

連携校 :21名 計 46名

平成28年7月23日(土)・大分県教育センター

時 間(分)

内 容

(場 所)

1年生 2年生

10:00 ~

10:20 (20)

開会行事

(講 堂・3F)

10:30 ~

12:30 (120)

科学実験教室A 考えるOSS

本館・3F

(物:実験室1/化:実験室2/生:実験室3

地学:家庭科/数学:中研修室4)

本館・2F

(中研修室1/中研修室2)

12:30 ~

13:10 (40)

昼食・休憩

(1年:小研修室1・2/2年:中研修室1・中研修室2)

13:20 ~

15:20 (120)

科学実験模擬競技 科学実験教室B

(講 堂・3F)

本館・3F

(物:実験室1/化:実験室2/生:実験室3

地学:家庭科/数学:中研修室4)

15:30 ~

16:00 (30)

閉会行事

(講 堂・3F)

16:00 ~ 第6・7期生集会(「個人・グループ研究」・「課題研究」について)

(講 堂・3F)

※ 13:30~15:00の時間帯で 松下 琢 教授(崇城大学 生物生命学部)を講師に教員研修会を実施

<科学実験教室A(1年生対象)>

実験教室 担当者 内容

物理 門脇 秀文 教諭(大分舞鶴) コイルを作り誘導起電力を調べよう

化学 中島 学 教諭(大分豊府) 中和滴定で調べよう

生物 藤原 秀彦 准教授(別府大学) 遺伝子組み換え実験を体験してみよう

地学 仲野 誠 教授(大分大学) 恒星の明るさと色の関係を調べよう

数学 楢木 一郎 教諭(大分豊府)

瓜生田 浩司 教諭(大分舞鶴) 思考錯誤しながら近似値を求めよう

<科学実験教室B(2年生対象)>

実験教室 担当者 内容

物理 木内 勝 准教授(九州工業大学) 超伝導による浮上実験

化学 大上 和敏 准教授(大分大学) CODの測定

生物 藤原 秀彦 准教授(別府大学) 酵母バイオリアクターの作成とアルコール発酵

地学 柴田 智郎 教授(京都大学) 地層中の水の流れを考える

数学 濱名 裕治 教授 (熊本大学) 知識がなければアイデアと腕力で乗り切ろう

OSSコンソ

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<考えるOSS(2年生)>

各校を1班とし、身のまわりで起きる自然現象に目を向け、その疑問の中から科学クイズを作成したものをパワ

ーポイントまたは演示実演をしながらクイズ形式で発表した。生徒間の相互評価により、以下の学校が最優秀賞に

輝いた。 〇「 卵の不思議 」日田高校 〇 「 πの近似値を求める 」玖珠美山高校

<科学実験模擬競技>

作りクリップモーターの動力を活かして走る車の模型を作り、一定距離の走行時間を競う活動を行った。予備実

験ができるように課題と材料を事前に参加校へ配布し、事前学習をして会に参加するよう指示した。班編制は4名

1班として、どの班も必ず他校の生徒となるようにした。

〇 最優秀班 光永 龍世(豊府)、河野 悠人(大分鶴崎)、松本 大世(国東)、久場 美波(別府鶴見丘)

<教員研修会> 13:30~15:00 会場:中研修室3

各高校で生徒の課題研究や探究活動などの授業をする際に、実験ノートの作り方やレポートの作成方法をどのよ

うに指導すればよいかを 松下 琢 教授(崇城大学 生物生命学部)に助言指導をいただいた。

県下の高校から23名の理系教員が参加し、実際にラボノートを手にしながら指導のあり方の研修を行うことができ

た。

(3)実施の効果とその評価

アンケート結果

1年生 評価(%)

1 2 3 4 5

(1)科学実験教室 満足度 64.6 31.7 3.7 0 0

興味・関心 67.5 25.3 7.2 0 0

(2)科学実験模擬競技 満足度 60.7 29.8 4.8 4.8 0

興味・関心 68.3 28 4.9 0 0

(3)全体を通して 満足度 72.3 26.5 1.2 0 0

興味・関心 72.6 23.8 3.6 0 0

2年生 評価(%)

1 2 3 4 5

(1)考えるOSS 満足度 43.8 50.7 4.1 1.4 0

興味・関心 61.1 36.1 2.8 0 0

(2)科学実験教室 満足度 54.8 34.2 11 0 0

興味・関心 66.2 27.9 5.9 0 0

(3)全体を通して 満足度 56.2 41.1 2.7 0 0

興味・関心 69.9 28.8 1.4 0 0

・満足度 〔1.満足 2.やや満足 3.どちらでもない 4.やや不満 5.不満〕

・興味・関心〔1.高まった 2.やや高まった 3.どちらでもない 4.高まらなかった〕

全体を通して参加した生徒の満足度は高く、各企画等を通して目的を達成することができた。

科学実験競技では、他校の生徒と同じグループになるように編成し、初めて出会う4名で1班であ

ったが、お互いにコミュニケーションをとり、クリップモーターカーの作成をしていた。事前学習の

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実験用に参加校へ作成用キットを配布しておいたため、クリップモーター段階までの作成はできてい

た。その動力を活かして車を走らせる段階までには各班苦労していたが、様々な工夫が見られた。「考

えるOSS」では科学のおもしろさをクイズ形式で発表しあうとともに単なるクイズにならないよ

う、実際に実験を行った動画や演示を生徒が行い、昨年同様大変盛り上がる会となった。

生徒のアンケート結果を見ても、非常に満足度の高い企画であり、当初の目的を達成することがで

きたと考える。今年初めて実施した、教員研修会へも 23 名の理系教員が参加し、実際にラボノート

を手にしながら指導のあり方の研修を行うことができた。

生徒感想

・他校の生徒と話し合い、いろいろな意見を出し合って作ることができ、一人の視点ではなく、数人の

視野でみることがとても重要なことだと学べた。 ・事前の準備に時間がかかり大変だったが、他のところの発表を聞くことで身近かなところにもいろい

ろな不思議があることを知って興味深く思った。 ・自分の答えが正解だったとしても、違う考え方や説明で正解にたどり着くことができていた問題があ

り、興味がわいた。いろいろな考え方があることに気づくことができて充実していた。 ・自分が今まで知らなかった情報や実験を体験することができて、とても貴重な経験になった。また、

実験だけでなく大学での研究の様子などもきくことができて良かった。

▲ 科学実験教室(化学) ▲ 科学実験教室(物理) ▲ 科学実験模擬競技

【3】 県外科学研修(関西方面)

(1)仮説

・最先端の科学技術に触れ、感動体験を通して科学への興味・関心を喚起するとともに、身の回りの

現象に疑問や課題意識を持つ態度を育成する。 ・第一線で活躍する研究者から、研究・開発に対する思いや研究者としての心構えを学ぶことで、将

来の自分を思い描き高い志をもたせる。 ・2泊3日の共同生活・研修を行うことで、協力の大切さを学ぶとともに、グループ全体の意識を向

上させる。 ・教員は、キャリア教育や教科の教材開発を行い、各高校及び地域の学校教育に還元する。

(2)研究内容・方法・検証

①研修期間 平成28年7月26日(火)~28日(木)

OSSコンソ

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②研修地 ・大学(大阪大学、京都大学) ・企業等研修先(SPring-8、大阪府立産業技術総合研究所、パナソニック先端技術研究所、

(独)医薬基盤研究所、宇宙開発協同組合 SOHLA、(独)計算科学研究機構)

③参加者 生徒 コア4校7期生 35名(大分上野丘、大分豊府、日田、大分舞鶴)

連携校1年生 5名 (宇佐、高田、安心院、大分鶴崎、臼杵 各校1名)

団 長:宮脇 和仁 大分上野丘高校校長

物理班:門脇秀文(舞鶴)、高瀬源大(上野丘)

化学班:中島学(豊府)、宮崎和彦(日田)

生物班:廣戸和生(豊府)、安達笑子(豊府)

地学班:河野志帆(舞鶴)、五嶋宏治(舞鶴)

数学班:楢木一郎(豊府)、佐藤茂(豊府)

④日程

⑤研修内容

a.Spring-8

内容:施設見学・説明・質疑

b.科学講演会

・講師 大阪大学産業科学研究所 教授 黒田俊一氏 (大分上野丘高校卒)

c.大阪大学

内容:物理・数学班…レーザーエネルギー学研究センター内施設見学・説明・質疑

:化学・生物・地学班…産業科学研究所施設見学・説明・質疑

d.課題研究テーマ別討論会

e.グループ別研修

班 研修3(大阪大学) 研修4(企業・研究所研修)

物理 大阪大学レーザーエネルギー学研究センター 大阪府立産業技術総合研究所

化学

大阪大学産業科学研究所総合解析センター

パナソニック先端技術研究所

生物 医薬基盤研究所

地学 宇宙開発協同組合 SOHLA

数学 大阪大学レーザーエネルギー学研究センター 理化学研究所 計算科学研究機構

f.京都大学

内容:地熱研究所京都分室 大沢信二教授による講演と施設見学・説明・質疑

7/26 (火)

8:10 大分駅発 → 9:03 中津駅(合流) → 12:00 姫路駅→

13:00 研修1(SPring-8) 15:00 → 17:00 大阪市内ホテル (研修2:科学講演会)

7/27 (水)

7:30 ホテル発 → 9:00 研修3(大阪大学)12:00→14:30 研修4(企業・研究所研修)17:30

→19:30 大阪市内ホテル (研修5:科学研究テーマ討論会等)

7/28 (木)

7:30 ホテル発 → 9:00研修6(京都大学地熱研究所見学、科学講演会)12:00→

14:30 京都駅発 → 17:40 中津駅 → 18:40 大分駅

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(3) 実施の効果

①アンケート結果 a. 各研修の満足度(数値は%)

b. 研修を通してどう感じたか(数値は%)

今年度は連携校より 5名の生徒を募集したところ、12 名(7校)の応募があった。参加した 5名の

連携校生徒は研修後、各高校に戻り、研修で体験したことを他の生徒に報告するなど、今研修の拡が

り貢献してくれている。また、コア 4 校の生徒同士も研究グループとしての仲間意識を深めることが

できた。

アンケート結果 a から、今回の関西研修の満足度が高く、生徒にとって有意義な研修であったこと

がわかる。研修では、公的研究施設や大学等での研修を多く取り入れることができただけでなく、大

学や企業の研究者と交流する機会も多く、生徒にとって将来の自分の姿をイメージし、研究とは何か

を肌で感じ取ることができたようである。アンケート結果から、生徒達は日頃の授業では触れること

のできない最先端技術や研究の最前線を目の当たりにすることで、非常に強い刺激を受けたようであ

る。アンケート記述からもうかがえるように最先端の科学技術に触れ感動体験をすることができただ

けでなく、研究者としての在り方、生き様にも直に触れることができ、良い刺激になっている。

生徒感想

・世界にほこれる日本の技術を間近で感じ、科学に対する興味が高まりました。また、自分の将来の夢

を見つけることができました。

・日本の最先端で活躍する方々の話を聞くことができ、研究者としての職業に魅力を感じることができ

た。自分も将来、そういった人たちに仲間入りしたいと思った。

・生活の中でよくあることを生物に関連づけて考えることができるようになり、また面白みを感じた。

研修先 大変満足・満足 どちらでもない やや不満・不満

研修1 Spring-8 97.5 2.5 0

研修2 科学講演会 97.5 2.5 0

研修3 大阪大学 97.5 2.5 0

研修4 班別研修 100 0 0

研修5 京都大学 92.5 5.0 2.5

質問事項 できた・

ややできた

どちらで

もない できなか

った

(1)施設や研究所を訪問して、夢や希望をもつことの大切さ

を学ぶことができましたか 97.5 2.5 2.6

(2)この研修を通じて、将来、ある分野でより深く研究した

い、また、研究に携わりたいと感じることができましたか。95.0 5.0 0

(3)この研修を通じて、今まで以上に科学や最先端の技術に

ついて興味・関心をもつことができましたか。 100 0 0

(4)他校の生徒と積極的にコミュニケーションをとることが

できましたか。 100 0 0

(5)この研修に参加する前と、研修が終了した今とを比べる

と、自分の中で何か変化がありましたか。 97.5 2.5 0

OSSコンソ

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・これまでは、興味があっても、質問できなかったが、今回、直にいろいろな施設を見て、説明を受け

る中で、疑問を積極的に質問できるようになった。

▲ 科学講演会1 ▲ Spring-8

▲理化学研究所(計算科学研究機構) ▲ 科学講演会2

【4】 班別課題研究

1. 7期生グループ別課題研究

(1)仮説

・課題研究を行うことで、科学的探究力を育成し、科学に対する意識をさらに高めることができる。

・研究成果をまとめて発表することで表現力を育成できる。

・大学や企業等の研究機関と連携し指導・助言を得ながら研究を行うことで、地域の研究機関との関

係を一層深めることができるとともに、指導教員の指導力の向上につながる。

(2)研究内容・方法・検証

OSSフェスタや県外科学研修等での経験を活かし、興味をもったことや、研究してみたいことを

生徒自ら考え、研究テーマを決定し、研究方法や発表方法について検討した。

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<課題研究テーマ一覧>

班 研究テーマ

物理班 反発係数による2小球の運動予測

化学班 朝見川流域の水質におよぼす温泉水の影響について

生物班 ダンゴムシの交替性転向反応について

地学班 大分川の潮汐変化

数学班 円周率の明察

<日程>

第 1 回 7 月 26 日(水) 班別課題研究に向けたテーマ検討会

第 2 回 9 月 10 日(土) 概要説明、テーマ決定、研究計画作成 ~テーマならびに実験方法は 9 月中には決定、10 月より実施

第 3 回

9 月~1 月 各班で研究活動 ※物理 9 回、化学 9 回、生物 8 回、地学 10 回、数学 8 回実施 (各班で実施、土日や平日課後を利用)

2 月 5 日(日) OSSコンソ成果発表会

(3)実施の効果とその評価

生徒は課題研究に積極的に参加しており、OSSコンソとして他校の生徒と一緒に、在籍高校を離

れて研究を行うことで、研究活動へのモチベーションの向上にもつながった。 研究活動の基本的な技能を未習得な1年生にとって、テーマ設定→仮説→実験→結果→考察→発表

の一連の流れで行う活動を、少人数で指導者とともに行うことで、科学的探究方法を学び、プレゼン

テーション能力を高めることができたという意義は大きい。特に、班員と結果の分析などで意見を出

し合いながら 1 つの成果を導き出せたことで、問題解決能力や多角的な視点が養われたと考える。ま

た、成果発表会という大きな舞台で発表を行った充実感は大きく、自信につながるものであった。 また、研究機関等のサポートネットワークを利用して調査研究活動を行う際の分析依頼や研究の助

言指導をもらうなど専門家と連携を取りながら研究活動を行うことができた。この経験は研究を協力

して進める研究者としての資質向上につながると考える。

2. 6期生個人・グループ研究

(1)仮説

・個人・グループで課題研究に取り組むことで、科学への興味・関心をさらにひろげ、課題解決に向

け積極的に取り組む態度を身につけることができる。 ・海外研修に参加する機会を与えることで、より広い視野をもって将来も研究に取り組もうとする意

欲を高めることができる。

(2)研究内容・方法・検証

6期生を対象に、1年次の「OSSフェスタ」「県外科学研修」「課題研究」等の取り組みを基盤

として、個人またはグループで課題研究を行う。共同研究者は、OSSコンソ参加者、所属高校生徒、

他の県内高校生でも可能とする。活動場所は所属高校を中心とし、指導はOSSコンソ担当教員を中

心に行い、大学等の研究者の協力も仰ぐ。優秀な研究を行った個人やグループには、海外研修に参加

する機会を与える。さらに、OSSコンソ「成果発表会」や報告書において、その成果を発表する。

OSSコンソ

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実施計画

月 内 容

2月 概要説明、「研究テーマ」決定

3月 「企画書」作成

春休み~8月 「研究」

6月末 「中間レポート」提出

8月 「最終レポート」提出

9月 「レポート審査」「結果発表」

11月 「英語レポート作成」

12月 「海外研修」「成果発表会」にて研究を発表

2月 「報告書」にて研究を発表

研究テーマ

No 研究テーマ メンバー 賞

1 2つの音と倍音の関係性について 亀井紗世(舞鶴) 、後藤理沙(舞鶴) * 、

児玉大輔(舞鶴) *

2 物質による放射線量の違い 松中円来(舞鶴) 、三嶋実桜(舞鶴) 佳作

3 オランダの涙 臼杵義亨(舞鶴)

4 絹糸タンパク質の有効利用のための研究 清家清哉(舞鶴) 、大久保勇毅(舞鶴) 、

深田幸平(舞鶴)

優秀

5 植物の陸生化に伴う光合成色素の変化 前山文音(舞鶴)

6 塩害が植物に与える影響について 甲斐彩音(上野丘)、渡邉菜花(上野丘)、長野歌穂(上

野丘)

7 亜鉛の温度と、音を伝える速さの関係 新見悠真(上野丘)、秀嶋智輝(上野丘)、

藤原有希(上野丘)

8 オーロラの発生原理 諌山雄大(上野丘)

9 電波望遠鏡による天体観測の仕組みについて 角 朝陽(上野丘)

10 不足数と過剰数と完全数の関係について 後藤勇芽輝(上野丘) 優秀

11 液体の濃度と体積変化の関係に関する考察 後藤拓哉(豊府)、東亮太郎(豊府)、西郡椋也(豊府) 優良

12 メインウィングの最適条件 佐藤竜生(豊府)、滋野友哉(豊府) 佳作

13 化学発光をより明るく長く持続させるために 安藤志真(豊府)、藤田京(豊府)、川辺怜央奈(舞鶴) 優秀

14 食塩水に生きるメダカ 佐藤千優(上野丘)、利光花菜実(上野丘)

嶋岡瑠菜(上野丘)

15 アカササゲの発芽と生育条件について 佐藤安紀(日田)、松成優花(日田)、中島美里(日田)、

桒野惟(日田)、財津德一(日田)、 優良

16 ジャイロ効果による復元力の測定 藤内洋輔(豊府)

*は、コアSSH参加者以外の生徒

(3)実施の効果とその評価

個人またはグループで主体的にテーマを設定し、準備日程や材料を考えて研究を行うことで、能

動的に研究に取り組む姿勢が培われた。さらに、台湾海外研修へ参加した生徒は、英語発表の経験

を通じて、さらに研究への意欲を高めた。

また、研究の成果を成果発表会等で発表することで、この研究で参加者が得た経験を、広く県下

の高校生にも還元することができた。

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【5】 台湾海外研修

(1)仮説

・台湾の高校生と合同発表会を行うことで生徒がおこなってきた課題研究についての理解や今後の研

究意欲を深め、英語コミュニケーション力を向上させる。

・参加生徒・引率教師の体験を県内の高校生や関係者に広く発信し、研修の成果を大分県全体で共有

する。

(2)研究内容・方法・検証

経済発展著しい台湾を訪問し、英語が堪能で高いレベルの科学研究を行っている高校生との共同実

験教室、國立清華大学での英語による講義の受講や大学生との科学文化交流を行う。

研修期間 平成 28年 12月 14日(水)~12月 17日(土) 3泊 4日

研 修 地 国立花蓮女子高級中学(研究交流校・花蓮市)、国立交通大学(新竹市)

参加生徒 OSSコンソ6期生12名

大分舞鶴高校: 普通科4名 大分上野丘高校: 普通科1名

大分豊府高校: 普通科5名 日田高校 : 普通科1名

中津南高校 : 普通科1名

(他に大分舞鶴高校理数科課題研究代表者8名)

引 率 大分舞鶴高校 : 長田文生校長 、黒田裕一郎(数学)、中島隼平(英語)

大分豊府高校 : 廣戸和生(化学)

日田高校 : 染矢彰子(国語)

研修スケジュール

日次 月 日 行 程

1 12月14日(水) 舞鶴高校 → 福岡空港 → 台北桃園空港

→ ホテル・学習会(台北市)

2 12月15日(木) ホテル → 國立交通大学で講演・研究発表・研究室訪問 → 台北駅

→ 花蓮駅 → ホテル・学習会(花蓮市内)

3 12月16日(金) ホテル → 國立花蓮女子高級中学との科学研究交流会 → 花蓮駅

→ 台北駅 → ホテル・学習会(台北市内)

4 12月17日(土) ホテル → 台北桃園空港 → 福岡空港 → 舞鶴高校

⑥ 活動のようす

国立交通大学 花蓮女子高級中学 科学研究交流会

OSSコンソ

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(3)実施の効果とその評価

台湾は英語を第一言語としているわけではないが、今回の台湾研修を通して、コミュニケーショ

ンの手段として英語が必要とされた。そのため、生徒はあらためて国際的な場面においての英語の

重要性と必要性を強く感じていた。また、英語で研究発表や質疑を行い、交流会などで台湾の先生

や学生たちと英語でコミュニケーションをとることで、これまで培ってきた英語力を試すことがで

き、達成感と同時に反省点を実感した。特に台湾の高校生の英語コミュニケーション能力の高さに

驚かされ、強い刺激を受け、学習意欲の向上につながった。

国立花蓮女子高級中学では、さらに研究発表の内容のレベルの高さや、積極的にコミュニケ

ーションを図ろうとする姿勢など見習うべき姿勢を目の当たりにした。

国立交通大学では、杉山教授による講義や最先端の研究を行っている研究施設訪問などを通

して、高校の学習とは異なる大学での学習・研究を具体的に体験することができた。

生徒感想

・自分は 2 年ほど部活で研究活動をして、また大会や研修などにも何度も参加させていただいたことも

あり、研究発表とたくさん接してきた。しかし大学生の発表内容はとてもレベルが高く、今まで見たも

のと比べ大変難しいものであった。これが大学の研究か、と非常に興味をそそられた。 ・花蓮女子中学での研究交流会では英語力の差と、積極性の差を強く感じた。これからはこの二つのこ

とを意識して授業をうけていこうと思う。 ・時間にお互いの文化や生活、風習についても話し合うことができました。徐々に私も英語で相手と話

すことに慣れてきて、違う国の人たちと会話をすることができて感動しました。

【6】 成果発表会

(1)仮説

今年度の「大分スーパーサイエンスコンソーシアム」の取り組みの成果を発表することで、大分上野丘、

大分豊府、日田、大分舞鶴高校のOSSコンソコア4校だけでなく、連携する17校の高校生、さらには中

学生に対し、理数への興味・関心を喚起する。また、教員および研究者等が一同に会することで、今年度

の研修・研究内容を共有するとともに、学校・県教委・大学・企業等との「地域連携」を密にし、人材育

成を目指す科学ネットワークの確立を図る。さらに、中学校や保護者を含めた外部へ広くOSSコンソの活

動を発信していくことを目的とする。

(2)研究内容・方法

日 時 平成29年2月5日(日) 13:00~16:00

場 所 大分県教育センター3F「講堂」

参加者 (OSSコンソコア4校) ・大分上野丘高校・大分豊府高校・日田高校・大分舞鶴高校

(コア3校以外の連携校17校)

・高田高校・国東高校・杵築高校・別府鶴見丘高校・大分西高校・大分雄城台高校・大分南高校

・大分鶴崎高校・臼杵高校・佐伯鶴城高校・竹田高校・中津南高校・中津北高校・玖珠美山高校

・宇佐高校・津久見高校・安心院高校

SSH 運営指導委員、大学・企業・県・県教委の関係者、参加生徒保護者等 合計235名

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日 程

時 間 内 容

13:00~13:15 「開会式」

・生徒代表あいさつ 大分日田高校 藤野一真さん

・事務局校校長あいさつ 大分舞鶴高校 長田文生 校長

・教育委員会あいさつ 高校教育課 姫野秀樹 課長

13:15~13:40 「大分スーパーサイエンスコンソーシアム」活動報告① 生徒発表

・概要 大分上野丘高校 肥後さん、竹内さん

・OSSフェスタ報告 大分豊府高校 新川さん、鹿嶋さん

・OSS県外研修報告 大分舞鶴高校 清末さん、神田さん、岩本さん

臼杵高校 日高さん

13:40~14:35 「課題研究」発表(発表7分・質疑応答3分)

・物理班「反発係数による2小球の運動予測」

・化学班「朝見川流域の水質におよぼす温泉水の影響について」

・生物班「ダンゴムシの交替性転向反応について」

・地学班「大分川の潮汐変化」

・数学班「円周率の明察」

14:35~14:50 休憩(発表準備、アンケート記入等)

14:50~15:20 「科学討論会」

内容:12個の同型の球から異なる1つを見抜く方法について

解答発表:中津北高校 関さん、久恒さん、福島さん

討論課題提示:大分舞鶴高校 川邉さん

進行:大分舞鶴高校 松中さん

時 間 内 容

15:20~15:45 「大分スーパーサイエンスコンソーシアム」活動報告② 生徒発表

・台湾研修報告 大分舞鶴高校 亀井さん、三嶋さん

日田高校 桒野さん

中津南高校 財津さん

・個人グループ研究レポート英語発表2本

「Purifying Silk Proteins and Some Effective Uses for them」

大分舞鶴高校 大久保さん、清家さん、深田さん

「Scientific Methods to Create a Brighter、 Longer-Lasting

Illumination」

大分豊府高校 安藤さん、藤田さん

15:45~16:00 「閉会式」

・講評 崇城大学 八田 泰三 教授

・生徒代表あいさつ 大分上野丘高校 後藤さん

16:10~16:30 「OSSコンソ6期生修了式」(コア4校の2年生〔6期生〕)

・修了証授与

・OSSコンソ6期生挨拶 大分豊府高校 東さん

・事務局校校長激励のことば 大分豊府高校 落合 弘 校長

OSSコンソ

- 45 -

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(3)実施の効果とその評価

7期生のグループ別課題研究、6期生個人・グループ研究の成果を発表することでプレゼンテーシ

ョン能力の向上に大きな効果が得られた。発表した生徒の感想からは研究活動が楽しく、今後も研究

活動を続けたいや、伝えることの難しさを知り貴重な体験となったなど肯定的なものが多かった。ま

た、研究発表を聞いた生徒からは、多く質問が出され、活発な質疑が行われた。研究を進める生徒だ

けでなく、自由な雰囲気で議論を進めることができるように成長している生徒の姿勢が見られたこと

や、他校の高校生の活動を知り、視野が広がったり、科学についてさらに興味・関心が高まったりし

たという意見が聞かれ、参加した生徒にとって大きな刺激となっている。

今年度、課題研究を進める上で、研究方針の示唆や分析技術の協力など、多くのサポートをいただ

いた企業や研究機関の先生方にも今閉会式に参加をお願いした。OSSコンソの活動が一校のみの活

動ではなく、複数校の生徒が協力して活動を進めている事への理解と、今後の活動におけるサポート

体制の強化について情報発信をすることができた。次年度は、更に、生徒達の研究テーマと企業、研

究施設とのマッチングをはかり、地域連携を促進させていきたい。

▲7期生課題研究発表 ▲発表に対しての活発な質疑

▲科学討論会の様子 ▲生徒代表お礼の言葉

【7】 OSS コンソサポートネットワーク

(1)仮説

大分の人的資源と高い技術力を理解し、地域の人材を最大限に活用できるネットワークを構築し、

科学的探究力をもった生徒を育成する。

- 46 -

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(2)研究内容・方法・検証

OSSコンソサポートネットワークの概要

県内大学・企業の窓口を通して企画を支援していただける研究者、また、県内高校生に対し科学技

術人材育成の視点から協力いただける研究者を募集、登録する。

〔登録内容〕氏名、所属 / 連絡先、方法 / 研究内容(研究活動のサポートのため)

専門分野(研究活動のサポートのため) / 講演、講義、実験等の実施の可否 a. 講演会の講師選定を円滑に行う環境をつくる。

b. 体験的実験講座の講師依頼、実施場所の提供や具体的な助言等の協力の円滑化を図る。

c. 課題研究の内容をより充実させるためにも研究者、研究施設の日常的なサポートを得る。

・テーマ決定や研究内容や研究方法について助言・指導

・担当教員が研究者、研究施設に助言・指導の依頼を行いやすい環境をつくる。

(3)実施の効果とその評価

今年度は、サポートネットワークのデータを各校 OSS コンソ担当者や県内の高校の授業や科学ク

ラブ担当者へネットワークの活用の呼びかけを行った。また高教研理科部会との連携し10月に有機

化学高校生講座2016を国際有機化学財団の出資で実施することができた。化学に関心の高い生徒へ

最先端の化学技術を触れる機会を作るとともに、県下高校で研究を進める科学クラブの活動を紹介

する機会も設けることができた。また、高文連科学部においては、各校での研究に各研究施設・企

業との連携を進める高校が増えている。今後も、県下の研究施設と企業などの OSS コンソサポート

ネットワークを広げることで生徒の研究活動を支援していきたい。

【8】 教材開発(授業改善)

(1)仮説

OSSコンソの活動を通して、教材の開発や授業研究・改善を行い、その内容をコア4校だけでな

く、県内の理数教員へ発信し、共有することで、県内の高校教員の指導力を向上させることができる

とともに、生徒にその成果を還元し、数学、理科への興味・関心を喚起することができる。

企業

企業 大学

大学

研究機関 県内高校

研究者

OSS コンソ

OSSコンソ

- 47 -

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(2)研究内容・方法・検証

OSSフェスタや県外科学研修、グループ別課題研究等の取り組みで得られた知見や教材研究をも

とに、OSSコンソコア4校の担当教師や県内の理科、数学の教員が「探究的活動」あるいは「課題

学習」を主題とした授業や活動を行い、授業改善に向け情報を共有する。

また、県教育委員会が進める授業改善マイプランの一助とする。

(3)実施の効果とその効果

活動 教材開発との関わり

開始式 科学講演会 ・最先端の研究を知や、科学者としての資質等

得られた知見を生徒に還元した。

講演会講師との懇談会 ・課題研究を進めるに当たってのテーマ設定の

指導方法や大学生が研究しているテーマなどに

ついて講師から助言指導頂いた。

OSS フェスタ 科学実験教室講師(1年生) ・高校1年生に対する科学講座

1年生の学習到達度に合わせ、高校での学習内容

をふまえた、探究的活動を実施した。

(120分)

科学実験模擬競技 ・120分でクリップモータを動力源にした車の作

成、発表を行った。問題解決型の活動を実施

考える OSS ・各校 2年生が科学クイズを作成。発表

探究的活動や発表活動の助言。指導を行った。

※OSSコンソコア4校ならびに連携校、理数教員

が担当した。

教員研修会 ・生徒の課題研究を進める上での実験ノート作

成に関する指導方法について大学教授から実践

指導して頂いた。

県外科学研修 大学、企業等研修 ・最先端の研究を知や、科学者としての資質等

得られた知見を生徒へ還元した。

グループ課題研究(1年生)

個人・グループ研究(2年生)

課題研究の指導・助言並びに発表指導

海外科学研修 英語発表 英語レポート作成と、発表指導

(理数教員と英語科教員の連携)

OSSコンソの活動は探究的な活動やアクティブラーニングの実践は、県教育委員会が取り組む授業改

善に向けた活動の1つとして考えることができる。特にOSSフェスタにおいては、OSSコンソコアの

4校だけでなく、連携校21校全ての理数教員を巻き込んだ活動ができたと考える。どの活動実践も普通

科の授業時間内での探究活動の題材として十分に使え、生徒の科学的興味関心および能力を高めることが

できる。今後、これらの授業の内容を報告書だけでなく、ホームページを利用して公開し教育実践の共有

を図りたい。

- 48 -

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関 係 資 料

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校内におけるSSHの組織的推進体制

平成28年度の校内の組織体制は、次の図の通りである。

校務分掌として「SSH企画推進部」(13名)を置き、SSH事業の企画、 運営、経理、広報記録、

調査研究等の活動を行っている。

さらに、教頭を中心とする理数科運営委員会においても、SSHの活動方針の策定や取組の評価を

行っている。

SSHの企画運営を校務分掌に位置づけ、多くの教員等を配置していることで、分掌内での役割分担

もおこなうことができ、組織的な運営となっている。

また、企画によっては、教務部(授業アンケート等)、進路指導部(学校生活アンケート等)、学年

部(未来設計等)を所管分掌として位置づけて運営に当たり、さらに教科・分掌を横断して評価PT等

のプロジェクトチームを設置し、教頭の指導の下で特定の内容に関する調査・研究を推進している。

監督・統括

管理・指導

校長

教頭

基礎枠担当 主(1) 係(2)

重点枠担当 主(1) 係(2)

理数科担当 主(1) 係(1)

実験実習担当(2)

SSH 事務(2)

SSH/理数科主任(1) 学年主任 教務主任 進路指導主任 総務主任

管理機関(県教委)

事務長

副主幹 主査

SSH/理数科運営委員会

SSH 企画推進部(人数)

SSH 運営指導委員会 JST

要求 支援・指導 指導・助言

指導・助言 指導・助言

理科主任 数学科主任

英語科主任

全職員

協働 協働

- 49 -

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第1号

様式

-2

平成

28年

度 第

1学

年 教

育課

程学

校名

(大

分県

立大

分舞

鶴高

等学

校)

理数

2理

数3

国語

総合

45

国語

表現

3

現代

文A

2

現代

文B

42

22

古典

A2

古典

B4

33

3

世界

史A

2

世界

史B

4

日本

史A

22

日本

史B

43

33

地理

A2

地理

B4

現代

社会

22

2

倫理

2

政治

・経

済2

体育

7~

83

22

2

保健

21

1

音楽

Ⅰ2

美術

Ⅰ2

2

書道

Ⅰ2

コミュニケーション英

語基

礎2

コミュニケーション英

語Ⅰ

34

コミュニケーション英

語Ⅱ

44

コミュニケーション英

語Ⅲ

44

4

英語

表現

Ⅰ2

2

英語

表現

Ⅱ4

22

2

英語

会話

2

家庭

基礎

22

家庭

総合

4

生活

デザ

イン

4

社会

と情

報2

情報

の科

学2

SS

H国

際情

報2

11

22

18

18

18

58

理数

数学

Ⅰ3~

84

理数

数学

Ⅱ6~

14

44

3

理数

数学

特論

2~

92

23

3

理数

物理

2~

92

34

3

理数

化学

2~

95

43

理数

生物

2~

92

3

理数

地学

2~

9

課題

研究

2~

4S

SH

に係

る 

SSHS

SH

探究

22

11

5研

究開

発に

よる

12

16

16

16

44

教育

課程

の特

34

34

34

34

102

3~

60

00

00

34

34

34

34

102

11

11

3ホ

ーム

ルー

ム活

20,21

専門

科目

小計

単位

数総

総合

的な

学習

の時

情 報2

各学

科に

共通

する

科目

小計

専 門 教 育 に 関 す る 教 科

理 数

19,18

各 学 科 に 共 通 す る 教 科

国 語15

地 理 歴 史

8

芸 術2

外 国 語18

家 庭2

世界

史A

・日

本史

B世

界史

A・

地理

B世

界史

B・

日本

史A

世界

史B

・地

理A

いず

れか

を選

択し

、B

科目

を継

続履

修す

る。

公 民2

保健

体育

9

教科

科目

標 

準単

位数

理数

科(

1学

級)

備考

1年

2年

3年

第1号

様式

-1

平成

28年

度 第

1学

年 教

育課

程学

校名

(大

分県

立大

分舞

鶴高

等学

校)

普 

通 

科(

7学

級)

AB

国語

総合

45

文3:20

国語

表現

32

2

現代

文A

2文

5:18,

17

現代

文B

42

22

23

23

2理

3:13

古典

A2

理5:15

古典

B4

34

34

44

3

世界

史A

2文

3:

8

世界

史B

4文

5:10,

13

日本

史A

22

理3:

8

日本

史B

43

43

34

4 3

33

理5:

8

地理

A2

地理

B4

現代

社会

22

2文

系:

5,

4

倫理

22

32

理系

:2

政治

・経

済2

32

数学

Ⅰ3

3文

3:

11

数学

Ⅱ4

13

43

33

文5:

18

数学

Ⅲ5

13 4

3 4

理3:

19

数学

A2

22

22

2理

5:

19

数学

B2

22

21

11

1

数学

活用

2

科学

と人

間生

活2

2文

3:

9

物理

基礎

22

文5:

13

物理

43

44

理3:

21

化学

基礎

22

22

22

理5:

21

化学

43

44

生物

基礎

22

2

生物

4

生命

科学

特論

22

SS

科学

1

体育

7~

83

33

33

22

22

文3:11

保健

21

11

1文

5・

理系

10

音楽

Ⅰ2

音楽

Ⅱ2

文3:

4,

6

音楽

Ⅲ2

※2

文5:

2

美術

Ⅰ2

2理

系2

美術

Ⅱ2

2

美術

Ⅲ2

※2

書道

Ⅰ2

書道

Ⅱ2

書道

Ⅲ2

※2

コミ

ュニ

ケー

ショ

ン英

語基

礎2

文3:18

コミ

ュニ

ケー

ショ

ン英

語Ⅰ

34

コミ

ュニ

ケー

ショ

ン英

語Ⅱ

44

44

文5:19,18

コミ

ュニ

ケー

ショ

ン英

語Ⅲ

44

44

44

理3:18

英 語

22

理5:18

英語

表現

Ⅱ4

22

22

32

22

英語

会話

2

家庭

基礎

22

家庭

総合

42

生活

デザ

イン

4

情報

SS

H国

際情

報2

11

11

2

33

31

33

33

26,28

33

33

31

33

家庭

子ど

もの

発達

と保

育2~

6※

22

英語

時事

英語

2~

63

SS

Hに

係る

SSH

SS

H探

究1

11

11

11

11

3研

究開

発に

よる

11

11

4,

61

11

1教

育課

程の

特例

34

32

34

34

32

34

34

32

34

98

100

102

3~

60

00

00

00

00

0

34

32

34

34

32

34

34

32

34

98

100

102

11

11

11

11

13

教科

科目

標 準 単 位 数

備考

1年

2年

3年

計文

3文

5理

系文

3文

5理

3理

数字

の前

の※

の記

号は

選択

の組

み合

わせ

を表

す。

地 理 歴 史

世界

史A

・日

本史

B世

界史

A・

地理

B世

界史

B・

日本

史A

世界

史B

・地

理A

いず

れか

を選

択し

、B

科目

を継

続履

修す

る。

文5

Bの

3年

次の

地理

歴史

科目

は、

継続

履修

する

もの

は4

単位

、3

年か

ら履

修す

るも

のは

3単

位と

する

公 民 数 学

数Ⅰ

を履

修後

、数

Ⅱを

履修

。 数

Ⅱを

履修

後、

数Ⅲ

を履

理系

の3

年次

は、

数学

Ⅲ・

A・

Bま

たは

数学

Ⅲの

いず

れか

を選

国 語 家 庭

各学

科に

共通

する

科目

小計

90,92,97,99

専門

3

各 学 科 に 共 通 す る 教 科

外 国 語

理系

の2

年次

は、

化学

基礎

を履

修後

、化

学を

履修

理系

の2

,3

年次

の物

理、

生物

は継

続履

学校

設定

科目

1年

「S

S科

学」

はS

SH

に係

る研

究開

発に

よる

教育

課程

の特

保健

体育

芸 術

文3

の2

年次

、芸

術の

選択

は芸

術Ⅰ

を履

修後

、同

じ科

目の

芸術

Ⅱを

履修

する

文3

の3

年次

、芸

術の

選択

は芸

術Ⅰ

・Ⅱ

を履

修後

、同

じ科

目の

芸術

Ⅲま

たは

、発

達と

保育

を選

理 科

専門

科目

小計

3,6,8

総合

的な

学習

の時

単位

数総

ホー

ムル

ーム

活動

第1号様式-

1          平成

28年度 第1学年 教育課程

学校名(大分県立大分舞鶴高等学校)

第1号様式

-2     平成

28年度 第1学年 教育課程 学

校名(大分県立大分舞鶴高等学校)

- 50 -

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第1号

様式

-4

平成

28年

度 第

2学

年 教

育課

程学

校名

(大

分県

立大

分舞

鶴高

等学

校)

理数

2理

数3

国語

総合

45

国語

表現

3

現代

文A

2

現代

文B

42

22

古典

A2

古典

B4

33

3

世界

史A

2

世界

史B

4

日本

史A

22

日本

史B

43

33

地理

A2

地理

B4

現代

社会

22

2

倫理

2

政治

・経

済2

体育

7~

83

22

2

保健

21

1

音楽

Ⅰ2

美術

Ⅰ2

2

書道

Ⅰ2

コミュニケーション英

語基

礎2

コミュニケーション英

語Ⅰ

34

コミュニケーション英

語Ⅱ

44

コミュニケーション英

語Ⅲ

44

4

英語

表現

Ⅰ2

2

英語

表現

Ⅱ4

22

2

英語

会話

2

家庭

基礎

22

家庭

総合

4

生活

デザ

イン

4

社会

と情

報2

情報

の科

学2

SS

H国

際情

報2

11

22

18

18

18

58

理数

数学

Ⅰ3~

84

理数

数学

Ⅱ6~

14

44

3

理数

数学

特論

2~

92

23

3

理数

物理

2~

92

34

3

理数

化学

2~

95

43

理数

生物

2~

92

3

理数

地学

2~

9

課題

研究

2~

4S

SH

に係

る 

SSHS

SH

探究

22

11

5研

究開

発に

よる

12

16

16

16

44

教育

課程

の特

34

34

34

34

102

3~

60

00

00

34

34

34

34

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11

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3

教科

科目

標 

準単

位数

理数

科(

1学

級)

備考

1年

2年

3年

計 2

世界

史A

・日

本史

B世

界史

A・

地理

B世

界史

B・

日本

史A

世界

史B

・地

理A

いず

れか

を選

択し

、B

科目

を継

続履

修す

る。

公 民2

保健

体育

9

情 報2

各学

科に

共通

する

科目

小計

専 門 教 育 に 関 す る 教 科

理 数

19,18

各 学 科 に 共 通 す る 教 科

国 語15

地 理 歴 史

8

芸 術2

外 国 語18

家 庭

ホー

ムル

ーム

活動

20,21

専門

科目

小計

単位

数総

総合

的な

学習

の時

第1号

様式

-3

平成

28年

度 第

2学

年 教

育課

程学

校名

(大

分県

立大

分舞

鶴高

等学

校)

普 

通 

科(

7学

級)

AB

国語

総合

45

文3:20

国語

表現

32

2

現代

文A

2文

5:17,

16

現代

文B

42

22

23

23

2理

3:13

古典

A2

理5:15

古典

B4

33

34

44

3

世界

史A

2文

3:

8

世界

史B

4文

5:10,

13

日本

史A

22

理3:

8

日本

史B

43

43

34

4 3

33

理5:

8

地理

A2

地理

B4

現代

社会

22

2文

系:

5

倫理

22

22

理系

:2

政治

・経

済2

33

数学

Ⅰ3

3文

3:

11

数学

Ⅱ4

13

43

33

文5:

18

数学

Ⅲ5

13 4

3 4

理3:

19

数学

A2

22

22

2理

5:

19

数学

B2

22

21

11

1

数学

活用

2

科学

と人

間生

活2

2文

3:

9

物理

基礎

22

文5:

13

物理

43

44

理3:

21

化学

基礎

22

22

22

理5:

21

化学

43

44

生物

基礎

22

2

生物

4

生命

科学

特論

22

SS

科学

1

体育

7~

83

33

33

22

22

文3:11

保健

21

11

1文

5・

理系

10

音楽

Ⅰ2

音楽

Ⅱ2

文3:

4,

6

音楽

Ⅲ2

※2

文5:

2

美術

Ⅰ2

2理

系2

美術

Ⅱ2

2

美術

Ⅲ2

※2

書道

Ⅰ2

書道

Ⅱ2

書道

Ⅲ2

※2

コミ

ュニ

ケー

ショ

ン英

語基

礎2

文3:18

コミ

ュニ

ケー

ショ

ン英

語Ⅰ

34

コミ

ュニ

ケー

ショ

ン英

語Ⅱ

44

44

文5:20,18

コミ

ュニ

ケー

ショ

ン英

語Ⅲ

44

44

44

理3:18

英 語

22

理5:18

英語

表現

Ⅱ4

22

22

42

22

英語

会話

2

家庭

基礎

22

家庭

総合

42

生活

デザ

イン

4

情報

SS

H国

際情

報2

11

11

2

33

31

33

33

26,28

33

33

31

33

家庭

子ど

もの

発達

と保

育2~

6※

22

英語

時事

英語

2~

63

SS

Hに

係る

SSH

SS

H探

究1

11

11

11

11

3研

究開

発に

よる

11

11

4,

61

11

1教

育課

程の

特例

34

32

34

34

32

34

34

32

34

98

100

102

3~

60

00

00

00

00

0

34

32

34

34

32

34

34

32

34

98

100

102

11

11

11

11

13

専門

科目

小計

3,6,8

総合

的な

学習

の時

単位

数総

ホー

ムル

ーム

活動

家 庭

各学

科に

共通

する

科目

小計

90,92,97,99

専門

3

各 学 科 に 共 通 す る 教 科

外 国 語

理系

の2

年次

は、

化学

基礎

を履

修後

、化

学を

履修

理系

の2

,3

年次

の物

理、

生物

は継

続履

学校

設定

科目

1年

「S

S科

学」

はS

SH

に係

る研

究開

発に

よる

教育

課程

の特

保健

体育

芸 術

文3

の2

年次

、芸

術の

選択

は芸

術Ⅰ

を履

修後

、同

じ科

目の

芸術

Ⅱを

履修

する

文3

の3

年次

、芸

術の

選択

は芸

術Ⅰ

・Ⅱ

を履

修後

、同

じ科

目の

芸術

Ⅲま

たは

、発

達と

保育

を選

理 科

数字

の前

の※

の記

号は

選択

の組

み合

わせ

を表

す。

地 理 歴 史

世界

史A

・日

本史

B世

界史

A・

地理

B世

界史

B・

日本

史A

世界

史B

・地

理A

いず

れか

を選

択し

、B

科目

を継

続履

修す

る。

文5

Bの

3年

次の

地理

歴史

科目

は、

継続

履修

する

もの

は4

単位

、3

年か

ら履

修す

るも

のは

3単

位と

する

公 民 数 学

数Ⅰ

を履

修後

、数

Ⅱを

履修

。 数

Ⅱを

履修

後、

数Ⅲ

を履

理系

の3

年次

は、

数学

Ⅲ・

A・

Bま

たは

数学

Ⅲの

いず

れか

を選

国 語

教科

科目

標 準 単 位 数

備考

1年

2年

3年

計文

3文

5理

系文

3文

5理

3理

第1号様式-

3          平成

28年度 第2学年 教育課程

学校名(大分県立大分舞鶴高等学校)

第1号様式

-4     平成

28年度 第2学年 教育課程 学

校名(大分県立大分舞鶴高等学校)

- 51 -

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第1号

様式

-6

平成

28年

度 第

3学

年 教

育課

程学

校名

(大

分県

立大

分舞

鶴高

等学

校)

理数

2理

数3

国語

総合

45

国語

表現

3

現代

文A

2

現代

文B

42

22

古典

A2

古典

B4

33

3

世界

史A

2

世界

史B

4

日本

史A

22

日本

史B

43

33

地理

A2

地理

B4

現代

社会

22

2

倫理

2

政治

・経

済2

体育

7~

83

22

2

保健

21

1

音楽

Ⅰ2

美術

Ⅰ2

2

書道

Ⅰ2

コミュニケーション英

語基

礎2

コミュニケーション英

語Ⅰ

34

コミュニケーション英

語Ⅱ

44

コミュニケーション英

語Ⅲ

44

4

英語

表現

Ⅰ2

2

英語

表現

Ⅱ4

22

2

英語

会話

2

家庭

基礎

22

家庭

総合

4

生活

デザ

イン

4

社会

と情

報2

情報

の科

学2

SS

H国

際情

報2

11

22

18

18

18

58

理数

数学

Ⅰ3~

84

理数

数学

Ⅱ6~

14

44

3

理数

数学

特論

2~

92

23

3

理数

物理

2~

92

3

43

理数

化学

2~

95

43

理数

生物

2~

92

3

理数

地学

2~

9

課題

研究

2~

4S

SH

に係

る 

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SH

探究

22

11

4研

究開

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よる

12

16

16

16

44

教育

課程

の特

34

34

34

34

102

3~

60

00

00

34

34

34

34

102

11

11

3

教科

科目

標 

準単

位数

理数

科(

1学

級)

備考

1年

2年

3年

家 庭2

ホー

ムル

ーム

活動

総合

的な

学習

の時

公 民

2

外 国 語182

保健

体育

9

芸 術

世界

史A

・日

本史

B世

界史

A・

地理

B世

界史

B・

日本

史A

世界

史B

・地

理A

いず

れか

を選

択し

、B

科目

を継

続履

修す

る。

21,22

単位

数総

各学

科に

共通

する

科目

小計

専 門 教 育 に 関 す る 教 科

理 数

19,18

専門

科目

小計

情 報2

各 学 科 に 共 通 す る 教 科

国 語15

地 理 歴 史

8

第1号

様式

-5

平成

28年

度 第

3学

年 教

育課

程学

校名

(大

分県

立大

分舞

鶴高

等学

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普 

通 

科(

7学

級)

AB

国語

総合

45

文3:20

国語

表現

32

2

現代

文A

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42

22

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古典

A2

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世界

史A

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A2

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現代

社会

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22

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数学

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3文

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A2

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数学

活用

2

科学

と人

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9

物理

基礎

22

文5:

13

物理

43

44

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化学

基礎

22

22

22

理5:

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化学

43

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生物

基礎

22

2

生物

4

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科学

特論

22

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7~

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文3:11

保健

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5・

理系

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音楽

Ⅰ2

音楽

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文3:

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文5:

2

美術

Ⅰ2

2理

系2

美術

Ⅱ2

2

美術

Ⅲ2

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書道

Ⅰ2

書道

Ⅱ2

書道

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コミ

ュニ

ケー

ショ

ン英

語基

礎2

文3:18

コミ

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語Ⅰ

34

コミ

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44

44

文5:20,18

コミ

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44

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理3:18

英 語

22

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英語

表現

Ⅱ4

22

22

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基礎

22

家庭

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生活

デザ

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4

情報

SS

H国

際情

報2

11

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31

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33

26,28

33

33

31

33

家庭

子ど

もの

発達

と保

育2~

6※

22

英語

時事

英語

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SS

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SSH

SS

H探

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11

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11

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34

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34

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32

34

34

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34

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11

11

11

13

総合

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学習

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教科

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各 学 科 に 共 通 す る 教 科

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文5

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世界

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3年

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地理

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ホー

ムル

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専門

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年次

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Bま

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家 庭

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文3

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年次

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芸術

Ⅲま

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外 国 語

理系

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化学

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年次

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理、

生物

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保健

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芸 術

90,92,97,99

第1号様式-

5          平成

28年度 第3学年 教育課程

学校名(大分県立大分舞鶴高等学校)

第1号様式

-6     平成

28年度 第3学年 教育課程 学

校名(大分県立大分舞鶴高等学校)

- 52 -

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平成 28 年度 第1回 SSH 運営指導委員会 議事録

1.日時 平成 28 年 11 月 4日(金)13:20~15:10

2.会場 大分県立大分舞鶴高等学校 会議室

3.参加者 運営指導委員: 江崎一子(大分香りの博物館)・後藤顕一(国立教育政策研究所)・西川孝次(立命館アジア太平洋大学)

溝口佳寛(九州大学)・三次徳二(大分大学)・吉岡誠司(大分県産業科学技術センター)

吉田広志(西日本電線株式会社)

小原井一成・戸上健治(大分県教育庁)

県内高校参加者: 長野雅樹・高瀬源大(大分県立大分上野丘高等学校)

落合弘・佐藤茂・廣戸和生(大分県立大分豊府高等学校) 藤永直也・甲斐耕司(大分県立日田高等学校)

本校関係者: 長田文生・川村和夫・五嶋宏治・黒田裕一郎・門脇秀文・工藤久貴・渡邉ひろ美・新田智恵美・奈須留美

4.議事内容及び質疑応答

第1部

① 重点枠・今年度前半の取組

A 委員:県外研修も良いが、県内の企業・研究所を研修してほしい。生徒に工学系企業を知ってほしい。

B 教員:今後、県内企業を積極的に訪問する機会を作りたい。

C 委員:OSS の活動で県外研修があるが年々連携校からの希望が多くなってきていると聴くが、今後の体制として連携校からの参加を拡

げていくのか。基幹となっている4校を中心としていくのか。

D 教員:OSS7年間で全県に拡げてきているから、来年度の県外研修は、全県下に拡げ多数の生徒が参加できれば良いと考えている。

C 委員:引率体制については、現在基幹となる4校だが拡げた場合の体制はどう考えているのか。先生方の研修の場にもなっているので

はないか。

D 教員:連携校の先生方に声掛けし拡げていきたい。

F 委員:県外研修のアンケート結果について。少々不満を持っている生徒もいるようだが。

B 教員:事務局の不手際で京都大学の会場が2つに分かれ不満があったのではないか。次回の研修ではこのような事がないよう心掛ける。

G 委員:県外研修の行き先について。修学旅行との住み分けは。

B 教員:県外研修は、2 年に1度関西・関東。基本訪問先は同じ。教員の研修の場にもなっている。修学旅行と違う点は、研修の目的と

して研究機関に長時間滞在し特別な内容にしてもらっている。

H 委員:重点枠の役割、生徒・教員共に何が残ったのか考えておく必要がある。イベント的な部分と継続していく部分、継続していくに

あたり県内地元との関係の窓口を作っておくのも良い。

E 委員:開始式の科学講演会の杉原先生との懇談会は、講演会前であったが生徒達の状況・質問内容はどのような感じだったのか。

B 教員:参加生徒はコア4校の2年生中心で 30 名ほど。杉原先生の HP 等で事前学習をしており半数の生徒が多岐にわたり質問していた。

B 教員:OSS の活動は、企業・大学と協同しながらの取り組みができないか検討中である。

H 委員:イノベーション。悩みながら、考えながら、進めていければ良いのではないか。

第2部

② 基礎枠・普通科、理数科の今年度前半の取組

I 委員:SSH 探究講座を見学して、いくつかの教科を合わせた授業の取組はグローバル化していく現代にマッチしている。パワーポイン

トでの発表が多いが、メモを取り PC でまとめるという指導もしてほしい。

J 教員:SSH 探求講座に関しては、学年所属の全員の先生方が担当し、テーマ設定している。

F 委員:生徒達が楽しく生き生きと授業に向き合っている。理系では身体を動かす実験などを多くしてほしい。正しく指導したら理系に

進む生徒が増えてくるのではないか。

A 委員:知的財産について、特許講座・特許出前講座等を計画して情報を与えてほしい。

- 53 -

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C 委員:SSH 普通科の取組について、授業は、探求的に良い取り組みであり今後も継続してほしい。2・3年生には、生徒自らが課題を

持ち探求的に調べ解決していく。こういうレベルまでを来年度以降考えてほしい。

D 教員:来年度から取り組みたい。2年生で課題研究を行い、その発表を3年生の初めに考えている。今年度3学期に校内で周知を考え

ている。次回(2回目)会議にて素案を提出しご意見を頂きたい。

C 委員:探求講座では、1年生は課題を教員が与えサイクルを回し、2年生は自ら計画を立てサイクルを回す。今の現状では、1年生は、

自分で研究するための下地作りが出来てない、1年生の部分から手を入れ改善してほしい。

D 教員:SS 科学で実験・課題研究への取組をしていきたい。

E 委員:普通科 SSH 探求講座の英語講座は、どのようにくふうしているのか。

J 教員:テーマは各教員が決めている。教員のできる範囲で決めているため本来の探求からずれている場合もある。生徒が主体なのでテ

ーマが多岐にわたっている。

G 委員:教材は、ストックしていて次の教員が同じ内容で使えるのか。教材は資産として残すことがは大事ではないか。

J 教員:教員の手作りで残している。

E 委員:SSH の重点校だから、教員は多く配置してもらっているのか。先生方が大変なのではないか。

L 教員:理科の教員は、少しは多い配置ではないか。厳しい現状である。

M 教員:文科省より SSH への教員配置はない。大分県で教員増で配置しているのではないか。

H 委員:教材のライブラリー化が求められるのではないか。学校の財産になり蓄積を県外にも発信できる価値がある。SSH 探求講座をみ

て、普段の授業に生きていると感じる。課題研究のノウハウの価値が授業に繋がり生きている。

A 教員:知の拠点として、企業と大学が近づこうという取組があるので、大学との連携をしてほしい。

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平成 28 年度 第 2回 SSH 運営指導委員会 議事録

1.日時 平成 29 年 2 月 1日(水)15:10~16:55

2.会場 ホルトホール大分 会議室

3.参加者 運営指導委員: 江崎一子(大分香りの博物館)・西川孝次(立命館アジア太平洋大学)・溝口佳寛(九州大学)

三次徳二(大分大学)・吉岡誠司(大分県産業科学技術センター)・吉田広志(西日本電線株式会社)

園田康夫・小原井一成・戸上健治(大分県教育庁)

県内高校参加者: 長野雅樹(大分県立大分上野丘高等学校)

廣戸和生(大分県立大分豊府高等学校)

本校関係者: 長田文生・川村和夫・五嶋宏治・黒田裕一郎・門脇秀文・工藤久貴・渡邉ひろ美・新田智恵美・奈須留美

4.議事内容及び質疑応答

(1) SSH 成果発表会について感想および指導・助言

A 委員:説明の仕方が丁寧で回を重ねるごとに良くなっている。

B 委員:特別講演の先生の選定が良かった。生徒たちへの沢山のメッセージ、将来への研究・仕事様々なことに対して素晴らしいメッセ

ージが折り込まれて、深い専門知識がわかりやすい言葉で説明いただき生徒達にとっても良い経験になったと思う。

研修旅行の英語プレゼンについては、英語での質問力をつけるとさらに良い。

C 委員:発表は素晴らしかった。課題の見つけ方が良い。

D 委員:知的財産、特許を意識することも必要ではないか。

F 委員:英語・数学、3年生の課題研究、特に英語の発表についてはどうか。

G 教員:英語のプレゼンについては、SSH 国際情報で1年次は、日本語・論文に対してパワーポイント等練習し1回だけ英語を入れて発

表をする。2年次は、週1回1時間日本語プレゼンを作成した後ベトナム(修学旅行)に行く前に英訳をし帰国後英語発表をした。

各クラス4名で10班、全体70班でき、普通科クラス1班英語発表をした。英語発表を広めるのには英語教員の負担が大きい。

2年生の3学期は個人プレゼン、英語で3月にクラス内発表。ALT の先生が全てのプレゼンのチェックをしている。負担が大き

いと思う。

F 委員:SSH 国際情報でパワーポイントの作り方、英語による質問の仕方とか指導してるのか。

G 教員:生徒はスマホ時代でキーボードに慣れていない。個人格差が大きい。

G 教員:英語専門の教員は文系、理系の訳し方が細かいところで変わってくるのが難点。生徒は、英語に訳する前の日本語文が出来てい

ないとの指摘もある。

F 委員:3年生の課題研究の発表は、今回初めてであったが、大変よかった。

H 教員:課題研究を普通科に拡めるため、授業を課題研究型に変えて2つの班に分かれて発表し「食品班」が本日発表した。来年度は、

課題研究を普通科に拡める予定である。

(2)今年度の後半の取組および来年度の計画

① 基礎枠

F 委員:英語力アップには、どのようなことをすればよいのか。

I 教員:SSH 国際情報で英語プレゼン能力も必要だが根本は英語力。生徒が英語に対する自信がない。普段の授業での英語が大事。

J 委員:科学英語。日ごろから英語を言わせる、書かせる、科学的英語の教材研究、フォーマットを意識してやっていく。日ごろの授業

で生徒を鍛え、させる力も必要。

B 委員:台湾他東南アジアの生徒は、失敗を恐れず積極的にコミュニケーションを取ろうとする力が大きい。これから先は、こういう教

育が必要。日常の授業が重要になってくる。

A 委員:受験英語、ペーパーテストで時間数も少ない。

H 教員:台湾も普段は中国語。発表は英語。積極的に話していき身に着けるのだろう。

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I 教員:台湾の生徒も全員が同じレベルではなく、今回の台湾研修で対応してくれる生徒はハイレベルで、舞鶴のハイレベルな生徒と比

べると優れている。

J 委員:グローバル人材育成塾がある。その中で、舞鶴の生徒も物おじせず質問する子もいる。日ごろの授業の中で改善をしていく必要

がある。

F 委員:課題研究を普通科に拡げていくことについて伺いたい。

F 委員:テーマ決めについては、自分たちで見つけさせるのか。

G 教員:普通科の課題研究は、科学という課題研究の手法を学び身につけるところに主観をおく。少し専門性を持たせたいが、まずテー

マを決定に重点をおく。

A 委員:生徒が主体でよい取り組みだが、先生方の負担が増になるのでは。課題の見つけ方と散らばらせ方が難しい。途中で討論会・発

表会が必要ではないか。

G 教員:2年生の生徒と一緒に教員が学ぶスタイルで行いたい。

F 委員:SSH 校では、校長・教頭先生も課題研究を持っているところある。普通科なので余りにも難しいことを考えすぎない方が良い。

E 委員:好きなことばかりに偏らないように、テーマ決めしてほしい。

G 委員:クラス固定せず文理混ぜて班を構成したいと考えている。

J 委員:SGH の課題研究について共有できるところは。

K 教員:上野丘高校では、文系が SGK、理系が SSH と分けていた。しかし指定2年目からは日本語レポートに力を入れそれを英語に直し

ていく。英語に直しやすい日本語をきちんと深めていく。

② OSS コンソ

F 委員:舞鶴・上野丘・豊府高校の3校の連携の枠はやらなくなるのか。

H 教員:3校連携の活動は、県外研修後実際には土日5・6回の活動しか出来ていないのが現状。課題研究に軸を置き各高校内だと長い

期間で集まりやすく出来るのではないか。

K 教員:3校で生徒10名ずつ+教員で5科目の班に分けて活動していたが、今後、人数はどうなのか。

H 教員:各高校で1つテーマを決め研究するスタイルはどうかと考えている。

K 教員:単独校での研究になると今まで出来ていた事が出来なくなることが懸念される。3校だけの枠組を残しておくと幅の広い研究が

出来るのではないか。

F 委員:学校の違う子同士で集まることはどうだったのか。

K 教員:生徒は、刺激を受けて楽しく課題研究していた。

B 委員:OSS の良さは、3校違う学校が集まってやること。意欲をもってやる子たちが更に力を得て他校の校風を感じながら他の教員か

ら指導受けるのも刺激になって良いのではないか。今までを守りつつジョイントするのが良いのではないか。

K 教員:今までの3校だと OSS 行事に関しても分担できバランスが取れていたと思う。

F 委員:各学校毎に研究テーマを決めて発表するというのはどうか。高文連との兼ね合いはどうか。

L 教員:機会を与えてもらうことは良いことであるが、同じ発表をしてはダメだと言われると小規模校では教員たちが尻込みをする。ス

テップアップしていく過程として OSS コンソを利用してもらうと良いのではないか。

F 委員:高文連は1~3年生までの科学系部活動、OSS コンソは1年生(来年度は8期生)で活動する。生徒が違うので整理をきちんと

していると混乱しないのではないか。

K 教員:生徒の発表の場が多い方が良い、OSS 単独の成果発表会だと研究した班全部が発表できるが、成果発表会を SSH・OSS 一緒にする

ことで発表する生徒が減るのであれば疑問を感じる。

G 教員:SSH・OSS 成果発表会は、朝から丸一日開催予定で考えている。

H 委員:来年は、過渡期であるが、8期生は OSS フェスタで全員が発表することになる。そして代表者が成果発表会で発表することにな

る。21校全部が課題研究を実施してくれるかが大きな課題だが OSS フェスタでの課題には各高校積極的に参加しているのでこ

のような形で課題研究が全県下に拡がっていくと良い。県教委のバックアップを期待している。

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SSH探求講座名【1年】講座名 回 内容

1 新聞から見つけよう!~課題発見2 幅広く調べよう!~調査・情報収集3 情報を絞り込もう!~情報の取捨選択4 発表の仕方を知ろう!~発表準備5 問題について理解しよう!発表会6 振り返り・自己評価1 スポーツの歴史・ルーツを調べる2 New スポーツ考案作業①3 New スポーツ考案作業②4 New スポーツ考案作業③5 ルール検討 発表会準備6 グループ発表会1 基本的な自然通の和2 いろいろな自然数の和①3 いろいろな自然数の和②4 いろいろな自然数の和③5 いろいろな自然数の和④6 いろいろな自然数の和⑤1 英語プレゼンを知る2 スクリプトの作り方説明・スクリプト作成3 スクリプト・プレゼン練習①4 スクリプト・プレゼン練習②5 スクリプト・プレゼン練習③6 プレゼン発表1 仏教世界を知る2 キリスト教世界を知る3 イスラーム世界を知る1 大分川のプランクトンを採取する2 プランクトンの観察・同定3 レポート作成・意見交換1 卵の乳化性2 卵白の気泡性3 卵液の希釈性、熱凝固性1 いろいろな音を作る2 倍音を体験する3 ハーモニーを作ってみよう

【2年】講座名 回 内容

1 地域の課題を見つけよう!2 広く深く調べよう!3 解決策を考えよう!4 発表の仕方を知ろう!5 意見を戦わせよう~制作討論会6 振り返り・自己評価1 世界の絶景の成り立ちについて2 架空の景観の分析手法の考察3 レポート作成。発表1 緑茶・紅茶の歴史についてⅠ2 緑茶・紅茶の歴史についてⅡ3 テーマ史の探究方法レポートの作成方法・意見交換について1 班分け、ゲーム2 ゲーム必勝法について分析①3 ゲーム必勝法について分析②4 ゲーム必勝法について分析③5 レポート作成、発表準備 発表会

6 発表、意見交換1 モーターの原理2 発電の原理3 発電する1 いろいろな金属の炎色反応2 サリチル酸から消炎鎮痛剤の原料のサリチル酸メチルの合成3 グルコースの還元性による銀鏡反応、フェーリング反応1 英語ディベートを知る(説明)2 テーマについて調査、検討①3 テーマについて調査、検討②・原稿作成①4 原稿作成②5 ディベート6 ディベート1234561 油彩画とは何か。誕生について。色の扱いについて知る2 実技油彩画制作Ⅰ3 実技油彩画制作Ⅱ4 実技油彩画制作Ⅲ5 実技油彩画制作Ⅳ最終6 レポートのまとめ

1学期 先行研究調べ、研究テーマ設定、予備実験2学期 研究活動3学期 レポート作成、ポスター作成、発表会

【3年 】講座名 回 内容

1 Jamie Oliver氏のTED視聴、ディクテーション、内容理解2 Jamie Oliver氏の主張のまとめ、グループ討議、自由英作文1 ナイロン66の合成2 反応速度と濃度1 法的な観点から問題を考えてみよう2 各自で解決策を出し合い、グループで一つの解決案を提案しよう1 文章読解・意見交換2 意見文作成・相互添削1 100以下の素数をすべて書き出して、素数の現れ方に規則がないかどうか考える2 特殊な形で表される素数について考察する。また素数の無限性の論証を試みる。1 節足動物の解剖、レポート作成2 ニワトリの手羽先の解剖、レポート作成1 気温の地域差について考える2 降水量の地域差について考える1 放射線発見の歴史、発生のしくみや性質、有効利用と被害についての講義、意見交換2 放射性同位体の半減期についてのサイコロを使ったモデル実験、レポート作成

名画に学ぶ油彩画色彩表現の秘密

自然数の和を求めてみよう

英語でプレゼンしよう

New スポーツを作ろう!

社会の諸問題に迫ろう。

プランクトン調査

身近な食材で実験しよう

ハーモニーの仕組みを知ろう

歴史探訪

トレーニングに関する説明及び計画書作成

トレーニング調べ・実践・検証

プログラム作成及び発表準備

私たちが拓く大分県の未来

景観の成り立ちとその分析手法

モノが語る世界の歴史

ゲーム必勝法

『電気と磁気の不思議な関係』

無機化学、有機化学の代表的な実験を体験しよう

英語ディベートにチャレンジ

目的別トレーニングプログラム作成

素数の不思議

動物の構造から進化を紐解こう

放射線を調べよう!

気候の地域差について考えよう。

普通科課題研究

本物の英語に触れる。

化学実験講座(ナイロン66、反応速度)

自治会で起こったトラブル…あなたの解決案を考えよう!

よりよい表現を考えよう

探究

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課題研究テーマ

研究班名 研究テーマ 生徒数

物理班 縦横比がもたらす飛行距離への影響Ⅱ 6

セッケン班 温泉における石鹸の泡立ちの改善 6

ニホンザル班高崎山のサルはヒトをどう見ているのか?~餌付けされたニホンザルのヒトに対する行動分析~

大分市教育委員会文化財課 栗田博之 5

ナツヅタ班 ナツヅタの吸盤の付着力と葉について 6

ヒートアイランド班 ヒートアイランド現象の抑制 5

がん細胞班 苦み、辛みによるがん細胞の増殖の抑制 大分大学医学部 菓子野元郎 5

議席配分班理想的な議席配分方法~各議席配分方法により配分される議席数の比較~

4

OPS班OPSと得点率の関係~打率重視の打順とOPS重視の打順の平均得点差~

3

分野別講演会

分野 演 題

体育・栄養学 プレゼンテーションの達人と勝つための栄養学 大塚製薬 大分出張所 森岡  剛 氏

国際関係 経済学について APU アジア太平洋学部 淵ノ上英樹 氏

法学系統 弁護士という仕事 堀法律事務所 堀 哲郎氏

教育学系統 「学び」とは何かを考える 大分大学教育学部 永田 誠氏

理学系統 相対論シミュレーターをつくろう 九州大学理学部 松井 淳氏

工学系統 勉強グッズの工夫で成績アップ 九州大学 芸術工学部 村木 里志氏

農学系統 管理栄養士になるための学び 別府大学 食物栄養科学部 木村 靖冶氏

医学・看護学 医師になるまで、医師になってからうちのうリハビリテーションクリニック

矢坂 冶彦氏

分野 職業

行政 労働基準監督官

経済 銀行員(大分銀行)

法学 土地家屋調査士

サービス 元キャビンアテンダント

放送 テレビ局(大分朝日放送局)

医療・看護 歯科衛生士

医療・保健 理学療法士(大分大学)

医療・医師 医師・(うえお乳腺外科)

医療・その他 救急救命士

工学 電気工事業(ホーチキ大分)

情報 システムエンジニア

講 師

外部指導者

フューチャーファクトリー

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活動紹介2年 探究講座 数学「ゲーム必勝法」

担当 数学科;松本先生,三浦先生

6時間の探究講座で、2年生32名が受講しています。「碁石取りゲーム」を班ごとに行い、その必勝法について考察していきます。現在、4時間目が終了し、必勝法についての分析作業を行っているところです。5時間目にレポート作成。6時間目に発表と続きます。この講座を通して、論理的思考力や科学的探究力および表現力の基礎を身に付けます。

大分スーパーサイエンスコンソーシアム 開始式

平成 年度「大分スーパーサイエンスコンソーシアム」 始動!

年理数科 課題研究 スタート!

課題研究 研究テーマ

★高崎山自然動物園でニホンザルの行動調査を行っている研究班

研究分野 研究班 研究テーマ 仮

物理 物理班 紙飛行機と揚力

化学 王水班 王水を使って金を精製する

生物 ツタ班 ナツヅタの吸盤に関する研究

生物 ニホンザル班 餌付けされたニホンザルの人間に対する行動

地学 ヒートアイランド班 地面の成分と温度変化の関係

医学 がん細胞班 がんの転移について

数学 議席配分 アラバマパラドックスの解消による理想の議席配分方式

情報 OPS班 OPSと得点率の関係

大分県立大分舞鶴高等学校 企画推進部

ニュース第50号 6 28 発行

OSSコンソ「大分スーパーサイエンスコンソーシアム(OSSコンソ)」は、SSH指定校の大分舞鶴高校を中心に、大分上野丘高校、大分豊府高校、日田高校をはじめとして県下の普通科高校が連携して、科学に関するさまざまな活動を行う組織です。7期生を迎えた今年も、OSSフェスタ、関西科学研修など科学への興味関心を高める企画が盛りだくさんです!

講演いただいた杉原 厚吉先生

学校紹介をする舞鶴高校生徒

5月14日(土),大分県教育センターで今年度の大分スーパーサイエンスコンソーシアム(OSSコンソ)の開始式が行われました。県内21校の1,2年生165人が参加しました。

開始式に先立ち,科学講演会を行い,明治大学の杉原厚吉特任教授に「不可能立体の不条理の世界」を演題に講演を頂きました。錯覚を利用した「だまし絵」を紹介しながら、脳がだまされる仕組みをわかりやすく解説していただくとともに、会場には、先生が実際に制作した、見る方角によって全く違った形に見える変身立体も展示していただきました。時間があっという間に過ぎるとても興味深い講演でした。科学講演会の後,開始式が行われ,生徒代表として大分豊府高校2年生の佐藤竜生さんより 「友人をつくり時間を無駄にせず,活動できる今を大事にしよう」と、今年度の抱負が述べられました。その後,参加校生徒による学校紹介や昨年度の活動報告,今年度の企画説明,が行われ、大分上野丘高校の有田淳也さんから、科学の甲子園の出場報告がなされました。今年度もOSSコンソの活動を通して,多くの感動を体験し,科学技術への興味・関心を高めてほしいと思います。

年理数科では、「課題研究」の活動に取り組んでいます。 年3学期から班別活動をスタートさ

せ、約 ヶ月かけて研究テーマを決定しました。夏休みには、研究技術のスキルアップを目的とし

て、九州大学や熊本大学などの研究室に実習に行く計画も立てています。今年度は 班が先輩

今年度の

研究発表会

◆ 柏葉祭 文化の部・・・ 月 日(火)◆ 中間発表会 ・・・ 月 日(金)◆ 課題研究発表会 ・・・ 月 日(土)

たちの研究内容を引き継ぎ、さらに研究を深化させていきま

す。また、がん細胞班やニホンザル班は、大学の先生や野

生生物の専門家にご指導いただきながら、より専門的な研

究をすることになりました。9月の柏葉祭では、研究の途中

経過をまとめてポスター発表しますので、ぜひご観覧ください。

タイ王国「ロッブリー科学高校」との交流

大分スーパーサイエンスコンソーシアム大分県立大分舞鶴高等学校 企画推進部

ニュース第 号 7 発行

7月11日 月)~7月14日 木)の4日間、タイ王国ロッブリー科学高校の

生徒が来日し、本校生徒と交流会を行いました。初日は高崎自然公園

やうみたまごを訪れ、日本の野生ザルの様子や水族館の設備の素晴ら

しさに驚いていました。2日目は、本校2年8組理数科の生徒による歓

迎セレモニーに続き、タイと本校教師による化学実験教室、午後からは

大分県産業科学技術センターを訪問しました。また、この日の夜はそれ

ぞれホストファミリー宅にホームステイし、日本の日常生活を体験しても

らいました。3日目は2年生のクラスマッチに参加し、お別れ式でタイの

民族舞踊を全員で踊り、再会を誓って交流会を閉じました。両国の生徒

にとって、実り多き交流会となったようでした。

フェスタ

年 分 野 別 講 演 会

県外科学研修(関西方面)

7月14日(木)に、分野別講演会を行いました。文系4分野、理系4分野

に分かれ、生徒自身が興味を持つ大学の学部学科について、熱心に

聞き入っていました。「大学での授業の内容や風景」、「今、社会が必

要とする人間とは」、「最先端の科学技術」といったどれも興味をそそる、

魅力ある講演会となりました。講演の時間が終わっても質問をし続ける

生徒もいて、自分の中にある熱い思いを講演をして頂いた講師の先生に伝えていました。生

徒の感想の中には、「自分の夢について本気で考えることができた」や「自分が行きたい大学

に向かって全力で頑張りたい」といった進路に対するモチベーション向上につながるものが多

くありました。この講演会をとおして、将来の夢がより具体的なものに

なったに違いありません。是非その夢に向かって今後の学校生活を

実りあるものにしてください。65回生ならきっとできると思います。

期待しています。

7月26日(火)~28日(木)の3日間、OSSコンソの1年生が関西の大学・研究施設を訪問

しました。主な研修先は、大型放射光施設Spring-8(世界最高峰の加速器)・大阪大学レー

ザーエネルギー学研究センター・京都大学地熱研究所・計算化学研究機構(スーパーコンピューター

「京」の運用)・宇宙開発協同組合SOHLA(「人工衛星まいど1号」を開発)などです。日本で

も最高峰の設備と、世界最先端の研究に触れ、『科学の未来』を体感することができました。

また、ホテルでは大阪大学の黒田俊一先生をお招きして

科学講演会を開きました。最先端の研究の世界の話を聞く

ことができました。 今回の研修を通じて、明確な進路目標

を持った仲間とともに、各施設の最新の研究に触れることで、

自分の進学先や将来のことについて考え、今後の

学習意欲の喚起につながったようです。

7月23日(土)に大分県教育センターを会場としてOSSフェスタを開催しました。県下21校

から約170名の高校生が参加し、「遺伝子組み換え実験」や「地層中の水の流れを考える実

験」,「手作りコイルによる誘導起電力の測定実験」など大学や高校の先生による実験講座に

参加しました。また、午前中に 年生が、自分たちの学校で準備をしてきた「考える 」の発

表を行いました。昨年も好評だったこの企画では、今年も各校様々な視点から科学的に捉え

たユニークな発問、発表が飛び出し、生徒同士で議論し合いながら、科学に関して興味を深

めるきっかけとすることができました。午後に行われた

年生対象の「科学実験模擬競技」では、「クリップモーター

で走る模型の車を作り競争する」という課題が与えられ、

異なる高校の生徒4名で構成されたグループで制作に取り

組みました。最終的に走行できる車を作り上げることができ

たグループは少なかったですが、初めて会った

生徒同士でアイディアを出し合いながら作業する

ことの難しさや、楽しさを学びました。

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今年も10月13日(木)にタイの高校生13人が本校にやってきました。これは、大分大学医学部主催の「さくらサイエンスプラン」の一環で、タイの高校生が、日本の高校生の日常を1日体験するものです。歓迎式に始まり、本校およびタイの高校生による「課題研究発表」や、日本文化の体験(書道)、英語、理科の授業への参加などを行いました。本校は、数年前からタイの高校生と積極的に交流を行っており、昨年はロッブリー科学高校と姉妹校の締結を行い、7月には、

ロッブリー科学高校の生徒を受け入れました。また、2月には、

本校理数科の9名がロッブリー科学高校を訪問し、様々な科学交流を行う予定になっています。同世代の高校生との交流を通じて国際感覚を養い、科学的探究力・国際的コミュニケーション力を磨くとともに、グローバルな見地から次世代における日本とタイの健全な友好関係の構築を目指しています。

スキルアップ基礎研修~屋久島自然体験~大分県立大分舞鶴高等学校 企画推進部

ニュース第 号 6 発行

柏葉祭 理数科発表

9月17日(土)に本年度の『大分舞鶴高校体験入学』を県下の中学生・保護者の参加を得て実施しました。

9時からの授業見学につづき、放送部・生徒会による「学校紹介」、理数科生による「理数科」及び「SSH]の紹介が行われ、吹奏楽部の歓迎演奏で第1部を閉じました。

第2部は、本校の独自教科である「SSH探究」の体験授業・・・「ハイレベル科学講座」「数学の神秘へのアプローチ」「ラジオを作ろう」「ナイロン繊維の合成」「DNAを観察しよう」「謎多き日本史」「楽器を作ろう」など15講座の中から、興味ある講座を50分受講・・・その後、希望者には部活動を見学してもらいました。

参加者からは、「舞鶴生の授業態度がとてもすばらしかった。」「学校紹介ビデオも興味深く、進行など全て生徒が主体となっていてすごいと思った。」「SSHや理数科がどのようなことをしているのかよくわかった。」「演奏が素晴らしかった。」などの声が聞けました。県下唯一の理数科を有する大分舞鶴高校で、あなたも文武両道を体現し、高校生活をEnjoyしてみませんか!

タイ高校生来校「さくらサイエンスプラン」

理数科1年生は、世界自然遺産に登録されている屋久島で2泊3日の研修を行い、大自然の中で科学的な自然調査活動を体験しました。

月 日(土)神之川林道・調査報告レポート作成

研修1日目は、屋久島森林生態系保全センターのスタッフの皆さんに指導してもらい、2班に分かれ照葉樹林毎木調査を行いました。

月 日(日)ヤクスギランド・西部林道班別研修・ポスター発表会

研修2日目は3班に分かれてテーマ別の自然調査を行いました。ヤクスギ班とコケ班は、研修センターからヤクスギランドに向かうまでの植生を見ながら移動し、ヤクスギランドのコケ、スギについて各班の調査テーマについて研究調査を行いました。

動物班は、京都大学霊長類研究センターから講師の先生をお招きして、西部林道周辺の照葉樹林の中で、ニホンザルの群れを追跡しながら行動調査を行いました。

この日の夜は、調査した成果をポスター形式にまとめて発表会を行い、お互いに研修内容を深め合いました。屋久島の大自然を体感することで人と自然の関わりについて考えるよい機会となりました。

柏葉祭が9月6~8日の3日間開催されました。6日 火 ・7日 水 の文化の部では、理数科2年生による課題研究ポスターセッションが行われました。2年1・2組の教室を使って、8つの研究班の生徒が自分たちの研究内容について、来場者へ説明し、質疑応答に応じました。発表準備はもちろんのこと、生徒全員で協力して廊下や教室を装飾し、明るく足を運びやすい雰囲気作りに力を入れました。発表内容や質疑応答の様子も来場者に大変好評でした。

各班の発表内容は以下の通りです。・物理班 「発射時の仰角がもたらす 飛行距離への影響」・セッケン班 「石けんと金属イオンの価数の関係」・ナツヅタ班 「ナツヅタの壁面付着」・ニホンザル班 「高崎山のサルはヒトをどう見ているのか」・がん細胞班 「シメチジンによる がん細胞の転移の抑制」・ヒートアイランド班 「保水性舗装」・議席配分班 「理想的な議席配分方法」・OPS班 「OPSと得点率の関係」研究もまとめ段階に入り、現在は論文の作成中です。また、1月14日 土 に課題研究発表会が行われます。それに向けて、発表練習も同時に行っていきます。

ヘルメットをかぶり毎木調査を行いました

屋久島のサル

平成29年2月8日(水)~12日(日)まで、姉妹校であるタイのロッブリー科学高校での合同研究発表会( Science Fair 2017)に理数科2年生9名で参加してきました。参加生徒は、課題研究の成果をパワーポイントを用い英語で発表し、タイの高校生と活発な意見交換を行うなど、大変貴重な体験ができたようです。親日国であるタイの人々は、全行程において私たちを心から歓迎して下さりました。交流会では浴衣姿で本校生徒たちが披露した「盆踊り」が大好評で、最後

は彼らを囲み会場が一つとなり全員で踊りました。生徒同士も英語を使って積極的に交流するなど、国を超えた大きな絆を感じました。4月にはロッブリー校の生徒が本校を訪問します。その際には全校生徒で彼らを歓迎し、有意義な研究発表会や文化交流を行いたいです。

◆参加生徒の感想(一部抜粋)タイの生徒たちの英語力と物事に対する積極的な姿勢やパソコンやスマートフォンを活用した授業に驚いた。/ 彼らの研究内容はかなりの高水準で説明も簡潔でわかりやすかった。自分のリスニング力はまだ未熟だと感じた。/ 現地の日本企業訪問を通して世界に進

出するにはやはり英語が必要だと感じた。/ 日本にいるだけでは感じられない日本の良さを実感するとともに、その国の人や文化を受け入れる国際感覚が身についた。 / 現地の人の心遣いに感動し、日本の高校は勉強や生活環境がとても恵まれていると思い、この環境に見合うようにもっと学習しなければと思った。

年理数科課題研究発表会

タイ海外研修大分県立大分舞鶴高等学校 企画推進部

ニュース第53号 7 発行

台湾研修

12月14日~17日までの3泊4日の日程で「OSS台湾海外研修」を行いました。理数科8名とOSSコンソ生12名(舞鶴4名、上野丘1名、豊府5名、日田1名、中津南1名)の計20名が本研修に参加し、台湾の高校と大学を訪問しました。国立交通大学では、まず、杉山教授から講義を受け、その後、研修参加者による英語の課題研究の発表を行いました。杉山教授と国立交通大学の学生から研究発表に対して、質問やアドバイスをいただくことができました。さらに、大学の研究施設や研究室を訪問し、国際的な最前線の研究の現場を見学することができ、生徒たちも非常に興味をもって、目を輝かせていました。日本の高等学校に当たる国立花蓮女子高級中学では、日本と台湾双方の生徒が英語による研究発表と質疑応答を行いました。花蓮女子高級中学の生徒による発表はレベルが高く、参加生徒たちは、英語の流ちょうさにも驚かされ、大きな刺激を受けていました。昼食時には、日本と台湾の生徒たちが一緒に教室で食事を取り、台湾の生徒によるダンスやお互いのプレゼント交換などを行い、楽しい雰囲気の中で交流を深めることができました。今回の台湾研修で、今後の英語学習や課題研究活動

に活かされる貴重な経験ができました。

年 探究 国際情報発表会

12月22日(木)に1・2年生国際情報合同発表会を行いました。2年生は2学期の初めから国際情報の授業において修学旅行で訪問するベトナム・カンボジアについて調べ学習を行い、英語でのプレゼンテーションの準備を進めていました。修学旅行から帰国後は現地で実際に感じたことなどを盛り込み、それぞれの班が研究の成果を発表することができました。発表会では英語で発表と質疑応答を行い、1年生も積極的に英語で質問をし、2年生も一生懸命英語で答える様子が見られました。さらに、2年2組の代表班は、2月1日(水)にホルトホール大分で行われたSSH成果発表会で、多くの聴衆を前に堂々と英語で発表を行い、国際情報の授業での成果を披露することができました。

分野 研究テーマ

1 医学 苦み、辛みによるがん細胞の増殖の抑制

2 生物 ナツヅタの吸盤の付着力と葉について

3 地学 ヒートアイランド現象の抑制

4 情報 OPSと得点率の関係

5 生物 高崎山のサルはヒトをどう見ているのか?

6 物理 縦横比がもたらす飛行距離への影響Ⅱ

7 地学 温泉における石鹸の泡立ちの改善

8 数学 理想的な議席配分方法

月 日(土)、理数科 年生が 年間取り組んできた課題研究の成果を発表する「課題研究発表会」が、大分県総合社会福祉センターで行われました。各研究班は、研究の内容をわかりやすく伝えるために、発表用スライドに工夫をこらし堂々とした態度で発表していました。会場には、来年度理数科に進級する本校 年生、他校の高校生や中学生などが多数参加し、研究内容について熱心に質疑応答が交わされました。入賞した3班は、来年度の 生徒研究発表会または中四国・九州地区理数科高等学校課題研究発表大会に本校代表として参加します。

最優秀賞 ニホンザル班優 秀 賞 物理班

ナツヅタ班

表 彰

課題研究発表会プログラム

★セッケン班に対する質疑応答

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平成 27 年度指定 大分県立大分舞鶴高等学校

スーパーサイエンスハイスクール実施報告書 第2年次

発行日 平成 29 年 3 月 31 日

発 行 大分県立大分舞鶴高等学校

〒870-0938

大分市今津留 1丁目 19 番1号

TEL: 097-574-9127(ダイヤルイン)

FAX: 097-558-2293

URL: http://kou.oita-ed.jp/oitamaizuru/

E-mail: [email protected]

印刷所 小野高速印刷株式会社

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平成 27 年度 文部科学省指定

スーパーサイエンスハイスクール

研究開発実施報告書 第 2 年次

平成 29 年 3月

大分県立大分舞鶴高等学校

平成二十七年度指定

スーパーサイエンスハイスクール

研究開発実施報告書・第二年次

平成二十九年三月

大分県立大分舞鶴高等学校

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平成 29 年 3月

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