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外国語学部科目「英語ライティング 2」 講義用資料 パラグラフライティングの技法と エッセイの構成法 出典:「ライティングマラソン」(第4 巻) 第 15 週:英文レポートの書き方とパラグラフライティングの技法 (pp.121-176) 染谷泰正/アルク (c) Someya Yasumasa 1986 (v1), 1994 (v2)

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外国語学部科目「英語ライティング 2」

講義用資料

パラグラフライティングの技法と

エッセイの構成法

出典:「ライティングマラソン」(第 4 巻)

第 15 週:英文レポートの書き方とパラグラフライティングの技法 (pp.121-176)

染谷泰正/アルク

(c) Someya Yasumasa 1986 (v1), 1994 (v2)

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W'riting Marathon Textbook 4

3 パラグラフライテイングの技法

小川:パラグラフライテイングについてはこれまでにも折に触れて述べてきたわけだけ

ど、その基本的なポイントは、いま言った「英文はパラグラフを単位に構成する」という

ことと、「ひとつの単位としてのパラグラフは、原則として主題文(主題の提示)→支持

文(主題の敷街・解説・例証)→結文(全体のまとめ)という 3つの要素からなる」

(Text 2, p. 179)ということね。

竹田:はい。

小川:もちろん原則はあくまで原則で、先ほどチェックしたプロポーザルのように、原則

を踏まえたうえでさまざまなバリエーションを展開するのはいっこうにかまわないんだけ

と原則を無視して、あるいは原則を知らずに行き当たりばったりで書くのは感心しない

わね。

竹岡:そうですね。自分の経験からしても、単なる,思いつきや勘に頼って書いているうち

は、うまくいったりいかなかったりで、安定して書けるようにはならないと思います。

小川:そうね。まあ、簡単なレターやメモランダムの場合にはそれでもなんとなくうまく

納めることもできるんだけど、ちょっと長いものになると思いつきや勘だけではどうにも

ならないわね。

竹田:はい。そう思います。

小川:で、もう一度ここでパラグラフライテイングということについて、これまでに学習

したことを理論と実践の両面から復習しておきたいと思うんだけど、まず、ひとつの例と

して、第8週で、ゃった SampleLetter 40 (Text 2, p. 177)をもう一度チェックしておき

ましょう。この文例は、パラグラフライテイングの原則に従って構成されたビジネスレタ

ーの~wrrで、形としては 3 つのパラグラフに分かれているけど、実質的には全体でひとつ

のパラグラフと考えていいわc

Figure 133:パラグラフライテイング、の原則に沿ったビジネスレターの例

We re∞ived your monthly invoice in the amount of U.S. 導入部

$15司000for the expenses of our staff staying at your hoteL and we believe that there is an error in your calculation. ←主題文

The rooms for the above ten staff members concerned are 展開部(主題文を

charged at the rate of $50 a day. According to our contract 具体的に説明)signed on January 10, 19ー, however, this should be $30, and the total amount payable for June should have been U.S. $9,000 only.

Please refer to the above contract and send us a revised in- 結部

vO¥ce.

竹田:ああ、これはよく覚えています。たしか、この文例の解説の中でも、これはパラグ

ラフライテイングの原則に忠実に従った文例だとおっしゃっていたように思います。

小111:ええ。このレターでは、第1文がいわゆる導入部で、ここではビジネスレターの書

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Week 15

き出しの基本パターンに従って、まずイニシエーターに言及しながら、これを andで受

けて全体の主題一一つまりこの場合は「インボイスの計算ミス」ということになるわけだ

けど、これを提示しているわけね。

竹田:はい。構成上は、この下線で示した.. . we believe that there is an error in

your ca¥culation.という部分が主題文ということになりますね。

小川:そういうことね。で、これを次の第2文と第3文で具体的に展開しているんだけど、

ここではまず Therooms for the above ten staff members concerned are charged at

the rate of $50 a day.と述べて議論の前提となる現状を確認し、これを Accordingto

our contract signed on January 10, 19ー‘ however,this should be $30, . • .と展開し

て、最後に andthe total amount payable for June should have been U.S. $9,000

only.という結論を提示するという構成ね。

竹田:そのあと、最後のパラグラフで全体をまとめ、次のアクションにつなげているわけ

ですね。こうしてみると、余計なことはいっさい述べずに、必要最小限の情報だけで文面

を構成しているのがよくわかります。

1)パラグラフの基本構成と方程式

小川:そうね。そういう意味でもこのレターはいし、お手本になると思うわ。先ほと?言った

とおり、このレターは実質的には全体でひとつのパラグラフと考えていいわけだけど、こ

れをひとつのパラグラフと見た場合、その基本構成を次のように図式化して要約すること

ができるわ。いわば、英文パラグラフの一般公式ね。

Figure 134:パラグラフの基本構成と方程式

TS .... .. SSl ........... .

.. SS2 .... . . SSn .

. CS/TRS

P = Paragraph TS = Topic Sentence主題文

P = TS + SSI-SSn + CS/TRS

SSl-SSn = Supporting Sentences支持文(説明文)CS/TRS = Closing Sentence/Transitional Sentence結文/移行文

竹田:なるほど。先ほとeおっしゃった「ひとつのパラグラフは原則として主題文、支持文、

結文という 3つの要素からなる」というのを公式化して表すと P= TS + SSI-SSn +

CS/TRSということになるわけですね。

小川:そういうことね。ちなみに、先ほど Figure131のところで、チェックした第6パラ

グラフの例文も、書き換え例 (p.141)のほうはこの方程式どおりになっているわね。

竹田:そうですね。最初に TSがあって、そのあと支持文が SSlから SS4まで4つ続い

て、最後に CSがくるという構成でした。ところで、この TRS(TRansitional Sen-

tence)というのはどういうものなんでしょうか。

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W'riting Marathon Textbook 4

小川:これはいわゆる移行文というやつで、次のパラグラフへの橋渡しをするセンテンス

ね。文章の全体がひとつのパラグラフだけで完結する場合は、最後に CSを置いて全体

をまとめるわけだけど、いくつかのパラグラフにわたって議論を展開する場合には、それ

ぞれのパラグラフごとに CSを置くということは比較的少なくて、その代わりに、次の

パラグラフへの橋渡しをする TRSを置くことがあるのね。

竹田:ふーん。場合によっては CSが次のパラグラフへの TRSを兼ねるということもあ

るでしょうね。

小川:ええコもちろんそういうケースもたくさんあるわc それから、次のパラグラフの

TSがその前のパラグラフに対する TRSとしての機能を果たしている場合もあるわね。

たとえば、先ほどチェックした Figure131の文例では第3パラグラフの冒頭にある In

view of the above, 1 recommend that we replace our present copy machine.という

センテンスが、このパラグラフの TSであると同時に、その前のパラグラフとの橋渡し

をする TRSにもなっているわ。

ttHl :なるほど。

小111:それから、複数のパラグラフにわたって議論を展開する場合、特に CSもTRSも

なしでそのまま次のパラグラフに進むということもあるわ。たとえば、同じく Figure

131の第 6パラグラフには Thisoption, therefore, is eliminated という CSがあるの

に対し、そのあとの第7-第9パラグラフには特に CSやTRSに当たるものがなかった

でしょう?

竹111:そうでしたね。あの場合は、それぞれのパラグラフごとに CSを加える代わりに、

そのあとのパラグラフで一括してまとめるというスタイルになっていました色

小川:そういうことね。つまり、ひとつのパラグラフは原則として P= TS + SSI-

SSn + CS/TRSという方程式に従って構成するんだけど、複数のパラグラフからなる文

章の場合は、かならずしも各パラグラフにすべての構成要素が必要というわけではないと

いうことねJ ただし、主題文 (TS= Topic Sentence)と、これを具体的に説明する支持

丈(SS= Supporting Sentences)がないものはパラグラフとは呼べないわけで、このふ

たつだけはどんな場合にも必要な要素ということになるわ九

竹川:はいο それはわかります。

? l¥¥

ただし、強調などの理由のために、特に論理構成上の必然性なしに特定のセンテンスを独立のパラグラ

フとして扱うことがある。また、レター形式のレポートなどでは、特定の主題文や支持文を伴わなし込形式的

な導入者1¥や結部を置くことがある。

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Week 15

2)エッセーの基本構成と方程式

小川:ところで、通常のビジネスレターの場合は、先ほどの SampleLetter 40の例もそ

うだ、ったように、たいていの場合はひとつの主題文を中心に議論を展開するわけで、その

意味では、いわゆる oneparagraph essayに相当するものと考えていいんだけど、 Fi-

gure 131のような長文のプロポーザルやレポート、あるいはエッセーなどでは大きな

topicをいくつかの subtopic(s)に分けて議論するのが普通ね。

竹間:はい。

小川:で、その場合は当然、パラグラフの数も subtopicの数に応じて増えていくわけだ

けど、仮に、ある特定の主題に関して複数のパラグラフにわたって議論を展開したものを

「エッセー」と呼ぶとして、その構成は原則として次の Figure135のようになるわ。

Figure 135:エッセーの基本構成と方程式

¥¥;χヶOP

SPl

SP2

SPn

/ノポ;;;;;;;;cp

E = [OP3T] + SPl-SPn + [CPヨC]*

E Essay

OP Opening Paragraph T Thesis statement SPl-SPn Supporting Paragraphs CP Concluding Paragraph C Conclusion

キ OPヨT,CP3C →ここでは OP,CPが

それぞれその要素としてあらかじめ T,

Cを含むことを示す。 TS,SS, CS/TRS

については Figure134参照。

小川:このモデルを、先ほと寺のパラグラフの方程式にならって公式化すると E= [OP3

T] + SPl-SPn + [CPヨC]となるんだけど、これを言葉で説明すると「ひとつのエッ

セー (E)は、エッセーの主題文 (thesisstat巴ment= T)を含む openingparagraph

(OP)と、その主題を具体的に論じた複数の supportingparagraphs (SPs)および、全

体の結論(conc1usion)を含む conc1udingparagraph (CP)から構成される」というこ

とになるわ。

竹111:なるほど。言葉で表現したほうがわかりやすいですねc で、その supporting

paragraph (SP)の内部構成は、先ほどご説明いただいたパラグラフの方程式に従って、

TS + SSl-SSn (+ CS/TRS)というスタイルになるわけですね。

小川:そうね。 CSとTRSをカッコでくくってあるのは、省略されることもあるという

意味ね。

竹UJ:第 1パラグラフに thesisstatementというのがありますが、これは?

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MIriting Marathon Textbook 4

小川:thesis [ei:sis 1というのは「主題、論題、命題」という意味なんだけど、これは

topicの上位概念と考えたらいいと思うわ。つまり、次のような関係ね。

副主題

竹田:なるほど。要するに、 thesisが maintopicで、その下の topic1から topicnが

subtopic( s)に相当するものと考えればいいわけですね。

小川:そうね。でも、混乱を避ける意味で、一般には、ひとつのパラグラフ内での主題を

topicと呼ぴ、複数の topicsをカバーする大主題を thesisと呼んで区別するのが普通ね。

で、この thesisstatementというのは、一般には「…は…である」という形式で表され

る命題、あるいは主張のことで、これを SPlから SPnの各パラグラフで具体的に論証し、

最後に「以上述べたとおり/したがって、…は…である」という結論(conclusion)にい

たるというのが典型的なエッセーの構成ね。これは、一般のプロポーザルやレポートの場

合も、現状報告型のレポート以外は基本的には同じだと考えていいと思うわ。

竹田:そうすると、エッセーの結論というのは、基本的には thesisstatementの再現、

または確認ということになるわけですね。

小111:そういうことになるわね。ただし、一般には、そのままの形で繰り返すのではなく

て、多少の言い換えをしてバリエーションを加えるのが普通ね。たとえば、 Figure131

の文例では、第 3パラグラフ官頭の.• . 1 recommend that we replace our present

copy machine as soon as possible. 1 further recommend . . . that we do this by pur-

chasing an NBM faxcopier, Model AX-5000.という thesisstatementを、最終パラ

グラフで.. . 1 propose that we proceed to purchase the AX・5000immediately.と

言い換えていたでしょう?

竹田:なるほど。そう言えば、そうでしたね。

3)パラグラフライティングの原則に従って shortessayを書く

小川:以上、「パラグラフ」と「エッセー」の基本構成についてごく簡単に整理したわけ

だけど、次に、実際にパラグラフライテイングの演習をしてみましょうか。

竹田:はい。

小川:これまでの説明でもおわかりのとおり、エッセーは基本的にはひとつのパラグラフ

をそのまま拡大したものだから、まずは Figure134のモデルに従ってひとつのパラグラ

フを作る作業から始めましょう。で、ひとつのパラグラフを作るためには、当然、その中

心となる主題文が必要なんだけど、ここでは、とりあえず次のセンテンスを主題文として

話を進めるわ。これがステップ1ね。

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Week 15

STEP 1:主題文 (TS)を書き出す

TS I Word proccssing hasbecome one of the most important study skills for

Japanese college students today, and you should learn it at the very begin-

ning of your college life.

竹田:なるほど。つまり、「ワープロ習得の勧め」とでも言うべき内容のエッセーになる

わけですね。

小川:そうね。したがって、以下、ワープロを習得することの利点やその必要性をいくつ

かあげて、最終的に、これを読む人一一この場合は Japanesecollege studentsを想定し

ているわけだけど、彼らがなるほど“1should learn it at the very beginning of my

coll巴gelife."だと納得してくれれば成功ということになるわ。

竹間:うーん。なかなかむずかしそうですね。

小川:まあ、そううまくいくかどうかは別として、とりあえず書くだけ書いてみましょう。

念のために言っておくと、この練習の目的はもっぱら英文ライティングの「技術」の習得

ということであって、文学的な意味での文章の「質」は原則として問わないことにするわ。

さて、主題文が決まれば、次のステップは、この主題文に対応する支持文と結文を書き出

すわけね。支持文はだいたい3つ程度を目安にするといいと思うわ。

竹田:つまり、このトピックセンテンスを 3つの観点から、あるいは3つの例をあげて説

明するわけですね。

小川:ええ。最初から完全なものを書こうとするとなかなか先に進めないから、とりあえ

ず、前後のつながりとかはあまり気にせず、思いついたことをセンテンス単位で書いてい

けばいいわ。

竹田:まとめのセンテンスはひとつでいいんで、すね。

小川:そうね。もっとも、ポイントはひとつのことについて述べるということで、あって、

そのために必要ならセンテンスの数は特に問わないわ。ただし、結びはできるだけ簡潔な

ほうがいし、わね。で、時間があれば竹田君に SSlから SS3のセンテンスと CSを作って

いただきたいんだけど、ここはとりあえず次のようなデータを仮に記入しておきましょう O

STEP 2:主題文に対応する支持文(SSl-SSn)と結文(CS)を書き出す

TS I Word processing has become one of the most important study skills for

Japanese colleg巴 studentstoday, and you should learn it at the very begin-

ning of your colleg巴 life.

SS 1 I Learning to usc a word processor can save you a lot of tim巴.

SS 2 I It can also save you a fair amount of money.

SS 3 I It could incr巴aseyour chance of getting good grades on your assignments.

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W'riting Marathon Textbook 4

CS I You would do well to acquire word processing skills at the earliest possi-

ble stage of your college Iife.

竹田:なるほど。ワープロの習得の利点として、時間と金の節約、それにレポートなどの

assignmentsの制面がよくなる可能性があるという 3点をあげたわけですね。

小川:ええ。結文 (CS)は基本的には主題文の再現でいいわけだから、先ほどの主題文

(TS)の後半部を少し表現を変えて記入しておいたわ。

竹田:そうですね。 shouldをwoulddo w巴IIに、 Iearnをacquireに、それから atthe

b巴ginningofをatthe earIiest stag巴 ofにそれぞれ言い換えてますが、内容的には主題

文の再現ということになってると思います。

小川:で、次にこれをつなげてひとつのパラグラフにするわけだけど、このままでは文章

にはならないから、適当な移行調・連結詞を使って各センテンスをつなげると、次のよう

になるわ。

STEP 3:移行詞・連結調を使って各センテンスをつなげる

Word processing has become one of the most important study skilIs for Japanese

colIege students today, and you should learn it at the very beginning of your col-

lege life. For one thing司 learningto use a word processor can save you a lot of

time. It can also save you a fair amount of money. Above alI, it ∞uld increase

your chance of getting good grades on your assignments. For alI these reasons, you

would do well to acquire word processing skills at the earliest possible stage of

your college life.

竹田:うーん、なるほど。これで一応パラグラフとしての形は整いますね。

小川:ええ。でも、内容的には不十分ね。

竹田:そうですね。ぼくもその点が少し気になってました。 Learningto use a word

processor can save you a lot of time.とかItcan also save you a fair amount of

money.と言っても、これだけでは具体的にどのように時間や金の節約になるのかわかり

ませんから、説得力がないと思います。

小川:そういうことね。仮に、ステップ2で記入した SSlから SS3 までの各センテン

スがもう少し具体的な内容を伴うものであれば、この段階で作業は終了ということになる

んだけど、残念ながら、このままでは説明不足ね。で、こういう場合は、それぞれの支持

文(SS)をさらに詳しく説明するためのセンテンス一一これを extender(s)というんだけ

ど、これを追加するわけ。たとえば、いまあなたがおっしゃったことを具体的に説明する

ための extenderをそれぞれの支持文に付け加えると、次のようになるわ。ちなみに、こ

こから、ひとつのパラグラフをエッセーとしてふくらませる作業に入ることになるわ。

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Week 15

STEP 4:各支持文に補足説明文(エクステンダー)を加える

TS Word processing has become one of the most important study skills for

Japan巳secollege students today, and you should learn it at the very begin-

ning of your colleg巴 life.

SS 1 For one thing, learning to use a word processor can save you a lot of

t1me.

Ext. → Instead of laboriously handwriting lengthy assignments, students with

wordproc巴ssingskills can produce a neat‘clean paper in a fraction of the

time. In fact, if you have a typing speed of 50 words a minute or more,

you can actually write twice as quickly as those who handwrite their

asslgnments.

SS 2 It can also save you a fair amount of money.

Ext. → Nowadays, a professional word processing service would cost about 800

yen per page, and if you have to hand in six or seven 10・pageassignments

each semester, you may end up paying out up to 112,000 yen an academic

year. This is a cost quite prohibitive for most students.

SS 3 Above all司 itcould increase your chance of getting good grades on your

asslgnments.

Ext. → A well-designed, neatly printed paper gives the professor a much better

impression than does a handwritten paper. Chances are you will get a bet-

ter grade on your assignment if it “looks" professional. Although this may

be wishful thinking, one thing for sure is that you will never be punished

on this account.

CS For all these reasons, you would do well to acquire word processing skills

at the earliest possible stage of your college life.

→語句解説は pp.154-155参照。

竹田:うん、これなら話はよくわかります。

小川:でしょう? もっといろいろな事例をあげて詳しく説明することもできるけど、と

りあえずこのくらいの具体性があれば十分でしょう。で、これをそのままひとつのパラグ

ラフとしてまとめてもいいんだけど、このくらいになれば、ひとつのエッセーとして十分

な長さがあるから、むしろ次のように全体を 5つのパラグラフに分けて提示するほうがい

いわね。ちなみに、よりエッセーらしくするために、第3、第4パラグラフの主題文に少

し手を加えて、結びのパラグラフにも新しいセンテンスをひとつ追加しておいたわ。この

最後の調整と仕上げの段階がステップ5ということになるわね。

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w'riting Marathon Textbook.4

Figure 136:パラグラフライテイングの原則に沿った shortessayの例

Word Processing Skills and College Life

Word processing has become one of the most important study

skills for Japanese college students today, and you should learn it at the very beginning of your college life.

For one thing, learning to use a word processor can save you a lot of time. Instead of laboriously handwriting lengthy assign-ments. students with word processing skills can producea neat, c1ean paper in a fraction of the time. In fact‘if you have a typing speed of 50 words a minute or more, you can actually write twice as quickly as those who handwrite their assignments.

For another, being able to use a word processor can also save

you a fair amount of money. Nowadays, a professional word proc-

essing service would cost about 800 yen per page、andif you have to hand in six or seven lO-page assignments each semester‘you may end up paying out up to 112,000 yen an academic year. This

is a cost quite prohibitive for most students. Above all, the biggest payo任 ofacquiring word processing

skills may be that it could increase your chance of getting good grades on your assignments. A well-design巴d,neatly printed paper gives the professor a much better impression than does a hand-written paper. Chances are you will get a better grade on your

assignment if it“looks" professional. Although this may be wish-ful thinking、onething for sure is that you will never be punished on this account.

For all these r巴asons,you would do well to acquire word proc-essing skills at the earliest possible stage of your college life. This

will not only ensure your success as a student, but also help you enjoy your college life by making it possible to put to better use your precious time and money which would otherwise be wasted.

[語句解説1(r第15週のまとめJpp. 162・167も参照)

口forone thing ひとつには

口insteadof (doing) something . . . …の(-する)代わりに

口laboriously[1<lb5:ri<lsli] 骨折って、難儀して

口lengthy 長ったらしい

口assignment 学校の)宿題、課題、(仕事などの)割り当て、割り当てられた仕事

口neat きちんと整った、適切な、手際のし、~ > (= skillful)、すばらしい(=excellent)

Dpaper 論文、(授業の課題として提出する学生の)レポート(=term paper)

口ina fraction of the time その時間のほんの一部で

口foranother もうひとつには1>for one thingに対応する。

口nowadays 近ごろ(は)、最近(で)は

口handin 提出する

口semester 学期

口endup doing something 最後には・・することになる、ーするはめになる

口payout (大金を)払う/出す

口prohibitive (値段や費用がひどく高くて)買えない/手が出なし、くらい(の)

口aboveall (things) とりわけ、なによりも

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Week 15

口payoff 報酬、見返り

Dacquire 獲得する、得る、(能力などを)身につける

口chancesar巴 おそらく…だろう、ーということになるだろう [>f第14週のまとめ」の語句解説 (p.100)

参照。

口wishfulthinking (根拠のない)願望的思考、甘い考え

口onething for sure (is . . .) ひとつたしかなこと(は)

口(be)punished on this account そのせいで(それを理由に)ひどい日に道う [>punish[pλniSlは「罰

する」の意味。略式では f(人を)ひどい自に遭わせる、やつつける」とし寸意味でも使う。

口forall these reasons こうした理由で

口dowell to do something ーするのが賢明である

口ensure 成功などを)保証する、確実にする(=make sure)

口putsomething/someone to・・・ (人や物を)…(の用)に当てる、…に用いるじ>e.g. put time to

good use f時間をうまく使う(よいことに使う)Jo put to better use your precious time and money

はputyour precious time and money to better useの倒置用法(このあとにwhich節を続けるため

に倒置したもの)。

口whichwould otherwise be wasted さもなくば浪費されたであろうところの

[本文仮訳]

ワープロによる文書作成は、今日の日本の大学生にとって必須のスタディスキルの

ひとつであり、大学生活のごく初期の段階で習得すべきものである。

ひとつには、ワープロを習得することによって時聞を節約することができるという

利点がある。長ったらしい課題を苦労して手書きする代わりに、ワープロを使える学

生はその時間のほんの一部を費やすだけで、きちんとレイアウトされたきれいなレポ

ートを作成することができる。実際、もし 1分当たり 50語またはそれ以上のスピード

でキーボードを打つことができれば、手書きの場合にくらべて2倍も速くレポートを

書くことができるのである。

また、自分でワープロを操作することができれば金の節約にもつながるというメリ

ットがある。最近のワープロサービス業者の相場は 1枚当たりおよそ800円であり、

仮に10ページのレポートを 1学期に 6つないし 7つ提出しなければならないとする

と、年間では11万2000円もの出費になってしまう。これは、一般の学生にとって簡単

にまかなえる額ではない。

なによりも、ワープロの操作を習得することの最大の見返りは、それによってレポ

ートのE哨面がよくなる可能性が増すということだろう。上手にデザインされ、きれい

にプリントされたレポートは、手書きのレポートにくらべてよい印象を教授に与える

ことができる。外見だけでもその道のプロが書いたように見えるレポートは、おそら

く(そうでないものよりも)いい評価をもらえる可能性がある。そう期待するのはい

ささか甘いとしても、見てくれのよいレポートを書いたからといって』成点されること

だけはないだろう。

こうした理由から、できるだけ学生生活の初期のうちにワープロの技術を習得して

おくことが賢明であることは明らかである。そうすれば、学生としての本分もよりよ

くまっとうできるだろうし、無駄に費やされたかもしれない時間とお金を有効に活用

することで、学生生活をいっそうエンジョイすることができるようになるだろう。

155

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w'riting Marathon Textbook 4

竹田:うーん、なるほど。これで、すっかりエッセーらしくなりましたねc

小川:そうね。内容はともかくとして、これで英文エッセーとしての形式はそれなりに整

ったということになるわね。ちなみに、このエッセーのリーダピリテイスコアは62で、一

応、 plainEnglishの標準値内に納まる英文になっているわヘ

竹田:62ですか。そういえば、たしかに先ほどの Figure131の文例 (p.130)とくらべ

ると、こちらのほうがうんと読みやすいですね。

小川:プロポーザルとエッセーという性格の違いがあるから単純に比較はできないけど、

こちらのほうが、より writeas you talkの原則に従った英文になっていることはたしか

ね。それに、パラグラフごとに Forone thing, For another, Above all, For all these

reasonsというように、論理の骨格を明示しながら議論を進めていることも、読みやすさ

を増しているひとつの大きな理由ね。

竹岡:そうですね。Figur巳 131の場合も、 besides,therefore, however司 inadditionな

どの連結調・移行調をうまく使って議論を展開していましたが、どうやら、これがわかり

やすい文章を書くひとつのコツのようですね。

小川:ええ。これは重要なポイントね。

竹田:ところで、この Figur巴 136のエッセーでは、最終的に第3パラグラフと第4パラ

グラフの各主題文に少し手を加えてあるわけですが、これについて簡単にご説明いただけ

ますか。

小)11:そうね。第3パラグラフはItcan also save you a fair amount of money.とい

うのを Foranother, being able to use a word processor can aIso save you a fair

amount of money.と書き換えたんだけど、まず、この Foranotherというのは第2パ

ラグラフの Forone thingに対応させたわけね。これは特に問題ないでしょう?

竹田:あ、はい。それはわかります。

小川:で、そのあとの itをbeingable to use a word processorとしたのは、 itのまま

だとこれがなにを指すのか不明瞭だからね。ステップ3(p. 152)までの段階では特に問

題ないんだけど、 Figure136のように先行詞 (learningto use a word processor)との

聞がこれだけ離れると、 itは使えないわ。ただし、 l巴arningto use a word processorと

いうのをそのまま繰り返すのも能がないから、少し形を変えたわけ。

竹田:なるほど。

小)11:第4パラグラフも同じね。原文は Abov巴 all司 itcould increase your chance of

getting good grades on your assignments.となっているわけだけど、ここでも itのま

まだと意味が不明瞭だから、 Aboveall, the biggest payoff of acquiring word processing

skills may be that it could increase your chance of getting good grades on your

assignments.という形にして、 itの先行調を同一センテンス内で明示したのね。

ホ Figur巴 136のエッセーのセンテンス当たりの平均語数は22.8語。 1∞語当たりの平均音節数は144。

156

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Week 15

竹田:たしかに、こうすればitがなにを指すかIYJらかになりますね。しかし、同じこと

をlearningto usc a word processor; bcing ablc to use a word proccssor: acquiring

word proccssing skillsと少しずつ言い換えていくというのは、文章のバリエーションを

出すとし、う意味では効果的ですね3

小川:ええ。まったく同じフレーズを繰り返して強調効果を狙うという修辞技法もあるん

だけど、このように、少しずつ言い換えながら議論を展開していくという方法も覚えてお

くといいわねh あと、結びのパラグラフにひとつセンテンスを追加しておいたんだけど、

この理由というか、意図はおわかりかしら?

竹10:はあ……。よ、よくわかりませんが、たしかに、 Forall these reasons, you

would do well to acquire word processing skills at the earliest possible stage of your

college Iife.というセンテンスだけではなにか物足りないような気がします。

小川:そうね。そのセンテンスは主題文の再現で、どうしても落とせないわけだけど、や

はり、そのあとにひとつ気の利し、た punchlineがほしいわね。それに、全体のバランス

から言っても、あとひとつかふたつのセンテンスを最後に加えないと、形が整わないわっ

という理由で、最後にこの Thiswill not only ensure your success as a student, but

also help you enjoy your college Iife by making it possible to put to beUer use your

precious time and money which would otherwise be wasted.というのを付け加えたわ

け。

竹H1:なるほどっ

小川:で、修辞的には、この yoursuccess as a studentの部分が第4パラグラフの内容

に対応し、 butalso以下が第 2、第3パラグラフに対応して、それぞれの内容を簡潔に

要約しながら全体を結ぶという形になっているのね。

竹川:なるほど。これで形式的にも内容的にもうまくまとまったわけですね。

小川:そういうことね。さて、今週もだいぶ長いレクチャーになってしまったけど、英文

パラグラフの基本構成と、ひとつの主題丈を手がかりに、複数のパラグラフからなるエッ

セーを組み立ててし、く手順がだし、たいおわかりいただけたかしら。

竹111:はい。ひとつのパラグラフを書くのも、複数のパラグラフからなる長いエッセーや

レポートを書くのも、基本的な手順は同じだということはよくわかったように思いますJ

それから、ビジネスレターと|司じように、英文レポートやエッセーにもその書き方には一

定の手順があるというのがわかったのもよかったと思いますJ あとは、きょう教えていた

だいたことを念頭に入れながら、実際にいろいろな英文を書く中で少しずつ腕を磨いてい

きたいと思います。

小111:そうね。やはり、実際に自分で苦労しながら書いてみるのが一番ね。というところ

で、きょうはこのへんにしておきましょう。ところで、私はあしたから大阪に出張する予

定なので、来週のレクチャーは部長にお願いしておいたわc 来週はこの OJTの最後のレ

クチャーとして、「契約書の英文」というテーマでお話ししていただく予定よ。内容的に

はちょっとむずかしくなると思うけど、大事なところだからしっかりお話を聞いておいて

ちょうだい。

竹間:はい、わかりました。きょうはどうもいろいろとありがとうございました。

157

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W'riting Marathon Textbook 4

MEMORANDUM 27

-思考を整理し文章化するための簡易モデル

第15週の後半では、英文パラグラフの基

本構成と、複数のパラグラフからなるエッ

セーの組み立て手順について解説しまし

た。本文でも述べたとおり、英文ライティ

ングには一定の手順とパターンがあり、こ

れに従ってひとつずつセンテンスを積み重

ねてし、けば、それなりの文章を書くことが

できます。とはいえ、自分の考えをうまく

整理して文章化するというのはやはりそう

簡単なことではありませんc 実際、言いた

いことはたくさんあるはずなのに、いざ書

こうとするとまったく筆が進まないという

ことがよくあります。そういうときには、

次の4つの方法を試してみてくださし、。き

っと、自分の考えをうまく文章にまとめる

ための手がかりが得られるはずです。なお、

それぞれの方法を図式的に示したものを次

ページに掲載しておきますー

1. rインタビューi去」

これは、要するに主題に関していくつか

の質問を立て、それに答える形で文章をま

とめていくやり方です。いわば自分にイン

タビ、ユーしながら頭の中にあることを引き

出し、整理していくわけですc あらかじめ

複数の質問を用意しておくことがむずかし

い場合には、とりあえず「…についてどう

思うか」といった大きな質問を立て、その

答えの中から次の質/11]を見つけていくよう

にします。たとえば Whatdo you think

of. . . ?と自分に問いかけ、さらに Why?

What do you mean by...? Can you

give an example? How about . . . ?とい

った具合に次々にたたみかけ、これにひと

158

つずつ答えながら議論を発展させていくわ

けです。

この方法の最大の利点は、とりあえず文

章全体の構成ということを意識せずに、と

にかく頭の中にあるデータを文章化してし

まうことができる点にあります。ひととお

りデータが出尽くしたところで、最後に全

体を各設問とその答えごとにまとめていき

ます。質問文をすこし形を変えて通常文に

直せば、これがそのまま各パラグラフのト

ピックセンテンスになり、これに対する回

答か支持文になります。もともと、文章と

いうのは読み手あるいは自分との「紙の仁

で、の会話/対話」ですから、この方法は文

章の書き方としては理にかなったやり方と

いうことになります。

2. r]-2-3法」

これは、要するに主題に関していくつか

の論点を立て、それを First(二 Firstof

all). Second(Iy). Third(Iy). FinalIyとい

うようにして順番に論じていく方法で、エ

ッセーの書き方としてはもっとも基本的な

パターンです。もちろん、エッセーだけで

はなく、スピーチや議論の基本パターンと

しても広く使われています。日本語でも「そ

れについては3つのポイントがあります。

まず……。次に……」というパターンで

話をしていくと、その内容にかかわらずな

んとなく務理されているように感じますf

Figure 136 (p. 154)のエッセーに見られ

る Foronc thing‘.. .‘ For another‘

Above alI, . . .というパターンも、

この r]-2-3法」の応用例です。

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Week 15

Figure 137:思考を整理し文章化するための簡易モデル

.インタビュー法:主題に関してしミくつかの質

問を立て、それにひとつずつ答えながら議論を

展開してし hく方法。

.キーワード法:エッセーの主題をし aくつか

(通常は3つ)のキーワードで代表されるサブ

トピックに分け、それぞれキーワードを'Iquに議

論を展開していく方法。

\\ケiO~

~ヱメ\

.1-2-3法:主題に関していくつかの論点を

立て、それを 1、2、3……と)1[買番に論じて

いく方法。

.連結詞法:各パラグラフ(またはセンテンス)

を適当な連結謂・移行詞でつないでいく方法。

内容に応じてさまざまなバリエーションが可

能。

¥¥Introduction ~

、唱・.....- Thes司s

It is true. of course, . . . . ー ー ・・ ・・・・・・

.. sut.

Furthennore, • • .・・・・・・

ー....・ ... ... Moreover,ー ーー ー

Most imporant of all,ー・ー ー ー

Therefore,

//ωCI…

159

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W'riting Marathon Textbook 4

3. rキーワード法」

この方法は、エッセーの主題をいくつか

のキーワードで代表される subtopicsに分

け、それぞれキーワードを軸に議論を展開

していくという方法です。たとえば、仮に

「コメの輸入自由化」という主題でエッセ

ーを書くとすれば、これを「食糧の安全保

障Jr環境保全'J r稲作文化の継承」などと

いったサブトピックに分け、これをキーワ

ードにしてそれぞれ oneparagraph司 one

topicの原則に従って議論を展開していき

ます。キーワード法の応用例は Figure

131のプロポーザルの第6-第8パラグラ

フに見られます(関連解説は p.140参

照)。

4. r連結詞法」

連結詞法というのは、各パラグラフ(ま

たはセンテンス)を however,in addi-

tion, furthermore, thereforeなどといっ

た連結詞や移行詞でつなげて論理の骨格を

160

作るというもので、おもに理屈っlれミ議論

をするときに好んで使われるパターンで

す。上述の Figure131のプロポーザルの

第6-第8パラグラフでは、キーワード法

とともに、この連結詞法を併用して論理の

骨格を作っています (pp.140・141参照)。

なお、連結詞・移行詞については

Memorandum 26 (p. 144)を参照してく

ださい。一般には、まずインタビュー法に

よってデータを引き出し、これを rl-2-

3法Jrキーワード法Jr連結調法」の3つ

を適当に組み合わせながら文章としてまと

めていきます。また、数ページ以上にわた

る長いエッセーの中では、 Figure131の

例に見られるように、それぞれのキーワー

ドを「中見出し」に使って議論を展開して

いくというパターンが普通です。いずれに

せよ、本文中で説明したとおり、各パラグ

ラフは原則として P TS + SSl-SSn

(+ CS/TRS)という方程式に沿って組み立

てるのは同じです。

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W'riting Marathon Textbook 4

MEMORANDUM 26

-ビジネス文書によく使われる代表的な連結詞・移行調

英文では、センテンスとセンテンス、ある

いはパラグラフとパラグラフの論理的つな

がりを明確にするための談話標識 (dis-

course markers)のひとつとして、 also,

in addition、however,thereforeなどの

連結詞・移行詞を頻繁に使います。 Figure

131の解説中でも述べたとおり、これらの

「つなぎ言葉 (transitionalwords and

口例をあげる

for instance (たとえば)

for example (たとえば)

such as (たとえば)

口区分して列挙する

first of all (まず、まず最初に)

to begin with (まず最初に、手始めに)

in the first place (第1に、まず最初に)

for one thing (ひとつには)

for another (もうひとつには)

first(ly) (第1に)

second(ly) (第2に)

finally (最後に)

口追加l・詳述する

in addition (さらに)

moreover (さらに)

furthcrmore (そのうえ、さらに)

also (また)

besides (おまけに、そのうえ)

口言い換える・明確化する

in other words (言い換えれば)

that is (つまり)

namely (すなわち)

口強調する

indecd (実際[…である])

in fact (実際)

口特に重要なものを指摘する

144

phrases)Jをいかにうまく使いこなすかが、

わかりやすい英文を書くうえでの重要なポ

イントのひとつになります。以下、参考ま

でに、よく使われる連結詞・移行詞を機能、

役割別にリストアップしておきます。この

うち、使い方のよくわからないものがあれ

ば、この機会に辞書などを参照して確認し

ておいてください。

in particular (特に、とりわけ)

above all (とりわけ、なによりも)

most important of all (中でももっと

も重要なのは[・円であるJ)

口議論を転回する、反証・反論を提示す

however (しかしながら)

but (しかし)

even so (そうだとしても)

ncvertheless (にもかかわらず、それで

もなお)

y巴t(それでも、しかし)

still (それでも、やはり)

口譲歩・肯定する

even if/though (…だとしても)

although (…だけれども)

admittedly (明らかに)

of course (もちろん)

it is true (that) . .. (たしかに[…は]

.・・だ)

口比較・対照する

in contrast 対照的に、反対に)

on the contrary (逆に、それどころか

[反対にJ)

on the other hand (一方)

similarly (同様に)

in thc same way/manner (同じく)

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口一般化する

generally speaking (一般的に言えば)

in general (概して、一般に)

on the whole (全体として)

to somc extcnt (ある程度)

口条件・前提を示す

on condition that (…という条件で)

provided that (…という条件で)

given that (…と仮定して、[…は]・

だとして/すれば)

granted that (…と仮定して、[…は]

…だとして/すれば)

considering that (…ということを考雇

して/すれば)

口珂二由・原因を述べる

because (…ので)

since …ので)

ぉ(…ので)

bccause of (…のために)

due to (…のために、…のせいで)

owing to …のために、…のせいで)

口話題を変える

meanwhile (一方、さて[話は変わっ

て]、ところで)

in the meantime (一方、さて[話は変

わって]、ところで)

Week 15

口話をつなげる

in this regard (この点に関して)

in this respect (この点に関して)

in this connection (これに関連して)

口結果・結論を示す

therefore (それゆえに、したがって)

accordingly (それに応じて、それゆえ

に、したがって)

as a result ([その]結果として、結果

的に)

consequently (その結果、したがって、

必然的に)

口話をまとめる

in summary 要するに)

in conc¥usion (結論として)

to sum up (要約すれば)

in any event とにかく)

at any rate (し、ずれにせよ)

in short (つまり)

such being the case (そういうことな

ので)

thus (かくして)

after all (結局)

in view of the above (上記のことにか

んがみて)

. .. .... ... . . ... . . .. . . . . .. . . . . . . . .. .. . . .. . .. . . .. . ... . .. . . .. . . . . . . . . . . ... . .. . . .... .. ... .. . ..

145