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Page 1: イオン交換クロマトグラフィーkohanada/text2016.doc · Web viewタンパク質を比較するためには、タンパクを分離する必要がある。ここでは、ポリクリルアミドゲル内で、電荷をかけて移動の速度が異なるタンパク質を移動させる。しかしながら、タンパクの場合、タンパク同士の会合(サブユニット構造)や

形質転換・組み換えDNAによるタンパク産生

担当教員:花田 耕介

担当技術職員:修行 美恵

はじめに

大腸菌に元々存在しない遺伝子を導入し、大腸菌が本来持っていないタンパク質を過剰に発

現させる実験を行う。過剰発現させるためには、「ベクター」として広く使われている核酸分

子であるプラスミドを用いる。あらかじめ、プラスミドに外来遺伝子を組み込ませ、そのプラ

スミドを大腸菌に導入(形質転換)している。本実験では、組み込ませた遺伝子をコードするタ

ンパク質が遺伝子組換え大腸菌で過剰に発現しているかを確認する。

大腸菌での形質転換体の作製

プラスミドは核外遺伝子を含む環状 2本鎖DNAである。一般にプラスミドは、染色体DNA

に比べ比較的小さく、染色体外DNA分子として自律的複製を行う。そのため、細菌に遺伝子

を導入する際の運び屋、すなわちベクターとして広く利用されている。

遺伝子工学の分野では、自然界に存在するプラスミドを使い易いように人工的に改変し、ベ

クターとして利用してきた。ベクターとしては、自律的複製の要である複製起点

(ori、replication origin)、選択マーカー遺伝子、そして外来遺伝子を挿入するための制限

酵素部位が必要である。特に数個から十数

個の、多数の制限酵素認識配列を含む領域

は、マルチクローニング部位(MCS;

Multi-cloning site)と呼ばれる(図1)。

この増殖した DNA 断片と pET-17b を

制限酵素で切断させ、ライゲーション反

応によって DNA 断片を pET-17b プラス

ミドに組み込む(図 2)。通常、外来 DNA

が導入されることによって、細胞の性質

(形質)が変わることがある。そのため、

細胞内に DNAを導入する操作を、形質転

換と呼ぶ。

 大腸菌での形質転換をするために、対数増殖期の大腸菌を 2価(Ca2+、Mg2+、Mn2+等)の

金属イオンで処理することにより、大腸菌へのプラスミドの取り込み効率が向上させる細胞(コ

ンピテントCell)を作る。さらに、短時間(数十秒〜2分)比較的高い温度(42〜45℃)にさ

1

図1 pET-17bベクターの構造

Page 2: イオン交換クロマトグラフィーkohanada/text2016.doc · Web viewタンパク質を比較するためには、タンパクを分離する必要がある。ここでは、ポリクリルアミドゲル内で、電荷をかけて移動の速度が異なるタンパク質を移動させる。しかしながら、タンパクの場合、タンパク同士の会合(サブユニット構造)や

らし(ヒートショック)、脂質二重層の流動性が増して、プラスミドDNAを大腸菌内に取り込ま

せる。

プラスミド DNAが取り込まれている大腸菌を分離するためには、プラスミド DNAが取り

込まれていない大腸菌と区別する必要がある。そのため、プラスミドには、選択マーカーの遺

伝子が含まれている。たとえば、pET-17bというプラスミドは、薬剤耐性遺伝子(Ap:アンピシ

リン耐性遺伝子)が存在する(図 1)。プラスミドが取り込まれた大腸菌は、アンピシリン耐性に

なるため、アンピシリンを入れた培地で増殖することが可能になる。この現象を利用し、容易

に形質転換済みの大腸菌を分離することができる。

実験の進め方

実験の流れは図3に示す。本実験は大腸菌を用いて、形質転換体でのタンパク質の過剰発現、

を行なう。一日目に、導入された遺伝子がコードするタンパク質の過剰産生を確認するために、

野生株の大腸菌および遺伝子を過剰に発現させた大腸菌を増殖させる(1-(1))。2日目に使用す

る電気泳動に使用する SDS-PAGE用のゲルを構築する(1-(2))。その蛋白質を可溶化し

(2-(1))、電気泳動法で分画し(2-(2))、対象遺伝子がコードしているタンパクの産生量を比

較する(2-(3))。

  1日目 2日目

1.形質転換体でのタンパク質の過剰発現

1-(1) 大腸菌の増殖

1-(2) SDS-PAGEゲルの構築

2.発現させたタンパク質の確認

2-(1) 大腸菌の可溶化

2-(2) SDS-PAGEの泳動

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図2 組み込まれる遺伝子配列

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2-(3) ImageJによる画像解析

図3. 実験の流れ

1.形質転換体でのタンパク質の過剰発現

目的の遺伝子が導入されているタンパク質の過剰発現を確認するためには、大腸菌からプラ

スミドを抽出し、プラスミドの中に目的の遺伝子(この場合は Green Fluorescent Protein,

GFP遺伝子)が存在していることを確認する必要がある。しかし、本実習では、これらの作業

を前もって行い、GFP遺伝子が存在している形質転換体を用意した。

大腸菌にはもともと存在しない GFP遺伝子を安定的に発現させるために、T7 RNA ポリメ

ラーザ遺伝子を持つ大腸菌:BL21(DE3)株を使用している。T7 RNA ポリメラーゼ遺伝子は、

Lacリプレッサーで制御される lacUV5プロモーター支配下にある。Lacリプレッサーは、

IPTGを投与すると Lacリプレッサーが外れ、T7 RNA ポリメラーゼ遺伝子を活性化させる。

そのため、T7 ポロモータの制御下にあるGFP遺伝子の発現を活性化できる(図4)。

このシステムは、プラスミドに細胞毒性のある遺伝子を導入した時に、非常に有効になる。

なぜならば、IPTGを添加しないときには、細胞毒性のある遺伝子が発現しないためである。

実験材料、試薬、機器

pET-17bを導入した大腸菌BL21(DE3)株 Control

pET-17b(GFP)を導入した大腸菌BL21(DE3)株 GFP

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図4 T7プロモーターを利用した発現制御

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試薬

アンピシリン入り LB培地溶液、100mM IPTG 溶液

使用する機器

培養管、振盪培養装器、遠心機、

1-(1) 大腸菌の増殖

GFP遺伝子が導入されている pET-17bが導入されている大腸菌に、IPTGを添加させ、ター

ゲット遺伝子の産物であるGFPを大量に生産させる。コントロールとして、pET-17b(図 1)の

みが導入されている大腸菌も用意する。

操作手順

(1) 試験管2本(班名と Control, GFPと書いたシールを付ける)に、各大腸菌の Over

nightの培養液を 1ml 加え、37度で振盪培養を行う。

(2) 30分後に、Control, GFPの培養液に IPTGを 50μl 加える。

(3) 1時間後(1.5 時間後)に、全ての培養液から 1mlミクロ遠心管に分注し、氷上におく。

(4) 更に、1時間後に(2.5時間後)、全ての培養液から 1mlミクロ遠心管に分注し、氷上

におく。

(5) 更に、1時間後に(3.5時間後)、全ての培養液から 1mlミクロ遠心管に分注し、氷上

におく。

(6) 全ての分取した試料を 12000rpm×1分間、遠心分離する。上清は滅菌 BOXに捨てる。

残りの培養液をピペットマンで取り除き、冷凍庫に保存する。

(7) 培養した大腸菌で、GFPが発現されているかを確認するために、寒天プレートで大腸

菌を増殖させる(Over Nightで培養)

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図5.コーンラージ棒で絵を書く

図5 培養後に紫外線で大腸菌をみた写真

(左:GFPを過剰発現させた大腸菌、右:なにも過剰発現していない大腸菌)

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1-(2) SDS-PAGEゲルの構築

 大腸菌試料をサンプリングする間に、電気泳動用のポリアクリルアミドゲルを作製する。

器具(1班分)

ガラス板(ゲル板)   2

シリコンシール    1

櫛(コーム)       1

クリップ        4

小ビーカー         1

中ビーカー 1

試薬

1.5 M Tris-HCl 緩衝液、pH 8.8     (Tris : tris(hydroxymethyl)aminomethane)

0.5 M Tris-HCl 緩衝液 pH 6.8

30%(w/v)アクリルアミド

1 %(w/v) SDS 水溶液

10 %(w/v) APS(過硫酸アンモニウム) 水溶液

TEMED(tetramethylenediamine)

操作手順

・ゲル用ガラス板の組み立て

(1)2枚のガラス板の内側になる面をアルコールでよくふく。

(2)ガラス板 Aのスペーサーの外側に、シリコンシールを置く。

(3)その上にガラス板 Bを、斜めの切り込みのある方が内側になるように置く。

(4)両側をクリップで挟み(4ヶ所)、切り込みがある側を上にして机の上に立てる。

(5)水を入れて漏れないか確認し、大丈夫なら水を捨てて倒立させておく。

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・アクリルアミドゲルの調製 (分離用ゲルと濃縮用ゲル)

○分離用ゲルの調製

(1) 1.5 MTrisを 2ml、1 % SDSを 800μl、30%アクリルアミドを 3,2 ml、10 % APSを 50μl

で、全量8 mlになるように、滅菌水(1.95 ml)をいれる。アクリルアミドの濃度は 12 %

とする。(注):Tris-HCl 緩衝液は二種類あるので間違わないように。

(2) 混合溶液に TEMED(tetramethylenediamine)5 μlを加えてすばやく混ぜ合わせ、

   ゲル板の間に流し込む。(切れ込みの下、2cmくらいまで。予め印を付けておくと良

い)

(3) すぐに水を少量(高さ1~2 mm)重層し、ゲルが固まるまで静置する(20分くらい)。

○濃縮用ゲルの作成

(1)0.5 M Trisを 750μl、1 % SDSを 300μl、30%アクリルアミドを 400μl、10%APSを

30μl、滅菌水 1.52ml

(2)ゲル板内のエタノールを捨てる。残ったエタノールを精製水で洗い流す。

(3)(4)で作成した溶液に TEMED2μlを加え、良く撹拌し、ゲル板間に流し込む。

(4)櫛を差し込み、固まるまで静置する(2時間ぐらい)。

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2.発現させたタンパク質の確認

タンパク質を比較するためには、タンパクを分離する必要がある。ここでは、ポリクリルア

ミドゲル内で、電荷をかけて移動の速度が異なるタンパク質を移動させる。しかしながら、タ

ンパクの場合、タンパク同士の会合(サブユニット構造)や、そのタンパクの高次構造や電荷

アミノ酸の含量によって、見かけの大きさが異なってくる。タンパクの本来の大きさを知るた

めには、完全に変性させて、電気泳動の移動度がそのタンパクの大きさの

みに由来するようにして分析することが一般的である。そのために、ドデ

シル硫酸ナトリウム(Sodium dodecyl sulfate; SDS)が用いる。これは

タンパクを変性させると共に、タンパクの大きさに応じて結合するので、

その結果タンパクが一様な負電荷になる。また、この時同時にチオール還

元剤であるメルカプトエタノール(HO-CH2CH2-SH)で処理すること

により、タンパク内で架橋構造をとっているシスチンの S-S 結合を還元

分解し、高次構造も消滅させる。これらの三つの処理により、より正確に

タンパク同士の大きさを比較測定できるようになる。さらに、分子量が既

知の試料を同時に泳動し、これと比較することによって、あるタンパクの

大きさ(分子量)求めることができる。GFPの分子量は 27kdであるた

め、GFP遺伝子を導入した大腸菌では、30kdより少し少ないサイズの場

所にバンドが確認される(右図)。

試薬、機器

可溶化試薬(30%(w/v)グリセリン、8 %(w/v) SDS、0.02 %(w/v) BPB (Bromophenol

blue))2xなので PBSで 2 倍に薄めて 10%(w/v) メルカプトエタノールで使用、0.25 M

Tris-HCl 緩 衝 液、 pH 6.8)、CBB 染色液: 7 %(v/v) 酢酸、 50 %(v/v) メタノール、

0.1%(w/v) CBB (coomassie brilliant blue)、脱色液(酢酸/エタノール;7/5)、マーカー

15K-150KDa

・使用する器具

アルミキャップ付き試験管、微量遠心チューブ、ピペットマン、三角フラスコ

・使用する機器

ミクロ遠心管、震盪培養槽、タンパク電気泳動装置一式、電子レンジ、画像スキャナー、パソ

コン(画像処理ソフト:Image-J)

操作手順

2-(1) 大腸菌の可溶化

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(1) 電気泳動用 SDS 試薬を 50μl (サンプルBuffer45μl+メルカプトエタノール 5μl)加

えてよくまぜる。この時、まざりにくいのでピペットマンでゆっくりすったり吐いた

りしながらまぜる。

(2) 100度の湯浴で、5分間加温する。

(3) 遠心機により、12,000 rpm x 1分遠心分離する。

2-(2) SDS-PAGEの泳動

(1) ゲル板の泳動槽への取り付け。櫛をゆっくり抜く。急に抜くとアクリルアミドがちぎ

れる。シリコンシール、クリップの順に外す。切り込みがある側を泳動槽に向け、シ

ールゴムに均等に密着させながら、両側の上半分を2個のクリップで止める。

(2) 泳動槽の上下槽両方に電極液を注ぐ。電極液にゲルが浸るようにする。ゲルの下端に

泡がある場合はスポイドで除く。

(3) 泳動用試料の上清(5 μl)を用いて電気泳動を行う。標準分子量マーカー5 μl も同時

に泳動する。ピペットマンを用いて試料をゲルの穴に入れる。

(4) リード線で泳動槽の電極を電源につなぐ。

(5) 電源のパワーを入れ、泳動槽1台あたり 20 mAの電流が流れるように調節する。

(6) BPBがゲルの下端近く(約5 mm)に来たら、泳動を止める。

(7) リード線を抜く。抜く時にねじってはいけない。まっすぐ引き抜く。

(8) 電極液を流しに捨て、実験台の上でクリップをはずしてゲル板をとる。

(9) ゲルを取り出しは、ゲル板を切れ込みのある方を上にして机に置き、ステンレスへら

を使って上の板をゆっくりはがす。両方のガラス板にゲルがついている時は、ヘラで

そっと下のガラス板に移す。

(10)ガラス板に乗せたまま、へらを使って分離ゲルを除く。

(11)アクリルケースの上でガラス板を引っくり返し、ヘラを使ってゲルを静かに移す。

ゲル染色

(12)ゲルが浸かるように、タンパク質固定液を加え、5分間浸透する(固定液は回収しま

す)

(13)固定液を取り除き、CBB染色液を加え、サランラップで包み、電子レンジで 1分間

加熱

(14) CBB染色液を取り除き(回収します)、滅菌水にキムワイプをいれ、電子レンジで 1

分間加熱処理(これを 4-5 回繰り返す。

(番外編)植物の形質転換体の利用

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β-glucuronidase(GUS)遺伝子を目的遺伝子に融合させ、目的遺伝子の発現部位を確認する

ため、目的遺伝子と GUS遺伝子を融合させた遺伝子を構築する。形質転換体はアグロバクテ

リウムを利用して、ターゲット領域を植物ゲノムに導入する

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シロイヌナズナの形質転換は、技術的にほぼ完成されており、floral dip 法が主流である。

試薬、機器

アセトン、GUS 溶液(染色溶液)、エタノール

・使用する器具

アルミキャップ付き試験管

操作手順

植物のGUS染色方法

(4) ピンセットを利用し、植物を 1.5mlチューブに移す。

固定

(5) 1.5mlチューブにアセトンを 500μl 加え、10分間、放置する。

染色

(6) アセトンを除去し(回収する)、GUS 溶液を 500μl 加える。

(7) 手で強く握る(37度 10分間)。

脱色

(8) GUS 溶液を除去し、エタノールを 500μl 加え、10分間、放置する。

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2-(3) ImageJによる画像解析

(1) Windows XPを立ち上げる

(2) スタートメニュー→プログラム→ImageJをクリック

(3) ImageJ起動

(4) ImageJの FILE→OPENで解析するスポットの画像ファイルを開く

(5) Image→Adjust→Brightness/Contrastで画像調節画面を開く

(ゲルのバックグラウンドが抜けて S/N比が高ければ不要)

(6) Analyze→Gels→Gel Analyzer Optionをクリック

(7) Gel Analyzer Optionの中から Invert peakにチェックを入れる

(8) 範囲選択ツール(図 2-①)で□を選ぶ(9) 画像上で目的のバンドをツールで囲む

(全てのスポットが選択範囲の中に納まるように)

(10) Analyze→Gels→Select First Lanesをクリック

(11)「1」と書いてあるバンドを次の目的バンドに移動

(なぜか、縦:横 比が 1:2より大きいと次の作業がうまくいかない)

(12) Analyze→Gels→Select Next Lanesをクリック(次のバンドが「2」になるかを確認

失敗したら Analyze→Gels→Select First Lanesをクリックして、10)からやり直し

(13)「2」と書いてあるバンドを次の目的バンドに移動

(14) Analyze→Gels→Select Next Lanesをクリック

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(15)「3」と書いてあるバンドを次の目的バンドに移動

(16) Analyze→Gels→Select Next Lanesをクリック

(17) Analyze→Gels→Plot Lanesをクリック

(18)スポットのデンシトグラムが表示される

(19)ツールウィンドウから直線ツールを選択して、面積を表示したいピークのバックグラ

ウンドを引く

(20)ツールウィンドウから魔法の杖ツールを選択し、閉じられた各ピークの領域を次々に

選択していく

(21) Result ウィンドウに順次結果が表記されるので、データをノート等に記録する(数値

は3桁程度を用いること)

(22)解析が終了したら画像を JPEG形式で保存

(23) FILE→Quitで ImageJ終了

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「レポート課題」

表紙 「題名」、「組名」、「班名」、「学籍番号」、「名前」、「メールアドレス」を忘れ

ずに書く、複文にせずに、一つの文章を短くするように心がける。

レポートの中身は、

・序章:具体的な目的を書く。

・方法:手順を書く

・結果:ゲルの写真、大腸菌の写真、植物の写真

・考察: GFPの量が違う理由、GUS遺伝子が染色されるメカニズム

を中心に作成する。

また、レポートには次の課題についても答えること。

1)大腸菌での形質転換体の作製方法を簡単にまとめよ。

2) GFP遺伝子について調べて説明せよ。

3) GUS遺伝子について調べて説明せよ。

4)「1-(1) 大腸菌の増殖」」で抗生物質を培養液に加える理由はなぜか?

5)「1-(1) 大腸菌の増殖」」でサンプリングした大腸菌をすぐに氷上におくのはなぜか?

6)植物の形質転換体の方法を調べよ。

7)タンパク質可溶化に含まれる三つの処理を説明せよ。

8) SDS-PAGEによって分画された一部がGFPであることを確定するための方法を調べよ。

9)感想(わかりにくかった点、わかりやすかった点)

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