グリーンケミストリー12か条...

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グリーンケミストリー12か条 とは 1. 廃棄物は「出してから処理ではなく」、出さない 2. 原料をなるべく無駄にしない合成をする 3. 人体と環境に害の少ない反応物や生成物にする 4. 機能がおなじなら毒性のなるべく少ない物質をつくる 5. 補助物質を減らし、無害なもの使う 6. 省エネルギーを心がける 7. 原料は枯渇資源ではなく再生可能な資源から得る 8. 途中の修飾反応はできるだけ避ける 9. できる限り触媒反応を目指す 10. 使用後に環境中で分解するような製品を目指す 11. プロセス計測を導入する 12. 化学事故につながりにくい物質を使う グリーンケミストリーとは、アメリカ大統領科学技術政策担当官であったポール・ア ナスタスによって提唱された新しい化学と化学工業のあり方を目指す行動指針で す。ここには、有機金属化学や分子触媒化学の発展により実現できることが多く記 載されており、この分野の学問は社会的要請の大きな研究分野の1つであるとい えます。 原子利用効率について Eファクターについて Eファクターとは、主に化学工業において省資源性を評価する指標の1つであ り、副生成物の重さ(すなわち廃棄物の重さ)を目的生成物の重さで除した値 を指します。すなわち、Eファクターの小さな反応ほどグリーンな反応と言えま す。 原子利用効率とは、化学反応の省資源性を評価する指標の1つで、原料に使 われている全ての原子量の和を目的生成物の分子量で除した値を指します。 すなわち、原料中の原子がどのくらい効率的に生成物に取り込まれているの かを示す指標で、原子利用効率の大きな反応ほど無駄のないグリーンな反応 と言えます。 グリーンケミストリー12か条について

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Page 1: グリーンケミストリー12か条 とはweb.tuat.ac.jp/~hirano/kohrc/deta/greenchemistry.pdfグリーンケミストリー12か条 とは 1. 廃棄物は「出してから処理ではなく」、出さない

グリーンケミストリー12か条とは

1. 廃棄物は「出してから処理ではなく」、出さない2. 原料をなるべく無駄にしない合成をする3. 人体と環境に害の少ない反応物や生成物にする4. 機能がおなじなら毒性のなるべく少ない物質をつくる5. 補助物質を減らし、無害なもの使う6. 省エネルギーを心がける7. 原料は枯渇資源ではなく再生可能な資源から得る8. 途中の修飾反応はできるだけ避ける9. できる限り触媒反応を目指す10. 使用後に環境中で分解するような製品を目指す11. プロセス計測を導入する12. 化学事故につながりにくい物質を使う

グリーンケミストリーとは、アメリカ大統領科学技術政策担当官であったポール・アナスタスによって提唱された新しい化学と化学工業のあり方を目指す行動指針です。ここには、有機金属化学や分子触媒化学の発展により実現できることが多く記載されており、この分野の学問は社会的要請の大きな研究分野の1つであるといえます。

原子利用効率について

EファクターについてEファクターとは、主に化学工業において省資源性を評価する指標の1つであり、副生成物の重さ(すなわち廃棄物の重さ)を目的生成物の重さで除した値を指します。すなわち、Eファクターの小さな反応ほどグリーンな反応と言えます。

原子利用効率とは、化学反応の省資源性を評価する指標の1つで、原料に使われている全ての原子量の和を目的生成物の分子量で除した値を指します。すなわち、原料中の原子がどのくらい効率的に生成物に取り込まれているのかを示す指標で、原子利用効率の大きな反応ほど無駄のないグリーンな反応と言えます。

グリーンケミストリー12か条について