モーター・モーション制御 モデルベースデザイン …...4...
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1 © 2013 The MathWorks, Inc.
モーター・モーション制御
モデルベースデザイン実践
「リアルタイムテスト」編
MathWorks Japan
アプリケーションエンジニアリング部
チームリーダー / シニアアプリケーションエンジニア
宅島 章夫
2
モーター・モーション制御とは?
負荷の動き(速度、位置)を意図した通りに制御
モーター
モーター制御
負荷制御
モーターの状態
(電流、速度、位置)
負荷の状態
(速度、位置)
制御指令
制御信号
負荷 駆動回路
3
モーター・モーション制御に対するニーズ・トレンド
低コスト化 センサレス制御、
安価なマイコンの採用
過負荷・過電流保護、
自動診断
品質・安全性向上 開発期間短縮 タイムリーな製品市場投入
電動化の普及・拡大 HEV/PHV、FA、プラント、
家電、空調、鉄道、等
省エネ化・高効率化・ 省スペース化 先進的なモーター/インバータ
駆動技術
制御の高精度化・ 高機能化 自動パラメータ調節
振動・騒音抑制
多軸同期制御
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モデルベースデザインが皆様の
課題・ニーズの解決に貢献します
統合テスト(実機)
システムレベル設計(モデル)
制御 電気 機械
テスト&検証
研究課題、要求仕様書
RCP/HIL
システム性能評価(モデル・実機)
組み込み
コード生成
高精度・高機能な
コントローラを設計
[講演.1] 制御設計編
実機の挙動を模擬した
プラントモデルを作成
[講演.2] プラントモデリング編
コントローラモデルから
組込みコード生成
[講演.4] 組み込みコード生成編
リアルタイムHWを使って
すぐに制御実験
[講演.3] リアルタイムテスト編
モデル活用で開発前倒し&修正ループ高速化を実現
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本講演の位置付け モデルベースデザインによるリアルタイムテストに
フォーカスします
コード
自動生成
モデ
リング
制御
設計
制御
実験
KEY POINTS
「今すぐ動かせる」 制御モデル、I/Oドライバをシングルクリック操作で実装
「いろいろ試せる」 自動/手動での実機チューニング、データの収集・モニター
「シームレス」 一貫したMathWorksのツールチェーンによる解析・設計・検証・テスト
「汎用性・柔軟性」 汎用PCベース、幅広いI/Oに対応したリアルタイムシステムの構築
制御対象 制御装置・ソフト
制御対象
モデル 制御モデル
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リアルタイムテストの実行環境 まずは実例でワークフローの全体像を見てみましょう
7
8
アジェンダ
モデルベースデザインとリアルタイムテスト
xPC Target™によるリアルタイムテスト環境の構築
ケーススタディ
アドバンストトピックス
まとめ
9
アジェンダ
モデルベースデザインとリアルタイムテスト
xPC Target™によるリアルタイムテスト環境の構築
ケーススタディ
アドバンストトピックス
まとめ
10
モデルベースデザインとリアルタイムテスト リアルタイムテストとは?そのキー要素は?
「リアルタイムテスト」とは? システムレベル設計の妥当性を
「実機・実時間で」実行・検証する
プロセス
「モデルベースデザイン」ではRCP, HIL の2つの検証手法が
リアルタイムテストのキー要素
※RCP :Rapid Control Prototyping
※HIL :Hardware-In-the-Loop
統合テスト(実機)
システムレベル設計(モデル)
制御 電気 機械
テスト&検証
研究課題、要求仕様書
組み込み
コード生成 RCP/HIL
システム性能評価(モデル・実機)
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RCP
• 評価対象は制御モデル
• ターゲットマシンに制御モデルを実装
• 実制御対象と接続
HIL
• 評価対象は実制御装置(例:ECU)
• ターゲットマシンに制御対象モデルを実装
• 実制御装置と接続
RCPとHILの概要・目的と基本構成 評価対象は「制御モデル」か?「実制御装置」か?
Ethernet 各種I/O
ホストPC ターゲット
マシン
テスト
ハードウェア
本講演のフォーカス
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リアルタイムテスト(RCP)のメリット どのようなニーズに応えられるのか?その効用は?
「とにかく今すぐ実機で動かしたい」 というニーズに応える手法 • ハンドコーディング不要
• コンセプト/アイディアを即座に実装
「小さな検証サイクルを回す」 ことで大きな手戻りを抑制 • モデルへの知見/ノウハウ蓄積
• 実機挙動に即した高精度な設計・検証
「動かすからこそ見える/試せる」 ことを評価して原理原則を理解 • モデル化誤差、パラメータ誤差
• 実機でのパラメータチューニング
「量産/試作ハードの完成を待たず」 に開発の早期段階で検証 • 汎用制御装置でシステムを構築
• 専用ハードの都度試作が不要
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アジェンダ
モデルベースデザインとリアルタイムテスト
xPC Targetによるリアルタイムテスト環境の構築
ケーススタディ
アドバンストトピックス
まとめ
14
Host Computer
with MATLAB®
& Simulink®
Real-Time Target
Machine
Ethernet Link
1
2
3
ホストPCで作成したSimulinkモデルをビルドし、
ターゲットマシン(汎用PCベース)へ自動ダウンロード
コード生成, コンパイル & リンク, 実行 1 2 3
xPC Target - ワークフロー リアルタイムテストの実行には何が必要?
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Ethernet Link
3
1
2
4
2
パラメータチューニング, 信号のモニタリング, テストデータを
ロギングしてMATLAB上で解析, GUI/HMIを作成してコントロール,
3次元アニメーション
Host Computer
with MATLAB
& Simulink
Real-Time Target
Machine
1 2
3
4
xPC Target - 操作性とデータアクセス 実行時にできることは?データの収集・解析の方法は?
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Real-Time Target
Machine
幅広いI/Oデバイスタイプ、通信プロトコルをサポートするドライバ
ブロックのライブラリを提供
I/Oハードウェアの設定はブロックパラメータで容易に設定可能
xPC Target - I/Oサポート I/Oハードウェアの使用方法・設定方法は?
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(参考) xPC Target ブロックライブラリ
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例題:簡易的なループバックテスト
出力波形の切り替え
アニメーション表示
I/Oドライバブロック
スライダーバー
ゲイン調整
xPC Target Explorer
モニタリング・パラメータ調整
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xPC Targetのキーバリュー リアルタイムテストにおける本製品ならではのポイントは?
ツールの一貫性
• シンプルな操作ステップで実装
• Simulinkモデルからの直接操作・チューニングが可能
• 同一のツールチェーン+最新バージョンでデータのモニターや解析が可能
ハードの汎用性・柔軟性
• リアルタイムマシンは汎用の
PCベース
• 広範なI/Oデバイスタイプ、
通信プロトコルを使用可能
• 「Turnkeyソリューション」を提供
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お客様のハード/システム
xPC Targetを含む
MATLAB®, Simulink®
開発環境
テストハードウェア
お客様のハード/システムに最も適した
ソフト/ハード環境を提案・提供する2社連携ソリューション
xPC Target Turnkey ソリューション ソフト/ハード環境の構築はどう進める?
※Speedgoat GmbHの日本販売代理店は(株)アイダックス
リアルタイムシステム
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Speedgoat リアルタイムターゲットマシン どのような場面で使える?
• xPC Target向けに最適化された様々な性能のマシン
• 様々な用途のフォームファクタ(オフィス、実験、工場 等) • 幅広いI/O接続に対応した柔軟なアーキテクチャ
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I/O タイプ 主な機能
Analog High-resolution, high-speed, simultaneous sampling, BNC and XLR panels
Digital TTL, 12V, 24V, high-drive, opto-coupled
Serial RS232, RS422, RS485, SDLC, HDLC
Protocols CAN, SAE J1939, real-time UDP, raw Ethernet, SPI, I2C, SSI, EtherCAT,
USB WebCam, CameraLink, ARINC 429, MIL-STD-1553, FlexRay, ...
Audio/Speech Audio/Speech optimized analog IO modules
Shared Memory Reflective Memory for high speed data transfer in multi-processor systems
Various LVDT/RVDT, Synchro/Resolver, reed relays, programmable resistors,
thermocouple I/O module from Measurement Computing, external signal
conditioning modules (current to voltage, voltage to current, temperature, …)
Configurable FPGA • Pulse train (PWM, capture, quadrature decoding, hall effect)
• Event based interrupts
• Analog I/O with lowest latency and/or special synchronization schemes
I/Oモジュール
幅広いタイプ・スペックのI/Oモジュールを提供 (xPC Target用ドライバ、テストモデル、ケーブル、端子台が付属)
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(参考)モーター・モーション制御向け
Speedgoat ハード環境の構成例
入出力タイプ I/O要求例 対応モジュール
アナログ入力(2ch) 20kHz程度, 16-bit, 同時サンプリング IO106
PWM出力(3ch) 数kHz程度, TTL IO313
エンコーダー測定(1ch) インクリメンタルエンコーダー, TTL IO313
CAN(1ch) CAN 2.0B準拠 IO601
IO106 アナログ入力
16-bit, 32SE/16DF,
200kHz/ch
IO313 FPGAベース I/O 3xPWM, 3xQAD,...
(デフォルト設定)
IO601 CAN
2xCAN/LIN
Performance Real-time Target Machine Intel Core2 Duo / 2GBメモリ
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アジェンダ
モデルベースデザインとリアルタイムテスト
xPC Targetによるリアルタイムテスト環境の構築
ケーススタディ
アドバンストトピックス
まとめ
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ケーススタディ: ブラシレスDCモーター(PMSM)の速度制御
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ケーススタディの流れ モデルベースデザイン, RCP, xPC Targetのバリューは?
コード
自動生成
モデ
リング
制御
設計
制御
実験
制御対象 制御装置・ソフト
制御対象
モデル 制御モデル
①制御要求の確認 • 応答性・安全性に対する仕様
③テスト環境のセットアップ • ホスト・ターゲット・実機の接続
④リアルタイムテストの実行 • モデルのビルド・ダウンロード
⑤テスト結果の検証 • 制御要求、モデルの妥当性検証
②制御系の構築 • 制御構造・I/O・制御周期
目的:制御モデルの妥当性をRCPで検証
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①制御要求の確認 要求される応答性、安全性は?
指標 項目 仕様
応答性
(目標速度) 立ち上がり時間(定常値の80%) < 0.18 sec
整定時間 < 0.5 sec
オーバーシュート < 5 %
定常偏差 < 2 %
安全性 インバーター過電流保護 > ±1.8 A, > 50 ms 持続時
インバーターをトリップ(遮断)
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1-500
0
500
1000
1500
spin
dle
spee
d (r
pm)
time (sec)
Expected Velocity Envelope応答性の要求
(目標速度) 安全性の要求
(過電流保護)
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②制御系の構成 制御構造、I/Oの構成、制御周期は?
駆動回路 モーター 負荷
モーター電流
(アナログ信号) モーター回転数
(エンコーダー信号)
PWM駆動信号
• 状態監視制御 (制御周期:5 ms)
• 電流・速度制御 (制御周期:40 ms)
制御装置
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③テスト環境のセットアップ システム全体構成
ホストPC テスト
ハードウェア
エンコーダー
モーター+負荷
駆動回路
ターゲットマシン
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③テスト環境のセットアップ モーター・エンコーダー・機械負荷
機器 型番 説明
モーター BLY171D-24V-4000
(Anaheim Automation) ブラシレスDCモーター(PMSM) 30W/24V/4000rpm/0.0625N*m
エンコーダー E3-2000-197-I-H-D-B
(US Digital) 光学式インクリメンタルエンコーダー
分解能2000パルス
機械負荷
(円盤) - A6061(アルミニウム合金)
直径9.7cm, 慣性モーメント1.035e-4kg*m2
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③テスト環境のセットアップ モーター駆動回路
ブラシレスDCモーター・キット(TI DRV8312-C2-KIT)
メインボードに搭載のモータードライブチップを使用
コントロールカードに代わりターゲットマシンで制御演算
ターゲットマシン
エンコーダー信号
カスタム
ボード
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③テスト環境のセットアップ ターゲットマシン
Mobile Real-Time Target Machine
(Speedgoat GmbH)
構成 主な仕様・特徴
メインボード • 2GHz Dual Core Intel® プロセッサ
• 2GB RAM, 100GB HD
• Gigabit Ethernet
拡張スロット • 5(PCIバス)
I/Oボード • アナログI/O, CAN, シリアル, etc.
FPGA拡張ボード • 高速PWM生成, エンコーダー測定
• HDL Coder™によるプログラミング
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③テスト環境のセットアップ ターゲットマシンとテストハードウェアの接続
I A
I B
エンコーダー
モーター+負荷
駆動回路
PWM A
PWM B
PWM C
A
B
Index
PC
Iバス
CPU(x86)
Inverter SW/A
Inverter SW/B
Inverter SW/C
アナログ入力
モジュール
(IO106)
ディジタルI/O
モジュール
(IO101)
FPGAベース
I/Oモジュール
(IO313)
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③テスト環境のセットアップ 制御モデルへのI/Oブロック配置
電流信号入力
エンコーダー
信号入力
インバーター
ON/OFF出力
PWM信号出力
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(参考)Speedgoat 社提供
xPC Target Drivers and Tools Library
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④リアルタイムテストの実行 制御要求に対する実機の挙動は?
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⑤テスト結果の検証(応答性) 目標速度の要求を満たしているか?
指標 項目 仕様
応答性
(目標速度) 立ち上がり時間(定常値の80%) < 0.18 sec
整定時間 < 0.5 sec
オーバーシュート < 5 %
定常偏差 < 2 %
実機でのローター回転速度(rpm)
制御設計の有効性が
実機テストで実証
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⑤テスト結果の検証(安全性) 過電流保護の要求を満たしているか?
指標 項目 仕様
安全性 インバーター過電流保護 > ±1.8 A, > 50 ms 持続時
インバーターをトリップ(遮断)
青:過電流検出フラグ
赤:インバーターSW
青:A相電流
赤:B相電流
機能安全設計の有効性が
実機テストで実証
50.04 ms
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⑤テスト結果の検証 シミュレーションとの一致性は?
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1-200
0
200
400
600
800
1000
1200
Ro
tor
Ve
locity
r (R
PM
)
time (sec)
Hardware vs. Simulation
NRMSD = 0.345%
Sim
HW
ローター回転速度(rpm)
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 0.5-4
-3
-2
-1
0
1
2
3
4
Ph
ase
A C
urr
en
t I A
(A
)
time (sec)
Hardware vs. Simulation
NRMSD = 2.42%
Sim
HW
A相電流(A)
モデルで高精度な
制御設計・検証が可能
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ケーススタディまとめ モデルベースデザイン, RCP, xPC Targetのバリューは?
実機で即座に動作検証
– ハンドコーディングが不要
– シングルクリック操作で実装
モデル⇔実機の繰り返しに
よる修正ループ高速化
– 実機実験でアイディア実証
– 知見に基づきモデルを改良
シームレスなツールチェーン
– パラメータチューニング
– データのモニター・ロギング
汎用性の高い制御装置
– PCベースのプラットフォーム
– 専用I/Oライブラリの提供
①制御要求の確認 • 応答性・安全性に対する仕様
③テスト環境のセットアップ • ホスト・ターゲット・実機の接続
④リアルタイムテストの実行 • モデルのビルド・ダウンロード
⑤テスト結果の検証 • 制御要求、モデルの妥当性検証
②制御系の構築 • 制御構造・I/O・制御周期
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アジェンダ
モデルベースデザインとリアルタイムテスト
xPC Targetによるリアルタイムテスト環境の構築
ケーススタディ
アドバンストトピックス
まとめ
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xPC Target TurnkeyにおけるFPGAソリューション FPGA I/Oモジュールのカスタムプログラミングは可能?
実装したいアルゴリズムをSimulinkで作成
「HDLワークフローアドバイザ」によりステップ・バイ・ステップで設定
FPGAビットストリームとxPC Target用のI/Fブロックを自動的に作成
HDL Coder™と連携してI/Fブロックを自動作成
Speedgoat のシステムだけが提供できるソリューション
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アジェンダ
モデルベースデザインとリアルタイムテスト
xPC Targetによるリアルタイムテスト環境の構築
ケーススタディ
アドバンストトピックス
まとめ
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まとめ
コード
自動生成
モデ
リング
制御
設計
制御
実験
KEY POINTS
「今すぐ動かせる」 制御モデル、I/Oドライバをシングルクリック操作で実装
「いろいろ試せる」 自動/手動での実機チューニング、データの収集・モニター
「シームレス」 一貫したMathWorksのツールチェーンによる解析・設計・検証・テスト
「汎用性・柔軟性」 汎用PCベース、幅広いI/Oに対応したリアルタイムシステムの構築
制御対象 制御装置・ソフト
制御対象
モデル 制御モデル
シームレスで汎用性・柔軟性の高い
リアルタイムテスト環境を構築してみませんか?
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