広域分散プラットフォームdistcloudを用いたレジリ …...12 2020年7月9日...

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12 2020 年 7 月 9 日 jh200025-ISH 柏崎礼生 (国立情報学研究所) 学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点 公募型共同研究 2020年度採択課題 広域分散プラットフォームDistcloudを用いたレジリエンスの定量的評価 12th symposium Kyushu Sangyo Univ. Kyushu Sangyo Univ. +WADCI Kyushu Univ. Kyushu Univ. Ryukyu Univ. Ryukyu Univ. KUT Kochi University of technology KUT Kochi University of technology NII National Institute of Informatics NII National Institute of Informatics Tokyo Univ. Tokyo Univ. NAIST Nara institute of science and technology NAIST Nara institute of science and technology JAIST Japan Advanced Institute of science and Technology JAIST Japan Advanced Institute of science and Technology Hiroshima Univ. Hiroshima Univ. Kanazawa Univ. Kanazawa Univ. Kyoto Univ. Kyoto Univ. Osaka Univ. Osaka Univ. Tohoku Univ. Tohoku Univ. TITECH Tokyo Institute of technology TITECH Tokyo Institute of technology Hokkaido Univ. Hokkaido Univ. SINET5 Sapporo DC SINET5 Sapporo DC SINET5 Tokyo DC SINET5 Tokyo DC SINET5 Osaka DC SINET5 Osaka DC SINET5 Fukuoka DC SINET5 Fukuoka DC KIT Kitami Institute of technology KIT Kitami Institute of technology UCSD University of California San Diego UCSD University of California San Diego 研究の意義 研究の目的 日本をはじめ、環太平洋地域の島嶼国においては特に、自然災害による情報インフラ ストラクチャの破壊が他地域と比較して高い頻度で発生している。センサー端末や モバイル端末から収集された時系列データを用いた防災・減災のための取り組みが これらの地域では重要視されているが、収集する基盤が遠方にあるクラウドコン ピューティング環境上にある場合、その途中にあるインターネット回線は大規模自然 災害による影響を受けやすい。 利用者や情報源により近い場所に計算機・ネットワーク資源を配置するエッジ・コン ピューティングの応用に期待が集まっており、一方、広域に分散したエッジ・コン ピューティング同士が情報共有を行うことで、様々な応用が期待される。このような 需要を受けて、広域分散システムは単に構築し正常系における実証実験と評価実験を 行うだけでなく、その耐障害性を多様な評価方法で検証し、把握しておくことが求め られる。 広域に分散した研究組織が計算機資源を提供し合うことにより構築 される広域分散プラットフォームを拡大するとともに、運用コスト を軽減する仕組みとスモールスタートでこのプラットフォームに 参画できる仕組みを作る。 このプラットフォームを利用した様々な応用、特にユーザや情報 ソースとの遅延が小さいことに優位性のあるサービスを展開し、 その評価と実証を推進する。 上記プラットフォーム上で展開されるアプリケーションに対して、 常時多様な障害シナリオを発生させることにより耐障害性の検証を 能動的に行う「Dissipative Infrastructure」の実装と評価を行う とともに、レジリエンスの定性的・定量的な評価手法の改善を行う。 研究計画 Distcloud の模式図 (2020 年度版 ) 高性能ノード ( 物理コア数 ≧ 20) 一般ノード ( 物理コア数 < 20) 凡例 接続予定ノード Distcloud を用いた CLOUDIAN HYPERSTORE の 耐障害性検証実験模式図 (2019) 本提案の参加者はこれまで国内外 14 の研究組織 ( 北海道大学、東北大学、 NII (SINET5 DC と AWS、Azure の提供を含む ) 、東京工業大学、金沢 大学、奈良先端科学技術大学院大学、京都大学、大阪大学、広島大学、 高知工科大学、九州大学、九州産業大学、琉球大学、カリフォルニア大学 サンディエゴ校 ) からなる広域分散プラットフォーム「Distcloud」を構築 し、太平洋横断ライブマイグレーションをはじめとして様々な実証実験を 行ってきた。 また SDN を用いて広域分散システムの耐災害性・耐障害性を検証する 「DESTCloud」を開発し、災害シナリオを用いて広域分散システムを構成 する実ネットワークに対して意図的な障害を発生させることで耐障害性を 検証するプラットフォームを構築した。本提案ではこの Distcloud のさら なる拡大、DESTCloud を用いた広域分散アプリケーションの耐障害性の 検証を行うことで、実際的な問題解決に寄与することを目的とする。 10.10.13.0/24 10.10.4.0/24 10.10.12.0/24 28 CPU 128GB memory CLOUDIAN HYPERSTORE COSBench 28 CPU 256GB memory 10Gbps 10Gbps 1Gbps 20 CPU 192GB memory Tohoku University Osaka University 10.10.3.0/24 28 CPU 128GB memory 10Gbps NII 100G 40G Ryukyu University 10.10.13.0/24 1Gbps 28 CPU 256GB memory Kyushu Sangyo University

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Page 1: 広域分散プラットフォームDistcloudを用いたレジリ …...12 2020年7月9日 jh200025-ISH 柏崎礼生 (国立情報学研究所) 学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点

12

2020年 7月 9日

jh200025-ISH柏崎礼生 (国立情報学研究所)

学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点 公募型共同研究 2020年度採択課題

広域分散プラットフォームDistcloudを用いたレジリエンスの定量的評価

12th symposium

Kyushu SangyoUniv.

Kyushu SangyoUniv.

+WADCI

KyushuUniv.

KyushuUniv.

RyukyuUniv.RyukyuUniv.

KUTKochi Universityof technology

KUTKochi Universityof technology

NIINational Instituteof Informatics

NIINational Instituteof Informatics

TokyoUniv.TokyoUniv.NAIST

Nara institute ofscience and technology

NAISTNara institute of

science and technology

JAISTJapan Advanced Instituteof science and Technology

JAISTJapan Advanced Instituteof science and Technology

HiroshimaUniv.

HiroshimaUniv.

KanazawaUniv.KanazawaUniv.

KyotoUniv.KyotoUniv.

OsakaUniv.OsakaUniv. Tohoku

Univ.TohokuUniv.

TITECHTokyo Instituteof technology

TITECHTokyo Instituteof technology

HokkaidoUniv.HokkaidoUniv.

SINET5Sapporo DCSINET5Sapporo DC

SINET5Tokyo DCSINET5Tokyo DCSINET5

Osaka DCSINET5

Osaka DC

SINET5Fukuoka DCSINET5Fukuoka DC

KITKitami Instituteof technology

KITKitami Instituteof technology

UCSDUniversity of California

San Diego

UCSDUniversity of California

San Diego

研究の意義研究の目的日本をはじめ、環太平洋地域の島嶼国においては特に、自然災害による情報インフラストラクチャの破壊が他地域と比較して高い頻度で発生している。センサー端末やモバイル端末から収集された時系列データを用いた防災・減災のための取り組みがこれらの地域では重要視されているが、収集する基盤が遠方にあるクラウドコンピューティング環境上にある場合、その途中にあるインターネット回線は大規模自然災害による影響を受けやすい。利用者や情報源により近い場所に計算機・ネットワーク資源を配置するエッジ・コンピューティングの応用に期待が集まっており、一方、広域に分散したエッジ・コンピューティング同士が情報共有を行うことで、様々な応用が期待される。このような需要を受けて、広域分散システムは単に構築し正常系における実証実験と評価実験を行うだけでなく、その耐障害性を多様な評価方法で検証し、把握しておくことが求められる。

広域に分散した研究組織が計算機資源を提供し合うことにより構築される広域分散プラットフォームを拡大するとともに、運用コストを軽減する仕組みとスモールスタートでこのプラットフォームに参画できる仕組みを作る。このプラットフォームを利用した様々な応用、特にユーザや情報ソースとの遅延が小さいことに優位性のあるサービスを展開し、その評価と実証を推進する。上記プラットフォーム上で展開されるアプリケーションに対して、常時多様な障害シナリオを発生させることにより耐障害性の検証を能動的に行う「Dissipative Infrastructure」の実装と評価を行うとともに、レジリエンスの定性的・定量的な評価手法の改善を行う。

研究計画Distcloud の模式図 (2020年度版 )

高性能ノード ( 物理コア数 ≧ 20)一般ノード ( 物理コア数 < 20)

凡例

接続予定ノード

Distcloud を用いたCLOUDIAN HYPERSTOREの耐障害性検証実験模式図 (2019)

本提案の参加者はこれまで国内外 14の研究組織 (北海道大学、東北大学、NII (SINET5 DCと AWS、Azure の提供を含む ) 、東京工業大学、金沢大学、奈良先端科学技術大学院大学、京都大学、大阪大学、広島大学、高知工科大学、九州大学、九州産業大学、琉球大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校 )からなる広域分散プラットフォーム「Distcloud」を構築し、太平洋横断ライブマイグレーションをはじめとして様々な実証実験を行ってきた。またSDNを用いて広域分散システムの耐災害性・耐障害性を検証する「DESTCloud」を開発し、災害シナリオを用いて広域分散システムを構成する実ネットワークに対して意図的な障害を発生させることで耐障害性を検証するプラットフォームを構築した。本提案ではこのDistcloud のさらなる拡大、DESTCloud を用いた広域分散アプリケーションの耐障害性の検証を行うことで、実際的な問題解決に寄与することを目的とする。

10.10.13.0/24 10.10.4.0/24

10.10.12.0/24

28 CPU128GB memory

CLOUDIANHYPERSTORECOSBench

28 CPU256GB memory

10Gbps

10Gbps1Gbps

20 CPU192GB memory

TohokuUniversity

OsakaUniversity

10.10.3.0/24

28 CPU128GB memory

10Gbps

NII

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RyukyuUniversity

10.10.13.0/24

1Gbps28 CPU256GB memory

KyushuSangyo

University

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