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1 パインウッドダービーカー作製について How to make pinewood derby car 日本ボーイスカウト東京連盟

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パインウッドダービーカー作製について

How to make pinewood derby car

日本ボーイスカウト東京連盟

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目 次

1. はじめに

2. パインウッドダービーにあたって

3. レースカー作製

1. はじめに

パインウッドダービーは、アメリカ連盟のカブスカウトの大きな年間イベントの一つです。

最近、日本でもいくつかの地区で開催されるようになってきました。

パインウッドは英語で松の木のことです。公式キットを使ってレースカーを作成します。

レースカーは大きさや重さが厳密に決められています。坂から一度に4台のレースカーを走

らせて、誰が一番早くゴールに到着するかを競います。レースはうさぎ、しか、くまのラン

ク毎に表彰されます。指導者や家族が参加できるオープン参加の部も設定すると、より大会

が盛り上がります。

レースカーを作成することの楽しさだけでなく、とかく競争の場が無い現代において、競

うことの楽しさや悔しさの場を提供し、スカウトや家族にとって、思い出に残るイベントに

したいと考えています。

日本全国にパインウッドダービーが普及し、日本代表とアメリカ代表のレースカーの決選

レース大会を開催することを夢見て、多くのスカウトにこの楽しさを普及していきたいと考

えています。

2. パインウッドダービーに当たって

ご父兄(保護者)の方々へ

パインウッドダービーは、親(保護者)とスカウトが一緒に工作する機会を与えます。

レースカーはスカウト自身で作成しなければなりません。親(保護者)は手伝ったとしても、

最小限に留めて下さい。これは、レースの勝ち負けではなく、スポーツマンシップにも通じ

る大切なことです。

パインウッドダービーを通して、スカウトはレースのおもしろさを知り、再びやってみた

いと思うでしょう。保護者の皆さんは積極的にレースカー作成指導や実施のサポートをして

頂くことで、スカウト自身に最大限の経験をさせてあげてください。そして親(保護者)は、レ

ースカーの作成やレースの実施過程を通して、子供の新たな良い点を、沢山みつけてあげて

下さい。

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3. レースカー作製

① パインウッドダービー作製に当たり

② レースカーの規約

③ レースカー作製の手順

④ デザイン

⑤ 木を削る

⑥ ツルツルに磨く

⑦ 色を塗る

⑧ 錘付け(計量)

⑨ タイヤ付け

⑩ 坂で試走

⑪ (参考)レースカー作製スケジュール

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① パインウッドダービー作製に当たり

【基本ルール】

○ レースカーはカブスカウトが作製する。親はサポートにとどめる。

レースカーは、その大会用(今年度)に作製されたものであること。

昨年のレースに使用した車を使わないこと

レースカーは他人から購入したり、プロが作製したものは、認められません。

○ レースカーは、BSAの公式グランプリ パインウッドダービーキットを使用して作製

する。

その後、市販されている車、タイヤ、釘を使って作製することは禁止する。

レースカーは、公式キットで提供されている4つのタイヤと釘を使用すること。

(レースカーに付ける錘は各自工夫して付ける)

公式キット一式(錘は入っていない)

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② レースカーの規約

レースカーは以下の規定に準拠するよう作成します。

○ レースカー

全長 177.8 ㎜以内であること…① (7インチ)

横幅 69.85㎜以内であること …② (2.75インチ)

高さ 76.2 ㎜以内であること …③ (3.0インチ)

車高 9.52㎜以上を確保すること ・・・④ (3/8インチ)

最低車輪間距離 44.45㎜は確保すること ・・・⑤ (1.75インチ)

前後車輪(ホイールベース) タイヤは全長の間に留めること ・・・⑥

○ レースカーの重さ

141.75g以下であること (5オンス)

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③ レースカー作製の手順

デザイン

スカウトは最初にどんなレースカーを作るかを考えます。指導者はキッ

トの松の木を見せて、その中で想像を膨らませるようお話をしてあげて

下さい。

木を削る

木に描いたデザインの輪郭に沿って、木を切り出します。その際、大人

の手助けが必要です。安全確保した上で、木を切る楽しさを教えてあげ

て下さい。

ツルツルに磨く

紙やすりでレースカーをツルツルにする作業は、スカウトが最もエキサ

イトする作業です。一生懸命磨けば磨くほど、とても綺麗なレースカー

ができます。

色を塗る アクリル絵の具でもマジックでも、色落ちしない材料で色付けします。

スカウトの感性を最大限尊重し、自由に塗らせてあげましょう。

錘付け(計量)

キットとタイヤと釘だけでは80gほどです。自分の好きな錘を付けて、

重さを増やします。 141g以下になるよう計量器で計りながら付けま

す。

タイヤ付け タイヤを木の穴に付けます。これで完成です。

坂で試走

さっそく走らせてみましょう。タイヤがまっすぐ付いているか、錘の付

け位置がそれでよいかを確認しながら、一番速く走るよう調整しましょ

う。

パインウッドダービーのレースカーは以下の手順で作製します。

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④ デザイン

<スカウトへのメッセージ >

さぁ、スカウト諸君!今から君たちに自動車のデザイナとなって、世界一速い車を考えて

もらう。そして実際にその車を作ってもらいたい。

その車は、地区のカブスカウトのチャンピオンを決定する大会に出てもらう予定だ。

○ まずは一人一人配った箱から木を出して欲しい。これは何の木か分かるかな?(ス

カウトから聞 いた後)、これは松の木だよ。皆同じ形をしているね。この木を削っ

て、自分の好きな、そして速い 車を作って欲しい。

○ どんな形の車にするか、画用紙に自由に描いて欲しい。

○ デザインができたら、木の大きさにそのデザインを描いてみよう。できたらデザイ

ンをハサミで切って、木に張り付けてエンピツでデザインを木に書き写そう。

<準備するもの>

○ 画用紙、方眼紙、公式パインウッドキット

<注意&アドバイス>

○ 自由な発想でデザインしてもらえば良いが、レースカーの大きさ(規定)について

は、タイミングを見計らって話しておく。(あまりにも突飛なデザインは、後から

規定内に納めようとすると、極端 にデザインが醜くなってしまうため)

○ 極端に流線型のデザインをすると、タイヤを埋め込む溝がなくなるので注意が必要。

○ 木へのデザインの写しは正確でなくてもよい。木を削る際に厳密に削れるスカウト

はいないので。

スカウトは最初にどんなレースカーを作るかを考えます。指導者はキットの

松の木を見せて、その中で想像を膨らませるようお話をしてあげて下さい。

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⑤ 木を削る

<スカウトへのメッセージ>

○ 今から木を削ります。木を削るためには、色々な刃物を使わなければなりませんね。

どんなものがあるのかな?(目の前に糸のこぎり、彫刻刀、あるいはグラインダー

等の電動工具を置いておき、 知っている道具を答えさせる)

○ 刃物を使う場合、注意すべきことは何でしょう?(手の位置、近くに人がいない等

を教える)

○ (指導者、保護者の方々へ)最低スカウト2名に対して、大人が1名目配り、気配り

して事故の無いようにして下さい。又、刃物の使い方を最初に教えてあげて、少し

ずつ削るようにして下さい。

<準備するもの>

○ 木を削るための工具、掃除道具

<注意&アドバイス>

○ あまり削り過ぎると錘を載せる場所がなくなります。錘をどこに、どのぐらい載せ

るかを考えて下さい。

○ 電動工具は危険なものは大人が操作する。又は大人が手を貸してあげて、操作を体

験させて下さい。

○ 木の削りカスが大量に飛び交います。工作室、あるいは外で実施することをお勧め

します。

○ 最後の1時間は掃除と片づけに充てるように、時間に余裕を持たせたスケジュール

が必要です。

木に描いたデザインの輪郭に沿って、木を切り出します。その際、大人の手助けが

必要です。安全確保した上で、木を切る楽しさを教えてあげて下さい

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⑥ ツルツルに磨く

<スカウトへのメッセージ>

○ レースカーに命を吹き込むタイミングは3回ある。どれもやらないと、レースカーは

気持ち良く走ってくれない。その3回とは、1つ目にツルツルに磨くこと、2つ目に

色を塗って錘を付けてやること、そして最後の3つ目はタイヤを付けて走らせること

だ。だからツルツルにするのはとても大切な仕事だ。だから一生懸命、自分のレー

スカーを磨いて欲しい。

○ ツルツルにするには、紙ヤスリがいる。番号が小さいのはザラザラしているね。木

がまだデコボコしている時は、この番号を使うんだ。そして順番に大きな番号の紙

やすりに変えてレースカーを磨いてやると、徐々にツルツルになるんだよ。

<準備するもの>

○ 木を滑らかにするための紙やすりや工具、掃除道具

<注意&アドバイス>

○ 危険はさほどないが木のカスが出るので、事後の清掃をしっかり実施して下さい。

紙やすりでレースカーをツルツルにする作業は、スカウトが最もエキサイトする

作業です。一生懸命磨けば磨くほど、とてもきれいなレースカーができます。

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⑦ 色を塗る

<スカウトへのメッセージ>

○ レースカーに命を吹き込む第2回目だ。レースカーに色を塗ってもらうよ。色は好き

に塗っていいけれど、大切なことはいい加減に塗らないこと。命を吹き込むのだか

ら 丁寧に塗ってあげて下さい。

○ 錘にも色を塗ってもいいんだよ。乾いたら、後から接着剤でレースカーに取り付け

よう。

<準備するもの>

○ 色を塗る道具(アクリル絵の具、油性マジック等)、新聞紙、キッチン用計量計、

錘、掃除道具

<注意&アドバイス>

○ 色を塗る段階で、どんな錘をつけるのかを決めさせて下さい。その際にはキッチン

用の計量計で135g~138g(規定では141gだが、塗料の重さを考慮する)を目安

に、レースカー、釘4本、タイヤ4個、錘の全てを計っておいて下さい。

○ 事前に砥の粉で木の表面に目張りをすると綺麗に仕上がります。しかし、砥の粉は

乾くまで最低1日かかります。時間に余裕がある場合、あるいは家庭で保護者の方が

実施して頂くと良いと思います。

アクリル絵の具でもマジックでも、色落ちしない材料で色付けします。

スカウトの感性を最大限尊重し、自由に塗らせてあげましょう。

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⑧ 錘付け(計量)

<スカウトへのメッセージ>

○ ここからが一番大事な作業だ。錘を載せる作業だよ。車のどこに載せるかは、実は

とても大切で 同じ重さでも、スピードが違ってくるんだ。レースカーの形は、それ

ぞれ違うので、どこに錘を載せるかは各自が考えて欲しい。

○ 錘を付けて 141g 以下にしなければならない規則があります。重ければ重いほど、

速く走る けれど、ちょっとでも 141g を超えてしまうと、錘かレースカーを削ら

なければなりません。何回も計量計に載せて重さを調整して下さい。

<準備するもの>

○ 錘(板状の錘、釣り用錘、乾電池、お金等とにかく何でも OK)、瞬間接着剤、新聞

紙、キッチン用計量計、掃除道具

<注意&アドバイス>

○ 錘はレースカー全体のバランスを考慮します。極端に前方や後方に載せると、失速

します。

○ 錘を付けるとデザインが台無しになるのなら、板状の錘を裏面にビスで止めるとよ

い。また裏面に穴を開けて、錘を埋めるという手もあります。

【ルール】錘の取り付け

○ 錘は、ボンドなどの接着剤、木ネジ、釘等でしっかり取り付ける。テープや粘着性

の物質での取り付けは走行中ズレてしまうので、禁止する。

○ 錘は固定すること。レースカー走行に対して、錘が勢いを増すような仕掛けをして

はならない。

キットとタイヤと釘だけでは80gほどです。自分の好きな錘を付けて、

重さを増やします。141g以下になるよう計量器で計りながら付けます。

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⑨ タイヤ付け

<スカウトへのメッセージ>

○ さあ、最後の仕上げだ。タイヤを車に付けよう。タイヤに釘を通して、木に付けて

ある溝に付ければ完成だ。

○ 何回も付けたり外したりしないように。またタイヤが曲がっていると、速く走らな

いからまっすぐに調整しよう。

<準備するもの>

○ キッチン用計量計、掃除道具

<注意&アドバイス>

○ 90度に付けてあるかを確認します。

○ 釘には小さな出っ張りがありますが、可能であれば削っておくと、より速く走るよ

うになります。

タイヤを木の穴に付けます。これで完成です。

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⑩ 坂で試走

<スカウトへのメッセージ>

○ さあ、自分の車がどれだけ速く走るか試してみよう。

○ もしも遅いようなら、タイヤが走っている時にガタガタしていないか確認し、まっ

すぐになるよう調整しよう。

<準備するもの>

○ 90度が計れるようなスケール、掃除道具

<注意&アドバイス>

○ 90度に付けてあるかを確認します。

○ 折角作ったレースカーなので、坂で試走する中で壊さないようにゴールに古い毛布

なのを置いて クッションにしておくと良いと思います。

○ 帰宅時に無造作にザックにレースカーを入れるスカウトがいるので、タオルや新聞

紙で包んで大切に持って帰るよう伝えて下さい。一番良いのはレースカーより大き

なタッパウェアのような 器にタオルで包んでしまうことができれば壊れません。

○ 自宅で大切に保管(あるいは調整)し、大会時にはそのまま持ってくるよう伝えて

下さい。

さっそく走らせてみましょう。タイヤがまっすぐ付いているか、

錘の付け位置がそれでよいかを確認しながら、一番速く走るよう調整しましょう。

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⑪ (参考)レースカー作成スケジュール

パインウッドダービーのレースカーを集会で作成する場合の例を、以下に紹介します。

各団年間スケジュールの中で臨機応変にご対応下さい。また説明だけ隊(組)集会で実施

し、各家庭で作成させる団もあります。

第1日目

10:00-12:00 (ア) パインウッドキットを各自に渡す。釘とタイヤはジップロック(名

前を書く)に入れておくとなくさない。デザインを画用紙に描かせ

る。方眼紙に最初から描かせてもよい。

(イ) 方眼紙を切り抜き、木にテープで仮止めして、エンピツで木に直接

輪郭を描かせる。 錘もどこにつけるかを考えさせておくとよい。

12:00-13:00 (ウ) 昼食

13:00-15:00 (エ) 木を削る。削りすぎないように、注意する。

(オ) ひたすら紙やすりで磨く。これが一番楽しい。磨けば磨くほどツル

ツルになる。

15:00-16:00 (カ) 後片付け、清掃

第2日目

10:00-12:00 (キ) 錘を考えて、計量。錘の選択が結構時間がかかる。

(ク) 色を塗る。

12:00-13:00 (ケ) 昼食

13:00-14:00 (コ) タイヤを付けて、再度計量し、全体重量を調整する。絵の具を沢山

盛ると、結構な 重量になる。重い場合は本体を削ったり、錘を調

整する。

14:00-15:00 (サ) ベニア板等の坂で試走。あまり走らない車にはグラファイトを少し

付けてやる。

15:00-16:00 (シ) 後片付け、清掃