ドロップバッグの作り方 -...
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ドロップバッグの作り方
■ドロップバッグは肩からかけられるハンドバッグ型(パターンPA11)とトートバッグ型(パターンPA12)の2タイプあります。作り方は同じです。ここでは、ハンドバッグ型のパターンを使って作り方をご紹介していきます。
■このバッグの一番のポイントは2種類の表布を縫い合わせるところです。カーブがきついので、縫い合わせるのは少し難しいかもしれません。でも綺麗に縫えるコツをいくつかご紹介しています。ハンドバッグ型とトートバッグ型を比べると、トートバッグ型の方がカーブがゆるめです。その分縫いやすくなります。初心者の方で上手に縫えるか不安な方や、どちらから作ろうか迷ってらっしゃる方はトートバッグ型からお作りになるのがいいかと思います。この表布のカーブの部分は、洋服の袖付けをしたことがある方なら縫えます。また言い換えれば、このバッグのカーブを縫うことが出来れば、袖付けもすいすいクリアです。ソーイングをしていく上で、「カーブを縫う」ことは避けては通れません。ぜひこの機会にチャレンジしてレベルアップにつなげていただけたらと思います。
ハンドバッグ型
トートバッグ型
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●● 手順 ●●
1、パターンを切る2、表布を裁断する3、裏布を裁断し、印を入れる4、接着芯を裁断し、貼る5、表布に印を入れる6、「表布A」と「表布B」を縫い合わせる7、「表布B」のダーツを縫う8、表布を縫い合わせる9、Dカンつけ布を縫う10、ポケットをつける11、マグネットボタンをつける12、「バッグ裏布」のダーツを縫う13、「バッグ裏布」を縫い合わせる14、「表布」と「裏布」を縫い合わせる
1、パターンを切る
Peachmadeのパターンにはすでに縫い代がふくまれていますので、実線通りに切ります。
2、表布を裁断する
「表布A」2枚、「表布B」2枚、「Dカンつけ布」1枚を裁断します。私はいつもロータリーカッターを使用しています。ずれにくくて便利です。
■わの部分は布を半分に折り、その折り目にそってパターンを置きます。
※この段階ではまだ合印に印は入れません。接着芯を貼ってから、印を入れます。
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3、バッグ裏布を裁断し、印を入れる
(1)「バッグ裏布」2枚を裁断します。
(2)合印にノッチ(2~3ミリの切り込み)を入れます。
右のマークがある箇所にノッチを入れてください。入れる箇所は、8箇所あります。
(3)ダーツの縫い止まり位置(パターン上では、●の印があるところ)に印を入れるのですが、印の入れ方には色々な方法があります。ここでは目打ちとチャコペンを使います。
まず、●印に目打ちを突き刺します。
(4)パターンをめくると生地に小さな穴があいているのが分かります。
さらにバッグ裏布を1枚めくります。穴が2箇所あいています。
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あいた穴にチャコペンで十字に印を入れます。全部で6箇所に入れます。
※ここでは分かりやすいように、ボールペンで印を入れています
(5)「マグネットボタン付け位置」と「ポケット付け位置」に印をつけます。
印の付け方は、topics08「トートバッグの作り方」をご参照ください
■「バッグ裏布」は2枚ありますが、「ポケット付け位置」の印のみ、どちらか1枚だけにつけてください。(ポケットは片面にしか付けないので)
(6)「ポケット」を裁断します。
わの部分は、布を半分に折り、その折り目にそってパターンを置き裁断します。
4、接着芯を裁断し、貼る
カバン用接着芯は、表布A、表布B、マグネットボタンつけ位置周辺、ポケットの口部分に貼ります。■「Dカン付け布」が薄い生地の場合は、「Dカン付け布」の裏にも貼った方がいいでしょう。■トートバッグ型は92cm幅であるカバン用接着芯に対してギリギリ一杯の大きさです。パターンの置き方によってはすべてのパーツが取れません。すべてのパーツがきちんと取れるかどうかよく吟味した上で裁断してください。尚、ハンドバッグ型はトートバッグ型に対して小ぶりなため、パターンの置き方にそれほど神経質になる必要はありません。�� (1)表布A、表布Bのパターンを使って裁断します。それぞれ2枚ずつ必要です。
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(2)マグネットボタンつけ位置周辺用には、4cm×5cmぐらいのものを2枚裁断します。(マグネットボタンをつける際、生地を補強するために貼りますので、接着芯の大きさはアバウトでかまいません)
ポケットの口部分には、1cm×18cmのものを1枚裁断します。ストレートタイプの伸び止めテープを使ってもかまいません。
■マグネットボタン付け位置周辺用とポケット口部分用のパターンはありません。
(3)両面接着シートも上と同様に裁断してください。
■カバン用接着芯が上手に貼れる場合は、両面接着シートを使う必要はありません。(topics 02「接着芯の貼り方のコツ その2」をご参照ください)■マグネットボタン付け位置周辺用とポケット口部分は、面積が狭いので、両面接着シートがなくてもカバン用接着芯を綺麗に貼れることが出来るのではないかな、と思います。なので、私は両面接着シートを使いませんでした。■トートバッグ型は92cm幅であるカバン用接着芯に対してギリギリ一杯の大きさです。パターンの置き方によってはすべてのパーツが取れません。すべてのパーツがきちんと取れるかどうかよく吟味した上で裁断してください。尚、ハンドバッグ型はトートバッグ型に対して小ぶりなため、パターンの置き方にそれほど神経質になる必要はありません。 (4)「表布A」と「表布B」に両面接着シートを貼り、その後カバン用接着芯を貼ります。
■マグネットボタンつけ位置周辺とポケットの口部分の接着芯は、のちほど貼りますので、ここではまだ貼らずにおいておきます。
5、表布に印を入れる
(1)ここでようやく表布の合印に印をいれます。
表布の上に再度パターンを置き、ノッチ(2~3ミリの切り込み)を入れます。ノッチを入れる箇所は「表布A」に7箇所、「表布B」に14箇所あります。
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(2)「表布B」のダーツの縫い止まり位置(●印のあるところ)に印を入れます。
■バッグ裏布と同じ要領です。「3、バッグ裏布を裁断し、印を入れる」の(3)と(4)参照。
6、「表布A」と「表布B」を縫い合わせる
この工程がドロップバッグでは一番のポイントであり、難しいところでもあります。ていねいにすすめてください。
(1)「表布A」と「表布B」を中表にして、11箇所の合印をあわせて、マチ針かクリップでとめます。
生地が硬い場合、マチ針だと折れ曲がることがあります。気になる方はクリップでとめてください。
(2)端から1cmのところを縫い合わせます。カーブがきついので縫いづらいです・・・。
綺麗に縫うポイントをいくつかご紹介します。
1、「表布A」を上にしてミシンをかけること。
2、目打ちを片手に持ちながらミシンをかけます。「表布A」にタックやギャザーが入らないように目打ちで生地を送ったり、または、生地を押えたりしながら縫います。目打ちを上手に使うと綺麗に仕上がります。目打ちを使いこなすにはコツがいりますが、慣れると便利ですし、カーブが思うように縫えるとソーイングの幅がグッと広がります。
3、目打ちを使っても綺麗に縫えそうにない場合は、面倒ですが、しつけをすることをお勧めします。生地端から1cmのところを細かくしつけをしてからミシンをかけると生地がずれたり、タックやギャザーが入ったりせずに縫えます。
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(3)「表布A」の縫い代を5mmにハサミでカットします。■「表布B」の縫い代はカットしません。■縫い代に段差をつけることで、縫い代のごろつきが減り表から見たときにすっきりとします。
(4)縫い代をアイロンで「表布A」側に倒して、端から2mmぐらいのところをミシンでステッチをかける(右下の写真参照)。
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(5)もう1枚の「表布A」「表布B」も同様に縫い合わせます。
7、「表布B」のダーツを縫う
(1)ダーツの縫い方をご説明していきます。
ここでは、分かりやすくするために、縫うラインには赤色で点線、合印に黒で印を書きました。
(2)合印をあわせて、点線を縫います。縫い初めと縫い終わりはしっかりと返し縫いをしておきます。
<補足>洋服を縫う場合、ダーツ縫い止まりは返し縫いをせずに、糸がほどけないように3~4回結んでおくのが一般的ですが、ここで制作しているのはバッグなので、私は強度を優先して、縫い止まりであっても返し縫いをしました。
(3)同様に残りの5箇所のダーツを縫います。
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(4)縫い代を割ります。
そのためにまず、6箇所のすべてのダーツの縫い代に、ハサミでダーツ縫い止まりの2~3ミリ手前まで切り込みを入れます。
(5)アイロンで縫い代を割ります。 (6)「表布B」はもう1枚あります。(1)~(5)まで、同じ作業をします。
8、表布を縫い合わせる
(1)中表にあわせて、マチ針をうつか、もしくはクリップでとめます。
(2)端から1cmのところを縫います。
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(3)縫い代をアイロンで割ります。
カーブしていますので、テーラーボードや袖万などを使うと綺麗に縫い代が割れます。
ここでは袖万(写真、一番手前)を使いました。バッグの丸みに袖万の先の丸みを合わせます。
(4)水を含ませた筆で縫い代をなぞりアイロンをあてます。(topics06 「仕立ての技」参照)
■スチームでやけどをする可能性がありますので、スチームは出さないでください。■カーブしているところの縫い代を割るのは少しコツがいるのですが、上でご説明しているように、袖万などの道具を使って根気よく丁寧に作業すると綺麗に割ることが出来ます。特別な技術は必要ありません。縫い代を割るための道具と筆があれば難しくはありません。
9、Dカンつけ布を縫う (1)アイロンで半分(2つ折り)にします。 (2)いったん広げて両端を折ります。
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(6)Dカンをはさみ、生地がずれないようにミシンで端から5mmぐらいのところを縫っておきます。
(5)ハサミで4等分します。
(7)表布Bの「Dカンつけ布付け位置」にDカンつけ布を合わせます。
「Dカンのつけ布」の付ける向きには2通りあります。その1、底面に対して垂直につける(Dカンが真下を向いている)。【写真A】その2、口のカーブに沿わしてつける。【写真B】
どちらでもかまいません。お好みでつけてください。簡単なのは、その2(写真B)の方です。
■ここでは、写真Bの付け方で進めていきます。
(3)さらに半分に折って、4つ折りにします。 (4)端から2mmぐらいのところを縫います。
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【写真A】
【写真B】
(8)生地端から7mmぐらいのところを縫います。 (9)残りもう3箇所も同じように「Dカンつけ布」を縫い付けます。
10、ポケットをつける
(1)ポケットの口部分を補強するために、接着芯を貼ります。そのために、まず、ポケットを半分に折り、アイロンで軽く折り目つけます。
(2)いったん広げて、折り目に接着芯をそわせてアイロンで貼ります。
ここではご説明しやすいように、折り目に赤いラインを引きました。
(3)「わ」を中心にして中表に合わせて、端から1センチのところを縫います。
ただし、返し口は縫わずに残しておきます。
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(4)角をハサミで切り落とします。
(5)返し口から表に返します。
目打ちで角を押し出し、角が直角になるようにします。その後、アイロンで形を整えます。
(6)端から5ミリぐらいのところにステッチを入れます。
■返し口は開いたままでかまいません。
(7)次に「バッグ裏布」にポケットを縫い付けていきます。 まず、「ポケット付け位置」にポケットを合わせて、マチ針をうちます。
(8)ポケットを縫います。
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12、「バッグ裏布」のダーツを縫う
(1)「バッグ裏布」は2枚あります。すべてのダーツを【7、「表布B」のダーツを縫う】の(1)~(3)と同じ要領で縫います。
(2)縫い代はアイロンで外側に倒します。
11、マグネットボタンをつける
「バッグ裏布」にマグネットボタンを取り付けます。
取り付け方は topics05「マグネットボタンの取り付け方」をご参照ください。
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(1)2枚の「バッグ裏布」を中表にあわせてマチ針をうちます。 2)端から1.2cmのところを縫います。ただし返し口は縫わずに残しておきます(「わ」にして裁断するので、返し口が2箇所出来るように思いますが、返し口は1つだけで結構です)。
■裏布は内回り分だけ布が余りだぶつきますので、表布より心持ち小さめに縫うとおさまりがよくなります。
端から1cmのところを縫うと表布と同寸になりますが、1.2cmのところを縫うと心持ち小さくなります。(パターンの縫うラインも端から1.2cmところに点線を入れています)
返し口は縫いません。
(3)表布と同様に縫い代をアイロンで割ります。返し口の縫い代にもアイロンをあてて折り目をつけておくと、後で縫い合わせるときに縫いやすくなります。
13、「バッグ裏布」を縫い合わせる
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14、「表布」と「裏布」を縫い合わせる
(1)表布と裏布を中表になるように合わせます。
中表に合わせるには、裏布はひっくり返す必要があります。
合印を合わせたら、クリップをはさむか、マチ針をうちます。
(2)口をぐるっと1周縫います。(端から1cmのところを縫います)
(3)縫い代に2~3cm間隔で切り込みを入れていきます。切り込みは縫い目の2~3ミリ手前まで入れます。
(4)バッグ裏布の返し口から、表にひっくり返します。
(5)アイロンで形を整えます
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(6)バッグ裏布の返し口を縫います。
(7)バッグの口にステッチを入れます。端から2ミリのところと7ミリのところに入れます。
■バッグを表布から見て入れたほうが綺麗に縫えます。
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(8) Dカン付・スタンダードネジ仕様の持ち手をつければ完成です。
■「ドロップバッグの作り方」に記載している内容は、Peachmadeオリジナルの作り方であって、��この方法が一般的であるとは限りません。