コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)について · 平成26年度...

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コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)について 制度の概要 保護者や地域住民が学校運営に参画する「学校運営協議会」制度の導入により、地域の力を学 校運営に生かす「地域とともにある学校づくり」を推進する。 これにより、子供が抱える課題を地域ぐるみで解決する仕組みを構築し、質の高い学校教育の 実現を図る。 (地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十七条の五) <コミュニティ・スクールのイメージ> <学校運営協議会の主な役割> 教育委員会が、学校運営協議会を置く学校を指定 校長の作成する学校運営の基本方針を承認すること (必須) ○ 学校運営について、教育委員会又は校長に意見を出すことができること(任意) 教職員の任用に関して、教育委員会に意見を出すことができること(任意) (教育委員会はその意見を尊重して教職員を任用する) ◆コミュニティ・スクール(学校運営協議会)は、保護者や地域が学校の様々な課題解決に参画し、 それぞれの立場で主体的に子供たちの成長を支えていくための仕組みです。 ◆コミュニティ・スクールを導入し、放課後関係者が学校運営協議会の委員になることなどにより、 学校関係者と放課後関係者が情報や課題を共有したり、教育目標や目指すべき子供像について 協議を行うなど、学校・家庭・地域の連携・協働体制を構築することが重要です。 指定状況等 平成264月時点で全国1,919校が指定 目標コミュニティ・スクールを全公立小中学校の1割(約3,000校)に拡大 教育振興基本計画(平成25614日閣議決定) コミュニティ・スクールの取組に御興味があれば、いつでも御説明に伺います! 【担当】文部科学省初等中等教育局参事官(学校運営支援担当)付 運営支援企画係 谷口、菊地(03-5253-4111(内線2345))

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Page 1: コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)について · 平成26年度 コミュニティ・スクールの指定状況 幼稚園 62 園 小学校 1,028

コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)について

制度の概要

保護者や地域住民が学校運営に参画する「学校運営協議会」制度の導入により、地域の力を学校運営に生かす「地域とともにある学校づくり」を推進する。

これにより、子供が抱える課題を地域ぐるみで解決する仕組みを構築し、質の高い学校教育の実現を図る。

(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十七条の五)

<コミュニティ・スクールのイメージ>

<学校運営協議会の主な役割>教育委員会が、学校運営協議会を置く学校を指定○ 校長の作成する学校運営の基本方針を承認すること (必須)○ 学校運営について、教育委員会又は校長に意見を出すことができること(任意)○ 教職員の任用に関して、教育委員会に意見を出すことができること(任意)(教育委員会はその意見を尊重して教職員を任用する)

◆コミュニティ・スクール(学校運営協議会)は、保護者や地域が学校の様々な課題解決に参画し、それぞれの立場で主体的に子供たちの成長を支えていくための仕組みです。

◆コミュニティ・スクールを導入し、放課後関係者が学校運営協議会の委員になることなどにより、学校関係者と放課後関係者が情報や課題を共有したり、教育目標や目指すべき子供像について協議を行うなど、学校・家庭・地域の連携・協働体制を構築することが重要です。

指定状況等

○ 平成26年4月時点で全国1,919校が指定≪目標≫コミュニティ・スクールを全公立小中学校の1割(約3,000校)に拡大※教育振興基本計画(平成25年6月14日閣議決定)

コミュニティ・スクールの取組に御興味があれば、いつでも御説明に伺います!

【担当】文部科学省初等中等教育局参事官(学校運営支援担当)付

運営支援企画係 谷口、菊地(03-5253-4111(内線2345))

Page 2: コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)について · 平成26年度 コミュニティ・スクールの指定状況 幼稚園 62 園 小学校 1,028

平成26年度 コミュニティ・スクールの指定状況

幼稚園 62 園

小学校 1,028 校

中学校 463 校

高等学校 9 校

特別支援学校 8 校

合計 1,570 校

幼稚園 94 園

小学校 1,240 校

中学校 565 校

高等学校 10 校

特別支援学校 10 校

合計 1,919 校

H25.4.1 H26.4.1

349校増

コミュニティ・スクール:42都道府県内 1,919 校(幼稚園94、小学校1,240、中学校565、高等学校10、特別支援学校10)

コミュニティ・スクールの学校設置者数:

4道県153市区町村(村6、町46、市94、特別区7)

※沖縄県は地図を拡大しています。

コミュニティ・スクール指定校の割合(小中学校)

指定無し・・・(全国平均)4.9%未満・・・

10%未満・・・10%以上・・・20%以上・・・

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学校と地域が情報を共有するようになった 92.6地域が学校に協力的になった 87.7地域と連携した取組が組織的に行えるようになった 84.0特色ある学校づくりが進んだ 83.0学校に対する保護者や地域の理解が深まった 82.6

教職員の意識改革が進んだ 77.4保護者が学校に協力的になった 63.8地域の教育力が上がった 56.3地域が活性化した 51.4児童生徒の学習意欲が高まった 50.5

保護者や地域からの苦情が減った 46.5いじめ・不登校・暴力など生徒指導の課題が解決した 42.7児童生徒の学力が向上した 36.2家庭の教育力が上がった 32.8教職員が子供と向き合う時間が増えた 19.8

※「当てはまる」+「ある程度当てはまる」の合計 (%)

○指定校の校長のコミュニティ・スクール導入の成果認識は以下のとおり。

地域との連携に関係する成果のみならず、保護者や地域からの苦情減、

生徒指導上の課題解決、学力向上にも成果があったとの回答もみられる。

(平成23年度文部科学省委託調査研究報告書/学校運営の改善の在り方に関する調査研究より)

コミュニティ・スクール指定校の成果認識

<指定年度別成果認識>

指定年度から年数が経つほど効果実感が高くなる傾向にある

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◆小中9年間の子供の育ちを、地域ぐるみで支援し、学力向上に成果

○各小中学校の地域住民等が、小中一貫教育校(=「学園」)の学校運営について一体となって協議・支援。

○平成20年度までに市内全22校を指定し、全中学校区で小中一貫コミュニティ・スクールを推進。

⇒学校運営協議会の実働組織(学習ボランティア等)の協力等により、教育支援が充実し、学力向上に成果

東京都三鷹市

コミュニティ・スクールにおける取組事例

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◆生徒指導上の課題等を、学校、家庭、地域の連携で解決

○中学校区内のコミュニティ・スクール間で、生徒指導上の課題等について課題を共有し、その解決に向けて協働。

○「サポート地域本部」を中心にした三つ(学習・安全・環境)の支援を充実。

⇒住民による地域パトロールの徹底により、補導件数が激減。

※春日市は平成22年度までに春日西中学校を含む市内全18校をコミュニティ・スクールに指定。

福岡県春日市(春日西中学校)

<春日西小学校の取組> ※春日西中学校区の小学校

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三者の協働による教育支援活動の企画・

実践

学校(教職員)

地域の多様な人材

家庭(保護者・

PTA)

・学校運営の基本方針の承認・学校運営に関する意見・教職員の任用に関する意見 のほか、学校支援等との連携協働による支援活動等の総合企画

ともに学校・家庭・地域の連携協働により、社会全体の教育力の向上を図る仕組み。それぞれの強みを生かしながら、一体的に取組を推進することが必要。

社会総がかりの教育の充実に向けた土台を固めることで、地域とともにある学校づくり・人づくり・地域づくりを促進

学校運営協議会と学校支援地域本部等の一体的推進の姿【イメージ】

家庭教育支援 等

学校の支援活動(学校支援地域本部)

学校運営の改善・充実、教育支援活動の更なる充実

学校運営協議会地域住民等の学校運営への参画

学校支援地域本部等地域住民等による教育活動等への支援

<一体的に推進することで期待される効果(例)>

○「学校運営の改善」と「教育支援活動等の充実」の双方向・協働型の取組の推進○学校・家庭・地域の組織的・継続的な連携・協働体制の確立○教育支援活動等を通じた、日々の教育活動や子供への理解の深まり、課題解決の実践○子供の教育に関する課題や目標等の共有による当事者意識の高まり○学校・家庭・地域において、共通したビジョンをもった取組の展開

一体的推進の取組例 学校運営協議会委員としてPTA関係者や地域コーディネーター等家庭・地域の代表が参画。

子供の教育に関する課題・目標等を共有し、連携協力体制を構築。

⇒共通したビジョンをもちながら、教育活動支援、土曜・放課後等の活動支援、子供・家庭支援の取組など各々の組織・場で取組を実践。

人材育成 教職員や学校運営協議会委員、地域コーディネーター等に対する研修等を実施。⇒情報共有・熟議等のネットワークづくりによる一体的な取組の充実

その他 国・都道府県・市町村の役割・責任、負担をどう整理するか。

※上記はあくまでイメージ(一例)であり、地域の実情に応じて有機的に組み合わせて実施

<イメージ(一例)>

多様な人材による活動の充実、コーディネーター等の参画、当事者意識の高まり

地域コーディネーター等

地域とともにある学校運営

学校運営協議会(コミュニティ・スクール) 学校支援地域本部等

双方を一体的に推進し相乗効果を発揮、学校運営のPDCAサイクルをより効果的に

コミュニティ・スクールの推進等に関する調査研究協力者会議(第2回)配付資料を一部修正

放課後の支援活動(放課後子供教室)

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<奈良市立富雄北小学校の例>

○平成20年度に「富雄中学校区地域教育協議会」

(奈良市は全22中学校区に本部を設置)

・1中・2小・2幼のコーディネーターの相互連携、ボラン

ティアの積極的支援により、地域ぐるみの子育て・教育活動

を展開

・「花いっぱい通学路クリーンアップ作戦」など、園児・児

童・生徒・教職員・ボランティアが一体となった活動

○学校支援地域本部の取組を基盤とし、平成23年度

にコミュニティ・スクールの指定

・地域住民や保護者が学校運営に参画し、子供にとって必要な

支援は何かを議論。

⇒小学校区内の安心・安全への理解を深めることを重視

・「地域安全マップづくり」など、地域連携の意識の醸成

東山田中学校

コミュニティ・カレンダー

富雄中学校区地域教育協議会

「花いっぱい通学路クリーンアップ作戦」

学校支援地域本部とコミュニティ・スクールの発展的展開の事例

<横浜市立東山田中学校の例>

○平成17年度の開校と同時にコミュニティ・スクー

ルの指定

・学校予算の執行計画の承認など、地域住民や保護者が学校運

営に参画

・小中学校・町内会等のスケジュールをまとめた「コミュニ

ティカレンダー」の作成や、地域住民や保護者によるキャリ

ア教育支援を通じて、学校支援の機運が醸成

○平成21年度に東山田中学校学校支援本部(通称「やまたろ

う本部」)を設置

・上述に加え、学校支援ボランティアのコーディネート、英

検・漢検の運営、「やまたろうファンド」の設立などを実施

奈良市地域教育推進事業概念図

例➀学校支援地域本部⇒+CS

例➁CS⇒+学校支援地域本部

※学校支援地域本部+コミュニティ・スクールによって

・学校・地域・家庭が対等な立場で発言する場を確保し、地域に根ざした児童の育成方針を共有することに

より、そのためにどのような支援が必要かを地域住民や保護者の方自ら検討し、実施できる。