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20 21 Open the Door! 2012 18 19 MM1978PerformanceMaintenanceMMpMpmM21 KJ23 10 使http://myoko.niye.go.jp/ リーダーシップ測定尺度は、活動によっ て子ども達についた力を具体的に考察した り、子ども達にとってよりよい活動を編成 するためのプログラムを見直したりするた めに開発されたツールです。指導者の皆様 には、子ども達と活動を共有し様子をよく 観察した上で、リーダーシップ測定尺度で 得られた数値と合わせて、総合的に考察さ れることをお勧めします。 祲箐䅈癮箛籞䅣籞种穖1本癉瘨畱瘳 コ嘖¥ ピヅ膅④╪乃滔䐢 ピヅ膅④╪乃滔䐢 ゲコクシ ゲケクス ノ膅烋堊䐢 ジス 箛籞䅣籞种穖1本 1本 ノ膅烋堊䐢 ジサ 臤嘖¥ ジサ ジス ジコ ジゴ ジサ ジザ ジシ ジジ ジス ジズ 箛籞䅣籞种穖1本 ハヰ 螂隣 ゲ嘖¥ コ嘖¥ 癧珵滔 ジコ シズ ギゴ サコ サコ ゲコ ゲゴ ゲサ ゲザ ゲシ ゲサ ギコ ゴケ コジ ギゴ ゲシ ゲゴ ギゴ ゲサ ゲサ ハヰ 螂隣 ゲ嘖¥ コ嘖¥ 癧珵滔 スザ ズシ ゲゲ ザコ ザス ゲズ コケ ゲジ コケ 7 1 膅盆二癧珵鏘彳弐サケ䐢 痺某砅粤ゖ痮邊嗹不癮サ3砅晤矞本 邊嗹不癮朝戻逃砅付❽癉痮瞟畽㿉瘃矞本 ヴきɚ癉i疌⊕湊瘃矞本 筮寤砅率邊痮紡〝本砅睘瘥瘳ゼ巠砅ミゃ痮瞟畽㿉瘃矞本 1 膅盆二癧珵鏘彳弐ゲケケ䐢 1 膅盆二癧珵鏘彳弐シケ䐢 噤飫癉G瞢コ瘜塁㽷疢畽㿉瘃矞本 1 膅盆二癧珵鏘彳弐ゲケケ䐢 1 膅盆二癧珵鏘彳弐シケ䐢 噤飫癉G瞢コ瘜塁㽷疢畽㿉瘃矞本 ヴきɚ癉i疌⊕湊瘃矞本 ゴケ コジ サコ サコ ゲケ コケ ゴケ サケ ザケ シケ ジケ スケ ズケ ゲケケ 箛籞䅣籞种穖1本 ゼ巠署耨㎏1 邊嗹7莵㎏1 ザケ シケ ジケ スケ ズケ ゲケケ 箛籞䅣籞种穖1本 ゲジ コケ ゲシ ゲス ゴゴ ゴス ゲジ ゲズ ゲシ ゲズ 邊嗹不癮朝戻逃砅付❽癉痮瞟畽㿉瘃矞本 ヴきɚ癉i疌⊕湊瘃矞本 筮寤砅率邊痮紡〝本砅睘瘥瘳ゼ巠砅ミゃ痮瞟畽㿉瘃矞本 7 1 膅盆二癧珵鏘彳弐サケ䐢 痺某砅粤ゖ痮邊嗹不癮サ3砅晤矞本 ゴゴ ゴス ザコ ザス ゲケ コケ ゴケ サケ ザケ シケ ジケ ゼ巠署耨㎏1 邊嗹7莵㎏1 ○○ ○○ △△ △△ 上位指標は、 「課題達成(Performance)機能」「集団維持(Maintenance)機能」に分けられます。 中位指標は、 「リーダーシップ5つの力」を表しています。 調査項目は、 「リーダーシップアンケート用紙の 調査項目」を表しています。 下位指標は、 「付けたい力をさらに細分化した指標」 となります。 少年期(高学年)のリーダーシップ測定尺度 項目 上位指標 中位指標 下位指標 調査項目 困難に自ら立ち向 かおうとする力 1 意欲・自立性 (1) 人が嫌がることでも自分から進んで取り組むことができる。 (2) すすんでお手伝いや勉強をすることができる。 2 危機意識 (3) 危ないことを予測して避けることができる。 (4) その場の状況にあわせて考えることができる。 計画的に考え行動 する力 3 計画・判断 (5) 決めた時間にあわせて行動することができる。 (6) 先のことを考えて行動することができる。 4 省察・アクション (7) 内容を考えて話すことができる。 (8) 反省したことを次の行動や活動に生かしている。 情報を収集し、創 造力をもって課題 を解決しようとす る力 5 情報収集 (9) 物事をいろいろな方向から見ることができる。 (10) わからないことは自分で調べることができる。 6 想像力 (11) うまくいくようにいろいろな工夫をすることができる。 (12) 興味のあることにチャレンジしてみたい。 役割を意識し、集 団の規範を守る力 7 役割意識 (13) 自分がするべき役割をはっきりわかっている。 (14) 全体の目標にあわせて活動に取り組んでいる。 8 規範意識 (15) ルールや約束を必ず守ることができる。 (16) 親や先生に言われなくても規則にしたがうことができる。 集団内の人間関係 を円滑にしようと する力 9 伝達・コミュニケーション (17) 困っている友だちがいたら励ますことができる。 (18) 友だちの立場に立って話を聞くことができる。 10 ユーモア・明るさ (19) 明るく元気にあいさつや返事ができる。 (20) 場を和ますことができる。 少年期におけるリーダーシップに関するアンケート調査 実施日          月  日    小学校  年  組  番  氏名:             ※これはテストではありません。ありのままに答えてください。 とてもよく 当てはまる 当てはまる どちらでも ない 当てはまら ない まったく 当てはま らない (1)人 ひと が嫌 いや がることでも自 ぶん から進 すす んで取 り組 むことができる。 5 4 3 2 1 (2)すすんでお手 つだ いや勉 べん きょう をすることができる。 5 4 3 2 1 (3)危 あぶ ないことを予 そく して避 けることができる。 5 4 3 2 1 (4)その場 の状 じょう きょう にあわせて考 かんが えることができる。 5 4 3 2 1 (5)決 めた時 かん にあわせて行 こう どう することができる。 5 4 3 2 1 (6)先 さき のことを考 かんが えて行 こう どう することができる。 5 4 3 2 1 (7)内 ない よう を考 かんが えて話 はな すことができる。 5 4 3 2 1 (8)反 はん せい したことを次 つぎ の行 こう どう や活 かつ どう に生 かしている。 5 4 3 2 1 (9)物 もの ごと をいろいろな方 ほう こう から見 ることができる。 5 4 3 2 1 これがリーダーシップ5つの力です。 国立妙高青少年自然の家では、上越教育大学准教授大前敦巳氏の協力 の下、青少年のリーダー性を特定する要素(資質・能力)としてリーダー シップ5つの力を絞り込みました。 ①困難に自ら 立ち向かおうとする力 リーダーシップ の育成 ④役割を意識し、 集団の規範を守る力 ⑤集団内の 人間関係を円滑に しようとする力 ③情報を収集し、 創造力をもって課題を 解決しようとする力 ②計画的に考え 行動する力

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Page 1: リーダーシップ測定尺度myoko.niye.go.jp/pdf/open the door/vol.6/18-19.pdf · 2019-02-14 · 測定する尺度を開発し、一般化する研究を行いました。プの資質・能力を明らかにし、リーダーシップ能力をの学童期(小学校高学年)に求められるリーダーシッ

2021O p e n t h e D o o r ! 2 0 1 2 1819

 小学校や青少年教育団体等の活動において、教師や

指導者は、子どもがそれぞれの力を十分に発揮して、

生き生きと活動してくれることを願っています。とり

わけ小学校の高学年では、様々な場面でリーダーシッ

プを発揮し活動することを期待されています。

 しかし、これまで、小学校高学年におけるリーダー

シップ能力を客観的に捉える手法は明らかにされてい

ませんでした。

 これを受け、国立妙高青少年自然の家では、青少年

の学童期(小学校高学年)に求められるリーダーシッ

プの資質・能力を明らかにし、リーダーシップ能力を

測定する尺度を開発し、一般化する研究を行いました。

リーダーシップ5つの力を測定するための

     リーダーシップ測定尺度とは・・・

 測定尺度を開発する上で、もとになる考え方は、リーダーシップ行動論の「PM理

論」です。

 「PM理論」とは、三隅(1978)が、リーダーシップの機能は「課題達成

(Performance)機能」と「集団維持(Maintenance)機能」

に分けられると提唱したものです。課題達成機能とは、集団全体で何らかの目標を定

めて、その目標に向かって成員を動機づけ、目標を達成させる機能であり、集団維持

機能とは、集団のメンバー同士のコミュニケーションを円滑にさせ、人間関係を良好

にし、結束させる機能です。三隅は、P機能とM機能の組合せによって、リーダーシッ

プ・スタイルを「PM型」(課題達成的であり、かつ集団維持的でもある)、「Pm型」

(課題達成的ではあるが、集団維持的ではない)、「p

M型」(課題達成的ではないが、

集団維持的である)、「pm型」(課題達成的ではなく、集団維持機能でもない)に分

けました。様々な企業組織における研究で、PM型のリーダーシップ・スタイルがもっ

とも効果的であることが、一貫して示されました。

『心理測定尺度集Ⅱ』堀洋道監修

 吉田富二雄編

 サイエンス社より

 

 学童期におけるリーダーシップ測定尺度の指標を作成するため、平成21年3月に新

潟県上越地区の小学校教諭から「子ども達のリーダーシップ行動についてのイメージ」

をキーワードで回答してもらい、そのキーワードをKJ法にて分類しました。平成23

年度までのアンケートについて項目の重回帰分析・分散分析等の見直しと改善により

上位指標(2項目)・中位指標(5項目)・下位指標(10項目)に確定しました。

 実施時期や実施期間、実施回数は特

に決まっていません。各団体の測定し

たいときに測定することができます。

通常は行事の前後や学期始め・学期末

などで実施し、数値を比較します。そ

の結果から、子どもに育まれた力を考

察し、活動内容を見直して次に生かし

ます。

 リーダーシップアンケート用紙や統

計処理ソフト(「リーダーシップ測定

尺度集計シート」/エクセル形式)は、

国立妙高青少年自然の家ホームページ

からダウンロードして使うことができ

ます。

(http://myoko.niye.go.jp/

 リーダーシップ測定尺度は、活動によっ

て子ども達についた力を具体的に考察した

り、子ども達にとってよりよい活動を編成

するためのプログラムを見直したりするた

めに開発されたツールです。指導者の皆様

には、子ども達と活動を共有し様子をよく

観察した上で、リーダーシップ測定尺度で

得られた数値と合わせて、総合的に考察さ

れることをお勧めします。

 クラス(集団)全体の結果は、リーダーシッ

プ5つの力を合計した得点の平均を表したも

のです。したがって、ある期間の前後で数値

を比較することによってそのクラス(集団)

の総合的なリーダーシップの変化や傾向を考

察することができます。

 個人の結果は、リーダーシップ測定尺度の上

位指標である「課題達成機能」と「集団維持機能」

の数値を比較することができます。また、同中

位指標である「リーダーシップ5つの力」の項

目毎の数値を比較することによって子どもにつ

けたい力を具体的に考察することができます。

 少年期(高学年)のリーダーシップ測定尺度は、利用者のニーズ

によって左記のような視点で評価することができます。

○○ ○○

△△ △△

上位指標は、「課題達成(Performance)機能」と「集団維持(Maintenance)機能」に分けられます。

中位指標は、「リーダーシップ5つの力」を表しています。

調査項目は、「リーダーシップアンケート用紙の調査項目」を表しています。

下位指標は、「付けたい力をさらに細分化した指標」となります。

少年期(高学年)のリーダーシップ測定尺度 項目上位指標 中位指標 下位指標 調査項目

少年期(高学年)のリーダーシップ測定尺度

課題達成機能

困難に自ら立ち向かおうとする力

1 意欲・自立性(1) 人が嫌がることでも自分から進んで取り組むことができる。(2) すすんでお手伝いや勉強をすることができる。

2 危機意識(3) 危ないことを予測して避けることができる。(4) その場の状況にあわせて考えることができる。

計画的に考え行動する力

3 計画・判断(5) 決めた時間にあわせて行動することができる。(6) 先のことを考えて行動することができる。

4 省察・アクション(7) 内容を考えて話すことができる。(8) 反省したことを次の行動や活動に生かしている。

情報を収集し、創造力をもって課題を解決しようとする力

5 情報収集(9) 物事をいろいろな方向から見ることができる。(10) わからないことは自分で調べることができる。

6 想像力(11) うまくいくようにいろいろな工夫をすることができる。(12) 興味のあることにチャレンジしてみたい。

集団維持機能

役割を意識し、集団の規範を守る力

7 役割意識(13) 自分がするべき役割をはっきりわかっている。(14) 全体の目標にあわせて活動に取り組んでいる。

8 規範意識(15) ルールや約束を必ず守ることができる。(16) 親や先生に言われなくても規則にしたがうことができる。

集団内の人間関係を円滑にしようとする力

9 伝達・コミュニケーション(17) 困っている友だちがいたら励ますことができる。(18) 友だちの立場に立って話を聞くことができる。

10 ユーモア・明るさ(19) 明るく元気にあいさつや返事ができる。(20) 場を和ますことができる。

なぜ、今、子どものリーダーシップが重要なのか。

これがリーダーシップアンケート用紙です。

分析結果の出力と考察

 

少年期におけるリーダーシップに関するアンケート調査

実施日           月  日   

          小学校  年  組  番  氏名:            

※これはテストではありません。ありのままに答えてください。 とてもよく当てはまる 当てはまる

どちらでもない

当てはまらない

まったく当てはまらない

(1)人ひと

が嫌いや

がることでも自じ

分ぶん

から進すす

んで取と

り組く

むことができる。 5 4 3 2 1

(2)すすんでお手て

伝つだ

いや勉べん

強きょう

をすることができる。 5 4 3 2 1

(3)危あぶ

ないことを予よ

測そく

して避さ

けることができる。 5 4 3 2 1

(4)その場ば

の状じょう

況きょう

にあわせて考かんが

えることができる。 5 4 3 2 1

(5)決き

めた時じ

間かん

にあわせて行こう

動どう

することができる。 5 4 3 2 1

(6)先さき

のことを考かんが

えて行こう

動どう

することができる。 5 4 3 2 1

(7)内ない

容よう

を考かんが

えて話はな

すことができる。 5 4 3 2 1

(8)反はん

省せい

したことを次つぎ

の行こう

動どう

や活かつ

動どう

に生い

かしている。 5 4 3 2 1

(9)物もの

事ごと

をいろいろな方ほう

向こう

から見み

ることができる。 5 4 3 2 1

1.

全体の傾向として、ある期間の前後で

推移を比較する。

2.

個人の傾向として、ある期間の前後で

推移を比較する。

  

上位指標(課題達成機能・集団維持機能)

として考察する。

  

中位指標(リーダーシップ5つの力)とし

て考察する。

リーダーシップ測定尺度

学童期(小学校高学年)における

の開発

これがリーダーシップ5つの力です。国立妙高青少年自然の家では、上越教育大学准教授大前敦巳氏の協力の下、青少年のリーダー性を特定する要素(資質・能力)としてリーダーシップ5つの力を絞り込みました。

①困難に自ら 立ち向かおうとする力

リーダーシップの育成

④役割を意識し、 集団の規範を守る力

⑤集団内の 人間関係を円滑に しようとする力

③情報を収集し、 創造力をもって課題を 解決しようとする力

②計画的に考え 行動する力