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1 トラックスターXD 取扱説明書 本機の不適切な使用は、ケガの原因となります。本機の使用、整備を 行なう際は、予め適当な訓練を受け、本機について習熟してください。 特に、安全に関わる警告事項に注意し、セットアップ、操縦、調整、 整備前には、本書を必ず事前に通読してください。

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Page 1: トラックスターXD - ミクニ 環境グリーン事業部1 トラックスターXD 取扱説明書 本機の不適切な使用は、ケガの原因となります。本機の使用、整備を

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トラックスターXD

取扱説明書

本機の不適切な使用は、ケガの原因となります。本機の使用、整備を

行なう際は、予め適当な訓練を受け、本機について習熟してください。

特に、安全に関わる警告事項に注意し、セットアップ、操縦、調整、

整備前には、本書を必ず事前に通読してください。

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目次

目次

導入

2.1 重要事項 4

2.2 製品識別 4

2.3 シリアルナンバー 5

2.4 廃車に関するガイドライン 5

安全

3.1 安全な作業法 6

仕様

4.1 エンジン仕様 11

4.2 寸法、重量 12

4.3 車輛仕様 14

4.4 油圧仕様 14

デカル

5.1 安全に関するデカル 15

5.2 デカルの説明 17

コントロール

6.1 操縦席 23

6.2 ゲージパネル 24

6.3 右側操作パネル 26

6.4 左側操作パネル 28

6.5 アクセルペダル 29

6.6 ブレーキペダル 29

6.7 クラッチペダル 29

6.8 センター制御装置 30

6.9 シートコントロール 31

作業

7.1 日常点検 32

7.2 インターロックシステム 33

7.3 作業手順 33

7.4 エンジン始動 35

7.5 エンジン停止 35

7.6 車輛運転 35

7.7 ギア/エンジン速度 37

7.8 傾斜地での作業 38

7.9 油圧アクセサリーの操作 40

7.10本機の牽引 41

メンテナンス、潤滑チャート

8.1 メンテナンスチャート 42

8.2 潤滑チャート 43

8.3 液体要件 43

メンテナンス

9.1 注意事項 44

9.2 本機の整備 44

9.3 エンジン 45

9.4 エンジンオイル 45

9.5 エンジンエアフィルター 46

9.6 燃料 47

9.7 燃料システム 48

9.8バッテリー 48

9.9バッテリー充電 49

9.10 エンジン排気 50

9.11ROPS 50

9.12油圧ホース 51

9.13油圧オイル 51

9.14油圧フィルター 52

9.15 ラジエーター 53

9.16 タイヤ 54

9.17ホイール組み付け手順 54

9.18 トランスミッションオイル量 54

9.19電気システム 55

9.20管理と清掃 57

9.21保管 57

調整

10.1注意事項 59

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10.2ベルト調整 59

10.3駐車ブレーキ調整 60

10.4 ステアリングトーイン調整 60

10.5 トルク仕様 61

トラブルシューティング

11.1一般 62

11.2キャンバスコネクター 63

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導入

2.1 重要事項

クボタ社ガソリンまたはディーゼルエンジン搭載ジャコブセン社トラックスターXD は自走車輛です。油圧シス

テムはステアリング、荷台の昇降、オプションのリモート油圧のためのものです。

本書の指示に従うことで、製品寿命を延ばし、最大のパフォーマンスを保ちます。調整、整備は常に熟練

した技術者が行ってください。

重要:車輛が正確に作業するか確認するため、本書に記載さている整備を行ってください。

新車、中古車問わず、取扱説明書は本機に装備してください。

製造元によって定められた状態、作業、整備、修理に従い、適切な使用のために十分理解してください。

全ての作業者は本書を通読し、安全指標、操作方法、潤滑並びに整備手順を理解しなければなりま

せん。全ての安全、交通規制に従ってください。

製造元の承認を受けずに本機の変更は行わないでください。変更された場合、いかなる損傷、ケガに対

して製造元は責任を負いかねます。

製造元との取引がなくなり、後任の取引先もない場合に限り、本機の変更等が可能になります。

車輛に関連する仕事に携わっており、安全事項を熟知している技術者が設計、テスト、本機への変

更を行わなければなりません。

設計、試験、変更事項について記録を取らなければなりません。

本機機能を示したプレート、デカル、タグ、マニュアルへの適切な変更を承認し、加えなければなりま

せん。

本機には常に目視確認できるラベルを施さなければなりません。ラベルは変更が行われた際に変更

点を記載していなければなりません。また、設計、テスト、変更を行った企業名と住所を明記してい

なければなりません。

摩耗部品を廃棄する際は、環境に配慮し、本機使用場所の法令に従ってください。本機を使用しなくな

りましたら、本書に廃棄に関するガイドラインが記載されています。

ジャコブセン承認部品のみ使用してください。

2.2 製品識別

車輛シリアルナンバープレート

A 総重量(kg)

B エンジンパワー(Kw)

C 日付コード

D 製品番号、シリアルナンバー

E 製品バーコード

シリアルナンバーの位置

シリアルナンバープレート(A)はラジエーターの上の右側リアフレームの内側にあります。

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エンジンシリアルナンバー

エンジンシリアルナンバーはエンジンバルブカバー上にあります。ラベルはエンジンの属性とシリアルナンバーを

明記しています。

エンジンシリアルナンバーはエンジンブロックにも記載してあります。

2.3 シリアルナンバー

以下に車輛とエンジンナンバーを記録してください。

車輛ナンバー:

エンジンナンバー:

2.4 廃車に関するガイドライン

2.4.1 使用期間中

使用したオイル、オイルフィルター、エンジン冷却装置は有害物質を含んでいます。廃棄する際は推奨され

た手順に従ってください。

液体が漏れた場合、地面や排水システムに流れ込んでいないか確認してください。法令に従い、液体が

安全に管理されていることを確かめてください。

本書に記載されているメンテナンスの手順に従い、本機によって起こりうる損傷を確認してください。

2.4.2 製品の廃棄

以下のガイドラインに従ってください。

必要なリフト装置を使用するため、モアを停車してくだい。

適切な道具と保護装置を使用し、本機を操縦するための指導を受けてください。

正確な取り外しと保管

1. バッテリー

2. 燃料

ディーゼルエンジン ガソリンエンジン

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3. エンジン冷却装置

4. オイル

本書を参照し、モアの骨組みを解体してください。バネを含む、圧力や張りがある部品には注意して

ください。

まだ使用可能な部品や、保管する部品を分類してください。

摩耗部品とリサイクル可能な部品に分類してください。以下の区分を参照してください。

・スチール

・鉄を含まない金属

・アルミニウム

・真鍮

・銅

・プラスチック

・特定できる

・リサイクル可能

・リサイクル不可

・特定できない

・ゴム

・電気系部品

材との分類が容易にできないアイテムは一般的な廃棄材エリアに分類してください。

廃棄材の焼却はしないでください。

安全

3.1 安全な作業法

警告: 不適切な本機の使用、未熟者による本機の使用は大変危険です。

各装置の位置、適切な使用方法を予め必ず確認してください。本機を初めて操縦する際は、既に

操縦した経験者より必ず指導を受けてください。

3.1.1 安全な作業

a. 本書を熟読してください。操縦者や技術者が本書を読んでいない場合、所有者が操縦者や技術

者に対して説明する責任があります。

b. 本書を熟読してください。操作方法と適切な作業を習得してください。

c. 周囲に人や動物がいる場合、本機の使用は避けてください。

d. 操縦者や所有者は他の人や施設に対して生じる事故や危険に対して責任を負うことを自覚してく

ださい。

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e. 適切な指導を受けていない場合、本機またはアタッチメントの整備、作業を行わないでください。

f. 極度の疲労や病気、アルコールや薬物を摂取した後に作業はしないでください。

3.1.2 準備

a. 作業に適した服装、装備を身につけてください。頭、耳、手、足等を防護してください。長髪、ルーズ

な作業服は機械作動部分に巻き込まれる恐れがあります。

b. インターロックシステムが解除されていたり、正常に作動しない場合は本機を動かさないでください。他

のスイッチの解除や操作はしないでください。

c. 正しい手順を踏んでいなかったり、デカル、保護材、シールド、ディフレクター、取り付けられている保

護装置がない場合は作業しないでください。排出口やマルチングボードがない状態で刈込ユニットを

作動させないでください。

d. 本機を作動させる前に状態を確認してください。タイヤ空気圧、エンジンオイルの量、ラジエーターの

冷却状態、エアクリーナーインジケーターの状態を確認してください。燃料は可燃性です。燃料注入

の際は注意してください。

e. 機の操縦は太陽光または充分な人工光の下で行ってください。悪天候時の作業には注意し、落雷

があった場合は作業をしないでください。

f. 安全に適切な作業をするために必要なアクセサリー、アタッチメントを状況に応じて活用してください。

ただし、取付可能なアクセサリー、アタッチメントはジャコブセン社純正のものにかぎります。

g. 作業予定エリアにある穴や視界に入らない危険物には十分に注意してください。

h. 作業予定エリアをよく確認してください。作業前に障害となりうるものは取り除いてください。地上にあ

るものには注意してください(低木、電線)。また地下にあるもの(スプリンクラー、パイプ、木の根)には

注意してください。新たな作業エリアには注意して入ってください。危険物となりうるものを探してくださ

い。

3.1.3 作業

a. 充分に換気されていない場所ではエンジンをかけないでください。排気に含まれる一酸化炭素は危

険な水準に達します。

b. 二人以上の同乗者を乗せないでください。周囲に人や動物を近付けないでください。

c. エンジンをかける前には全ての駆動を切断し、駐車ブレーキをかけてください。操縦者が座席に座って

いる時のみエンジンをかけてください。本機の近くに人がいる場合はエンジンをかけないでください。

d. 本機稼働時には手足を投げ出さないでください。手足を可動部品には近づけないでください。

e. 極端な傾斜地での作業は避けてください。

f. 転倒や操作不能時の対応:

-傾斜地に向き合い垂直に昇り降りし、傾斜地と平行に作業はしないでください。

-傾斜地での急発進、急停車は行わないでください。

-傾斜地での作業や旋回時には減速してください。方向転換時は注意してください。芝の状態によって

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本機の安定は変化します。

-溝や急斜面の周りでの作業には注意してください。

-作業エリアにある穴や視界に入らない危険物には十分に注意してください。

g. 後進する際は背後の状況をよく確認してください。また、後進中はアタッチメントを稼働させないでくだ

さい。

h. 曲がり角や視界を遮るような木やその他の障害物がある場合は注意してください。

i. 公道走行はしないでくさい。

j. 他の車両等が通る道を横断する際は、減速してください。

k. 積荷を人がいる方向に下ろさないでください。本機での作業時は周りに人を近付けないでください。

l. ガードが損傷していたり、安全装置が適正箇所にない状態で作業しないでください。

m. エンジンのガバナー設定変更や超過回転はしないでください。エンジン回転数制御シールの変更は

行わないでください。

n. 操縦席を離れる際に以下の項目を行ってください。

-全ての駆動装置を切断し、アタッチメントを地上に下げてください。

-駐車ブレーキをかけてください。

-クラッチペダルを踏んで、トランスミッションを 1 速にしてください。

-エンジンを停止し、キーを抜いてください。

o. 本機が何かに当たったり、異常な振動がある場合、損傷箇所を調べて修理してください。

p. エンジンを停止する前に、スロットルの設定を下げてください。

q. 本機の使用目的とは異なる装置は使用しないでください。

3.1.4 ROPS

a. ROPS は安全装置です。ROPS は垂直に保ち、固定してください。本機を作動させる際は常にシー

トベルトを締めてください。緊急時にシートベルトが速やかに解除できることを確かめてください。

b. 障害物の下を走行する前に、間隔を確認してください。ROPS が木の枝や電線、その他の障害物に

引っかからないようにしてください。

c. ROPS に破損がないか確認してください。しっかりと固定されている状態にしてください。

d. ROPS を曲げたり、穴をあけたりその他の改造はしないでください。破損した ROPS は交換してくださ

い。修理などはしないでください。

e. ROPS は本機から取り外さないでください。

f. ジャコブセン社は ROPS の変更は認めません。

3.1.5 燃料の安全な取扱い

a. 燃料と燃料蒸気は可燃性です。燃料を補充する際は注意してください。燃料蒸気は爆発の原因と

なります。

b. 燃料の保管や輸送に不向きな容器を使用しないでください。

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c. 裸火や燃料発火や燃料蒸気となりうる装置の近くに本機や燃料容器を保管しないでください。

d. 車輛、トラック、プラスチックライナー搭載のトレーラー内で燃料容器の補充はしないでください。燃料

容器補充の際は車輛から離れた地面の上で行ってください。

e. エンジン稼働前に燃料を補充してください。エンジン稼働時やエンジンが熱を帯びている際は燃料キ

ャップを外したり、燃料補充は行わないでください。

f. 燃料補充は屋外でのみ行い、補充時の喫煙は避けてください。発火物は全て消してください。

g. 燃料補充時は燃料ノズルがタンクの縁につけてください。タンクを開いた状態で燃料ノズルを固定す

る装置は使用しないでください。

h. 過剰な燃料補給は避けてください。補給孔の 2.5 ㎝下までが限度です。

i. 燃料補給後は燃料タンクと容器のキャップは確実に締めてください。

j. 衣服に燃料をこぼしたら、直ちに取り換えてください。

3.1.6 メンテナンス・保管

a. 機械の洗浄、調整、修理の前は駐車ブレーキをかけ、クラッチを踏み、トランスミッションを 1 速にして

エンジンを停止し、キーを抜いてください。

b. 本機は安定した水平な場所に停止させてください。

c. ジャッキアップだけの補助で作業はしないでください。常にジャッキスタンドを使用してください。

d. 適切な指導を受けていない者には本機やアタッチメントの整備をさせないでください。

e. 本機を停止、保管または操縦者が離れる際に機械的な固定装置を使用しない場合は荷台を下

げてください。

f. 発火する恐れのあるものや引火の恐れがある場所に保管はしないでください。

g. 本機を整備する前にはバッテリーを外してください。外す際はマイナス端子から、接続する際はプラス

端子から行ってください。

h. バッテリー交換時は換気のある場所で行ってください。バッテリーは可燃性の水素ガスを放出します。

バッテリーを火花や炎から離してください。

i. バッテリーターミナルから、チャージャーを切離す前に、常にチャージャー電源をオフにしてください。

バッテリーを整備する際は保護服を装着し、絶縁装置を使用してください。

j. 可動部品から手足を離してください。調整時にエンジンの稼働が必要でない場合は、エンジンを稼

働させての調整は行わないでください。

k. 電気が流れている部品の圧力を解放する際は注意してください。

l. 熱、高圧オイルによるケガを防ぐため、素手でオイル漏れの点検を行わないでください。オイル漏れの

箇所を確認する際は、紙や段ボールを使用してください。

m. 作動液の圧力は皮膚を貫通する力があります。皮膚に入った際は数時間以内に専門医に診てもら

い、取り除いてください。

n. 油圧システムの保守点検をする際はフィッティング、チューブ、ホースが適正な力で締めてあることを確

認してください。エンジンをかける前に、油圧システムの状態を確認してください。

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o. 車輛とエンジンは清潔な状態を保ってください。

p. 保管前にはエンジンを冷まし、イグニッションキーを抜いてください。

q. エンジンが安全な状態を保つため、ナット、ボルト、ネジの適正な締め付けを保ってください。

r. 安全のため、摩耗や損傷した部品は交換してください。損傷や、剥がれかけたデカルは交換してくだ

さい。ジャコブセン社承認のパーツ、アクセサリー、アタッチメントを使用してください。

s. 発火の危険性を減らすため、エンジン、マフラー、バッテリートレイ、燃料タンクの近くに物を置かないで

ください。

t. 作業前にバッテリー、コントローラーコネクターを外してください

3.1.7 トレーラーへの昇降

a. トレーラーから本機を昇降する際は注意してください。トレーラーは本機より幅があり、積載重量を満

たしているものを使用してください。

b. トレーラーからの昇降は幅の広いタラップを使用してください。

c. トレーラーに本機を固定させるために、帯、ケーブル、ロープを使用してください。前後の帯はトレーラ

ーの側面方向に向けて下を通してください。

d. 全てのラッチが正しく締め付けられていることを確認してください。

3.1.8 重要な注意事項

この安全マークは、本書の中で潜在的な危険への注意を喚起する時に使用されます。

-このマークは回避できない場合、死又はケガをする危険を示しています。

-このマークは潜在的な危険を示し、回避できない場合、死又はケガをする

可能性が高いことを示しています。

-このマークは潜在的な危険を示し、回避できない場合、ケガや施設への

破損につながる恐れがあります。この表示は危険な操作を注意する場合

にも使用されます。

-このマークは回避できない場合、施設への破損につながる恐れがあります。

この表示は危険な操作を注意する場合にも使用されます。

本書では明確な説明目的の理由から、本来本機に取り付けられているシールド、ガード、プレート類を省

いて表示しています。これらの装置を取り付けずに本機を稼働させないでください。

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本機のインターロックシステムはクラッチペダルが完全に踏まれていない際にエンジンが始動することを防ぐも

のです。オプションの油圧 High-Lowシステム搭載の場合、エンジン始動時に High-Low スイッチはオフの

位置になくてはなりません。

インターロックシステムが正常に機能しない場合、本機の稼働はしないでください。

1. なんらかの理由で操縦席を離れる前に

a. アクセルペダルをニュートラルに戻してください。

b. クラッチペダルを踏んで、ブレーキペダルで本機を止めてください。

c. 全ての駆動装置を切断してください。

d. 駐車ブレーキをかけてください。

e. トランスミッションを 1速にしてください。

f. エンジンを止めてイグニッションキーを抜いてください。

2. 可動部品から手足、衣類を離してください。本機を洗浄、調整、整備する前には全ての可動

部分が止まるのを待ってください。

3. 作業場所に人や動物を近付けないでください。

4. 二人以上の同乗者は乗せないでください。

追加の情報、整備が必要な場合、正規のジャコブセン販売店にお問い合わせください。正規の販

売店が適切な整備法を把握しています。

仕様

4.1 エンジン仕様

トラックスターXD ディーゼル トラックスターXD ガソリン

製造元 クボタ クボタ

モデル D1105-E4B WG972 EFI

タイプ 4 サイクル 液冷式ディーゼル 4 サイクル 液冷式ガソリン

シリンダー本数 3 3

口径、行程 7.8 ㎝ x7.84㎝ 7.45㎝ x7.36㎝

総排気量 1.123ℓ 0.962ℓ

燃焼システム 間接噴射 EFI

吸気装置 無過給 無過給

総出力 24.8hp @3000rpm 32.5hp @3600rpm

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トルク 71.45Nm @2200rpm 69.96Nm @2600rpm

最高速度 3220±50rpm (空荷時) 3600±50rpm(空荷時)

ローアイドル 1000±50rpm(空荷時) 1000±50rpm(空荷時)

回転 反時計方向(フライホイール側

から見て)

反時計方向(フライホイール側か

ら見て)

燃料 #2 超低硫化ディーゼル 無鉛ガソリン 最低 87 オクタン

インジェクションポンプ ボッシュ MD タイプ ミニポンプ N/A

エンジンオイル(API Class) SN/CJ-4 SN/CJ-4

オイルパン容量 5.1ℓ 3.4ℓ

スターター 12 ボルト 1.2kW 12 ボルト 1kW

オルタネーター 12 ボルト 60Amp 12 ボルト 60Amp

空荷重量 93kg 73.9kg

寸法(長さ x幅 x 高さ) 49.78x39.60x60.87㎝ 44.26x40.20x50.31㎝

排出規制 ティア 4 EPA フェイス 3 CARB ティア 3

4.2 寸法、重量

トラックスターXD

A-幅 165 ㎝

B-長さ 335 ㎝

C-高さ 198 ㎝

D-ホイールベース 165 ㎝

E-フロントホイール 124 ㎝

F-リアホイール 132 ㎝

G-地上高 16.5㎝

2WD ディーゼル 燃料満タン(High-Low油圧) 1147kg

4WD ディーゼル 燃料満タン(High-Low油圧) 1232kg

2WD ガソリン 燃料満タン(High-Low 油圧) 確認中

4WD ディーゼル 燃料満タン(High-Low油圧) 確認中

荷台 230.4kg

タイヤ仕様

リブフロントホール オプション トレッドフロントホイール オプション

サイズ タイプ タイヤ圧 サイズ タイプ タイヤ圧

23x10.5-14 Rib Tread 6 Ply 22psi 23x10.5-14 GoTrax 6 Ply 22psi

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リアホイール

サイズ タイプ タイヤ圧

26x12.0-14 Ultra Chevron 6 Ply 25psi

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4.3 車輛仕様

バッテリー: 12V、500 CCA、グループ BCI 26

常用ブレーキ: 4 ホイール 油圧ディスクブレーキ

駐車ブレーキ: リアホイールのディスクブレーキを作動させるハンドレバー

燃料タンク: 18.9ℓ (オプションの油圧 High-Lowシステムに限る)

油圧燃料: 10W30

油圧フィルター: 10 ミクロン、25psi クラックバイパス

High-Low フィルター: 10 ミクロン、25psi クラックバイパス

油圧冷却: 油圧オイル冷却(オプションの油圧 High-Low システムに限る)

ステアリング: 静圧パワーステアリング

2WD トラクション駆動装置: 5 速トランスミッションと 2 速リアアクスル

4WD トラクション駆動装置: 5 速トランスミッション、2 速リアアクスルとフロントアクスル

トランスミッション ギア比

1速 3.652:1

2 速 1.947:1

3 速 1.423:1

4 速 1.000:1

5 速 0.795:1

後進 3.466:1

リアアクスル ギア比

高速 14.2:1

低速 45.0:1

高速 4WD アウトプット 2.39:1

低速 4WD アウトプット 7.57:1

フロントアクスル ギア比

2WD オプション N/A

4WD オプション 4.1:1

4.4 油圧仕様

流量@3200rpm(リットル/分) リリーフバルブ圧 psi

ステアリングと昇降 21.1392 ステアリング-2175 リフト-124

High-Low油圧システム 18.93/35.936 175

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デカル

5.1 安全に関するデカル

デカルの使用目的を理解してください。デカルは本機の安全な操作をするために重要です。損傷した

デカルは直ちに取り換えてください。

危険

バッテリー使用時の深刻なケガを避けるために

1. プラス(赤)のワイヤーを接続後にマイナス(黒)のワイヤ

ーを接続してください。プラス(赤)のワイヤーの前にマイ

ナス(黒)のワイヤーを外してください。

2. 火燃性のあるものは近付けないようにし、希硫酸への

接触は避けてください。

バッテリー充填時の深刻なケガを避けるために

1. プラスのターミナルへプラスのケーブルを繋いでください。

2. アースさせることのできる車両のフレームへ良好なバッテ

リーのマイナスのケーブルを繋いでください。

警告

ラジエーター内に圧力がかかっている際は、ケガを負わないようにキャップ

をゆっくり取り外してください

警告

火傷を防止するために、マフラーやマフラーシールドに触れないでください。

66 度を超えている可能性があります。

警告

ケガや車輛からの転落を防ぐため、作業時は常にシートベ

ルトを装着してください。トラックの荷台に人を乗せて作業し

ないでください。

二人以上の同乗者を乗せて作業はしないでください。同

乗者は座席に座り、シートベルトを装着してください。膝の

上に人を乗せて作業しないでください。

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警告

後方シリンダーにシリンダー支持装置がない状態で、シリンダーを上げたまま整備をすることはしないで

ください。本書を読んでください。

注意

オイルの補充を行わないでください。

空冷装置へのオイルの補充は、爆発の可能性やエンジン

を制御できなくなる原因になるかもしれません。これはエン

ジンへ深刻なダメージを与えることになります。

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5.2 デカルの説明

センター制御装置デカル

ハイスピードレンジ

フロートポジション

駐車ブレーキ

荷台下降

ロースピードレンジ

荷台上昇 取扱説明書を

読んでください

4WD

2WD

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右側コントロールパネル

左方向指示灯 右方向指示灯 ディファレンシャルロック

12 ボルト

アクセサリー

ハイ

ロー

作業ライト

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標準 左側コントロールパネルデカル

ヘッドライト

ホーン

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ディーゼル スピードコントロール オプション デカル

ハンドスロットル

ヘッドライト

ホーン

高速

低速

エンジン

ガバナー

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ガソリン スピードコントロール オプション デカル

ヘッドライト

ホーン

エンジン速度減速

エンジン速度加速

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燃料パネル デカル

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コントロール

6.1 操縦席

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6.2 ゲージパネル

6.2.1 タコメーター

タコメーターはエンジン回転数を表示します。

6.2.2 エンジン温度ゲージ

エンジン温度ゲージはエンジン冷却装置の温度を表示します。冷却装置の温度が 110℃を超えると温度

警告ライトが点灯し、ダッシュボード後部のアラームが鳴ります。

6.2.3 燃料ゲージ

燃料ゲージはタンク内の燃料の量を表示します。本機作動中にタンクが空にならないようにしてください。

6.2.4 LCD スクリーン

LCD スクリーンは車速、システムの電圧、アワーメーターを表示します。

車速は LCD スクリーンの上部に表示されます。速度はマイル表示かキロ表示です。

システムの電圧はLCDスクリーンの中央に表示されます。通常のシステムの電圧は12から15ボルトです。

システムのボルトが 12ボルトを下回るとオルタネーターが正しくバッテリーに作用していないことを表します。

アワーメーターは LCDスクリーンの下部に表示されます。イグニッションスイッチがオンになったら、アワーメータ

ーが作動します。

6.2.5 インジケーターライト

コンビネーションメーターは操縦者に本機の状態を知らせるために、11 のライトがあります。

赤いバッテリーライトはバッテリー電圧が 11.5 ボルト以下であることを表します。整備場に

本機を戻し、バッテリーとオルタネーターを点検してください。

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茶色の油圧-レベルライトは油圧タンク内の量が低下していることを表します。本機を直ち

に停止し、接続部分、ホース、油圧部品の周りに漏れている箇所がないか目視点検して

ください。メンテナンスのため、整備場に本機を戻してください。ライトはオプションの油圧

High-Lowシステム搭載時のみ機能します。

油圧燃料は圧力がかかっています。ケガを防ぐために、漏れを確認する際は、素手ではなく紙や段ボール

を使用してください。燃料確認や油圧タンクに燃料を注ぐ際は、油圧燃料が冷めてから行ってください。

赤いクーラント-温度ライトは冷却装置の温度が 110℃以上であることを表します。直ちに

本機を停止してください。ラジエータースクリーン、オイルクーラー、ラジエーターへの通気を

妨げうる芝カス等を取り除いてください。エンジンが熱を持ち続けている場合、本機を整備

場に戻してください。

エンジン冷却装置は圧力がかかっています。ケガを防ぐために、熱を持ったラジエーターのキャップは外さな

いでください。

赤いエンジンオイル-プレッシャーライトはエンジンオイルの圧力が7psi 以下であることを表し

ます。エンジンを直ちに止めて、エンジンのオイル量を確認してください。オイルの量が適正に

もかかわらず、オイル-プレッシャーライトが点灯し続けている場合、エンジンを止めて本機を

整備場まで牽引してください。オイル-プレッシャーライトが点灯していたり、エンジンに損傷がある場合は決

して本機を稼働させないでください。

赤い駐車ブレーキライトは駐車ブレーキがかかっていることを表します。ライトが点灯した状態

でアクセルペダルを踏まないでください。

茶色いグロープラグライトはグロープラグが作動していることを表します。グロープラグライトが

消えるまで、イグニッションスイッチをスタート位置にしないでください。

茶色いエンジン確認ライトはガソリンエンジンコントローラーが問題を感知したことを表しま

す。CAN診断ツールを用いて問題を特定してください。エンジン確認ライトはディーゼルエ

ンジンでは機能しません。

茶色い燃料ライトは燃料タンクがほとんどからであることを表します。本機を整備場に戻し

て、作業を続ける前に燃料を補充してください。

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ハイビームインジケーターライトは本機では機能しません。

オプションの方向指示灯が搭載されている場合、スイッチは左側にあり、左方向指示灯

が点灯します。

オプションの方向指示灯が搭載されている場合、スイッチは右側にあり、右方向指示灯

が点灯します。

6.3 右側操作パネル

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6.3.1 ディファレンシャルロックスイッチ

リアアクスルのディファレンシャルロック接続にはスイッチ下部を押し続けてください。本機運転時にはディファ

レンシャルロックをしないでください。

ディファレンシャルロック接続時、スイッチのライトが点き、両側のリアホイールが同じ速度で回転します。本

機が前後進している際は、ディファレンシャルロックは走行を向上させます。本機が左右の方向に旋回時、

ディファレンシャルロックは外側のリアホイールにタイヤ跡をつける原因となります。

ディファレンシャルロックを解除するにはスイッチを離してください。

6.3.2 12 ボルトアクセサリーコンセント

12 ボルトアクセサリーコンセントは 12 ボルトの電圧を供給します。12 ボルトのコンセントはバッテリー摩耗を

防ぐために、エンジン稼働時のみ使用してください。

12 ボルトアクセサリーコンセントは 10-Ampのヒューズで保護されていま

す。出力定格が 120ワット以上の状態でアタッチメントは使用しないでく

ださい。やけどや発火を防ぐため、ヒューズが出力定格以上の状態では

10-Amp ヒューズを交換しないでください。

6.3.3 方向指示灯スイッチ

方向指示灯スイッチはオプションです。

スイッチの左側を押して左方向指示灯を点灯させます。

スイッチの右側を押して右方向指示灯を点灯させます。

スイッチを中央にして、方向指示を灯を消します。

6.3.4 イグニッションスイッチ

イグニッションスイッチは 3 つの位置があります。

左方向指示灯 右方向指示灯

オフ

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6.3.5 油圧 High-Low スイッチ

油圧 High-Low システムはオプションです。スイッチはオフ、ハイ、ロ

ーの 3 つの位置があります。エンジンをかける際は High-Low スイッ

チオフにしてください。

6.3.6 作業ライトスイッチ

作業ライトスイッチはオプションです。

6.4 左側操作パネル

6.4.1 ホーンスイッチ

ホーンを使用する場合はスイッチ上部を押してください。

6.4.2 ライトスイッチ

ライトスイッチはヘッドライトとテールライトを操作します。

ヘッドライトとテールライトを点灯するにはスイッチ上部を押し、消灯する場合は下部を押してく

ださい。

6.4.3 ハンドスロットル

ハンドスロットルはディーゼル機種のオプションです。ハンドスロットルはエンジン速度を設定しま

す。ハンドスロットルを動かすとアクセルペダルが動きます。

標準操作パネル ディーゼルスピード操作オプションパネル

ガソリンスピード操作オプションパネル

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6.4.4 ガバナーコントロール

ガバナーコントロールはディーゼル機種のオプションです。

ガバナーコントロールはハンドスロットル及びフットスロットルのエンジンガバナー回転を減速させ

ます。

エンジン速度を最大にするにはガバナーコントロールを完全に押してください。最大エンジン回

転から下げるにはレバーを下に引いてください。

6.5 アクセルペダル

加速するにはアクセルペダルを踏んでください。減速するにはペダルを離してください。

ディーゼルエンジンはエンジン速度をペダルとエンジンスロットルコントロールを結ぶケーブルでコントロールしま

す。ハンドルスロットル作動時、アクセルペダルは動きます。

6.6 ブレーキペダル

減速または停止するためにはブレーキペダルを踏んでください。

ブレーキで本機が止まらない場合は、ブレーキシステムの調整または修理が必要です。

6.7 クラッチペダル

エンジンからトランスミッションへの出力を解除するにはクラッチペダルを踏んでください。変速する際はクラッ

チペダルを完全に踏み込んでください。クラッチペダルを押さずに変速ギアを変更しないでください。クラッチペ

ダルはエンジンがクラッチペダルを踏むことなく稼働することを防ぐためのインターロックシステムを搭載していま

す。

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6.8 センター制御装置

6.8.1 駐車ブレーキ

駐車ブレーキをかけるにはレバーを垂直の位置まで引き上げてください。駐車ブレーキ使用時はクラッチペ

ダルを踏み、トランスミッションを 1 速にし、エンジンを止めてください。

駐車ブレーキ接続時はゲージパネルの駐車ブレーキライトが点灯します。駐車ブレーキがかかった状態で

本機を運転しないでください。

駐車ブレーキ解除にはレバーを解除位置まで下げてください。

6.8.2 ギアセレクター

ギアセレクターは変速ギアを接続するためのものです。ギアセレクターのノブは表面に記載さ

れたギアのパターンがあります。

クラッチペダルを完全に踏んで、トランスミッションを 1速にします。アクセルペダルを踏みながら

クラッチペダルをゆっくり離してください。前進する際は常に 1速から始め、本機が加速するに

つれてギアを上げてください。

6.8.3 リアアクスルスピードレバー

リアアクスルスピードレバーはリアアクスルを低速または高速に変更します。本機停

車時にのみリアアクスルスピードの変更をしてください。

高速にするにはレバーを本機の前方向へ動かしてください。高速の幅は

0-32.91km/h です。項目 7.7参照

低速にするにはレバーを本機の後ろ方向へ動かしてください。低速の幅は

0-10.39km/h です。項目 7.7参照

高速位置

低速位置

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6.8.4 2WD/4WD レバー

2WD/4WD レバーはフロントアクスル出力の接続、解除を行います。本機停

車時にのみレバーの位置を変更してください。2WD/4WD レバーは 4WD車

体のオプションです。

6.8.5 リフトコントロールレバー

リフトコントロールレバーは荷台の昇降をします。荷台シリンダーを伸

ばして荷台を上げるには上昇ポジションにレバーを動かしてください。

荷台シリンダーを戻して荷台を下げるには下降ポジションにレバーを

動かしてください。荷台が下がったらレバーを離してください。

本機の作業に応じて荷台のシリンダーを伸縮させるにはレバーをフロ

ートポジションにしてください。

6.8.6 コンパートメント

コンパートメントは小さな道具、軍手、その他の機器を収納してくだ

さい。

6.9 シートコントロール

トラックスラーXDは 3 つのシートオプションがあります。

標準操縦席、標準助手席

プレミアム操縦席、標準助手席

プレミアム操縦席、プレミアム助手席

6.9.1 プレミアムシート

プレミアムシートは調整に二つの操作があります。

ケガを防ぐために本機運転中にシート調整はしないでください。

本機停車時または駐車ブレーキがかかっている状態でのみシ

ート調整してください。

4WD

ポジション

2WD

ポジション

下降

ポジション

上昇

ポジション

フロート

ポジション

シート重量操作 シート位置レバー

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シート位置レバーを上げて、シートを前後に動かしてください。レバーを離してシート調整を固定してくださ

い。本機運転前にシートが固定されているか確認してください。

重量操作ノブをまわして、操縦者の重心を調整してください。

アームレストを上げた状態で作業しないでください。

6.9.2 標準シート

標準シートは調整に 1箇所操作が必要です。

ケガを防ぐために本機運転中にシート調整はしないでください。本

機停車時または駐車ブレーキがかかっている状態でのみシート調整

してください。

シート位置レバーを上げて、シートを前後に動かしてください。レバー

を離してシート調整を固定してください。本機運転前にシートが固

定されているか確認してください。

作業

7.1 日常点検

点検は毎日エンジンを停止し、全ての作動液が冷えた状態で行ってください。駐車ブレーキをかけ、エンジ

ンを停止し、イグニッションキーを抜いてください。

本機の目視点検を行ってください。機器類の摩耗、緩みを確認してください。紛失、損傷部品を確認して

ください。接続部分が締め込まれているか確認するため、燃料やオイル漏れがないか見てください。全ての

ホースとチューブの状態を確かめてください。

燃料、ラジエーターの冷却水、クランクケースオイルの量とエアークリーナーのインジケーターを確認してくださ

い。エンジンが冷えている時に全て作動液は基準の量がなければなりません。

ラジエーターとオイルクーラーフィンに芝や汚れがないか確認してください。

本機運転前に必要に応じてエアーコンプレッサーで洗浄してください。

全てのタイヤの空気圧が適正か確認してください。

インターロックシステムが正常か確認してください。

シート位置レバー

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7.2 インターロックシステム

インターロックシステムはクラッチペダルが完全に踏まれていない状態でエンジンが始動することを防ぐための

ものです。オプションの油圧 High-Lowシステム搭載の場合、エンジン始動には High-Lowスイッチがオフの

状態でなければなりません。

インターロックシステムを解除またはシステムが正常に機能しない状態で作業しないでください。いかなるス

イッチの稼働の遮断や切断はしないでください。

インターロックシステムが正常に機能するかテストを実施してください。もし、テストが実施できない場合はテ

ストを中断して以下に示された点検、修理を行ってください。

エンジンがテスト 1の間に始動しない。

エンジンがテスト 2 と 3 の間に始動しない。

各テストに関して以下の表を参照し、チェック(✔)マークに従ってください。テスト実施中はエンジンを止め

てください。

テスト 1:通常のエンジン始動手順を示しています。操縦者は操縦席に着き、駐車ブレーキをかけ、オプシ

ョンの High-Low スイッチはオフにしてください。クラッチペダルは完全に踏んでください。エンジンが始動しま

す。

テスト 2:クラッチペダルを踏んでいないと、エンジンはかかりません。

テスト 3:オプションの High-Low スイッチがローの位置かハイの位置にあるとエンジンはかかりません。

テスト 操縦者が操縦席に

いる

クラッチペダルを完全

に踏んでいる

High-Low スイッチが

オフの位置にある

エンジンが始動する

はい いいえ はい いいえ はい いいえ はい いいえ

1 ✔ ✔ ✔ ✔

2 ✔ ✔ ✔ ✔

3 ✔ ✔ ✔ ✔

7.3 作業手順

本機は ROPSを搭載しています。常にシートベルトは装着してください。本機が転倒するような場合はステ

アリングホイールにつかまってください。本機から飛び降りたり、シートから離れることはしないでください。

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ケガを防ぐために常位、防眼具、防護シューズ、ヘルメット、防耳具を装着してください。

1. 操縦者が操縦席にいる時にエンジンをかけてください。車輛が隣にいる際はエンジンをかけないでくだ

さい。人が近くにいる場合もエンジンをかけないでください。

2. 通気性の悪い密閉された場所で、エンジンをかけないでください。

3. 可動部品、アクセサリーから手足を離してください。エンジン始動時に本機の調整はしないでくださ

い。

4. 部品が緩んでいたり、損傷している状態で作業しないでください。全ての部品は本機に正しく装着し

てください。芝が乾いた状態で作業することで最適な作業結果をもたらします。

5. 本機の機能と操作を十分に理解するために最初にテストできる場所でアクセサリーを稼働させてくだ

さい。

6. 本機の安全な手順を遵守してください。地形や地表の状態を確認してください。各々の状態によっ

て正しい調整や注意が求められます。

7. 作業中は周りに人を近付けないでください。所有者と操縦者は周囲の人へのケガや施設への損傷

に対して責任を負わなければなりません。

作業前に障害となりうる物を取り除いてください。新たな作業地には注意して入り、安全に操作できる速

度で作業してください。

8. 砂利、小石等のあるような駐車場、カート道の傍での作業では、飛散した小石が周囲に当たらない

ように十分に注意してください。

9. 他の車両等が通る道を横断する際は、減速して充分注意してください。

10. 物にぶつかったり、異常な振動をし始めたら、本機の損傷を調べて、修理してください。

機器類の修理、調整、洗浄をする前に駐車ブレーキをかけ、エンジンを止め、イグニッションキーを抜いてく

ださい。

11. 移動時は減速し、傾斜地や鋭角な曲がり道を走行する際は充分に注意してください。

12. 後進する際は、後部、下を見て、何もないことを確認してください。曲がり角、木、その他視界を遮る

ものの近くでは十分に注意してください。

13. アクセサリー類を洗浄する際は素手で行わないでください。アクセサリーの一部は鋭く、ケガの原因と

なります。

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14. 牽引の際は注意してください。承認されたヒッチポイントを使用し、安全に操作できるものに限り牽引

してください。鋭角な旋回はしないでください。後進の際は注意してください。アクセサリー取扱い説明

書を確認し、ホイールウエイトかカウンターウエイトを使用してください。

7.4 エンジン始動

操縦者が操縦席でクラッチペダルを踏んでいて、駐車ブレーキがかかっている状態でエンジンを始動してくだ

さい。アクセルペダルから足を離して下さい。常にシートベルトは装着してください。

イグニッションスイッチを RUN にしてください。ゲージパネルの警告ライトが数秒間点灯するのを確認してくだ

さい。

ディーゼルエンジンオプション:グロープラグライトが消灯したら、直ちにイグニッションスイッチをSTARTにしてく

ださい。エンジンがかかったらキーから手を離してください。タイヤが動き、スターターモーターが冷えるまで 30

秒かかります。

10 秒以上イグニッションスイッチを START の状態にしないでください。

エンジンが始動したら全ての警告ライトが消灯します。本機運転前にエンジンを暖めてください。

7.5 エンジン停止

通常の本機停止、駐車

1. 本機を駐車するにはまっすぐ水平な場所まで移動してください。

2. アクセルペダルから足を離し、クラッチペダルを踏んでブレーキペダルを使用して本機を止めてください。

3. 駐車ブレーキをかけてください。トランスミッションを 1速にしてください。

4. イグニッションスイッチをオフにし、クラッチペダルを離し、操縦席を離れる前にキーを抜いてください。

緊急事態が生じ、作業場所で本機を駐車しなければならない際は、グランド管理者によって定められた

ガイドラインに従ってください。傾斜地で本機を駐車する際は輪留めなどを行いホイールを固定してくださ

い。

7.6 車輛運転

本機を運転する際は本書に記載された安全指標を熟読し、従ってください。後進する際は後方を見て視

界が良好であることを確認してください。

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本機の運転:

1. 油圧 High-Lowシステムが搭載されている場合、High-Lowスイッチをオフの状態

にして、油圧オイルの流れを止めてください。

2. 運転前に荷台を完全に下げてください。

3. ブレーキペダルを踏み、駐車ブレーキを解除してください。

4. クラッチペダルを完全に踏んでください。

5. ギアセレクターノブは表面にギアのパターンがあります。1速か後進ギアを選択し、

アクセルペダルを踏みながらゆっくりとクラッチペダルを離してください。前進する際は

常に 1速から始め、加速するにつれて高速のギアに変更してください。

クラッチペダルが完全に離される前に本機は動き出します。本機が動き始めたら、よりアクセルペダルを踏み、

クラッチペダルを離してください。クラッチペダルの損傷を防ぐために、クラッチペダルが完全に離されていない

状態での運転は避けてください。

8-10㎞/h以上速度や長距離の後進は避けてください。

6. 本機の速度が十分にある際は、クラッチペダルを踏みつつアクセルペダルを離してください。トランスミッ

ションを次の高速ギアに変更し、アクセルペダルを踏みつつクラッチペダルを離してください。クラッチペダ

ルが踏まれている時にアクセルペダルを踏まないでください。

7. 本機が適切な速度に達するまでギアを変えてください。必要な車速に到達する適切なギア、エンジン

速度は項目 7.7 を参照してください。

8. 減速の際はトランスミッションを低速ギアに変更してください。クラッチペダルを踏みつつアクセルペダルを

離し、トランスミッションを次の低速ギアに変更してください。ギアセレクターが容易に低速ギアへ変更

できない際は、ギアを変更する前に減速し続けてください。無理に低速ギアにしないでください。高速

時に低速ギアに変更するとトランスミッションに損傷が加わります。

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7.7 ギア/エンジン速度

適正な車速に達するには以下の表を使用し、適正なギアとエンジン速度を確認してください。

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7.8 傾斜地での作業

本機は通常作業条件下では十分な走行能力を備えていま

す。傾斜地での作業時は細心の注意を払ってください。濡れ

た芝は走行能力を落とし、ステアリング能力を減退させます。

本機が転倒しないか確認してください。転倒の可能性を最小

限に抑えるために、傾斜地では安全な方法で作業を行ってく

ださい。傾斜地に向かい垂直に登り降りし、決して平行に(一

方の側面が傾斜に面した状態)作業を行なわないでください。

低速で移動し、不必要な旋回はしないでください。操縦席か

ら見えない危険には注意してください。

本機の荷台で動く物は本機がバランスを崩し転倒する

原因となる場合があります。

傾斜 17.5°を超える場所では作業しないでください。

1. 本機がスライドする場合やタイヤが芝を傷つける場合は

緩やかな角度で傾斜地を走行してください。

2. 本機がスライドし、芝を傷つけることが続く場合、傾斜角

度が安全ではありません。傾斜地での作業を止めてくだ

さい。

3. 急な傾斜を下る際は、本機の転倒を避けるため、アクセ

サリー類を地上に下げてください。

4. 適性のタイヤ空気圧が必要です。項目 9.15 参照

傾斜地の測定方法

長さ 1m程度の水平機(A)、テープ状のメジャー(B)

水平機(A)を水平に据え付け、距離 C を計測してください。

傾斜(D)の傾斜を計測するためにチャート表を参照してくださ

い。

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7.9 油圧アクセサリーの操作

オプションの油圧 High-Lowシステムは油圧アクセサリー作動のために必要です。本機の左後方の角にあ

るコネクターは油圧アクセサリー作動のためのものです。

携帯油圧アクセサリーの操作

1. 本機を止めて駐車ブレーキをかけ、エンジンを止めてキーを抜いてください。

2. 赤いコネクターカバーを外してプレッシャーホースを接続してください。

3. 黄色いコネクターカバーを外して、リターンホースに接続してください。

4. 適切な作動と必要な油圧アクセサリーの流量把握のためにアクセサリー取扱説明書を読んでくださ

い。必要なエンジン速度と High-Low スイッチ位置は以下の表を参照してください。

5. 必要な速度でエンジン稼働のため、エンジンを始動し、アクセルペダルかハンドスロットルを使用してく

ださい。

6. 適正な流量にするため、High-Low スイッチを適正な位置にしてください。

本機搭載の油圧アクセサリーの操作

1. 本機を止めて駐車ブレーキをかけ、エンジンを止めてキーを抜いてください。

2. 赤いコネクターカバーを外してプレッシャーホースを接続してください。

3. 黄色いコネクターカバーを外して、リターンホースに接続してください。

4. 適切な作動と必要な油圧アクセサリーの流量把握のためにアクセサリー取扱説明書を読んでくださ

い。必要なエンジン速度と High-Low スイッチ位置は以下の表を参照してください。

5. エンジンをかけ、作業場まで移動してください。

6. High-Lowスイッチを適正な位置にしてください。油圧アクセサリーを稼働するには本機を低速で走行

し、周囲に人を近付けないでください。

エンジン回転数 流量 ℓ/分 エンジン回転数 流量 ℓ/分

LOW ポジション HIGH ポジション LOW ポジション HIGH ポジション

1000 11.43 11.43 2300 18.93 25.82

1100 12.35 12.35 2400 18.93 26.94

1200 13.47 13.47 2500 18.93 28.06

1300 14.59 14.59 2600 18.93 29.19

1400 15.72 15.72 2700 18.93 30.31

1500 16.84 16.84 2800 18.93 31.43

1600 17.96 17.96 2900 18.93 32.56

1700 18.93 19.08 3000 18.93 33.68

1800 18.93 20.21 3100 18.93 34.80

1900 18.93 21.33 3200 18.93 35.92

2000 18.93 22.45 3300 18.93 37.04

2100 18.93 23.57 3400 18.93 38.17

2200 18.93 24.70 3500 18.93 39.29

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7.10 本機の牽引

本機の問題が生じ、整備場まで走行できない場合、短い距離に限り低速で本機を牽引してください。

本機牽引時のケガや本機への損傷を防ぐために以下のガイドラインに従ってください。

急発進、急停車しないでください。

傾斜地での急旋回や鋭角な旋回はしないでください。

8km/h以上で牽引しないでください。ステアリング操作を失う原因となります。

牽引時は天候や地表の状態によって速度調整してください。

本機の牽引

1. 本機は 4 箇所の固定場所があります。ひと

つの固定箇所にロープを取り付けてください。

2. 牽引前にアクセサリー類が上がっていることを

確認してください。アクセサリー類が上げられ

ない場合、本機から外してください。

3. 操縦者はステアリングとブレーキ操作が必要

とされます。

4. ブレーキペダルを踏んで、トランスミッションを

ニュートラルにして駐車ブレーキを解除してく

ださい。

5. 牽引ロープがきつく引かれるまで本機をゆっく

りと動かしてください。

6. 本機が牽引されたら、牽引ロープが緩まない

ようにしてください。傾斜や方向転換時は注

意してください。

7. 整備場に着いたら駐車ブレーキをかけ、トラ

ンスミッションを 1 速にしてください。

トレーラーへの本機搭載

トレーラーに本機を昇降する際は注意してください。本機がトレーラー上で動かないようにしっかりと固定し

てください。

高速道路でトレーラーが揺れる場合、本機をトレーラーに固定する前に、タイヤを最大の空気圧にしてく

ださい。トレーラーから降ろしたらタイヤ圧を戻してください。

前方固定

後方固定

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メンテナンス、潤滑チャート

8.1 メンテナンスチャート

メンテナンスチャート

頻度 アイテム 項目

毎日(10 時間) 安全インターロックシステムを確認

エンジンオイル量を確認

エンジン冷却水の量を確認

油圧燃料の量を確認(油圧 High-Lowシステム)

タイヤの空気圧を確認

ラジエーター、オイルクーラント、スクリーンを確認

エアクリーナーサービスインジケーターを確認

7.2

9.4

9.13

9.15

9.15

9.5

最初の 50時間 エンジンオイルの交換

エンジンオイルフィルターの交換

油圧オイルフィルターの交換

ステアリングシステムの確認

電気配線の確認

ファンベルトの張りを確認

スピンドルとキャスターのグリスアップ

9.4

9.4

9.14

10.5

9.19

10.2

8.2

毎週(50 時間) 燃料経路と取り付けの確認

駐車ブレーキケーブルの確認

緩んだ部品の確認

9.6

2 週間おき(100時間) グリスアップ★

エアフィルターの確認

ファンベルトの張りを確認

エンジンオイル、フィルターの交換

トランスミッション燃料の量を確認

8.2

9.5

10.2

9.4

9.18

毎月(250時間) 油圧ホースとチューブの点検

エンジン排気システムの確認

ステアリングシステムの確認

電気配線の確認

9.12

9.10

10.5

9.19

2 ヶ月おき(400 時間) 燃料フィルターエレメントの交換

ROPS の確認

9.7

9.11

500 時間 ファンベルトの交換 10.2

毎年 エアフィルターエレメントの交換

ラジエーター不凍剤の交換

9.5

9.15

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43

★環境によって、グリスアップは 100時間以内に必要な場合があります。

♦トランスミッション燃料は毎年または 600 時間のどちらか早いほうで交換してください。

8.2 潤滑チャート

8.3 液体要件

液体要件

量 タイプ

フィルター付ディーゼルエンジンオイル 5.1ℓ 10W-30ARI 分類 CJ-4

フィルター付ガソリンエンジンオイル 3.4ℓ 10W-30ARI 分類 CJ-4

トランスミッション 1.27ℓ SAE EP 80W-90 Gear Lube

リアアクスル(標準油圧リザーバー) 10.2ℓ 10W-30ARI 分類 SG、SF/CC

2500546(18.9ℓ Pail)

油圧 High-Low システム 22.7ℓ 10W-30ARI 分類 SG、SF/CC

2500546(18.9ℓ Pail)

ラジエータークーラント 6.05ℓ 50/50 エチレングリコール 不凍剤/液

燃料 27.5ℓ 項目 9.6 参照

油圧オイル、フィルターの交換

トランスミッション燃料の交換♦

9.13

9.18

100 時間のグリスアップ

1.タイロブボールジョイント(2) 2.ロワーボールジョイント(2)

3.アッパーボールジョイント(2) 4.4WD ドライブシャフト(3)

2WD オプション

4WD オプション

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メンテナンス

9.1 注意事項

機器を洗浄、調整、修理する前に全ての駆動装置を解除し、アクセサリー類を地上に下げてください。駐

車ブレーキをかけてエンジンを止め、キーを抜いてください。

本機が固く水平な場所に駐車してあるか確認してください。本機をジャッキのみで支えた状態での整備は

行わないでください。ジャッキスタンドを常に使用してください。

熟練した技術者が常に調整とメンテナンスを行ってください。適切な調整が行えない場合は、ジャコブセン

販売店にお問い合わせください。

点検時はメンテナンススケジュールに従い、記録を取ってください。

a. 機器はきれいな状態を保ってください。

b. 可動部品は正確に調整し、グリスアップした状態にしてください。

c. 本機運転前に摩耗、損傷部品を交換してください。

d. 全ての作動液は適正な量を保ってください。

e. シールドが正しい位置にあり、全ての機器類がしっかり取り付けられている状態にしてください。

f. タイヤの空気圧を適正に保ってください。

部品の着脱にはパーツマニュアルの図を参照してください。

有害物質(バッテリー、グリス、燃料、不凍剤)を廃棄する際は地方自治体が推奨する手順に従ってくだ

さい。

9.2 本機の整備

本機の整備をする際は荷台、スプレイヤータンク、

その他アクセサリー内を空にしてください。本機の

整備前に荷台を完全に上げ、シリンダーサポー

トが装着されていなければなりません。

本機の整備

1. エンジンを始動してください。

2. リフトコントロールレバーを引き、完全に荷

台やアクセサリーを上げてください。

3. 駐車ブレーキをかけて、エンジンを停止して

キーを抜いてください。

4. 本機整備時は荷台やアクセサリー類が上がっている状態を保つためにシリンダーサポートを使用してく

ださい。シリンダーサポートをストレージピンから外して、シリンダーサポートに装着してください。

ストレージピン

シリンダーサポート

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45

5. 整備が完了したらシリンダーロッドからシリンダーサポートを外してください。シリンダーサポートをストレー

ジピンに戻してください。

9.3 エンジン

重要-エンジン製造元によるエンジンマニュアルが別にあります。エンジンマニュアルを読み、エンジンの作動

とメンテナンスを理解してください。エンジン製造元の指示に従うことで、エンジンの製品寿命を延ばすことが

できます。エンジン交換のマニュアルはエンジン製造元から入手可能です。

新しいエンジンの作動とメンテナンスはその後のエンジン性能に影響を及ぼします。

最初の 50時間についてジャコブセン社は以下の項目を推奨します。

最大積載で稼働する前にエンジンは最低 60℃にしてください。

1日 2回はエンジンオイルを確認してください。最初の 50時間では通常のオイル使用時よりも高温に

なる場合があります。

ファンベルトを確認してください。

整備頻度はエンジンマニュアルを参照してください。

インジェクションポンプ、インジェクター、燃料システムの整備をする場合、ジャコブセン販売店にお問い合わ

せください。

工場出荷時のガバナー設定で作業してください。エンジンのガバナー設定変更や超過回転はしないでくだ

さい。

9.4 エンジンオイル

エンジンオイルの量はエンジン始動前かエンジン

を止めてから 5 分後に毎回確認してください。

a. 本機を水平な場所に駐車してください。

b. ディップスティックを抜き、布でオイルを拭き

取り元に戻してください。

c. ディップスティックを再度抜き、オイルの量を

確認してください。オイルの量は二つのレベ

ルインジケーターの間になくてはなりませ

ん。

ディーゼルエンジン

ガソリンエンジン

ディップスティック

レベルインジケーター

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可動 100時間おきにエンジンオイルを交換し

てください。

a. エンジンをかけて温度を上げてからエン

ジンを止めてください。

b. クランクケースの底からドレインプラグを

外して布で拭き取ってください。

c. エンジンオイルをコンテナに流してくださ

い。

d. ドレインプラグを交換し、オイルをフィル

ターを通して適正量エンジンに注いでく

ださい。

エンジンオイル交換時にあわせてエンジンオイ

ルフィルターも交換してください。

a. オイルフィルターを外してください。

b. エンジンオイルをコンテナに注いでくださ

い。

c. フィルターの周りをきれいにしてください。

d. オイルの薄層を新しいフィルターのガスケットに塗布してください。オイルフィルターを取り付けてくださ

い。

e. フィルターは手で閉めててください。

f. エンジンを稼働させ、オイルフィルターガスケットに漏れがないか確認してください。

g. エンジンを止め、エンジンオイルの量を確認してください。

エンジンオイルは肌に損傷を与えます。エンジンオイル使用時は手袋を装着してください。万が一、エンジン

オイルが肌に付着した場合は、直ちに洗浄してください。

地方自治体が定める法令に従って使用済みエンジンオイルは廃棄してください

9.5 エンジンエアフィルター

サービスインジケーターを毎日確認して

ください。赤いラインがインジケーターウ

ィンドウから確認できる場合は、フィルタ

ーエレメントを交換してください。

点検や洗浄のためにエレメントを外さ

ないでください。不必要なエレメントの

ガソリンエンジン

ディーゼルエンジン

オイルフィルター

オイルフィルター

オイルフィルター

オイルフィルター

ドレインプラグ

ドレインプラグ

フィルターハウジング

エレメント

キャップ

ダストバルブ

インジケーターバルブ

ボタン

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取り外しはゴミやその他の粒子がエンジンに入り込む危険があります。

整備が必要な場合は、まずフィルターハウジングの外側を洗浄してください。それから古いエレメントを注意

して外してください。

フィルターハウジングの内側を洗浄してください。ゴミやその他の粒子がエンジン注入ホースに入らないように

してください。

新しいエレメントを確認してください。損傷のあるものや適正でないエレメントは使用しないでください。

フィルターエレメントを組み付けてください。エレメントシートが適正か確認してください。ボタンを押してサービ

スインジケーターを設定してください。

フィルターハウジングにキャップを装着してください。キャップシールがフィルターハウジングの周りにあることを確

認してください。キャップのダストバルブはフィルターのボタンにあります。キャップを二つのクリップで締めてくださ

い。

エアフィルターホースの摩耗や損傷を確認してください。ホースクランプを適正の位置できつく固定してくださ

い。

9.6 燃料

ディーゼル燃料は可燃性です。本機に燃料を注ぐ場合は注意してください。適当な容器、注ぎ込み用具

を使用してください。燃料を運搬する際は缶、じょうご等不適切な容器は使用しないでください。

エンジン始動前に補充してください。エンジン稼働中やエンジンが熱を持っている時は燃料キャップを外した

り、燃料の補充はしないでください。

屋内で給油しないでください。燃料補充時に喫煙はしないでください。

燃料がこぼれた時はエンジンを始動せず、本機をその場から動かしてください。燃料蒸気がなくなるまで、

火花や裸火、その他発火装置を近付けないでください。

燃料容器を裸火や燃料や燃料蒸気の発火原因となる装置に近付けないでください。

燃料タンクキャップと容器のキャップは燃料補充後には常にきつく閉めてください。

フィラーネックの 25mm 下の辺りまで燃料を補給してください。

きれいな低硫黄(#2)のディーゼル燃料を使用してください。セタン値は 45、詳しくはエンジンマニュアルを参

照してください。

50 時間ごとに燃料ホースとクランプを確認してください。摩耗や損傷を確認したら直ちに取り換えてくださ

い。

燃料の保管については、国、地方自治体の制度、規則に従ってください。詳しい事情については、直接

管轄自治体にお問い合わせになるか、燃料供給業者にお問い合わせください。

決してタンクを完全に空にしたり、燃料を入れすぎないように注意してください。

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9.7 燃料システム

ディーゼル燃料フィルター

燃料フィルターは 400時間おきに交換してくださ

い。

a. エンジンを止めてください。

b. フィルターのバルブを閉めてください。システ

ムの圧力解放のため、ブリーダースクリュー

を緩めてください。

c. 燃料フィルターからリングナットとボールを外

してください。こぼれた燃料は拭き取ってくだ

さい。フィルターエレメントを外してください。

d. 新しいフィルターエレメント、ボール、リングナ

ットをフィルターの付け根に取り付けてくださ

い。リングナットを手で閉めてください

e. フィルターバルブを開けてください。

f. 燃料システムから空気を流してください。

燃料システムから空気を流す方法

燃料フィルターエレメントまたは燃料ホースを交換した後に燃料システムから空気を流してください。

a. 燃料フィルターのブリーダーバルブを開けてください。

b. イグニッションスイッチを RUN にして、燃料ポンプを作動してください。エンジンはかけないでください。気

泡が出なくなったら、燃料フィルターブリーダーバルブを閉めてください。

c. エンジンインジェクションポンプのブリーダーバルブを開けてください。気泡が出なくなったら、ブリーダーバ

ルブを閉めてください。キーをオフにして、ブリーダーバルブから流れた燃料を洗浄してください。

d. エンジンがかかるまで 10 秒間隔でエンジン始動を試みてください。エンジンが燃料システム内に残って

いる空気を取り除きます。

燃料はあなたの肌に損傷を与えます。燃料使用時は手袋を装着してください。万が一、燃料が肌に付着

した場合は、直ちに洗浄してください。

高圧エンジン燃料システムの燃料ホース、チューブ、プラグを外さないでください。

地方自治体が定める法令に従って使用済みディーゼル燃料は廃棄してください

9.8 バッテリー

バッテリーを整備する前にイグニッションスイッチをオフの状態にし、キーを抜いてください。

ブリーダースクリュー

閉める

開く

ボール エレメント

リングナット

ディーゼルエンジン

フィルター

ガソリンエンジン

フィルター

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バッテリーを整備する際は、防護服、防護レンズ、絶縁工具を使用してください。使用済みのバッテリーは

地方自治体が定める法令に従って廃棄してください。

バッテリーは腐食性の強い酸を含んでいます。触れないように注意してください。バッテリーを扱った後は必

ず手を洗ってください。

バッテリーターミナルのバッテリーケーブルをしっかり締め込んでください。絶縁グリスをターミナル、ケーブル端

に薄く施し、腐食を防いでください。通気口、ケーブルカバーを所定の位置に取り付けてください。

本機で接続作業を行う前に、常にバッテリーからケーブル、コントローラーからコ

ネクターを外してください。

バッテリーケーブルを着脱する前に電極を確認してください。

バッテリーを取り付ける際は、必ずプラスのプラスケーブル(赤)を先に、次にマイ

ナスケーブル(黒)を接続してください。

取り外す際は、マイナスケーブル(黒)を先に、次にプラスケーブル(赤)を外してください。

本機のジャンプアップスタート

a. 本機をジャンプスタートする際は、放電したバッテリーの状態を確認してください。

b. 充電されたバッテリーのプラスターミナルを放電したバッテリーのプラスのターミナルに接続してください。

c. 充電されたマイナスのバッテリーを放電したバッテリーの車体フレームに接続してください。

バッテリーは可燃性の水素ガスを放出します。発火の危険性を減らすために、バッテリー周辺に火花を近

付けないでください。常にマイナスのジャンパーケーブルを放電バッテリーの車体フレームに接続してください。

d. ケーブルを接続している際はバッテリーがいい状態の車輛のエンジンを稼働させてください。その後本

機を始動してください。

9.9 バッテリー充電

換気された場所で充電してください。バッテリーは可燃性の水素ガスを放出します。発火の危険性を減ら

すために、バッテリー周辺に火花を近付けないでください。

バッテリー充電器をつける際はケガを防ぐためにバッテリーから離れてください。損傷したバッテリーは爆発す

る原因となります。

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充電器の説明書を読み、指示に従ってください。バッテリーを充電する前に本機からバッテリーを外してくだ

さい。バッテリーにシールがない場合、電界溶液の量が全ての電池において適正量あることを確認してくだ

さい。

バッテリー充電器がオフであることを確認し、バッテリー充電器を説明書の通りにバッテリーターミナルに接続

してください。

バッテリー充電器をバッテリーターミナルから外す前には常に充電器をオフの状態にしてください。

9.10 エンジン排気

排気ガスは一酸化炭素を含んでおります。排気ガスに含まれる一酸化炭素は非常に危険です。一酸化

炭素中毒にならないよう、毎月確実に排気システムは点検し、損傷した部品は直ちに交換してください。

換気されていない場所ではエンジンを稼働しないでください。

排気システムに関連する部品は 149℃以上にもなります。やけどをしないよう、熱を帯びた排気システムに

は触れないでください。

排気システムは排気マニフォルド、マフラー排気パイプを搭載しています。

排気の色や音に変化が感じられたら、エンジンを直ちに止めてください。問題を特定し、システムを修理し

てください。

排気マニフォルドの器具を均等に締め込んでください。排気クランプの締め込み、交換を行ってください。

9.11 ROPS

本機は ROPS が装備されています。定期的に ROPS に緩みや損傷がないか点検してください。

ROPS 固定器具がしっかり締め込まれている状態にしてください。折り曲げたり、変更、穴あけ、溶接は行

わないでください。損傷した ROPS は交換してください。損傷した ROPS を修理しないでください。

400 時間おきに座席、シートベルト、本機、ROPS フレームに損傷がないか点検してください。損傷した箇

所は直ちに交換してください。ROPS に必要な交換部品はパーツマニュアルに記載してあります。

100 時間おきに ROPS の締め付けを確認してください。

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9.12 油圧ホース

高温、高圧ホースのケガを防ぐため、オイル漏れ点検は素手で行わないでください。点検の際は紙または

段ボールを使用してください。油圧オイルは肌を貫通する危険があります。皮膚に注入された油圧オイルを

放置すると壊疽に発展する恐れがあるため、数時間以内に専門医により外科的に除去してください。

油圧ホースやチューブを点検及び取り外す際は、常にアクセサリー類を地面に下ろし、全ての駆動装置を

切断し、駐車ブレーキをかけて、エンジンを停止し、キーを抜いてください。

毎日油圧ホース、チューブを点検してください。ホースに濡れた箇所,油染みのある箇所がないか点検し、

磨耗または破損したホースやチューブは交換してから本機を運転してください。

油圧ホースやチューブを交換する際は、同じ経路の取り回しを行ってください。クライトやブラケット、タイ等

を動かし、取り回しを変更しないでください。

250 時間ごとに全てのチューブ、ホース、の接続を確実に点検してください。

重要:油圧オイルが汚れている場合、油圧システムが損傷する可能性があります。汚れがシステム内に

入り込まないよう、油圧部品を外す前に接続部分とホースの端を洗浄してください。

油圧関係の部品を外す前に、各ホースの場所にタグやマークなど印をつけて、接続部分周辺をきれいに

してください。

部品を外した際に汚れが油圧システム内に混入することを防ぐために、取付プラグやキャップをホースの端

に装着するために用意してから外してください。こぼれた油圧オイルは拭き取ってください。

締め込む前に O-リングが清潔で、ホース接続部分が正しく取り付けられていることを確認してください。

ホースがねじれないようにしてください。ねじれたホースはホースが本機稼働中に動くにつれて接続部分が

緩み、オイル漏れの原因になります。

ねじれたり鋭角に曲がった油圧ホースはオイルの流量を下げ、ホースの損傷に繋がります。流量が低下し

たホースはシステム故障や油圧オイルの温度上昇の原因となります。

9.13 油圧オイル

以下の症状が起こったら、油圧オイルの排出、交換を行ってください。

部品の不具合

油圧オイルに水や気泡がある

油圧オイルが異臭を放っている

フィルター整備ライトが表示した際または毎年どちらか早いほう

油圧オイル交換時は常に油圧フィルターも交換してください。使用済み油圧オイルの廃棄に関しては地方

自治体に従ってください。

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リアアクスルの油圧オイル交換:

a. 汚れが油圧システム内に入り込まな

いように、リアアクスルドレインプラグの

周りをきれいにしてください。

b. 容量 22.7ℓ以上の容器をリアアクス

ルの下に置いてください。リアアクスル

の底からドレインプラグを外して、油

圧オイルを容器に排出してください。

c. オイル排出後、ドレインプラグを取り

付けてください。ドレインプラグを

12-19Nmで閉めてください。

d. フィルプラグを外してフィルポートの底

に油圧オイルを注ぎ込んでください。

e. エンジンをかけ、油圧システムから空気を抜いてください。空気を抜き、油圧オイル液面を均一にする

ため、ステアリングと荷台昇降機能を 1 分間作動させてください。

f. オイルの液面が均一になり、空気が抜けたらフィルプラグを抜いてください。油圧オイルをフィルポートの

底に注ぎ込んででください。フィルプラグを 12-19Nmで閉めてください。

油圧 High-Low システムの油圧オイル交換

a. 汚れが油圧システム内に入り込まないように、ドレインプラグの周りをきれいにしてください。

b. 容量22.7ℓ以上の容器を油圧High-Lowシステムタンクの下に置いてください。タンクの底からドレイン

プラグを外して、油圧オイルを容器に排出してください。

c. オイル排出後、ドレインプラグを取り付けてください。

d. タンクのキャップを外して、タンクに油圧オイルを注ぎ込んでください。

e. エンジンをかけ、油圧システムから空気を抜いてください。空気を抜き、油圧オイル液面を均一にする

ため、エンジンを 5 分間作動させてください。

f. オイルの液面が均一になり、空気が抜けたらフィラーネックフィラーネックの 25mm 下の辺りまで油圧オ

イルを注いでください。

9.14 油圧フィルター

標準の油圧フィルターは 10 ミクロンのフィルターで保護されています。フィルターは操縦席の下のフレームに

あります。

オプションの油圧 High-Low システムは別の 10 ミクロンのフィルターで保護されています。フィルターは油圧

High-Low タンクの前方にあります。

フィルプラグ

ドレインプラグ 液面

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フィルターの交換

a. 新しいフィルターを設置する前に新しいフィルターに油圧オイルを注ぎ、O-リングも油圧オイルで潤滑

してください。

b. 油圧システムから空気を抜くために、5 分間アイドリングを行ってください。その間にオイルレベルライト

が点灯し、警告音が鳴る場合があります。

c. エンジンを止め、タンク内の油圧オイル量を確認してください。ディップスティックのフルマークまで油圧オ

イルを注いでください。

9.15 ラジエーター

高温な冷却水や吹き出す蒸気からの大ケガを防ぐためにも、エンジンが作動している間はラジエーターキャ

ップを取り外さないでください。エンジンを停めて、冷却水が冷めるまで待ってください。そうしたとしても、キャ

ップを外す時には特に気を付けてください。

温まっているラジエーターの中に、冷たい水を注水しないでください。適切な冷却水を入れて作業してくださ

い。ラジエーターキャップは正しく取り付けてください。

毎日冷却水の量を確認してください。ラジ

エーターと補助タンクは満タンで、リカバリー

ボトルは冷却マークでなければなりません。

清潔な水に凍結防止のため、エチレングリ

コールを含んだ不凍剤を混ぜてください。不

凍剤とエンジン取扱説明書を読み、指示

に従ってください。

100 時間ごとにエンジンファンベルトを確認

し、締め直してください。ベルトは 500 時間

おきに交換してください。クライトとホースは 2

年おきに交換してください。

月に 1 回、4 分 1 以上冷却水を補充する

必要がある際は、ジャコブセンの販売店に

確認を行ってください。

ラジエーターと油圧オイル冷却装置の通気

道はきれいな状態にしてください。エアコンプレッサー(最大 30psi)でフィンを清掃してください。ラジエーター

とオイル冷却装置洗浄には油圧オイル冷却装置を整備の位置まで動かしてください。

ラジエーター

補助タンク

リカバリーボトル

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9.16 タイヤ

タイヤの寿命を延ばすため、適切な空気圧を保って

ください。摩耗していないか点検してください。

毎日タイヤが冷えている状態で空気圧を確認してく

ださい。低圧タイヤゲージを使用してください。

前後輪のタイヤ空気圧はグラフを参照してください。

適切な指導を受けていない場合や工具を所持して

いない場合はリムにタイヤを装着しないでください。

不適切な装着はケガの原因となる破裂を起こす可

能性があります。

9.17 ホイール組み付け手順

本機を平らな場所に駐車し、ジャッキアップだけの補助での作業は行わないでくださ

い。常にジャッキスタンドを使用してください。前側及び後ろ側だけを持ち上げる際は、

持ち上げないタイヤの後方に必ず輪留めを使用してください。

砂、グリスやオイルを取り払ってください。グリスアップは行わないでください。

ホイールをハブへ装着してください。ホイールとハブの表面が全面しっかりと接地しているか確認してくださ

い。

手で全ての器具を締めてください。それから図に示された順序で締め付けてください。上から締め込んでくだ

さい。

締め付け具合が 115-128Nm に保たれているか締め付け器具を毎日確認してください。

9.18 トランスミッションオイル量

トランスミッションのオイル量を 100 時間おきに確認してください。

a. リアアクスルのトランスミッションアダプターの左側からオイルレベルプラグを外してください。

b. トランスミッションオイル量はオイルレベルプラグの底まで達していなければなりません。必要に応じて

前輪タイヤ空気圧

後輪タイヤ空気圧

ホイール組み付け順序

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SAE EP 80-90 Gear Lube を追加してください。

c. オイルレベルプラグを取り付けてください。

トランスミッションオイルは毎年もしくは 600 時

間のどちらか早いほうで排出、交換してくださ

い。

a. トランスミッションに汚れが入り込まないよ

うに、トランスミッションドレインプラグの周

りはきれいにしてください。

b. 容量 3.8ℓ以上の容器をトランスミッション

とリアアクスルの下に置いてください。トラ

ンスミッションアダプターの底からドレインプ

ラグを外して、トランスミッションオイルを容

器に排出してください。

c. オイル排出後、ドレインプラグを取り付け

てください。ドレインプラグを 12-19Nm で

閉めてください。

d. オイルレベルプラグを外して、SAE EP 80-90 Gear Lube を注ぎ、プラグを 12-19Nm で閉めてくださ

い。

9.19 電気システム

電気システムを点検、整備する前には常にイグニッションスイッチをオフの状態にし、マイナス端子(黒色)の

バッテリーケーブルを外してください。

電気トラブルを防ぐために以下の点を確認してください。

全ての接続部を清掃し、確実に取り付けを行ってください。

インターロックシステム、ヒューズと配線ブレーカーを確認してください。インターロックシステムが適切に

作動しなかったり、問題が生じた際は、ジャコブセンの販売店に確認を行ってください。

可動部品や熱を持ったものから配線を離してください。

バッテリーとオルタネーターを確認してください。

電気接続箇所や部品の洗浄、高圧洗浄は行わないでください。

直線上に二つのヒューズがプラスのバッテリーケーブルにあります。60amp のヒューズがオルタネーターの保護

をします。175ampのヒューズは車体回路の保護をします。

ヒューズとリレーはダッシュボードの後ろにあり、車体回路の保護に使用されます。

アクセサリー類搭載時は追加のヒューズとリレーがヒューズパネル周辺にある場合があります。

オイル液面

オイルレベルプラグ

ドレインプラグ

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9.20 管理と清掃

使用後は本機及びアクセサリー類を洗浄してください。エンジンの損傷を防ぐために、エンジンが稼働してい

る状態で洗浄は行わないでください。できる限りエアーコンプレッサーで洗浄してください。

本機を熱湯で洗浄しないでください。また高圧のスプレーやスチームは使用しないでください。冷水と自動

車洗浄剤を使用してください。

エアーコンプレッサーを使用してエンジンとラジエータフィンを洗浄してください。エンジンを高圧洗浄しないでく

ださい。機器を洗浄する際は清潔な水を使用してください。

海水や廃水を使用することは金属部品の錆びや腐食を生み、部品の悪化を促進します。これらの症状

は保障の対象から外れます。

パネル、イグニッションスイッチ、コントローラー、その他の電気部品に直接水をかけないでください。

良いグレードのワックスを定期的に使用し、ファイバーグラスで高い光沢性を維持してください。

金属表面の傷を修復する際は、ジャコブセンのタッチアップペイントを使用してください。ワックスを使用する

ことにより最大限に塗装を保護することができます。

発火を防ぐためアタッチメント、駆動装置、エンジン、排気部品から芝カスや汚れを取り除いてください。

素手でアタッチメントの清掃を行わないでください。ブラシを使用してアタッチメントから刈芝を取ってください。

アタッチメントは鋭利でケガの原因になります。

9.21 保管

一般

本機を十分に清掃し、グリスアップを行ってください。金属部品の塗装剥がれがある際は、修理や塗

装を行ってください。

本機を点検し、すべてを増し締めし、摩耗、損傷部品を交換してください。

ラジエーターを交換してください。

タイヤを十分に清掃し、本機からタイヤを取り外して保管してください。本機をジャッキアップできない

際は、タイヤの使用期間と空気圧を必要に応じて確認してください。

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保管中は本機と全てのアクセサリーの清潔さと通気性、防護性を維持してください。可燃性のあるも

のや火花は、燃料が引火する可能性があるため、本機の近くでの保管は行わないでください。

バッテリー

取り外し、清掃、保管は、伝導性が無く、涼しく乾燥している場所で真っ直ぐ直立させた状態で行っ

てください。放電を防ぐために、コンクリートや金属面での保管を行わないでください。

バッテリーは保管を行ってから 60~90 日おきに点検と充電を行ってください。

涼しく通気性の良い場所で保管を行ってください。放電を減少させ、凍結による電解液を防ぐために

20~27 度の室内で保管を推奨します。

エンジン

エンジンを暖める際は、ドレインプラグを外し、クランクケースからオイルを抜き取ってオイルフィルターを

交換してください。ドレインプラグを取り付けて新しいオイルを補充してください。30Nmでドレインプラグ

を締め込んでください。

エンジンの外装を清掃し、金属部分の塗装の剥がれを塗装または錆止め剤を塗布してください。

燃料内の細菌の発生を防ぐために殺虫剤等を追加してください。

アクセサリー

アクセサリーを十分に清掃し、破損や金属部分の塗装の剥がれある際は修理や塗装を行ってくださ

い。

全てのフィッティングや可動部分にグリスアップを行ってください。

保管後

バッテリーを取り外し、確認を行ってください。

燃料フィルターとエアークリーナーを確認し、整備してください。

冷却水の量を確認してください。

エンジンオイルと油圧オイルの量を確認してください。

新しい燃料を補充してください。

タイヤの空気圧を適切かつ確実に調節してください。

半開程度のエンジン回転数で始動と作業を行ってください。十分に時間をかけてエンジンを暖めてグ

リスアップを行ってください。

排気ガスを吸い込むことは致命的な影響を体に及ぼすため、十分に通気性のある場所でエンジンを始動

させてください。

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調整

10.1 注意事項

ケガを防ぐため、調整及び整備作業を行う前にアクセサリー類を下して、全ての動作を止めて駐車ブレー

キをかけ、エンジンを切ってイグニッションスイッチからキーを取り外してください。本機を平らな場所に駐車し、

ジャッキアップだけの補助での作業は行わないでください。常にジャッキスタンドを使用してください。

調整及び整備は常に適切な技術者が行ってください。適切な調整を行うことができない際は、ジャコブセ

ンの販売店に確認を行ってください。

メンテナンススケジュールに従い、機械を点検し、整備記録を取ってください。

a. 機械を清潔に保ってください。

b. 可動部品は適正に調整、グリスアップしてください。

c. 本機を操縦する前に摩耗、損傷部品を交換してください。

d. 全ての作動液を適正な水準に保ってください。

e. 保護装置が適切な位置にあり、機器が締め込まれていることを確認してください。

f. タイヤの空気圧を適正に保ってください。

調整や修理をする際は金属や緩やかな服装を身に着けないでください。

脱着部品はパーツマニュアルのイラストを参照してください。

有害物質(バッテリー、潤滑材、燃料、不凍剤)を廃棄する際は、地方自治体が推奨する手続きに従っ

てください。

10.2 ベルト調整

使用開始から 10 時間経過したら、ベルトの点検、調整を行ってください。使用開始 10時間以降は 100

時間おきにベルトを確認してください。

オルタネーターベルト

プーリーとプーリー間の中間を 9kg で押した際に、ベルトが 6

~8mm たわむようにオルタネータープーリーを調整してくださ

い。

ベルトの張りが適切でない場合、オルタネーターの取り付け

ボルトを緩めて適切なベルトの張りに合わせてオルタネータ

ーの位置を調整してください。オルタネーター取り付けボルト

を締めてください。

オルタネーター

ベルト

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10.3 駐車ブレーキ調整

ブレーキが正常に機能するか、ブレーキケーブル、ブレーキの接続、旋回軸を毎週

確認してください。摩耗、損傷した部品は直ちに交換してください。

駐車ブレーキのテスト

1. 16.7°の傾斜地の下辺りに本機を駐車してください。本機前方を傾斜地の

下に向けてください。駐車ブレーキをかけ、トランスミッションをニュートラルにし

てエンジンを切ってください。

エンジンを停止時に駐車ブレーキは解除しないでください。

本機は駐車ブレーキがかかった状態で動きません。もし、本機が動く場合、エンジンをかけて傾斜の下まで

行き、駐車ブレーキを調整してください。

2. 駐車ブレーキを解除した状態で、調整ノブを右に 90°回転させてください。駐車ブレーキの接続、解

除をしてください。この手順を繰り返して、駐車ブレーキ接続時にしっかりとかかるようにしてください。

駐車ブレーキの過調整でレバーの動きが固くなりますが、性能そのものの向上にはつながりません。

3. 傾斜地で以上のテストを繰り返してください。

10.4 ステアリングトーイン調整

ステアリングトーイン調整

a. 前輪を真っ直ぐの位置にしてください。

b. 両方のアキシャルロッド端のジャムナットを緩めてくださ

い。

c. トーインを適切な位置に設定するよう調整してくださ

い。トーインは+0.63㎝以上あってはなりません。

d. ジャムナットを締めてください。

調整ノブ

ジャムナット

ジャムナット ジャムナット

ジャムナット

アキシャルロッド

アキシャルロッド

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10.5 トルク仕様

以下の表に記載されている各ボルトの締め付けトルクはおよその数値で参考に過ぎません。ジャコブセン

社はこのチャート表記載数値には一切の責任を持ちません。よって、これに起因するいかなる不具合も保

証の対象とはなりません。トルク数値を参考にした作業では、普段以上の注意払って臨んでください。

ジャコブセン社はグレード 5ボルト(インチ)とグレード 8.8(メトリック)を標準品として使用しています。常に使

用するボルトのグレードを確認してください。ボルト締め付けには以下に示された潤滑を行ってください。

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トラブルシューティング

11.1 一般

以下表は、始動・作業中に起こりうる基本的な問題を列挙しています。それ以上の詳細情報については、

ジャコブセン社販売店にお知らせください。

問題 原因可能性 対策

エンジンがかからない 1. クラッチペダルを踏んでいない。

2. グロープラグ接続時間切れ。

3. バッテリー電圧が低い、不良。

4. 燃料タンクが空または汚れている。

5. ヒューズが切れている。

6. リレーが壊れている。

1. インターロックシステムと始動手順を確認してくださ

い。

2. イグニッションスイッチを再設定し、エンジン始動前

にグロープラグの接続を切ってください。

3. バッテリーの状態と接続部分を確認してください。

4. タンクにきれいな燃料を注いでください。燃料フィル

ターを交換してください。燃料のにじみ。

5. ヒューズを交換してください。

6. リレーのテスト、交換をしてください。

エンジンがかけづらい、駆

動が不安定

1. 燃料が少ない、燃料または燃料フィル

ターが汚れている。

2. エアークリーナーが汚い。

3. インジェクション、燃料ポンプ。

4. エンジンに問題がある。

1. きれいな燃料を注いでください。燃料フィルターを

交換してください。燃料のにじみ。

2. エアフィルターの点検、交換してください。

3. エンジンマニュアルを参照してください。

4. エンジンマニュアルを参照してください。

エンジンが停止する 1. 燃料タンクが空である。 1. きれいな燃料を注いでください。燃料のにじみ

エンジンのオーバーヒート 1. 冷却水の量が少ない。

2. 空気吸入量が少ない。

3. ウォーターポンプベルトが緩んでいるか、

壊れている。

1. 冷却水の点検または追加をする。

2. ラジエーターの空気吸入口を洗浄する。

3. ベルトを締め直すか交換する。エンジンマニュアル

参照。

バッテリーが充電されない。

バッテリーライトが点灯す

る。

1. バッテリーケーブルの緩み、腐食。

2. 電圧が低い。

3. オルタネーターベルトの緩み、破損。

4. バッテリーの破損。

1. バッテリーターミナルの点検、清掃をする。

2. 充電する。

3. ベルトを締め直すか交換する。エンジンマニュアル

参照。

4. エンジンマニュアル参照。

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11.2 キャンバスコネクター

ディーゼルエンジンはヒューズ/リレーパネルの左に 3 ピン CAN-BUS コネクターがあります。

二つの CAN-BUS コネクターがヒューズ/リレーパネルの左にあります。4 ピンコネクターはクボタエンジンコント

ローラー(ECU)の CAN-BUS コネクターです。3 ピンコネクターは車輛の CAN-BUS コネクターです。

クボタエンジンコントローラー交換時にエンジンバルブカバーの後方にあるプレートのエンジンモデルとシリアル

番号をお伝えください。

車輛 CAN-BUS コネクター ECU CAN-BUS コネクター

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