オンライン日本語アクセント辞書の使い方 ·...
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オンライン日本語アクセント辞書の使い方
http://www.gavo.t.u-tokyo.ac.jp/ojad/
2014 年 11 月 9 日版
中川千恵子
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内容
0.まず表紙 ............................................................................................................... 3
1.単語検索で調べる(OJAD の 4 機能の第 1 辞書機能) ............................................ 4
1)文中の単語アクセントを調べる .......................................................................... 5
①「単語の検索」で単純に調べる .......................................................................... 5
②「検索・表示条件」で絞る ................................................................................. 6
2)動詞活用形の復習や予習とともに発音練習する .................................................. 7
①平板型と起伏型の区別を知る ............................................................................. 7
②平板型だけで練習 .............................................................................................. 8
③次に起伏型だけで練習 ....................................................................................... 8
●練習・自習・活用ヒント(他にもあったらぜひ教えてください) ........................... 9
2.動詞の後続語検索(辞書機能を広げた第2辞書機能) .......................................... 10
①「行かなくても」を調べたいとき(単語検索では、「~なくても」はない) .......... 10
②「歩きたくないなら」を調べたいとき ................................................................. 10
3.任意テキスト版:文章入力で用言(動詞と形容詞)のアクセントが出る第3辞書機能
................................................................................................................................. 11
4.韻律読み上げチュータ‘スズキクン’:イントネーション表示機能、音声合成機能 12
スズキクンの使い方 ............................................................................................... 13
1)表示方法 ........................................................................................................... 13
①「ピッチパターン」も「アクセント」も「初級者」用表示 ................................ 13
②「ピッチパターン」も「アクセント」も「上級者」用表示 ................................ 13
2)音声の「作成」 ................................................................................................. 14
3) / (句切り・区切り) .................................................................................... 14
①読みやすさを考えて、自分で入れる ................................................................. 14
②自分好みに「表示」や「 /」、話者や話速を変えてみる ....................................... 15
③句切り「 /」や「、」の大切さ ............................................................................ 16
④原稿作成のヒント ............................................................................................ 16
⑤その他のヒント ............................................................................................... 16
4)エディター機能 ................................................................................................. 17
●練習・自習・活用ヒント(他にもあったらぜひ教えてください) ......................... 18
最後に:聞きやすく、分かりやすく、言いやすい発音のために ................................... 19
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0.まず表紙
OJAD4機能のご紹介 使ってみよう OJAD
使用言語を選べます
1
2
1 2
OJAD には4つの機能がありま
す。分からなくなったときに、
読みましょう。
「使ってみよう OJAD」→「タブレット端末用 OJAD
デモ」には、あらかじめ単語や文例が入力されてい
るので、そこで練習すれば、「今日からあなたも
OJAD 通」になれます。(適当に入力例を編集・変更
して活用することをお勧めします)
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1.単語検索で調べる(OJAD の 4 機能の第 1 辞書機能)
今のところ、左の教科書に入っている動詞( 12 種類
の活用形)と形容詞(7種類の活用形)が音声付で含
まれています。
名詞はまだ音声が付いていません。
未掲載
ピンクとブルーの表示は、音声
下は教科書で新出する課と日本語レベル
20 行~100 行まで
表示可能
ピッチカーブ
表示と非表示
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1)文中の単語アクセントを調べる
「伝統的な大きい祭りもあれば、地元の小さい祭りもあります。」という文のアクセン
トを調べてみましょう。
①「単語の検索」で単純に調べる
単語の間に「、」や「,」を入れて入力します。「伝統的な、大きい、祭り、あれば、地
元、小さい、あります」まず、そのまま「実行」してください。
動詞の 12 活用形全部出てきます。
難易度とどの教科書の何課に出て
くるか表示されます。
「アクセントの揺れ」表示のままだと 1 つの語で 2 種類以上のア
クセント型が表示されて迷います。特に、形容詞の揺れ(バリエー
ション)は混乱するので、伝統的なものだけ表示する「非表示」に。
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②「検索・表示条件」で絞る
必要ないものは「非表示」に、必要なら「表示」にしましょう。活用形でも必要ないも
のは✔を外しましょう。
図 3
図 4
「ピッチカーブ」を「表示」に
してみましょう。
「教科書と難易度」は「非表示」:
場所をとって、ゴチャゴチャし
ているので、「非表示」に。ただし、
一行音声を聞くことができない
かもしれないので、注意
不要な活用形は✔を外して、必要
な活用形だけにします。
「アクセントの揺れ」は「非表示」:
一般的にどう言えばいいのか知りたいだけなので。日本人が許容するのか知りたかった
ら「表示」
男女音声再生とダウンロード
で 白 黒 印 刷
画面がでます。
・Shift といっしょに押せばダウンロードもできます。(ネット
環境がよくないときは、プツプツ切れるのでダウンロードして
しまった方が何度も聞けるので便利)
・ダウンロード後、ここで、フォルダを開けば、PC に保存され
ていることがわかります。
不 要 な も の あ れ
ば、×で削除
一括で再生やダウンロード
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2)動詞活用形の復習や予習とともに発音練習する
例えば、「初級日本語」第 1 課~第 5 課の動詞の練習をしましょう。
①平板型と起伏型の区別を知る
各グループの上の方は平板型で下の方は起伏型(-2 型:語末から 2 拍目にアクセント
核、-3 型)でアクセントが違うが、「ます」形は区別がないことを確認します。
×行ごとの非表示
文字にマウスで移動
列ごとの表示・非表示
教科書検索
使用言語選択
白黒印刷
検索・表示条件を選択
必要な活用形に✔
行と列は表示・非表示
黒いところにマウスを置いて左クリックで移動
移動できる
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②平板型だけで練習
③次に起伏型だけで練習
「帰る」だけ-3 型なので、移動してみました
「アクセント型」を「平板型」に
「アクセント型」を「起伏型」に
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●練習・自習・活用ヒント(他にもあったらぜひ教えてください)
①このまま音声を聞きながら、動詞活用形等のシャドーイング練習
例:食べる→食べない→食べて→食べた→食べなかった→食べれば…
*動詞の活用形の練習をする時に聞きながら見ながら練習すると自然に覚えられるかもし
れません。特に平板型と起伏型の違いは後になるとなかなか直せないので、苦労せずに最
初から練習するといいですね。
②Shift+音声で PC にダウンロードして、何度もリピート練習(途中でポーズを入れて)
やシャドーイング練習をする
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2.動詞の後続語検索(辞書機能を広げた第2辞書機能)
①「行かなくても」を調べたいとき(単語検索では、「~なくても」はない)
②「歩きたくないなら」を調べたいとき
完全一致なので赤くハ
イライトされます
不完全ならピンクで
ハイライトされます
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3.任意テキスト版:文章入力で用言(動詞と形容詞)のアクセントが出る第3
辞書機能
カーソルを移動すると、ポップアップでその語のアクセント型が表示されます。
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4.韻律読み上げチュータ‘スズキクン’:イントネーション表示機能、音声合
成機能
目標
– 聞き手にとって、聞きやすく分かりやすい発音
– 話し手にとって、言いやすい発音
スズキクンの仕事
– 発音の手掛かりとして、視覚的表示を付けてくれる
「アクセント」「イントネーション・カーブ」 (「無声化母音」 )
– 音声作成をして読んでくれる
ユーザーの仕事(大事!)
– 「/(句切り)」を入れることで言いやすく(聞き /分かり/言いやすい)
デフォルト画面は、「ピッチパターン」「テキスト上のアクセント」両方とも初級者用で
す。
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スズキクンの使い方
1)表示方法
「ピッチパターン」「テキスト上のアクセント」が主な選択ポイント
注意点:どちらも「初級用」「上級用」で音声合成可能
他にもいろいろあるので、試してみましょう。(山丘表示、アクセント無…)
①「ピッチパターン」も「アクセント」も「初級者」用表示
「日本には伝統的な大きい祭りもあれば地元の小さい祭りもあります」をデフォルト
(初期)表示で「実行」して表示します。
②「ピッチパターン」も「アクセント」も「上級者」用表示
さらに、アクセントマークを「核のみ表示」、フレーズ成分の表示を「非表示」
1 フレーズ(1まとまり)の第1アクセ
ントと頭高型アクセントの語だけにア
クセントマークが付きます。
アクセントマークは 全
部付きます。
網掛け部分は
母音の無声化
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2)音声の「作成」
4 名の「話者」の声(F1:一番安定している、F2、M1、M2)
3 種類の「話速」(slow normal fast)
「再生」で聞いて「停止」で一時停止、「再開」で停止箇所から聞けます
「保存」:単語検索と同じようにPCに保存(ネット環境が悪い時はぜひ)
「印字」:プリントアウトできます
「初級者用」にしても「上級者用」にしても、だらだらと下がっているだけなので読み
にくいです。聞いてみると、少し早いし、忙しい感じです。読みにくいので、「、」や
「/」を元の文に付けて句切りを入れます。
3) / (句切り・区切り)
①読みやすさを考えて、自分で入れる
/2 拍/~/15 拍ぐらいまで/の長さが目安です。(例:/もう/二年以上たちました/)
注意:「、」や「。」のほうが「 /」より長いポーズが入ります。
ピッチパターンとアクセント:初級者用
ピッチパターンとアクセント:上級者用
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②自分好みに「表示」や「 /」、話者や話速を変えてみる
注意:話者や話速を変えるときは、必ずもう一度「作成」しないと変わりません
注意:アピール、注目を集めるためには、少し多く /を入れたり、/を「、」にする
など、ポーズを長くしたりして工夫してみましょう。
ピッチパターン /テキスト上のアクセント:上級者用
アクセントマーク:核のみを表示
フレーズ成分の表示:非表示 → 実行
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③句切り「 /」や「、」の大切さ
以下のように少し複雑な文だと、
かなり言いにくい(下手な人なら何を言っているのか分からない、聞きにくいし、分かり
にくい)ので、「、」を入れてみましょう。
まだポーズが短くて言い難く(苦しい感じな)ので、
「/」を「、」にしてみると、ポーズが長くなって、かなり言いやすくなります。
④原稿作成のヒント
snipping tool(windows 初期画面のプログラム検索で sni と入力すると出てくる)
この「使い方」も snipping tool を使っているので、参考にしてください。
⑤その他のヒント
会話として話者や話速を指定することもできます(参考:「使ってみよう」→「OJAD デ
モ」→「4.3 テキスト読み上げについての詳細」→「話者と話速についての制御」)
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4)エディター機能
スズキクンは機械なので、多様に対応できません。読みが違った時は、ひらがなにし
たり、逆に漢字にしたり工夫しましょう。
アクセントが違っていると思ったときは、文字を左クリックすれば直せます。
もういちど注意:「上級用」で修正しないと音声合成できません。
注意:修正後音声が作成できないときもあります。
スズキクンが学習した日本語のアクセント規則に合っていない時です。上のように1拍
目と2拍目の高低差が無いとエラーになります。
大切なこと!
スズキクンは間違えるかもしれないと疑って「修正」すると、さらに間違える可能性が
高いです。自信を持っていない限り、あるいは、好みがはっきりしていない限り(「えい
が」より「え’いが」のほうが好き等)、修正せずにどんどん練習した方がいいでしょ
う。日本人でもバリエーションがあるのがアクセントです。聞きやすい文のイントネーシ
ョンのための練習だと思って自信を持ってスズキクンといっしょに練習してください。
修正前(これでも間違えでない)
修正後(自分好みに)
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●練習・自習・活用ヒント(他にもあったらぜひ教えてください)
①音声を聞きながら、あるいは保存してシャドーイングやリピーティング
②動詞の疑問文練習(ポーズが短いのでシャドーイング、または保存して止めながらリピ
ーティング)
例:丘(行く?聞く?座る?働く?)山(食べる? 住む?走る? 読む?)
‘スズキクン’使用時の注意点
①変な読み方をしてしまうかもしれない→ひらがなで、または、漢字で入力してみる。(場
合によっては OJAD にメールする・問い合わせる)
②アクセントの間違い→エディターで聞きながら修正 →細かいところは気にしないでど
んどん練習しよう!
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最後に:聞きやすく、分かりやすく、言いやすい発音のために
日本には、伝統的な大きい祭りもあれば、地元の小さい祭りもあります。
ステップ1.基本のイントネーション:句切りと「へ」の字 ⇒これで十分
日本に ほ ん
には、 伝統的で ん と う て き
な 大お お
きい祭ま つ
りもあれば、 地元じ も と
の 小ち い
さい祭ま つ
りもあります。
ステップ2:アクセント(アクセントがある山型かアクセントのない丘型)
伝統的で ん と う て き
な 大お お
きい祭ま つ
りもあれば、 地元じ も と
の 小ち い
さい祭ま つ
りもあります。
★ここまでは基本だと思ってください。これだけでも十分聞き手にとって聞きやすく、分
かりやすい発話になるはずです。
スズキクンを使うとさらにバージョンアップします。
注意:フレーズ(句)の第 1 アクセントに注目するように発音しましょう。
「オンライン日本語アクセント辞書」 OJAD は日夜進歩しています。
使い手も進歩しています。変化にはなるべく早く対応して行こうと思っています。
扉にアップデートした日付を入れるので、チェックしてください。
2014 年 11 月 9 日
中川千恵子