原広司:wallpapers《wallpapers》の一要素であり、原氏の構想する「空間の文法」の...

5
01 2014.09.04 会期 2014 年 10 月 4 日[土]–12 月 28 日[日] 市原湖畔美術館[指定管理者:(株)アートフロントギャラリー] 芸術文化振興基金・エプソン販売株式会社 10:00–17:00(土日祝は延長あり・入場は閉館の30分前まで) 月曜(祝日の場合、翌平日) 一般:800 円( 700 円)、大高生 600 円( 500 円)、中学生以下・65 歳以上の方 障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。 上記料金で入館当日に限り、同時開催常設展もご覧いただけます。 開館時間 休館日 料金 主催 助成・協賛 原広司:WALLPAPERS  ―2500年間の空間的思考をたどる〈写経〉の展覧会― [左]領域分割図( 2014.11.14. 東京 夕暮れ)[右]アリストテレス『形而上学』第五巻(部分)および『自然学』第三巻(部分)

Upload: others

Post on 06-Apr-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 原広司:WALLPAPERS《WALLPAPERS》の一要素であり、原氏の構想する「空間の文法」の 序章に位置づけられます。書籍タイトル『Hiroshi Hara: WALLPAPERS』

01

2014.09.04

会期 2014 年 10 月 4 日[土]–12 月28 日[日]

市原湖畔美術館[指定管理者:(株)アートフロントギャラリー]

芸術文化振興基金・エプソン販売株式会社

10:00–17:00(土日祝は延長あり・入場は閉館の 30 分前まで)

月曜(祝日の場合、翌平日)

一般:800 円( 700 円)、大高生 600 円( 500 円)、中学生以下・65 歳以上の方障害者手帳をお持ちの方とその付添者( 1名) は無料。上記料金で入館当日に限り、同時開催常設展もご覧いただけます。

開館時間

休館日

料金

主催

助成・協賛

原広司:WALLPAPERS ―2500 年間の空間的思考をたどる〈写経〉の展覧会―

[左]領域分割図( 2014.11.14. 東京 夕暮れ)[右]アリストテレス『形而上学』第五巻(部分)および『自然学』第三巻(部分)

Page 2: 原広司:WALLPAPERS《WALLPAPERS》の一要素であり、原氏の構想する「空間の文法」の 序章に位置づけられます。書籍タイトル『Hiroshi Hara: WALLPAPERS』

02

2014.09.04

日本を代表する建築家のひとりである原広司。原広司 + アトリエ・ファイ建築研究所として、主な設計活動に札幌ドーム、JR 京都駅、梅田スカイビル等。梅田スカイビルは、かつて英タイムズ誌によりパルテノン神殿やタージマハル、サクラダファミリアに並んで「世界の建築物トップ 20 」に選出されています。設計活動への評価が世界的に高いこともさることながら、1970 年代の世界の集落調査をはじめ、建築および空間理論の構築では、現代の建築を見わたす重要な業績を残しています。また、東京大学・原広司研究室およびアトリエ・ファイ建築研究所からは現在活躍する数々の建築家が生まれています。 本展では、「空間とは何か」─原広司の追い求める命題へのヒントとなる 2500 年におよぶ歴史の中で編み出された書物の一部を、「風景」に変換し、文字で書きこんだ作品を「壁紙:WALLPAPERS 」になぞらえて展示し、美術館に新たな空間を生み出します。

建築家・原広司の手書きの〈写経〉による世界の思想風景

建築家。東京大学名誉教授。1936 年神奈川県生まれ。59 年東

京大学工学部建築学科卒業、64 年同大学数物系大学院建築学

専攻博士課程修了、工学博士。70 ~ 98 年設計活動をアトリエ・

ファイ建築研究所と協同し、99 年原広司+アトリエ・ファイ建

築研究所に改名。主な著書に 67 年『建築に何が可能か』(学芸

書林)、73 ~ 79 年『住居集合論 1~ 5 』(編著、鹿島出版会)、

87 年『空間〈機能から様相へ〉』(岩波書店)、87 年『集落への旅』

(岩波新書)、98 年『集落の教え 100 』(彰国社)、01年『 Hiroshi

Ha r a 』( 共 著、WIL E Y- A C ADEMY )、0 4 年『 DISCRE TE

CITY 』( TOTO 出版)、09 年『 YET 』( TOTO 出版)

原広司 略歴

(右)梅田スカイビル│ 1993 年原広司+アトリエ・ファイ建築研究所、木村俊彦構造設計事務所、竹中工務店 撮影:大橋富夫

(上)JR 京都駅│ 1997 年原広司+アトリエ・ファイ建築研究所、木村俊彦構造設計事務所 撮影:大橋富夫

Page 3: 原広司:WALLPAPERS《WALLPAPERS》の一要素であり、原氏の構想する「空間の文法」の 序章に位置づけられます。書籍タイトル『Hiroshi Hara: WALLPAPERS』

03

2014.09.04

〈写経〉本展の空間をうめるのは、原氏がエネルギーをかけて書き続けていた

〈写経〉の数々です。アリストテレスの『形而上学』『自然学』やナーガールジュナの『中論』にはじまり、『方丈記』、グリム童話や宮沢賢治など文学作品も写経しています。難解な内容も想像力と共に理解し反芻しようとする行為としての〈写経〉を一堂に会します。

2500年間の空間的思考本展で写経されるのは、原氏が東京大学で建築の講義をしていた際に教材にしてきた書物の数々です。それぞれの書物が直接的に「空間とは何か」議論した書物とは限りません。本展では、2500 年間におよぶ多様な空間的思考の写経を並べることで、わたしたちの〈身の回り〉について思考する、空間論、様相論のひとつのストーリーの浮上を試みます。

〈WALLPAPERS〉その〈写経〉の数々は、単に文献の文字を書き写しただけではなく、「装飾」が施されています。原氏が「領域分割図」と呼ぶ、夕暮れや夜明けの風景を色で分割した図を下図に、” 文字で塗り絵 ” をしたように写経されています。本展では、〈写経〉を仮想の「壁紙 =WALLPAPERS 」として、美術館の壁面を埋め尽くし、新たな空間を創出します。

文字総数は約40万字。1m×1mの紙に書き込まれたテキスト

[左]領域分割図( 2014.01.15 東京 夕暮れ)[右]ナーガールジュナ『中論』(全文)

Page 4: 原広司:WALLPAPERS《WALLPAPERS》の一要素であり、原氏の構想する「空間の文法」の 序章に位置づけられます。書籍タイトル『Hiroshi Hara: WALLPAPERS』

04

2014.09.04

著者名アリストテレス荘周—ナーガールジュナ―鴨長明道元ダンテブルーノデカルトスピノザライプニッツカントグリムアンデルセンソロートウェインホメロス 宮沢賢治谷川俊太郎大江健三郎

写経の文献一覧(一部)

「空間の文法」序章—書き下ろしテキストを含む展覧会図録を刊行

書名『形而上学』『自然学』『荘子』『妙法蓮華経』『中論』『アラビアン・ナイト』『方丈記』『正法眼蔵』『神曲』『無限、宇宙および諸世界について』『哲学の原理』『エチカ』『単子論』『純粋理性批判』『グリム童話』『人魚姫』『森の生活』『ハックルベリー・フィンの冒険』『オデュッセイア』『銀河鉄道の夜』『自選・谷川俊太郎詩集』『万延元年のフットボール』

写 経 作 品 図 版 や 書 き 下 ろし 補 論「 マ イ クロ デ ュレ イ ション 」「 情景 図 式 と 記 号 場 」を 含 む 図 録 を 刊 行 し ま す。こ の 本 は、展 覧 会

《 WALLPAPERS 》の一要素であり、原氏の構想する「空間の文法」の序章に位置づけられます。

書籍タイトル『 Hiroshi Hara: WALLPAPERS 』 著者 原広司B5 並製 260ページ(カラー176ページ) 定価 ¥2,500+ 税発行日:2014年 10 月4日 ISBNコード 978-4-7738-1419-4 出版社:現代企画室

私は、建築を設計するうえで最も重要な概念は「様相」だと考えています。〈写経〉したテキストは、この捉え

がたい「様相」を理解するうえで不可欠なものであり、私が 28 年間、大学院の講義で読み合わせをしてきた

テキストでもあります。いずれも私にとってたいへん重要な「聖典」といえるテキストです。……また、展覧

会にあたっては、子供たちにも親しみやすい童話や詩の〈写経〉を多くするように心がけました。子供たちを

はじめ、できるだけ多くの来場者が、〈写経〉のテキストとなった本を手にとり、さらに実際に〈写経〉をして

もらえれば、たいへん嬉しく思います。                    2014 年 9 月 原広司

Page 5: 原広司:WALLPAPERS《WALLPAPERS》の一要素であり、原氏の構想する「空間の文法」の 序章に位置づけられます。書籍タイトル『Hiroshi Hara: WALLPAPERS』

05

2014.09.04

所在地:〒 290-0554 千葉県市原市不入 75-1電車で:JR 内房線五井駅乗換え 小湊鉄道「高滝」駅より徒歩 20 分お車で:圏央道「市原鶴舞 IC 」より約5分高速バスで:東京駅八重洲口・羽田空港・横浜駅より約1 時間

(市原鶴舞バスターミナル経由、タクシー又は路線バス利用 約 5 分)

市原湖畔美術館 担当:渡辺tel: 0436-98-1525 fax:0436-98-1521info@lsm-ichihara. jp www.lsm-ichihara. jp

アクセス

広報についてのお問い合わせ

出口

高滝 駅

高滝 湖

至 茂原 方面

圏央 道

市原鶴 舞I C

五井

小湊鐵道

養老渓谷

至 木更津東 ICアクアライン方面

10月4日(土)14:00〜原広司 オープニング・レクチャー

「 WALLPAPERS について」11月15日(土)14:00〜原広司╳三浦雅士(文芸評論家)╳大栗博司(物理学者)

「宇宙 × 想像 × 空間」空間とは何か─ 建築・文学・物理学の観点から語り合う特別セミナー会期中第1・第3日曜日〈写経〉体験ワークショップ「文字で風景を描こう」※イベントは予約制です。

関連企画