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Copyright©2017 EPCS All Rights Reserved. 【法改正】 育児・介護休業法②(平成29年1月1日施行) 【アベノミクスと雇用改革②】 労働時間規制の三位一体改革について 【人事課題の考察】 柔軟で多様な働き方(ワークスタイル)の推進 Social Insurance Consulting Firm EOS Firm News Contents Firm News Vol. 81 Mar’17 1

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Page 1: Firm News Vol. 81 Mar’17...Social Insurance Consulting Firm EOS Firm News Copyright©2017 EPCS All Rights Reserved. 2 【法改正】 育児・介護休業法②(平成29年1月1日施行

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【法改正】 育児・介護休業法②(平成29年1月1日施行) 【アベノミクスと雇用改革②】 労働時間規制の三位一体改革について 【人事課題の考察】 柔軟で多様な働き方(ワークスタイル)の推進

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【法改正】 育児・介護休業法②(平成29年1月1日施行)

前回は介護休業における改正内容についてお知らせいたしましたが、今回は育児休業における改正内容とその変更点を取り上げます。非正規雇用労働者の育児休業の取得促進や妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする不利益取扱い等の防止を図ることが必要との趣旨の下、以下のように改正が行われました。

■多様な家族形態・雇用形態に対応した育児期の両立支援制度等の整備

改正内容 改正前 改正後

1 子の看護休暇の取得単位の柔軟化

1日単位での取得 半日(所定労働時間の2分の1)単位での取得が可能

2 有期契約労働者の育児休業の取得要件の緩和

①当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること ②子が1歳になった後も雇用継続の見込みがあること ③子が2歳になるまでの間に労働契約が更新されないことが明らかである者を除く

①当該事業主に引き続き雇用された期間が過去1年以上であること ②子が1歳6ヶ月になるまでの間に、その労働契約

(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでないもの

3 育児休業の対象となる子の範囲 法律上の親子関係である実子・養子 特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子等も新たに対象

4 妊娠・出産・育児休業・介護休業をしながら継続就業しようとする男女労働者の就業環境の整備

事業主による不利益取扱い(就業環境を害することを含む。)は禁止

・妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする、上司・同僚による就業環境を害する行為を防止するため、雇用管理上必要な措置を新たに事業主に義務づける。

・派遣先で就業する派遣労働者については、派遣先も事業主とみなして、上記防止措置義務を適用する。また事業主による育児休業等の取得等を理由とする不利益取扱いの禁止規定を派遣先にも適用する。

今回の改正により、子の看護休業を半日単位で取得できるようになった他、妊娠・出産・育児休業・介護休業に関するハラスメントを防止する措置を講じることが事業主に義務付けられました。これに伴い就業規則の見直しや改定などが必要になります。 今回の法改正の詳しい内容や、一般的な就業規則の規定例が厚生労働省のホームページに掲載されておりますので、参考にされてはいかがでしょうか。http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html(育児・介護休業法について)

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【アベノミクスと雇用改革②】 労働時間規制の三位一体改革について

今回はアベノミクスと雇用改革の第2回目として労働時間規制の見直しについて、見ていきたいと思います。

アベノミクスの雇用改革でも、まず、首相官邸あるいは内閣府直属の機関で問題提起をし、それに基づいてワーキンググループを立ち上げ、そこでの提案内容を労働政策審議会にて審議するという流れとなっており、安倍政権の下では、総合政策を立案する機関として規制改革会議等が設置されています。 その規制改革会議から2013年12月5日に「労働時間規制の見直しにかかる意見」が出され、次のような提案が行われました。

1. 労働時間法制の包括的な改革を ○ 健康確保の徹底のための取組み わが国ではフルタイム労働者の総実労働時間は過去20 年ほど変わっておらず、長時間労働はいまだに大きな社会問題である。健康確保を徹底するために労働時間の量的上限規制の導入が必要である。 ○ ワークライフバランスの促進

年次有給休暇消化率、長期連続休暇の取得率が国際的にみても低い。休日・休暇取得促進に向けた強制的取り組みや、労働時間貯蓄制度(時間外労働に対して割増賃金ではなく休暇を付与する制度)の本格的導入などが必要である。 ○ 一律の労働時間管理がなじまない労働者に合った労働時間制度の創設

労働者の中には、その成果を労働時間の長さで測ることができず、実労働時間で管理することがなじまない層が多様に存在する。こうした労働者の生産性を上げ、長時間労働を解消するために、労働時間の長さと賃金のリンクを切り離し、その働き方にあった労働時間制度が必要である。 2. 労働時間規制の三位一体改革を ① 労働時間の量的上限規制、② 休日・休暇取得に向けた強制的取り組み、③ 一律の労働時間管理

がなじまない労働者に適合した労働時間制度の創設、は相互に連関した課題である。それぞれが個別に議論されると、使用者側・労働者側いずれかからの反対を受け、議論が進まない。 規制改革会議では、上記 3つをセットにした改革として、労使双方が納得できるような「労働時間の新たな適用除外制度の創設」を提案したい。 3.一律の労働時間管理がなじまない働き方に合い、健康確保と両立する適用除外制度の創設 (1)現在ある労働時間の例外的措置のうち①管理監督者の適用除外、②裁量労働制、の2つについて

は、前者は名ばかり管理職を生んでいるという問題が指摘されており、後者は手続きが煩雑で利用度が低い。このため、分かりやすく実態に合致した新制度を創設する。他(2)~(6)省略。 これがいわゆる労働時間規制の三位一体の改革で、第1次安倍内閣の際に直裁的にホワイトカラー

エグゼンプション制度の導入が提案された雇用改革と異なる点となっており、この意見をベースに法律の改正案が作成されました。

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新聞紙上等で盛んに耳にすることが多くなった「成果労働」「働き方改革」。前回号でも少し触れましたが、今後の働き方・ワークスタイルの形として、時間によらない柔軟な働き方、就労場所によらない柔軟な働き方、つまり時間・就労場所含めた柔軟な働き方の推進といったテーマについて、注目が集まっています。今回号においては、柔軟で多様な働き方の推進について、その目的や期待効果を明確にするための論点整理をしてみます。 このテーマを推進する目的は、時間や場所にとらわれない社員の自立的な働き方をすることで、仕事の成果を発揮し生産性を向上させることがそもそもの目的であると、定義しなくてはなりません。その目的を見誤ると違う方向に進んでしまうため、まずはそのことをしっかり認識する必要があります。では、それはどのような要素に注力し、掘り下げ見ていけばよいか、そこには、時間的要素と場所的要素がありますが、まずはこの2点について棚卸をしてみます。 時間的要素とは、つまりは労働時間制のことを言います。労働時間制は、具体的には右記のとおりですが、これまでは通常の労働時間制が中心の管理・運用だったところに自由度を持たせた労働時間制をいかに会社の制度として導入・運用定着させるかといったことです。イメージとしては、例えば、9:00~18:00(1h休憩)の8時間勤務の定時制が基本だったところに、出社・退社に自己裁量を認めるといったフレックス、そもそもの1日の労働時間自体をみなし時間を設定し、自己裁量に委ねた裁量労働を適用し、社員自らが自律的な時間管理で働いてもらうことが考えられます。 また、場所的要素とは、働く場所(就業場所)について、右記のとおり、これまでは、オフィスワークが中心だったところに自宅やサテライトオフィス、あるいは出張などの移動中にも効率的に働いてもらうといったワーク(テレワークとも言います。)を如何に推進できるかといったことです。近年、ICT機器の発達、活用の浸透に付随して、このような働き方が実現可能になってきています。

このように場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を実現するには、会社が時間的・場所的要素をしっかりと見極めたうえで社員にとって多様で働きやすい環境を整備し、如何に制度の本来の目的を果たすかが重要になります。 では、この柔軟な働き方を推進する期待効果としては、以下に揚げたようなことが考えられます。次回号では、期待効果やその反面の課題等について検討します。

【人事課題の考察】 柔軟で多様な働き方(ワークスタイル)の推進

場所的要素

★働く場所(就業場所)

-オフィス

-自宅・自宅近隣のサテライトオフィス

-出張、営業拠点間の移動中

-Web会議、電話会議

⇒テレワーク

時間的要素

★働く時間(労働時間)

-通常労働時間制

-変形労働時間制

-フレックス制

-事業場外みなし労働制

-裁量労働制

時間的拘束、場所的拘束を受けない 社員の多様な自律的な働き方を推進

仕事の成果を発揮、生産性の向上

≪期待効果≫ 業務効率、生産性向上の実現 優秀な社員の確保・継続雇用の実現 恒常的勤務が難しい社員(女性、高齢者、外国人、障害者等)の有効活用 ワークライフバランスの実現

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