food in kyoto

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Design


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TRANSCRIPT

– Food in Kyoto – – topic –

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SPIRAL

– Food in Kyoto – – topic –

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SPIRAL

はじめに 小塚明朝PR6N M 20PTはじめに

コンセプトプログラム

店舗の設計と家具デザインオープンスペース

キッチンカウンター

レストランスペース

お惣菜の陳列棚

ファサードデザイン

まとめ

KYOTO Design Lab,Kyoto Institute of TechnologyStudent Name, Student NameYoshiro Ono, Erwin Viray, Eizo Okada, Akira Kakuda, Kazue Akamatsu, Kaoru Iwamoto, Takuya Miyake, Yuka Nakamura, Riku Nagasaki

Manuel Herz (Univerysity of Basel), Shadi Rahbaran (Rahbaran Hürzeler Architekten GmbH)

Fall Semester 2016

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はじめに 錦市場では現在、観光客が訪れるようになってから現れた「食べ歩き」によって、市場空間が大きく変化し、それは、衛生、安全面や廃棄物の問題など、様々な点で不具合を生じさせてきている。そこで、この「食べ歩き」問題に対する一つの解決策として、「錦市場で食べる」ことへの新しい提案を行う。 敷地は錦市場内の三軒長屋である。この三軒長屋の一階部では、これまで肉屋や魚屋、履物屋などが代々錦市場を構成する一店舗として経営してきた。また二階部は居住空間として利用されてきた。このような歴史をもつ建物を新たな「錦市場で食べる」場へと造り替える。

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私たちは、錦の食材を新しい形で体験できるレストランを設置し、錦市場の人の流れをそのまま引き込むような空間を提案する。錦小路通から二階のレストランまでの人をスムーズに運ぶために、館内に吹き抜けを設置し、それを囲むようにスパイラルな流れを作る。

コンセプト

ダイアグラム

プログラムこのレストランは、見て、食べて、知れるレストランである。利用者は料理風景を見ながら、錦市場の食材を使った様々なお惣菜を食べることができ、そのレシピや食材の販売店舗を知ることができる。 この施設は大きく二つの利用方法があり、それは一階のオープンスペースの利用と、上階のレストランの利用である。 一階はオープンなスペースとなっており、パフォーマンスキッチンを設ける。このパフォーマンスキッチンは錦小路通や館内のすべての人が見ることができるように、スパイラルの中心にある。誰もがシェフの料理パフォーマンスを見学しながら、簡単な飲み物や、錦市場で買ってきた商品等を飲食することができるのである。 パフォーマンスキッチンでは、日本料理アカデミーのシェフや錦市場の店員が料理performanceを行う。錦市場の定員によるパフォーマンスとは、何か特別なことをやってもらおうと考えているわけではなく、普段は店の奥で行っている作業を錦に来た パフォーマンスのイメージ(Photo by Kaoru Iwamoto)

人たちに知ってもらおうというものである。例えば、卵焼きを作っている風景や、お正月によくある野菜の飾り切り、うなぎの蒲焼作業などを見せてもらいたいと考えている。 上階では錦市場の食材を利用したおばんざいを中心としたレストランを開く。ここでは、シェフによる創作料理の他に、錦市場内の店舗で販売しているお惣菜も陳列する。ここでは食べ歩きでは味わえない温かいご飯を食べることができるのだ。

パフォーマンスのイメージ(Photo by Shun Takada)

吹き抜け 人の動きスキップフロアを利用し

吹き抜けの周辺にスパイラルな人の流れを作る

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設計ではコンセプトであるスパイラルを空間として表現するためにスキップフロアを取り入れた。家具デザインとしては、店舗1階の中央部にレイアウトするシェフがパフォーマンスできるキッチンカウンターと、2階食事スペースへとつなぐ中2階のお惣菜の陳列棚をデザインした。キッチンカウンターは、施設の空間全体をとりまくスパイラルの出発点となるような役割を果たす。また、陳列棚は錦市場を支える新鮮な地下水を用いて食材の新鮮さを伝える。

店舗の設計と家具デザイン

Nishiki st.Performance kitchen

Eat spaceDish space

Cafe space

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Image Caption Image Caption

キッチンカウンターこの施設の1階部分は、主に調理スペースとして利用され、このキッチンカウンターはそのメインの役割を果たす。中央の穴にひとり日本料理アカデミーのシェフが入り調理のパフォーマンスをして見せる。全長3メートルと大きく、360°全方向に開けており、1階のみならず階段や2階、中2階、施設のどこからでもパフォーマンスが目につくよう、吹き抜けの真下にレイアウトされる。天板は、光を集めるために光沢のある白い大理石が使われ、同時に重厚感を演出する。カウンター内のシェフの立つ床は100㎜底上げされ、よりシェフがステージの上にいるような感覚と目線に近いパフォーマンスを導く。周辺にはより小さくて低いキッチンカウンターをレイアウトする。そこでは錦市場の鰻屋さんなどがお客さんと軽い会話を交わしつつ、距離感の近いパフォーマンスができる。

お惣菜の陳列棚

1階にて料理の様子を体感したのち、お客さんはお惣菜を選んで食事する。2段あるうち、下の段にはカフェテリア形式で自由に選んべる料理が、上の段にはその料理に使われた錦で売られている新鮮な食材が並ぶ。細いすのこに盛られた食材の下には、長年錦を支えてきた新鮮で豊富な地下水が流れ、そのような錦の環境を視覚的に表現している。さらに、上段下段それぞれの下の傾斜部分に、お惣菜のレシピやその食材を買える錦の店舗の情報が掲載され、この施設を経たあと錦市場で叶えられる体験につながる。

レストランスペース

次に、レストランスペースについてみていく。中二階を含む上階は全てレストラン利用者専用の空間となる。このレストランはセルフサービス形式となっている。中二階にはお惣菜の陳列棚が配置されており、人々はここでお惣菜を選び取る。陳列台のデザインについては後のページで詳しく説明する。食べたいお惣菜を全てとった利用客は、さらに階段を上がり、飲食スペースにおいて食事を行うことができる。

オープンスペース

一階のオープンスペースには、パフォーマンスキッチンと、飲み物の販売コーナー、そのほかテーブルと椅子を何組か設置する。ここでは、誰でもシェフの料理パフォーマンスを見学しながら、簡単な飲み物や、錦市場で買ってきた商品等を飲食することができる。端のカウンターは飲み物コーナーである。ここでは錦の酒屋や果物屋がお酒やフルーツジュースを販売する。cafe利用者はこの飲み物コーナーでドリンクを購入し、立ち飲みテーブルで飲みながらパフォーマンスを楽しめる。

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1st Floor plan 1/50

Performance kitchen

Drink stand

Kitchen

StrageWC

Open space

Cafe space

Nishiki street

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Restaurant space

Buffet area

Void

2st Floor plan 1/50

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格子を並べ、市場を行く人たちからは店内が、店内で食事をしている人たちからは市場を通る人たちが目に入るようなデザインにする。その際、間口の狭い店舗が並ぶ錦市場の町並みに合わせた、町家の連続性を崩さないファサードをデザインために、格子の幅を変化させ三軒が一体となった広いファサードに変化をつける。

ファアードデザイン

Elevation 1/50

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まとめ 現在の錦市場では食べ歩きやそれに伴う様々な問題が浮上している。本チームの提案は、食べ歩きにかわる新たな食事形態として、錦市場の店頭で販売しているようなお惣菜を座って食べることができる場を作ることで、それらの問題を解決しようとしたものである。 また、本案は陳列棚にお惣菜と共にその料理の材料と材料の販売店舗、レシピを掲示することで、利用客の錦市場への還元も促す。このような仕掛けにより、観光客の食べ歩き対策だけでなく京都市民の錦市場の利用を促す施設として機能することを期待する。

レストラン部

模型写真