©C

opyr

ight

200

8 Fr

esen

ius

Med

ical

Car

e Ja

pan

FXクラス®ダイアライザー

参考文献

1）Külz M, Nederlof B, Schneider H : In vitro and in vivo evaluation of a new dialyzer. Nephrol Dial

Transplant 17 : 1475-1479, 2002

2）上田貴美子, 阿波加和美, 平松信, 他 : FPX 140とPS-1.6N の比較検討 . 腎と透析 55 別冊ハイパフォーマンス

メンブレン ’03 : 31-35, 2003

3）Bowry S, Ronco C : Surface topography and surface elemental composition analysis of Helixone®,

a new high-flux polysulfone dialysis membrane. Int J Artif Organs 24 : 757-764, 2001

4）Streicher F, Schneider H : Polysulphone membrane mimicking human glomerular basement

membrane. Lancet 2 : 1136, 1983

5）Ronco C, Bowry S : Nanoscale modulation of the pore dimensions, size distribution and structure of

a new polysulfone-based high-flux dialysis membrane. Int J Artif Organs 24 : 726-735, 2001

製造販売業者フレゼニウス メディカル ケア ジャパン株式会社〒105-0001 東京都港区虎ノ門五丁目13番1号Tel :03-6809-1561 Fax:03-6809-1568

http://www.fresenius.co.jp

Catalog No.0702R42018.05（KK）

Haemodialysis

機能分類：Ⅰa型中空糸型透析器 高度管理医療機器

承認番号：22000BZX00037000

機能分類：Ⅱa型中空糸型透析器 高度管理医療機器

承認番号：22000BZX00029000

FXクラス®はフレゼニウス メディカル ケアの登録商標です.

FXクラス®FX-Sシリーズ（Ⅰa型）

FXシリーズ （Ⅱa型）

フレゼニウスダイアライザー FX-Sシリーズ フレゼニウスダイアライザー FXシリーズ

機能分類：Ⅰa型中空糸型透析器 高度管理医療機器

承認番号：22000BZX00037000

機能分類：Ⅱa型中空糸型透析器 高度管理医療機器

承認番号：22000BZX00029000

FXクラス®はフレゼニウス メディカル ケアの登録商標です.

FXクラス®FX-Sシリーズ（Ⅰa型）

FXシリーズ （Ⅱa型）

フレゼニウスダイアライザー FX-Sシリーズ フレゼニウスダイアライザー FXシリーズ

FXクラス® はフレゼニウス メディカル ケアの登録商標です.

FXクラス®FX-Sシリーズ（Ⅱa型）

FXシリーズ （Ⅰa型）

＊写真はイメージです.

4 5

FXクラス® ダイアライザーの特長

卓越したデザインと機能性

F60S 202g

FX-S 140115g

色白色（半透明）

材質

ポリプロピレンスリムなデザイン径と長さのより良い比率

　インライン蒸気滅菌　高温高圧蒸気による独自の滅菌技術

　血流動態の改善　ピナクル構造, 3Dマイクロウェーブ

　適度な中空糸充填率で　マイルドな内部濾過量

　ポリプロピレンの採用による軽量化

（1.3m2）

（1.4m2）

4 5

FXクラス® ダイアライザーの特長

卓越したデザインと機能性

F60S 202g

FX-S 140115g

色白色（半透明）

材質

ポリプロピレンスリムなデザイン径と長さのより良い比率

　インライン蒸気滅菌　高温高圧蒸気による独自の滅菌技術

　血流動態の改善　ピナクル構造, 3Dマイクロウェーブ

　適度な中空糸充填率で　マイルドな内部濾過量

　ポリプロピレンの採用による軽量化

（1.3m2）

（1.4m2）

6 7

FXクラス® の各部の構造と機能FXクラス®膜の構造

非対称膜（FX-S膜の電子顕微鏡写真）

158

F-Sシリーズ164168 150 140

数字：ビタミンB12

　　　クリアランス単位：mL/min158

FXクラス®

164168 150 140

185μm

5μm

35μm

5μm

緻密層の内表面（倍率×5,000）

支持層の外表面（倍率×5,000）

（倍率×280）

（倍率×2,000）

　FXクラス® 膜の内径は185μm, 膜厚は35μmであり, 約１μm の緻密層（内面）と約34μm の支持層からな

ります. 内面平滑性は高く, 優れた生体適合性を持っています.

１．血液側ポート　血液側ポート部はらせん形状を有しています. これ

により, 血液の均一な流れ, ヘッダー領域での血液

滞留部の減少など, 血流動態の改善, プライミング

効率の向上が図られています.

２．ピナクル構造　スリット状の部分から透析液が中心部に向かって

均一, かつ強力に送り込まれます.

　このピナクル構造と, 血液側ポート部をらせん構

造としたことにより, 透析器の各部分のクリアランス

が均一となりました.

ダイアライザー各部の透析性能の均一化

　下図はＦ-ＳシリーズとＦＸクラス® のダイアライザーを25のセクションに分け, 各部のビタミンＢ12のクリアラン

スを比較したものですが, 血液側ポート部の改良とピナクル構造の採用により, ダイアライザー各部の透析性能の

均一化が図られ, 結果として従来のダイアライザーと比べ高性能を実現しました1）.

6 7

FXクラス® の各部の構造と機能FXクラス®膜の構造

非対称膜（FX-S膜の電子顕微鏡写真）

158

F-Sシリーズ164168 150 140

数字：ビタミンB12

　　　クリアランス単位：mL/min158

FXクラス®

164168 150 140

185μm

5μm

35μm

5μm

緻密層の内表面（倍率×5,000）

支持層の外表面（倍率×5,000）

（倍率×280）

（倍率×2,000）

　FXクラス® 膜の内径は185μm, 膜厚は35μmであり, 約１μm の緻密層（内面）と約34μm の支持層からな

ります. 内面平滑性は高く, 優れた生体適合性を持っています.

１．血液側ポート　血液側ポート部はらせん形状を有しています. これ

により, 血液の均一な流れ, ヘッダー領域での血液

滞留部の減少など, 血流動態の改善, プライミング

効率の向上が図られています.

２．ピナクル構造　スリット状の部分から透析液が中心部に向かって

均一, かつ強力に送り込まれます.

　このピナクル構造と, 血液側ポート部をらせん構

造としたことにより, 透析器の各部分のクリアランス

が均一となりました.

ダイアライザー各部の透析性能の均一化

　下図はＦ-ＳシリーズとＦＸクラス® のダイアライザーを25のセクションに分け, 各部のビタミンＢ12のクリアラン

スを比較したものですが, 血液側ポート部の改良とピナクル構造の採用により, ダイアライザー各部の透析性能の

均一化が図られ, 結果として従来のダイアライザーと比べ高性能を実現しました1）.

8 9

５．低比重のポリプロピレンを容器に採用　ポリカーボネートの比重が約1.2であるのに比べ,

ポリプロピレンは比重が約0.9程度と, 汎用プラスチ

ックの中では最も軽いにもかかわらず, 引っ張りや折

り曲げに対して非常に強い性質を持っています.

　またポリカーボネートと比較すると, 燃焼時の発熱

量が小さく, 余分な二酸化炭素を排出しない素材です.

４．インライン蒸気滅菌　フレゼニウス メディカル ケアが開発した独自の滅菌

技術です.

　血液側, 透析液側に連続して高温高圧蒸気が流れ,

パイロジェンのない滅菌状態を確保します. エチレン

オキサイドガス（EOG）の残留やγ線照射による品質

の劣化がなく, アレルギー反応や細胞毒性も

生じません.

３．３Ｄマイクロウェーブ　３Ｄマイクロウェーブ構造をとることにより, 適度な

中空糸充填率と, ダイアライザー内部の透析液の流れ

の均等化が図られます.

　FX-Sシリーズ, FXシリーズでは, この３Ｄマイクロ

ウェーブ構造を右図の様により緻密にし, 膜表面の透

析液の流れをさらに改善して, より高い透析効率の向

上を図っています.

生体適合性　FXクラス® 膜は内表面の凹凸が少なく, 優れた血液接触表面を持っています. またフレゼニウスポリスルフォン®

膜（従来のF-Sに使用）の化学的性質を保持しているため, 補体活性化や白血球減少が少ない性質を持っています.

　下図はFXクラス®使用時のC3aと白血球数の推移を, 透析開始時を100％として表したものです2）.

FXクラス®膜の膜表面の形状　左図は5μｍ×5μｍの範囲で走査したFXクラス®

膜とフレゼニウスポリスルフォン® 膜の三次元原子

間力顕微鏡写真を比較したものです3）. 画像中の

暗い部分は膜表面の凹部, 明るい部分は凸部に相

当します.

　FXクラス® 膜の内側表面はフレゼニウスポリスル

フォン ® 膜に比べ, さらに表面の凹凸による高低差

が小さく, よりなめらかな膜となっています.

（計算値）

焼却時の燃焼熱, 発生CO2 量がほぼ半減

FX 180FX-S 180（1.8m2）

（ポリプロピレン）

F80S（1.8m2）

（ポリカーボネート）

燃焼熱（kcal）

687.1（62.0％）

1108.7（100％）

発生二酸化炭素量（ｇ）

205.4（48.8％）

421.0（100％）

透析時間（分）

C3aの変動

0 50 100 150 200 25020

40

60

80

100

120

140

160

180（％）

透析時間（分）

白血球数の変動

0 50 100 150 200 250 30075

80

85

90

95

100

105

110（％）

FXクラス® 膜

フレゼニウスポリスルフォン® 膜

2

1

3

4

2

1

3

4

FXクラス®膜の特性

色

白色（半透明）

材質

ポリプロピレン

スリムなデザイン

径と長さのより良い比率

F-Sシリーズ

FX-Sシリーズ, FXシリーズ

8 9

５．低比重のポリプロピレンを容器に採用　ポリカーボネートの比重が約1.2であるのに比べ,

ポリプロピレンは比重が約0.9程度と, 汎用プラスチ

ックの中では最も軽いにもかかわらず, 引っ張りや折

り曲げに対して非常に強い性質を持っています.

　またポリカーボネートと比較すると, 燃焼時の発熱

量が小さく, 余分な二酸化炭素を排出しない素材です.

４．インライン蒸気滅菌　フレゼニウス メディカル ケアが開発した独自の滅菌

技術です.

　血液側, 透析液側に連続して高温高圧蒸気が流れ,

パイロジェンのない滅菌状態を確保します. エチレン

オキサイドガス（EOG）の残留やγ線照射による品質

の劣化がなく, アレルギー反応や細胞毒性も

生じません.

３．３Ｄマイクロウェーブ　３Ｄマイクロウェーブ構造をとることにより, 適度な

中空糸充填率と, ダイアライザー内部の透析液の流れ

の均等化が図られます.

　FX-Sシリーズ, FXシリーズでは, この３Ｄマイクロ

ウェーブ構造を右図の様により緻密にし, 膜表面の透

析液の流れをさらに改善して, より高い透析効率の向

上を図っています.

生体適合性　FXクラス® 膜は内表面の凹凸が少なく, 優れた血液接触表面を持っています. またフレゼニウスポリスルフォン®

膜（従来のF-Sに使用）の化学的性質を保持しているため, 補体活性化や白血球減少が少ない性質を持っています.

　下図はFXクラス®使用時のC3aと白血球数の推移を, 透析開始時を100％として表したものです2）.

FXクラス®膜の膜表面の形状　左図は5μｍ×5μｍの範囲で走査したFXクラス®

膜とフレゼニウスポリスルフォン® 膜の三次元原子

間力顕微鏡写真を比較したものです3）. 画像中の

暗い部分は膜表面の凹部, 明るい部分は凸部に相

当します.

　FXクラス® 膜の内側表面はフレゼニウスポリスル

フォン ® 膜に比べ, さらに表面の凹凸による高低差

が小さく, よりなめらかな膜となっています.

（計算値）

焼却時の燃焼熱, 発生CO2 量がほぼ半減

FX 180FX-S 180（1.8m2）

（ポリプロピレン）

F80S（1.8m2）

（ポリカーボネート）

燃焼熱（kcal）

687.1（62.0％）

1108.7（100％）

発生二酸化炭素量（ｇ）

205.4（48.8％）

421.0（100％）

透析時間（分）

C3aの変動

0 50 100 150 200 25020

40

60

80

100

120

140

160

180（％）

透析時間（分）

白血球数の変動

0 50 100 150 200 250 30075

80

85

90

95

100

105

110（％）

FXクラス® 膜

フレゼニウスポリスルフォン® 膜

2

1

3

4

2

1

3

4

FXクラス®膜の特性

色

白色（半透明）

材質

ポリプロピレン

スリムなデザイン

径と長さのより良い比率

F-Sシリーズ

FX-Sシリーズ, FXシリーズ

10 11

仕様・性能

フレゼニウスダイアライザー FX-Sシリーズ 機能分類：Ⅱa型

仕様

性能

中空糸

血液容量（mL）

容器材質

滅菌方法

最高使用圧力

クリアランス（mL/min）

UFR（mL/hr/mmHg）b）

材質

内径（μm）

膜厚（μm）

膜面積（m2）

尿素 a）

クレアチニン a）

ビタミンB12 a）

リン酸 a）

0.6

31

172

149

86

138

8

1.0

47

186

166

101

153

15

ポリスルフォン

185

35

1.4

68

ポリプロピレン

高圧蒸気滅菌（インライン蒸気滅菌）

79kＰａ（600ｍｍHg）

ドライタイプ

198

182

127

172

21

1.8

88

199

189

142

178

29

項目 FX 60 FX 100 FX 140 FX 180 FX 220

2.2

106

198

187

145

181

30

a) in vitro：Qb=200mL/min, Qd=500mL/min, Qf=0mL/min/m2

b) in vitro：牛血 Ht=32±2%, TP=6.0±0.5g/dL, 膠質浸透圧は加味しておりません

フレゼニウス メディカル ケアのポリスルフォン中空糸膜開発

　フレゼニウス メディカル ケアは1982年, ポリス

ルフォン膜ダイアライザーを世界に先駆けて完成させ

ました. 1983年, StreicherとSchneiderはHD,

HDF, HFの各モードで評価を行い, いずれのモー

ドにおいても優れたクリアランスを示すことを発表し

ました4）.

　21世紀になると, フレゼニウスポリスルフォン®

膜はFXクラス®膜へと進化しました. FXクラス®膜

は従来のフレゼニウスポリスルフォン®膜と比べ内径

は200μｍから185μｍへと細くなり, 内面はより

緻密に, 緻密層の厚さはより薄くなりました.

　緻密層は透析膜の分離特性を決定する上で非常に

重要な領域です. 物質はこの緻密層を透過すると,

膜の残りの部分（支持層）も比較的障害なく通るこ

とができます.

　下図は中空糸最内膜表面から1.0μmの緻密層を

TEM（透過型電子顕微鏡）により観察し, その緻密度

をコンピューター画像分析法で示したものです. 左図に

フレゼニウスポリスルフォン®膜の結果を, 右図にFX

クラス®膜の結果を示します. 縦軸は本分析法による明

暗度を数値化することにより膜のポリマー密度を表し,

横軸は膜の内側からの距離を示します. すなわち膜の

外側ほどポリマー密度が低下することを示しています．

　フレゼニウスポリスルフォン®膜の緻密層では, 最

内膜表面から約0.4μｍ（400nm）の深さに至るま

でポリマー密度の比較的高い領域が存在し, これよ

りも外層は密度が連続的に低下しています. このポ

リマー密度の高い部分では物質透過に対する抵抗が

大きいと考えられます. 一方FXクラス®膜の緻密層

では, 約0.05μｍ（50nm）に最もポリマー密度の

高い部分があり, これよりも外層はポリマー密度が

連続的に低下しており, FXクラス®膜はフレゼニウ

スポリスルフォン®膜に比べ緻密層における物質の透

過に対する抵抗が小さく, 溶質の透過性がより高く

なると考えられます5）.

　今回, このFXクラス®膜の分画分子量をさらに拡

大し, β２‐ミクログロブリンの除去性能を向上させ

たFX-Sシリーズを製品化しました（国内生産）.

仕様

性能

項目

中空糸

血液容量（mL）

容器材質

滅菌方法

最高使用圧力

クリアランス（mL/min）

UFR（mL/hr/mmHg） b）

材質

内径（μm）

膜厚（μm）

膜面積（m2）

尿素 a）

クレアチニン a）

ビタミンB12 a）

リン酸 a）

FX-S 100

1.0

48

190

173

112

160

15

FX-S 140

1.4

69

196

182

132

178

22

FX-S 180

ポリスルフォン

185

35

1.8

92

ポリプロピレン

高圧蒸気滅菌（インライン蒸気滅菌）

79kＰａ（600ｍｍHg）

ドライタイプ

199

190

147

182

32

FX-S 220

2.2

111

199

193

156

187

47

a) in vitro：Qb=200mL/min, Qd=500mL/min, Qf=0mL/min/m2

b) in vitro：牛血 Ht=32±2%, TP=6.0±0.5g/dL, 膠質浸透圧は加味しておりません

フレゼニウスダイアライザー FXシリーズ 機能分類：Ⅰa型

図 TEM観察図 ̶フレゼニウスポリスルフォンⓇ膜緻密層̶ 図 TEM観察図 ̶FXクラスⓇ膜緻密層̶

膜の内側からの距離（μm）

－0.2 0.0

0

50

100

150

200

250

膜の内側からの距離（μm）

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 －0.2 0.0

0

50

100

150

200

250

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

10 11

仕様・性能

フレゼニウスダイアライザー FX-Sシリーズ 機能分類：Ⅱa型

仕様

性能

中空糸

血液容量（mL）

容器材質

滅菌方法

最高使用圧力

クリアランス（mL/min）

UFR（mL/hr/mmHg）b）

材質

内径（μm）

膜厚（μm）

膜面積（m2）

尿素 a）

クレアチニン a）

ビタミンB12 a）

リン酸 a）

0.6

31

172

149

86

138

8

1.0

47

186

166

101

153

15

ポリスルフォン

185

35

1.4

68

ポリプロピレン

高圧蒸気滅菌（インライン蒸気滅菌）

79kＰａ（600ｍｍHg）

ドライタイプ

198

182

127

172

21

1.8

88

199

189

142

178

29

項目 FX 60 FX 100 FX 140 FX 180 FX 220

2.2

106

198

187

145

181

30

a) in vitro：Qb=200mL/min, Qd=500mL/min, Qf=0mL/min/m2

b) in vitro：牛血 Ht=32±2%, TP=6.0±0.5g/dL, 膠質浸透圧は加味しておりません

フレゼニウス メディカル ケアのポリスルフォン中空糸膜開発

　フレゼニウス メディカル ケアは1982年, ポリス

ルフォン膜ダイアライザーを世界に先駆けて完成させ

ました. 1983年, StreicherとSchneiderはHD,

HDF, HFの各モードで評価を行い, いずれのモー

ドにおいても優れたクリアランスを示すことを発表し

ました4）.

　21世紀になると, フレゼニウスポリスルフォン®

膜はFXクラス®膜へと進化しました. FXクラス®膜

は従来のフレゼニウスポリスルフォン®膜と比べ内径

は200μｍから185μｍへと細くなり, 内面はより

緻密に, 緻密層の厚さはより薄くなりました.

　緻密層は透析膜の分離特性を決定する上で非常に

重要な領域です. 物質はこの緻密層を透過すると,

膜の残りの部分（支持層）も比較的障害なく通るこ

とができます.

　下図は中空糸最内膜表面から1.0μmの緻密層を

TEM（透過型電子顕微鏡）により観察し, その緻密度

をコンピューター画像分析法で示したものです. 左図に

フレゼニウスポリスルフォン®膜の結果を, 右図にFX

クラス®膜の結果を示します. 縦軸は本分析法による明

暗度を数値化することにより膜のポリマー密度を表し,

横軸は膜の内側からの距離を示します. すなわち膜の

外側ほどポリマー密度が低下することを示しています．

　フレゼニウスポリスルフォン®膜の緻密層では, 最

内膜表面から約0.4μｍ（400nm）の深さに至るま

でポリマー密度の比較的高い領域が存在し, これよ

りも外層は密度が連続的に低下しています. このポ

リマー密度の高い部分では物質透過に対する抵抗が

大きいと考えられます. 一方FXクラス®膜の緻密層

では, 約0.05μｍ（50nm）に最もポリマー密度の

高い部分があり, これよりも外層はポリマー密度が

連続的に低下しており, FXクラス®膜はフレゼニウ

スポリスルフォン®膜に比べ緻密層における物質の透

過に対する抵抗が小さく, 溶質の透過性がより高く

なると考えられます5）.

　今回, このFXクラス®膜の分画分子量をさらに拡

大し, β２‐ミクログロブリンの除去性能を向上させ

たFX-Sシリーズを製品化しました（国内生産）.

仕様

性能

項目

中空糸

血液容量（mL）

容器材質

滅菌方法

最高使用圧力

クリアランス（mL/min）

UFR（mL/hr/mmHg） b）

材質

内径（μm）

膜厚（μm）

膜面積（m2）

尿素 a）

クレアチニン a）

ビタミンB12 a）

リン酸 a）

FX-S 100

1.0

48

190

173

112

160

15

FX-S 140

1.4

69

196

182

132

178

22

FX-S 180

ポリスルフォン

185

35

1.8

92

ポリプロピレン

高圧蒸気滅菌（インライン蒸気滅菌）

79kＰａ（600ｍｍHg）

ドライタイプ

199

190

147

182

32

FX-S 220

2.2

111

199

193

156

187

47

a) in vitro：Qb=200mL/min, Qd=500mL/min, Qf=0mL/min/m2

b) in vitro：牛血 Ht=32±2%, TP=6.0±0.5g/dL, 膠質浸透圧は加味しておりません

フレゼニウスダイアライザー FXシリーズ 機能分類：Ⅰa型

図 TEM観察図 ̶フレゼニウスポリスルフォンⓇ膜緻密層̶ 図 TEM観察図 ̶FXクラスⓇ膜緻密層̶

膜の内側からの距離（μm）

－0.2 0.0

0

50

100

150

200

250

膜の内側からの距離（μm）

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 －0.2 0.0

0

50

100

150

200

250

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

©C

opyr

ight

200

8 Fr

esen

ius

Med

ical

Car

e Ja

pan

FXクラス®ダイアライザー

参考文献

1）Külz M, Nederlof B, Schneider H : In vitro and in vivo evaluation of a new dialyzer. Nephrol Dial

Transplant 17 : 1475-1479, 2002

2）上田貴美子, 阿波加和美, 平松信, 他 : FPX 140とPS-1.6N の比較検討 . 腎と透析 55 別冊ハイパフォーマンス

メンブレン ’03 : 31-35, 2003

3）Bowry S, Ronco C : Surface topography and surface elemental composition analysis of Helixone®,

a new high-flux polysulfone dialysis membrane. Int J Artif Organs 24 : 757-764, 2001

4）Streicher F, Schneider H : Polysulphone membrane mimicking human glomerular basement

membrane. Lancet 2 : 1136, 1983

5）Ronco C, Bowry S : Nanoscale modulation of the pore dimensions, size distribution and structure of

a new polysulfone-based high-flux dialysis membrane. Int J Artif Organs 24 : 726-735, 2001

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