gisを用いたインバウンドデータの空間分析 ·...

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サービス経営学部研究紀要 第29号 2016年(平成28年)12月27日抜刷 西武文理大学 GIS を用いたインバウンドデータの空間分析 東アジア圏からの訪日外国人観光動態の分析:第一報 Spatial Analysis of Inbound Data using GIS : 1 st Report of Transition Analysis of Foreign Tourists from East Asia Hiroshi SATO

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サービス経営学部研究紀要 第29号

2016年(平成28年)12月27日抜刷

西武文理大学

GIS を用いたインバウンドデータの空間分析東アジア圏からの訪日外国人観光動態の分析:第一報

Spatial Analysis of Inbound Data using GIS :1st Report of Transition Analysis of Foreign Tourists from East Asia

佐 藤 浩 志Hiroshi SATO

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GIS を用いたインバウンドデータの空間分析東アジア圏からの訪日外国人観光動態の分析:第一報

Spatial Analysis of Inbound Data using GIS :1st Report of Transition Analysis of Foreign Tourists from East Asia

佐 藤 浩 志Hiroshi SATO

要旨「観光立国推進基本法」が施行されてから10年が経過しようとしている。観光は、少子高齢化時

代の経済活性化の切り札として期待されており、さまざまな取り組みが日本各地で行われてきた。2015年には、査証発給要件の緩和や免税制度の拡充等により、2016年には訪日外国人旅行者が1800万人という目標を突破して、1974万人を記録した。今後ますますの観光業の発展が期待される。本論文は、訪日観光客が利用するソーシャルネットワークサービス(SNS)の投稿データに位置情報が含まれていることに注目し、地理情報システム(GIS)を用いてこのデータの空間的な分析を行った結果を報告する。

AbstractThe “Tourism-based Country Promotion Basic Act” was enacted in Japan over a decade

ago. Tourism is expected to be the primary contributing factor toward the economic acti-vation of Japan to combat with a low birthrate and an aging society ; consequently, vari-ous tourism promotion activities are performed across Japan. Eased visa regulations andexpansion of the tax exemption system attracted more than 19 million foreign tourists toJapan in 2015. As a result, one year earlier, Japan achieved the policy objective of extend-ing foreign visitors to 18 million by 2016. It is expected that the development of the tour-ism industry will increase in the future. Therefore, this paper focuses on the need to in-clude the location information of visitors to Japan while they post data on the social net-working services. This study reports the spatial analysis results of these data using a geo-graphical information system.

[キーワード]地理情報システム、観光情報、空間分析、訪日外国人旅行者、ソーシャルネットワーキングサービス

Keywords : Geographic Information System, Tourism Informatics, Spatial Statistics,

Inbound tourist, Social Networking Service

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1.はじめに

観光は少子高齢化時代における経済活性化の切り札として期待されている。政府は、観光に関する訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加を目的として、1996年の訪日観光交流倍増計画である「ウェルカムプラン21」を、2000年には拡充された「新ウェルカムプラン21」を策定し、実施してきた。そして2003年1月に当時の首相であった小泉純一郎氏が「2010年に訪日外国人を1000万人にする」と観光立国を宣言し、「ビジット・ジャパン・キャンペーン」が展開された1)~6)。その後、観光立国の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、「観光立国推進基本法」7)が2006年12月に議員立法により成立し、2007年1月に施行された。同年6月には「観光立国推進基本計画」8)を定め、「住んでよし、訪れてよしの国づくり」をスローガンに官民揚げて取り組んできた。この計画の期間は5年とされ、2012年には新たな観光立国推進基本計画9)が2012年3月30日に閣議決定され、「観光の裾野の拡大」と「観光の質の向上」を掲げ、日本の誠意長戦略の柱の一つに位置づけ、観光立国の実現に向けて取り組んできた。2012年の計画には、東京オリンピックの開催年である2020年初めまでに、訪日外国人旅行者数を2500万人とすることを念頭とし、中間目標として2016年までに1800万人にする目標が設定されていた。観光庁が主導的な役割を果たしながらオールジャパンによる訪日プロモーションの実施が功を奏して、訪日外国人観光客数は想像以上のペースで増え続け、2015年の訪日外国人は1973万人10)となり目標を達成した。その結果、関係閣僚と有識者による会議「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」を開き、訪日外国人数を「2020年に4000万人、30年に6000万人」に増やす新目標が掲げられた11)。日本政府観光局(JNTO)の発表によると、

2015年の訪日外国人は1974万人で、2014年の1341万人を600万人余り上回り過去最高となった10)。2015年に訪日した外国人の1位は中国人、2位は台湾人、以下順に、韓国人、香港人、米国人、タイ人と続く10)12)。主な要因は、クルーズ船の寄港増加、航空路線の拡大、燃油サーチャージの値下がりによる航空運賃の低下、これまでの継続的な訪日旅行プロモーションによる訪日旅行需要の拡大などといわれている。また、円安や消費税免税制度の拡充、中国および東南アジア諸国の査証発給要件の大幅緩和措置等の影響を受けたともいわれている13)~17)。経済産業省は、自治体による地方創生の取組

を情報面から支援するため、内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)と連携し、2015年4月より「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」の提供を開始した18)。ビッグデータが取りざたされる今日において、位置情報を有する先端的観光情報データを積極的に利活用した分析は、観光庁による「観光地域づくり政策」で実施された「観光ビッグデータを活用した観光振興」19)により、多くの可能性を示した。この「観光地域づくり政策」の中間報告において、今後の課題として「国は、今後も幅広く、民間事業者等によるサービスも含めた、位置情報を活用した調査・分析の手法及び結果を活用した取組についての事例を収集し、観光を通じた地域活性化に取り組む関係者への情報発信に努めていくことが重要である。」と結んでいる。現在では民間事業者における新しいサービスの提供も活発になっている20)~22)。2016年8月にNTTコムオンライン・マーケティング・ソリューション株式会社と実践女子大学斎藤明研究室の合同調査23)として、東京の街に対するイメージについてインターネット調査が公表された。この調査は中国、台湾、タイ在住の海外モニタのうち、直近過去1年以内に観光目的で日本に訪れた経験のある629人を対象とした調査で、観光に訪れた都市としては「東京」が74.4%と

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最も高く、以下、「大阪」「京都」「北海道」の順となった。インターネットアンケート調査による分析は非常に有効であり今後も継続的な実施が期待されるが、実際には「街のどの周辺」が人気なのか判断できないため、観光ビッグデータの利活用が注目されている。観光ビッグデータを活用した研究は、個人情

報およびプライバシー保護への留意が重要という前提のもと、統計的評価のみならず、訪日外国人の観光行動を定量的に調査および分析することから、訪日外国人の趣味・嗜好に応じたニーズを踏まえた効率的・効果的な取組へと発展可能である。訪日観光客の旅行前の情報収集は主にインターネットによるところが多く、旅行

会社のホームページや個人の Blog(「Web Log」の略称)や SNS、口コミサイトからの情報収集が多い12)。特に、Social Networking Service

(以後:SNS)は、主要な情報源となっており、観光データ分析では SNSの利活用したビックデータの取得は重要である24)。本論文は、訪日外国人観光客による位置デー

タを有する SNS投稿から集計されたメッシュデータと、地理情報システム(GIS : GeographicInformation System)を用いて、位置情報を有する訪日外国人の観光データの空間分析を実施する。

表1:空・海港別・外国人出入国者数

平成27年 入国(人) 出国(人)構成比(%) 構成比(%)

総数 19,688,247 100.0 19,473,620 100.0空港 19,117,376 97.1 18,909,251 97.1成田 6,117,712 31.1 6,098,767 31.3関西 5,007,751 25.4 4,969,316 25.5羽田 2,485,679 12.6 2,482,267 12.7中部 1,009,121 5.1 935,479 4.8福岡 1,392,755 7.1 1,392,446 7.2那覇 1,077,518 5.5 1,058,889 5.4新千歳 948,403 4.8 931,126 4.8富士山静岡 169,902 0.9 167,276 0.9広島 70,579 0.4 60,994 0.3その他 837,956 4.3 812,691 4.2

海港 570,871 2.9 564,369 2.9博多 183,316 0.9 173,849 0.9比田勝 137,186 0.7 141,980 0.7下関 82,562 0.4 82,335 0.4厳原 78,542 0.4 73,390 0.4大阪 32,988 0.2 32,733 0.2神戸 9,798 0.0 5,694 0.0境 14,009 0.1 15,420 0.1その他 32,470 0.2 38,968 0.2

出典:法務省:平成27年における外国人入国者数及び日本人出国者数について25)より筆者作成

GIS を用いたインバウンドデータの空間分析

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2.訪日外国人観光客の現状

法務省の発表25)によると、2015年における外国人入国者数は、入国者数が1969万人、出国者数が1947万人であった。入国者数の方が出国者数よりも20万人も多く、国内に滞在している外国人も多いことが分かる。ここで空港および海港別の外国人の出入国者の順位を表1に示す。島国である日本への入国は、空港か海港に限られるが、表1によると空港からの入国が97%と大半であり、海港は3%に過ぎない。空港の場合は、成田空港、関西国際空港、羽田空港の順に出入国外国人が多く、成田空港と羽田空港の2空港では、全体の44%を占め、約半数の訪日観光客が関東、とりわけ首都「東京」を訪問都市にしていると考えられる。東京都が発表した統計データによると、2015

年の東京都を訪れる外国人旅行者数も過去最多となり、約1189万人となった26)。訪日および訪都外客数の推移を図1に示す。訪都外客数は、訪日外客数の約60%~70%の割合で推移しているようすが判断できる。図2に直近4年間の訪日外客数の地域別内訳

を示す。図1から2013年以降に訪日外客数は飛躍的に増え始めたことが判断できる。図2からは、2014年、2015年における訪日外国人の80%以上がアジア圏からの訪日であることがわかる。ここで、アジア圏からの訪日外客数の上位5カ国の中国、韓国、台湾、香港、およびタイ(以後:上位5カ国と呼ぶ)の推移を図3に示す。上位5カ国は全て東アジア圏である。特に、2015年1月から8月まで中国からの訪日外客数の伸びが著しい。これは外務省が2015年1月19日から中国人に対する査証発給要件を緩和したことに起因すると考えられる28)。それにより2015年における春節(旧正月)は2月18日から24日であったが、早い段階でホテルやツアーの予約が好調であるとの報道があった29)。この期間は春

節だけでなく、日本でいうお盆にあたる清明節(2015年4月4日から4月6日)、黄金週といわれる労働節(2015年5月1日から5月3日)、端午の節句にあたる端午節(2015年6月20日から6月22日)などの3連休があり、査証発給要件の緩和も相まって、多くの中国人観光客が訪日したと考えられる。また、2015年初春から、中国人観光客が百貨店やドラッグストアなどで大量購入をしていることが社会現象として大きく報道され30)31)、その後も中国人観光客の購買行動は収まらず32)、大型バスのツアー客を中心に「爆買いツアー」が津々浦々で見受けられた33)34)。そうしたことから2015年には「爆買い」が新語・流行語大賞となった35)。2015年9月には急激に訪日観光客数が減少に転じたが、これは8月上旬に中国政府が「9月1日から中国の税関当局が新政策を導入し、旅客が中国に持ち込む手荷物を100%検査して関税を課税する」などの噂が出回ったことに関係が深い36)。実際には9月1日には行われなかったが、2016年4月8日より海外で購入した商品を中国内へ持ち込む際の課税を強化する措置を実施している37)。観光庁発表の『訪日外国人消費動向調査結果

及び分析(平成27年年次報告書)』によると、2015年の訪日外国人1974万人のうち、1位の中国からの訪日客は499万人に達しているが、そのうちの63%が初訪日であり、観光・レジャーで訪れた観光客の56%が団体ツアーを利用している。(表2、図4~図6参照)また、一人当たりの旅行支出額も他4カ国と比べ、圧倒的に多く、上述の購買行動を裏付けている。一方、訪日客数が4位の香港人は、中国の特別行政区ということからパスポートも異なり、査証なしに自由に出入国できることから、2015年の訪日客152万人のうち、2回目から5回目が最も多く47.4%である。また20回以上の訪日客が8.3%にも及んでいることに注視したい。さらには、観光・レジャーで訪れた観光客の83.0%が個人旅行パッケージまたは個別手配を行っているこ

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とも特徴的である。2位の韓国人は400万人に達し、特筆すべきは、観光・レジャーで訪日している韓国人の69.3%が旅行を個別手配していることである。初回の訪日であってもツアー旅行ではなく、個別手配の旅行を行っている可能性が高い。また平均泊数が5カ国中最も短く、それに関連して1人当たりの旅行支出額も最も低いことに特徴がある。3位の台湾人は、初訪

日の割合が20.7%と低いにもかかわらず、観光・レジャー客の団体ツアー選択率が高いのが特徴である。タイ人は観光・レジャー客の割合が低く、「訪日外国人消費動向調査結果及び分析」12)

によると、インセンティブツアー、展示会・見本市、国際会議、研修などを目的とする訪日客が多く、ビジネスによる訪日割合が他国より高い特徴がある。

出典:東京都:訪日・訪都外国人旅行者数及び訪都国内旅行者数の推移27)より筆者作成

図1:訪日外客数および訪都外客数の推移

出典:日本政府観光局(JNTO)より筆者作成

図2:地域別の訪日外客数

GIS を用いたインバウンドデータの空間分析

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出典:日本政府観光局(JNTO)より筆者作成

図3:アジア圏からの訪日外国人観光客数上位5カ国の推移

出典:日本政府観光局(JNTO)より筆者作成

図4:上位5カ国からの訪日回数

表2:上位5カ国の1人当たりの旅行支出額および平均泊数

国 訪日外客数(人) 一人当たりの旅行支出(円/人) 平均泊数(泊)中国 4,993,689 283,842 12.7韓国 4,002,095 75,169 5.2台湾 3,677,075 141,620 6.4香港 1,524,292 172,356 5.9タイ 796,731 150,679 11.1

出典:日本政府観光局(JNTO)より筆者作成

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3.対象地域および使用する集計データ

3.1.集計データの特徴・集計方法・データの取得期間

分析には、株式会社ナイトレイ(本社:東京都渋谷区)および、ESRIジャパン株式会社(本社:東京都千代田区)が共同で提供している「メッシュ型インバウンドデータ」を利用する。このデータは訪日外国人の位置・移動情報に特化した SNS解析サービスで、株式会社ナイトレイが Twitterや新浪微博(Sina Weibo)などの

SNS上に公開されている投稿内容を大規模に解析し、行動場所やクチコミ・国籍・性別・移動経路などをデータベース化した収集データである20)。またこの収集データは、季節属性(春:4~6月/夏:7~9月/秋:10~12月/冬:1~3月)、曜日属性(平日:月~金/休日:土日)、そして時間属性(朝:5~10時台/昼:11~16時台/夜:17~22時台/深夜:23~4時台)を有している。本論文で用いるデータの取得期間は、2015年

4月~2016年3月とする。

出典:日本政府観光局(JNTO)より筆者作成

図5:上位5カ国からの主な訪日目的

出典:日本政府観光局(JNTO)より筆者作成

図6:上位5カ国からの観光・レジャー客の旅行形態割合

GIS を用いたインバウンドデータの空間分析

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3.2.集計単位本論文ではメッシュデータを利用する。メッ

シュデータとは、地図上の情報をデジタル化し各種統計情報をとるために地図上の経緯度方眼として定められた地域メッシュで、統計データの表示のみにとどまらず、地形、自然環境、行政地域、道路・鉄道、公共施設、文化財などの位置・範囲等を数値化して表示するなど、多分野で利用されている38)39)。このメッシュデータは、訪日外国人による SNSの投稿地点を4次メッシュ(約500m四方で区切られた格子)で集計したデータである。4次メッシュの正式名称は、「2分の1地域メッシュ」と呼ばれ、国勢調査の地域メッシュ統計などに使用されている基準地域メッシュ(3次メッシュ)を緯線方向、経線方向に2等分してできる区域である。詳細は総務省統計局のホームページ38)による。

3.3.分析の対象地域および集計対象の国籍成田空港と羽田空港の2空港で、訪日外国人

出入国数全体の44%を占めていることから、分析の対象地域を関東地方とした。また、アジア圏の訪日外客数が2014年以降80%を超えていることから、分析対象の国籍をアジア圏からの上位5カ国の中国、台湾、韓国、香港およびタイとする。

3.4.重複データの対応重複データとは、同一投稿者が同一メッシュ

内で複数投稿を同一時間帯に行う場合などが想定される。投稿件数だけを追従する場合では、多くの投稿を同一メッシュ内、同一時間帯で投稿された場合、そのメッシュ内における投稿の頻度が高いと過大評価してしまう恐れがある。そのため、同一投稿者が、同一メッシュ、同一集計属性(同一日、同一時間帯)で複数回投稿が行われた場合でも、投稿件数は1件として集計している。

4.GIS を用いた空間分析

4.1.SNS投稿の分布と高頻度投稿エリアの抽出

2015年度訪日外国人 SNS投稿の全集計結果の三次元表示を図7に示す。この図では、投稿件数が多いメッシュほど高く表示されている。図より観光客が多い東京の都市部を中心に投稿件数が高くなっていることが容易判断できる。本論文では、訪日外国人が関東圏のどのエリ

アで SNS投稿を頻繁に行っているかを分析する。図8に示すように、投稿件数は東京都内の観光名所に集中する傾向が強いため、投稿された関東エリア内において、統計的視点から投稿が集中しているメッシュを抽出する。

図7:訪日外国人SNS投稿の集計

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分析対象としている関東の全エリア内で、投稿件数の分布は正規分布にしたがわない。そのため、各メッシュ内における投稿件数について対数変換し、その値から各国別の標準偏差を推定し、その3倍以上となっているメッシュを高頻度投稿エリア��として抽出する。

������������ (1)

����

�����

��������� � (2)

��������������� (3)

�:投稿件数�:対数変換した投稿件数�:�の平均値�:�の標準偏差�:高頻度投稿エリア�:メッシュコード�:国�:投稿されたメッシュ数(エリア数)

表3に、国別の投稿数、投稿されたメッシュ数、抽出された高頻度投稿エリア数を示した。また抽出されたメッシュ数を都県別にまとめて

表4に示す。県境界線上のエリアが抽出された場合、メッシュ内の面積が多い都県のメッシュとして表記した。また、茨城、栃木、群馬、埼玉からは高頻度投稿エリアは抽出されなかった。

表3:国別投稿数、メッシュ数、高頻度投稿エリア数

中国 韓国 台湾 香港 タイ投稿数 240,137 6,528 18,155 8,839 13,368メッシュ数 8,084 1,140 1,943 1,231 1,696抽出後の投稿数 151,970 1,794 6,581 3,355 6,375抽出後のメッシュ数 174 19 34 28 40

表4:高頻度でSNS投稿があるメッシュ数

中国 韓国 台湾 香港 タイ東京都内 147 18 29 25 33千葉県内 19 1 5 3 7神奈川県内 8 0 0 0 0合計 174 19 34 28 40

図8:訪日中国人によるSNS投稿の分布(東京都を中心にして表示)

GIS を用いたインバウンドデータの空間分析

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4.2.国別の高頻度投稿エリア図9にタイ人による SNS投稿の高頻度エリ

アのようすを示す。また同様に、図10には香港人、図11には台湾人、図12には韓国人、図13には中国人による SNS投稿の高頻度エリアのようすを示す。図9~図13の図中に示した丸印部分は東京ディズニーリゾート近辺である。千葉県内で高頻度投稿エリアはこの東京ディズニーリゾート近辺と図14に示した成田空港近辺に限られる。神奈川県における抽出された高頻度投稿エリアは、中国人のみであったことから本論文では割愛する。図9に示したタイ人の高頻度投稿エリアにお

いて、単一メッシュ内における投稿件数の多い順に示すと、成田空港、渋谷駅前、新宿駅東口、浅草寺近辺であった。図10の香港人、図11の台湾人における高頻度

投稿エリアは酷似している。台湾人の方が香港人より池袋エリア、新宿エリア、羽田空港エリアで計4カ所多く、渋谷エリアで1カ所異なっ

図9:訪日タイ人によるSNS投稿の高頻度エリア

図10:訪日香港人によるSNS投稿の高頻度エリア

図11:訪日台湾人によるSNS投稿の高頻度エリア

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たエリアが示されているだけで、東京都内においてはその他の高頻度投稿エリアは同じである。この2カ国はいずれも6回以上の訪日が30%

を超えており(図4)、リピータが多いため訪問先が分散している傾向が予想される。また表2より、一人当たりの旅行支出や平均泊数も近いことから個別の趣味・嗜好に合わせた観光が行われていると予想できる。香港人の高頻度投稿エリアにおいて、単一メ

ッシュ内における投稿件数の多い順に示すと、新宿駅東口、渋谷駅前、秋葉原駅前、渋谷センター街近辺であった。また、台湾人の高頻度投稿エリアにおいて、単一メッシュ内における投稿件数の多い順に示すと、新宿歌舞伎町近辺、新宿駅東口、明治神宮前駅近辺、渋谷駅前であった。図12の韓国人における高頻度投稿エリアの特

徴は、高頻度投稿エリアがあまり抽出されず、東京都内では18カ所、千葉県内では成田空港の1カ所のみであった(表4、図14)。

韓国人の高頻度投稿エリアにおいて、単一メッシュ内における投稿件数の多い順に示すと、新宿駅東口、渋谷駅前、秋葉原駅前、渋谷センター街近辺であった。他の4か国では高頻度に投稿されている東京

ディズニーリゾート近辺における投稿も、本論文の抽出方法では抽出されない。すなわち、「東京ディズニーリゾート近辺の投稿は特別に多いわけではない」と言い換えることができる。また、品川駅近辺における投稿が高頻度であることは興味深い。図13に中国人の高頻度投稿エリアを示す。中

国人の高頻度投稿エリアにおいて、単一メッシュ内における投稿件数の多い順に示すと、新宿駅東口、新宿歌舞伎町近辺、銀座四丁目交差点近辺、秋葉原駅近辺であった。中国人の高頻度投稿エリアは広範囲に及んでおり、中国人による投稿は観光拠点・エリア周辺で行われ、分散して投稿されているように感じられる。この分散の要因の一つとして考えられることは、図6

図12:訪日韓国人によるSNS投稿の高頻度エリア

図13:訪日中国人によるSNS投稿の高頻度エリア

GIS を用いたインバウンドデータの空間分析

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より中国人訪日客の56.2%が団体ツアーを利用していることから、観光拠点・エリア周辺へ団体バスツアーで移動するため、観光バスの集合場所やバス内から投稿されていることが考えられる。また韓国人の高頻度投稿エリアと同様に、品川駅周辺における投稿も高頻度であることも興味深い。

4.3.東京都の観光スポットと高頻度投稿エリア世界最大の旅行サイトのトリップアドバイザ

ー40)の口コミによる東京観光ランキングのトップ100(2016年11月1日現在)について調査した。「浅草」や「新宿御苑」などの観光名所が並んでいるが、当該サイトの口コミは、外国人観光客のみではなく、むしろ日本人観光客の口コミ情報を多く含んでいる。またランキングの中には、「料理教室」や「カルチャースクール」など住所や小規模エリアを特定できない観光名所が存在する。さらには2015年4月から2016年3月までのメッシュデータ収集期間に開業され

ていない施設も含まれているので、それらを除外した93の観光施設や観光スポットについて地図上にプロットする。データはサイト上に示された住所から Google Maps Geocodingを用いて緯度経度のデータに変換し分析用のデータとした。図15に東京都における観光スポットを地図上にプロットした図を示す。図15の観光スポットデータを図9~図13に示

した国別の高頻度投稿エリアを重ね合わせ、高頻度投稿メッシュ内に含まれる観光スポットのうち、2カ国以上で抽出された観光スポットを表5に示す。このとき、同じメッシュ内に含まれる観光スポットは併記した。新宿エリアでは、サムライ ミュージアム、

新宿ゴールデン街、伊勢丹 新宿店などの新宿駅東口近辺が上位5カ国全ての高頻度投稿エリアに含まれている。渋谷エリアでは、渋谷駅前スクランブル交差点、渋谷センター街、ハチ公像と渋谷駅の西側エリアがそれに該当している。さらには秋葉原駅前、表参道、原宿竹下通り、

図14:成田空港近辺におけるSNS投稿の高頻度エリアの比較

図15:トリップアドバイザー掲載の東京観光名所 Top100

(a)タイ (b)韓国 (c)香港

(d)台湾 (e)中国

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表5:2か国以上の訪日外国人が訪れた観光名所(メッシュ内で統合)

観光名所 中国 台湾 香港 韓国 タイサムライ ミュージアム、新宿ゴールデン街 ○ ○ ○ ○ ○伊勢丹 新宿店 ○ ○ ○ ○ ○渋谷駅前 スクランブル交差点、渋谷センター街 ○ ○ ○ ○ ○ハチ公像 ○ ○ ○ ○ ○銀座、銀座三越 ○ ○ ○ ○ ○東京駅丸の内駅舎、KITTE ○ ○ ○ ○ ○秋葉原 ○ ○ ○ ○ ○原宿竹下通り ○ ○ ○ ○ ○表参道 ○ ○ ○ ○ ○六本木ヒルズ(東京シティビュー、森美術館含む) ○ ○ ○ ○ ○浅草、浅草文化観光センター ○ ○ ○ ○浅草寺、浅草神社 ○ ○ ○ ○東京タワー ○ ○ ○ ○東京スカイツリー、東京ソラマチ ○ ○ ○ ○お台場 ○ ○ ○ ○上野、アメヤ横丁問屋街(アメ横) ○ ○ ○ ○H.I.S. ツーリストインフォメーションセンター 原宿 ○ ○ ○ ○築地場外市場、築地本願寺 ○ ○ ○ ○羽田空港 国際線ターミナル 展望デッキ ○ ○ ○東京ドーム ○ ○ ○ガンダムフロント東京、ダイバーシティ東京 プラザ ○ ○ ○思い出横丁 ○ ○ ○明治神宮 ○ ○国立西洋美術館、国立科学博物館 ○ ○靖国神社 ○ ○羽田空港 第1旅客ターミナル 展望デッキ ○ ○

表6:訪日中国人が訪れた観光名所(メッシュ内で統合)

新宿御苑 国立新美術館、東京ミッドタウン サンシャイン水族館東京都庁舎 増上寺 神田明神東京都江戸東京博物館 小石川後楽園 東京大学上野恩賜公園、上野動物園 かっぱ橋道具街 日枝神社根津美術館 渋谷 キャットストリート 日本科学未来館両国国技館 丸の内、東京国際フォーラム メガウェブ代々木公園 お台場海浜公園 世界貿易センタービル展望台、

旧芝離宮恩賜庭園東京国立博物館 神田神保町古書店街

GIS を用いたインバウンドデータの空間分析

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六本木ヒルズが該当した。また東京駅丸の内口エリアも5カ国全ての高頻度投稿エリアに含まれている。これらのエリアは団体ツアーや個人旅行を問わず、多くの訪日外国人が足を運ぶエリアであると判断できる。表5中には2カ国以上の高頻度投稿エリアが

含まれている観光スポットを示した。中国とタイの訪日観光客は傾向が似ていると判断できる。国立西洋美術館は2016年に世界遺産登録されたが、当該データの取得期間は登録前であることも関係して中国とタイの2カ国のみの結果となった。表6には、中国人のみの高頻度投稿エリアに含まれた観光スポットを列記した。日本人には人気の場所であっても、まだ外国人にはあ

まり知られていない観光スポットも含まれている。中国からのリピータを中心に訪問されたと考えられる。

4.4.東京都の訪問した街と高頻度投稿エリア東京都がとりまとめた調査結果「平成27年度

国別外国人行動特性調査報告書」41)から、訪問した街について国別の割合を図16に示す。この調査報告書では国別の訪問した街の訪問率の10位までのデータが公開されている。そのためランク外になったエリアは空白として表示してある。図より、新宿は5カ国とも訪問率が高いことが分かる。浅草は新宿の次に訪問率が高いが、韓国と香港の訪問率が低い。中国人による銀座

出典:『平成27年度 国別外国人旅行者行動特性調査』より筆者作成

図16:国別の訪問した街とその割合

西武文理大学サービス経営学部研究紀要第29号(2016年12月)

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の訪問率は群を抜いて高いが、中国人による渋谷、池袋、原宿・表参道・青山の訪問率は低い。六本木・赤坂エリアにおいては、韓国人が唯

一ランク内に入っているため、他の4カ国からの訪問率は低いことが予想される。しかしながら表5によると六本木ヒルズは5カ国全てで高頻度投稿エリアが抽出されている。同様に池袋も訪問率は低いにもかかわらず、5カ国とも高頻度投稿エリアが抽出されている。これは訪問率が高いところが高頻度投稿エリアになるのではなく、「投稿したくなる写真を撮影できた場所」が多いエリアが抽出されていると考えられる。

5.まとめ

本論文は、関東地方における東アジア圏からの訪日外客数上位5カ国の中国、韓国、台湾、香港およびタイについて、訪日外国人が SNS

投稿を行った件数を集計したメッシュデータを用いて、高頻度に投稿されているエリアを抽出し、地理情報システムを用いて空間分析を行った。その結果、以下の知見が得られた。

�高頻度投稿エリアにおいて、単一メッシュ内における投稿件数の多い順に示すと、タイ人の場合は、成田空港、渋谷駅前、新宿駅東口、浅草寺近辺であった。香港人の場合は、新宿駅東口、渋谷駅前、秋葉原駅前、渋谷センター街近辺であった。台湾人の場合は、歌舞伎町近辺、新宿駅東口、明治神宮前駅近辺、渋谷駅前であった。韓国人の場合は、新宿駅東口、渋谷駅前、秋葉原駅前、渋谷センター街近辺であった。中国人の場合は、新宿駅東口、新宿歌舞伎町近辺、銀座四丁目交差点近辺、秋葉原駅近辺であった。

�新宿は5カ国すべての訪日外国人が高頻度で投稿するエリアである。特に、台湾人は新宿エリアにおける投稿が多い。

�韓国を除く4か国では東京ディズニーリゾート近辺は高頻度投稿エリアに抽出されたが、韓国は抽出されない。すなわち、韓国からの訪日外国人は「東京ディズニーリゾート近辺の投稿は特別に多いわけではない」と言い換えることができる。

�香港と台湾は高頻度投稿エリアの範囲が酷似している。また、中国とタイの訪日外国人は高頻度投稿エリアに含まれている観光名所の傾向が似ている。

�六本木・赤坂エリアにおいては、韓国人以外の4カ国の訪問率は低いが、六本木ヒルズ近辺は高頻度投稿エリアになっている。同様に池袋も訪問率は低いにもかかわらず、5カ国とも高頻度投稿エリアが抽出されている。これは訪問率が高いところが高頻度投稿エリアになるのではなく、「投稿したくなる写真を撮影できた場所」が多いエリアが抽出されていると考えられる。

本論文ではそれぞれの国別で SNS投稿が多い場所のみに着目したが、各国には個別の傾向がある。訪問率が高くなくても高頻度投稿エリアになることがあり、それこそが「街の魅力」と考えられる。外国人観光客が感じている「日本の魅力」や「街の魅力」について、SNS等を通じて効果的に情報発信さ

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いく重要について改めて認識し、今後は各国に対してより詳細な分析を実施することから、見過ごされてきた街の魅力の発見を目指していく。

謝 辞本研究は平成28年度西武文理大学サービス経

営学部共同研究「観光情報データを用いたインバウンド行動分析とその波及効果」の助成を受けたものです。

参考文献1)進藤敦丸:わが国の国際観光動向と国際観光政

GIS を用いたインバウンドデータの空間分析

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策,観光学研究/東洋大学国際地域学部編,2,p25‐39(2003)

2)河村誠治:東アジア志向のビジット・ジャパン・キャンペーン事業の課題,東亜経済研究/山口大学東亜経済学会,67‐2,p179‐191(2009)

3)デービッド・アトキンソン:新・観光立国論イギリス人アナリストが提言する21席の「所得倍増計画」,東洋経済新報社(2015)

4)寺島実郎,一般社団法人日本総合研究所:新・観光立国論 ものづくり国家を超えて,NHK出版(2015)

5)早稲田大学商学部監修:観光立国日本への提言―インバウンド・ビジネスのチャンスをとらえる―,成文堂(2016)

6)中村好明:ドン・キホーテ流 観光立国への挑戦―激安の殿堂が切り拓くアジア観光交流圏という大市場,メディア総合研究所(2012)

7)観光庁:「観光立国推進基本法」(2006年12月)http://www.mlit.go.jp/kankocho/kankorikkoku/kihonhou.html

8)首相官邸:観光立国関係閣僚会議「観光立国推進基本計画」,(2007年6月)http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kanko2/kettei/070629/keikaku.pdf

9)観光庁:「観光立国推進基本計画」(2012年3月30日に閣議決定)

10)日本政府観光局:訪日外客統計の集計・発表http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/index.html

11)日本経済新聞:『訪日外国人「2030年に6000万人」政府、観光戦略で新目標」,(2016年3月30日)http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2015/html/gaiyou/index.html

12)観光庁:訪日外国人消費動向調査結果及び分析平成27年 年次報告書(2016)http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/syouhityousa.html

13)坂本剛:インバウンド市場を狙え!訪日外国人集客・販売ガイド,中央経済社(2015)

14)村山慶輔:インバウンドビジネス入門講座第2版 ―訪日外国人観光攻略ガイド―,翔泳社(2016)

15)日本文芸社:インバウンド・ツーリズムハンドブック ―訪日外国人旅行者への対応と心得

(2015)16)中島恵:「爆買い」後、彼らはどこに向かうの

か?中国人のホンネ、日本人のとまどい,プレジデント社(2015)

17)鄭世彬,中村正人:爆買いの正体,飛鳥新社(2016)

18)経済産業省:ニュースリリース、『「地域経済分析システム(RESAS(リーサス))」の提供を開始しました』(2015年4月21日)http://www.meti.go.jp/press/2015/04/20150421001/20150421001.html

19)国土交通省観光庁:観光ビッグデータを活用した観光振興/GPSを利用した観光行動の調査分析/『携帯電話から得られる位置情報等を活用した訪日外国人動態調査報告書』(2014年12月)http:/ / www. mlit. go. jp / kankocho / shisaku /kankochi/gps.html

20)株式会社ナビタイムジャパン:プレスリリース『経済産業省「地域経済分析システム(RESAS)」にナビタイムジャパンの「インバウンド GPSデータ」を提供』(2015年9月11日)http://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/201509/11_3262.html

21)ESRIジャパン株式会社:プレスリリース『訪日外国人の位置・移動情報「メッシュ型インバウンドデータ」を提供開始します。』(2016年2月16日)http://www.esrij.com/news/details/82248/

22)株式会社日立コンサルティング:平成24年度電子経済産業省構築事業『オープンデータに関する調査研究報告書』,(2012年3月)http://datameti.go.jp/data/ja/storage/f/2013-06-12T032111/H24-opendata-report.pdf

23)NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社:「訪日アジア観光客の東京の街に対するイメージ」調査結果(2016年8月)http://research.nttcoms.com/database/data/002027/

24)観光庁:報道発表『観光ビッグデータを活用した訪日外国人旅行者の行動・ニーズ調査』(2015)http://www.mlit.go.jp/kankocho/news04_000109.html

25)法務省:平成27年における外国人入国者数及び

西武文理大学サービス経営学部研究紀要第29号(2016年12月)

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Page 18: GISを用いたインバウンドデータの空間分析 · が含まれていることに注目し、地理情報システム(GIS)を用いてこのデータの空間的な分析を行

日本人出国者数について(確定値)http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri04_00056.html

26)東京都:平成27年訪都旅行者数等の実態調査結果http:/ /www.metro.tokyo. jp /INET/CHOUSA/2016/05/60q5q300.htm

27)東京都:訪日・訪都外国人旅行者数及び訪都国内旅行者数の推移http:/ /www.metro.tokyo. jp /INET/CHOUSA/2016/05/DATA/60q5q303.pdf

28)日本経済新聞:『中国人のビザ発給要件、19日から緩和』(2015年1月6日)http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS06H5A_W5A100C1PP8000/

29)日本経済新聞:『15年の春節期間、ホテル・ツアーの予約好調』(2015年1月10日[有料会員限定])http://www.nikkei.com/article/DGXLZO81798140Z00C15A1TI0000/

30)日本経済新聞:『日本製品「爆買い」 沸騰・訪日消費(ルポ迫真)』(2015年1月13日 電子版[有料会員限定])http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ08HKY_Y5A100C1PE8000/

31)日本経済新聞:『春節「買い物旋風」 百貨店免税売上高2~4倍 中国人客、高額消費に拍車』(2015年2月26日 朝刊)http://www.nikkei.com/article/DGXKASDZ25HOF_V20C15A2EA1000/

32)日本経済新聞:『炊飯器「爆買い」支える技(熱風インバウンド)高級機に殺到 休みも返上』(2015年8月21日 電子版)http://www.nikkei.com/article/DGXLZO90782920R20C15A8LDA000/

33)日本経済新聞:『バス100台で4000人 インバウ

ンドの担い手(ルポ迫真)』(2015年10月5日電子版[有料会員限定])http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB29HAS_U5A001C1PE8000/

34)日本経済新聞:『浅草・銀座・新宿…「爆買いバス」の路上駐車に悩む』(2015年12月21日 電子版)http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H74_R21C15A2CC0000/

35)日本経済新聞:『流行語大賞に「爆買い」「トリプルスリー」』(2015年12月1日)http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG01H83_R01C15A2CR8000/

36)日本経済新聞:『中国「爆買い」課税?日本観光業界ヒヤリ』(2015年10月3日 電子版)http://www.nikkei.com/article/DGXMZO92367460S5A001C1000000/

37)Newsweek日本版:『中国人の爆買い支える「代購」、政府が検査強化と増税で取り締まり』(2016年4月5日)http:/ /www.newsweekjapan. jp /stories /world/2016/04/post-4840.php

38)総務省統計局:地域メッシュ統計について(2016年10月1日現在)http://www.stat.go.jp/data/mesh/m_tuite.htm

39)鳥海重喜:空間データ処理入門:ポイントデータとメッシュデータの活用,オペレーションズ・リサーチ:経営の科学 58(1),5‐11(2013)

40)トリップアドバイザー,東京都観光ランキング(2016年11月1日現在)https://www.tripadvisor.jp/

41)東京都:「平成27年度国別外国人行動特性調査報告書」(2016年9月)http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2016/09/14/14.html

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